この記事の科学的根拠
この記事は、ご提供いただいた研究報告書に明記されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源と、提示された医学的ガイダンスとの直接的な関連性を示したものです。
- 日本眼科学会: 本記事における屈折矯正手術の適応基準、禁忌事項、および安全基準に関する指針は、日本眼科学会が発行した「屈折矯正手術のガイドライン(第8版)」に基づいています12。
- 新宿近視クリニックおよび仙台富沢眼科医院: 手術の具体的な流れ、術後のケア、および日本国内における一般的な費用に関する情報は、これらの専門施設の公開情報を参考にしています34。
- 国際的な臨床研究およびFDAの承認: SMILEの有効性、安全性、特にレーシックと比較した際のドライアイや角膜の生体力学的安定性に関する優位性についての記述は、米国食品医薬品局(FDA)の承認データや、世界中で発表された多数の査読済み臨床研究に基づいています。
要点まとめ
- 第3世代の低侵襲手術: リレックススマイルは、角膜にフラップ(蓋)を作らず、2~4mmの小さな切開のみで手術が完了するため、眼への負担が少なく、構造的な強度を維持しやすいという大きな利点があります。
- ドライアイの危険性が低い: 従来のレーシックと比較して、角膜表面の知覚神経の切断が大幅に少ないため、術後のドライアイの発症率が著しく低いことが科学的に証明されています。
- 優れた安全性と実績: 2023年に日本眼科学会のガイドラインに正式に収載され、世界80カ国以上で600万件以上の実績を持つ、確立された治療法です1。スポーツ選手や衝撃を受ける可能性のある職業の方に特に推奨されます。
- 明確な適応と限界: 近視・乱視の治療に非常に有効ですが、遠視の治療はまだ一般的ではありません。また、再手術が必要になった場合は、SMILEではなくPRKやレーシックなど他の方法に切り替える必要があります。
- 賢明な選択が重要: 成功の鍵は、日本眼科学会認定の専門医であり、かつSMILEの認定医が在籍する、信頼できる施設を選ぶことです。費用だけでなく、検査の質、説明の丁寧さ、術後ケアの体制を総合的に判断する必要があります。
リレックススマイル(ReLEx SMILE)とは何か?第3世代の革命を理解する
視力矯正手術の歴史は、より安全で、より負担の少ない方法を追求する道のりでした。リレックススマイル(Small Incision Lenticule Extraction)は、その最先端に位置する「第3世代の屈折矯正手術」です。この手術がなぜ画期的とされるのか、その仕組みと日本および世界での位置づけを深く掘り下げていきましょう。
革新的な手術の仕組み:科学がもたらす新しい視界
リレックススマイルの核心は、その独自の科学的アプローチにあります。従来の手術とは一線を画す、精密かつ迅速なプロセスは以下のステップで進行します。
- 準備と点眼麻酔: まず、手術する眼を洗浄し、点眼薬によって完全に麻酔します。その後、専用の吸引リングで眼球を優しく固定し、レーザー照射中の意図しない動きを防ぎます。
- フェムト秒レーザーによる「レンチクル」の作成: ここが最も重要な段階です。カールツァイス社製の高性能医療機器「VisuMax」が、超短パルスのフェムト秒レーザーを角膜の内部、すなわち角膜実質層(かくまくじっしつそう)に照射します。これにより、コンタクトレンズ状の薄い角膜片「レンチクル」が精密に作成されます。同時に、表面には2~4mmという極めて小さな切開創が作られます。
- レンチクルの摘出: 外科医は、この小さな切開創から微細な手術器具を挿入し、作成されたレンチクルを慎重に分離して抜き取ります。このレンチクルを摘出することで角膜のカーブが変化し、屈折力が矯正されます。
- 完了と回復: レンチクルが取り除かれると、角膜の形状が変化し、光が網膜上で正確に焦点を結ぶようになります。手術全体は両眼で通常10~15分程度で終了し、患者様はそのまま帰宅できます。
科学的な重要点として、手術が行われる角膜実質層は自己再生能力のない組織であるため、リレックススマイルによる視力矯正効果は永続的である、という事実が挙げられます。この手術の信頼性について、日本の眼科界の権威である神谷和孝教授は「私は18歳の娘にSMILEの手術をしました。これ以上、何を付け加えることがあるでしょうか?」と語っています。専門家によるこの一言は、あらゆる技術データよりも雄弁に、その安全性と信頼性を物語っています。
世界と日本における普及と公的承認
リレックススマイルの信頼性は、世界的な普及率と公的機関による承認によっても裏付けられています。2022年までに世界80カ国以上、2,500人以上の医師によって600万件を超える手術が実施されており、その数は今も増え続けています。特に安全基準が厳しい市場での承認は、その価値を証明するものです。
- 米国食品医薬品局(FDA): 世界で最も厳しい審査機関の一つであるFDAは、近視および乱視の治療法としてSMILEを承認しており、その安全性と有効性は国際的なお墨付きを得ています。
- 日本眼科学会: 日本国内で最も重要な権威付けは、2023年3月22日に日本眼科学会が「屈折矯正手術のガイドライン(第8版)」にリレックススマイルを正式に収載したことです12。これは、SMILEが日本の最高医療機関が定める厳しい安全性・有効性の基準を完全に満たした、正統な治療法であることを意味します。
さらに技術は進化を続けており、2024年7月にはより照射時間が短い最新機種「VisuMax 800」が日本で薬事承認されるなど、患者様の体験と安全性は今後も向上していくことが期待されます。
専門的な比較分析:SMILE、レーシック、ICLを天秤にかける
屈折矯正手術を選ぶことは、人生における重要な決断です。後悔のない選択をするためには、リレックススマイルを他の主要な手術法であるレーシックやICLと比較し、それぞれの長所と短所を正確に理解することが不可欠です。
リレックススマイル vs. レーシック:最も詳細な比較
長年、屈折矯正手術の標準とされてきたレーシックとの比較は、最も重要です。SMILEの登場は、この選択の力学を大きく変えました。
技術的な根本的違い
- フラップ(蓋)の有無: 最大の違いです。レーシックでは、角膜表面に約20mmの円形の切開を加えてフラップを作成し、それをめくってからエキシマレーザーを照射します。対照的に、SMILEはフラップを作らず、わずか2~4mmの切開創からレンチクルを抜き取る「フラップレス」技術です。
- 使用するレーザーの種類: レーシックはフラップ作成用のフェムト秒レーザーと、角膜を削るエキシマレーザーの2種類を使用します。SMILEはフェムト秒レーザー1種類のみで全工程を完了します。
SMILEがレーシックより優れる点
- 圧倒的に少ないドライアイ: SMILEの切開創は極めて小さいため、角膜表面の知覚神経の切断を最小限に抑えます。これにより、涙の分泌機能を温存し、術後のドライアイの危険性がレーシックに比べて大幅に低いことが、国内外の多くの研究で一貫して示されています4。
- 卓越した角膜の生体力学的安定性: フラップを作らないことで、角膜で最も強靭な部分である前面の組織構造がほぼ温存されます。そのため、術後の角膜は衝撃に対する抵抗力が高く、格闘技やコンタクトスポーツを行う方、警察官や消防士など、顔面に衝撃を受ける危険性がある職業の方にとって、SMILEは格段に安全な選択肢となります。外傷によるフラップのズレという、レーシックに潜在する危険性を根本的に排除できます。
- 痛みと制限の少なさ: 術後の痛みや異物感が少なく、日常生活や運動への復帰もより早い傾向にあります。
- 夜間視力の質: 一部の研究では、SMILEはレーシックに比べて夜間の光のにじみ(ハロー・グレア)の原因となる高次収差の増加が少ない可能性が示唆されています。
レーシックが優れる点/SMILEの短所
- 初期の視力回復速度: 多くの信頼できる研究報告で、術後24時間の時点では、レーシックの方がSMILEよりも早くクリアな視力に到達する傾向があるとされています。SMILEの場合、視力が完全に安定し、すっきり見えるまで数日を要することがあります。
- 再手術(追加矯正)の容易さ: 万が一、将来的に追加矯正が必要になった場合、レーシックは作成したフラップを再度めくってレーザーを照射するだけで済みます。一方、SMILEで再手術を行うことはできず、PRK(表面照射)や、SMILEのキャップ部分から新たにフラップを作成するレーシックに切り替える必要があります。
- 現在の治療範囲: 日本や米国において、レーシックは遠視の治療にも承認されていますが、現時点でSMILEは主に近視および近視性乱視の治療に限定されています。
表1: リレックススマイル vs. フェムト秒レーシック 包括的比較
特性 | リレックススマイル | フェムト秒レーシック | あなたにとっての意味 |
---|---|---|---|
技術 | フラップレス、角膜実質抽出 | フラップ作成、角膜実質切除 | SMILEは角膜構造への侵襲がより少ない。 |
切開創の大きさ | 2~4 mm | 約20 mm (フラップ円周) | SMILEは角膜表面の損傷が格段に少ない。 |
ドライアイの危険性 | 低い | SMILEより高い | ドライアイが心配な方にはSMILEが断然有利。 |
生体力学的強度 | 非常に高い(フラップずれの危険性なし) | SMILEより低い(フラップずれの危険性あり) | スポーツや衝撃リスクのある職業ならSMILEが安全。 |
初期の視力回復速度 | やや緩やか | 非常に速い | 仕事等ですぐに鮮明な視力が必要ならレーシックに利点。 |
再手術の選択肢 | PRK/レーシックへ移行 | 容易(フラップを再度利用) | 将来の追加矯正の柔軟性はレーシックが高い。 |
遠視治療 | 未承認 | 承認済み | 遠視の方は現時点ではレーシックが選択肢。 |
費用相場(日本) | 約32~40万円 | SMILEより若干安い傾向 | 最新技術であるSMILEは費用が少し高くなる可能性がある。 |
SMILE vs. ICL(眼内コンタクトレンズ):どちらを選ぶべきか?
ICL(Implantable Collamer Lens)は、角膜を削らずに眼内に極薄のレンズを挿入する手術法です。SMILEが「角膜の手術」であるのに対し、ICLは「眼内の手術」という根本的な違いがあります。
ICLが推奨される場合
- 強度すぎる近視: レーザー手術の適応範囲(通常-10D程度)を超える強度近視の方には、ICLが第一選択となります。
- 角膜が薄い: 角膜が薄く、SMILEやレーシックを安全に行うための厚みを確保できない方は、ICLの良い適応です。
- 可逆性(元に戻せる可能性): ICLは眼の組織を削らないため、万が一の場合はレンズを取り出して元の状態に戻すことが可能です。これは多くの患者様にとって大きな心理的安心材料となります。
- 視力の質: 一般的に、ICLは非常にシャープでクリアな、質の高い見え方をもたらすと評価されています。
SMILEが推奨される場合
- 費用: 一般的に、SMILEはICLよりも費用をかなり抑えることができます。
- 侵襲性の感覚: どちらも安全な手術ですが、「眼の中に異物を入れる」ことに抵抗を感じ、角膜表面での処置を好む方もいます。
患者様の道のり:カウンセリングから回復まで
手術の成功と高い満足度を得るためには、自分が適切な候補者であるかの見極めから、術中・術後のリアルな体験まで、全行程を理解しておくことが極めて重要です。
あなたはSMILEの「良い候補者」か?
リレックススマイルは誰にでも適応されるわけではありません。安全を確保するため、日本眼科学会のガイドラインに基づいた厳格な医学的基準によるスクリーニングが不可欠です2。
適応基準
- 年齢: 18歳以上。ただし屈折度が安定する20歳以上が推奨される2。
- 屈折度数: 近視は-1.0Dから-10.0D、乱視は-3.0D(施設によっては-5.0D)までが目安2。
- 安定性: 直近1年以上、度数に大きな変化がないこと。
- 眼の健康状態: 角膜炎や結膜炎などの感染症、その他の眼疾患がないこと2。
禁忌(手術を受けられない)基準
- 角膜の病気: 円錐角膜、術後の角膜厚が250μmを下回るような薄い角膜、角膜の混濁など2。
- 全身疾患: 創傷治癒に影響を与える可能性のある重度の糖尿病や自己免疫疾患2。
- 特殊な状況: 妊娠中または授乳中の女性2。
- 重度のドライアイ: SMILEはドライアイになりにくいですが、元々非常に重度な場合は適応外となることがあります。
セルフチェックリスト
以下の質問すべてに「はい」と答えられる場合、あなたはSMILEの良い候補者である可能性が高く、専門的なカウンセリングを受けることをお勧めします。
- 年齢は20歳から45歳の間ですか?
- 近視度数は-1.0Dから-10.0Dの範囲内ですか?
- ここ1~2年、メガネやコンタクトレンズの度数は安定していますか?
- 円錐角膜などの角膜の病気を指摘されたことはありませんか?
- 現在、妊娠中または授乳中ではありませんか?
詳細なプロセス:知っておくべき5つの段階
日本の信頼できる施設におけるSMILE手術は、通常、安全性と効果を最大化するための標準化された5段階のプロセスに従います。
- 段階1:予約と無料適応検査: 多くの大手クリニックでは、初回の適応検査とカウンセリングを無料で提供しています。手術について学び、自身が適応となりうるかどうかの一次評価を受ける良い機会です。
- 段階2:精密検査: 最も重要なステップです。正確な測定のため、検査前にコンタクトレンズの装用を中止する期間が設けられます(ソフト:3日以上、乱視用ソフト:1週間以上、ハード:2週間以上)。角膜形状解析、角膜厚、瞳孔径、眼底検査、眼圧測定など、多岐にわたる詳細な検査が行われます23。
- 段階3:手術当日: 点眼麻酔のみで行われます。手術自体は両眼で10~15分と非常に短時間です。術後の簡単な診察を経て、その日のうちに帰宅できます。
- 段階4:術後ケア: 指示通りに抗生物質や抗炎症薬の点眼薬を使用します。術後数日間は、眼に水が入らないようにする、アイメイクを避ける、プールなど感染の危険性がある活動を控えるといった注意が必要です。
- 段階5:定期検診: 創傷治癒の経過と視力の結果を医師が確認するために、定期的な検診は必須です。通常、術後翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後に検診が設定されます。
リアルな体験談:患者様の声から見えること
広告は良い結果を強調しますが、実際に手術を受けた人々の正直な体験を知ることは、期待値を適切に管理し、不安を和らげる上で非常に役立ちます。
- 手術中: ほとんどの患者様が、麻酔のおかげで「痛みは全くなかった」と報告しています。ただし、「眼に水が注がれる感覚」や、レーザーの光を凝視する際の「一時的な方向感覚の喪失」といった、普段とは違う感覚を体験することがあります。
- 手術直後(数時間): ここが最も期待値の管理が必要な時期です。視力はすぐにはクリアにならず、多くの人が「白い霧の中にいるよう」「サウナの中にいるよう」と表現します。光に敏感になったり、ゴロゴロとした異物感を感じたりすることもありますが、これらは正常な反応であり、数時間後には落ち着いてきます。
- 回復期(数日後): 劇的な変化は、手術の翌朝に訪れることがほとんどです。「目が覚めた瞬間、眼鏡なしで世界がはっきり見えたことに感動した」「思わず声が出た」といった感動的な体験談が数多く寄せられています。視力はその後も数日から数週かけて、さらに安定していきます。
- 長期的な感想: 長期的なフィードバックは圧倒的に肯定的です。「人生が変わった」「もっと早くやればよかった」「人生で最高の投資だった」といった言葉が並びます。スポーツや旅行、温泉などを心から楽しめたり、災害時への不安が軽減されたりといった、眼鏡やコンタクトレンズからの解放がもたらす自由は何物にも代えがたい価値があるようです。
危険性の管理と情報の透明性
信頼できる医療情報とは、患者様の不安や危険性に対して、科学的根拠に基づき、誠実かつ透明に向き合うものです。正直な情報提供は、信頼を築き、患者様が十分な情報を得た上で意思決定を行うための基盤となります。
真実を直視する:潜在的な合併症と副作用
どのような医療行為にも、ゼロではない危険性が存在します。SMILEも例外ではありませんが、適切な施設で正しい手順のもと行われれば、その発生率は非常に低いものです。
比較的一般的だが一時的な副作用
- ハロー・グレア(光のにじみ・輪): 特に夜間、光の周りに輪が見えたり、光がにじんで見えたりする現象です。術後初期には多くの人が経験しますが、通常3~6ヶ月で脳が適応し、気にならなくなります。研究によれば、SMILEはレーシックよりこの現象が少ない傾向にあります。
- ドライアイ: SMILEの大きな利点ですが、それでも術後一時的にある程度のドライアイは起こり得ます。処方される人工涙液を適切に使用することで、快適に過ごすことができます。
- 一時的な近方視の困難: 特に40歳以上の方では、新しい視力に眼が順応するまで、近くの物に焦点が合いにくいと感じることがあります。これも時間とともに改善します。
稀な術中合併症
- 吸引ロス(Suction Loss): レーザー照射中に眼を固定している吸引リングが外れてしまうことです。発生した段階に応じて、手術を中断し後日再手術を行ったり、レーシックに切り替えたりする場合があります。
- レンチクル残存: レンチクルのごく一部が角膜内に残ってしまうことです。これもレーシックに切り替えてフラップを開き、残存片を除去することで対処可能です。
極めて稀な術後合併症
- 角膜拡張症(医原性ケラトエクタジア): 最も重篤な合併症で、角膜が菲薄化して前方に突出し、視力が低下します。SMILEは角膜の構造を温存するためレーシックより危険性は低いと考えられていますが、報告例は存在します。これを防ぐため、術前の極めて慎重な角膜形状・厚みの検査が絶対的に重要です2。
- 感染症: あらゆる外科手術に共通する危険性です。手術室での厳格な無菌操作と、患者様による術後ケア(点眼の徹底、衛生管理)の遵守により、危険性は最小限に抑えられます。
「失敗」と「後悔」という言葉の真意
情報を検索する際、「SMILE 失敗」や「SMILE 後悔」といった言葉に不安を覚えるかもしれません。しかし、これらの言葉が何を意味するのかを客観的に理解することが重要です。
屈折矯正手術における「失敗」とは、失明を意味することはまずありません。多くは、矯正が不十分であったり(低矯正)、矯正しすぎたり(過矯正)、あるいはハロー・グレアやドライアイといった副作用が予想以上に長く続いたりすることを指します。
「後悔」の原因は、非現実的な期待、不十分な術前説明、そして不適切な施設選びに起因することがほとんどです。これを避ける最善の方法は、信頼できる医師・施設を選び、利益と危険性の両方を深く理解した上で、自分自身で納得して決断することに尽きます。
再手術(追加矯正):プランBの選択肢
将来的に視力が変化した場合の選択肢を知っておくことも安心につながります。SMILEの追加矯正が必要となる割合は1~2%と、レーシック(5~10%)に比べて低いと報告されています。ただし、SMILEを同じ眼に再度行うことはできません。追加矯正が必要な場合は、以下のいずれかの方法が選択されます。
- 表面照射(PRK/LASEK): エキシマレーザーで角膜の表面を矯正する方法。
- レーシックへの転換: SMILEのキャップ部分から新たにレーシックのフラップを作成し、矯正を行う方法。
絶対的な信頼を築くために:賢明な選択の指針
眼の手術という重要な決断において、信頼は専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)という明確なシグナルに基づいて築かれます。これらを見極めることが、成功への第一歩です。
専門家を探す:「認定医」と「認定施設」の重要性
手術の質は、執刀医の技術と施設の基準にほぼ全てがかかっています。日本で探すべき重要な資格は以下の通りです。
- 日本眼科学会認定 眼科専門医: 必須条件です。眼科全般に関する厳格なトレーニングと試験に合格した医師であることを保証します2。
- ReLEx SMILE 認定医: 機器メーカーであるカールツァイス社が主催する専門的なトレーニングを修了し、SMILEの執刀許可を得た医師であることを示します2。
- ICL認定インストラクター: この資格を持つ医師は、SMILEだけでなくより複雑な眼内手術にも精通しており、極めて高い技術レベルを持つことの証左です3。
参考として、SMILEを実施している国内の著名な医療施設の一部を以下に示します。
表2: SMILE手術実施施設の参考リスト(日本国内)
施設名 | 所在地 | 主な認定医(敬称略) |
---|---|---|
新宿近視クリニック | 東京都 | 北村 瑞、他 |
南青山アイクリニック東京 | 東京都 | 坪田 一男、他 |
北里大学病院 眼科 | 神奈川県 | 神谷 和孝、他 |
名古屋アイクリニック | 愛知県 | 中村 友昭、他 |
佐藤裕也眼科医院 | 宮城県 | 佐藤 裕也 |
注:このリストは公開情報に基づく参考例であり、網羅的なものではありません。必ずご自身で詳細をご確認ください。
費用と財政的な側面
費用は重要な決定要因です。日本では、SMILE手術は両眼で約32万円から40万円が相場です。これは公的医療保険の対象外となる自由診療です。しかし、以下の制度が利用できる可能性があります。
- 医療費控除: 年間の医療費が一定額(通常10万円)を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の一部が還付される可能性があります。
- 生命保険: 加入している民間の生命保険の契約内容によっては、「レーザー角膜屈折矯正手術」が手術給付金の支払い対象となる場合があります。ご自身の保険会社にご確認ください。
- 分割払い: 多くのクリニックでは、医療ローンなどの分割払い制度を用意しています。
よくある質問
リレックススマイルの手術は痛いですか?
いいえ、手術中は点眼麻酔が効いているため、痛みを感じることはほとんどありません。ただし、眼を押さえられるような感覚や、器具が触れる感覚はあります。術後、麻酔が切れると数時間程度、ゴロゴロするような異物感やしみる感じが出ることがありますが、処方される点眼薬で和らぎます。
術後、視力はすぐに回復しますか?
手術直後は、霧がかかったような見え方をします。多くの患者様が、手術翌日の朝には日常生活に支障がないレベルまで視力が回復したと実感します。しかし、完全にクリアで安定した見え方になるまでには、数日から数週間かかるのが一般的で、レーシックよりはやや緩やかです。
もし将来、また近視が進んだら再手術はできますか?
同じ眼にリレックススマイルを再度行うことはできません。しかし、追加矯正が必要になった場合は、PRK(表面照射)やレーシックといった他の方法で再手術を行うことは可能です。ただし、SMILEは術後の近視の戻りが少ないと報告されており、再手術が必要になるケースは稀です。
費用は健康保険や高額療養費制度の対象になりますか?
いいえ、リレックススマイルは視力を改善し生活の質を向上させるための手術と見なされるため、公的医療保険および高額療養費制度の対象外です。費用は全額自己負担の自由診療となります。ただし、前述の通り「医療費控除」の対象にはなります。
結論
リレックススマイルは、その革新的な技術により、従来の屈折矯正手術が抱えていた多くの課題、特にドライアイと角膜の強度維持という点を克服した、極めて優れた選択肢です。日本眼科学会のガイドラインにも収載され、その安全性と有効性は科学的にも社会的にも確立されています。しかし、どのような優れた技術も、それを用いる医師の技量と、患者様一人ひとりの眼の状態に適合して初めて最高の価値を発揮します。
最終的な成功は、情報を鵜呑みにせず、ご自身で主体的に学ぶ姿勢から始まります。本記事で提供した知識を元に、複数の信頼できる施設でカウンセリングを受け、ご自身のライフスタイルや価値観に最も合う選択をしてください。慎重な一歩を踏み出すことで、眼鏡やコンタクトレンズから解放された、クリアで快適な新しい人生があなたを待っていることでしょう。
参考文献
- 日本眼科学会. 屈折矯正手術のガイドライン(第8版). [インターネット]. [引用日: 2025年7月21日]. Available from: https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=700&dispmid=909
- 日本眼科学会. 屈折矯正手術のガイドライン(第8版). [PDF]. [引用日: 2025年7月21日]. Available from: https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/refractivesurgery_8.pdf
- 新宿近視クリニック. リレックススマイルの手術のながれ. [インターネット]. [引用日: 2025年7月21日]. Available from: https://www.sbc-lasik.jp/care/relex/flow.html
- 仙台富沢眼科医院. レーシックを超える次世代の視力矯正手術 ReLEx smile. [インターネット]. [引用日: 2025年7月21日]. Available from: https://sendai-lasik.jp/relex/