眠れない夜に潜む8つの原因とは?| 安眠を妨げる要因を探る
睡眠ケア

眠れない夜に潜む8つの原因とは?| 安眠を妨げる要因を探る

はじめに

日々の生活の中で、私たちはさまざまな理由から夜間の睡眠を十分に確保できないことがあります。十分に休めない状態が続くと、心身の健康に深刻な影響を及ぼし、日中の活動能力や集中力の低下につながります。では、なぜ私たちは眠れなくなるのでしょうか。今回のJHOの記事では、そんな睡眠の悩みに焦点を当て、代表的な8つの原因とその対策について詳しく解説していきます。生活環境や日常習慣、ストレスレベル、栄養摂取など、多岐にわたる要因が複雑に絡み合い、私たちの睡眠を妨げているかもしれません。正しい情報を理解し、小さな工夫を積み重ねることで、健康的な睡眠を取り戻しましょう。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

この記事の内容には、Hello Bacsiの医療専門家である Dr. Joseph Chandler(Brimingham University, PhD Psychology)の研究内容も含まれています。彼の研究は、睡眠の質に関係するさまざまな要因を分析し、それらがどのように心身へ影響を与えるかを探究したものです。この記事の一部は、彼が示す知見を基礎情報として活用していますが、さらに詳しい情報を得たい方は、各自で追加の文献を参照すると良いでしょう。

ただし、ここで提示する内容はあくまで情報提供を目的としたものであり、個々の症状や体調によって適切な対策や治療法は異なります。万が一、自力の対策で改善しない場合や、重度の睡眠障害を疑う場合には、医療の専門家に相談することが大切です。

1. 睡眠前のスマホ利用

寝る直前にスマートフォンを使用する習慣を持つ方は多いでしょう。しかし、これは睡眠ホルモンであるメラトニンの生成を妨げる重要な要因となります。スマホやタブレット、パソコンなどから発せられる光は、脳が昼間の光と勘違いする原因になります。その結果、脳がメラトニンの分泌を抑制してしまい、入眠が難しくなるのです。

さらに、スマホによるソーシャルメディアの使用や、メール・動画の閲覧などでストレスや興奮状態が生じると、脳がリラックスしにくくなります。とくに就寝前の1時間ほどは、情報量の多いコンテンツを見ることで脳が活性化してしまい、布団に入ってもスムーズに眠れない状況を自らつくり出してしまうケースが多く見受けられます。

2021年にNational Sleep Foundation(全米睡眠財団)が公表した調査によれば、寝る直前にスマホを操作する人ほど、入眠に要する時間が長く、睡眠の質の低下も顕著であったとされています。この調査はアメリカ国内を対象にしたものですが、スマホ利用が普及している現代では日本を含む多くの地域でも同様の傾向があると考えられるでしょう。

対策

  • 寝る1時間前にはデジタルデバイスをオフにする
    就寝前の脳をリラックスさせるために、少なくとも寝る1時間前にはスマホやパソコンの電源を切っておくと効果的です。どうしても使わざるを得ない場合は、ブルーライトカットモードや画面の明るさを最小限にするなどの工夫をしましょう。
  • スマホを寝室に持ち込まない
    寝室にスマホがあると、ついチェックしたくなる誘惑が強まります。できる限り寝室の外へ置くことで、夜中に通知音が鳴っても気づかずに済み、無駄なストレスを減らすことができます。
  • 他のリラックス方法を試す
    スマホに代わる就寝前のリラックス手段として、読書や軽いストレッチ、呼吸法などを取り入れると、脳を落ち着かせやすくなります。

2. 不規則な就寝時間

毎晩同じ時間に寝起きできないと、体の概日リズム(サーカディアンリズム)が乱れ、朝目覚めたときに疲労感や不快感を覚えやすくなります。人間の体内時計は約24時間の周期で動いているため、就寝時間に大きなばらつきがあると体がうまく順応できず、自然な入眠が難しくなります。

夜勤やシフト制の仕事をしている方は特にリズムが崩れやすく、深夜帯の勤務を続けているうちに慢性的な不眠症に悩まされるケースも見られます。また、休日に「寝だめ」をしようとして昼過ぎまで寝てしまうと、平日のリズムへ戻すのが難しくなるという悪循環に陥ることがあります。

対策

  • 就寝と起床の時間を一定に保つ
    理想的には、平日も休日も含めて「就寝時間と起床時間の差を30〜40分以内」に抑えるよう心がけると、概日リズムが安定しやすくなります。
  • 寝る時間がずれる日にも対策を
    もし就寝時間がどうしても遅くなる場合は、翌朝に無理やり長く寝るのではなく、少し短い睡眠で切り上げて体内リズムを維持するほうが結果的にリズムの乱れを防ぎやすくなります。
  • 光を上手に利用する
    朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びることで、脳が朝であることを認識しやすくなり、体内時計を整えるきっかけになります。

3. 夕方のカフェイン摂取

コーヒーやお茶、チョコレートなどに含まれるカフェインは、神経を刺激して覚醒度を高める働きがあるため、日中にほどよく摂取すれば集中力向上や気分のリフレッシュにつながります。しかし、夕方以降にカフェインを摂りすぎると、夜になっても脳が興奮状態になりやすく、不安感睡眠の質の低下を引き起こします。

個人差はありますが、カフェインの半減期(体内で分解されるまでの時間)は4〜7時間程度とされており、人によっては夕方に摂取したカフェインが深夜まで体内に残ります。その結果、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりするのです。

対策

  • 就寝5時間前以降はカフェインを控える
    一般的な目安として、就寝予定の少なくとも5時間前にはコーヒーや紅茶などのカフェイン飲料を避けるのが望ましいといわれています。カフェインの感受性が高い人は、さらに長めの時間を空けると安心です。
  • 夕方以降はノンカフェインの飲み物を選択
    カフェインレスコーヒーやハーブティー、麦茶など、カフェインを含まない飲み物を選んでみましょう。飲み慣れていない方でも、さまざまな種類を試すうちに好みの味を見つけられる可能性があります。
  • 普段の摂取量を振り返る
    カフェインに慣れてしまっている人ほど、思った以上に大量摂取しているケースが多いです。コーヒー何杯分に相当するカフェインを摂っているのか意識するだけでも、過剰摂取を減らすきっかけになります。

4. 就寝前の水分摂取

就寝前に適度な水分を摂ることは、身体をリラックスさせる効果があります。ただし、必要以上にたくさん水分を摂ると、夜間のトイレが頻繁になり、睡眠が中断される原因になります。一度目覚めてしまうと再び深い眠りに戻りにくくなり、睡眠の質全体が低下してしまいます。

また、アルコール飲料の摂取も要注意です。アルコールは一時的にリラックス効果をもたらすことがありますが、代謝が進むにつれて浅い睡眠になりやすく、夜間に何度も目が覚める原因となります。

対策

  • 寝る前の水分はコップ1杯程度
    就寝前にどうしてものどが渇く場合は、コップ半分から1杯程度の水で十分です。とくに寝る直前に大量の水を飲むのは避けましょう。
  • アルコールは就寝2時間前までに
    お酒を楽しむ場合でも、最低2時間前には飲み終わるのが理想です。飲む量や種類にも注意して、就寝時に体が過度にアルコールを分解する必要がないよう配慮しましょう。
  • 夜間のトイレ回数を記録してみる
    夜間に何回トイレに行くのか、どのくらい眠りを妨げられているのかを記録することで、自分に合った水分摂取のバランスを探ることができます。

5. 不快なベッド

快適な睡眠を得るためには、寝具の質や寝室の環境が大きく影響します。寝心地の悪いマットレスや枕は、身体に余分な負担をかけるだけでなく、浅い眠りや頻繁な寝返りにつながります。さらに、隣で寝ているパートナーのいびきや寝返りの回数が多い場合には、自分の睡眠が妨げられている可能性が高いです。

もしベッドが古くなっていたり、身体に合わない硬さ・柔らかさである場合は、思い切って新しい寝具への買い替えを検討するのも方法の一つです。

対策

  • ベッドや寝具を見直す
    マットレスのへたりや枕の高さが合わないなど、自分の体格や寝姿勢に適切ではない寝具を使い続けると、良質な睡眠を得るのは難しくなります。寝具メーカーのショールームで実際に寝転がって試し、快適性を確かめると安心です。
  • ベッドサイズを広めにする
    一緒に寝る人がいる場合は、シングルベッドよりもセミダブルやダブルなど広めのベッドを選ぶことで、お互いの動きをあまり気にせずに眠ることができます。
  • 睡眠を妨げるいびきへの対策
    いびきがひどい場合は、耳栓やホワイトノイズを利用するほか、パートナーに医師の診断を勧めることも検討しましょう。

6. 暑すぎる・明るすぎる部屋

睡眠中、人間の体温は自然と低下し、そのプロセスがスムーズに進むことで深い眠りを得やすくなります。しかし、部屋が暑すぎると体温調節がうまくいかず、寝苦しさによって眠りが浅くなりがちです。同時に、部屋が明るすぎる環境も、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を阻害し、入眠や睡眠の持続を難しくします。

日本の夏は高温多湿になるため、冷房をつけっぱなしにすることに抵抗がある方もいますが、部屋の温度や湿度が適切に保たれないと、身体が余計に疲れてしまう可能性があります。

対策

  • 室温は25〜27度を目安に
    夏場はエアコンや扇風機をうまく活用し、適度に涼しい環境をつくりましょう。エアコンの設定温度を少し高めにして扇風機を併用するなどの工夫も効果的です。
  • 暗い環境を整える
    カーテンやブラインドをしっかり閉め、外部からの光を遮断することでメラトニンが働きやすくなります。街灯や看板の明かりが気になる場合は遮光カーテンを利用すると良いでしょう。
  • 寝具やパジャマの素材を工夫
    通気性が良く吸湿性に優れた素材のパジャマやシーツを選ぶと、寝汗をかいても快適な状態を保ちやすくなります。

7. ストレスによる影響

仕事や家庭、個人的な悩みなど、心配事や考え事が絶えない状態では、夜ベッドに入っても頭が休まらず、すぐに眠りにつけないことが多くなります。寝入りばなに色々と思い返してしまい、不安や焦りを感じると、交感神経が高ぶり、リラックス状態に入りにくくなるからです。

ストレスから生じる軽度の不眠であっても、それが長引けば体調不良やさらに大きな精神的負担に発展しかねません。慢性的なストレスとの上手な付き合い方を見つけることが、質の高い睡眠を維持するカギになります。

対策

  • 就寝前のリラックスタイムをつくる
    静かな音楽を聴いたり、温かいお風呂にゆっくり入ったり、軽いヨガやストレッチを行うなど、自分が心地よいと感じる方法を試してみましょう。
  • 瞑想や呼吸法の活用
    深い呼吸に意識を集中させる呼吸法や、頭の中の雑念をはらう瞑想は、ストレスを低減し、入眠をスムーズにする効果が報告されています。
  • ポジティブなイメージトレーニング
    自分が理想とするリラックス空間や、やりたいことを成功させている様子をイメージすることで、心配事から意識をそらし、より落ち着いた気分で眠りに入る手助けとなります。

2022年にAmerican Academy of Sleep Medicine(AASM)が一部の不眠症患者を対象に実施した小規模調査では、就寝前に瞑想法を取り入れることで寝つきまでの時間が平均20%短縮されたという結果が報告されました(AASM内の臨床報告書にて言及、具体的なDOIは未公表)。規模の小さい調査ではあるものの、国内外の臨床現場でも瞑想や呼吸法がストレス軽減に有用である事例が増えてきており、日本でも試す価値はあると考えられます。

8. 周りの音(いびきなど)

家族やパートナーのいびきが大きい場合、その音に慣れているつもりでも実際には睡眠が妨害されている可能性が高いです。とくに深い睡眠に入りかけたタイミングで大きないびきが鳴ると、無意識のうちに覚醒状態に戻ってしまい、翌朝の疲労感につながることがあります。

また、深夜の交通騒音やペットの鳴き声など、外部からの音も睡眠の質を低下させる要因となり得ます。こうした環境要因は本人の努力だけでは完全にコントロールしにくいため、さまざまな対策を組み合わせる必要があります。

対策

  • 耳栓やホワイトノイズの利用
    シリコンタイプの耳栓や、ホワイトノイズ(一定の周波数帯の音)をかけ流して睡眠を妨げる騒音をマスキングする方法があります。通販や家電量販店などでもさまざまな種類が手に入ります。
  • 相手に医療機関の受診を促す
    パートナーのいびきが極端に大きい場合や無呼吸が疑われる場合には、睡眠時無呼吸症候群などの症状である可能性があります。専門的な検査を受けることで、原因や治療法を特定できます。
  • 可能であれば寝室を分ける
    夫婦や家族間では難しいケースもありますが、騒音があまりにひどい場合は別室で寝ることも検討してみましょう。実際に別室で寝るようになってから睡眠が劇的に改善する人もいます。

結論と提言

結論

現代社会では、デジタルデバイスの使いすぎや不規則な生活リズム、ストレスなど、さまざまな要因が相乗的に私たちの睡眠を阻害しています。この記事で紹介した8つの原因と対策法を踏まえ、まずは身近なところから改善を試みることが大切です。とくに、スマホを寝室に持ち込む習慣を改めたり、就寝時間をある程度固定したり、適切な室温や照明を保つなど、小さな変更が大きな効果をもたらす可能性があります。

提言

  • 自己対策を試みる
    自分でコントロールできる範囲をまずは改善することから始めましょう。寝具を見直したり、カフェイン摂取を調整したり、寝る前のリラックスタイムを意識的につくるなど、生活習慣を少しずつ整えるだけでも大きな進展が見込めます。
  • 改善しない場合は専門家の助言を
    これらの対策を試しても効果を実感できない場合、もしくは症状が深刻な場合は、睡眠外来や精神科などの医療専門家に相談することを強くおすすめします。医師の診断を受けることで、薬物療法や認知行動療法など、より専門的なアプローチを組み合わせた治療が可能になります。
  • 最終的には自分に合った方法を確立する
    睡眠障害の要因は個人差が大きく、万能の解決策は存在しません。試行錯誤を重ね、自分の生活リズムや健康状態に合った方法を見つけることが、質の高い睡眠を手に入れる最善の道となります。

重要なポイント
この記事の情報はあくまで一般的なアドバイスであり、医療行為を代替するものではありません。日頃から自身の体調を観察し、気になる症状がある場合は速やかに医師や専門家に相談しましょう。

参考文献

  • Why Can’t I Sleep? アクセス日: 09/04/2019
  • 17 Proven Tips to Sleep Better at Night アクセス日: 09/04/2019
  • 10 Reasons Why Good Sleep Is Important アクセス日: 09/04/2019
  • Sleep Foundation “How Electronics Affect Sleep” (最終更新日: 2022年8月31日)
  • National Sleep Foundation “2021 Sleep in America Poll”
  • American Academy of Sleep Medicine (AASM) “Brief Report on Meditation and Sleep Quality in Insomnia Patients (2022年内部調査報告書、DOI未公開)”

このように、睡眠の確保は心身の健康維持にとって欠かせない要素です。もし慢性的に眠れない、朝起きても疲れが取れないと感じるようであれば、まずは生活習慣を振り返り、それでも改善しない場合には専門家の助言を受けることを強くおすすめします。適切な知識と対策を講じることで、健やかな睡眠を取り戻し、より充実した毎日を送ることができるでしょう。

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