混合肌の完全攻略ガイド:皮膚科学的アプローチによる「A to Z」徹底解説
皮膚科疾患

混合肌の完全攻略ガイド:皮膚科学的アプローチによる「A to Z」徹底解説

混合肌は、数ある肌タイプの中で最も自己申告率が高い一方で、その本質が最も誤解されがちな肌状態であると言えるでしょう1。多くの人々が、顔の特定の部分は脂っぽいのに他の部分は乾燥するという、一見矛盾した悩みを抱えています。脂性肌向けの製品を使えば頬がカサつき、乾燥肌向けの製品を使えばTゾーンがテカってしまう――この終わりのないいたちごっこは、スキンケアにおける大きなフラストレーションの源です2。本稿の目的は、このような表面的な症状への対症療法から脱却し、混合肌という複雑なパズルを解き明かすための、科学的根拠に基づいた決定的なフレームワークを提供することにあります。単なる製品推奨リストに留まらず、国内外の皮膚科学研究、臨床試験データ、そして専門家の知見を統合し、混合肌を根本から理解し、管理するための包括的なガイドとなることを目指します。このレポートが提示する中心的な哲学は、混合肌の真のマネジメントは、その二面性と戦うことではなく、肌本来のバランスを取り戻すことから始まる、という点にあります。その鍵を握るのが、混合肌の根本原因、すなわち「皮膚バリア機能の低下」と、それに伴う「水分と皮脂の不均衡」を正しく理解し、対処することです2。一見すると、Tゾーンの「脂っぽさ」は、取り除くべき「問題」のように思えます。しかし、皮膚生理学の観点から深く掘り下げると、その様相は一変します。研究によれば、混合肌の多くは、肌内部の水分が不足している「インナードライ」状態に起因します4。肌は、これ以上の水分蒸散を防ごうとする防御反応として、皮脂を過剰に分泌するのです。つまり、目に見える「脂っぽさ」という問題は、実は肌が「乾燥」という真の問題に対して行っている、不完全ながらも必死の「解決策」の現れなのです。この視点の転換こそが、混合肌攻略の出発点となります。皮脂を攻撃するのではなく、肌が本当に求めている水分を的確に供給すること。乾燥という根本原因を解決すれば、皮脂を過剰に分泌せよという肌への指令は解除され、顔全体の自然な再均衡がもたらされます。本稿は、この原因志向の戦略を基軸に、混合肌の定義から原因、具体的なケア方法、そして最新の科学的知見までを網羅的に解説していきます。


この記事の科学的根拠

この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下のリストには、実際に参照された情報源とその医学的指導との直接的な関連性が含まれています。

  • 米国皮膚科学会 (American Academy of Dermatology, AAD): 本稿における混合肌の定義、特徴、基本的なスキンケアの推奨事項に関する記述は、AADが提供するガイドラインに基づいています1
  • 花王株式会社の研究: 皮脂RNA解析による客観的な肌タイプ分類に関する記述は、同社の研究発表が根拠となっています。これは、自己申告の肌タイプと生物学的特徴との間にギャップが存在する可能性を示唆する重要な知見です10
  • セラミド・ナイアシンアミドに関するランダム化比較試験 (RCT): これらの成分の有効性に関する分析は、尋常性痤瘡(ニキビ)患者を対象とした二重盲検・スプリットフェイス法による臨床試験の結果に依拠しており、バリア機能修復の重要性を裏付けています25

要点まとめ

  • 混合肌の根本原因は、Tゾーンの脂っぽさではなく、肌全体の「皮膚バリア機能の低下」と「インナードライ(内部乾燥)」にあります24
  • ケアの核心は、皮脂を取り除くことではなく、セラミドやヒアルロン酸で水分を補給し、バリア機能を修復することです22
  • ナイアシンアミドやサリチル酸などの成分は、皮脂調整とバリア強化に科学的根拠があり有効です2637
  • スキンケアは、製品だけでなく「水っぽいものから油っぽいものへ」といった塗布順や、季節・体調に合わせた調整という「方法論」が成功の鍵を握ります14
  • AIや遺伝子解析技術の進化により、将来のスキンケアは客観的データに基づく「パーソナライズ」が主流になります1052

第1部:混合肌の正体 – 定義、特徴、自己診断

混合肌を効果的に管理するための第一歩は、その正体を正確に理解することです。このセクションでは、国内外の皮膚科学的コンセンサスに基づき、混合肌を明確に定義し、その特徴を詳述します。さらに、自身の肌タイプを正確に評価するための実践的な自己診断法を提示します。

1.1 混合肌の科学的定義:TゾーンとUゾーンの謎を解く

混合肌とは、その名の通り、顔の上に脂っぽい部分(脂性肌の特徴)と乾燥しがちな部分(乾燥肌の特徴)が混在している肌状態を指します4。この現象を理解する上で、国際的に認知されている米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology, AAD)の定義が有用です。AADは混合肌を、「顔のある場所はオイリーで、他の場所は乾燥している肌」と特徴づけています1。具体的には、皮脂腺が密集している「Tゾーン」(額、鼻、あご)はオイリーになりやすく、皮脂腺が少ない「Uゾーン」(頬、フェイスライン)は乾燥しやすい傾向にあります1。この国際的な定義に、日本のスキンケア概念である「インナードライ」を重ね合わせることで、より深い理解が得られます。インナードライとは、独立した肌タイプではなく、多くの混合肌の根底にあるメカニズムを指す言葉です7。すなわち、皮脂の過剰分泌によって肌の表面は脂っぽく感じられるにもかかわらず、角層内部の水分は不足している状態です4。この状態は、皮脂分泌の不均衡によって引き起こされ、その不均衡は主に遺伝的要因によって決定されますが、ホルモン、ストレス、環境など様々な要因の影響を受けます1

1.2 混合肌の兆候と症状:あなたの肌が送るサイン

自身の肌が混合肌であるかどうかを判断するために、以下に示す包括的なチェックリストを用いて、肌が発しているサインを観察することが重要です。これらの特徴は、複数の専門家や研究機関によって指摘されています。

  • 部位による質感の違い: Tゾーン(額、鼻、あご)は皮脂でベタつき、テカりやすい。ニキビや黒ずみができやすいのもこのエリアです1。Uゾーン(頬、目元、口元)はカサつき、つっぱり感がある。時には皮むけを起こすこともあります1
  • 毛穴の状態: 特に鼻周りを中心としたTゾーンの毛穴が目立ちやすい、または開いていると感じる1
  • メイクアップの持続性: ファンデーションが崩れやすく、特にTゾーンから皮脂でヨレてしまう5
  • 肌の全体的な感触: 肌のキメが荒く、部分的にゴワゴワとした硬さを感じる5
  • 状態の変動性: 季節の変わり目、ストレス、睡眠不足、月経周期などによって肌の状態が不安定になりやすい3

1.3 自宅でできる混合肌診断法:専門家が推奨する2つの方法

ターゲットを絞ったケアを始める前に、自身の肌タイプを確実に把握するため、専門家が推奨するシンプルかつ信頼性の高い2つの自己診断法を紹介します。

方法1:観察法(”Watch and Wait” Method)

この方法は、洗顔後の肌の自然な変化を観察することでタイプを判断するものです1

  1. ステップ1:洗顔 刺激の少ない洗顔料で顔を洗い、タオルで優しく押さえるように水分を拭き取ります2
  2. ステップ2:待機 化粧水や乳液などを一切つけずに、30分から60分程度、肌をそのままの状態にします1
  3. ステップ3:観察 鏡で肌の状態を注意深く観察します。Tゾーンに皮脂によるテカリが見られる一方で、頬や口元につっぱり感や乾燥を感じる場合、あなたの肌は混合肌である可能性が非常に高いと言えます1

方法2:あぶらとり紙法

この方法は、日中の皮脂分泌量を部位ごとに比較する客観的な方法です5

  1. ステップ1:準備 洗顔後数時間経過した日中、またはメイク直し前など、皮脂が気になり始める時間帯に行います。
  2. ステップ2:皮脂の吸着 あぶらとり紙を、Tゾーン(額、鼻)とUゾーン(頬)にそれぞれ数秒間、優しく押し当てます。
  3. ステップ3:比較 使用したあぶらとり紙を比較します。Tゾーンから取れた紙には皮脂がはっきりと付着しているのに対し、頬から取れた紙にはほとんど皮脂が付いていない場合、それは混合肌の典型的な特徴を示しています9

これらの自己診断法は、自身の肌を理解するための強力な出発点となります。しかし、ここで一つの重要な視点を提示する必要があります。それは、自己診断は最終目的地ではなく、あくまでも旅の始まりに過ぎないということです。日本の大手化粧品会社である花王が行った研究では、被験者が自己申告した肌質(脂性肌、乾燥肌、混合肌など)と、皮脂から採取したRNA情報に基づく客観的な肌分類との間に、統計的な相関が見られないことが示唆されています10。さらに、脂性敏感肌に関する別の学術研究では、経皮水分蒸散量(TEWL)やpH、皮脂量といった生物物理学的パラメータを客観的に測定しなければ、バリア敏感型や神経敏感型といった肌のサブタイプを正確に分類することは困難であると結論づけられています11。これは、私たちが主観的に「混合肌」と感じている状態と、皮膚内部で起きている客観的な生理現象との間には、必ずしも一致しないギャップが存在することを示唆しています。この事実は、スキンケアに対するアプローチを根本から変えるものです。一度「混合肌」というラベルを貼って終わりにするのではなく、これらの診断法を、自身の肌の動的な状態を継続的に「モニタリング」するためのツールとして活用することが求められます。季節、ストレス、ホルモン周期、そして試したスキンケア製品によって、肌がどのように変化するのか。その微細なサインを読み解く能力こそが、真に洗練されたスキンケア実践者(スキンケア・サヴァント)に不可欠なスキルなのです。このレポートは、そのための知識と視点を提供します。

第2部:混合肌の根本原因 – なぜ「混合」するのか?

混合肌の表面的な症状、すなわちTゾーンのテカリとUゾーンのカサつきを理解した上で、次になぜこのような状態が生まれるのか、その根本原因を深く掘り下げていきます。このセクションでは、皮膚生理学的な観点から、混合肌の核心にあるメカニズムを解き明かし、それを引き起こす様々な内的・外的要因を探求します。

2.1 皮膚生理学の視点:バリア機能の低下と「インナードライ」

混合肌の最も根本的な原因は、皮膚の「バリア機能の低下」にあります。バリア機能とは、肌の最も外側にある角層が担う、体内の水分の蒸散を防ぎ、外部からの刺激物(紫外線、アレルゲン、細菌など)の侵入をブロックする重要な役割です5。このバリア機能が何らかの理由で損なわれると、悪循環が始まります。

  • 水分の蒸散: バリアが弱まると、肌内部の水分が容易に外部へ逃げ出してしまいます。この現象は「経皮水分蒸散量(Transepidermal Water Loss, TEWL)」の増加として科学的に測定されます11。その結果、肌の内部、特に角層が水分不足の状態、すなわち「インナードライ」に陥ります。
  • 皮脂の過剰分泌: 肌は、これ以上の水分喪失を防ごうとする自己防衛メカニズムを発動します。その最も手軽な手段が、皮脂腺に指令を出し、皮脂という「油分」で肌表面をコーティングすることです。これにより、水分の蒸発を抑制しようと試みます2
  • 混合肌の完成: この一連のプロセスが、Tゾーンのように皮脂腺が活発な部位で特に顕著に起こる結果、肌の内部は乾燥しているにもかかわらず、表面は過剰な皮脂でテカるという、矛盾した「混合肌」の状態が完成するのです。

この「インナードライ」という概念は、単なる美容用語ではなく、脂性敏感肌を対象とした学術研究で用いられる客観的な指標、例えばTEWLの上昇やpHの異常といった、バリア機能の損傷を示すデータによって裏付けられています11。つまり、混合肌のケアとは、この崩れたバリア機能をいかに修復し、インナードライを解消するかにかかっているのです。

2.2 内的・外的要因の探求:あなたの肌を形成するもの

では、なぜ皮膚のバリア機能は低下するのでしょうか。その引き金となる要因は多岐にわたり、内的要因と外的要因に大別されます。

  • 遺伝 (Genetics): 肌質を決定する最も基本的な要素です。毛穴の大きさや皮脂腺の数・活発さは、遺伝によって大きく左右されます。両親が混合肌であれば、自身も同様の肌質を持つ可能性が高くなります1
  • ホルモン変動 (Hormonal Fluctuations): 皮脂の分泌量は、ホルモンバランスに大きく影響されます。思春期、月経周期、妊娠、更年期など、ライフステージの変化に伴って肌質が変動するのはこのためです1
  • 間違ったスキンケア (Incorrect Skincare): 良かれと思って行っているケアが、逆にバリア機能を破壊しているケースは少なくありません。洗浄力の強すぎる洗顔料で皮脂を根こそぎ奪ったり、過度な角質ケアを行ったりすることは、バリアを直接的に傷つけます。また、「Tゾーンがベタつくから」と保湿を怠ることは、インナードライを悪化させ、さらなる皮脂分泌を招くという逆効果を生みます2
  • 環境要因 (Environmental Factors): 私たちが生活する環境も、肌に大きな影響を与えます。冬の乾燥した空気や、夏場の冷房が効いた室内は肌の水分を奪い、インナードライを助長します。一方で、夏の高温多湿な気候は皮脂分泌を活発化させます2。また、紫外線はバリア機能を直接的に損傷させる最大の外的要因の一つです5
  • 生活習慣とストレス (Lifestyle and Stress): 精神的なストレス、睡眠不足、栄養バランスの偏った食事(ジャンクフードなど)は、自律神経やホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバーを阻害します。これによりバリア機能が低下し、結果として皮脂の過剰分泌が引き起こされることがあります1

2.3【深掘り】皮膚マイクロバイオームとの関係:肌の常在菌が鍵を握る

近年、皮膚科学において注目されているのが「皮膚マイクロバイオーム(皮膚常在菌叢)」の役割です。私たちの肌表面には、多種多様な微生物が一個の生態系を形成して生息しており、このマイクロバイオームのバランスが、バリア機能の維持や外部からの病原菌の侵入を防ぐ上で極めて重要であることがわかってきました2。このマイクロバイオームの健康は、肌表面のpHと密接に関連しています。健康な肌はpH4.5〜5.5の弱酸性に保たれており、この環境が多様な善玉菌の生育に適しているのです14。しかし、アルカリ性の強い石鹸などで洗顔すると、このpHバランスが一時的に崩れ、マイクロバイオームの多様性が損なわれる可能性があります。これによりバリア機能が弱まり、肌トラブルが起きやすくなります。ある研究では、適切な洗顔と保湿を毎日続けることで、皮膚マイクロバイオームの多様性が向上し、肌の健康状態が改善することが示されています15。混合肌の顔の上では、TゾーンとUゾーンで皮脂量やpHが異なるため、部位ごとにマイクロバイオームの構成も異なっていると推測されます。この局所的なバランスの乱れが、TゾーンのニキビやUゾーンの敏感さといった、混合肌特有の悩みをさらに悪化させている可能性があるのです。これらの知見を統合すると、混合肌は単一の静的な「肌タイプ」ではなく、全身的および局所的な「調節不全の症状」であるという、より高度な理解に至ります。その根本には、遺伝的素因をベースに、生活習慣や環境要因によって引き起こされるバリア機能の低下があります。そして、その結果として生じるインナードライ、皮脂の過剰分泌、さらには局所的なマイクロバイオームの乱れが、複雑に絡み合って「混合肌」という状態を形成しているのです。この理解は、なぜ画一的なスキンケアが混合肌に通用しないのかを説明します。ある人の混合肌は、バリア機能の損傷が主で乾燥や皮むけが目立つ「バリア敏感型」かもしれません。また別の人の混合肌は、炎症反応が強くTゾーンの赤みやニキビが頻発する「炎症敏感型」かもしれません。この視点は、スキンケアを単なる「肌タイプ」への対応から、個々の「肌の状態」を診断し、それに適応させるという、より臨床的なアプローチへと昇華させます。最も効果的な管理戦略は、自身がどのタイプの調節不全に陥っているのかを見極め、それに合わせた柔軟な対応をとることなのです。

第3部:混合肌のためのスキンケア戦略 – 科学的根拠に基づく実践ガイド

混合肌の根本原因がバリア機能の低下とそれに伴う調節不全にあることを理解した上で、このセクションでは、その科学的知見を具体的かつ実践的なスキンケア・ルーティンに落とし込みます。ここでは、米国皮膚科学会(AAD)のガイドラインと、日本の皮膚科専門医が提唱する繊細なテクニックを融合させ、混合肌を最適な状態に導くための戦略をステップ・バイ・ステップで解説します。

3.1 スキンケアの黄金律:皮膚科医が教える3つの基本ルール

スキンケア製品の効果を最大限に引き出すためには、何を塗るかだけでなく、「どのように塗るか」が極めて重要です。日本の皮膚科専門医である小林智子医師が提唱する以下の3つの基本ルールは、特に部位によってニーズが異なる混合肌にとって、羅針盤となる指針です14

  1. ルール1:水っぽいものから油っぽいものへ (Apply products from watery to oily)
    これはスキンケアの最も基本的な原則です。化粧水のような水分ベースの保湿成分を先に肌に浸透させ、その後に乳液やクリームのような油分ベースの成分で蓋をすることで、水分の蒸発を防ぎ、保湿効果を最大化します。混合肌の根本原因である「インナードライ」に対処するための、まさに土台となるルールです。
  2. ルール2:pHが低いものから高いものへ (Apply products from low pH to high pH)
    健康な肌表面が弱酸性であるという生理学的事実に基づいた、より高度なルールです。肌本来の酸性膜(アシッドマントル)を尊重し、ビタミンC(アスコルビン酸)のような低pHで浸透が高まる有効成分の効果を最適化します。
  3. ルール3:広い範囲から部分使いへ (Apply products from widest area to smallest area)
    顔全体に使用するアイテム(例:保湿化粧水)を最初に塗り、その後、特定のエリアにのみ使用するターゲット製品(例:乾燥が気になる頬に塗る濃厚なクリーム、ニキビに塗るスポットトリートメント)を最後に使用します。このルールは、顔全体で均一なケアを目指しつつ、部位ごとの特別なニーズに対応する必要がある混合肌にとって、特に重要な意味を持ちます14

3.2 ステップ別・最適ケア:クレンジングから紫外線対策まで

これらの黄金律を基に、混合肌のための理想的な朝と夜のスキンケア・ルーティンを構築します。各ステップには、その目的と科学的根拠、そして混合肌特有の工夫点を明記します。

ステップ1:クレンジング・洗顔 (Cleansing)

  • 原則: 優しく、しかし確実に。目的は、過剰な皮脂や汚れ、古い角質を取り除きつつ、肌の自然な保湿バリアを剥ぎ取らないことです5
  • 製品選定: 刺激の少ない、アルコールフリー、非研磨性で、弱酸性の洗顔料が推奨されます14。泡で出てくるタイプか、よく泡立つものが理想的です。
  • テクニック: 洗顔料を手のひらで豊かに泡立て、その弾力のある泡を肌の上で転がすように洗います。指が直接肌に触れてゴシゴシ擦ることは、摩擦によるバリア機能の損傷を招くため、絶対に避けるべきです5
  • 混合肌ハック: 泡をまず皮脂の多いTゾーンにのせ、優しく馴染ませます。その後、乾燥しやすいUゾーンはさっと洗う程度に留めることで、洗いすぎによる乾燥を防ぎます。この「時間差洗顔」は、多くの日本の専門家が推奨するテクニックです18
  • 夜のケア: メイクや日焼け止めを使用した日は、ダブル洗顔を検討します。まずオイルベースのクレンジングで油性の汚れを溶かし出し、その後、水分ベースのフォーム洗顔料で洗い流すことで、毛穴の奥まで清潔に保つことができます1
  • 頻度: 日本皮膚科学会がニキビケアで推奨するように、またAADが一般的なスキンケアで推奨するように、朝晩の1日2回、そして激しく汗をかいた後に行うのが基本です15

ステップ2:化粧水 (Toning / Essence)

  • 原則: 即時的な水分補給とpH調整。このステップが「インナードライ」との戦いの最前線です。
  • テクニック: 洗顔後、タオルで優しく水分を押さえたら、間髪入れずに保湿成分豊富な化粧水を塗布します5。Tゾーンが脂っぽいからといってこのステップを省略してはいけません。肌が求めているのは油分ではなく水分であり、ここで十分な水分を与えなければ、肌は再び皮脂を過剰に分泌し始めます5
  • 混合肌ハック: まず顔全体に適量をなじませた後、特に乾燥が気になる頬や目元、口元には、もう一度化粧水を重ね付け(レイヤリング)することで、局所的な水分不足を解消します5

ステップ3:美容液 (Serums / Treatments)

  • 原則: 濃縮された有効成分を肌に届け、特定の悩みに集中的にアプローチします。
  • テクニック: 「水っぽいものから油っぽいものへ」「低pHから高pHへ」という黄金律に従い、美容液を重ねます14。例えば、低pHのビタミンC美容液を最初に、その次にヒアルロン酸美容液、という順番になります。
  • 混合肌ハック: 必要であれば、Tゾーンには皮脂コントロール系の美容液、Uゾーンには高保湿の美容液と、部位によって使い分けるのも有効な戦略です。あるいは、保湿と皮脂コントロールの両方の効果を併せ持つナイアシンアミドのような多機能成分が配合された美容液を一つ選ぶのも賢明です。

ステップ4:保湿 (Moisturizing)

  • 原則: これまでのステップで与えた水分を閉じ込め、バリア機能をサポートします。このステップは、混合肌を含むすべての肌タイプにとって、妥協の許されない必須項目です15
  • 製品選定: 毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニック」処方で、オイルフリーの軽量な保湿剤が理想的です1
  • 混合肌ハック: ここでのカスタマイズが、混合肌ケアの成否を分けます。Tゾーンには保湿剤を薄く一層塗り、乾燥するUゾーンにはやや多めに、あるいは重ねて塗布します。テクスチャーの異なる製品を使い分けるのも非常に効果的です。例えば、Tゾーンにはさっぱりとしたジェルクリームや乳液(エマルジョン)を、Uゾーンにはより保湿力の高いクリームを使用するなど、肌の状態に合わせて柔軟に対応します5

ステップ5:紫外線対策 (Sun Protection – 朝のみ)

  • 原則: 皮膚の損傷、老化、そしてバリア機能の悪化を防ぐための、最も重要なステップです。
  • テクニック: 毎朝のスキンケアの最終段階として、SPF 30以上で広域スペクトル(ブロードスペクトラム)対応の日焼け止めを必ず塗布します1
  • 混合肌ハック: Tゾーンのテカリや毛穴詰まりを避けるため、オイルフリーやジェルベースの、軽いつけ心地の製品を選びましょう6

ここで強調すべきは、スキンケアにおいては「何を」使うかと同じくらい、「どのように」使うかが重要であるという事実です。多くのスキンケアアドバイスが製品や成分に焦点を当てる中、日本の専門家たちは塗布の順番14、洗顔の技術5、そして塗布量の部位別調整5といった「方法論」を非常に重視しています。AADのガイドラインも、指先を使う、ぬるま湯で洗うといった具体的なテクニックを明記しています15。これは、方法論がスキンケア効果を左右する決定的な変数であることを示しています。特に、顔の上で正反対のニーズが同居する混合肌にとって、この方法論の重要性は計り知れません。優れた製品であっても、誤った使い方をすればその効果は半減し、場合によっては乾燥部分をさらに乾燥させるなどの害をもたらすことさえあります。したがって、本稿ではこれらのテクニックを単なる補足情報としてではなく、治療プロトコルの不可欠な一部として位置づけ、その実践的な価値を最大限に引き出します。

第4部:成分別・徹底分析 – 混合肌の救世主となる有効成分

このセクションは、本レポートの科学的な核心部分です。ここでは、混合肌が抱える特有の課題(バリア機能の低下、水分不足、皮脂過剰、毛穴の目立ち)に対して、どの有効成分が、どのような科学的根拠に基づいて効果を発揮するのかを、臨床試験データを基に徹底的に分析します。

4.1 保湿とバリア機能強化の主役たち

混合肌ケアの根幹は、崩れたバリア機能を再建し、肌内部の水分を保持する能力を取り戻すことです。そのために不可欠な成分群を以下に示します。

4.1.1 セラミド (Ceramides): バリアの構成要素

  • 機能: セラミドは、角層の細胞間を埋める脂質(細胞間脂質)の主成分であり、水分を挟み込んで保持し、外部刺激から肌を守るバリア機能の根幹を担っています22。混合肌で観察されるバリア機能の低下は、このセラミドの不足が一因と考えられます。
  • 臨床的エビデンス: セラミドの有効性を裏付ける強力なエビデンスとして、尋常性痤瘡(ニキビ)患者を対象とした8週間のランダム化比較試験(RCT)が挙げられます。この試験は、顔の片側にセラミドとナイアシンアミドを含む保湿剤(CCM)を、もう片側に親水クリーム(対照)を塗布する、二重盲検・スプリットフェイス法で実施されました25
    • 主要な結果: 8週間後、CCMを塗布した側は、対照側に比べて、非炎症性・炎症性・総てのニキビ病変において統計的に有意な改善を示しました。
    • 示唆されるメカニズム: この結果は、セラミドが肌のバリア機能を強化することで、外用ニキビ治療薬(過酸化ベンゾイルやアダパレン)による刺激を緩和し、治療への忍容性を高め、最終的により良い治療結果につながることを示しています。これは、しばしば敏感に傾きがちな混合肌にとっても直接的に応用可能な知見です。
  • 補足的エビデンス: 疑似セラミドを含む保湿剤が、角層のセラミドレベルを増加させ、バリア機能を改善することが別の研究でも示されています24

4.1.2 ナイアシンアミド (Niacinamide): 多機能な調整役

  • 機能: ビタミンB3の一種であるナイアシンアミドは、その多機能性から「万能選手」とも呼ばれる成分です。皮膚バリアを強化する作用、炎症を抑える作用、そして皮脂分泌を正常化する作用を併せ持ちます26
  • 臨床的エビデンス(皮脂コントロール): 日本人と白人を対象とした臨床試験では、2%のナイアシンアミド外用剤が、日本人においては皮脂排出率(SER)を、白人においてはカジュアルな皮脂レベル(CSL)を有意に低下させることが示されました28。別のスプリットフェイス試験では、5%のナイアシンアミドクリームが、2.5%過酸化ベンゾイル単独の基剤クリームと比較して、皮脂レベルをより速く、より有意に減少させました29
  • 臨床的エビデンス(バリア機能とニキビ): 前述のセラミドとの併用試験25においても、ナイアシンアミドの抗炎症作用が、炎症性ニキビの有意な減少に貢献したと考えられます。ナイアシンアミド、ポストバイオティクス、ペプチドを含む美容液のパイロットスタディでは、肌の水分量が有意に増加し、紅斑(赤み)が減少したと報告されています30
  • 知見の統合: ナイアシンアミドは、混合肌が抱える中心的なパラドックス、すなわち「水分不足」と「皮脂過剰」に同時にアプローチできるため、極めて価値の高い成分です。バリアを強化して水分保持能力を高める27と同時に、過剰な皮脂を抑制する28。この二重の作用が、肌のバランスを回復させる上で強力な武器となります。

4.1.3 ヒアルロン酸 (Hyaluronic Acid): 水分を引き寄せる磁石

  • 機能: ヒアルロン酸は、自身の重量の1,000倍以上の水分を保持できる強力な保湿成分(ヒューメクタント)です。肌に軽量ながらも強力な水分補給をもたらします22
  • 混合肌への適合性: その軽やかなテクスチャー、非油性、そして毛穴を詰まらせない(ノンコメドジェニック)性質は、Tゾーンの重さやベタつきを嫌う混合肌に理想的です33。混合肌の根本原因である「インナードライ」状態に直接的に働きかけ、肌を内側から潤いで満たします。
  • 先進的な処方: 近年のヒアルロン酸製品は進化を遂げており、肌の異なる層に浸透するよう分子サイズの異なる複数のヒアルロン酸を配合したもの33や、ヒアルロン酸で水分を引き寄せ、セラミドでその水分を閉じ込めるという相乗効果を狙った処方35などが登場し、バリアサポート効果をさらに高めています。
  • 臨床的エビデンス: 混合肌に特化したRCTは本調査資料には含まれていませんが、ヒアルロン酸が肌の水分量、弾力性、シワの改善に有効であることは、数多くの臨床研究によって証明されており13、これらは全ての肌タイプにおける健康の基盤となります。

4.2 皮脂・毛穴・ニキビに挑む成分群

バリア機能を整え、水分バランスを改善した上で、次にTゾーンに現れやすい皮脂、毛穴、ニキビといった具体的な悩みに対応する成分を見ていきましょう。

4.2.1 サリチル酸 (Salicylic Acid – BHA/LHA): 毛穴の浄化剤

  • 機能: β-ヒドロキシ酸(BHA)であるサリチル酸は脂溶性(油に溶けやすい)というユニークな性質を持ちます。これにより、皮脂で満たされた毛穴の奥深くまで浸透し、詰まった皮脂や古い角質を溶かし出すことができます。このため、黒ずみや白ニキビ(コメド)の改善に非常に効果的です37
  • 臨床的エビデンス: サリチル酸とリポヒドロキシ酸(LHA)を含む美容液のランダム化比較試験では、その有効性が明確に示されています39
    • 主要な結果: 8週間の使用後、この美容液は皮脂分泌、肌の水分量、コメド(開放・閉鎖)、そしてニキビ後の赤み(PIE)や色素沈着(PIH)を有意に改善しました。
    • 示唆: この結果は、適切に処方されたBHA製品が、単に角質を剥がすだけでなく、皮脂と水分の両方を改善し、肌機能を正常化に導くことを示しています。
  • LHA (カプリロイルサリチル酸): サリチル酸の誘導体であるLHAは、より穏やかに作用し、刺激が少ないため、敏感に傾きがちな肌にも使いやすい角質ケア成分として注目されています40

4.2.2 ビタミンC誘導体 (Vitamin C Derivatives): 明るさをもたらす抗酸化物質

  • 機能: 美白効果、強力な抗酸化作用によるダメージからの保護、そしてコラーゲン生成促進によるハリ・弾力の維持など、多岐にわたる効果が期待される成分です22
  • 混合肌への応用: 脂溶性のビタミンCに比べてベタつきが少ない水溶性のビタミンC誘導体は、混合肌や脂性肌にとって使いやすい選択肢とされています14

4.2.3 グリシルグリシン (Glycylglycine): 毛穴の引き締め役

  • 機能: このジペプチドは、特に「毛穴の開き」に特化してアプローチする成分です。
  • エビデンス: 資生堂の研究により、皮脂に含まれる不飽和脂肪酸が毛穴周辺の角化異常(不全角化)を引き起こし、それが毛穴のすり鉢状の開きの原因であることが突き止められました。グリシルグリシンは、この不全角化を抑制する作用を持つことが発見されています41。実際に行われた試験では、グリシルグリシン配合の製剤を連用することで、毛穴の面積が約14%有意に縮小し、同時に角層水分量も向上したことが報告されています42。これは、混合肌の主要な悩みの一つである毛穴の問題に対し、的確なメカニズムでアプローチできることを示しています43
有効成分の科学的根拠まとめ
有効成分 主な機能 エビデンスの種類 主要な定量的結果 出典
ナイアシンアミド 皮脂調整、バリア機能サポート、抗炎症 RCT, Split-Face, Double-Blind 2%製剤で皮脂排出率(SER)を有意に低下(2-4週後)。5%製剤で皮脂レベルを有意に低下(対照群より速い)。 28, 29
セラミド バリア機能の構築・修復、水分保持 RCT, Split-Face, Double-Blind ニキビ治療薬との併用で、総ニキビ病変を有意に改善(対照群比)。 25
サリチル酸 (BHA/LHA) 角質溶解、毛穴浄化、皮脂調整 Randomized Controlled Trial (RCT) 皮脂分泌、コメド、PIE/PIHを有意に改善(8週後)。 39
ヒアルロン酸 強力な水分補給(ヒューメクタント) Clinical Trial 肌の水分量、弾力性を改善し、シワを減少させることが多数報告されている。 13
グリシルグリシン 毛穴の収縮(不全角化の正常化) Clinical Study 毛穴の面積を約14%有意に縮小。角層水分量も改善。 42

この表は、マーケティング上の謳い文句ではなく、科学的な厳密さに基づいて成分を選択するための羅針盤となります。「スキンケア・サヴァント」が求める「なぜ効くのか」という問いに対し、定量的データをもって答えるものであり、一般的な消費者向け記事とは一線を画す価値を提供します。

第5部:応用編 – 悩み・状況別アドバンストケア

混合肌の基本的な管理戦略と主要成分を理解した上で、このセクションでは、より動的で複雑な状況に対応するための応用的なアプローチを探求します。混合肌は静的な「タイプ」ではなく、内的・外的要因によって常に変動する「状態」です。ここでは、特定の悩みや状況に合わせた、より高度でテーラーメイドなケア戦略を提示します。

5.1 「ストレス混合肌」への処方箋

  • 概念: 混合肌の中でも、特にストレス、疲労、不規則な生活習慣によってその症状が悪化するサブタイプが存在します。これは「ストレス混合肌」と呼ぶことができます8
  • 特徴: このタイプの肌は、寝不足やストレスが多い、生理前に肌トラブルが顕著になるなどの特徴があります8
  • メカニズム: ストレスはホルモンバランスを乱し、皮膚のバリア機能を直接的に弱めることが知られています。その結果、乾燥、それに対する代償的な皮脂分泌、くすみ、毛穴の目立ちといった、あらゆる肌悩みが同時多発的に発生します8
  • 処方箋: このタイプの肌を管理するためには、局所的なスキンケアだけでは不十分です。むしろ、この肌の最大の「強み」は、生活習慣の改善に対して劇的に良い反応を示す点にあります8
    • 外用ケア (Topical Care): スキンケアは、さらなる刺激を避けるため、シンプルかつ一貫性のあるものに徹するべきです。セラミドやナイアシンアミドのような、バリア機能を修復し、炎症を鎮める成分を中心に据えた、穏やかなルーティンを心がけます。
    • 生活習慣 (Lifestyle Care): こちらが本丸です。ストレス管理(瞑想、趣味の時間など)、質の高い睡眠の確保、そして栄養バランスの取れた食事は、スキンケア製品以上に効果的な「治療薬」となり得ます。これは、スキンケアと全身の健康を結びつける「インナーケア」という最新のトレンドとも一致しています44

5.2 季節変動への対応

混合肌は、周囲の環境、特に季節の変化に非常に敏感です。したがって、スキンケア・ルーティンは固定的なものではなく、季節に合わせて柔軟に調整する必要があります2

夏 (Summer)

高温多湿な気候は、皮脂腺の活動を活発化させ、Tゾーンのテカリや毛穴の詰まりを悪化させます2

  • 調整: 保湿剤をより軽量なジェルベースやオイルフリーの乳液に切り替え1、Tゾーンにはサリチル酸(BHA)配合製品の使用を検討し、べたつかない日焼け止めを徹底します3

冬 (Winter)

乾燥した外気と暖房による室内の低湿度は、肌から水分を奪い、Uゾーンの乾燥やカサつきを深刻化させます2

  • 調整: より保湿力の高いクリームベースの保湿剤に切り替えるか、乾燥する頬には重ね付けします1。刺激の強い角質ケアは控え、ヒアルロン酸やセラミドを含む美容液で集中保湿を行います22

5.3 年齢と混合肌

混合肌の特性は、年齢と共に変化します。ホルモンバランスや肌の生理機能の変化に伴い、スキンケアの焦点もシフトさせる必要があります12

  • 思春期〜20代半ば (発達期): ホルモンの影響で皮脂分泌が最も活発。過剰な皮脂とニキビの管理が中心となります。ノンコメドジェニックの軽量な保湿剤とサリチル酸などが有効です12
  • 20代後半〜30代半ば (成熟期): 「インナードライ」が最も顕著になる時期。バリア機能をサポートし、水分と油分のバランスを整えることが最優先です。セラミド、ナイアシンアミド、ヒアルロン酸が鍵となります12
  • 40代・50代以降 (更年期以降): 女性ホルモンの減少で全体的に乾燥肌へ移行。保湿の重要性がさらに高まり、リッチな保湿剤やエイジングケア成分(レチノールなど)の導入を検討します12

このように、混合肌の管理とは、一度確立したルーティンに固執することではなく、自身の内的状態(ストレス、年齢)と外的環境(季節)の変化を敏感に察知し、それに応じてケアを微調整していく、動的で知的なプロセスなのです。

第6部:市場とトレンド – 賢い製品選びのために

これまでのセクションで得た科学的知識を、現実の化粧品市場という文脈の中に位置づけることで、消費者は氾濫する情報の中から賢明な製品選択を行うことが可能になります。この最終部では、信頼できる専門家やブランドを紹介し、最新の市場トレンドを分析、そして日本の肌に関する大規模データを読み解くことで、より高度な視点を提供します。

6.1 日本および世界の著名な専門家とブランド

混合肌に関する信頼性の高い情報を得るためには、その分野の権威ある専門家の知見を参考にすることが有効です。

  • 日本の専門家: 日本の美容メディアでは、皮膚科専門医による科学的根拠に基づいたアドバイスが重視されています。特に、慶田朋子医師45、友利新医師46、三宅真紀医師といった専門家は、混合肌や関連する肌悩みについて頻繁に情報発信を行っており、その見解は非常に参考になります18
  • 世界の専門家: グローバルな視点では、ゼイン・オバジ医師のような世界的に著名な皮膚科医が開発したスキンケアブランド(例:ZO SKIN HEALTH)が、医療機関を中心に高い評価を得ています47
  • 推奨ブランド: 本稿で分析した情報源の中で、混合肌や関連する悩み(ニキビ、敏感肌)に対して推奨されているブランドは、価格帯や販売チャネルによって分類できます。
    • ドラッグストア・手頃な価格帯: ミノン (Minon)、カルテHD (Carte HD)、エリクシール (Elixir) など、敏感肌への配慮や保湿技術に定評のあるブランドが挙げられます18
    • デパート・医療機関専売品: イプサ (IPSA)、SK-II、オバジ (Obagi)、セラヴィ (CeraVe)、ラ ロッシュ ポゼ (La Roche-Posay) など、先進的な皮膚科学研究や特定の有効成分に強みを持つブランドが推奨されています1

これらの専門家やブランドは、製品を選ぶ際の信頼できる出発点となります。

6.2 2024-2025年スキンケア市場トレンド予測

スキンケア市場の動向を理解することは、将来の製品開発の方向性を予測し、より効果的な選択を行う上で役立ちます。混合肌を持つ「スキンケア・サヴァント」にとって特に重要なトレンドは以下の通りです。

  • クリーンビューティーと成分の透明性: 消費者は、製品に「何が含まれているか」、そして「何が含まれていないか」を厳しく吟味するようになっています。パラベンなどを避ける傾向は、成分重視のアプローチと一致します20
  • パーソナライゼーション: AIやテクノロジーを活用し、個人の肌状態や遺伝的要因に合わせてスキンケアを最適化する動きが加速しています44
  • スキンケアとウェルネスの融合: 肌の健康は、食事、睡眠、ストレス管理といった全身の健康状態と密接に関連しているという認識が広まっています。「インナーケア」の重要性は、特にストレス混合肌の管理において不可欠です44
  • 「過酷環境」コスメ: 極度の乾燥や猛暑といった厳しい環境下での肌を守るために設計された製品への注目が高まっています。これは、季節変動に大きく影響される混合肌の管理に直接的に関連するトレンドです49

6.3 データから見る日本の肌事情

個人の肌悩みを、より大きなマクロの視点から捉えることで、新たな洞察が得られます。日本の大手化粧品会社が保有する大規模データは、そのための貴重な情報源です。

  • 自己申告データ: 各種の調査において、混合肌は日本女性が自覚する肌タイプとして非常に一般的です。関連して、若い世代の女性の約23%〜30%が「敏感肌」を自覚しており、これもバリア機能の低下という共通の課題を示唆しています50
  • 客観的データと診断の未来: ここで、本レポートの核心的な視点の一つが浮かび上がります。資生堂(約380万件の肌測定データ)や花王といった企業は、もはや個人の主観的な自己申告だけに頼っていません10。特に花王の研究は画期的です。皮脂からRNAを採取・解析し、遺伝子発現レベルで肌を「免疫応答」タイプと「バリア機能」タイプに分類する技術を開発しました。驚くべきことに、この客観的な分類は、本人が申告する肌タイプや年齢とは無関係であることが示唆されています10。同様に、資生堂はAI技術と1,472人分の詳細な肌データ、そしてDNA(一塩基多型、SNP)情報を組み合わせ、個人の先天的・後天的な肌の特徴を高精度に評価するアルゴリズムを構築しています52

これらの動向が示す未来は明確です。それは、皮膚科医レベルの肌分析の「民主化」です。これまで、詳細な肌分析は専門の医療機関や研究室の専売特許でした。消費者は、主観的な自己評価や簡単な店頭カウンセリングに頼るしかありませんでした。しかし今、AI、ビッグデータ、そしてRNAやDNAといったバイオマーカー解析技術の進歩により、客観的で高度にパーソナライズされた肌評価が、直接消費者の手に届く時代が到来しつつあります10。この潮流は、科学的根拠と精度を求める「スキンケア・サヴァント」の欲求、そして市場全体の「パーソナライゼーション」というトレンド44と完全に合致しています。私たちは、プロフェッショナルな皮膚科学的評価と、日常のコンシューマー向けスキンケアとの境界線が、ますます曖昧になる時代に突入しているのです。本レポートは、その未来への架け橋となることを目指しています。ここに示された科学的リテラシーを身につけることで、読者はこれらの新しい技術を理解し、活用し、単なる受動的な消費者から、自身の肌の健康を能動的に管理する主体へと変貌を遂げることができるでしょう。

よくある質問

混合肌は根本的に「治す」ことができますか?
混合肌は遺伝的要因が大きいため、肌質そのものを完全に「治す」ことは難しいとされています1。しかし、本稿で解説した科学的根拠に基づくスキンケア戦略を実践することで、肌のバリア機能を正常化し、水分と油分のバランスを整え、テカリや乾燥といった症状を大幅に改善し、健やかで安定した「調和」のとれた状態を維持することは十分に可能です。目標は「治療」ではなく、賢明な「管理」です。
Tゾーンだけに角質ケア製品を使っても良いですか?
はい、それは混合肌にとって非常に有効な戦略です。本稿で紹介した「広い範囲から部分使いへ」というルール14に基づき、顔全体には優しい保湿ケアを行い、その後、皮脂や毛穴詰まりが気になるTゾーンにのみ、サリチル酸(BHA)などの角質ケア成分をターゲット的に使用することが推奨されます。これにより、Uゾーンの乾燥を悪化させることなく、Tゾーンの悩みに的確にアプローチできます。
「ノンコメドジェニック」と書かれた製品なら、混合肌でも安全ですか?
「ノンコメドジェニックテスト済み」という表示は、製品がニキビの元(コメド)を誘発しにくいことをテストで確認したことを意味し、混合肌やニキビができやすい肌にとって重要な選択基準の一つです1。しかし、これが全ての人にニキビができないことを保証するものではありません。最終的には、ご自身の肌で試してみて、刺激やトラブルが起きないかを確認することが最も重要です。

結論

本レポートは、混合肌という複雑な肌状態を、「A to Z」すなわち、その定義から最新の科学的知見に至るまで、包括的に解き明かすことを目的としてきました。その過程で提示されたのは、従来のスキンケアの常識を覆す、いくつかの重要なパラダイムシフトです。第一に、混合肌との戦いは、皮脂と乾燥という二正面作戦ではない、ということです。根本的な戦略は、ただ一つ。バリア機能の低下という単一の根本原因に焦点を当て、徹底した水分補給とバリア修復を通じて、肌本来のバランスを取り戻すことです。Tゾーンの皮脂は敵ではなく、内部の乾燥に対する肌からのSOSサインなのです。第二に、スキンケアの成否は、「何を」使うかだけでなく、「どのように」使うかによって大きく左右される、という事実です。水っぽいものから油っぽいものへ、広い範囲から部分使いへといった塗布の順序、摩擦を避ける洗顔技術、そして季節や体調に応じた柔軟な量の調整。これらの「方法論」こそが、優れた成分の効果を最大限に引き出す鍵となります。そして第三に、私たちは、肌を静的な「タイプ」として分類する時代から、動的な「状態」として理解し、客観的なデータに基づいて管理する時代へと移行しつつあります。AIや遺伝子解析技術の進化は、スキンケアを「パーソナライズ」の新たな次元へと導いています。最終的に、混合肌の「完全攻略」とは、特定の製品リストを暗記することではありません。それは、自身の肌の生理機能を深く理解し、肌が発する微細な変化を読み解き、科学的根拠に基づいて的確に対応できる「知性」を身につけることです。資生堂がその研究開発理念に掲げる「DYNAMIC HARMONY(ダイナミックハーモニー)」という言葉は、本稿の結論を象徴するのに最もふさわしいでしょう52。混合肌は「問題のある肌タイプ」ではなく、内的・外的環境の変化にダイナミックに反応する「肌の状態」です。本ガイドで提示された知識とツールを駆使することで、その揺らぎを抑え込み、戦うのではなく、巧みにマネジメントし、健やかで美しい「調和」のとれた状態へと導くことが可能になるのです。これこそが、真の意味での混合肌との共存であり、究極のゴールと言えるでしょう。

免責事項
この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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  49. ホシケミカルズ株式会社. 2025年ビューティ業界トレンド予測. [インターネット]. [2025年6月23日参照]. Available from: https://www.starlab.co.jp/wordpress/?p=2684
  50. Insipedia. 敏感肌を正しく知ろう!ご自分に最適なお手入れを見つける第一歩【理解度テスト付き】. [インターネット]. [2025年6月23日参照]. Available from: https://insipedia.com/blog/entry/2024/12/12/140836
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  52. 資生堂. 資生堂、皮膚科学研究とAI技術の融合で独自のDNA検査法を開発. [インターネット]. 2023年11月14日. [2025年6月23日参照]. Available from: https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003335
  53. Beauty Reccomend. 美容サロンで肌診断が注目される理由とは?最新の美容トレンドを解説. [インターネット]. [2025年6月23日参照]. Available from: https://beauty-reccomend.be-staff.co.jp/skin_analyzer/skinanalyzer.html
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