はじめに
私たちの生活環境では、夜間でも周囲の音が気になって眠れないという悩みを抱える方が少なくありません。特に、交通量の多い場所や共同住宅、あるいは家族の生活リズムが異なる場合など、いざ眠ろうとするときにさまざまな音が妨げとなることがあります。こうしたときに活用されるのが、いわゆる「耳栓(イヤープラグ)」です。睡眠の質が乱れると、翌日のコンディションに大きな影響を及ぼすため、耳栓を使って周囲の雑音を軽減したいという方は多いでしょう。
免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
しかし一方で、「毎晩のように耳栓を使うと耳に負担がかかるのでは?」「耳栓を使うと耳垢がたまりやすくなるのでは?」など、不安を感じる方もいます。そこで本稿では、耳栓を着用して眠ることによるメリットとリスクを整理し、正しい使い方や衛生管理のポイントを詳しく解説します。さらに、耳栓の種類や選び方、それぞれの特徴についても触れていきます。
この情報は医学的な知見や研究結果などをもとにまとめたものですが、あくまでも一般的な知識としてご参照ください。個々の体質や耳の状態は異なりますので、気になる症状や疑問があれば必ず専門家に相談するようにしましょう。
専門家への相談
本稿でご紹介している情報は、医師や研究機関などの報告をもとに取りまとめたものであり、特に耳鼻咽喉科分野で幅広い診療経験をもつ医師の意見も踏まえています。本稿内で言及されている内容の一部は、医療現場や学術誌で示された研究に基づいており、海外の臨床データも含まれています。ただし、あくまで一般的な情報であり、症状の原因や対処法は人によって異なる場合があります。とくに耳や聴力に関する不安・疑問を感じた際は、直接医療機関を受診し、必要に応じて耳鼻咽喉科専門医へ相談することをおすすめします。また本稿には、医学的アドバイスを提供している医師として「Nguyễn Thường Hanh」医師(Nội khoa – Nội tổng quát · Bệnh Viện Đa Khoa Tỉnh Bắc Ninh)による監修内容が一部含まれています。ただし、最終的な診断や治療方針は、各個人の症状・背景によって大きく変わる可能性があるため、必ず受診先の専門家の判断を仰いでください。
睡眠と音環境:耳栓の必要性
睡眠は、私たちの体と心を回復させる重要な時間です。しかし、周囲の騒音によって眠りを妨げられてしまうケースは少なくありません。研究によれば、大きな音や突然の音は深い眠りを中断させやすく、再び深い眠りに移行するには時間がかかるとされています。寝不足や睡眠の質の低下が長期間続くと、高血圧や心疾患、肥満、糖尿病などのリスクが上がるという報告もあるほどです。
-
音による覚醒の影響
大きな音が突然聞こえると、深い眠りから一気に目覚めてしまうことがあります。1度覚醒すると、深い眠りの段階に戻るまでに一定の時間が必要で、結果的に脳の休息時間が短くなってしまうのです。 -
睡眠不足による健康リスク
過去の複数の研究でも示されているように、睡眠不足や質の低い睡眠が続くと、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、肥満、糖尿病、うつなど、さまざまなリスク要因が高まる可能性があります。2006年の報告では、睡眠時間や睡眠の質が健康全般に与える影響が顕著に見られました。また、2012年に発表された別の報告では、質の悪い睡眠が慢性的に続くことで免疫機能の低下や炎症リスクが増大する可能性があると示唆されています。
こうした背景から、騒音対策として耳栓を利用する人が増えています。眠る際に耳栓を使うことで、外部の音刺激が抑えられ、質の高い睡眠を確保できる場合があるのです。
耳栓を着用するメリット
1. 騒音軽減による睡眠改善
夜間の騒音は、快適な眠りを妨げる大きな要因です。耳栓を使用することで音のレベルが物理的に低下し、ぐっすり眠れる可能性が高まります。特に家族と部屋を共有していて生活リズムが異なる場合や、外の交通音が気になる場合に有効です。
2. 睡眠負債の予防
睡眠障害が続くと、いわゆる「睡眠負債」が蓄積し、日中のパフォーマンスや健康状態に支障をきたすおそれがあります。耳栓によって良質な睡眠を確保することは、睡眠不足からくる慢性的な疲労を予防する一助となります。
3. 深い眠りの持続
深い眠り(徐波睡眠)は、身体と脳を回復させるうえで不可欠です。外部の物音で頻繁に目覚める方は、この深い眠りの時間が著しく短くなることが指摘されています。耳栓によって騒音を遮断すれば、深い眠りをより長く維持できる可能性があります。
4. 集中力・メンタルヘルスの向上
しっかり休息がとれると、翌日の集中力や気分の安定につながります。耳栓を利用して睡眠の質が向上すれば、仕事や学業、家事育児などの日常活動でもストレスを軽減しやすくなるでしょう。
耳栓を着用するリスクと注意点
いっぽうで、毎晩のように耳栓を使用するときには、いくつかのリスクや注意点が存在します。これらを正しく理解し、適切に対策をとることが大切です。
1. 耳あか(耳垢)の蓄積
耳栓を長期にわたり繰り返し使うことで、耳の中に耳垢がたまりやすくなる可能性があります。耳栓が音だけでなく耳垢の出口をブロックし、結果として耳垢が外に排出されにくくなるからです。耳垢が蓄積すると、一時的に聴力が低下したり、耳鳴り(耳の奥でキーンやブーンという音がする感覚)が起こる場合があります。
- 対策
耳栓を頻繁に使う人は、定期的に耳垢の状態を確認し、必要に応じて耳鼻咽喉科で処置してもらうことが推奨されます。耳垢取りの道具で無理にほじると、耳の粘膜を傷つけるリスクがあるため注意が必要です。
2. 細菌や真菌による感染リスク
耳栓を適切に洗浄・乾燥させずに使い続けると、細菌や真菌が付着して耳内で繁殖する可能性があります。これが外耳道炎などの感染症を引き起こすこともあるため、清潔な状態を保つことが欠かせません。耳に痛みやかゆみ、腫れ、難聴などの症状が出た場合は早めに医師の診察を受ける必要があります。
- 対策
使い捨ての耳栓であれば数日ごとに新しいものに交換する、あるいは繰り返し使えるタイプであれば毎日洗浄してしっかり乾かしてから使用することが推奨されます。
3. 防音効果が高すぎる場合のリスク
耳栓の遮音性能が高いほど、周囲の物音が聞こえづらくなります。これは睡眠の質向上につながる一方で、目覚まし時計や非常ベルなどの重要な音まで聞こえにくくなる可能性もあるので注意が必要です。万が一の緊急時に気づかないリスクがあるため、防音性能の高い耳栓を利用するときは、起床手段として振動アラームや光目覚ましなど、別の方法も併用したほうが安心です。
4. 耳道や鼓膜へのダメージ
耳栓を深く入れすぎると、耳道や鼓膜を刺激し、痛みを感じたり炎症を起こしたりする場合があります。特に、過度に硬い素材の耳栓を強く押し込むとリスクが高まります。万が一、耳栓が奥まで入りすぎて抜きにくくなった場合は、自分で無理に取り出そうとせず、病院で処置を受けることが望ましいです。
耳栓の種類と特徴
耳栓にはさまざまな素材や形状、機能があり、それぞれ適した用途や装着感が異なります。一般的には、通気孔(ベントホール)の有無で大きく2種類に分類できます。
1. 通気孔あり(ベントタイプ)
耳栓の中央や先端に小さな穴が開いており、気圧の変化をやわらげる機能を備えています。飛行機の離着陸時やダイビングの際にも耳の内部と外部の圧力を調整しやすく、圧痛の軽減に役立つとされています。ただし、通気孔があるぶん防音性能は若干下がる傾向があります。
2. 通気孔なし(完全密閉タイプ)
遮音性を重視したタイプで、通気孔がなく耳の中を密閉することで高い防音効果を得られます。一方で気圧調整機能はないため、耳の奥に圧迫感を覚える場合もあります。睡眠時の騒音対策では、こちらを選ぶ人も多いですが、注意点として「目覚ましや周囲のアラームに気づきにくくなる」などの面があります。
素材別の耳栓
1. 耳栓用ワックス
指先の体温でやわらかくなり、耳の形に合わせて自在に成形できます。防水性があり、水泳時にも耳に水が入るのを防ぎやすいのが特徴です。就寝時に使う場合も、耳にしっかりフィットして音漏れが少なく、比較的快適だと感じる方が多いでしょう。ただし、粘着性があるため、ホコリや汚れが付きやすい点には気をつける必要があります。
2. シリコン製耳栓
シリコンの中でも硬めの素材を使ったものは、繰り返し洗浄して使える耐久性の高さが魅力です。しかし、横向き寝の方や外耳道が小さい方にとっては、耳を圧迫して痛みを感じる場合があります。一方、やわらかめのシリコンを使った耳栓はワックスに近い感覚でフィットしますが、気密性(音を遮断する力)に関しては素材や製品によって差があります。
3. スポンジ(フォーム)タイプ
ウレタンフォームなどの発泡素材を使った耳栓で、最も安価で手軽に入手できるタイプです。柔らかい素材のため就寝時に違和感が少なく、圧迫感が苦手な方にも向いています。ただし、素材が多孔質のため雑菌が繁殖しやすく、1つのペアを長期間使い回すのは望ましくありません。衛生面を保つためにもこまめに交換するか、洗浄可能なタイプならば毎回きちんと洗って乾燥させることが重要です。
4. オーダーメイド耳栓
耳鼻咽喉科や専門店で耳型を採取し、個人の耳に合わせて作られるオーダーメイドタイプの耳栓です。高額ですが、耳にぴったりフィットするため非常に高い遮音効果を得られます。就寝時だけでなく、騒音の激しい環境での作業やコンサート、楽器演奏などの場面でも効果を発揮します。ただし遮音性が極めて高いぶん、緊急音やアラームが聞こえにくくなる可能性があるので注意が必要です。
耳栓の正しい使い方
耳栓を安全かつ効果的に活用するためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
-
挿入前の手の清潔
耳栓を扱う前に手をよく洗って清潔な状態にしましょう。細菌やホコリなどが付着したまま耳栓を耳に入れると、外耳道を汚染してしまうリスクがあります。 -
耳栓の成形(フォームタイプ・ワックスタイプの場合)
耳栓が柔らかい素材の場合、挿入しやすいよう指先で細長くまとめたり、丸めたりしてサイズを調整します。耳への圧迫感を抑えるためにも、程よい大きさにしておきましょう。 -
耳を引っ張ってから挿入
反対側の手で耳介(耳の外側の部分)を軽く引き上げるようにして耳道をまっすぐにし、そのまま耳栓をゆっくり挿入します。無理に奥へ押し込むと鼓膜に刺激を与える可能性があるため、痛みを感じたらすぐにやめてください。 -
耳栓の装着確認
耳栓を入れたあと、周囲の音がどれくらい低減されたか確かめます。完全に音が消えるわけではありませんが、「少し遠のいた」と感じるくらいが目安です。深く入れすぎると危険ですし、浅いと耳栓が外れてしまうかもしれません。 -
定期的な交換・洗浄
スポンジタイプの使い捨て耳栓は数日から1週間程度で交換し、シリコンやワックスなど再利用可能なタイプは、ぬるま湯と中性洗剤を使って毎日洗浄するのが理想です。その際、十分に乾燥させてから再び使用してください。
耳栓と睡眠の関連研究
耳栓が睡眠の質を向上させることを示す研究はいくつか存在し、とくに集中治療室(ICU)など高い騒音環境に置かれた患者さんの睡眠をサポートするための報告が知られています。以下のような海外研究が実施され、耳栓の有効性が示唆されています。
- 「The effect of earplugs on sleep measures during exposure to simulated intensive care unit noise」(PubMed ID: 10392220):ICUのように騒音が多い環境で耳栓を使用した場合に、睡眠指標が改善する可能性が示されています。
- 「The Efficacy of Eye Masks and Earplugs Interventions for Sleep Promotion in Critically Ill Patients: A Systematic Review and Meta-Analysis」(2021年、Frontiers in Psychiatry https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyt.2021.791342/full):重症患者の睡眠障害を軽減するためにイヤープラグやアイマスクを併用した研究例を検証し、騒音や光刺激を遮断することで睡眠の質が有意に向上したと結論づけています。
- 「Earplug use for improving sleep in the ICU: A systematic review and meta-analysis」(X. Huら, 2023年, Intensive & Critical Care Nursing, 74, Article 103418, https://doi.org/10.1016/j.iccn.2023.103418):ICU患者の睡眠評価において、耳栓の着用が騒音を大幅に低減し、睡眠の連続性を高める結果が示されています。患者の状態によっては注意深いモニタリングと併用が必要ですが、少なくとも環境騒音を軽減する方法として耳栓が有効であるとされています。
これらの研究は病院環境を中心に検証されていますが、家庭でも夜間の騒音を抑える方法として参考になるでしょう。ただし、日本国内と海外では住環境や文化的背景が異なる場合があります。日本の住宅事情でも、近隣の生活音や交通量の多い地域での騒音対策として有益な場合が十分考えられます。
よくある疑問と対策
Q1: 耳栓をしたまま朝起きられなかったら?
耳栓の防音効果が高すぎる場合、目覚まし時計の音に気づかないという不安があるかもしれません。このような場合、振動式アラームや光目覚まし時計など、音以外の方法を併用すると安全です。最近では、寝具に装着するウェアラブルデバイスやスマートフォンの振動機能と連携する目覚まし機能なども普及しています。
Q2: 毎晩使っても大丈夫?
適切に装着し、清潔に保つことができれば、毎晩使うこと自体に大きな問題はないと考えられます。ただし、耳垢がたまりやすいと感じる場合は、定期的に耳鼻咽喉科で耳の状態をチェックしてもらい、必要があれば耳掃除をしてもらいましょう。感染症予防の観点から、使い捨てタイプはこまめに交換し、再利用できるタイプは丁寧に洗浄・乾燥させることが重要です。
Q3: 横向き寝のときに耳が痛い
硬い素材の耳栓を使用している場合、横向きになると耳に圧がかかり痛みを感じることがあります。柔らかいフォームタイプやワックスタイプに変える、あるいは装着時に深く差し込みすぎないように調整することで痛みを軽減できるかもしれません。人によっては自分の耳の形に合った製品を探すために複数の種類を試す必要があるでしょう。
Q4: 外の音が完全に聞こえなくなると怖い
耳栓は静かに眠る手段として有効ですが、あまりにも遮音性が高いと緊急音を聞き逃すリスクが生じます。防音性が優れた製品の場合は、家族や周囲の方にも一声かけておくか、前述のように振動式アラームを使用するなど、緊急時に備える対策を講じておく必要があります。
耳栓以外の騒音対策
耳栓を使っても違和感がある、あるいは防音効果だけでは不安という方は、以下のような追加対策も検討してみてください。
-
ホワイトノイズマシンや自然音を流す
海の波や雨の音など一定のリズムをもった音を流して、周囲の突発的な騒音を緩和する方法です。ホワイトノイズを流す機器やアプリなどが市販されています。2022年に米国の臨床研究(Sleep Medicine誌)で行われた小規模試験では、ホワイトノイズが睡眠潜時(寝つきまでの時間)を短縮する傾向が見られたという報告もあり、騒音対策の一助となる可能性があります。
※研究規模は小さいため、さらなる大規模検証が必要であるともされています。 -
防音カーテンや窓のリフォーム
外の車の音や深夜の騒音が問題の場合、窓の断熱・防音効果を高めるリフォーム、防音カーテンや二重サッシの導入を検討すると騒音レベルが大きく低減することもあります。 -
耳への負担を減らすヘッドバンド式防音具
欧米を中心に、耳全体を覆うようなヘッドバンド型の防音具もあります。通常のイヤーマフよりもソフトな設計の製品もあり、就寝時の着用を想定したものが登場しています。素材が柔らかいため痛みを感じにくい反面、横向きの寝姿勢には向かない場合もあるため、自身の睡眠スタイルに合わせて検討するとよいでしょう。
おすすめのケアとセルフチェック
耳栓を日常的に使う方は、以下のようなセルフケアやチェックを定期的に行うと、リスクを最小限に抑えながら快適な睡眠を維持できます。
-
耳の異常を早期に発見する
耳栓を外すときやシャワー後などに、耳のかゆみや痛み、変な圧迫感がないかをチェックしてください。少しでも異常を感じたら放置せず専門医に相談しましょう。 -
耳掃除は慎重に
綿棒や耳かきで耳道を傷つけるリスクがあります。耳栓使用者は特に注意が必要です。耳垢が多いと感じる場合は、自己流で無理やり取ろうとせず、耳鼻咽喉科で処置してもらうのが安全です。 -
清潔な状態を保つ
使い捨てタイプは定期的に交換、再利用タイプは石鹸とぬるま湯で洗い、しっかり乾燥させてから使うなど、衛生管理を徹底してください。 -
素材やサイズを見直す
耳栓には形状や素材のバリエーションがあります。長期間使っていて痛みや違和感があるなら、別のタイプを試してみるのも手段のひとつです。
推奨される睡眠衛生(スリープハイジーン)
耳栓の使用に限らず、質の高い睡眠を得るためには総合的な睡眠衛生の実践が大切です。ここでは簡単に代表的なポイントを挙げます。
-
一定の就寝・起床時間を守る
睡眠リズムを安定させることで、深い眠りに入りやすくなります。 -
寝る前にスマートフォンやPCを長時間見ない
ブルーライトは脳を覚醒状態にし、入眠を妨げるおそれがあります。 -
アルコールやカフェインの摂取を控える
就寝直前のアルコールは逆に睡眠の質を損なう場合があり、カフェインは覚醒を促すので夜遅くの摂取は避けましょう。 -
適度な運動を習慣化する
日中に軽いウォーキングやストレッチを行うことで、体内リズムが整い寝つきが良くなる場合があります。 -
寝室環境の見直し
明るさ・室温・湿度・寝具の硬さなど、自分に合った環境づくりに加えて、騒音対策の一つとして耳栓を取り入れるとより効果的です。
まとめと推奨事項
耳栓は、周囲の騒音を減らし、より良質な睡眠を得るための手段として有用です。睡眠の質が向上すれば、日中の集中力やストレス耐性が上がり、健康管理の面でもプラスに働くでしょう。一方で、耳の衛生管理や装着方法を誤ると、耳垢の蓄積や感染症、あるいは鼓膜へのダメージなどのリスクが高まる可能性があります。
以下の点を意識して、安全かつ効果的に活用しましょう。
- 自分の耳の形や就寝スタイルに合った耳栓の種類と素材を選ぶ。
- こまめな洗浄や交換を行い、細菌や真菌の増殖を防ぐ。
- 耳の痛みや違和感、聴力の低下などを感じたら早めに専門医に相談する。
- 遮音性が高い耳栓を使う場合、非常時に備えた他の起床手段(振動式アラームなど)を用意する。
- 耳栓以外にもホワイトノイズや防音カーテンなどを組み合わせ、総合的に睡眠環境を整える。
このように耳栓の利用は大変便利ですが、もちろん万能ではありません。個人差や生活環境による適合性があるため、自分に合った方法を模索する姿勢が大切です。
参考文献
-
Best Earplugs for Sleep
https://www.sleepfoundation.org/best-earplugs-for-sleep
アクセス日: 2022年12月9日 -
The 6 Best Earplugs for Sleeping – and a Way to Boost Their Performance
http://noisyworld.org/best-earplugs-for-sleeping/
アクセス日: 2022年12月9日 -
The effect of earplugs on sleep measures during exposure to simulated intensive care unit noise
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10392220/
アクセス日: 2022年12月9日 -
Is It Safe to Sleep With Headphones or Earbuds?
http://health.clevelandclinic.org/sleeping-with-headphones/
アクセス日: 2022年12月9日 -
The Efficacy of Eye Masks and Earplugs Interventions for Sleep Promotion in Critically Ill Patients: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyt.2021.791342/full
アクセス日: 2022年12月9日 - Hu X.ら (2023) “Earplug use for improving sleep in the ICU: A systematic review and meta-analysis,” Intensive & Critical Care Nursing, 74, Article 103418, https://doi.org/10.1016/j.iccn.2023.103418
医師への相談と免責事項
本記事の内容は、あくまでも一般的な知識や研究の結果を整理したものであり、医師の直接的な診断や治療を代替するものではありません。耳や聴力に関する不安、もしくは睡眠の質に深刻な影響がみられる場合は、速やかに耳鼻咽喉科や専門医を受診してください。また、いかなる処置や器具の使用を開始・中断する際も、必ず医師などの専門家に相談のうえで判断するようにしましょう。
本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、その内容を参考に行動した結果に関して執筆者および監修者は責任を負いかねます。個人差や状況の変化などを考慮しながら、最新の情報と医療専門家の助言を組み合わせて自分に最適な方法を選択するよう心がけてください。