舌がん(舌癌)は口の中にできる「口腔がん」の中で最も発生頻度が高いがんです。この記事では、日本の医療現場における舌がんの標準的な情報について、初期症状の見分け方、精密検査と病期診断、ステージ別の治療法(手術、放射線、薬物療法)、治療後の生活の質(QOL)を維持するためのリハビリ、そして公的医療保険制度まで、包括的かつ分かりやすく解説します。
この記事の科学的根拠
本記事は、日本の公的機関・学会ガイドラインおよび査読済み論文を含む高品質の情報源に基づき、出典は本文のクリック可能な上付き番号で示しています。
要点まとめ
第1部:舌がんを理解する:サイン、症状、危険因子
口の中にできた、なかなか治らない口内炎。「ただの口内炎だろう」と思いつつも、心のどこかで「もしかして…」と不安がよぎることはありませんか。その心配や戸惑いは、決して特別なことではありません。大切なのは、いたずらに不安を募らせるのではなく、正しい知識を持って自分の体が出すサインを客観的に見つめることです。科学的には、舌がんは口腔内に発生するがんの中で最も一般的であり、舌の細胞から始まります1。このがんは、まるで庭のしつこい雑草のように、舌の表面下で根を張ることがあります。だからこそ、その最初の小さな芽を見つけることが、その後の対応を大きく左右するのです。
舌がんは、主に舌の前方3分の2にあたる「舌体(ぜったい)」、特に歯との接触が多い舌の側面に発生することが多いと報告されています。国立がん研究センターによると、後方3分の1の「舌根(ぜっこん)」にできるがんは、中咽頭がんとして区別されます1。日本では2019年に5,769人の新規患者が診断されており、高齢化社会を背景にその数は増加傾向にあります23。
主な警告サインと自己チェックのポイント
早期発見において最も重要なメッセージは、日本の公衆衛生当局も繰り返し強調する「2週間のルール」です。つまり、口内炎、しこり、色の変化などが2〜3週間経っても治らない場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります4。これは、単なる症状のリストアップではなく、具体的な行動を起こすための明確な指針です。
ご自身で確認できる主な初期症状は以下の通りです。
- 治りにくい口内炎:通常の口内炎に似ているが、2週間以上経っても改善しない、または大きくなる。
- 硬いしこりや厚み:舌の表面または内部に、痛みはないものの硬く触れる部分がある。
- 赤または白の斑点:こすっても取れない赤い斑点(紅板症)や白い斑点(白板症)は、前がん病変の可能性があります1。
その他、舌の持続的な痛みやピリピリ感、原因不明の出血、声の変化、首のリンパ節の腫れなども重要なサインとなり得ます567。
危険因子(リスクファクター)を理解する
舌がんの発生リスクを高める最大の要因は、喫煙と過度の飲酒です。J-Immunother誌が指摘するように、この二つの習慣が組み合わさると、リスクは単独の場合よりもはるかに高く、相乗的に増大します28。また、不適合な義歯や欠けた歯が舌に慢性的な刺激を与えることや、口腔内の衛生状態が悪いことも、リスクを高める要因と考えられています。
近年注目されるヒトパピローマウイルス(HPV)について、世界保健機関(WHO)は、主に中咽頭がん(舌の付け根など)の原因であると報告しています910。舌の前方部分にできる一般的な舌がんとの関連は比較的低く、こちらでは依然として喫煙と飲酒が主な原因です。
受診の目安と注意すべきサイン
- 2週間以上治らない口内炎、しこり、ただれ、赤白の斑点がある。
- 原因不明の出血や、持続的な痛み・しびれが舌にある。
- 首の片側に痛みのないしこりが触れる。
第2部:診断への道のり:疑いから確定、病期診断まで
「がんかもしれない」という疑いが生じたとき、次に何が起こるのかを知ることは、不安を和らげるための第一歩です。診断プロセスは、パズルのピースを一つずつ集めて全体像を明らかにしていく作業に似ています。医師は様々な検査結果を組み合わせ、最適な治療計画を立てていきます。
舌に異常を感じた場合、最初の相談窓口は歯科、耳鼻咽喉科、または口腔外科となります。診察ではまず、医師が目で見て(視診)、手で触れて(触診)、病変の大きさや硬さ、首のリンパ節に腫れがないかを確認します。日本癌治療学会のガイドラインによると、この触診によるリンパ節転移の診断精度は約60-70%とされています1112。
診断を確定させるための検査
がんの存在を最終的に確定させる唯一の方法が「生検(組織診)」です。これは、局所麻酔をして疑わしい部分の組織を少量採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べる病理検査です2。この検査結果によって、がんであるかどうか、またどのような種類のがんであるかが判明します。
がんが確定した後は、その広がり(病期)を正確に把握するために、画像検査が行われます。主な画像検査とその役割は以下の通りです。
- MRI検査:磁力を用いて体内の詳細な画像を撮影します。特に、がんが筋肉など軟らかい組織へどれくらい深く広がっているか(深達度)を評価するのに非常に優れています12。
- CT検査:X線を用いて体を輪切りにしたような画像を撮影します。がんが顎の骨に達していないか、リンパ節への転移の状況を評価するのに役立ちます。
- 超音波(エコー)検査:体の表面から超音波を当てて内部を観察します。首のリンパ節の状態を手軽に、かつ詳細に調べるために用いられます。
- PET-CT検査:放射性ブドウ糖液を注射し、がん細胞が糖を多く取り込む性質を利用して全身のがんを検出します。肺など遠くの臓器への転移(遠隔転移)の有無を調べるために行われます112。
病期(ステージ)の決定
これらの検査結果を総合し、がんは国際的な「TNM分類」に基づいて病期(ステージ)が決定されます。TNM分類とは、T(原発腫瘍の大きさ・深さ)、N(頸部リンパ節への転移の有無・範囲)、M(遠隔転移の有無)の3つの要素を組み合わせたものです13。近年の日本のガイドラインでは、腫瘍の表面的な大きさよりも、組織内へどれだけ深く浸潤しているかという「深達度」が、治療方針や予後を予測する上でより重要な因子として重視されています。
このセクションの要点
- 舌がんの確定診断は、疑わしい組織の一部を採取して調べる「生検」によってのみ行われる。
- 病期(ステージ)は、MRIやCTなどの画像検査を用いて、がんの大きさ、深さ、リンパ節や他臓器への転移の有無(TNM分類)を総合的に評価して決定される。
第3部:日本における標準治療:ステージ別の治療体系
がんと診断された後、次に考えるべきは治療です。日本の頭頸部がん治療は、単にがんを取り除くだけでなく、患者さんが治療後も「その人らしく生きる」ために不可欠な話す、食べる、呼吸するといった機能をいかに守るか、という点を非常に重視しています。この治療方針は、日本頭頸部癌学会などが策定する診療ガイドラインに明記されており、根治性と生活の質(QOL)のバランスを取ることが治療の核となっています111415。
早期がん(ステージI・II)の治療
早期の舌がんでは、後遺症を最小限に抑えながら完治を目指すことが目標です。主な治療選択肢は2つあります。
- 手術(舌部分切除術):がん組織とその周囲の正常な組織を一部含めて切除する方法です。最も標準的な治療法とされています4。
- 放射線治療(組織内照射):放射線を放出する小さな線源を、一時的にがん組織内に直接挿入し、内側から高線量の放射線を照射する方法です。手術と同等の高い治療効果が報告されており、特に舌の機能を温存したい場合に有力な選択肢となります13。
早期がんであっても、腫瘍の深さによっては、目に見えない微小な転移が首のリンパ節に潜んでいる可能性があります。そのため、予防的に首のリンパ節を切除する手術(予防的頸部郭清術)を行うべきかどうかが、しばしば議論の的となります11。
進行がん(ステージIII・IV)の治療
進行がんでは、より広範囲な治療が必要となります。手術が治療の中心となり、多くの場合、放射線治療や薬物療法を組み合わせた集学的治療が行われます。
手術では、がんの大きさに応じて舌の半分(舌半切除術)あるいは大部分(舌亜全摘出術)を切除します。同時に、転移のあるリンパ節、あるいは転移のリスクが高いリンパ節を系統的に切除する「頸部郭清術」が不可欠です16。舌を大きく切除した場合は、機能回復のために「再建手術」が同時に行われます。これは、患者さん自身の腕や足の皮膚、筋肉、血管などを採取し、舌の欠損部に移植する高度な手術です513。
手術後の病理検査で、がんが断端部に及んでいたり、リンパ節転移が広範囲だったりといった再発リスクが高いと判断された場合は、再発予防のために術後補助療法として放射線治療や化学療法が追加されます16。
再発・転移した場合の治療
遠隔転移が見つかったり、治療後に再発したりした場合は、薬物療法が治療の中心となります。日本では、従来の抗がん剤に加え、自身の免疫力を利用してがんと闘う「免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブなど)」が標準治療の一つとなっています17。さらに、2021年に日本で承認された「光免疫療法」は、特定の施設で受けられる新しい治療選択肢です。これは、がん細胞に結合する薬剤を投与した後、特殊なレーザー光を照射してがん細胞だけを選択的に破壊する治療法で、現在も国際的な臨床試験が進行中です18。
今日から始められること
- ご自身の診断結果(がんの種類、ステージ)について、担当医から分かりやすい言葉で説明を受け、正確に理解する。
- 提示された治療法の選択肢について、それぞれのメリット、デメリット、副作用について十分に質問し、納得した上で治療に臨む。セカンドオピニオンを聞くことも有効な手段です。
第4部:治療の現実と向き合う:副作用、合併症、生活の質(QOL)
舌がんの治療は、時に私たちの生活に大きな変化をもたらします。特に、話す、食べるといった日常の基本的な営みに関わる機能への影響は避けられません。治療の現実に正面から向き合い、どのような副作用が起こりうるのか、そしてそれらを乗り越えるためにどのようなサポートがあるのかを知ることは、治療への不安を軽減し、前向きな一歩を踏み出す力となります。
手術・放射線治療・化学療法の副作用
治療法によって、起こりうる副作用は異なります。放射線治療や化学療法の最中や直後に見られる急性の副作用として、重度の口内炎、唾液が出にくくなる口腔乾燥、味覚の変化、そして放射線が当たった部分の皮膚炎が挙げられます。特に口内炎は、食事の摂取を著しく困難にする辛い症状です17。厚生労働省のマニュアルでも、これらの副作用へのきめ細やかなケアの重要性が強調されています19。
治療後、数ヶ月から数年経って現れる可能性のある晩期合併症にも注意が必要です。これには、放射線の影響で顎の骨が壊死する「放射線性顎骨壊死(ORN)」や、筋肉の硬化により口が開きにくくなる「開口障害」などがあります13。これらのリスクを最小限に抑えるためには、治療中から治療後にかけての継続的な口腔ケアが非常に重要です。
機能回復の柱:リハビリテーション
治療後のQOLを左右する最も重要な要素の一つが、リハビリテーションです。これは治療が終わってから始めるのではなく、治療計画と並行して早期から開始されます5。岡山大学の研究では、歯科と連携した口腔機能のリハビリが、治療後のQOLを有意に改善させることが示されています21。
リハビリは、主に言語聴覚士(ST)が中心となって行います。
- 嚥下(えんげ)リハビリ:安全に食事を飲み込むための訓練です。残された舌や喉の筋肉を鍛える運動や、むせにくい食べ方、食事の形態の調整などを行います22。
- 構音(こうおん)リハビリ:明瞭な発音を取り戻すための訓練です。切除された舌の代わりに、残った舌や唇、頬などを巧みに使って発音する新しい方法を学びます。
舌の切除範囲が広い場合には、「舌接触補助床(PAP)」という、上顎の形に合わせた入れ歯のような装置を作成することもあります。これにより、再建した舌が上顎に届きやすくなり、発音や飲み込みの機能が改善されます11。
心のケアと社会的サポート
がんという診断、そして治療による外見や機能の変化は、心にも大きな負担をかけます。うまく話せないことから社会的に孤立してしまったり、将来への不安からうつ状態になったりすることも少なくありません。同じ経験をした仲間と語り合う患者会への参加は、貴重な情報源となるだけでなく、大きな精神的支えとなります20。
今日から始められること
- 治療前から歯科を受診し、虫歯や歯周病の治療、専門的な口腔清掃を受けておく。これは術後の感染症やORNのリスクを減らす上で非常に重要です。
- 担当医や看護師、言語聴覚士と積極的にコミュニケーションを取り、リハビリの目標や自宅でできるトレーニングについて具体的に相談する。
- 必要であれば、精神的なサポートについて、がん相談支援センターや臨床心理士に相談することをためらわない。
第5部:日本の医療制度:アクセス、費用、サポート体制
専門的な治療をどこで受ければよいのか、そして費用はどれくらいかかるのか。これらは、患者さんとご家族にとって最も切実な問題の一つです。幸い、日本には質の高い医療へのアクセスを保証し、経済的負担を軽減するための公的な制度が整備されています。この制度を正しく理解し活用することが、安心して治療に専念するための基盤となります。
専門治療へのアクセス
舌がんのような頭頸部がんの治療は、多くの診療科が連携するチーム医療が不可欠であり、症例数の多い専門施設で受けることが推奨されます。日本では、全国各地に「がん診療連携拠点病院」が指定されており、質の高い標準治療を提供しています。国立がん研究センター中央病院やがん研究会有明病院などの専門病院や、各大学病院がその中心的な役割を担っています15。
医療費の仕組みと経済的支援
日本の公的医療保険制度のもと、舌がんに対する手術、放射線治療、承認された薬物療法などの標準的な治療はすべて保険適用となります。つまり、医療費の大部分は保険でカバーされ、患者さんの自己負担は原則として1割から3割です。
しかし、がん治療は高額になるため、自己負担分だけでも大きな金額になる可能性があります。そこで最も重要なセーフティネットとなるのが「高額療養費制度」です2324。これは、1ヶ月の医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた分が後から払い戻される制度です。例えば、年収約370~770万円の70歳未満の方の場合、1ヶ月の自己負担上限額は約8万円強となります。これにより、たとえ総医療費が数百万円に及ぶ治療を受けたとしても、実際の負担額は manageable な範囲に抑えられます。
相談窓口とサポート資源
治療に関する疑問や生活上の不安、経済的な問題など、がんにまつわるあらゆる悩みについて、無料で相談できる窓口があります。それが、全国のがん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」です。専門の相談員が、患者さんやご家族からの相談に乗り、必要な情報提供や支援機関への橋渡しを行ってくれます1。また、同じ病気を経験した仲間と繋がることができる患者会も、貴重な情報交換や精神的な支えの場を提供しています20。
このセクションの要点
- 質の高い舌がん治療は、全国の「がん診療連携拠点病院」で受けることができる。
- 公的医療保険と「高額療養費制度」により、高額な治療であっても自己負担額は所得に応じた上限額までに抑えられ、経済的破綻を防ぐ仕組みが整っている。
- 治療や生活に関する悩みは、病院内の「がん相談支援センター」で無料で専門家に相談できる。
第6部:国際的な視点と今後の展望
舌がん治療は、世界中の研究者や臨床医の努力によって日々進歩しています。日本の治療アプローチは、国際的な標準と多くの点で一致していますが、独自の研究と技術開発によって世界をリードしている分野もあります。未来の治療を見据えることは、現在の患者さんにとっても希望となります。
治療の基本原則、すなわち切除可能な早期がんは手術、進行がんは集学的治療という方針は、米国のNCCNガイドラインなど国際的な指針と軌を一にしています。一方で、日本は早期がんに対する組織内照射(ブラキセラピー)の豊富な経験と実績を有しており、機能温存を重視する治療法として確立しています11。
また、先述の光免疫療法のように、日本が世界に先駆けて開発・承認した革新的な治療法もあります17。これは、日本の研究開発能力の高さと、新しい治療法を患者さんに届けるための制度的な柔軟性を示しています。
進行中の臨床試験と未来の治療
現在の治療法をさらに改善するための研究は、臨床試験という形で絶えず行われています。近年の世界的な潮流は、より効果的で、かつ副作用の少ない治療法を目指す「個別化医療」と「治療のデescalation(低侵襲化)」です。例えば、日本では、早期舌がんにおいて予防的な頸部郭清術を省略できる患者さんを見極めるための大規模な臨床試験(JCOG1601)が進行中です18。これは、過剰な治療を避け、患者さんの長期的なQOLを最大化しようとする試みです。
予防と長期的なフォローアップ
舌がんの負担を減らす最も効果的な方法は、予防です。禁煙と節度ある飲酒は、その最も確実な手段です8。HPV関連の中咽頭がんに対しては、HPVワクチンが有効な予防策となります。
治療後は、再発を早期に発見するために、定期的な診察と画像検査による長期的なフォローアップが不可欠です。また、頭頸部がんを一度経験した患者さんは、同領域に新たながん(二次がん)が発生するリスクが高いことが知られており、継続的な自己検診と危険因子の回避が重要となります1。
このセクションの要点
- 日本の舌がん治療は国際標準に準拠しつつ、組織内照射や光免疫療法など、世界をリードする先進的な取り組みも行われている。
- 現在の臨床研究は、より副作用が少なく、患者さん一人ひとりに合わせた治療(個別化医療・低侵襲化)を目指している。
- 最も確実な予防法は禁煙と節酒であり、治療後の長期的なフォローアップと生活習慣の改善が再発・二次がんのリスクを低減させる。
よくある質問
口内炎と舌がんの初期症状はどう見分ければよいですか?
最も重要な違いは「治るまでの期間」です。通常の口内炎は1~2週間で自然に治癒しますが、2週間以上経っても治らない、または大きくなる、硬くなるなどの変化がある場合は、がんの可能性があります。自己判断せず、必ず歯科や耳鼻咽喉科を受診してください4。
舌がんの治療にはどのくらいの費用がかかりますか?
手術で舌を切除した後、話したり食べたりすることはできますか?
治療法は自分で選べますか?
最終的な治療方針は、診療ガイドラインに基づき、様々な専門家(医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士など)から成るチームが、患者さん一人ひとりの病状や全身状態、そしてご本人の希望を総合的に検討して決定します。患者さんは、医師から十分な説明(インフォームド・コンセント)を受けた上で、ご自身の意思を伝え、治療決定のプロセスに参加することが重要です14。
結論
舌がんは深刻な病気ですが、特に早期に発見されれば、根治の可能性は非常に高いです。その鍵は、私たち一人ひとりが自身の体の変化に注意を払い、「2週間以上治らない口内炎」という明確なサインを見逃さず、迅速に専門家の診察を受けることにあります。
日本においては、根治性と生活の質の維持という二つの目標を両立させる、質の高い包括的な医療体制が整っています。精密な手術技術、機能を温存する放射線治療、そして免疫療法などの新しい薬物療法に至るまで、患者さんは世界水準の治療を受けることができます。さらに、治療に伴う身体的・心理的・経済的な負担を軽減するための、リハビリテーションや公的支援制度といった力強いサポートネットワークも存在します。
この情報が、不安の中にいるあなたにとって、正しい知識を得て、勇気を持って次の一歩を踏み出すための確かな道しるべとなることを心から願っています。
本コンテンツは一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療に関する意思決定の前に、必ず医療専門職にご相談ください。
参考文献
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