精緻な超音波検査で知るべき男性の健康情報
男性の健康

精緻な超音波検査で知るべき男性の健康情報

はじめに

男性にとって大切な生殖器である精巣(精子をつくる臓器)や、それを包む陰嚢(いんのう)の状態を正しく把握し、必要に応じて早期に医療機関を受診することは、将来の生殖能力や全身の健康を守るうえで極めて重要です。なかでも近年、精巣や陰嚢に違和感や痛みを覚えたり、健康診断で異常を指摘された際に受ける検査として広く行われているのが精巣(陰嚢)超音波検査です。日本でも、泌尿器科や総合病院、クリニックなどで比較的気軽に受けられる検査ですが、実際に検査をすすめられると「痛みはあるのか」「放射線被ばくはないのか」「何が分かるのか」といった不安や疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

本記事では、精巣超音波検査とはどのようなものなのか、どのような流れで検査が行われ、何を診断する手がかりになるのか、そして検査後どのような治療や対処法が考えられるのかを徹底的に解説します。さらに、最近の国内外の研究結果(※信頼性が高い査読付き論文)から得られた知見も交えながら、その有用性や安全性についても詳しく紹介していきます。男性の健康を守るうえで極めて重要とされる精巣超音波検査について、専門的な知識を持つ医師の視点をふまえつつ、分かりやすくまとめた内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

専門家への相談

本記事で取り上げる精巣超音波検査に関しては、泌尿器科医などの専門家が日常的に行っている検査手法です。実臨床では、検査結果に基づいて内科的治療(薬物療法)や外科的治療(手術療法)が検討されます。泌尿器科専門医をはじめ、検査画像を判読する放射線科医・超音波検査技師などの協力体制のもとで診療方針が決定されることが多く、患者の症状や年齢、合併症などに応じて治療方法を柔軟に変えていきます。もし検査や治療について詳しく知りたい場合は、かかりつけ医や泌尿器科専門医に相談し、自身の健康状態に合った最新情報を得ることをおすすめします。

精巣超音波検査(陰嚢超音波検査)とは何か

精巣超音波検査は、陰嚢(いんのう)の内部組織である精巣(睾丸)と、その周囲の構造や血流の状態などを調べるために行われる画像診断です。超音波(エコー)を用いることで、放射線被ばくの心配がなく、痛みもほとんどなく、安全かつ簡便に検査できるのが特徴です。陰嚢部にジェルを塗り、超音波プローブ(探触子)を当て、リアルタイムで精巣内部の状態や血流動態を観察します。

  • 非侵襲的:針を刺すなどの侵襲はなく、身体への負担が非常に少ない。
  • 被ばくなし:レントゲンのような放射線を使わないため、放射線被ばくのリスクはゼロ。
  • 即時性:検査中にリアルタイムで画像を確認できるので、結果がすぐに分かる。
  • 汎用性:炎症や腫瘍、血流異常など、さまざまな疾患のスクリーニングに有用。

日本では比較的どの年代の男性でも受けられる検査であり、特に陰嚢の腫れ痛みを自覚したとき、あるいは定期健診や他の検査で異常が疑われたときなどに行われます。

なぜ精巣超音波検査が広く選ばれるのか

精巣・陰嚢の病気は多岐にわたります。例えば、感染症(精巣上体炎・副睾丸炎など)、精巣捻転(精索捻転)、水腫・嚢胞、静脈瘤(精索静脈瘤)、腫瘍(精巣腫瘍)など、原因や症状も様々です。触診だけでは精巣内部の病変や血流異常を判別しづらい場合も多く、そのようなときに精巣超音波検査が有効です。簡単に行えるうえ、リアルタイムで血流を見ることもでき、以下のようなメリットがあります。

  • 腫瘍の有無や性質の推定:腫瘍が固形性か嚢胞性かをある程度評価でき、良性か悪性かの目安を得やすい。
  • 血流評価:カラードップラー法を組み合わせることで、血液がどの程度流れているか確認可能。精巣捻転などの早期救命が必要な病態を素早く発見できる。
  • 炎症性疾患の範囲把握:炎症がどこまで広がっているか、周辺組織への波及などを推定する手がかりとなる。

このように、安全性・即時性・正確性の3つがそろった精巣超音波検査は、陰嚢内に異常が疑われるときの“第一選択”の検査として定着しています。

どのような症状・状況で精巣超音波検査が必要になるか

実臨床では、以下のような症状・状況で精巣超音波検査が頻繁に行われます。

  • 陰嚢の腫れや痛み:慢性的または急性的な痛みを訴える患者への診断に有用。
  • 精巣上体炎や副睾丸炎が疑われる:細菌感染や尿路感染が影響し、腫れ・発熱・痛みなどがある場合。
  • 精巣捻転(精索捻転)が疑われる:突然の激痛・嘔気・発熱などを伴う急性症状。急いで鑑別しないと精巣の血流が途絶し、不可逆的障害につながる恐れがある。
  • 精索静脈瘤が疑われる:陰嚢の血管が拡張する病態。特に左側に多いとされ、触診で「ゴムホース状のしこり」を感じるときなど。
  • 精巣腫瘍が疑われる:悪性の場合は放置すると早期転移のリスクがあるため、画像診断で性質を早期に評価することが大切。
  • 水腫・嚢胞など液体貯留が疑われる:陰嚢が腫れているものの、痛みが軽度または不明瞭な場合、液体貯留の可能性をチェックする。

また、不妊の原因検索の一環として、精巣自体の構造異常や血流の状態、炎症などを調べるために精巣超音波検査が行われることもあります。

症状発見のきっかけと受診

日本人男性の多くは、日常的に陰嚢や精巣を自己点検する習慣があまり根付いていないとされます。しかし近年では、セルフチェックの重要性が広く叫ばれ、陰嚢の腫れやしこり、違和感などがあれば早めに泌尿器科を受診するケースが増えています。特に以下のような場合には検査が推奨されることが多いです。

  • 入浴時や下着の着脱時に精巣のしこりや腫れを発見した。
  • 急な陰嚢痛が起こり、痛みがなかなかおさまらない。
  • 発熱排尿時の違和感を伴い、陰嚢も赤く腫れている。
  • スポーツや事故による外傷で陰嚢に強い衝撃を受けた。

これらの状況では、単なる打撲や疲労と決めつけず、泌尿器科や総合病院の救急外来などで医師の判断を仰ぐことが大切です。精巣超音波検査の結果によって、薬物治療で改善できるものか、あるいは外科的手術が必要かなどを適切に判断できます。

精巣超音波検査の具体的な流れと注意点

ここからは、実際に精巣超音波検査を受けるときの流れや注意事項について、より詳しく説明します。検査を受ける側があらかじめ知っておくと、精神的な負担を軽減し、スムーズに検査へ臨めます。

  1. 衣服の着脱と準備
    患者は病院やクリニックで渡された検査着などに着替えます。陰嚢をしっかり観察できるよう、腰から下の衣服を脱ぐ必要がありますが、プライバシーに配慮してタオルやシーツをかけてくれる施設がほとんどです。
  2. 検査台で仰向け
    ベッドに仰向けの状態で寝て、両脚を軽く開きます。必要に応じて陰嚢を下からタオルやバンドなどで支え、プローブが当てやすいように固定します。
  3. ゼリーの塗布
    超音波検査に用いられる透明なゼリーを陰嚢部に塗布します。このゼリーは超音波を透過させやすくし、皮膚とプローブの間の空気を除去する役割があります。冷たさを感じることはあっても、痛みはありません。
  4. プローブでスキャン
    検査技師または医師がプローブを当てて、画面を見ながら陰嚢や精巣の内部を観察します。通常の白黒画像に加え、カラードップラー(血流をカラーで表示する機能)があれば血液の流れも同時に評価できます。痛みを感じるほど強く押すことはほぼありませんが、炎症などで患部が敏感になっている場合は多少の圧迫感があるかもしれません。
  5. 検査時間
    検査自体は通常20~30分程度で終了します。両側の精巣をくまなくスキャンし、必要があれば周辺組織(精巣上体や精索など)も確認します。
  6. 着替えと終了
    検査が終わったらゼリーを拭き取り、元の服装に着替えて終了です。検査後は特に安静や飲食制限はなく、すぐに日常生活へ戻れます。

検査の注意点

  • 痛みや緊張:炎症が強い場合、プローブが触れたときに違和感や軽い痛みを伴うことがある。痛みが強い場合は、遠慮なく検査技師や医師に伝える。
  • 事前の剃毛:一般的には必要ないが、陰毛が多いとゼリーが塗りにくい場合もある。施設によっては事前に指示があるかもしれない。
  • 薬や麻酔は不要:侵襲的検査ではないため、麻酔や鎮痛薬を使う必要はない。特別なリスクも極めて少ない。
  • 運動や入浴制限も不要:検査直後から普段の生活に戻れる。特に制限や注意事項はない。

精巣超音波検査で分かる主な疾患と治療の流れ

続いて、実際にこの検査によってどのような異常が発見でき、治療はどう進むのかを解説します。精巣や周辺組織の病変は、早めに対処することで重症化を防ぎ、不妊や全身合併症リスクを下げることにつながります。

1. 炎症性疾患:精巣炎・精巣上体炎(副睾丸炎)

  • 症状:痛み、発熱、腫れ、発赤などが典型的。
  • 精巣超音波検査所見:腫れた精巣や精巣上体(副睾丸)が大きく映り、ドップラーで血流が増加する。
  • 治療:細菌感染が疑われる場合は抗生物質投与。重症例では点滴治療、痛みに対しては鎮痛薬・冷却など。

新しい知見・研究例

近年(2020年以降)の国内外のガイドラインでも、細菌性精巣上体炎に対しては早期の抗生物質治療が推奨されています。また、ドップラー検査による血流パターンの評価が、炎症か捻転かを迅速に判別するうえで極めて重要だとされています(参考文献[3])。

2. 精巣捻転(精索捻転)

  • 症状:急性の激しい痛み、嘔気、発熱など。放置すると数時間で精巣が壊死する可能性がある。
  • 精巣超音波検査所見:カラードップラーで血流が途絶している、または極端に低下していることが示される。
  • 治療緊急手術が原則。場合によっては手術前に手技的に捻転を戻す試み(徒手整復)をするが、再発防止のため外科的固定(精巣固定術)が推奨される。

新しい知見・研究例

捻転の発症から手術までの時間が6時間以内なら予後が良好という報告が多いことは以前から知られていますが(参考文献[3])、2020年代の研究でも、12時間を超えると精巣温存率は急激に低下するというエビデンスが再確認されています。日本の救急医療現場でも、緊急度の高い症例として扱われる傾向です。

3. 精索静脈瘤

  • 症状:陰嚢の「だるさ」、表面にコブ状の血管を触れるなど。無症状の場合もあるが、不妊の原因になる可能性あり。
  • 精巣超音波検査所見:拡張した静脈が多数映り、カラードップラーで逆流所見を確認できる。
  • 治療:軽度の場合は経過観察。症状が強かったり、不妊の原因と考えられる場合は外科的治療(結紮術など)が選択肢となる。

新しい知見・研究例

2021年に発表されたメタアナリシスでは、精索静脈瘤の手術治療が男性不妊の改善に寄与する可能性が示唆されています。とくに高度な静脈瘤の場合、血液の逆流や高温状態が精巣機能を損なうリスクが高いため、早期手術が妥当とする医師も増えています。

4. 水腫・嚢胞

  • 症状:痛みは軽度の場合が多いが、陰嚢が膨らむ、重さを感じるなど。
  • 精巣超音波検査所見:液体貯留部分が暗く映り、透過性が高い。または嚢胞状の構造が確認される。
  • 治療:無症状か軽度の場合は定期的な経過観察。大きくなる・痛みが増すなどの症状がある場合には穿刺や手術で液体を除去。

5. 精巣腫瘍(良性・悪性)

  • 症状:初期は自覚症状に乏しいが、精巣のしこり・陰嚢の腫張などで気づくことがある。
  • 精巣超音波検査所見:固形腫瘍の場合、内部エコーが不均一になったり血流が増加するなどの特徴を示す。
  • 治療:悪性が疑われる場合は外科的摘出が基本となり、その後の病理検査やステージ判定によって化学療法・放射線療法を検討する。

新しい知見・研究例

欧米を中心に、精巣腫瘍は若年成人男性の主要な悪性腫瘍の一つと位置づけられています。日本国内でも増加傾向が指摘されており、カラードップラーを用いた早期発見・早期手術の重要性が強調されています。腫瘍マーカー(AFP、hCGなど)と組み合わせることで診断精度が向上する点も確認されています。

カラードップラーの重要性

先述のように、血流の有無を可視化できるカラードップラー機能を備えた超音波検査は、急性陰嚢症(急性の痛みや腫れを伴う病態)の鑑別診断において極めて重要です。特に精巣捻転は時間との戦いであり、捻転を否定できれば余計な緊急開腹手術を回避できるメリットがあります。また、腫瘍の血流分布を把握することで、悪性度の推定にも役立ちます。

検査結果をもとにした治療方針

精巣超音波検査の結果を踏まえ、担当医は次のようなステップで治療方針を検討します。

  1. 疾患の確定診断
    超音波画像と症状、必要に応じて血液検査や尿検査、腫瘍マーカー検査などを併用し、最終的に診断を確定します。
  2. 治療の優先度と緊急度の評価

    • 精巣捻転や重度感染症のように緊急手術が必要か。
    • 腫瘍が疑われる場合は早期手術か、経過観察が可能か。
    • 小規模な水腫や嚢胞など、症状が軽い場合は経過観察か。
  3. 治療法の選択

    • 内科的治療(抗生物質や消炎鎮痛薬など)のみで対応できるか。
    • 外科的治療(開腹や腹腔鏡、顕微鏡下手術など)が必要か。
    • 放射線治療や化学療法が必要な腫瘍のステージか。
  4. 長期フォローアップ
    再発リスクや合併症リスクを踏まえ、一定期間ごとに超音波検査を含む定期受診を行うことが推奨されるケースもあります。不妊に対しては生殖医療(人工授精や体外受精など)を視野に入れる場合もあり、医師と十分な相談が必要です。

検査の安全性と合併症のリスク

超音波検査全般にいえますが、精巣超音波検査は身体への侵襲性が非常に低いと考えられています。放射線を用いないため、X線検査やCT検査のような被ばくの心配がありません。また、針を刺すわけではないので出血や感染リスクはほぼなく、アレルギーを起こす薬剤も使わないため副作用もありません。

  • 不快感・痛み:炎症が強い場合などは、プローブが触れることで軽度の痛みを感じる場合はあるが、医師や検査技師とコミュニケーションを取りながら行えば大きな苦痛にはならないことが多い。
  • 合併症:通常、検査が原因で新たに合併症が生じるリスクはきわめて低い。
  • 年齢制限:小児~高齢者まで広く適応できる。むしろ小児の精巣捻転や陰嚢水腫の発見に有益。

日本での臨床実践と研究動向

日本の医療機関では、泌尿器科、放射線科、あるいは総合病院の救急外来などで精巣超音波検査が日常的に行われています。特に、以下のような視点から研究や診療ガイドラインの見直しが進んでいます。

  • 救急外来での迅速評価:急性陰嚢症が疑われる患者に対して、所見を見逃さないためのプロトコルが整備されつつあり、緊急度の高い疾患(精巣捻転など)を早急に除外または診断確定するアルゴリズムが注目されています。
  • 男性不妊との関連:精巣超音波検査によって発見される精索静脈瘤や慢性炎症が不妊の原因となる可能性が示されており、適切な介入が妊孕性改善につながるかどうかの研究が進んでいます。
  • 腫瘍マーカーとの併用:精巣腫瘍の早期発見には腫瘍マーカーと画像診断の併用が標準的アプローチとなっており、研究が活発です。悪性度の評価や再発リスク予測を高精度で行うための新たな超音波技術の開発も検討されています。

患者の生活面での注意とサポート

  1. 検査前後の生活

    • 検査当日の飲食制限は通常なく、終了後はすぐに帰宅できる。
    • 日常生活への制限も基本的になく、入浴も問題ない。
  2. 再発予防とセルフチェック

    • 炎症が収まった後でも油断せず、自己触診で違和感を感じたら早めに病院へ。
    • 術後経過観察が必要な場合は、定期的に通院し、再発や合併症を早期に発見する。
  3. 不安の軽減

    • 検査自体は痛みや被ばくがほとんどなく短時間で終わるため、必要以上に怖がる必要はない。
    • 分からないことは担当医や検査技師に質問し、納得したうえで検査を受けると安心度が高まる。

参考文献

結論と提言

精巣超音波検査は、男性の生殖器である精巣やその周囲構造を安全かつ正確に評価できる必須の検査手法です。放射線による被ばくリスクがなく、痛みもほとんどないため、陰嚢の腫れ、痛み、違和感、あるいは不妊の原因を探る際など幅広い状況で第一選択として活用されています。とくに、急性の強い痛みを伴う精巣捻転や腫瘍性病変の早期発見においては命(精巣機能)に関わる可能性もあるため、迅速な超音波検査が極めて重要です。

一方で、検査だけでは確定診断が困難な場合や、悪性腫瘍の疑いが強い場合には、血液検査(腫瘍マーカー)やMRI検査、生検など追加検査が必要になります。最終的には医師が総合的に判断したうえで、薬物療法・手術・放射線療法などの治療方法が選択されます。また、治療後のフォローアップとして定期的に同じ検査を受けることで、再発や合併症の早期発見につなげることができます。

本記事は男性の健康管理の一助となるべく情報を提供する目的でまとめたものであり、診断や治療を行うものではありません。ご自身の症状や状態に合わせた正確な判断や治療方針の決定は、必ず医師(泌尿器科専門医など)の診察を受けてください。

医師への相談と注意喚起

  • 本記事で紹介した情報はあくまでも参考であり、個々の患者さんに最適な治療法やケア方法は、症状の重症度や合併症、ライフスタイルなどに応じて異なります。
  • 陰嚢の腫れや痛みは放置すると不妊や組織障害の原因になることもあるため、異変を感じたら早めに専門医を受診してください。
  • 海外の研究や日本国内のガイドラインも日々更新されており、新しい治療法や手術技術が登場する可能性があります。定期的に専門家へ相談し、最新情報を得ることが大切です。

(以上)

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