扁桃腺の腫れとは?その原因と受診のタイミング
耳鼻咽喉科疾患

扁桃腺の腫れとは?その原因と受診のタイミング

はじめに

のどの両側に位置するアーモンド形状の組織であるアーミダン(扁桃腺)は、リンパ系の一部として、口から侵入するウイルスや細菌に対する防御機構の役割を果たしています。しかし、細菌やウイルスの感染によってこのアーミダン自体が腫れ上がったり炎症を起こすことがあります。子どもによくみられる症状でもある一方、大人の場合も同様の炎症に悩まされることは珍しくありません。また、腫れの持続が長引き、明らかな原因がみえない場合、まれではありますがアーミダンがん(扁桃がん)の可能性にも注意が必要です。本稿では、アーミダンの腫れに関する原因、症状、診断法、治療法、そして予防策まで幅広く取り上げ、より深く理解していただくために詳しく解説します。

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アーミダン(扁桃腺)が腫れる原因

まずは、アーミダンが腫れ上がる主な原因について整理します。アーミダンは空気中や食べ物・飲み物とともに侵入した病原体を排除するために働きますが、その際にウイルスや細菌が付着して炎症を起こすと、大きく腫れたり痛みを感じたりすることがあります。とくに子どもの場合は、免疫システムがまだ十分に成熟しておらず、アーミダンの炎症を繰り返しやすい傾向があります。

以下では代表的な原因を挙げ、それぞれ詳しく解説します。

ウイルスによる感染

  • アデノウイルス
    アデノウイルスは主にかぜ症候群や気管支炎などの呼吸器感染症を引き起こすことで知られています。アーミダンにも感染し、急性の痛みや腫れを引き起こすことがあります。
  • エプスタイン・バー(EBウイルス)
    EBウイルスは唾液を介してうつる単核球症(いわゆるキッシング・ディジーズ)の原因として知られます。感染力が比較的強く、学校など集団生活の場で一人が感染すると周囲に広がりやすい点が特徴です。EBウイルス感染でアーミダンに強い腫れが起こるケースもあります。
  • 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)
    主に口唇ヘルペスの原因となるウイルスで、アーミダンや口腔内にも病変をつくることがあります。水疱(みずぶくれ)や潰瘍(かいよう)を形成し、非常に痛みをともなう場合も少なくありません。
  • サイトメガロウイルス(CMV、ヒトヘルペスウイルス5型)
    健康な成人であれば症状が軽いことが多いものの、免疫力の低下している方や妊婦の場合には重篤化しやすいウイルスです。アーミダンに炎症をもたらす可能性があります。
  • はしかウイルス(麻疹ウイルス)
    非常に感染力の強いウイルスで、呼吸器症状や発疹などを引き起こします。日本では予防接種の普及により患者数は減少していますが、体内に侵入すると上気道全体の炎症を生じやすく、アーミダンの腫れを伴うことがあります。

ウイルス感染によるアーミダンの腫れは子どもに多いとされていますが、大人でも起こることがあり、特に免疫力が落ちている場合には注意が必要です。

細菌による感染

ウイルスだけでなく、細菌が原因でアーミダンが腫れるケースもあります。代表的なのが溶連菌(ストレプトコッカス・ピオゲネス:Streptococcus pyogenes)による感染です。日本でも「溶連菌感染症」として小児科でよく話題に上がります。のどの痛みや高熱、吐き気、頭痛などを伴うことが多く、アーミダンが白っぽい膿を帯びるように腫れ上がる場合があります。
統計的には、アーミダン炎全体の15〜30%程度が細菌性感染症、特に溶連菌が関与するといわれています。なお、溶連菌感染症を放置してしまうと関節リウマチやリウマチ熱、急性糸球体腎炎など、より深刻な合併症を引き起こす恐れがあるため、抗生物質を用いた適切な治療が求められます。

その他の要因

  • 胃食道逆流症や後鼻漏
    胃酸が逆流してアーミダンやのどの粘膜を刺激し、慢性的な炎症を引き起こすことがあります。また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで常に鼻水がのどへ流れる「後鼻漏」によってもアーミダンに炎症が起こることがあります。
  • 口腔衛生の不良
    虫歯や歯周病などを放置したままにしていると、口内細菌が増殖しやすく、炎症が起こりやすくなります。アーミダンに付着した細菌が原因で腫れるケースもあり、口臭の悪化を招く可能性があります。
  • アーミダンがん(扁桃がん)
    がんそのものがアーミダンに発生する場合、同部位の腫れが長引くことがありますが、多くの場合はまれです。また、痛みが目立たない状況で片側のみ持続的に腫れるなど、ほかの要因では説明しにくい症状がある場合は専門的な精査が必要です。

アーミダンが腫れたときの主な症状

アーミダンが腫れた場合、その程度や原因によってさまざまな症状が現れます。以下のような症状が複数当てはまる場合、ウイルス感染や細菌感染、または別の要因を念頭に早めの受診を検討するとよいでしょう。

  • のどの痛み・ヒリヒリ感
    腫れたアーミダンが口やのどの空間を圧迫することでヒリヒリした痛みが続くことがあります。食べ物や飲み物の温度・種類によって痛みが増すこともあります。
  • アーミダン表面の白い斑点や黄色がかった膜
    細菌感染(とくに溶連菌感染)でよく見られます。膿がアーミダン表面に付着している状態で、強い痛みや発熱を伴うことが多いです。
  • 首のリンパ節の腫れ
    首(顎の下や耳の下など)のリンパ節が腫れて触ると痛い、あるいは押すと違和感がある場合は、のど周辺の感染症を示唆することがあります。
  • 嚥下困難感
    食べ物や飲み物、唾液さえも飲み込みにくくなる症状です。アーミダンやその周辺が大きく腫れていると、物理的に通過がしづらくなるだけでなく、痛みによる拒否感が出る場合もあります。
  • 発熱
    ウイルス性か細菌性かに関わらず、免疫系が反応して発熱することがあります。子どもや若年層では38〜39℃程度の高熱になることもあり、だるさや頭痛などの全身症状が伴うことがあります。
  • 口臭の悪化
    アーミダンが腫れる過程で膿や死んだ細胞がたまったり、口腔内の衛生環境が悪化したりすると口臭が強くなることがあります。
  • 倦怠感や疲労感
    体が感染を抑えようとする免疫反応が働くため、全身のだるさを訴えることが少なくありません。特に高熱と組み合わさると、日常生活に支障が出るほどの疲労感に襲われる場合もあります。

子どもと大人の違い

子どもでは免疫機構が未熟なこともあり、症状が急速に進む傾向がみられます。一方、大人は慢性的にのどが腫れやすい、繰り返し扁桃炎になりやすいといったケースも見られます。また、まれにですが大人の場合は片側だけ腫れるなどの症状が長期化し、痛みが軽いかほとんどない場合、アーミダンがんの可能性も考える必要があります。

アーミダンが腫れていて痛くない場合や発熱を伴わない場合

一部の人はアーミダンが腫れているにもかかわらず、痛みをあまり感じなかったり、熱が出なかったりします。以下のような要因が考えられます。

  • アーミダンの先天的な大きさ
    もともとアーミダンが大きめで、炎症がなくても腫れてみえる場合があります。子どもの場合に特に顕著なことが多く、「周囲と比べるとやや大きいけれど、本人に自覚症状がほとんどない」というケースです。
  • 胃食道逆流症やアレルギー性要因
    胃酸やアレルギー症状がのどに慢性的な刺激を与えて腫れを引き起こしているが、強い痛みや発熱などの炎症反応が起こらない場合があります。
  • 片側のみ腫れるケース
    アーミダンが片側だけ顕著に大きくなっており、かつ痛みがないことが持続する場合は、まれにがんを含めた重篤な原因も考慮が必要です。のどに違和感がある程度で自覚症状が乏しい場合もあるので、長引くようなら耳鼻咽喉科での検査を受けることをおすすめします。
  • 虫歯や歯周病などの口腔トラブル
    深刻な虫歯や歯周病が存在すると、炎症や感染が広がってアーミダンの腫れを助長することがあります。この場合、必ずしも熱が出たり強い痛みが出たりしないこともあります。

以上のように、痛みや熱を伴わないアーミダン腫脹は比較的良性の原因もありますが、症状が続いたり左右差があまりにも大きかったりする場合は放置せずに医師の診察を受けることが安全です。

アーミダンがん(扁桃がん)の可能性

子どものアーミダン腫脹では大半が感染症や良性の炎症ですが、大人の場合、特に40〜50代以降ではまれながらアーミダンがんの発生が報告されています。次のような症状がみられる場合には注意を要します。

  • 片側のみ長期間腫れていて、抗生物質を服用しても改善しない
  • 痛みが少ない、あるいはまったくないのに大きく腫れている
  • のどに何か引っかかっているような異物感がずっと続く
  • 血の混じった唾液や痰が出る
  • 声のかすれ(嗄声)が治らない
  • 一方の耳に痛みや違和感を強く感じる

上記の症状すべてがあるからといって必ずがんとは限りませんが、長引く場合や抗生物質などで改善が見られない場合は専門的な検査(耳鼻咽喉科における内視鏡や画像検査など)を早めに受けることをおすすめします。

アーミダンが腫れたときの診断方法

アーミダンが腫れた状態が続くとき、医師はまず問診と視診によって基本的な感染症の兆候や炎症レベルを確認します。その後、必要に応じて以下のような検査が行われます。

  1. 咽頭(いんとう)・口腔内診察
    耳鼻咽喉科では特殊な器具や内視鏡を使い、のどの奥を詳細に観察します。アーミダンの形状、色合い、表面の状態(白い斑点や膿の付着、ただれなど)が重要な評価ポイントになります。
  2. 迅速抗原検査(溶連菌検査)
    溶連菌感染が疑われる場合、のどの奥を綿棒でこすり、数分〜十数分程度で結果が出る迅速抗原検査を行います。ここで陽性と出た場合は、細菌性の扁桃炎として抗生物質の投与が考慮されます。
  3. 咽頭培養検査
    迅速検査が陰性でも医師が細菌感染を強く疑う場合、より正確に菌種を特定するための咽頭培養が行われることがあります。培養結果が出るまでに数日を要します。
  4. 血液検査
    ウイルス性か細菌性かを判別する一助として、白血球数やCRP(炎症反応)などを調べる目的で血液検査が行われることもあります。また、EBウイルス感染(単核球症)を疑う場合はモノスポットテストや抗EBV抗体検査などを実施することもあります。
  5. 画像検査(必要に応じて)
    片側だけ腫れが著しい、あるいは塊が疑われる場合はCTスキャンやMRIなどでアーミダン周囲組織の状態を詳しく調べる場合があります。特にアーミダンがんの可能性が否定できないときに用いられます。

治療法

アーミダンの腫れを引き起こしている原因次第で治療法は大きく変わります。以下に主な治療法を挙げます。

抗生物質(細菌感染)

溶連菌など細菌感染によってアーミダンが腫れている場合、医師が抗生物質(ペニシリン系など)を処方することが多いです。多くの場合、内服を開始してから数日以内に症状が緩和されていきますが、処方された量と期間を守らずに勝手に中止すると菌が残存し、再発や合併症を引き起こすリスクが高まります。

痛み・発熱を抑える薬

ウイルス感染や軽度の炎症の場合、のどの痛みや発熱を抑えるための解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販薬を含む)が用いられることがあります。子どもや高齢者の場合、医師や薬剤師に相談してから適切な薬を選ぶようにしましょう。

十分な水分補給と休養

ウイルスが原因の場合は、基本的に体の自然治癒力をサポートする方針が重視されます。水分をこまめに摂り、加湿器などを利用して空気を乾燥させないよう心がけ、栄養バランスのよい食事や十分な睡眠をとることが重要です。

手術(扁桃摘出術)

慢性的に扁桃炎が再発し、年に何度も抗生物質を使用しても改善がみられない場合や、アーミダンが大きく肥大して睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす場合、耳鼻咽喉科の判断で扁桃摘出術が選択肢となることがあります。手術後はのどの痛みが数日続くなどの術後管理が必要ですが、再発予防に対しては大きな効果が期待できます。

アーミダンがんに対する治療

アーミダンがんと診断された場合は、がんの進行度や部位、患者の体力などを考慮した上で、手術や放射線治療、化学療法などが検討されます。早期に発見できれば治療の選択肢が広がり、より良好な予後が期待できます。

自宅でできるケア・緩和策

軽度のウイルス感染などであれば、以下のような自宅ケアで症状が和らぐことがあります。ただし、明らかに高熱が出ている、激しい痛みがある、呼吸が苦しいなどの場合は早急に受診を検討してください。

  • うがい
    1日3〜5回程度、ぬるま湯に食塩を少量溶かした生理食塩水でうがいをするのは効果的です。のどの粘膜についた病原体や老廃物を洗い流し、腫れや痛みを和らげる助けになります。
  • 温かい飲み物
    温かいハーブティーやお湯に蜂蜜を加えた飲み物は、のどの粘膜を保護し、乾燥を防ぐ効果があります。ただし熱すぎる飲み物はかえって刺激となることがあるので注意しましょう。
  • 加湿
    部屋の湿度を適度に保つことで、のどの乾燥を防ぎ、炎症を抑える助けになります。湿度は50〜60%程度が目安です。
  • 安静・十分な睡眠
    身体の免疫力を高めるためには、できるだけ安静を保つこと、夜更かしを避けてしっかり睡眠をとることが重要です。
  • 口腔内の清潔
    歯磨きやデンタルフロスの使用など、口腔衛生を保つことで菌の増殖を抑えられます。特にアーミダン周辺に膿や食べカスが残らないように気をつけると、症状の悪化が防げることがあります。

予防策

アーミダンの腫れや炎症を繰り返さないためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

  • 手洗いの徹底
    ウイルスや細菌は手指を介して口や鼻に侵入しやすいため、こまめに手を洗う習慣は予防の基本です。
  • 感染者との接触を避ける
    家族や職場、学校などで感染症にかかっている人がいるときは、マスクの着用や人混みを避けるなどの工夫を心がけましょう。
  • 口腔衛生の管理
    歯ブラシはこまめに交換し、虫歯や歯周病を放置しないよう定期的に歯科検診を受けることが望ましいです。とくに感染症が治った後は古い歯ブラシに病原体が付着している可能性があるため、新しい歯ブラシに取り替えるのがベターです。
  • タバコを吸わない・受動喫煙を避ける
    タバコの煙は気道粘膜にダメージを与え、抵抗力を下げる原因となります。タバコを吸わない方でも、喫煙環境に長くいることでのどが刺激を受け、炎症を起こしやすくなります。
  • 規則正しい生活習慣
    バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠は免疫力維持の基本です。極端なダイエットや過労が続くと、体全体の防御力が落ちて感染症にかかりやすくなります。

どのような場合に受診すべきか

アーミダンの腫れや痛みが軽度で、1〜2日ほどで自然に回復することもあります。しかし、次のような状態・症状がみられる場合は早めに医療機関を受診することが大切です。

  • 腫れが大きく、呼吸や嚥下が苦しくなっている
  • 39℃を超えるような高熱が出ている
  • 口が開きにくい、よだれが増えるなど咽頭周辺の深刻な炎症が疑われる
  • 1週間以上にわたって痛みや腫れが続き、改善がみられない
  • 片側だけ極端に腫れている、痛みがないのに腫れが長引いている
  • 口臭が極端に強くなり、膿のようなものがのどに見える
  • 全身の倦怠感が強く、日常生活に支障が出る

特にアーミダンが片側だけ腫れている場合は、アブセス(膿瘍)や扁桃周囲膿瘍などの深刻な感染症、あるいはアーミダンがんなどのリスクがゼロではありません。素人判断で様子見を続けるのではなく、迅速に耳鼻咽喉科で診察を受けることを推奨します。

アーミダン周囲膿瘍のリスクと注意点

アーミダンの炎症が進むと、周辺組織に膿がたまる「アーミダン周囲膿瘍」を発症することがあります。次のような特徴的な症状が見られる場合には、急いで医療機関を受診してください。

  • 一方ののどが強く痛み、口を大きく開けられない
  • 唾を飲み込めず、よだれが垂れてしまう
  • 顔を横に向けづらいほど強い痛みがある
  • 発熱とともに、顎下リンパ節の著しい腫れや痛みがある

アーミダン周囲膿瘍は、膿を排出させる処置(穿刺や切開)が必要となる場合が多く、抗生物質治療も併用されます。そのまま放置すると膿が拡散し、気道を圧迫するおそれもあるため、重症化を避けるためにも専門医の診察が必須です。

がん以外に考えられるアーミダンの慢性的な肥大要因

大人でも子どもでも、アーミダンが慢性的に大きい状態が続く場合は以下のような要因も考慮されます。

  • 慢性的な鼻炎や副鼻腔炎
    鼻づまりや後鼻漏が続くと、鼻水や痰が常にのどへ落ちることでアーミダンに刺激を与え、炎症や肥大を助長します。
  • アレルギー体質
    ダニや花粉などのアレルゲンがのどの粘膜に接触し続けると、軽度の炎症を繰り返し、アーミダンが大きくなることがあります。
  • 受動喫煙を含む喫煙環境
    繰り返しになりますが、タバコの煙は呼吸器粘膜を荒らし、慢性的な炎症をもたらす可能性があります。
  • 過労や睡眠不足
    免疫力が落ちることで微弱な感染や炎症が長引き、アーミダンの腫れが慢性化する場合があります。

予後と再発防止に向けたアドバイス

一度アーミダンが腫れるほど強い感染症を起こすと、その後も体調や生活習慣によっては再発しやすくなります。再発を防ぎ、アーミダンの健康を保つために、以下の点を意識するとよいでしょう。

  • 十分な休息と栄養補給
    疲労がたまると免疫力が低下しがちです。バランスの良い食事と7〜8時間程度の睡眠を心がけましょう。
  • 適度な運動
    ウォーキングや軽い有酸素運動などで血行を促進すると、全身の免疫機能が安定しやすくなります。
  • 水分補給
    のどが乾燥すると、ウイルスや細菌が付着しやすくなります。特に空気が乾燥する冬場は意識して水分を摂取しましょう。
  • 口腔・鼻腔の定期的なケア
    鼻うがいやイソジンや生理食塩水でのうがいなど、粘膜に付着した菌を洗い流す習慣をつけると再発リスクを下げられる場合があります。

結論と提言

アーミダンの腫れは、ウイルスや細菌による一時的な感染から、まれながらアーミダンがんに至るケースまで幅広く存在します。ほとんどの場合はウイルスや細菌による急性炎症として治療可能ですが、以下の点に留意すると良いでしょう。

  • 腫れや痛み、発熱などが1〜2日で改善しない場合は要受診
    放置すると重症化したり周囲組織に膿瘍を生じる可能性があります。特に呼吸困難や嚥下困難があるなら早急に受診してください。
  • 片側のみ腫れが続く場合は特に注意
    片側のみの腫脹で、痛みが少ないまま長期化するときはアーミダンがんなど重篤な疾患の可能性が否定できません。専門の検査で早期発見に努めましょう。
  • 再発を繰り返すなら扁桃摘出術も考慮
    慢性化した扁桃炎で生活の質が大きく低下している人にとっては、手術による解決策が有効です。医師としっかり相談の上、リスクとメリットを比較して判断しましょう。
  • 適切な生活習慣と口腔衛生が予防の基本
    免疫力の維持やウイルス・細菌への対処を考えると、バランスのよい食生活、十分な睡眠、ストレスコントロール、そしてこまめな手洗いや歯磨き・うがいなどが大切です。

本記事で取り上げたように、アーミダンの腫れにはさまざまな要因があり、子どものみならず大人にも見られます。ほとんどは適切な治療やケアで快方に向かいますが、痛みがないのに長期化する場合や片側のみ顕著に腫れている場合は見逃してはなりません。少しでも不安な点や疑問があるときは、早めに専門家へ相談することで大きなトラブルを避けられる可能性が高まります。

参考文献

免責事項
本記事で提供している情報はあくまでも一般的な参考を目的としたものであり、医学的な診断・治療の代替を意図するものではありません。症状や体調に不安のある場合には、必ず医師などの専門家に相談し、適切な検査・診断・治療を受けてください。あなたの体調や個別の状況に基づく医療上の判断は、かかりつけ医の指示や助言に従うことが最も重要です。

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