要点まとめ
- 精巣上体炎は細菌感染が主な原因であり、自然治癒は期待できません。放置すると不妊などの重篤な合併症リスクがあるため、専門医による抗菌薬治療が必須です2。
- 原因は年齢や性的活動によって異なり、主に35歳以下ではクラミジアなどの性感染症(STI)、35歳以上では大腸菌などの尿路感染症が考えられます16。最新の国際ガイドラインでは、肛門性交のリスクも重要視されています6。
- 適切な治療を行えば、痛みなどの急性症状は2〜3日で改善し始めますが、完治には10日〜14日程度の抗菌薬服用が必要です。陰嚢の腫れやしこりが完全に消えるまでには数週間から数ヶ月かかることもあります1。
- 治療成功の鍵は、原因菌を特定し、適切な抗菌薬を十分な期間服用すること、安静を保つこと、そして性感染症の場合はパートナーも同時に治療することです15。
精巣上体炎とは?精巣炎との違いを理解する
精巣上体炎を正しく理解するために、まずはそれが体のどの部分で、どのような役割を果たしているのかを知ることが重要です。
精巣上体(副睾丸)の役割と構造
精巣上体(せいそうじょうたい)は、しばしば「副睾丸(ふくこうがん)」とも呼ばれ、精巣(睾丸)の後ろ側上部に帽子のように付着している器官です。その主な役割は、精巣で作られたばかりの未熟な精子を受け取り、ここで成熟させ、運動能力を身につけさせてから、次の器官である精管へと送り出すことです。見た目は小さな器官ですが、内部は1本の非常に細い管(精巣上体管)が複雑に折り畳まれた構造になっており、その管をすべて伸ばすと全長約6〜7メートルにも達します18。この長く複雑な構造が、細菌の温床となりやすく、炎症を引き起こす一因ともなっています。
急性精巣上体炎と慢性精巣上体炎
精巣上体炎は、その発症様式と症状の持続期間によって「急性」と「慢性」の2つに大きく分けられます。両者は症状の強さや治療への反応性が異なり、正確な区別が重要です。
「急に激しい症状が出るのが急性、鈍い不快感が長く続くのが慢性」と理解すると分かりやすいでしょう。急性の炎症が適切に治療されなかったり、治療が不十分だったりした場合に慢性へと移行することがあります。
項目 | 急性精巣上体炎 | 慢性精巣上体炎 |
---|---|---|
発症様式 | 突発的、数日以内に症状が完成 | 緩徐、または急性から移行 |
持続期間 | 6週間未満 | 3ヶ月以上 |
主な症状 | 激しい痛み、著しい腫れ、発熱 | 鈍痛、不快感、しこり(硬結) |
根拠 | 1 | 1 |
精巣上体炎の症状:見逃してはいけない体からのサイン
精巣上体炎の症状は、急性か慢性かによって大きく異なります。ご自身の症状を客観的に評価し、特に急性のサインを見逃さないことが、早期回復と合併症予防の鍵となります。
急性期の典型的な症状
急性精巣上体炎は、しばしば警告なしに、非常に強い症状で発症します。以下のようなサインが見られたら、直ちに医療機関を受診する必要があります。
- 激しい痛みと圧痛:通常、片側の陰嚢に、歩くだけで響くような、あるいはズボンが擦れるだけでも激痛が走るほどの強い痛みが生じます。手で触れると、特定の箇所に強い痛み(圧痛)を感じます3。
- 腫れと熱感:患側の陰嚢が赤くパンパンに腫れ上がり、正常な側と比較して明らかに大きくなります。触れると熱を持っている(熱感)のが特徴です1。
- 全身症状:38℃以上の高熱、悪寒、全身の倦怠感といった、インフルエンザのような全身症状を伴うことも少なくありません3。
- 泌尿器系の症状:原因となる尿道炎を合併している場合、排尿時の痛み、頻尿、尿道から黄色や白色の膿が出るといった症状が見られることがあります4。
慢性期の症状
慢性精巣上体炎の症状は、急性期ほど劇的ではありませんが、持続的な不快感が生活の質(QOL)を大きく低下させることがあります。
- 持続的な鈍痛や不快感:激しい痛みではないものの、陰嚢内や鼠径部(足の付け根)に、常に気になるような鈍い痛みや、重たいような不快感が数ヶ月以上にわたって続きます1。
- しこり(硬結):急性期の強い炎症が治まった後、その瘢痕(はんこん)として精巣上体の一部が硬いしこり(硬結)として触れることがあります。多くの場合、このしこり自体に痛みはなく、徐々に小さくなっていきますが、数ヶ月以上残ることも珍しくありません。痛みがなく、大きさが変わらなければ通常は心配ありませんが、不安な場合は専門医の診察を受けることが推奨されます1。
なぜ精巣上体炎になるのか?年齢と行動で異なる3大原因
精巣上体炎の原因は、単一ではありません。かつては「35歳以下は性感染症、35歳以上は尿路感染症」という年齢による二元論が主流でしたが、現代の国際的な知見では、性行動のリスクも考慮した、より精密な分類が重要視されています。ここでは、米国疾病予防管理センター(CDC)や欧州泌尿器科学会(EAU)の最新ガイドラインに基づき67、現代的な3つの主要な原因ルートについて解説します。
1. 性感染症(STI)が原因の場合(主に35歳以下の性的活動期)
性的活動が活発な35歳以下の男性で最も一般的な原因は、クラミジア・トラコマティスと淋菌による性感染症(Sexually Transmitted Infections: STI)です16。これらの細菌が、性交渉によって尿道に感染し(尿道炎)、そこから精管を逆行して精巣上体に到達し、炎症を引き起こします。厚生労働省の2023年の感染症発生動向調査によると、日本では性器クラミジア感染症の報告数は20代が突出して多く、特に20〜24歳の女性(5,539人)は同年代の男性(4,096人)を上回っています13。この背景には、女性は感染しても無症状であることが多く、自覚がないままパートナーである男性に感染させてしまうケースが少なくないことが示唆されます。このため、若い男性が精巣上体炎を発症した場合、性感染症を第一に疑うことが臨床的に極めて重要となります。
2. 尿路感染症(UTI)が原因の場合(主に35歳以上)
35歳以上の男性、特に高齢者では、大腸菌に代表される腸内細菌が原因となるケースが増加します16。これらの細菌は、通常、膀胱炎や前立腺炎といった尿路感染症(Urinary Tract Infections: UTI)として存在し、そこから細菌が精管を逆行して精巣上体に達します。背景にあるリスク因子としては、加齢に伴う前立腺肥大症による排尿障害(尿が出にくい、残尿感があるなど)、尿道カテーテルの長期留置、膀胱鏡検査などの泌尿器科的な処置後などが具体的に挙げられます3。
3. 腸内細菌が原因の場合(肛門性交を行う男性)
最新の国際ガイドラインが特に重要視しているのが、このカテゴリーです。年齢に関わらず、コンドームを使用しない肛門性交(受け手・挿入側双方)を行う習慣がある場合、直腸内に常在する大腸菌などの腸内細菌が尿道に侵入し、精巣上体炎を引き起こすリスクがあります6。この場合、クラミジアや淋菌といった典型的なSTIの原因菌と、腸内細菌の両方を考慮した治療戦略が必要となります。このリスク分類は、より個人に最適化された治療を選択する上で非常に重要です。
その他の稀な原因
上記の3つが主な原因ですが、稀に以下のような原因も考えられます。
- 結核菌:肺結核などの既往歴がある場合、血流に乗って結核菌が精巣上体に感染することがあります33。
- ムンプスウイルス:流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の合併症として、ウイルス性の精巣炎・精巣上体炎を発症することがあります。
- その他:バイクや自転車での長時間の振動や圧迫などの物理的な刺激、スポーツによる外傷、心臓の不整脈治療薬であるアミオダロンの副作用などが原因となることも報告されています5。
小児の場合
小児における急性精巣上体炎は、成人とは異なる視点が必要です。大阪母子医療センターの松山聡子医師らの研究によると、小児の急性陰嚢症(陰嚢が急に腫れて痛くなる状態)の約半数が急性精巣上体炎であり、その背景にはウイルス感染や、尿道下裂術後などの先天的な泌尿生殖器の形態異常が関連していることがあると報告されています1424。
診断方法:的確な治療への第一歩
精巣上体炎の診断は、症状の確認といくつかの簡単な検査を組み合わせて行われます。医療機関で行われる検査内容を事前に知っておくことで、受診への心理的なハードルを下げることができるでしょう。
問診と身体診察
診察では、まず医師が症状の経過(いつから、どのような痛みか)、発熱の有無、過去の病歴、そして性交渉の状況(パートナーの数、コンドームの使用など)について詳しく質問します。正直に答えることが、正確な診断への近道です。その後、医師が陰嚢を直接触診し、痛みや腫れの部位、硬さ、熱感などを確認します。この際、陰嚢を持ち上げることで痛みが和らぐかどうかを見る「プレーン徴候」という診察法も行われることがあります(精巣上体炎では痛みが和らぐことが多いとされますが、診断の決め手にはなりません)34。
尿検査・血液検査
尿検査は必須の検査です。尿の中に白血球や細菌がいないかを調べることで、尿路感染症の有無を確認します1。また、性感染症が疑われる場合は、尿を用いてクラミジアや淋菌の存在を調べる高感度の遺伝子検査(NAAT検査)が行われます6。血液検査では、白血球(WBC)の数やCRP(C反応性タンパク)の値を測定し、体内でどれくらいの強さの炎症が起きているかを客観的に評価します1。
画像検査(超音波エコー)
超音波エコー検査(ドップラーエコー)は、精巣上体炎の診断において非常に有用なツールです。この検査では、精巣上体が腫れている様子や、炎症によって血流が増加している状態をリアルタイムで視覚的に確認することができます1。そして、この検査の最も重要な目的は、緊急手術が必要な疾患である「精索捻転症(せいさくねんてんしょう)」との鑑別です。精索捻転症は、精巣へ向かう血管がねじれて血流が途絶えてしまう病気で、発症から数時間以内に手術を行わないと精巣が壊死してしまう可能性があります3。症状が精巣上体炎と非常によく似ているため、超音波エコーで精巣への血流が保たれていることを確認することが、極めて重要なのです。
精巣上体炎の治療法:国際標準の知識
精巣上体炎の治療は、迅速かつ的確に行うことが、早期の症状改善と合併症予防のために不可欠です。治療は主に「原因菌を叩く抗菌薬療法」「症状を和らげる対症療法」「パートナーへの配慮」という3つの柱で成り立っています。
治療の3本柱
1. 抗菌薬(抗生物質)による原因療法
細菌感染が原因である精巣上体炎の治療の根幹は、原因となっている細菌を確実に殺菌する抗菌薬(抗生物質)の投与です。どの抗菌薬を選択するかは、推定される原因菌によって異なります。以下に、CDCやEAUといった国際的なガイドラインで推奨されている標準的な治療レジメンを示します68。
原因/リスク群 | 第一選択薬レジメン(国際標準) | 治療期間の目安 | 根拠となるガイドライン |
---|---|---|---|
性感染症(クラミジア/淋菌) | セフトリアキソン 500mg~1g 単回筋注/静注 + ドキシサイクリン 100mg 1日2回 内服 |
10~14日間 | CDC 20216, EAU 20248 |
尿路感染症(腸内細菌) | レボフロキサシン 500mg 1日1回 内服 | 10日間 | CDC 20216 |
腸内細菌(肛門性交リスク) | セフトリアキソン 500mg~1g 単回筋注/静注 + レボフロキサシン 500mg 1日1回 内服 |
10日間 | CDC 20216 |
補足:日本の臨床現場では、細菌検査の結果や医師の判断に基づき、ニューキノロン系や他のセフェム系の抗菌薬が選択されることもあります20。しかし、近年世界的に薬剤耐性菌(薬が効きにくい菌)が増加しているため、特に性感染症が疑われるケースでは、国際的なガイドラインに準拠した治療が標準とされつつあります。医師から処方された抗菌薬は、症状が改善しても自己判断で中断せず、必ず指示された期間を最後まで飲み切ることが重要です。
2. 症状を和らげる対症療法
抗菌薬による原因療法と並行して、つらい症状を緩和するための対症療法も非常に重要です。これにより、回復を早め、快適に過ごすことができます。
- 安静:痛みや腫れが強い急性期は、できるだけ安静にして過ごすことが推奨されます。仕事や学業も可能であれば数日間休み、体を休めることに専念しましょう3。
- 陰嚢挙上:陰嚢の下にタオルを丸めて敷くなどして、陰嚢を心臓より高い位置に保つ(陰嚢挙上)ことで、うっ血が改善し、腫れや痛みが和らぎます3。
- 冷却(アイシング):痛みや熱感が強い最初の24〜48時間は、タオルで包んだ保冷剤などで陰嚢を1回15分程度、1日に数回冷やすと、炎症と痛みを抑えるのに効果的です3。
- 鎮痛薬の使用:痛みがつらい場合は、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用することで、痛みと炎症を効果的に和らげることができます3。
3. パートナーの治療の重要性
性感染症(クラミジアや淋菌)が原因と診断された場合、あなた自身が治療を受けるだけでは不十分です。ご自身が治っても、性的パートナーが感染したままであれば、性交渉を再開した際に再び感染してしまいます。これを「ピンポン感染」と呼びます。完治のためには、症状の有無にかかわらず、必ずパートナーにも検査を受けてもらい、必要であれば同時に治療を行うことが不可欠です15。これは、ご自身と大切なパートナーの健康を守るための、非常に重要な責任です。
合併症と後遺症:不妊のリスクは本当か?
精巣上体炎を放置したり、治療が不適切だったりすると、短期的な痛みだけでなく、長期的な問題を引き起こす可能性があります。特に多くの方が心配されるのが、男性不妊への影響です。
男性不妊
精巣上体は精子が成熟し、通過する唯一の通り道です。そのため、両側の精巣上体に強い炎症が起こり、その結果として管が瘢痕化して完全に詰まってしまう(閉塞)と、精巣で作られた精子が体外に出ることができなくなり、「閉塞性無精子症」という男性不妊の直接的な原因となる可能性があります5。これは精巣上体炎の最も深刻な合併症の一つです。片側だけの精巣上体炎であれば不妊になるリスクは低いですが、ゼロではありません。この重大なリスクを回避するためにも、症状に気づいたらできるだけ早く、適切な治療を開始することが極めて重要なのです。
その他の合併症
- 膿瘍形成:炎症が非常に強く、細菌が増殖し続けると、精巣上体や陰嚢内に膿が溜まった袋(膿瘍)を形成することがあります。この状態になると、抗菌薬だけでは治癒が難しく、皮膚を切開して膿を排出する外科的な処置が必要になる場合があります22。
- 精巣萎縮:精巣上体の強い炎症が隣接する精巣にまで波及し、精巣への血流が障害されると、まれに精巣が萎縮してしまうことがあります22。
- 慢性疼痛:急性期の炎症が治まった後も、数ヶ月以上にわたって陰嚢の鈍い痛みが後遺症として残ることがあります。これは慢性精巣上体炎と呼ばれ、生活の質を大きく損なう厄介な状態です1。
再発を防ぐために日常生活でできること
一度精巣上体炎にかかると、再発を心配される方も少なくありません。原因に応じた適切な予防策と、健康的な生活習慣を心がけることで、再発のリスクを大幅に減らすことができます。
原因に応じた予防策
- 性感染症が原因だった場合:今後の性交渉では、必ずコンドームを最初から最後まで正しく使用することが最も効果的な予防策です。また、不特定多数のパートナーとの性的接触は感染リスクを高めるため、避けることが賢明です3。
- 尿路感染症が原因だった場合:細菌が尿路に停滞しないようにすることが重要です。日頃から十分に水分を摂取し、尿意を感じたら我慢せずに排尿する習慣をつけましょう4。前立腺肥大症など、排尿障害の原因となる持病がある場合は、その治療をきちんと継続することも再発予防に繋がります。
免疫力を高める生活習慣
特定の原因だけでなく、体全体の抵抗力(免疫力)を高めることも、あらゆる感染症の予防に繋がります。
- ストレス管理:過度なストレスは免疫力を低下させます。趣味や運動など、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。
- 十分な睡眠と栄養:睡眠不足や栄養バランスの偏りは、体の防御機能を弱めます。規則正しい生活と、バランスの取れた食事を心がけてください。
- 長時間の座位を避ける:日本のビジネスパーソンに多い長時間のデスクワークや、通勤電車での立ちっぱなしといった生活習慣は、陰嚢内の血流を悪化させ、うっ血を引き起こす可能性があります。これは、特に慢性精巣上体炎の鈍い痛みを増強させる一因となり得ます4。対策として、オフィスでは1時間に一度は立ち上がって軽くストレッチを行う、座る際には圧迫を軽減するクッションを利用する、といった身近な工夫が症状の緩和に繋がります。
よくある質問 (FAQ)
Q1: 精巣上体炎は自然に治りますか?
A1: いいえ、細菌感染が原因の場合、自然治癒は期待できません。人間の免疫力だけで細菌を完全に排除することは難しく、放置すると炎症が悪化し、膿瘍形成や不妊といった重篤な合併症を引き起こすリスクが非常に高くなります。症状に気づいたら、必ず抗菌薬による治療を受けるために医療機関を受診してください2。
Q2: 治療中に性交渉はできますか?
A2: 治療中は性交渉を避けるべきです。性的な興奮や射精は、炎症を起こしている精巣上体に刺激を与え、症状を悪化させる可能性があります。また、性感染症が原因の場合、治療が完了するまではパートナーに感染させてしまうリスクが残ります。医師から完治の診断を受け、許可が出るまでは控えてください2。
Q3: 治療後もしこりが残っていますが、大丈夫ですか?
A3: 強い炎症が治った後、その痕跡(瘢痕)として精巣上体の一部が硬いしこりとして触れることは、非常によくあります。このしこりは数週間から数ヶ月かけて徐々に小さくなり、自然に消えていくことがほとんどです。痛みがなく、大きさが変わらない、あるいは小さくなる傾向にあれば、通常は心配ありません。しかし、痛みが再発したり、しこりが大きくなったりするような場合は、再発や他の病気の可能性も考えられるため、再度受診して専門医の診察を受けてください2。
Q4: 何科を受診すればよいですか?
結論
精巣上体炎は、突然の激しい痛みと腫れで発症し、多くの男性に大きな不安をもたらす疾患です。しかし、その正体は細菌感染であり、原因を正しく突き止め、国際的な標準治療に則った適切な抗菌薬治療を早期に開始すれば、多くの場合、深刻な後遺症を残すことなく治癒が可能です。最も重要なメッセージは、「陰嚢の痛みや腫れといった症状を自己判断で放置しないこと」、そして「速やかに専門医である泌尿器科を受診すること」です。性感染症が背景にあることも多いため、パートナーへの配慮も忘れてはなりません。この記事で得た知識が、あなたの抱える不安を和らげ、ご自身の健康を守るための正しい一歩を踏み出すための一助となることを、JAPANESEHEALTH.ORG編集部一同、心から願っています。
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