扁桃炎と溶連菌性喉頭炎の違いとは?原因から治療法まで徹底解説
耳鼻咽喉科疾患

扁桃炎と溶連菌性喉頭炎の違いとは?原因から治療法まで徹底解説

はじめに

のどの痛みや不快感を訴えるとき、よく耳にするのが「扁桃炎(扁桃腺炎)」と「連鎖球菌による咽頭炎(いわゆる溶連菌性咽頭炎)」です。これらは共通する症状もあるため、混同されがちですが、原因や重症度、治療法に違いがあり、それぞれ注意するポイントも異なります。本記事では、扁桃炎(以下、本記事では「扁桃炎」と表記)と連鎖球菌による咽頭炎(以下、「連鎖球菌性咽頭炎」と表記)を比較しながら、両者の主な症状や原因、治療・予防の方法などを詳しく解説します。また、新たに報告されている研究動向や日本での生活習慣・受診の実情にも触れ、読者の皆さまが理解を深められるよう、多角的に情報を整理しました。

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当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

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本記事で紹介する情報はさまざまな医療情報源に基づいてまとめたものですが、あくまでも参考にとどめていただきたいという点を強調します。医療機関を受診するかどうかの判断や、服薬方針、より専門的な診断・治療を必要とするかどうかの最終的な判断は、必ず医師や薬剤師をはじめとした医療従事者の指示を仰いでください。とくに扁桃炎や連鎖球菌性咽頭炎は適切なタイミングで治療しないと重症化し、合併症を起こすリスクがあります。正しい治療を受けるためにも、プロの意見を必ず確認しましょう。

扁桃炎と連鎖球菌性咽頭炎の概要

まず、この2つの病気の症状や原因、発生メカニズムを理解するために、大まかな概要を示します。

  • 扁桃炎
    扁桃腺(咽頭の両側に位置するリンパ組織)が炎症を起こす病態です。ウイルスまたは細菌などが原因となり、のどの痛み、発熱、嚥下時の痛みなどを主症状とします。ウイルス性の場合が多く見られますが、細菌性の場合も存在し、細菌感染の場合には適切な抗菌薬による治療が必要となることがあります。
  • 連鎖球菌性咽頭炎
    A群連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)という細菌が原因で起こる咽頭炎の一種です。原因は連鎖球菌に限定され、他のウイルスや細菌では原則としてこの「連鎖球菌性咽頭炎」には分類しません。発熱やのどの強い痛み、嚥下困難感、扁桃部の化膿などが特徴的で、さらに放置すると合併症(リウマチ熱や糸球体腎炎など)を生じるリスクがあります。

両者はともにのどに炎症を生じるため、症状が似通って見えます。しかし、扁桃炎はウイルスもしくは多様な細菌が原因となりうるのに対し、連鎖球菌性咽頭炎はA群連鎖球菌のみが原因です。以下では両者の共通点と相違点をさらに詳しく見ていきます。

共通する主な症状

両者に共通する症状を挙げると、以下のようなものがあります。

  • のどの痛み
    扁桃炎も連鎖球菌性咽頭炎も、ともに強いのどの痛みを引き起こすことが多いです。痛みの程度には個人差があるものの、いずれも唾液や食べ物を飲み込む際の「しみるような痛み」「ヒリヒリとした痛み」が特徴として挙げられます。
  • 発熱
    発熱の程度はさまざまですが、とくに細菌感染の場合、38℃以上の高熱になることがあります。ウイルス性扁桃炎でも微熱~中等度の発熱が見られることが多いです。
  • 頸部リンパ節の腫れ
    感染症によってリンパ節が腫脹し、痛みを伴うことがあります。耳の下やあごの下あたりのリンパ節が触ってわかるほど腫れる人もいます。
  • 頭痛、全身倦怠感
    いずれの場合も炎症や発熱に伴い、頭痛や体のだるさ(倦怠感)が現れることが多いです。

症状の違い:扁桃炎の場合

上記のように、扁桃炎と連鎖球菌性咽頭炎は似た症状を示しますが、細部を見れば違いがあります。まずは扁桃炎特有の症状・兆候を整理します。

  • ウイルス性が多い
    扁桃炎はウイルス性・細菌性の両方の可能性がありますが、とくにウイルスが原因となる症例が多いです。インフルエンザウイルスやコロナウイルス、アデノウイルス、エプスタイン・バーウイルス(EBV)など、さまざまなウイルスが扁桃炎を引き起こします。そのため、のどの痛み以外にもかぜ症状(くしゃみ、鼻水、咳など)が同時にみられるケースが多く、全身症状(倦怠感や軽度の筋肉痛など)を伴うこともあります。
  • 扁桃腺や周囲の色調変化
    扁桃腺が大きく腫れあがるほか、赤くただれたようになったり、白っぽい膜や黄色がかった分泌物が付着したりすることがあります。ウイルス性の場合は比較的軽い炎症像が多い一方、細菌性の場合は扁桃部に点状~斑状の白苔(白い苔のようなもの)や膿が見られることがあります。
  • 首のこわばり・首回りの違和感
    のどの痛みとリンパ節の腫れがさらに強くなると、首がこわばるように感じたり、軽く動かすだけで痛みを伴う場合があります。
  • 腹痛を訴える場合も
    とくに小児では全身状態が悪化すると、のどの痛みに加えて腹痛や食欲低下がみられる場合があります。

症状の違い:連鎖球菌性咽頭炎の場合

続いて、連鎖球菌性咽頭炎でより顕著になる症状・兆候を紹介します。

  • 連鎖球菌が原因となるため、高熱を起こしやすい
    連鎖球菌性咽頭炎では、細菌感染特有の高熱(38~39℃以上)に至ることが多いです。ウイルス性に比べ、熱の上がり方が鋭く、一気に39℃台まで上昇することもあります。
  • 口蓋垂(のどちんこ)付近の赤い斑点
    口蓋垂やのどの奥に小さな赤い斑点(点状出血のようなもの)が広がることがあります。これが「連鎖球菌性咽頭炎ならではの特徴の一つ」として知られています。
  • 吐き気や嘔吐
    小児を中心に、扁桃部の強い痛みに加えて吐き気や嘔吐がみられるケースがあり、これによって水分補給や食事摂取が難しくなることがあります。脱水症状を起こさないように特に注意が必要です。
  • 強い全身痛(関節痛や筋肉痛を伴うことが多い)
    ウイルス性の軽度の筋肉痛とは異なり、連鎖球菌性咽頭炎では骨・関節が痛むような重い全身痛を訴える人も少なくありません。
  • 扁桃腺に大量の膿が付着
    扁桃炎でも膿が見られることはありますが、連鎖球菌性咽頭炎では扁桃部にべったりと白~黄色の膿がついているケースが多く、のどを鏡で見ると明らかに白い塊が確認できる場合があります。

原因

扁桃炎の原因

扁桃炎はウイルス性が大半を占め、下記のようなウイルスが引き起こすケースが多いです。

  • インフルエンザウイルス
  • コロナウイルス
  • アデノウイルス
  • エプスタイン・バーウイルス(EBV)
  • ヘルペスウイルス
  • HIVウイルス

もちろん細菌感染による扁桃炎も存在し、全体の約15~30%が細菌によるものとされています。細菌性の場合、最も多い原因菌は「A群連鎖球菌」ですが、それ以外にも下記のような細菌が関与することがあります。

  • Staphylococcus aureus (MRSA含む)
  • Chlamydia pneumoniae
  • Neisseria gonorrhoeae

連鎖球菌性咽頭炎の原因

一方、連鎖球菌性咽頭炎は文字通りA群連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)が原因です。ウイルスや他の細菌が咽頭炎を引き起こす場合は、連鎖球菌性咽頭炎とは呼びません。

リスク要因

  • 年齢
    細菌性扁桃炎や連鎖球菌性咽頭炎は、主に5歳から15歳ぐらいの子どもに多く見られます。成人が罹患する例もありますが、子どもの集団生活(保育園、学校など)で特に感染しやすいのが特徴です。
  • 人との接触機会
    都市部では通勤・通学の電車やバスなど公共交通機関で人が密集する場面も多く、飛沫感染や接触感染により、扁桃炎や連鎖球菌性咽頭炎の原因微生物にさらされるリスクが高まる可能性があります。子どもだけでなく社会人でも注意が必要です。
  • 季節性
    連鎖球菌性咽頭炎は秋から初春にかけて流行しやすいと報告されています。気温の変化が激しい季節には免疫力が下がりやすく、のどの粘膜も乾燥しやすいため、感染リスクが高くなります。

合併症リスク

通常、扁桃炎・連鎖球菌性咽頭炎は適切にケアや治療を行えば数日~1週間ほどで回復に向かうケースが多いです。しかし、まれに重症化や合併症につながることがあります。代表的なものとしては下記が挙げられます。

  • 猩紅熱(しょうこうねつ)
    A群連鎖球菌による発疹を伴う感染症で、発熱とともに全身に赤い発疹が広がります。
  • 糸球体腎炎
    連鎖球菌感染後、免疫機構の異常が引き金となり腎臓の糸球体が炎症を起こす病態です。
  • リウマチ熱
    心臓や関節に炎症をもたらすことがある全身性の合併症で、重症化すると心臓弁膜症などにつながる恐れがあります。

これらの合併症は、特に連鎖球菌性咽頭炎を放置している場合に起こりやすいため、適切な受診と治療が重要です。

診断

診察と症状の確認

医師はまず症状と既往歴を聞き取り、のどや首のリンパ節を視診・触診します。のどの腫れ、扁桃の状態(白苔や膿の有無、赤い斑点)、リンパ節の腫脹具合などを総合的に判断することで、大まかな診断のあたりをつけます。また、鼻や耳を含む上気道の状態をあわせて確認することも多いです。

咽頭ぬぐい液の検査

「咽頭スワブ」と呼ばれる綿棒で咽頭(のどの奥)から検体を採取し、迅速検査や培養検査を行います。

  • 迅速検査(strepテスト)
    抗原検出キットを用い、短時間でA群連鎖球菌が存在するかどうか判定できます。ただし、偽陰性(本当は陽性でも陰性と出る)となることがあるため、陰性でも症状が強い場合には培養検査が追加されることがあります。
  • 咽頭培養
    微生物培養を行い、どの細菌が原因なのかを判定します。結果が出るまで数日かかりますが、より正確に原因菌を特定できます。

治療

症状緩和が中心

扁桃炎・連鎖球菌性咽頭炎のいずれの場合も、まずはのどの痛みや発熱などの症状を緩和する治療が大切です。具体的には以下の対処が推奨されます。

  • 鎮痛解熱薬の使用
    アセトアミノフェンやイブプロフェンなどを使用すると、発熱やのどの痛みが和らぎ、生活の質が向上します。小児の場合は用量・用法を医師や薬剤師に必ず確認してください。
  • こまめな水分補給
    のどが乾燥すると痛みや炎症が悪化しやすいため、十分な水分補給を心がけます。水や麦茶などはもちろん、温かいスープやハーブティーなど、のどに刺激の少ない液体が好ましいです。
  • うがい(生理食塩水など)
    日本では昔から塩水うがいが一般的に行われていますが、温かい塩水でやさしくうがいをするだけでも、のど粘膜が潤い、痛みの軽減が期待されます。殺菌効果というよりは洗浄・保湿効果を重視するイメージです。
  • のど飴やトローチの使用
    のどの粘膜を保護し、痛みを軽減するのに役立ちます。ただし、小さな子どもは誤嚥のリスクがあるため注意が必要です。
  • 適切な加湿
    乾燥するとウイルスや細菌が付着しやすく、また粘膜の防御力が低下するため、部屋の湿度を50~60%程度に保つことが推奨されます。

扁桃炎の治療

扁桃炎が細菌性と判明した場合、医師は抗生物質の内服を指示することがあります。とくにA群連鎖球菌が関与しているときには、ペニシリン系などが処方されることが多いです。適切な抗菌薬治療を行うことで感染拡大や合併症のリスクを抑えられます。

一方、ウイルス性扁桃炎には抗菌薬は効きません。そのため、ウイルス性の場合は前述の症状緩和策と十分な休養により、免疫力を高めて自然回復を待つことが主となります。

重症例における外科的処置(扁桃摘出術)

まれに扁桃が極端に肥大して気道を狭め、呼吸が困難になるケースや、慢性的に再発を繰り返して生活の質を著しく落とすケースでは、扁桃摘出術が行われることがあります。ただし、日本においては近年、できるだけ保存的治療を優先する流れがあり、手術は最終手段とされる場合が多いです。

連鎖球菌性咽頭炎の治療

連鎖球菌性咽頭炎はA群連鎖球菌が原因であるため、抗菌薬治療が必須となります。発症から48時間以内に服用を開始すると、症状の緩和が早まるだけでなく、他者への感染リスクも低減し、合併症の予防にもつながります。

日本ではペニシリン系やセフェム系などが標準的に選択されますが、アレルギーがある場合はマクロライド系が使われることもあります。医師の処方指示に従い、決められた期間を飲み切ることが大切です。症状が改善したからといって自己判断で途中でやめると、再感染や耐性菌の問題が生じる恐れがあります。

日常生活でできるセルフケア

扁桃炎・連鎖球菌性咽頭炎の治療には、薬物療法だけでなく、以下のようなセルフケアが大きく役立ちます。

  • 休養・睡眠の確保
    体の免疫力を高め、回復を促す上で十分な睡眠は欠かせません。可能な範囲で仕事や学校を休み、体をしっかり休ませることが大切です。
  • 加湿と室内環境の整備
    日本では特に冬季に空気が乾燥しやすく、のどの粘膜もダメージを受けやすいため、加湿器などを活用して適度な湿度を保ちましょう。
  • のどを刺激しにくい食事
    熱いスープや柔らかい麺類など、のどを通りやすく消化負担の少ない食品を選ぶと良いでしょう。刺激の強い唐辛子や酸味の強い調味料は痛みを悪化させる場合があります。
  • 口腔内の清潔を保つ
    歯みがきやマウスウォッシュをこまめに行い、口腔内に細菌やウイルスが繁殖しにくい環境を維持します。

治療を受けるタイミングと受診の目安

多くの場合、軽度~中等度の症状であれば自宅療養で回復に向かうことが多いものの、以下のような場合には早めに医療機関の受診を検討してください。

  • 症状が4日以上続き、改善の兆しがない場合
    自宅療養を続けても快方へ向かわないときや、逆に悪化していると感じるときは医師の診断が必要です。
  • 39℃以上の高熱や呼吸困難、嚥下困難がある場合
    高熱による脱水や、のどの腫れが激しく食事・水分摂取が困難な場合は、重症化を疑うべきです。
  • 咽頭や扁桃腺に大量の膿が付着している、首のリンパ節が顕著に腫れている場合
    連鎖球菌性咽頭炎や重度の細菌性感染が疑われます。
  • 過去に扁桃炎や連鎖球菌性咽頭炎で重症化したことがある場合
    合併症リスクが高いと考えられるため、早期受診が勧められます。

扁桃炎と連鎖球菌性咽頭炎の違いを理解する意義

扁桃炎と連鎖球菌性咽頭炎はともに「のどの感染症」ですが、原因や対処法に違いがあります。連鎖球菌性咽頭炎はA群連鎖球菌に特化した病態であり、早期治療が望ましいこと、また合併症のリスクがあることから、迅速検査や培養検査を受けて適切な抗生物質治療を行うことが重要です。一方、ウイルス性の扁桃炎の場合は抗生物質の効果がないため、症状緩和や生活習慣の改善が中心となります。

また、日本では季節的な流行や生活習慣(電車通勤、保育園・学校など集団生活)により、のどの感染症が広がりやすい環境があります。そのため「単なるのどの痛みだから」と放置せず、症状の経過や周囲の流行状況に合わせて、必要に応じて医療機関で検査を受けることが大切です。

日本国内の近年の研究・新しい知見

  • 早期の迅速検査導入で症状期間が短縮する可能性
    2021年以降、日本国内の耳鼻咽喉科クリニックや小児科などで、連鎖球菌性咽頭炎を疑った時点で迅速検査(strepテスト)を行い、陽性であればただちに抗菌薬を処方する取り組みが広がりつつあります。海外の論文(Centers for Disease Control and Prevention, 2023年更新情報など)によると、早期診断によって症状の重症化を防ぐだけでなく、周囲への感染拡大を防止する効果があると報告されています。日本でも同様の結果が示され、症状期間の短縮や合併症率の低下につながると期待されています。
  • ウイルス性扁桃炎への過度な抗生物質使用の是正
    適切な検査を行わず「のどの腫れ・発熱=細菌性」と早合点して抗生物質を処方するケースが問題視されることがあります。日本においては抗菌薬の乱用を防ぐため、迅速検査や培養検査を徹底するガイドラインが提唱されるようになりました。国内外の研究でも、不要な抗菌薬使用は耐性菌の増加につながるため、ウイルス性と確定した場合には抗生物質を用いずに対処する意識が強まっています。
  • 集団生活環境の衛生管理と予防策
    学校や保育施設などで咽頭炎が発生した場合、マスク着用や手洗い・うがいの徹底、教室の換気と適度な加湿などを組み合わせることで感染拡大を抑えられるとされます。ここ数年、日本国内でも感染対策が厳格になったことにより、連鎖球菌を含む呼吸器系感染症全体の発生数が一時期減少したとの報告がありました。しかし、社会活動が通常化するにつれて再び感染症が増えつつあるとの指摘もあり、適度な予防策は依然として重要と考えられます。

予防と再発防止のポイント

  • こまめな手洗い、うがい
    多くの感染症予防の基本ですが、連鎖球菌やウイルスをはじめとする病原体を手指からのどへ運ばないために有効です。
  • 適切なマスク着用
    とくに発熱や咳・くしゃみなどの症状がある場合や、満員電車などで密接状態が避けられない場合には、自分だけでなく他者への感染拡大防止策としても有用です。
  • 人込みを避ける
    仕事や通勤、通学などで避けられないケースもありますが、可能であれば流行期や自分が体調不良のときには無理な外出を控える、在宅勤務やオンライン学習を利用するなどの対策が考えられます。
  • 十分な水分とバランスの良い食事
    体内の免疫機能を維持するためには、適切な栄養補給が不可欠です。のどが痛いときには温かいスープや消化に良い食品を中心に、無理なく栄養を摂るよう心がけましょう。
  • 定期的な受診
    扁桃炎を繰り返している方や、のどの腫れが慢性的に続く場合は、耳鼻咽喉科など専門医へ相談し、詳しい検査を受けておくと安心です。

結論と提言

扁桃炎と連鎖球菌性咽頭炎は、ともにのどに強い炎症を起こす病気ですが、原因が異なるため治療方針にも大きな違いがあります。ウイルス性の扁桃炎であれば症状緩和を中心としたケアが主体ですが、連鎖球菌性咽頭炎の場合は抗菌薬による早期治療が必須です。どちらであっても、痛みや発熱など日常生活に支障をきたしやすい症状が現れるため、適切なセルフケアと必要に応じた医師の診察が重要です。

日本では子どもから大人まで、日々さまざまな環境でウイルス・細菌にさらされる可能性があります。とくに集団生活や公共交通機関の利用が日常的な現代社会では、のどのトラブルも珍しくありません。したがって、「ただののどの痛み」と油断せず、症状が重い場合や長引く場合には医療機関で検査を受け、適切な治療を行うようにしましょう。のどの炎症を早期にコントロールすることは、合併症リスクの軽減や他者への感染拡大を防ぐ上でも非常に大切です。

最後に、自己判断だけで病状を見過ごすことのないようにしてください。高熱や嚥下困難などの深刻な症状があれば、できる限り早く受診し、必要なら迅速検査や培養検査を実施してもらうことが望ましいです。特に連鎖球菌性咽頭炎と診断された場合には医師の指示通りに抗菌薬を飲みきり、途中で服用をやめないよう心がけましょう。


参考文献


本記事はあくまで参考情報を提供するものであり、専門家による正式な医療アドバイスを代替するものではありません。症状が続いたり重症化したりした場合は、速やかに医師の診察を受けるようお願いいたします。

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