要点まとめ
- 末期腎不全ステージ5とは、腎機能(GFR)が正常の15%未満に低下した状態を指し、透析や腎移植などの腎代替療法が必要となる段階です。
- 日本の主な原因は糖尿病性腎症(39.5%)、慢性糸球体腎炎、腎硬化症です。患者の平均年齢は70歳を超え、高齢化が顕著です2。
- 治療選択肢には血液透析、腹膜透析、腎移植があり、それぞれに利点と欠点が存在します。近年、特に高齢者においては、延命よりもQOL(生活の質)を重視する「保存的腎臓療法(CKM)」も重要な選択肢となっています。
- 食事療法は治療の根幹であり、エネルギー、タンパク質、塩分、カリウム、リン、水分の厳しい管理が求められます。適切な運動療法は予後を改善することが科学的に示されています3。
- 診断による精神的衝撃は大きいですが、患者会(腎友会など)や支援団体が存在し、一人で悩みを抱え込む必要はありません。将来の医療に関する意思決定を事前に行う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」が極めて重要です。
第1章:末期腎不全(CKDステージ5)とは何か?
病気を正しく理解することは、治療への第一歩です。この章では、末期腎不全がどのような状態なのかを、基本的な定義から詳しく解説します。
1.1. 腎臓の働きとCKD(慢性腎臓病)のステージ分類
腎臓は、私たちの体内で黙々と働く重要な臓器です。その主な役割は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排泄することです。その他にも、血圧の調整、赤血球を作るホルモンの産生、骨を健康に保つビタミンの活性化など、生命維持に不可欠な多くの機能を担っています4。慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの原因でこれらの腎機能が慢性的に低下していく状態を指します。CKDの進行度は、腎臓が1分間にどれくらいの血液をろ過できるかを示す「糸球体ろ過量(GFR)」の値によって、ステージ1から5までに分類されます。この分類は、日本腎臓学会(JSN)やKDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)といった国内外の専門機関のガイドラインに基づいています56。
表1: CKDの重症度分類(JSN/KDIGOガイドラインに基づく)
ステージ | GFR (mL/分/1.73m²) | 腎機能の状態 | 説明 |
---|---|---|---|
G1 | 90以上 | 正常または高値 | 腎障害はあるが、GFRは正常。 |
G2 | 60~89 | 軽度低下 | 腎機能が軽度に低下している。 |
G3a | 45~59 | 軽度~中等度低下 | 腎機能が中等度に低下している。 |
G3b | 30~44 | 中等度~高度低下 | |
G4 | 15~29 | 高度低下 | 腎機能が高度に低下し、腎代替療法の準備が必要。 |
G5 | 15未満 | 末期腎不全 (ESKD) | 腎機能が著しく低下し、透析や移植が必要な状態。 |
1.2. ステージ5の定義:腎機能が15%未満の状態
末期腎不全ステージ5とは、上記の分類における最終段階であり、GFRが15 mL/分/1.73m²未満にまで低下した状態を指します7。これは、腎機能が健康な状態の15%以下しか残っていないことを意味し、もはや自身の腎臓だけでは体内の老廃物や水分を十分に排泄できなくなっています。このため、生命を維持するためには、失われた腎機能を代替する治療、すなわち「腎代替療法」(透析療法や腎移植)が必要不可欠となるのです。この段階は、英語ではEnd-Stage Kidney Disease(ESKD)とも呼ばれます。
第2章:症状と合併症:体に何が起こるのか?
腎機能が著しく低下すると、体内に老廃物や毒素が蓄積し、「尿毒症」と呼ばれる様々な症状が現れます。また、腎臓が担っていた多くの機能不全が、全身にわたる合併症を引き起こします。
2.1. 尿毒症のサイン:見逃してはいけない体の変化
尿毒症の症状は多岐にわたり、徐々に現れるため気づきにくいこともあります。多くの患者さんの体験談では、「沈黙の臓器」である腎臓の異常が、ある日突然、耐えがたい症状として現れる「突然の衝撃」として語られています1。以下は、注意すべき主な尿毒症のサインです8。
- 全身倦怠感・疲労感:貧血や老廃物の蓄積により、常に体がだるく、疲れやすくなります。
- 食欲不振・吐き気:消化器系に毒素が影響し、食欲がなくなったり、吐き気や嘔吐をもたらしたりします。
- 皮膚のかゆみ:皮膚に老廃物がたまることで、激しいかゆみが生じることがあります。
- むくみ(浮腫):余分な水分や塩分を排泄できなくなり、手足や顔がむくみます。
- 息切れ・呼吸困難:肺に水がたまったり(肺水腫)、貧血が進行したりすることで生じます。
- 睡眠障害・集中力低下:神経系に影響が及び、不眠や日中の眠気、集中力の低下が見られます。
2.2. 主要な合併症とその管理
末期腎不全では、尿毒症症状だけでなく、生命に関わる可能性のある様々な合併症が起こります。これらの管理は、治療において極めて重要です。
- 高血圧:体液量の増加や血圧調整ホルモンの異常により、ほとんどの患者で高血圧が見られます。厳格な血圧管理は心血管系合併症を防ぐために不可欠であり、日本腎臓学会のガイドラインでもその重要性が強調されています5。
- 腎性貧血:腎臓で産生されるエリスロポエチンというホルモンが不足し、赤血球が作られなくなることで貧血が起こります。赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の注射などで治療します9。
- ミネラル・骨代謝異常(CKD-MBD):カルシウム、リン、ビタミンDのバランスが崩れ、骨がもろくなったり(骨粗鬆症)、血管にカルシウムが沈着して動脈硬化を進行させたりします。リン吸着薬や活性型ビタミンD製剤などで管理します9。
- 高カリウム血症:カリウムの排泄が滞ると、血中のカリウム濃度が危険なレベルまで上昇し、致死的な不整脈を引き起こす可能性があります。食事でのカリウム制限が非常に重要です。
- 代謝性アシドーシス:体内で作られた酸を排泄できなくなり、血液が酸性に傾きます。これにより全身の倦怠感や様々な臓器の機能低下が起こり、重曹などで補正治療が行われます。
第3章:原因:なぜ末期腎不全に至るのか?
末期腎不全に至る原因は様々ですが、日本では特定の疾患が大きな割合を占めています。最新の統計データから、その背景を探ります。
3.1. 日本における三大原因疾患
日本透析医学会(JSDT)が毎年発表している統計調査は、日本の透析医療の現状を克明に示しています。2023年末の最新データによると、透析導入の原因となった疾患のトップ3は以下の通りです2。
表2: 日本における慢性透析療法の原疾患(2023年末)
順位 | 原疾患 | 割合 | 傾向と特徴 |
---|---|---|---|
1 | 糖尿病性腎症 | 39.5% | 長年にわたり最も多い原因。生活習慣病の増加を背景に高止まりしている。 |
2 | 慢性糸球体腎炎 | 23.4% | かつては最多だったが、治療法の進歩により割合は減少傾向にある。 |
3 | 腎硬化症 | 14.0% | 高血圧や加齢による動脈硬化が原因。高齢化社会を反映し、増加傾向にある。 |
出典: 日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2023年12月31日現在)」2
このデータが示すように、糖尿病性腎症が全体の約4割を占め、最大の原因となっています。高血圧と関連の深い腎硬化症も増加しており、生活習慣病の管理がいかに腎臓を守る上で重要であるかがわかります。
3.2. その他の原因とリスク因子
上記三大原因の他にも、以下のような疾患や要因が末期腎不全を引き起こすことがあります。
- 多発性のう胞腎(ADPKD):腎臓に多数の「のう胞」(液体がたまった袋)ができ、徐々に腎機能が低下する遺伝性の疾患です。
- その他の遺伝性疾患や自己免疫疾患:ループス腎炎やIgA腎症などが含まれます。
- 薬剤性腎障害:特定の鎮痛薬や抗生物質などの長期使用が腎臓にダメージを与えることがあります。
- 妊娠高血圧症候群:重度の妊娠高血圧症候群は、将来的な慢性腎臓病や末期腎不全のリスクを高めることが報告されています10。
第4章:治療の選択肢:これからの療養生活
末期腎不全と診断された後、これからの療養生活を支えるための治療法を選択する必要があります。それぞれの治療法には特徴があり、ご自身のライフスタイルや価値観に合った方法を、医師や家族とよく相談して決めることが重要です。主な選択肢は、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つです。
4.1. 血液透析(HD – Hemodialysis)
血液透析は、日本で最も広く行われている治療法で、透析患者全体の9割以上がこの方法を選択しています8。腕の血管にシャントと呼ばれる手術で作成した太い血管に針を刺し、血液を体外に取り出してダイアライザー(人工腎臓)というフィルターに通します。ダイアライザーで血液中の老廃物や余分な水分を除去し、きれいになった血液を体内に戻す仕組みです。通常、週に3回、1回あたり4〜5時間かけて医療機関で行われます。
- 利点:医療スタッフが治療を行うため安心感が高い。合併症の管理がしやすい。週4日は治療から解放される。
- 欠点:定期的な通院が必要。1回あたりの拘束時間が長い。シャント手術が必要。食事や水分の制限が厳しい。
4.2. 腹膜透析(PD – Peritoneal Dialysis)
腹膜透析は、自分自身の腹膜(お腹の中の臓器を覆う薄い膜)をフィルターとして利用する方法です。お腹にカテーテルを埋め込む手術を行い、そこから透析液を腹腔内に入れます。一定時間後、老廃物や水分が腹膜を介して透析液に移動したところで、その透析液を体外に排出します。この交換作業を自宅や職場で自分自身で行います。連続携行式腹膜透析(CAPD)では日中に数回、自動腹膜透析(APD)では夜間睡眠中に機械が自動で行います。
- 利点:通院は月1〜2回程度。時間や場所に縛られず、社会復帰しやすい。残存腎機能が長く保たれやすい。食事制限が比較的緩やか。
- 欠点:自己管理が重要。腹膜炎などの感染症のリスクがある。カテーテルが常にお腹にある。長期間続けると腹膜が劣化する可能性がある。
4.3. 腎移植
腎移植は、他者から提供された健康な腎臓を移植する手術で、唯一の根治療法とされています8。腎臓を提供するドナーによって、生体腎移植(親族などから提供)と献腎移植(脳死または心停止した方から提供)に分けられます。移植に成功すれば、透析療法から完全に解放され、食事制限も大幅に緩和されます。
- 利点:最もQOL(生活の質)が高い治療法。食事や水分の制限がほとんどなくなる。社会生活への完全復帰が可能。
- 欠点:日本ではドナーが極端に不足している(特に献腎移植)。手術のリスクがある。拒絶反応を防ぐために、生涯にわたり免疫抑制剤を服用する必要がある。
ある系統的レビューでは、腹膜透析(PD)患者は血液透析(HD)患者と比較して、精神的側面や疾患による負担感において、より良好な健康関連QOL(HRQoL)を経験する可能性があることが示唆されています11。これらのエビデンスも参考にしながら、ご自身にとって最適な治療法を考えることが大切です。
第5章:【特に重要】高齢者と末期腎不全:ACPと治療選択
現代日本の末期腎不全医療において、高齢者の治療選択は最も重要かつ繊細なテーマの一つです。社会の超高齢化と腎不全患者の高齢化が重なり、単なる医学的な問題を超えた、個人の尊厳と人生の質(QOL)に関わる課題となっています。
5.1. なぜ高齢者の意思決定が重要なのか?
前述の通り、日本で新たに透析を始める患者さんの平均年齢は71.59歳です2。高齢の患者さんにとって、週3回の通院と数時間の治療を要する血液透析は、身体的・精神的に大きな負担となり得ます。特に、フレイル(虚弱)、認知症、その他の多くの併存疾患を抱えている場合、透析治療が必ずしもQOLの向上に繋がらないケースも少なくありません12。延命そのものよりも、残された時間をいかに穏やかに、自分らしく過ごすかを重視する考え方が広まっています。
5.2. ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは
このような背景から、「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の重要性が増しています13。ACPとは、「人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス」のことです。もしもの時に備えて、自分がどのような医療やケアを望むのか、あるいは望まないのかを、元気なうちから意思表示しておく取り組みです。川崎医科大学の柏原直樹教授らの研究でも、日本の高齢化する透析医療現場におけるACPと共同意思決定(SDM)の喫緊の必要性が指摘されています13。透析を開始するかどうか、開始するとしたらどの方法か、あるいは透析を行わない選択をするか。これらの重い決断を、本人・家族・医療者が一体となって話し合うことが、本人の尊厳を守る上で不可欠です。
5.3. 保存的腎臓療法(CKM)という選択肢
ACPの一環として、国際的にも認知されているのが「保存的腎臓療法(CKM: Conservative Kidney Management)」という選択肢です6。これは、透析や移植を行わず、薬物療法や食事療法によって症状を緩和し、QOLを維持することに焦点を当てたケアです。CKMは「何もしない」ことではなく、終末期における苦痛を和らげ、穏やかな最期を迎えるための積極的な医療的アプローチです。特に、高齢で多くの合併症を持つ患者さんにとって、CKMは透析療法に代わる現実的で尊重されるべき選択肢となり得ます。
第6章:日常生活と食事療法:QOLを高めるために
末期腎不全の治療において、日常生活の管理、特に食事療法は治療そのものと同じくらい重要です。厳しい制限は大きな負担ですが、正しく管理することで合併症を防ぎ、QOLを向上させることができます。
6.1. 腎臓にやさしい食事の基本
食事療法の基本は、腎臓への負担を最小限に抑え、体内のバランスを保つことです。必要な栄養素は確保しつつ、制限すべき項目を厳格に守る必要があります。ただし、その基準は透析導入前の「保存期」と、透析開始後の「透析期」で異なります。
表3: ステージ5(保存期)と透析期の食事療法基準の比較
栄養素 | ステージ5(保存期) | 透析期(血液透析) | ポイント |
---|---|---|---|
エネルギー | 30-35 kcal/kg標準体重/日 | 30-35 kcal/kg標準体重/日 | 体重減少を防ぐため、十分なエネルギー摂取が不可欠14。 |
タンパク質 | 0.6-0.8 g/kg標準体重/日 | 0.9-1.2 g/kg標準体重/日 | 保存期は尿毒症を防ぐため厳しく制限。透析期は透析で失われる分を補うため、逆にしっかり摂る15。 |
塩分 | 6g/日未満 | 6g/日未満 | 高血圧やむくみを防ぐため、厳格な制限が必要5。 |
カリウム | 2000mg/日以下(目安) | 2000mg/日以下(目安) | 高カリウム血症を防ぐため、野菜や果物の種類と量、調理法(茹でこぼしなど)に注意が必要14。 |
リン | タンパク質摂取量に準ずる | タンパク質摂取量に準ずる | 骨代謝異常を防ぐため、加工食品などリン含有量の多い食品を避ける14。 |
水分 | 尿量+500mL程度 | できるだけ少なく(ドライウェイト増加量による) | 心臓への負担を減らすため、透析間の体重増加を抑えることが目標14。 |
6.2. 運動療法のすすめ
かつては腎臓病患者には「安静第一」と考えられていましたが、現在ではその考えは覆されています。多くの研究により、適度な運動が身体機能の維持・向上、さらには生命予後の改善に繋がることが明らかになっています316。ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣を持つことが推奨されます。ただし、どのような運動が適切かは個々の状態によるため、必ず主治医や理学療法士に相談してから始めましょう。
第7章:患者さんの心の旅路とサポート体制
末期腎不全という診断は、身体だけでなく心にも大きな影響を与えます。この困難な旅路を歩む上で、心理的なプロセスを理解し、適切なサポートを得ることが極めて重要です。
7.1. 診断から受容までの心理的プロセス
多くの患者さんは、診断を受けてから病気を受け入れるまでに、共通した心理的な段階を経験します。ある定性調査では、その経験が「突然の衝撃」「なぜ私が?という怒り」「治療開始というジレンマへの直面」といった言葉で表現されています117。これらの感情はごく自然な反応であり、一人で抱え込む必要はありません。気持ちを医療者や家族に話したり、同じ病気を持つ人々と共有したりすることで、心の負担は軽くなります。
「ある日突然、崖から突き落とされたような感覚でした。昨日までの日常が、もう二度と戻ってこないように思えて…。」(50代男性、透析導入時の心境)
7.2. ひとりで悩まないで:日本の患者会と支援団体
日本には、腎臓病患者さんを支えるための様々な組織があります。これらのコミュニティに参加することは、情報交換だけでなく、精神的な支えを得る上で非常に有益です。
- 腎友会(じんゆうかい):全国各地にある腎臓病患者の会です。同じ病気と向き合う仲間と出会い、日々の悩みや工夫を分かち合うことができます。これらの地域組織の全国連合会が「一般社団法人 全国腎臓病協議会(全腎協)」です1819。
- 日本腎臓財団:腎臓病に関する研究の助成や、一般市民への啓発活動を行っている公益財団法人です4。
- 医療機関のサポートチーム:多くの病院では、医師や看護師の他に、管理栄養士、ソーシャルワーカー、薬剤師などがチームを組んで患者さんをサポートしています。生活上の困りごとや経済的な問題についても相談できます。
一人で悩みを抱え込まず、同じ病気と向き合う仲間と繋がってみませんか。お近くの腎友会を探してみましょう。
結論:希望を持って、自分らしい人生を
末期腎不全ステージ5は、確かに厳しい病状であり、人生を大きく変える出来事です。しかし、本稿で詳述してきたように、現在では腎移植、血液透析、腹膜透析、そして保存的腎臓療法(CKM)といった多様な治療の選択肢が存在します。科学的根拠に基づいた食事療法や運動療法は、QOLを維持・向上させる力になります。そして何よりも、あなたの周りには家族、医療チーム、そして同じ経験を分かち合う仲間たちがいます。
最も大切なことは、正確な情報を得て、ご自身の人生観や価値観を深く見つめ、その上でこれからの生き方を主体的に選択することです。特に高齢の患者さんにとっては、ACPを通じてご自身の希望を明確に伝えておくことが、尊厳ある人生の最終章を送るために不可欠です。この病気は多くのものを奪うかもしれませんが、新たな視点や人との繋がりをもたらすこともあります。希望を失わず、あなたらしい人生を歩み続けるために、この bài viết が確かな一歩を踏み出すための力となることを切に願っています。
よくある質問 (FAQ)
Q1. 末期腎不全ステージ5の平均余命はどのくらいですか?
余命は年齢、合併症の有無、選択する治療法など多くの要因によって大きく異なるため、一概には言えません。例えば、透析療法を受けている患者さんの5年生存率は約60%ですが、これは全年齢を含む平均値です。腎移植を受けた場合の予後は一般的に良好です。最も重要なのは、個々の状況について主治医とよく話し合い、ご自身の病状に基づいた見通しを理解することです。
Q2. 透析を始めたら、旅行に行くことはできますか?
はい、可能です。血液透析の場合、旅行先の透析施設に事前に予約を入れることで「臨時透析」を受けることができます。多くの腎友会では、旅行に関する情報交換やサポートも行っています。腹膜透析の場合は、透析液などの備品を旅行先に送る手配をすれば、より自由な旅行が可能です。治療を続けながらでも、人生を楽しむ方法はたくさんあります。
Q3. 何か新しい治療法はありますか?
腎臓病の治療は日々進歩しています。SGLT2阻害薬など、かつては糖尿病治療薬だったものがCKDの進行を抑制する効果があるとして、適応が拡大されています20。また、再生医療分野ではiPS細胞を使った腎臓再生の研究が進められていますが、実用化にはまだ時間が必要です。現在の治療を着実に受けながら、新しい治療法の情報については主治医に確認するのが良いでしょう。
参考文献
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