要点まとめ
- 時差ぼけは、体内時計と渡航先の時間との「ずれ」が原因で起こる医学的状態で、睡眠障害、日中の眠気、認知機能の低下などを引き起こします2, 3。
- 対策の鍵は「光」と「メラトニン」の適切な利用と、渡航前から始まる「睡眠スケジュールの調整」です。これらは科学的に有効性が証明されています4, 5。
- 体内時計を早める必要がある「東向き」(例:日本→米国)の方が、遅らせる「西向き」(例:日本→欧州)より症状が重くなりやすく、それぞれ異なる戦略が必要です6, 7。
- 日本では、国際的に時差ぼけ対策で推奨されるメラトニンは医薬品に分類され、サプリメントとして市販されていません。医師の処方箋が必要な薬剤(例:ロゼレム)が選択肢となります8, 9。
- 日常の「社会的時差ぼけ」(平日と休日の睡眠リズムのずれ)を減らすことが、旅行時の時差ぼけを予防・軽減する土台となります10。
1. 時差ぼけの正体:なぜ私たちの身体は時間を間違うのか?
時差ぼけは、概日リズム睡眠・覚醒障害の一種として定義されています11。その根本的な原因は、複数のタイムゾーンを短時間で高速移動することにより、私たちの身体に備わっている内部時計(体内時計)と、新しい滞在先の外部環境(主に光と闇のサイクル)との間に急激な不一致が生じることです4。特に4〜5時間以上の時差がある地域へ移動した場合に、症状は顕著に現れやすくなります7。
体内時計の司令塔「視交叉上核(SCN)」とホルモンの乱れ
私たちの体内時計の主な中枢は、脳の視床下部にある「視交叉上核(SCN: Suprachiasmatic Nucleus)」と呼ばれる神経核です4。SCNは、目から入る光の情報を元に、約24時間のリズムを刻み、睡眠と覚醒、ホルモン分泌、体温、代謝などを調節しています。例えば、夜になると自然な眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を促し、朝の光を浴びるとその分泌を抑制します。また、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌リズムもコントロールしています12。タイムゾーンを越える移動は、この精密なSCNの指令システムと、現地の昼夜サイクルとの間に混乱を生じさせ、ホルモン分泌のリズムを狂わせてしまうのです。身体が新しいタイムゾーンに適応するには時間がかかり、一般的に「タイムゾーンの変化1時間につき約1日」を要すると言われています3。この目安を知ることは、回復期間の現実的な期待を持つ上で重要です。
時差ぼけが引き起こす多彩な症状
時差ぼけの症状は、単なる眠気だけではありません。心身の様々な側面に影響が及びます3。
- 睡眠への影響: 入眠困難、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)など。
- 日中の機能低下: 日中の過度な眠気、集中力や注意力の散漫、判断力の低下。
- 精神的な影響: 気分の落ち込み、イライラしやすくなる(易刺激性)、抑うつ感。
- 身体的な不調: 全身の倦怠感、頭痛、食欲不振、便秘や下痢などの消化器症状。女性の場合は月経周期の乱れにつながることもあります13。
これらの症状は、ビジネス旅行者の業務遂行能力や安全確保を妨げ、観光旅行の楽しさや満足度を著しく低下させる可能性があります。
【コラム】見過ごされがちな「社会的時差ぼけ」との深刻な関係
旅行の時差ぼけを語る上で、現代社会特有の「社会的時差ぼけ(ソーシャル・ジェットラグ)」との関連性を理解することは非常に重要です10。社会的時差ぼけとは、平日の仕事や学校のために決まった時間に起床する「社会的な時間」と、週末に寝坊するなどして遅くまで寝ている「生物学的な時間」との間に生じる慢性的なずれを指します14。例えば、平日は6時起き、週末は9時起きという生活は、3時間の社会的時差ぼけを生み出しています15。日常的に2時間以上の社会的時差ぼけを経験している人は、体内時計システムが常に不安定な状態にあり、タイムゾーンを越える旅行という急性のストレスに対する適応能力が低下している可能性があります16。つまり、普段の生活習慣の乱れが、旅行時の時差ぼけをより重く、長引かせる要因となりうるのです。旅行対策を考える以前に、まず日常の睡眠リズムを整えることが、最も基本的な予防策と言えるでしょう。
2.【最重要】東向き vs 西向き:方向で全く異なる時差ぼけ対策
時差ぼけ対策を成功させるための最も重要な原則は、旅行の方向によって戦略を完全に変えることです。なぜなら、私たちの体内時計の周期は正確に24時間ではなく、約25時間と少し長めにできているため、睡眠を遅らせる(時計の針を戻す)方が、早める(時計の針を進める)よりも生理的に適応しやすいからです7。このため、一般的に東向き旅行の方が西向き旅行よりも症状が重くなりやすいとされています5。
東向き旅行(日本 → アメリカ・カナダなど):体内時計を「前進」させる戦略
日本から北米などへ向かう東向きのフライトでは、現地時間は日本より進んでいるため、私たちは普段より「早く寝て、早く起きる」必要があります。これは体内時計を前進させることであり、生理的には難しい挑戦です。
- 光療法: 到着地の「午前中」に明るい光を積極的に浴びることが、体内時計を前進させる鍵です4。逆に、出発前の数日間や旅行初期の「夕方」の光は、体内時計を遅らせてしまうため、サングラスをかけるなどして避けるべきです。
- メラトニン: 到着地の目標就寝時刻(例:夜10時)の近くで服用すると、体内時計を前進させ、入眠を助ける効果が期待できます5。コクラン・レビューでも、特に東向き旅行での有効性が高く評価されています5。
- 睡眠スケジュール: 出発の2~3日前から、毎日1時間ずつ就寝・起床時間を早めていく事前調整が非常に有効です4。
西向き旅行(日本 → ヨーロッパ・中東など):体内時計を「遅延」させる戦略
日本から欧州などへ向かう西向きのフライトでは、現地時間は日本より遅れているため、私たちは普段より「遅く寝て、遅く起きる」ことになります。これは体内時計を遅延させることであり、比較的適応しやすいとされています。
- 光療法: 到着地の「夕方から夜にかけて」明るい光を浴びることが、体内時計を遅らせるのに役立ちます4。逆に、午前中の強い光は体内時計を早めてしまうため、避けるのが賢明です。
- メラトニン: 西向き旅行におけるメラトニンの効果は、東向きほど明確ではありません5。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、目的地の就寝時刻まで起きている努力をすることを推奨しており、その際に睡眠薬などが役立つ場合があるとしています4。
- 睡眠スケジュール: 出発の2~3日前から、毎日1時間ずつ就寝・起床時間を遅らせていくと、よりスムーズに適応できます4。
このように、旅行の方向を意識し、それに合わせて光を浴びる・避けるタイミングを計画することが、時差ぼけ対策の成否を分けるのです。
3. エビデンスに基づく包括的対策:旅行の全ステージで実践すべきこと
時差ぼけの影響を最小限に抑えるには、渡航前から帰国後まで、一貫した戦略を実践することが重要です。ここでは、CDCや米国睡眠医学会(AASM)などの権威ある機関が推奨する、科学的根拠に基づいたアプローチを段階的に解説します4, 13。
ステージ1:渡航前の準備 – 賢い旅行者の予防策
時差ぼけとの戦いは、空港に向かうずっと前から始まっています。事前の準備が成功の鍵を握ります。
- 睡眠スケジュールの事前調整: 出発の数日前から、目的地の時刻に合わせて就寝・起床時間を1日1〜2時間ずつ徐々にずらしていくことは、最も効果的な予防策の一つです4。多くの権威ある情報源がこの戦略を強調しています4, 17, 18。
- 十分な睡眠の確保: 旅行前に睡眠不足の状態にあると、時差ぼけの症状が悪化することが知られています3。出発前夜は特に、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
- 食事と運動の調整: 旅行前から食事や運動のタイミングを少しずつ目的地に近づけていくことも、体内時計の同調を助ける補助的な手段となり得ます。
- 専門ツールの活用: 近年では、個人のフライト情報に基づいて光を浴びるタイミングなどを具体的に指示してくれる「Timeshifter」のような科学的根拠を持つアプリも登場しています19, 20。これらを活用するのも良い選択肢です。
ステージ2:フライト中の過ごし方 – 機内での攻防
機内での過ごし方が、到着後のコンディションを大きく左右します。
- 時刻を目的地に合わせる: 飛行機に乗ったらすぐに、腕時計やスマートフォンの時刻を目的地の時刻に設定し、その時間に合わせて行動と思考を切り替えましょう18。
- 目的地の時間で行動する: 目的地が夜の時間帯であれば、アイマスクや耳栓を活用して睡眠を試みます。目的地が昼であれば、映画を見たり読書をしたりして、起きているよう努めましょう4。
- 水分補給を十分に: 機内は非常に乾燥しているため、脱水は疲労感や頭痛を悪化させます。水やお茶などをこまめに摂取しましょう4。
- アルコールとカフェインは慎重に: アルコールは睡眠の質を低下させ、利尿作用で脱水を招きます。カフェインは摂取するタイミングに注意が必要です。到着が朝や昼であれば覚醒を助けますが、夜に到着する場合は睡眠を妨げるため避けましょう4。
- 食事と運動: 食事は軽めにし、消化の良いものを選びます3。また、定期的に席を立ってストレッチをしたり、通路を歩いたりして血行を促進することも重要です3。
ステージ3:到着後の適応戦略 – 現地での早期回復ガイド
目的地に到着してからが、適応を完了させるための最終段階です。
- 光を最大限に活用する: 光は体内時計をリセットする最も強力なツールです4。前述の「東向き vs 西向き」の原則に従い、適切な時間帯に太陽光を浴びましょう。日中はできるだけ屋外で活動的に過ごすことが推奨されます。
- 現地のスケジュールで生活する: 食事のタイミングを現地の時間(朝食・昼食・夕食)に合わせることも、体内時計の同調を助けます4。
- 戦略的な仮眠: 日中の耐えがたい眠気に対しては、20〜30分程度の短い仮眠が有効です。これにより覚醒レベルが回復します。ただし、長時間の昼寝は夜の睡眠を妨げるため、絶対に避けましょう4。
- 適度な運動: 現地の昼間に行う軽い運動は、覚醒度を高め、夜の睡眠の質を向上させる効果があります4。
これらの行動戦略は、薬に頼る前に誰もが実践できる、効果的で安全な時差ぼけ対策の基本です。
4. 薬物的アプローチ:メラトニン、市販薬、処方薬の科学的根拠と日本での注意点
行動戦略だけでは時差ぼけの管理が難しい場合、薬物的なアプローチが選択肢となります。しかし、その効果、安全性、そして特に日本国内での入手方法や法的地位について、正確な知識を持つことが極めて重要です。
医学的アドバイス:薬物的なアプローチを検討する際は、その種類にかかわらず、事前に医師や薬剤師に相談することが最も安全で重要です。特に持病がある方や、他の薬を服用中の方は自己判断で薬を使用しないでください。
メラトニン:国際標準だが日本では特別な扱い
メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計を調整し自然な眠りを誘う働きがあります。国際的には、時差ぼけ対策の標準的な治療法の一つとして広く認識されています。
- 科学的根拠: 質の高い複数の研究を統合・分析したコクラン・レビューでは、メラトニンは特に5時間以上のタイムゾーンを東向きに移動する際の時差ぼけ症状を「著しく軽減する」と結論付けています5, 21。米国睡眠医学会(AASM)のガイドラインでも、時間を指定したメラトニン投与が推奨されています13。
- 用法・用量: 0.5mgから5mgの範囲で有効性が認められています。5mgを超える量を摂取しても効果の増強は見られないとされています5。低用量の0.5mgでも高用量と同等の効果があるという研究結果もあります13。
- タイミング: タイミングが最も重要です。目的地の目標就寝時刻(例:夜10時〜深夜0時)の直前に服用します5。不適切なタイミングでの服用は、かえって体内時計の調整を妨げる可能性があります。
- 安全性: 短期間の頓用(必要な時だけ使用すること)は安全と考えられていますが、頭痛、めまい、吐き気、眠気などの副作用が報告されています22。てんかん患者や抗凝固薬ワルファリンを服用中の方は特に注意が必要です5。
健康に関する注意事項
- 【重要】日本におけるメラトニンの法的地位と入手方法: アメリカなど多くの国ではサプリメントとして容易に入手できるメラトニンですが、日本では医薬品に分類されており、時差ぼけ対策を目的としたサプリメントとしての一般販売は承認されていません8, 23。現在、日本で承認されているメラトニン製剤「メラトベル」は、特定の神経発達症を持つ小児の入眠困難の改善のみを適応としており、成人の時差ぼけ目的では処方されません9, 24。
- 個人輸入など非正規のルートでの入手は、製品の品質や安全性が保証されず、健康被害のリスクがあるため絶対に避けるべきです25, 26。時差ぼけに対する薬物治療を希望する場合は、必ず日本の医師に相談してください。
市販の睡眠改善薬(例:ドリエル)の役割
日本国内の薬局やドラッグストアで購入できる「睡眠改善薬」(例:ドリエル、ネオデイなど)は、「一時的な不眠症状」の緩和を目的としています27。これらの主成分は抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン塩酸塩)であり、その副作用である眠気を利用したものです27。これらは処方箋を必要とする「睡眠薬」とは明確に区別されます28。時差ぼけによる一時的な寝つきの悪さに対して短期的に使用することは可能ですが、メラトニンのように直接体内時計を調整する作用を持つわけではないことを理解しておく必要があります。2〜3回服用しても症状が改善しない場合は、使用を中止し医師に相談することが求められます28。
医師による処方箋医薬品(例:ロゼレム)
日本の旅行者が医師に相談した場合、メラトニン受容体作動薬である「ロゼレム(一般名:ラメルテオン)」が処方されることがあります29, 30。ロゼレムは、脳内のメラトニン受容体に作用して睡眠と覚醒のリズムを整えるため、時差ぼけによる入眠困難に対してより根本的なアプローチが期待できます。この薬は医師の処方箋が必要であり、一部のクリニックでは海外渡航前の時差ぼけ対策として自費診療で処方されています30。
漢方薬という選択肢
一部の漢方薬は、不眠やそれに伴う精神的な不調に対して用いられることがあります。例えば、心身の疲労が強い場合には「加味帰脾湯(かみきひとう)」、神経の高ぶりやイライラがある場合には「抑肝散(よくかんさん)」などが知られています29。これらは時差ぼけに伴う不眠症状を緩和する可能性がありますが、時差ぼけの根本原因である体内時計のずれを直接調整する効果に関する強力な科学的根拠はまだ限定的です。漢方薬の使用を検討する場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することが不可欠です。
時差ぼけ対策の比較まとめ
以下に、これまで解説した主要な対策を比較した表を示します。ご自身の状況に合った最適な戦略を立てるための参考にしてください。
対策 | 主な機序 | 主な効果 | エビデンスレベル※ | 主な注意点・副作用 | 日本での入手しやすさ |
---|---|---|---|---|---|
睡眠スケジュール調整 | 事前の体内時計の部分的同調 | 体内時計調整、睡眠改善 | 強 | 実行には数日間の計画性が必要 | 該当なし |
光療法 | 光による体内時計の位相シフト | 体内時計調整 | 強 | タイミングが重要、誤ると悪化の可能性。眼疾患のある場合は医師に相談22。 | 該当なし |
メラトニン | 体内時計への作用、睡眠誘発 | 体内時計調整、睡眠改善 | 強 | 頭痛、めまい、眠気等22。てんかん、ワルファリン使用者注意5。 | 処方箋(小児特定疾患のみ)、一般入手不可 |
市販睡眠改善薬 | 抗ヒスタミン作用による鎮静 | 一時的な入眠困難の緩和 | 中 | 眠気、めまい。連用しない。改善なければ医師へ27。 | 薬局・ドラッグストアで購入可 |
処方箋医薬品(ロゼレム等) | メラトニン受容体作動 | 入眠困難の改善 | 中~強 | 眠気、めまい、頭痛等。医師の指示に従う。 | 医師の処方箋が必要 |
漢方薬 | 生薬による全体的調整 | 不眠、関連症状の緩和 | 限定的~弱 | 体質に合わないと効果なし、または副作用の可能性。専門家への相談必須。 | 薬局(一部)、医師の処方 |
※エビデンスレベルは本レポートで参照した情報源(コクラン・レビュー、AASMガイドライン等)に基づく総合的な評価です。
5. 特別な配慮が必要なケース
子供と高齢者の時差ぼけ
子供や高齢者は、時差ぼけに対して特有の配慮が必要です。子供は体内時計のリズムが成人と異なる場合があり、症状をうまく言葉で表現できないことがあります。一方、高齢者はもともと睡眠が浅くなる傾向があり、時差ぼけからの回復が遅れる可能性があります31。いずれの場合も、薬物療法は特に慎重になるべきであり、光療法や規則正しい生活スケジュールといった非薬物的なアプローチを基本とすることが推奨されます。旅行計画を立てる際には、移動や現地での活動に余裕を持たせることが大切です。
短期滞在(2〜3日)の場合の戦略
出張などで滞在期間が非常に短い場合は、必ずしも現地の時間に完全に適応させることが最善とは限りません。適応しようとしている最中に帰国となり、二重の時差ぼけに苦しむ可能性があるためです。CDCは、このような短期滞在では、可能な限り出発地のタイムゾーンのスケジュール(特に睡眠や重要な会議の時間)を維持することを推奨しています4。これは一見、直感に反するアドバイスですが、短期間で高いパフォーマンスが求められる場合に非常に有効な戦略です。
よくある質問 (FAQ)
一番効果的な時差ぼけ対策は何ですか?
なぜ日本ではメラトニンのサプリが売っていないのですか?
東向きと西向きのフライトで、対策は本当にそんなに違うのですか?
市販の睡眠薬(睡眠改善薬)は時差ぼけに使っても良いですか?
普段の生活が不規則なのですが、時差ぼけになりやすいですか?
結論
時差ぼけは、意志の力だけでは克服が難しい、明確な生理学的基盤を持つ状態です。しかし、そのメカニズムを正しく理解し、科学的根拠に基づいた戦略を旅行の各段階で計画的に実行することで、その影響を大幅に軽減することが可能です。重要なのは、画一的な対策ではなく、旅行の方向(東向きか西向きか)、滞在期間、そして個人の体質に合わせたアプローチを選択することです。特に、光を浴びるタイミングの管理、渡航前の睡眠スケジュール調整は、薬に頼らない強力な基本戦略となります。薬物療法を検討する際には、日本国内での法的な位置づけや入手方法を正確に理解し、必ず専門家である医師に相談してください。この記事が、あなたの次の旅行をより快適で生産的なものにするための一助となれば幸いです。
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