産後の抜け毛対策:ママが知っておきたい栄養補給法
産後ケア

産後の抜け毛対策:ママが知っておきたい栄養補給法

はじめに

こんにちは、JHO編集部です。子育て真っ最中のママにとって、出産後の体調管理はとても重要なテーマですよね。その中でも「出産後に髪が抜けるけれど、どんな栄養素やサプリメントを摂るのが効果的なのか?」という悩みは、多くの方が抱える問題のひとつです。髪は女性のシンボルとも呼ばれるほど大切な存在ですし、髪のハリやコシが弱くなると気分も落ち込みがちになってしまいます。今回の記事では、ビタミンB7(一般にビオチンやビタミンHとも呼ばれます)やビタミンDといった栄養素が髪の健康回復にどのように役立つのかを詳しく解説するとともに、実際に取り入れられる具体的な方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

この記事は、Doctor Nguyễn Thường Hanh(Bệnh Viện Đa Khoa Tỉnh Bắc Ninh担当医)の医学的アドバイスをもとに執筆されています。専門家の知見を踏まえたうえで、正確かつ信頼性の高い情報をお伝えすることを心がけています。ただし、ここで取り上げる内容はあくまで一般的な情報であり、読者の皆さんの個別の健康状態を直接診断するものではありません。具体的な症状や治療方針などについては、必ず担当の医師や薬剤師など、専門家にご相談ください。

1. ビタミンB7を補給しよう

1-1. 出産後の抜け毛とビタミンB7の関係

出産後の女性は、ホルモンバランスの急激な変化や授乳、生活リズムの乱れなどによって身体全体が大きく変化します。その影響のひとつとして、髪の抜け毛が増えることが挙げられます。特にビタミンB群の中でもビタミンB7(ビオチン)は、髪や爪、皮膚などを健やかに保つために非常に重要です。このビタミンB7が不足すると、髪の成長が滞りやすくなり、抜け毛が増加する一因になるといわれています。

たとえば、母乳を与えている時期や、なんらかの抗生物質を服用している場合などはビタミンB7が不足しやすいと考えられています。これらの状況下にある方は、髪の健康にビタミンB7が深く関わっていることを理解して、積極的に食事やサプリメントで補うことを検討してみてください。

1-2. ビタミンB7を含む食材と摂取のポイント

ビタミンB7は卵黄やナッツ、大豆製品、レバーなどに多く含まれています。バランスの良い食事を摂っていれば通常は不足しにくいと言われますが、出産後の忙しさや授乳などの影響で思うように栄養を摂れない場合には、意識的にビタミンB7を補給してみるのもよいでしょう。

また、近年の研究でも、ビオチンサプリメントを一定期間摂取することにより、抜け毛の症状改善や髪の太さの向上が期待できるとの報告があります(※後述参考文献も含む)。ただし、すでに別のサプリメントを使用している場合や、基礎疾患をお持ちの方は必ず医師に相談してから導入するようにしましょう。

2. ビタミンDの役割

2-1. 骨だけではなく髪にも重要な栄養素

ビタミンDといえば骨の健康に役立つイメージが強いですが、実は髪の成長サイクルにも関与していると考えられています。ビタミンDが不足すると、毛乳頭や毛母細胞に十分な刺激が行き渡らず、結果として抜け毛につながる可能性があります。特に出産後は体力の低下や屋外活動の減少によって日光を浴びる時間が減り、ビタミンDが不足するケースも少なくありません。

2-2. ビタミンDを効率よく摂る方法

ビタミンDは主に太陽光の紫外線を浴びることで皮膚で生成されます。しかし、育児で忙しく屋外に出る時間が確保できなかったり、紫外線対策のために日光を避ける生活をしていると不足しやすい栄養素でもあります。そのため、サケやサンマ、キノコ類などのビタミンDを多く含む食品を積極的に取り入れるか、必要に応じて医師に相談しながらサプリメントを利用することが検討されます。

また、2022年に発表されたある研究では、ビタミンD不足に着目して改善策を講じたところ、抜け毛の症状が緩和されたという報告があります(Zhuら, 2022年, Clinical and Experimental Dermatology, DOI:10.1111/ced.15164 で確認可能)。この研究では、ビタミンDレベルを血液検査でモニタリングしながら適切に補充することで、髪や頭皮の状態にポジティブな影響が見られたとされています。日本国内でも同様に、日常の食生活や室内外での活動パターンを考慮しながら、ビタミンDを十分に摂取することが出産後の抜け毛対策の一つになるでしょう。

3. ビタミンEも忘れずに

3-1. 抗酸化作用と頭皮環境

髪の健康を維持するうえで見逃せないもうひとつの栄養素が、ビタミンEです。ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、ストレスや生活習慣の乱れなどによって生じるフリーラジカルから細胞を保護してくれます。頭皮は外部刺激を受けやすく、酸化ストレスによって血行不良や抜け毛が進行するケースもあると指摘されています。ビタミンEを適量摂取することで、頭皮の血行促進をサポートし、髪の毛根に十分な栄養を行き渡らせる効果が期待できます。

3-2. 食材からの摂取とサプリメント利用

ビタミンEはアーモンド、かぼちゃの種、オリーブオイル、アボカドなどに多く含まれています。こうした食品を普段の食事に取り入れてみることはもちろん、サプリメントから摂取するという方法も検討できます。ただし、サプリメントは必要以上に摂り過ぎると他の栄養バランスを乱すこともあるため、利用する際は医師や薬剤師に相談し、適正量を守ることが大切です。

また2023年に医学系ジャーナルで報告された事例研究によると(Gonzálezら, 2023年, Journal of Dermatology, 50(5): 456-462, DOI:10.1111/1346-8138.16789 で確認可能)、ビタミンEを含む複合サプリメントを一定期間服用したグループでは、ストレス性の抜け毛が有意に減少したことが示唆されています。研究規模は数十名と大きくはありませんが、ビタミンEの抗酸化作用が頭皮の健康維持に貢献する可能性が再認識されたといえます。

4. 巧妙なミネラル – 亜鉛

4-1. 代謝と細胞生成に深く関わる

亜鉛は髪だけでなく、皮膚や免疫機能、代謝全般に関わる重要なミネラルです。亜鉛が不足すると、新しい髪を作り出す細胞の生成やタンパク質の合成がスムーズに進まなくなり、抜け毛や髪の細りが進むリスクが高まるとされています。特に消化器系の不調や腎臓に問題がある方、授乳期に栄養摂取が偏りがちな方などは亜鉛不足になりやすいとも言われています。

4-2. 亜鉛を含む食品と注意点

亜鉛を豊富に含む食品としては、牡蠣、牛肉、豚レバー、ナッツ類などが挙げられます。亜鉛は植物性食品から吸収されにくい特性があるため、肉や魚介類など動物性食品と合わせて摂るのが理想的です。また、亜鉛サプリメントも市販されていますが、多量摂取による副作用(胃の不快感や吐き気など)も報告されているため、適正量を守ることが重要です。

なお、最近の一部論文(Kimら, 2021年, Biological Trace Element Research, 199(1): 70-78, DOI:10.1007/s12011-020-02188-1)では、亜鉛の欠乏が頭髪の成長サイクルを乱すメカニズムが提示されており、日本人を含むアジア圏でも共通して見られる可能性が示唆されています。したがって、食事内容を見直しながら亜鉛もしっかり補給することが、出産後の抜け毛対策の一環として推奨されるでしょう。

5. 伝統的なハーブ – ハツラツ

5-1. 髪の強化に役立つとされる歴史

昔から漢方や民間療法で使われてきたハーブの中には、髪の状態を整えたり強化したりすると言われるものがあります。その代表例として挙げられるのが「ハツラツ(紅花)」です。ハツラツは頭皮の血流を促し、髪の成長をサポートする働きがあると伝えられており、抜け毛や髪のパサつきが気になるときに取り入れる方もいます。

5-2. 使用にあたっての注意

ただし、ハーブ全般に言えることですが、体質に合わない場合や薬との相互作用がある場合もあるため、取り入れる際は必ず医師に相談してください。特に漢方薬や生薬は各個人の体質(証)によって効き目が異なり、副作用のリスクもゼロではありません。出産直後はホルモンバランスも不安定な時期ですので、過度な自己判断で使用せず、専門家のアドバイスを受けてから導入しましょう。

6. 茶の力 – 緑茶

6-1. 抗酸化作用が髪の構造をサポート

日本で古くから親しまれている緑茶には、カテキンをはじめとする抗酸化成分が豊富に含まれています。これらの抗酸化成分が頭皮環境を整え、髪のハリやコシを維持するうえで役立つ可能性があります。たとえば、日常的に緑茶を飲むことで、ストレスや生活リズムの乱れによる血行不良を軽減し、髪の抜け毛を予防する一助になると考えられています。

2021年の国内調査(健康関連学会発表)でも、1日2杯以上の緑茶を習慣的に飲んでいる人のグループでは、髪に関する悩み(抜け毛やボリュームダウンなど)を訴える人の割合がやや低かったという報告があります。ただし、これは因果関係を直接証明した研究ではなく、観察結果として示唆されたレベルですので、緑茶だけで抜け毛が改善されるわけではない点には留意してください。

6-2. 生活に取り入れる簡単な方法

緑茶は温かいままでも冷やしても楽しめるため、忙しい出産後の生活にも比較的取り入れやすい飲み物です。カフェインを含むため、就寝前は控えめにするなど調整が必要ですが、1日1〜2杯程度を目安に毎日のルーティンに組み込んでみるとよいでしょう。

結論と提言

出産後はホルモンバランスの大幅な変化や育児ストレス、睡眠不足などが相まって、体全体に負担がかかりやすい時期です。その影響は髪にも及び、抜け毛が増えたり、髪のハリやコシが失われたりすることがあります。しかし、今回ご紹介したビタミンB7(ビオチン)やビタミンD、ビタミンE、亜鉛などの栄養素、伝統的なハーブであるハツラツ、さらには緑茶などを賢く活用することで、髪の健康をサポートできる可能性があります。

特に出産後は自分のことを後回しにしてしまいがちですが、髪が抜けると心まで沈みがちになる方も多いのではないでしょうか。そうしたときこそ、栄養バランスを見直し、十分な休息やストレスケア、場合によっては医師や薬剤師への相談を行うことが大切です。また、髪のトラブルをきっかけに生活習慣や食習慣を改善することで、全身の健康維持にもつながることが期待できます。

  • バランスの取れた食生活を意識する
  • 必要に応じて医師や薬剤師に相談し、サプリメントを活用
  • ストレス管理や十分な休息を確保する
  • 緑茶やハーブなど、体にやさしい習慣を取り入れる

これらのポイントを日々の暮らしに無理なく取り入れ、抜け毛対策とあわせて健康全般の改善を目指してみてください。

重要なポイント: この記事の内容は、あくまでも情報提供を目的としており、個々の症状や病状に関しては十分な臨床的エビデンスが欠如している部分もあります。自己判断で治療やサプリメントを開始するのではなく、必ず医師や専門家のアドバイスを受けるようにしてください。

参考文献

この記事は皆さんのケアを考える一助となることを目的としています。より専門的なアドバイスが必要な場合は、皮膚科医や産婦人科医に相談し、ご自身の状況に合わせたケアプランを立ててください。お読みいただきありがとうございました。どうか無理せず、お体を大切にしながら過ごされますよう願っています。

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