溶接光炎とは何か?効果的な治療法を探る
眼の病気

溶接光炎とは何か?効果的な治療法を探る

はじめに

溶接作業に従事する方、あるいは溶接現場を近距離で見ていた方が経験しやすい「溶接光による眼障害(いわゆるアーク眼炎)」は、視力を脅かす可能性のある重要な問題です。金属の溶接時に発生する電弧光には、可視光だけでなく有害な紫外線(UV)や赤外線が含まれ、適切な保護を行わないと角膜の損傷や強い眼の痛み、さらに重症例では失明にまで至るリスクも指摘されています。特に経験の浅い溶接工の方や、防護具をしっかり装着していなかった方に多くみられる一方、長年のベテランであっても一瞬の油断で同様のトラブルに直面するケースがあることが知られています。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

 

本記事では、この溶接光による眼障害(以下「痛みを伴う眼障害」などと総称)について、症状・原因・治療法・予防策といった包括的な内容を整理しながら、最新の研究知見もあわせて詳説します。さらに、多くの方が疑問に思う「なぜ眼が痛くなるのか」「どのように対処すれば速やかに回復できるのか」「予防にはどんな装備が必要か」を中心に、できるだけかみ砕いて解説しています。なお、本記事は一般の方でも理解しやすいよう専門用語は極力わかりやすく示し、かつ医療従事者や溶接業界の方にも役立つようなるべく科学的根拠に基づいた内容を取り入れました。

また、文末には参考文献一覧をまとめています。記事中でも研究の簡単な背景や信頼性を示しつつ解説していますので、興味のある方はぜひ照らし合わせてみてください。本記事はあくまで参考情報であり、実際の症状や治療方針に関しては、必ず医師などの専門家に相談するようお願いいたします。

専門家への相談

溶接光障害は角膜や結膜に紫外線ダメージを引き起こす「紫外線角膜炎(フォトケラティス)」の一種として認知されています。実際に溶接光被曝後に強い眼痛や視力低下が数時間以内に発症した場合は、なるべく早く眼科医などの専門家に相談することが大切です。本記事では、海外を含む複数の公的医療機関や学会、実務現場でのガイドラインを基に作成された情報を整理してお伝えしています。なお、本文中では公開されている国際的な医学文献や日本国内外の学会資料を参照しており、その詳細は「参考文献」に挙げています。必ずしも本記事がすべてのケースに当てはまるとは限らないため、症状がある方は専門医にご相談ください。

溶接光による眼障害とは何か(基本的な理解)

「溶接光による眼障害」は、溶接作業に伴って発生する強力な紫外線(UV)を含む光線や、金属粉塵などによる角膜ダメージが原因となる症状の総称です。英語圏では“arc eye”“welder’s flash”などとも呼ばれますが、日本語では「アーク眼炎」や「溶接光眼炎」と表現されることもあります。この障害は多くの場合、溶接機や切断機などを扱う現場で起こりやすく、特に防護具を着用せずに作業を行った場合にリスクが高くなります。 溶接時の電弧光には、可視光をはるかに超えたエネルギー量の紫外線と赤外線が含まれています。人間の眼は強い光線刺激に対して非常に敏感なので、数秒~数分ほど直視してしまっただけでも角膜が“やけど”状態になり、強烈な痛みを生じます。紫外線は主に角膜上皮を損傷しやすいため、角膜が一時的に剥がれるようなイメージで激しい痛みや視界のぼやけが起こるのです。 さらに、大気中に飛散する金属の粉塵や溶接時の煙(ヒューム)、あるいは酸化物なども眼球表面に付着し、角膜に擦過傷をもたらすリスクがあります。アーク眼炎の発症を繰り返すことで、角膜に瘢痕(はんこん)が残り、視力が低下する可能性も否定できません。こうした状況を防ぐには、溶接作業の安全ガイドラインに沿ったアイシールドや面体の着用が何よりも重要といえるでしょう。 しかし、現実的には溶接作業の合間に面体を外してしまう、あるいは「短時間だから大丈夫だろう」と防護具を省略してしまうケースが後を絶たないのも事実です。一度の失敗ならば数日~1週間ほどで回復することが多いものの、再三にわたって強い紫外線を浴び続けると、慢性的な角膜のトラブルや視力低下を招く懸念も高まります。

溶接光による眼障害の主な症状

溶接光を直視した後、あるいは溶接作業中に防護具を十分に装着していなかった場合、以下のような症状が数時間から半日程度で現れることが多いとされています。 – 強い眼の痛み
角膜がやけど状態になるため、チクチク・ヒリヒリ、または鋭い痛みとして感じられることがあります。痛みは軽度から重度までさまざまで、状況によっては眠れないほどの痛みに悩まされることも珍しくありません。 – 眼の充血・赤み
眼全体が赤くなることが多く、場合によっては結膜炎と似た外観を示すこともあります。 – まぶしさ・光への過敏反応(羞明)
角膜上皮がダメージを受けると光に対して異常に敏感になり、部屋の明かりなどの通常レベルの光でも強いまぶしさを感じやすくなります。 – 涙が止まらない
角膜がダメージを受けると防御反応で涙が分泌され続け、コントロールできないほどの流涙が起こることがあります。 – まぶたの腫れや開きにくさ
炎症や痛みによりまぶたを開けるだけでも辛く、視界が制限されます。瞬きのたびに激痛を伴う場合もあります。 – 視界のぼやけ・かすみ
角膜表面が荒れるため、ものがかすんで見える、焦点が定まらないといった訴えが生じることがあります。 こうした症状は一般的に両目同時に生じるケースが多いとされます。これは溶接作業中の紫外線が左右の眼に同程度に当たることが多いためです。もし一方の眼だけ症状が強い場合は、金属粉塵などが局所的に入った可能性や、過去の角膜損傷の影響など、ほかの要因も考えられます。 なお、溶接光に数分程度しか曝露していない場合でも、その後2~12時間ほどの潜伏期間を経て突然痛みが生じるパターンもあるため注意が必要です。症状の出始めを見逃さないようにし、なるべく早期に対策を講じることが回復を早めるポイントになります。

なぜ溶接光は危険なのか(原因・メカニズム)

溶接作業時には、アーク放電という非常に高温かつ高エネルギーの電気的な放電現象が発生します。この際に出る光線は「可視光」「赤外線」「紫外線」の3種類に大別されますが、とりわけ紫外線が角膜に直接的な損傷をもたらす元凶となります。 – 紫外線(UV)の役割
人間の目は紫外線に弱く、過度の被曝で角膜上皮が焼けるような状態(紫外線角膜炎)を起こします。溶接で出る紫外線は太陽光よりもはるかに強烈である場合があり、数秒の直視でも深刻なダメージを受ける可能性があります。 – 赤外線(IR)の影響
赤外線は主に網膜や水晶体への熱的ダメージにつながることがあり、慢性的なばく露で白内障などのリスクを高める可能性が示唆されています。ただし、紫外線ほど直接的・急性的に角膜を傷つけることは少ないとされます。 – 金属粉塵などの異物
溶接時には金属の飛散物やヒュームが発生するため、これらが角膜に付着すると物理的な擦過傷を起こし、強い痛みや炎症を引き起こすことがあります。 さらに、日本の多くの溶接現場では「作業時間が短いから防護具をしなくても大丈夫」「つい面倒だから外してしまう」といったヒューマンエラーが重なるケースも散見されます。強い紫外線は眼だけではなく、皮膚にも日焼けや炎症を引き起こしますが、眼はより深刻なダメージを負いやすい部位です。 ある研究によれば(2022年にナイジェリアの南西部で行われた横断研究Oyewole BK, Oloruntoba O, Onasoga M. “Occupational ocular hazards among welders in southwestern Nigeria: A cross-sectional study.” Journal of Family Medicine and Primary Care. 2022; 11(3): 914-922. doi:10.4103/jfmpc.jfmpc_1509_21.)、溶接工の約半数以上が「作業中に充分な眼の防護をしなかった経験がある」と回答し、そのうちかなりの割合が角膜症状を経験していたことが報告されています。このように、溶接光障害は国や地域を問わず、依然として重大な職業性リスクであると認識されています。

どのように対処すればよいか(治療・応急処置)

溶接光による眼障害を疑ったときの応急処置と、医療機関での治療法を以下にまとめます。

自宅での対処:基本のケア

  1. 冷やした清潔なタオルやアイパックを当てる
    強い痛みがある場合は、濡れタオルや氷嚢などでまぶた周囲を冷やすと鎮痛効果が得られやすいです。直接氷を当てるのは刺激が強すぎるため、ガーゼやタオルを介して行うのが一般的です。
  2. 人工涙液で眼を洗浄する
    ドラッグストアなどで市販されている「人工涙液」でゴミや粉塵を洗い流すと、角膜の刺激が和らぎ、痛みや異物感を軽減できます。防腐剤なしタイプを選ぶとさらに負担を減らせるとされています。
  3. 強い光を避ける
    カーテンを閉める、室内照明を暗くする、サングラスや遮光メガネをかけるなど、光刺激を避ける配慮が重要です。スマホやパソコンなどの画面を見るのも極力控え、眼を休ませてください。
  4. 安静にして睡眠をとる
    角膜が損傷すると回復のために十分な休養が必要です。できるだけしっかり睡眠をとり、無理に目を使わないようにしましょう。
  5. こすったり触りすぎたりしない
    「ゴロゴロする」「何か入っている感じがする」と感じても、強くこすると角膜のダメージが増す場合があります。洗浄だけで異物が取れない場合は、自分で無理をせず早めに専門家に相談しましょう。

なお、一晩~2日程度で症状が明らかに改善することも多いですが、痛みが収まらなかったり、痛みが強すぎたり、視力の低下など別のトラブルが疑われる場合は受診が必要です。

 

医療機関での治療

激しい痛みが2日以上引かない、あるいは視力低下や目の充血がいっそうひどくなるなどの状況下では、眼科を受診してください。医師の診察では以下のような対応がとられることが一般的です。

 

  • 角膜表面の洗浄と異物除去
    金属粉塵などが角膜に刺さっている場合は、洗浄や器具による除去が行われます。その後、消毒などの処置がされる場合もあります。
  • 点眼薬や内服薬の処方
    感染予防のための抗菌点眼、炎症を抑えるステロイド点眼、痛みを和らげる点眼、角膜の修復を促す保湿点眼などが検討されます。重症例では鎮痛剤(内服薬)を併用することもあります。
  • 保護用コンタクトレンズ
    角膜上皮を保護するため、ソフトコンタクトレンズを装着して痛みを軽減し、上皮の治癒を促す方法がとられる場合があります。
  • 経過観察と再診
    多くのケースで、適切なケアをすれば3~4日ほどで症状が軽快します。ただし、感染症のリスクや角膜に傷跡が残るリスクがあるため、処方に従って経過観察し、医師が指定したタイミングで再診を受けることが大切です。

ちなみに、2021年に台湾の都市部医療センターで行われた10年間の回顧的レビューChang CY, Tsai TH, Sheu SJ. “Spectrum of Ocular Injuries Associated with Welding-Related Occupations: A 10-Year Review of an Urban Medical Center in Taiwan.” Medicina. 2021; 57(3): 235. doi:10.3390/medicina57030235.)では、溶接作業者の急性角膜障害の多くが早期受診と適切な点眼治療で回復していたことが示されています。一方、何度も同じ障害を繰り返した人や、受診が遅れた人の場合、角膜混濁や視力低下が後遺症として残る可能性が指摘されており、早期対処の重要性が改めて裏付けられています。

 

具体的な予防策(再発防止のポイント)

溶接光による眼障害を防ぐには、いくつかの基本的な対策を常に徹底することが不可欠です。労働安全衛生に関するガイドラインや日本国内外の工業基準でも「アイプロテクション」は特に重要な位置づけとなっています。

 

  1. 防護具(溶接用面、アイシールド)の適切な使用

    • 溶接用のフェイスシールドやゴーグル、面体は、JIS規格や国際規格で決められた濃度の遮光フィルターを備えているものを使用してください。
    • 作業時間が短くとも、「ちょっとした溶接だから大丈夫」と油断せず、必ず防護具を着用することが大切です。
    • 定期的に傷や汚れをチェックし、レンズが劣化している場合は交換を検討しましょう。
  2. 作業環境の整備

    • 溶接ブースを設ける、遮光カーテンを使うなど、周囲への光拡散を最小限に抑える工夫が必要です。
    • 扇風機や排気装置でヒュームや金属粉塵を除去し、眼への刺激物質を減らします。
  3. 他の人への配慮

    • 作業者本人だけでなく、近くで作業する別の人や通行人にも紫外線が届く場合があります。周囲への安全柵や遮光用シートを用いるなど、第三者への影響も考慮してください。
  4. 定期的な健康診断・眼科受診

    • 職業性疾病の早期発見を目的に、定期的な健康診断を受けることが推奨されています。
    • 眼に違和感を覚えたら、早めに眼科で検査を受ける習慣を身につけましょう。
  5. 教育・訓練の徹底

    • 新人や若手作業者には必ず防護具着用の必要性とリスクを繰り返し教育することが重要です。
    • 「短時間での溶接でも危険がある」「防護具を正しく着用しないと痛みや視力低下につながる」という具体的な事例を伝えることで安全意識が高まります。

海外の研究(2020年ブラジルでの短期教育介入プログラム研究Barros JdeN, Soares E, Lima L, Brito L, Oliveira V. “Occupational photokeratitis in welders: Effects of a short-term educational intervention program.” Work. 2020;65(1):101-110. doi: 10.3233/WOR-203061.)では、わずか数日の安全教育プログラムを徹底しただけで、作業者の防護具着用率が大幅に向上し、眼障害の発生率も減少したとの報告があります。こうした事例からも、教育・訓練の徹底が強い効果をもたらすと考えられます。

 

職場以外で起こり得るケースと注意点

「溶接光による眼障害」は溶接現場だけの話ではありません。例えば、日常のDIYで金属の切断作業や簡易溶接をする場合、趣味のアート制作などで溶接機を使う場合などにも同じリスクがあります。プロの現場ほど設備が整っていないケースが多く、防護具が不十分だったり、周囲への飛散物を完全には遮断できていなかったりします。

 

また、最近では自動車やバイクのマフラー加工などを個人で行う方が増えていますが、その際にアーク溶接機を安価に購入し、適切な使い方や安全対策を知らないまま作業することも懸念されています。わずかな時間なら眼を背けたり、眩しさを少し我慢して作業できるという考えは非常に危険です。一瞬の失敗で角膜に深刻なダメージを負うことも充分にあり得ます。

同居人や友人、子どもが作業を覗き込んでしまい、二次被害が起こるケースも報告されています。実際に、強烈なアーク光が直射でなくとも斜め方向に視界に入っただけで損傷のリスクがあることを忘れてはなりません。

 

回復と再発予防:長期的な視点

一度溶接光障害を経験した方は、その直後だけでなく定期的に眼の状態を観察し、必要に応じて眼科を受診することが推奨されています。以下では、回復期における留意点や再発予防策、長期的な視点での健康管理について述べます。

 

  • 回復期の視機能チェック
    痛みが治まった後も、しばらくは視力や視野に微妙な変化が残る可能性があります。特に強いダメージがあった場合、角膜の混濁や乱視の一時的な悪化など、日常生活に支障をきたす症状が残るかもしれません。定期的に視力をセルフチェックし、異常を感じたら再度受診すると安心です。
  • ドライアイ対策
    角膜がダメージを受けた後は、涙の分泌が乱れる場合があります。防腐剤フリーの人工涙液や加湿器の使用など、ドライアイ対策を重視することで角膜の健康を保ちやすくなります。
  • 再発リスクを低減する作業習慣の徹底
    作業のたびに必ず防護具をつける、溶接ブースや遮光カーテンを正しく使う、周囲の人に声掛けして安全を確保するなど、再発を防ぐための習慣を職場全体で共有することが大事です。
  • 生活習慣の改善
    喫煙や過度の飲酒は創傷治癒を遅らせる要因になり得ます。またビタミンAやビタミンC、亜鉛など角膜の健康に寄与する栄養素を意識的に摂取することで回復力を高めるという見解もあります。

 

よくある誤解・疑問への補足

本節では、溶接光障害にまつわるよくある疑問や誤解をピックアップし、現時点での知見を示します。なお、ここで取り上げる内容は一般的な傾向であり、個々のケースは必ずしも同様ではありません。

 

  • 「日光に似た紫外線だから、サングラス程度で防げる?」
    一般的なサングラスやUVカット眼鏡では不十分です。溶接で発生する紫外線は強度が段違いに高いため、作業用に特化した遮光面やゴーグルが必要となります。
  • 「短時間なら大丈夫?」
    数秒~1分程度でも紫外線量が非常に強い場合があり、安心はできません。短時間暴露の繰り返しで角膜に慢性的なダメージが蓄積するリスクもあります。
  • 「一度痛くなって回復したから、次は大丈夫?」
    一度ダメージを受けた角膜は、場合によっては回復が不完全なこともあります。再度強い紫外線を浴びると、前回よりも症状が悪化する可能性があります。
  • 「市販の目薬を使えばすぐ治る?」
    軽度の症状なら人工涙液等で緩和するケースもありますが、痛みが激しい場合や視力が落ちる場合は、速やかに受診して医師の指示のもと処方薬を使用するほうが安全です。
  • 「家庭や趣味での溶接でも同じリスクがある?」
    もちろんあります。むしろ趣味レベルでの溶接は設備や環境が不十分な場合が多く、リスクが高いともいえます。必ず正しい防護策をとってください。

 

結論と提言

溶接光による眼障害、いわゆるアーク眼炎は、溶接現場やDIY作業などで誰にでも起こり得る重大な問題です。数秒の不用意な直視や防護具をつけないままの作業が、強い痛みだけでなく、一時的・長期的な視力低下にまでつながるリスクがあります。
本記事では、溶接光障害の概要から症状、原因、応急処置、医療機関での治療、再発防止策まで、総合的な情報を示しました。特に重要なポイントとしては次のとおりです。

 

  • 紫外線による角膜ダメージは急性・重症化しやすい
  • こまめな防護具着用と、短時間であっても油断しない姿勢が基本
  • 痛みが続く場合や視力の変化を感じたら早めに眼科受診
  • 一度障害を起こした後は再発リスクが高まる可能性があるため、厳重な予防策が必要

溶接作業に従事する方だけでなく、家庭でDIYに取り組む方にも知っておいてほしい問題です。眼は「心の窓」「人間の活動にとって不可欠な感覚器官」といわれるほど大切な器官です。強い紫外線は角膜炎だけでなく、水晶体や網膜にも影響を及ぼす場合があるため、決して軽視することなく安全対策を徹底しましょう。

最後に改めて強調しますが、本記事で述べた内容は健康情報の一例であり、すべての個別ケースに当てはまるわけではありません。症状が長引いたり、視力や痛みの度合いに不安を感じたりする際は必ず医師などの専門家に相談し、適切な検査と治療を受けてください。

 

推奨されるセルフケアと医師への相談

以下に、本記事で述べた内容を踏まえたセルフケアと医師への相談に関する要点をまとめます。本項目はあくまで一般的な指針であり、自己判断による放置や過度な対処は危険を伴う場合があります。

 

  • セルフケアの基本

    • 冷やす(冷却タオル、氷嚢などをまぶた付近に当てる)
    • 人工涙液で洗浄(防腐剤フリー推奨)
    • 光を避ける(部屋を暗くし、サングラスなどを利用)
    • 休息を十分とる(睡眠、安静)
    • 眼をこすらない
  • 医師への相談が望ましいタイミング

    • 痛みが強く、1~2日経過しても改善しない
    • 視力が著しく低下した、もしくは物が二重に見える
    • 角膜に異物が入っている疑いがあり、自力で除去できない
    • 目の充血や腫れがひどくなる、目やにが増えるなど感染症を疑う症状
    • 再発を繰り返している

医師の指導のもと、抗菌薬点眼や消炎薬点眼、場合によっては痛み止めの内服などが処方されることもあります。処方薬は指定された回数や期間を守って使用し、自己判断で中止しないことが再発防止の観点でも重要です。

 

参考文献

 

  • Flash Burn to Eye (アクセス日: 18/06/2021)
  • Eyes – flash burns (アクセス日: 20/03/2021)
  • Photokeratitis(EyeWiki, AAO) (アクセス日: 18/06/2021)
  • Welder’s flash (アクセス日: 20/03/2021)
  • Eye injury – corneal flash burns (アクセス日: 18/06/2021)
  • Flash Burn of the Eyes Caused by High-Voltage Electrical Spark (アクセス日: 21/04/2023)
  • Eye injuries – flash burns (アクセス日: 21/04/2023)
  • Oyewole BK, Oloruntoba O, Onasoga M. “Occupational ocular hazards among welders in southwestern Nigeria: A cross-sectional study.” Journal of Family Medicine and Primary Care. 2022; 11(3): 914-922. doi:10.4103/jfmpc.jfmpc_1509_21
  • Barros JdeN, Soares E, Lima L, Brito L, Oliveira V. “Occupational photokeratitis in welders: Effects of a short-term educational intervention program.” Work. 2020;65(1):101-110. doi: 10.3233/WOR-203061
  • Chang CY, Tsai TH, Sheu SJ. “Spectrum of Ocular Injuries Associated with Welding-Related Occupations: A 10-Year Review of an Urban Medical Center in Taiwan.” Medicina. 2021; 57(3): 235. doi:10.3390/medicina57030235

 

免責事項(必ずお読みください)

本記事の内容は健康に関する一般的な情報提供を目的としており、専門家による診断や治療の代替となるものではありません。実際の症状や治療法については、必ず医師や薬剤師などの専門家に相談してください。本記事に記載された情報の利用によって生じるトラブルや損害などについて、執筆者や関係者は一切の責任を負いかねますので、ご了承のうえ活用してください。

 

以上の点を踏まえ、溶接作業や関連作業に携わる方々が正しく眼を保護し、健康的に仕事や日常生活を送っていただけるよう願っております。もし強い痛みや視力低下などが現れた場合は、すぐに眼科を受診し、適切な処置を受けてください。安全第一の環境整備と防護具の使用を徹底することが、あなたの眼を守る最良の手段です。どうぞご自愛ください。


(以上が本記事の最終稿です。本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスを代替するものではありません。少しでも異常を感じた場合は眼科医などの専門家にご相談ください。)

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