心臓病治療に役立つ薬一覧 | よく使用される心血管治療薬
心血管疾患

心臓病治療に役立つ薬一覧 | よく使用される心血管治療薬

はじめに

私たちの心臓は全身に血液を送り出すポンプのような役割を果たしており、体を維持するうえで欠かせない臓器です。しかしながら、加齢や生活習慣、その他の要因によって動脈硬化や高血圧などの問題が生じると、心臓や血管への負担が大きくなり、心血管系の疾患につながりやすくなります。心筋梗塞や冠動脈疾患など、いわゆる「心臓病」に分類される多くの疾患は、進行すると突然死や重篤な合併症を引き起こすリスクを伴います。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

そのため、血圧を安定させる、コレステロール値をコントロールする、血栓形成を予防するなど、さまざまな目的で医師から心臓病治療薬(以下、心血管系治療薬)を処方されることがあります。これらの薬の中には、生涯にわたって飲み続けることが必要とされるケースも少なくありません。薬の種類や飲み方、起こり得る副作用や注意点などを十分理解しておくことで、治療を継続しながら生活の質を高め、将来的な心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症を予防することにつながります。

この記事では、広く用いられる代表的な心血管系治療薬の種類や特徴について整理し、なぜ医師が薬を組み合わせて処方することが多いのか、どのような副作用や注意点があるのかなどを包括的に解説します。また、心不全治療の最新ガイドラインや近年の研究(2021年~2024年)での新たな知見にも触れつつ、患者さんやそのご家族が安心して治療を継続できるよう、できるだけわかりやすく説明を加えてまいります。

専門家への相談

本記事の内容は、医学的情報を分かりやすく整理したものであり、最終的な治療方針は必ず担当の医師などの専門家と相談して決定する必要があります。ここで言及する心血管系治療薬に関しては、Thạc sĩ – Bác sĩ CKI Ngô Võ Ngọc Hương(Bệnh viện Nhân dân 115)によるアドバイスが参考となりました。なお、個々の状態によって適切な薬の種類や投与量は異なりますので、疑問や不安があれば必ず専門家に確認してください。

心血管系治療薬の代表的な種類と特徴

以下では、さまざまな目的に合わせて用いられる代表的な心血管系治療薬を紹介します。一般的には、一人の患者さんに対し複数の薬が併用される場合があり、症状の進行や合併症の有無などに応じて処方内容が変わります。

1. 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)

  • 代表例
    • ワルファリン(Warfarin)
    • アピキサバン(Apixaban)
    • ダビガトラン(Dabigatran)
    • エドキサバン(Edoxaban)
    • ヘパリン(Heparin)
    • リバーロキサバン(Rivaroxaban)

これらの薬は血液を固まりにくくすることで、脳梗塞や心筋梗塞といった血栓が原因となる疾患の予防に役立ちます。特に心房細動などがある患者さんでは、心房内に血栓が生じて脳梗塞を起こすリスクが高まるため、抗凝固薬が処方されることが多くあります。
一般的に、ワルファリンを使用する場合は定期的に血液検査(PT-INR)を行い、必要に応じて服用量の調節が行われます。一方、新しい抗凝固薬(NOAC/DOAC)は飲みやすさや食事との相互作用の少なさなどの点で利点がありますが、腎機能や他の薬との相互作用に注意が必要です。

2. 抗血小板薬

  • 代表例
    • アスピリン(Aspirin)
    • クロピドグレル(Clopidogrel)
    • ジピリダモール(Dipyridamole)
    • プラスグレル(Prasugrel)
    • チカグレロル(Ticagrelor)

血小板の凝集を抑制することで血栓形成を防ぐ薬です。心筋梗塞や不安定狭心症を経験した方、ステント留置術後や冠動脈バイパス術後の方に用いられることが多く、心筋への血流を妨げる血栓の形成を阻止することで再発や悪化を抑えます。とくに、ステント留置後はアスピリンともう1種類の抗血小板薬を併用(DAPT: 二重抗血小板療法)するケースも一般的です。
ただし、抗血小板薬と抗凝固薬のように、複数の「血をサラサラにする薬」が同時に使われる場合、出血リスクが上がることから、消化管出血や皮下出血などに十分留意し、異常な症状があれば速やかに医師に相談しましょう。

3. アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)

  • 代表例
    • ベナゼプリル(Benazepril)
    • カプトプリル(Captopril)
    • エナラプリル(Enalapril)
    • フォシノプリル(Fosinopril)
    • リシノプリル(Lisinopril)
    • モエキシプリル(Moexipril)
    • ペリンドプリル(Perindopril)
    • キナプリル(Quinapril)
    • ラミプリル(Ramipril)
    • トランドラプリル(Trandolapril)

ACE阻害薬は、血管を収縮させるホルモン(アンジオテンシンII)の産生を抑えることで血管を拡張させ、血圧を下げ、心臓の負担を軽減します。高血圧症や心不全、心筋梗塞後のリモデリング(心臓の形態・機能の変化)防止にも役立ち、心臓の機能低下をできるだけ抑えられるというメリットがあります。
特に慢性心不全においては、ACE阻害薬は標準的治療の一つとされており、長期的に生存率の向上や入院リスクの低下が期待できます。ただし、一部の患者さんでは咳や腎機能障害、高カリウム血症などの副作用に注意が必要です。

4. アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)

  • 代表例
    • アジルサルタン(Azilsartan)
    • カンデサルタン(Candesartan)
    • エプロサルタン(Eprosartan)
    • イルベサルタン(Irbesartan)
    • ロサルタン(Losartan)
    • オルメサルタン(Olmesartan)
    • テルミサルタン(Telmisartan)
    • バルサルタン(Valsartan)

ACE阻害薬と同様に血圧を下げ、心臓にかかる負担を軽減する効果が期待されますが、ACE阻害薬によくみられる咳の副作用を比較的起こしにくい傾向があります。そのため、ACE阻害薬が体質的に合わない方や咳がひどく出る方にはARBが選択されることが多いです。高血圧や心不全、腎保護などさまざまな病態で処方され、心臓血管系全体のリスク低減につながります。

5. アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)

  • 代表例
    • サクビトリル/バルサルタン(Sacubitril/Valsartan, 商品名Entresto)

ARNIはネプリライシン阻害薬(サクビトリル)とARB(バルサルタン)の合剤です。ネプリライシンは血管拡張作用を持つ物質を分解してしまう酵素ですが、それを阻害することで血管拡張や利尿作用が高まり、心臓への負担を軽減します。さらにARBの効果も相まって血圧を適切にコントロールし、心不全患者さんの症状改善や入院リスクの低減、長期予後の向上が期待されます。
近年、慢性心不全の標準治療の一つとして位置付けられ、従来のACE阻害薬やARBをARNIに切り替えた結果、心血管死や入院リスクが下がるというデータがいくつか報告されています。たとえば、2022年のAHA/ACC/HFSAガイドライン(Circulation, 145(18), e895–e1032, doi:10.1161/CIR.0000000000001063)でも、ARNIは左室駆出率が低下した慢性心不全患者の治療選択として強く推奨されています。ただし低血圧などのリスク管理が重要であり、特定の患者さんには腎機能や高カリウム血症などの懸念もあるため、医師の厳密なモニタリングのもとで使用されます。

6. β遮断薬(ベータブロッカー)

  • 代表例
    • アセブトロール(Acebutolol)
    • アテノロール(Atenolol)
    • ベタキソロール(Betaxolol)
    • ビソプロロール/ヒドロクロロチアジド(Bisoprolol/Hydrochlorothiazide)
    • ビソプロロール(Bisoprolol)
    • メトプロロール(Metoprolol)
    • ナドロール(Nadolol)
    • プロプラノロール(Propranolol)
    • カルベジロール(Carvedilol)
    • ネビボロール(Nebivolol)
    • ソタロール(Sotalol)

これらの薬は交感神経の刺激によって分泌されるアドレナリンなどの作用を抑制し、心拍数や血圧を下げ、心臓の酸素需要を減らします。高血圧、狭心症、不整脈、慢性心不全などで用いられ、特に心筋梗塞既往者が再発予防のために長期服用するケースも多く見られます。
一方でβ遮断薬を服用中は、徐脈(脈が遅くなる)や血圧低下、立ちくらみなどの副作用が生じる可能性があります。腎機能や肝機能が低下している場合にも慎重投与が必要なため、定期的な経過観察を欠かさず行うことが重要です。

7. Ca拮抗薬(カルシウム拮抗薬)

  • 代表例
    • アムロジピン(Amlodipine)
    • ジルチアゼム(Diltiazem)
    • フェロジピン(Felodipine)
    • ニフェジピン(Nifedipine)
    • ニモジピン(Nimodipine)
    • ニソルジピン(Nisoldipine)
    • ベラパミル(Verapamil)

カルシウムイオンが心筋細胞や血管平滑筋細胞へ過度に流入するのを抑制し、血管拡張と心臓の負担軽減を図る薬です。高血圧や狭心症、不整脈などに広く使われ、心臓が血液を送り出す際の負担を和らげ、心筋への酸素供給を改善します。
このカテゴリーの薬は体質や症状に応じて作用の強弱や副作用の現れ方が異なるため、医師は個々の患者さんに合わせて適切な薬剤と投与量を選択しています。副作用としては、末梢浮腫(足のむくみ)や顔面紅潮、動悸などが起こることがありますが、いずれも程度が軽い場合が多いとされています。

8. 脂質低下薬(コレステロール低下薬)

  • 代表例
    • スタチン:アトルバスタチン(Atorvastatin)、フルバスタチン(Fluvastatin)、ロバスタチン(Lovastatin)、ピタバスタチン(Pitavastatin)、プラバスタチン(Pravastatin)、ロスバスタチン(Rosuvastatin)、シンバスタチン(Simvastatin)
    • ナイアシン(ニコチン酸)
    • コレステロール吸収阻害薬:エゼチミブ(Ezetimibe)
    • スタチン+吸収阻害薬合剤:エゼチミブ/シンバスタチン など

スタチンを中心としたこれらの薬は、LDLコレステロール(いわゆる“悪玉”コレステロール)を下げ、動脈硬化の進行を抑制することが主な目的です。心筋梗塞や脳卒中の既往がある方、糖尿病を含む高リスク患者では原則としてスタチンが処方されることが多く、血管イベントの二次予防にも非常に重要な役割を担います。
スタチンで効果不十分な場合やスタチンの副作用が強く出る場合には、エゼチミブや他の脂質低下薬が追加されるケースもあります。服用中に筋肉痛や倦怠感などが強く出る場合は、横紋筋融解症という重篤な副作用の可能性もあるため、早めの受診が必要です。

9. 利尿薬(体内の余分な水分を排出)

  • 代表例
    • アセタゾラミド(Acetazolamide)
    • アミロライド(Amiloride)
    • ブメタニド(Bumetanide)
    • クロロチアジド(Chlorothiazide)
    • クロルタリドン(Chlorthalidone)
    • フロセミド(Furosemide)
    • ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)
    • インダパミド(Indapamide)
    • メタラゾン(Metalozone)
    • スピロノラクトン(Spironolactone)
    • トラセミド(Torsemide)

利尿薬は腎臓のはたらきを変化させることで、過剰な水分やナトリウムを尿中に排出し、血液量を減らして心臓のポンプ負荷を軽減します。高血圧や心不全の治療によく用いられ、肺うっ血や末梢浮腫(むくみ)など、体内に余分な水分が溜まることで起こる症状を改善する効果が期待できます。
しかし、過度に利尿が進むと脱水状態や電解質バランスの乱れを招く恐れがあります。服用の際は、定期的に血液検査や体重測定などを実施し、水分・塩分の摂取量にも十分留意することが重要です。

10. ジゴキシン(強心薬)

  • 代表例
    • ジゴキシン(Digoxin)

ジゴキシンは心筋の収縮力を高めることで、心不全の症状改善に寄与する薬です。特に他の治療薬(ACE阻害薬やARB、利尿薬など)だけでは十分効果が得られない場合に追加されることがあり、不整脈(心房細動など)を合併している場合にも有効です。
ただし、血中濃度が高くなりすぎると悪心や嘔吐、重篤な不整脈などを引き起こす可能性があります。そのため、定期的に血中濃度の測定を行いつつ、医師の管理下で使用することが望まれます。

11. 血管拡張薬(硝酸薬など)

  • 代表例
    • イソソルビド二硝酸塩(Isosorbide dinitrate)
    • イソソルビド一硝酸塩(Isosorbide mononitrate)
    • ヒドララジン(Hydralazine)
    • ニトログリセリン(Nitroglycerin)
    • ミノキシジル(Minoxidil)

血管を広げる作用があり、血圧を下げ、心臓への酸素供給を増やして負担を軽減します。特に狭心症の胸痛緩和にはニトログリセリンがよく使われ、発作時の舌下投与で急速に効果を発揮することで知られています。長期予防としてはイソソルビド系の硝酸薬などが用いられます。
一方で、血管拡張に伴う頭痛や顔面紅潮、めまい、立ちくらみなどの副作用が起こる可能性があります。血圧が急に低下すると危険を伴う場合があるため、体位を変える際には慎重な動作を心がけましょう。

心血管系治療薬の併用と注意点

心血管系の病気は多様であり、患者さんの年齢、基礎疾患、症状の程度、生活習慣などによって治療方針は変わります。実際には複数の薬を組み合わせて使うことが多く、たとえば心不全患者さんにはACE阻害薬(あるいはARB/ARNI)+β遮断薬+利尿薬+場合によっては抗アルドステロン薬(スピロノラクトンなど)を併用するケースが標準的です。
また、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞など)のある方には抗血小板薬やスタチンが重要な役割を果たし、高血圧を合併している場合にはCa拮抗薬やARB/ACE阻害薬の併用が推奨されることも少なくありません。いずれの場合も、出血リスクや腎機能、電解質バランス、副作用の出現などを総合的に考慮して、医師が最適と考える治療計画を立てるのが一般的です。

なお、2021年ヨーロッパ心臓病学会(ESC)の急性・慢性心不全診療ガイドライン(Eur Heart J, 42(36), 3599–3726, doi:10.1093/eurheartj/ehab368)では、慢性心不全の治療にARNIやSGLT2阻害薬、β遮断薬などの重要性が示されており、エビデンスの蓄積とともに治療戦略が変化してきています。日本でも同様の指針が段階的に取り入れられており、患者さんの状態によっては世界的に推奨される薬が積極的に処方される事例が増えています。

心血管系治療薬の副作用と対処法

どの薬にも副作用のリスクはありますが、多くの場合は比較的軽度で一過性です。むしろ重篤な心血管イベントを予防するメリットが大きいケースが大半といわれています。ただし、副作用が強く出て日常生活に支障がある場合や、急激な症状の変化を感じた場合は早めに医療機関を受診してください。

  • 低血圧・立ちくらみ
    ACE阻害薬やARB、Ca拮抗薬、硝酸薬など血管を拡張させる作用が強い薬は、立ち上がったときに血圧が下がり、ふらつきやめまいを感じることがあります。特に高齢者や利尿薬を併用している場合は注意が必要です。
  • 咳・上気道刺激
    ACE阻害薬に特有の副作用として、空咳が生じることがあります。咳が長期化したり日常生活に支障をきたす場合には、ARBへの変更が検討されることがよくあります。
  • 出血傾向
    抗凝固薬や抗血小板薬を服用している方は、出血しやすくなる場合があります。鼻血や歯茎からの出血がなかなか止まらない、便が黒くなる(消化管出血を疑う症状)など異常があれば早急に医師へ連絡しましょう。
  • 腎機能や電解質の変動
    利尿薬やACE阻害薬、ARBは腎機能に影響を与える場合があります。また、カリウムやナトリウムなどの電解質異常が起きることがあり、定期的な血液検査でモニタリングすることが重要です。
  • 筋肉痛や倦怠感
    スタチン服用中に筋肉痛や筋力低下、強い倦怠感がある場合は、横紋筋融解症の可能性を否定できないため、早めに受診し血液検査などを受ける必要があります。
  • 不整脈
    ジゴキシンやβ遮断薬などは不整脈のコントロールに用いられる一方、投与量や血中濃度によって逆に不整脈を助長するリスクも指摘されています。自己判断で服用を中止したり増減したりせず、必ず医師の指示に従ってください。

日常生活での注意点

  • 生活習慣の整備
    薬物療法の効果を最大限に引き出すためには、食生活や適度な運動、禁煙、節酒などの基本的な生活習慣の管理も欠かせません。肥満や高血圧、糖尿病などがある場合は、医師や管理栄養士の指導を受けつつ、食塩や糖分、飽和脂肪酸の摂取をコントロールしましょう。
  • 定期検診と検査
    心血管系治療薬を長期服用している方は、血液検査や心電図検査、エコー検査などを定期的に受けることで、副作用や病気の進行を早期に発見できます。体調が良くても自己判断で受診をやめることなく、指示された検査スケジュールを守ることが大切です。
  • 自己判断での服用中断や増量は厳禁
    血圧やコレステロール値がある程度落ち着いてきたからといって、自己判断で薬を中止するとリバウンドが起こって症状が悪化するおそれがあります。また、効果を高めようとして勝手に服用量を増やすことも危険です。必ず医師の指示に従い、疑問点があれば遠慮なく相談しましょう。
  • 複数の医療機関を受診する場合の情報共有
    ほかの病気で別の医療機関にかかる場合や、市販薬・サプリメントを購入する場合には、現在服用中の薬を正確に伝えることが重要です。相互作用によって薬の効果が変化したり、副作用が強まるリスクがあるため、常に医療従事者に正しい情報を共有してください。

結論と提言

心血管系疾患の治療には、抗凝固薬、抗血小板薬、ACE阻害薬、ARB、ARNI、β遮断薬、Ca拮抗薬、スタチンなど多岐にわたる薬が用いられます。これらの薬はそれぞれ異なる機序で働き、組み合わせることで心臓や血管に対する包括的な保護効果を得られる一方、副作用や相互作用への注意も欠かせません。
特に慢性心不全や心筋梗塞、狭心症などの疾患では、ガイドラインや大規模研究の結果を踏まえ、複数の薬を併用して心筋の保護・血圧・血糖・脂質の管理を進めることが推奨される場面が増えています。近年の海外・国内研究でも、ARNIやSGLT2阻害薬を含めた最適治療戦略が示され、さらにβ遮断薬や利尿薬の正しい使い方を組み合わせることで入院率や死亡率の低下が期待できると報告されています。

心血管系治療薬は、医師から処方された用量や飲み方をしっかり守り、定期的に検査・通院を行いながら服用し続けることが重要です。自己判断による中断や増量は大変危険であり、状態に変化が生じたらただちに主治医へ相談しましょう。副作用が強い場合も、医師に相談すれば薬の種類や用量を調整してもらえる可能性があります。

最後に

本記事で紹介した情報は、心血管系治療薬に関する一般的な知識をもとにまとめたものです。個々の患者さんによって最適な治療方針は異なり、常に専門家の診断や指導が必要になります。日常生活でできる工夫(食事や運動、禁煙など)を継続しながら、担当医や医療チームと密に連携し、長期的に健康な心臓を維持していくことが大切です。

重要なご注意
この記事は医療専門家による最終診断や治療方針の決定を代替するものではなく、あくまで参考情報です。実際の治療に関しては必ず専門の医師にご相談ください。

参考文献

(本記事で言及した各種ガイドライン、研究などの要点は、上記リンク先や実際の医学専門誌でも確認可能です。特に慢性心不全や急性心不全に関する最新ガイドラインとして、2021年の欧州心臓病学会(ESC)ガイドライン、2022年のアメリカ心臓協会(AHA)・アメリカ心臓病学会(ACC)・心不全学会(HFSA)のガイドラインなどが参考になります。いずれも国際的に認知されたエビデンスに基づく推奨を提示しています。)

免責事項
記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療を代替するものではありません。健康状態に不安のある方や、具体的な治療方針については必ず専門家にご相談ください。

以上の情報を踏まえ、医師の指導や日常生活の改善を組み合わせながら、より安全かつ効果的な治療を続けていくことが肝心です。定期的な検査や受診を怠らず、疑問点や気になる症状があれば早めに受診する習慣を身につけましょう。すべての方が安心して心臓の健康を守り、元気な生活を送る手助けとなることを願っています。

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