はじめに
「もっと身長を伸ばしたい」「少しでも高くなりたい」と感じている方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。身長は遺伝的要素が大きく影響するといわれていますが、実際には食事や生活習慣など、さまざまな要因が複合的に働いて決まると考えられています。本記事では、身長を伸ばすうえで役立つとされる6つのポイントについて、詳しく解説していきます。日々の生活のなかで取り組める方法も数多くありますので、ぜひ参考にしてみてください。
免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
専門家への相談
ここで紹介する情報は、医療専門家の監修や各種研究データに基づくものも含まれますが、個々の体質や生活環境によって状況は異なります。食事や運動などをより専門的に組み立てたい場合は、管理栄養士や医師などの専門家に相談することをおすすめします。また、記事内で示す参考文献は、実際に公表されている確かな情報を含んでいます。さらに詳しく知りたい方は、後述の「参考文献」から原文献を確認していただければと思います。
1. 体をしっかり伸ばすストレッチ
身長を伸ばすうえで注目されるのが、背骨(脊柱)のアライメントを整えたり姿勢を正したりする「ストレッチ」です。とくに思春期をすでに過ぎている場合は、骨そのものの成長を大きく促すのは難しいとされていますが、姿勢を改善し、背骨が圧迫されないようにすることで、見た目の身長が伸びたように感じられることがあります。
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ぶら下がり運動
両手で鉄棒やバーなどを握って、数十秒間ぶら下がる運動です。上半身から骨盤、脚にかけて自然に伸ばされ、背骨周辺の筋肉や関節がほぐれやすくなります。 -
壁に背中をつけてつま先立ち
背中を壁にぴったりつけて立った状態で、つま先立ちをしながら腕を頭上に伸ばします。呼吸を止めずに、息をゆっくり吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら元に戻るのを数回繰り返すとよいでしょう。 -
床に座って前屈
両脚を大きく開いた状態で床に座り、背筋を伸ばしたまま、できる範囲で両手を足先へゆっくり伸ばしていきます。腰やもも裏の筋肉をじんわり伸ばすことで、骨盤のゆがみ改善や下半身の柔軟性向上に役立ちます。
これらのストレッチを継続的に行うことで、体幹や背骨まわりの筋肉が鍛えられ、姿勢がよりまっすぐに保ちやすくなると考えられています。
2. ヨガと瞑想で内側から伸びる
ヨガや瞑想も、姿勢を整えたりホルモンバランスを整えたりする上で効果的といわれています。ヨガのポーズは、全身の骨格や筋肉を調和的に伸ばしていくものが多く、背骨を長く保つ意識づけにもつながりやすいです。さらに、瞑想を組み合わせることで精神面が安定し、集中力が高まるとされます。ここでは代表的なポーズを2つ紹介します。
タダーサナ(Tadasana)
- 足をそろえて背筋を伸ばして立ち、両手は体の横へ自然に下ろします。
- 息を吸いながら両腕を頭上へ持ち上げ、必要に応じて手のひらを合わせても構いません。
- そのままかかとを上げてつま先立ちになり、背骨を上に引き上げるように意識します。
- 数秒キープしたら息を吐きながら元に戻ります。
このポーズによって、足から頭頂部まで全身を上向きにぐっと伸ばす感覚が得られます。筋肉と骨格を正しい位置に整えやすくする効果が期待できます。
サルヴァーンガーサナ(Sarvangasana)
- 仰向けになり、両腕は体の横へ置きます(手のひらは床側)。
- 息を吸いながら脚とお尻、腰をゆっくり持ち上げます。肩と後頭部で体を支えるかたちになり、腰のあたりを両手でそっと支えます。
- 背骨や脚をできるだけ真っ直ぐに伸ばし、15~30秒ほどキープします。
- 息を吐きながらゆっくり元に戻ります。首や肩に違和感があれば、無理せず途中でやめましょう。
この動作は逆さまの状態を作り出すため、重力の影響が普段とは逆になります。ヨガでは、このように頭を下にして行うポーズが下垂しがちな内臓を整え、血液やリンパの流れを改善すると考えられています。また、視点を変えることでリラックス効果も期待でき、集中力を高めやすいとされます。
ヨガや瞑想を日常的に取り入れると、筋肉や骨だけでなく、精神的にも落ち着きが得られる可能性があります。2020年代以降、ヨガやピラティスが脊柱の柔軟性や姿勢改善に有用だと示唆する研究報告も増えています。
3. 適度な運動とスポーツ
運動習慣を取り入れることは、身長を伸ばすのに重要とされています。運動には複数の視点があります。
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ホルモンの分泌促進
運動を行うと、体内で成長ホルモン(HGH)などが活発に分泌されやすくなると考えられています。ジョギングや縄跳びなどの有酸素運動だけでなく、軽めの筋力トレーニングでも血流が促進され、ホルモンの働きを助ける環境を整える可能性があります。 -
骨に適度な刺激を与える
バスケットボールやバレーボール、縄跳びのようにジャンプを多用する競技は、骨端線(骨の成長を担う部位)への刺激が期待できます。ただし、激しすぎる運動や過度の負荷は関節や骨に負担をかけるため、怪我や疲労骨折のリスクを高めることもあります。適切な強度と頻度で行うことが大切です。 -
姿勢維持のための筋力
背筋や腹筋などの体幹を鍛えると、普段の姿勢を正しく保ちやすくなります。結果的に猫背の改善や腰の反りすぎ防止につながり、見た目の身長が高く見える可能性があります。
実際に、「日頃の運動習慣が成長期の骨量増加や骨密度の向上に良い影響を与える」という報告も多くなされています。成長期が終わった後でも、適度な運動は骨の健康維持に寄与しますので、総合的な健康の観点からもおすすめです。
4. バランスの良い食生活
身長を伸ばすためには、体を構成するさまざまな栄養素をまんべんなく取り入れる必要があります。とくに以下の栄養素に注意して摂取するとよいでしょう。
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タンパク質
筋肉や骨、臓器を形成するうえで必要不可欠な栄養素です。大豆製品や卵、魚、肉などを、偏りなく摂ることが望ましいとされています。 -
ビタミンDやビタミンK
カルシウムの吸収や骨代謝に関わるビタミンD、およびカルシウムを骨に取り込みやすくするビタミンKは、骨の成長を助ける栄養素として重要視されています。ビタミンDは魚介類、きのこ類に多く含まれ、ビタミンKは納豆や緑色野菜に豊富です。 -
カルシウム
骨の形成や骨密度の維持に欠かせません。牛乳や乳製品、小魚、また緑色野菜などから意識的に摂ると良いといわれています。 -
炭水化物や脂質を摂りすぎない
エネルギー源として重要な一方、過剰摂取は体重増加につながる可能性があります。体重が増えすぎると骨や関節に過度の負担がかかり、スポーツや日常の動きに支障をきたすケースがあります。バランスを整えることが大切です。
もしも「何をどのくらい食べればよいか」がわからないときは、管理栄養士など専門家に相談すると、より的確なアドバイスを受けられます。
5. 十分な水分補給
意外に見落とされがちなのが水分補給です。水は体内で老廃物を排出したり、細胞の働きを円滑にしたりするのに不可欠です。体に余分な毒素が蓄積されると、ホルモンや消化機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- 運動量が少ない人
1日8~10杯程度を目安に水を摂取します。 - 運動量が多い人
汗で失われる水分量が増えるため、1日10~12杯程度を意識します。
ただし、短時間に大量の水分を摂りすぎると胃腸に負担がかかる恐れがあります。こまめに少しずつ補給することが重要です。
6. 良質な睡眠を確保する
成長ホルモン(HGH)は睡眠中に多く分泌されると考えられています。そのため、質の高い睡眠は身長を伸ばすうえで欠かせない要素といえます。
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1日7~8時間以上を目安に睡眠をとる
思春期の子どもは8~10時間の睡眠を推奨する専門家もいます。深い眠りに入ることで体が修復され、成長ホルモンの分泌も促進されやすくなります。 -
就寝前の過度な刺激を避ける
スマートフォンやパソコンなどの画面を見ると脳が覚醒しやすくなり、睡眠の質を下げる要因となります。寝る前は明るい画面をなるべく控えるほか、カフェインを含む飲料やアルコールもできるだけ控えるとよいでしょう。 -
リラックスできる環境を整える
寝具の硬さや室温、照明などを調整し、深い眠りを妨げないよう工夫します。枕の高さも重要で、あまり高すぎたり低すぎたりすると首や肩に負担がかかり、良質な睡眠を阻害することがあります。
身長を伸ばすうえで避けたいこと
身長を伸ばすことを目標にしている場合、以下の点はできる限り控えるのが望ましいとされています。
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揚げ物や高脂質食品、炭酸飲料の過剰摂取
カロリー過多になりやすいだけでなく、過度の体重増加によって運動量が落ちたり、骨や関節への負荷が増えたりする可能性があります。 -
アルコール、カフェイン、その他の刺激物
アルコールや大量のカフェイン摂取は、骨の健康に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。また、生活リズムを乱して良質な睡眠を妨げる一因にもなりかねません。 -
夜更かしや過度のトレーニング
睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が十分に行われません。トレーニングもやりすぎると怪我のリスクが高まり、体が十分に回復しないまま疲労が蓄積する恐れがあります。
まとめ
遺伝によって決められる部分が大きいとはいえ、姿勢や骨格、日常の運動習慣、栄養状態、睡眠の質など、さまざまな要因を総合的に整えることで「見た目の高さ」を最大限に引き出すことは可能です。すでに大人になってからでも、ヨガやストレッチ、食生活の改善や十分な睡眠などを取り入れれば、わずかではあっても姿勢や筋力の向上に伴ってスタイルが変化し、自信を持てるようになる方もいます。
もし期待するほど身長が伸びなくても、体幹が安定して姿勢が美しくなるだけでも印象は大きく違います。自己管理を通じて心身ともに健康を維持・向上させることを目標に、できるところから少しずつ取り組んでみるとよいでしょう。
重要な注意点
本記事の内容は、あくまで一般的な情報に基づく参考資料です。個々人の体質や健康状態によって必要なケアは異なるため、具体的な食事指導や運動計画、治療方針などについては必ず医師や管理栄養士などの専門家の助言を受けてください。
参考文献
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Advances in pubertal growth and factors influencing it
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4266869/
アクセス日: 2022年6月28日 -
Short Stature: Want to Be Taller?
https://www.limblength.org/conditions/short-stature/
アクセス日: 2022年6月28日 -
What can I do to become taller?
https://kidshealth.org/en/teens/expert-taller.html
アクセス日: 2022年6月28日 -
When a Child is Abnormally Tall
https://www.healthychildren.org/English/health-issues/conditions/Glands-Growth-Disorders/Pages/When-a-Child-is-Unusually-Short-or-Tall.aspx
アクセス日: 2022年6月28日 -
My son wants to growth taller. What can I tell him?
https://www.childrensmn.org/educationmaterials/parents/article/9143/my-son-wants-to-grow-taller-what-can-i-tell-him/
アクセス日: 2022年6月28日
(この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。個別の健康状態や症状に応じたケアについては、専門医にご相談ください。)