Scientific Basis of This Article
この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的エビデンスにのみ基づいています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的ガイダンスへの直接的な関連性のリストです。
- 日本集中治療医学会(JSICM)および日本救急医学会(JAAM): 本記事における日本の臨床状況に特化した診断基準、治療バンドル、および推奨事項に関するガイダンスは、これらの学会が共同で発表した「日本版敗血症診療ガイドライン2024」(J-SSCG 2024)に基づいています13。
- Surviving Sepsis Campaign (SSC): 治療の国際標準、「Hour-1 Bundle」を含む世界的なベストプラクティスに関する記述は、SSCが発行した「国際ガイドライン2021」に基づいています5。
- 世界保健機関(WHO)および米国疾病予防管理センター(CDC): 敗血症の予防、リスク因子、および公衆衛生に関するメッセージは、これらの国際的な保健機関が提供する情報に基づいています79。
- 日本のDPCデータを用いた研究: 日本における敗血症の発生率と死亡率の経時的変化に関する独自の分析は、日本の診断群分類包括評価(DPC)データベースを用いた大規模研究の結果に基づいています2426。
- 集中治療後症候群(PICS)に関する研究: 敗血症生存者の長期的後遺症に関する議論は、日本集中治療医学会のPICS委員会を含む、この分野の専門的な研究と定義に基づいています4041。
要点まとめ
- 敗血症は、感染症に対する体の免疫反応が制御不能になり、自らの臓器(肺、腎臓、脳など)を傷つけることで生命を脅かす状態です14。
- 日本では年間10万人以上が死亡し22、高齢化に伴い患者数は増加傾向にあります26。高齢者、乳児、慢性疾患を持つ人、免疫力が低下している人は特に注意が必要です7。
- 「呼吸が速い」「意識の変化」「血圧低下」の3つのうち2つ以上が当てはまる場合(qSOFA)、緊急事態の可能性があります。すぐに医療機関を受診し「敗血症が心配です」と伝えることが重要です1。
- 治療は「時間が命」であり、1時間以内の抗菌薬投与や輸液療法などをまとめた「バンドル」治療が国際的な標準です5。
- 一命をとりとめても、多くの生存者が身体・認知・精神的な後遺症(集中治療後症候群:PICS)に苦しむ可能性があり、長期的な支援が必要です19。
敗血症とは何か?:最新の国際定義と関連用語の明確化
敗血症を正確に理解することは、その脅威から身を守るための第一歩です。2016年に発表された国際的なコンセンサス定義(Sepsis-3)によれば、敗血症は**「感染症に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害」**と定義されています14。この定義の最も重要な点は、問題が感染症そのものではなく、感染をきっかけに引き起こされる「制御不能な体の反応」と、それによって引き起こされる「臓器障害」にあるということです。つまり、体を守るはずの免疫システムが暴走し、敵である病原体だけでなく、自らの臓器(肺、腎臓、肝臓、脳など)を攻撃し始めてしまう状態なのです。この視点を持つことで、なぜ敗血症が急速に重症化し、多臓器不全に至るのかを深く理解することができます。
敗血症と混同しやすい用語との違い
一般の方が混同しやすい用語を明確に区別することは、正しい知識の普及に不可欠です。
- 敗血症と菌血症(きんけつしょう)の違い: 「菌血症」は、血液中に細菌が存在している状態を指します。歯磨きなどでも一時的に起こることがあり、それ自体が必ずしも有害とは限りません。一方、「敗血症」は、その菌血症などが引き金となり、全身に有害な炎症反応が広がり、臓器障害を引き起こす深刻な病態です。菌血症は敗血症の原因の一つですが、菌血症が必ずしも敗血症になるわけではありません16。
- 敗血症と敗血症性ショックの違い: 「敗血症性ショック」は、敗血症がさらに進行した最も重篤な状態を指します。大量の輸液を行っても回復しない危険なレベルの血圧低下を特徴とし、体の細胞や組織に十分な血液と酸素を供給できなくなります。これは極めて致死率の高い緊急事態です16。
疫学データが示す脅威:日本の実態と世界の現状
敗血症が個人の健康問題に留まらず、公衆衛生上の重大な課題であることを理解するために、具体的なデータは非常に強力な説得力を持ちます。
世界と日本の状況
世界保健機関(WHO)によると、世界では年間約2700万人から3000万人が敗血症に罹患し、そのうち約800万人から1100万人が死亡していると報告されています15。これは、数秒に一人が敗血症で命を落としている計算になり、その規模の大きさがうかがえます。日本国内に目を向けると、年間死亡者数は10万人を超えると推定されており22、これは敗血症が決して稀な疾患ではなく、誰もが直面しうる「common disease(ありふれた病気)」であることを示しています20。
ビッグデータが明らかにする日本のパラドックス
日本のDPC(診断群分類包括評価)データベースを用いた大規模な研究は、一見矛盾しているように見える、しかし極めて重要な事実を明らかにしました24。2010年から2017年にかけてのデータを分析した結果、以下の二つの傾向が確認されたのです。
- 死亡「率」の減少: 敗血症と診断され入院した患者の院内死亡率は、約25%から約18%へと明確に減少していました26。これは、集中治療医学の進歩や、抗菌薬治療、ガイドラインの普及などにより、敗血症と診断された後の救命率が向上していることを示唆しています。
- 死亡「数」の増加: しかしその一方で、入院患者1,000人あたりの敗血症による年間死亡数は、約6.5人から約8人へと増加傾向にありました26。
この二つのデータが示すのは、「敗血症の治療成績そのものは改善しているものの、社会の高齢化や慢性疾患を持つ患者の増加により、敗血症を発症するリスクを持つ母集団そのものが増大しているため、社会全体としての死亡者数は増え続けている」という深刻な現実です11。このデータに基づいた洞察は、治療法の改善だけに満足することなく、社会全体で予防と早期発見に取り組むことの重要性を強く訴えかけるものです。
なぜ命を脅かすのか?:敗血症の病態生理学的メカニズム
敗血症がなぜこれほど急速に進行し、生命を脅かすのかを理解するためには、体内で起きている「免疫の暴走」の連鎖反応を知ることが重要です11。このプロセスは、炎症を引き起こす反応と、それを抑えようとする反応が同時に、かつ無秩序に発生するカオス状態と表現できます29。この暴走が引き起こす主な現象は、ドミノ倒しのように連鎖していきます。
- サイトカインストーム: 感染と戦うために放出されるサイトカインという情報伝達物質が過剰に産生され、嵐のように全身を駆け巡ります。この「嵐」が、病原体だけでなく正常な細胞や血管まで攻撃し始め、全身に広範なダメージを引き起こします18。
- 血管の破綻(血管内皮障害と透過性亢進): 全身の血管の内壁(血管内皮)がサイトカインによって傷つけられ、血液中の水分やタンパク質が血管の外へ漏れ出しやすくなります(キャピラリーリーク)。これにより、全身にむくみ(浮腫)が生じると同時に、血管内を循環する血液量が減少し、血圧が急激に低下します28。
- 敗血症性DIC(播種性血管内凝固症候群): 血液を固める凝固システムが異常に活性化し、全身の細い血管内に微小な血栓が多発します。これにより各臓器への血流が遮断され、臓器不全が進行します。同時に、血を固めるための成分(凝固因子や血小板)が使い果たされてしまうため、逆に大出血を起こしやすくなるという、極めて危険な状態に陥ります1。
- 組織酸素代謝失調(Dysoxia): 血圧低下、微小血栓による血流障害、そして細胞自体のダメージにより、たとえ呼吸をしていて血液中に酸素があっても、体の各組織が酸素を有効に利用できなくなります。この「組織の酸欠」状態が、最終的に多臓器不全を引き起こす根本的な原因です33。
この一連の悪化プロセスを段階的に示すと、以下のようになります。
段階 | 病態生理学的イベント | 主な臨床症状 |
---|---|---|
1. きっかけ | 感染症(細菌、ウイルス、真菌など) | 発熱、悪寒、倦怠感 |
2. 過剰反応 | サイトカインストーム(免疫の暴走) | 高熱、頻脈、頻呼吸 |
3. 血管の破綻 | 血管内皮障害、DIC(微小血栓)、血管透過性亢進 | 血圧低下、むくみ、皮膚の変色 |
4. 臓器障害 | 組織低酸素(組織の酸欠) | 意識障害(脳)、呼吸困難(肺)、尿量減少(腎臓) |
5. 最終段階 | 多臓器不全 | 敗血症性ショック、生命の危機 |
この表が示すように、敗血症は一つの出来事が次のより深刻な出来事を引き起こす連鎖反応であり、この流れをいかに早く断ち切るかが救命の鍵となります9。
誰が、なぜ危険なのか?:感染源と詳細なリスク因子
敗血症は誰にでも起こりうる病気ですが、特定の条件下にある人々は特にリスクが高まります。予防行動を促すためには、そのリスク因子を具体的に理解することが重要です。
主な感染源
敗血症の引き金となる感染症は、私たちの身近に存在します。最も多い原因は肺炎などの呼吸器感染症であり、次いで腹腔内感染症(虫垂炎や胆嚢炎など)、尿路感染症などが挙げられます14。日常的にかかる可能性のあるこれらの感染症が、重篤な敗血症につながりうることを知っておく必要があります。
特にリスクの高い人々(ハイリスク群)とその理由
- 年齢: 免疫システムがまだ十分に発達していない1歳未満の乳児と、加齢に伴い免疫力が自然に低下し、多くの基礎疾患を抱えがちな65歳以上の高齢者は、敗血症の最も大きなリスク群です7。
- 慢性疾患を持つ人:
- 免疫機能が低下している人: 臓器移植後の免疫抑制剤の使用、HIV感染症、ステロイドの長期使用など、医学的な理由で免疫システムが抑制されている状態は、敗血症の直接的なリスク因子です7。
- 最近の医療処置を受けた人: 大きな手術や長期入院、特に集中治療室(ICU)での治療は、身体への侵襲や、点滴用のカテーテル、尿道カテーテル、人工呼吸器などの医療機器の使用を通じて、体外から病原体が侵入する機会を増やします7。
- 妊娠中・産後の女性: 妊娠中や、出産・流産・中絶後の女性も、ホルモンバランスの変化や身体的な変化により、感染症にかかりやすく、敗血症のリスクが高まることが知られています7。
これらのリスク因子を単に知るだけでなく、「なぜ」リスクが高まるのかという背景を理解することで、より効果的な予防策へと繋げることができます。
「いつもと違う」に気づくために:初期症状とqSOFAによる自己チェックの啓発
敗血症との戦いにおいて、最も強力な武器は「早期発見」と「迅速な治療開始」です。そのためには、患者さん本人やご家族が、危険な兆候にいち早く気づくことが何よりも重要になります。
初期症状と進行のサイン
敗血症の初期症状は、発熱、悪寒、体の節々の痛み、強い倦怠感、速い脈拍や呼吸など、一般的な風邪やインフルエンザの症状と非常によく似ており、見分けるのが難しいことがあります16。しかし、決定的な違いは、「これまでに経験したことがないほどの体調の悪さ」や「症状が急速に悪化していく感覚」にあります。
病状が進行し、臓器障害が始まると、より特徴的なサインが現れます。
- 脳の障害: 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い、時間や場所が分からなくなる、興奮して意味の通じないことを言うなど、普段と様子が明らかに違う14。
- 腎臓の障害: 尿の量が著しく減る、または半日以上全く出ない16。
- 肺の障害: 安静にしていても息が切れる、呼吸が速く苦しそうに見える14。
- 循環・皮膚の異常: 手足が異常に冷たく、湿っぽくなる。皮膚にまだら模様(網状皮斑)が現れる14。
危険な兆候を伝えるためのツール:qSOFAスコア
これらの多くの症状を覚えておくのは困難です。そこで、一般の方が敗血症の危険な兆候を認識し、医療機関に的確に伝えるための「啓発ツール」として、**qSOFA(quick SOFA)スコア**を紹介します。これは家庭での診断ツールではなく、医療専門家とのコミュニケーションを円滑にするためのものです。国際的なガイドラインでは、医療者向けの単一のスクリーニングツールとしては推奨されなくなりましたが、一般市民への教育的価値は依然として非常に高いと考えられています6。
qSOFA:敗血症の危険な3つのサイン
感染症が疑われる状態で、以下の3項目のうち**2つ以上**が当てはまる場合は、医学的な緊急事態の可能性があります。
コール・トゥ・アクション: これらの兆候に気づいたら、ためらわずに救急車を呼ぶか、直ちに医療機関を受診してください。そして、医療スタッフに**「敗血症が心配です」**とはっきりと伝えてください1。この一言が、診断と治療開始までの時間を劇的に短縮し、命を救うことに繋がる可能性があります。
臨床の最前線:診断と治療のゴールドスタンダード
医療現場では、敗血症が疑われた場合、診断と治療が同時に、かつ迅速に進められます。そのプロセスは、感染源の特定と臓器障害の程度の評価に基づいています34。
診断へのアプローチ
- 検査: 診断を確定し、治療方針を決定するために様々な検査が行われます。
- 血液培養: 抗菌薬を投与する前に血液を2セット以上採取し、原因となっている細菌や真菌を特定します。これは、後に最も効果的な抗菌薬を選択する(デエスカレーション)ために不可欠です1。
- 乳酸値: 組織の酸素不足を反映する重要な指標です。乳酸値が高いほど重症であり、治療によってその値が低下することは、治療が効果を上げている良い兆候とされます1。
- 炎症マーカー: CRP(C反応性タンパク)やプロカルシトニン(PCT)が測定されます。特にPCTは細菌感染で特異的に上昇しやすく、抗菌薬治療の開始や終了を判断する際の一助となります5。
- 画像診断: 胸部X線写真、CTスキャン、超音波検査などを用いて、肺炎や腹腔内の膿瘍といった感染源を視覚的に特定します14。
- 重症度評価(SOFAスコア): 集中治療室(ICU)では、SOFAスコアというツールを用いて、呼吸、循環、肝臓、腎臓、血液、神経系の6つの臓器系の障害の程度を客観的に点数化します。感染症の存在下で、このスコアが急激に上昇することが、敗血症の診断基準の一つとなります1。
治療戦略の比較分析:J-SSCG 2024とSSC Hour-1 Bundle
敗血症治療の鉄則は**「Time Matters(時間が命)」**です9。「日本版敗血症診療ガイドライン2024」でも、「直ちに」という言葉が繰り返し用いられており、疑った時点ですぐに治療を開始することの重要性が強調されています1。治療は、いくつかの重要な介入を束ねた「バンドル」として、迅速に実施されます。
JAPANESEHEALTH.ORGが最高権威となるための戦略として、日本の最新ガイドラインと国際的な標準治療を比較提示することは、読者に対してより深い理解を提供します。
介入項目 | 日本版敗血症診療ガイドライン2024 (J-SSCG 2024)1 | Surviving Sepsis Campaign 2021 (Hour-1 Bundle)5 |
---|---|---|
血液培養採取 | 直ちに開始(抗菌薬投与前、2セット) | 抗菌薬投与前に採取 |
広域抗菌薬投与 | 直ちに開始(適切な経験的抗菌薬) | 直ちに投与(理想的には1時間以内) |
乳酸値測定 | 診断時に測定し、繰り返し評価 | 測定し、>2mmol/Lなら再測定の指標に |
初期輸液 | 調整晶質液30mL/kgを3時間以内に投与することを考慮 | 低血圧または乳酸値≧4mmol/Lの場合、30mL/kgの晶質液を3時間以内に急速投与 |
昇圧薬投与 | 初期輸液と並行して早期に開始(低血圧が続く場合) | 輸液中または輸液後に血圧が低い場合、平均血圧≧65mmHgを維持するために使用 |
この比較表から、両ガイドラインが共に、①抗菌薬の迅速な投与、②原因菌特定のための血液培養、③組織循環不全の指標である乳酸値の測定、④循環動態を安定させるための輸液療法と昇圧薬の使用、という核心的な要素を共有していることがわかります。特に、国際ガイドラインであるSSC 2021では、かつて「強い推奨」であった「体重1kgあたり30mL」の初期輸液量が、患者一人ひとりの状態(心機能や腎機能など)を考慮した、より個別的な対応の重要性が認識されたことから「弱い推奨」へと変更されました6。これは、画一的な治療から、個々の患者に合わせた至適な治療へと向かう現代医療の流れを反映しています。さらに、感染したカテーテルの抜去や膿瘍の外科的排出(ドレナージ)といった**感染巣コントロール**も、治療の成功に不可欠な要素です1。
回復への道筋と課題:集中治療後症候群(PICS)の深い理解
敗血症治療の進歩により、かつては救えなかった多くの命が救われるようになりました。しかし、ICUから生還し、退院することが物語の終わりではありません。多くの生存者とその家族は、退院後に始まる長く困難な後遺症との闘いに直面します。この問題は**「集中治療後症候群(Post-Intensive Care Syndrome: PICS)」**として知られ、敗血症生存者の最大50%が経験するとされています19。敗血症を真に理解するためには、この「生存後の人生」に光を当てることが不可欠です。
PICSの三つの側面:生存者が直面する身体・認知・精神への長期的影響
PICSは、敗血症のような重篤な疾患による集中治療を乗り越えた後に、新たに出現または悪化する身体的、認知的、精神的な障害の総称です1。その症状は、主に以下の3つの側面に分類されます40。
- 運動機能障害: ICU滞在中に筋肉が著しく萎縮し、筋力が低下する「ICU後天性筋力低下(ICU-AW)」が代表的です。慢性的な疲労感、少し動いただけでの息切れ、着替えや入浴といった日常生活動作が困難になるなど、生活の質を大きく損ないます。
- 認知機能障害: 記憶力の低下(特に新しいことを覚えられない)、注意散漫、集中力の欠如、複数のことを同時に処理できない、計画的な行動がとれないといった症状が現れます。これはしばしば「ブレインフォグ(脳の霧)」と表現され、仕事や学業への復帰の大きな障壁となります。
- 精神機能障害: 不安障害、うつ病、そして心的外傷後ストレス障害(PTSD)が非常に多く見られます。敗血症生存者の10〜50%がこれらの精神疾患を発症すると報告されています。ICUでの生命の危機に瀕した体験、身体の自由を奪われた感覚、せん妄(意識の混乱)中の幻覚や悪夢などが、深い精神的トラウマとなることがあります。
さらに重要なのは、この影響が患者本人だけに留まらないという点です。**PICS-F(Family)**という概念は、患者を支える家族が経験する深刻な精神的負担、すなわち不安、抑うつ、複雑な悲しみ、ストレスなどを指します40。日本においてもPICSは重要な課題として認識されており、日本集中治療医学会には専門の「PICS対策・生活の質改善検討委員会」が設置され、啓発活動や研究、支援体制の構築が進められています41。
患者と家族の体験談から学ぶ:臨床データでは見えない現実
臨床データやガイドラインだけでは伝わらない敗血症の過酷さと、その後の人生への影響を伝えるため、匿名化された患者や家族の体験談は非常に重要です。海外でサンゴのかけらで負った足首の小さな傷から、帰国後わずか数日でICUに入院し、生死の境をさまようことになった衝撃43。輸液によって1日で体重が9kgも増えるといった、身体の急激な変化への戸惑い45。そして、多くの患者や家族が、診断されて初めて「敗血症」という言葉を知り、その致死率の高さに愕然とする現実43。これらの生の声は、退院がゴールではなく、そこから数ヶ月、あるいは数年にわたるリハビリテーションとPICSとの闘いが始まるという、厳しい現実を物語っています。PICSを「敗血症の後に訪れる隠れた流行病」と位置づけ、その実態を詳述することは、患者と家族に寄り添う真に価値ある情報提供となります。
予防と啓発:社会全体で取り組むべき課題
敗血症との戦いは、医療現場だけの努力では限界があります。社会全体でこの病気に対する認識を高め、予防策を実践することが極めて重要です。
個人レベルで実践できる具体的な予防策
敗血症を防ぐ最も効果的な方法は、その引き金となる感染症自体を予防することです。米国疾病予防管理センター(CDC)などが推奨する、誰でも今日から実践できる具体的な予防策は以下の通りです7。
- ワクチン接種: インフルエンザ、肺炎球菌、新型コロナウイルス、その他年齢や健康状態に応じて推奨されるワクチンの定期的な接種は、重症感染症を予防する上で最も有効な手段の一つです。
- 衛生管理の徹底: 石鹸と流水による頻回かつ適切な手洗いは、感染予防の基本中の基本です。特に食事の前やトイレの後、公共の場から帰宅した際には徹底しましょう。
- 傷の適切な管理: 小さな切り傷や擦り傷であっても、放置せず、きれいに洗浄し、治癒するまで清潔な絆創膏などで保護することが重要です。傷口が赤く腫れたり、痛みが強くなったりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 慢性疾患の管理: 糖尿病、慢性肺疾患、腎臓病などの基礎疾患を持つ方は、主治医の指示に従い、病状を良好にコントロールすることが、感染症にかかるリスクそのものを低減させます48。
- 抗菌薬(抗生物質)の適正使用: 抗菌薬は細菌感染症にのみ有効であり、ウイルスによる風邪などには効果がありません。医師に処方された場合にのみ服用し、症状が改善しても処方された期間、最後まで飲み切ることが、薬剤耐性菌の発生を防ぎ、将来の敗血症治療の選択肢を守る上で重要です7。
日本敗血症連盟(JaSA)と世界の動向
敗血症に対する認識向上のための活動は、世界規模で展開されています。その中心的な役割を担っているのが**世界敗血症連盟(Global Sepsis Alliance: GSA)**です。GSAは、毎年9月13日を**「世界敗血症デー(World Sepsis Day)」**と定め、世界中で敗血症の予防、診断、治療に関する啓発活動を行っています20。
その日本支部として活動しているのが、**日本敗血症連盟(Japan Sepsis Alliance: JaSA)**です。JaSAは、日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本感染症学会という、この分野をリードする主要3学会が連携して結成した組織であり20、市民向けの公開講座や医療従事者向けのセミナーの開催を通じて、日本国内における敗血症の認知度向上と診療の質向上に大きく貢献しています50。米国のCDCが展開する**「Get Ahead of Sepsis(敗血症の先手をとる)」**キャンペーンのスローガンである「リスクを知り、兆候を見つけ、迅速に行動する(Know the Risks. Spot the Signs. Act Fast.)」53は、私たちが敗血症に対してとるべき行動を簡潔に示しています。
よくある質問
敗血症は他人にうつりますか?
いいえ、敗血症そのものが人から人へとうつることはありません。敗血症は、感染症に対する個人の体の反応によって引き起こされる病態です。ただし、敗血症の原因となった細菌やウイルス(例えば、インフルエンザウイルスや肺炎球菌など)は、他人に感染する可能性があります。
一度敗血症になったら、またなりますか?
はい、一度敗血症を経験した人は、再び敗血症になるリスクが一般の人よりも高いことが知られています。これは、初回の敗血症によって免疫系や臓器に長期的な影響が残ることが一因と考えられています。そのため、退院後も感染予防策を継続することが非常に重要です。
敗血症の治療費はどのくらいかかりますか?
敗血症の治療費は、重症度、入院期間、集中治療室(ICU)での治療の有無、行われた処置(人工呼吸器、透析など)によって大きく異なります。日本の公的医療保険制度(国民健康保険や社会保険など)が適用されますが、それでも自己負担額は高額になる可能性があります。高額療養費制度を利用することで、自己負担限度額を超えた分が払い戻されるため、加入している保険者に確認することをお勧めします。
集中治療後症候群(PICS)は治りますか?
結論
本記事では、日本および世界の最新の科学的根拠に基づき、敗血症の全体像を包括的に解説しました。敗血症は、感染症をきっかけに自らの免疫が暴走する、予測が難しく進行の速い、極めて危険な病態です。しかし、その一方で、日本のDPCデータが示すように、診断後の治療成績は着実に向上しています26。この事実が示す希望は、「早期発見と迅速な治療」がいかに救命率を高めるかという点に集約されます。
私たち一人ひとりができることは、まず正しい知識を持つことです。ワクチン接種や手洗いといった基本的な感染予防策を徹底し、自身の健康状態を管理すること。そして、もし自身や家族に「いつもと違う、経験したことのない体調の悪さ」を感じ、qSOFAの兆候に気づいたならば、決してためらわずに医療機関を受診し、「敗血症が心配です」と伝える勇気を持つことです。
さらに、私たちの視点は、救命の先にある「生存後の人生」にも向けられるべきです。集中治療後症候群(PICS)という長く続く後遺症の存在を社会全体が理解し、生存者とその家族を支える体制を構築していくことは、これからの重要な課題です。
JAPANESEHEALTH.ORGは、今後も信頼できる最新の情報を提供し続けることで、敗血症による悲劇を一つでも減らし、すべての人が健康で安心な生活を送れる社会の実現に貢献してまいります。
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