緑内障患者のための適切な食事療法と栄養管理法
眼の病気

緑内障患者のための適切な食事療法と栄養管理法

はじめに

緑内障(りょくないしょう)は、多くの人に視力低下や失明のリスクをもたらす深刻な目の病気です。この病気は視神経に影響を与え、進行がゆるやかである反面、症状がはっきりと出にくいため、気づいたときには視野が大きく損なわれている可能性があります。早期に発見し適切な治療を開始することが視力を守るうえで非常に重要ですが、実は日々の食生活や栄養管理によって、その進行を遅らせたり、視力を保護したりできる可能性があります。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

本記事では、緑内障の管理に役立つ食事や栄養素について詳しく解説するとともに、日常生活における注意点や推奨される習慣を紹介します。食事と視力保護の関係を理解し、日々の食卓や生活習慣に取り入れることで、より良い視野を保ち、長期的な生活の質を維持する助けになることを期待しています。

専門家への相談

本記事では、緑内障研究財団などの医療機関が提供する情報を参考にして、科学的根拠に基づく正確な情報を示しています。緑内障は個々の状態によって最適な治療法や管理法が異なる可能性がありますので、具体的な治療やケアに関しては医師や専門の医療機関に相談することが推奨されます。また、本記事で紹介する情報はあくまでも参考であり、各個人の症状や体質に応じた専門家の判断が重要です。

緑内障と栄養の関係

緑内障は、眼圧の上昇だけでなく、血流障害や酸化ストレス、自己免疫反応、有害物質の蓄積など、複数の要因が複雑に絡み合って生じる病気とされています。いわゆる「非眼圧関連要因」も、緑内障の進行に影響を与える大きな要素となり得るため、これらに対しても栄養学的にアプローチできる可能性が示唆されています。たとえば、酸化ストレスを軽減する抗酸化物質を多く含む食品を意識的に摂取することは、視神経の保護につながる可能性があります。

さらに肥満は、体内で生じる炎症反応や酸化ストレスを高める一因となり、眼内液の排出を阻害して眼圧を上昇させるリスクを高めると指摘されています。日常的に栄養バランスの良い食事をとり、適正な体重を維持することは、緑内障の予防や進行抑制においても有用です。また、近年、全身の心血管リスクを下げることが結果的に緑内障リスクの低減にも寄与する可能性があるとする報告もあり、生活習慣全般の改善が目の健康維持につながると考えられています。

なお、2020年に英国を中心とした複数の研究チームが行った系統的レビューでは、抗酸化作用をもつ食材や低GI(グリセミック指数)食品を日常的に取り入れることで、眼圧に悪影響を与える血糖コントロール不良や動脈硬化のリスクを軽減できる可能性が示唆されています。これは動脈硬化などの血管障害が眼底血流にも悪影響を及ぼすため、視神経に十分な血液供給が行われず、緑内障の進行を促す要因になり得ることと関連すると考えられています。

緑内障患者に推奨される栄養素

緑内障の進行を遅らせ、視力保護に役立つとされる栄養素はいくつか存在します。そのなかでも重要とされるものを以下に挙げ、どのような作用によって目を守るのかを解説します。

  • ビタミンA
    網膜の視細胞を保護し、暗所での視力維持にも関与する栄養素です。にんじんやほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富に含まれています。日本の日常食では野菜の摂取が不足しがちになる傾向があり、意識的に取り入れることが推奨されます。
  • ビタミンC
    強力な抗酸化作用を持ち、酸化ストレスから視神経を保護します。柑橘類(オレンジ、レモン)、パプリカ、キウイフルーツなどに多く含まれ、特に生の状態で摂取することで効果的にビタミンCを取り入れることができます。ビタミンCは水溶性で体内に蓄積しにくいため、こまめに摂取することが望ましいとされます。
  • 抗酸化物質(ルテイン、ゼアキサンチンなど)
    自由基を除去し、黄斑部や視神経を守る重要な役割を担います。ケールやほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれており、とりわけ目の黄斑部に高濃度に存在するため、紫外線やブルーライトなどの有害光から目を保護するとされています。最近の栄養学的研究では、これらの抗酸化物質と視覚機能の関連について、さらなる調査が進められています。
  • フラボノイド
    植物に含まれるポリフェノールの一種で、神経細胞の保護や血流の改善に寄与します。緑茶やカカオ含有量の高いダークチョコレートに豊富に含まれ、適度に摂取することで血行促進や酸化ストレス低減が期待されます。特に緑茶に含まれるカテキン類は、抗炎症作用や血管保護作用の報告があり、定期的に緑茶を飲む習慣は健康全般に良い影響をもたらすと考えられています。
  • 銀杏抽出物(ギンコバイロバ)
    血流を改善し、視神経への血液供給を向上させる効果があるとされます。緑内障の進行を緩やかにし、視覚機能を保護する可能性があるといわれており、サプリメントとして取り入れている方も多くみられます。ただし、服用量や相互作用に注意が必要な場合もあるため、使用を検討する場合は医師への相談が推奨されます。
  • 不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)
    心血管の健康をサポートし、体内の炎症を抑える働きをもつ必須脂肪酸です。特にオメガ3脂肪酸(サーモンやイワシ、くるみ、亜麻仁油などに多く含まれる)は視神経保護との関連も指摘されており、週に複数回の魚介類の摂取や適度なくるみの摂取は目の健康維持に有益と考えられています。

これらの栄養素を組み合わせながら摂取することで、視神経の酸化ストレスや炎症を抑制し、眼圧上昇をはじめとするリスク要因を軽減することが期待できます。

緑内障患者に推奨される食事

果物と野菜

果物や野菜には、目の健康を支える抗酸化物質が豊富に含まれています。酸化ストレスは視神経細胞の損傷につながりやすいため、日常的に十分な量の果物や野菜を摂ることが推奨されます。

  • 緑黄色野菜
    ケール、ブロッコリー、にんじんなどには、ビタミンAやルテインなど目の機能維持に不可欠な栄養素が多く含まれています。特にケールに多量に含まれるルテインとゼアキサンチンは、黄斑部を保護する重要な成分とされています。日本の食卓でよく使われるほうれん草や小松菜にも同様の効果が期待できます。
  • カラフルな果物
    オレンジや桃、アプリコットなどはビタミンCを多く含む代表例です。ビタミンCは水に溶けやすく体外に排出されがちなので、こまめに果物を取り入れることで酸化ストレスから目を保護すると同時に、全身の免疫力を高める効果も期待できます。たとえば、小腹が空いたときに手軽に食べられるキウイフルーツなども視神経保護の観点から良い選択肢です。

高タンパク食材

タンパク質は体中の細胞を構成する基礎となる栄養素で、視神経を含む神経細胞の再生や代謝を支えます。とくに以下の食材には視力維持に役立つ成分が複合的に含まれています。

  • シーフード(魚介類)
    サーモンやマグロなどの魚介類は、オメガ3脂肪酸が豊富で、血流改善や炎症抑制に寄与します。緑内障だけでなく、脳や心臓の健康にも良い影響を与えるとされ、週に2〜3回の摂取を目安とすることが推奨されます。一方、過度に加工された魚介類(塩漬けや油漬けなど)は塩分や脂質が過剰になる場合があるため、できるだけ生や焼き、蒸しなど調理法を工夫すると良いでしょう。
  • ナッツや全粒穀物
    アーモンド、くるみ、大麦、玄米などにはビタミンEや食物繊維が多く含まれています。ビタミンEは脂溶性の抗酸化ビタミンであり、細胞膜を保護し、視神経へのダメージを軽減すると考えられています。食物繊維は血糖値の急上昇を抑え、健康的な体重管理にも役立つため、全粒穀物やナッツを毎日の食事に少量ずつ取り入れることが望ましいとされています。
  • ベリー類
    イチゴやブルーベリーなどのベリー類は、ポリフェノールやビタミンCなど、抗酸化作用の高い成分を豊富に含みます。ブルーベリーに含まれるアントシアニンが眼底部の血流改善につながるという報告があり、欧州では昔から夜間視力の向上などを期待して摂取されてきた歴史があります。毎日の軽食やデザートとして、ヨーグルトに混ぜたりそのまま食べたりすると効率良く摂取できます。
  • ダークチョコレート
    カカオ含有量70%以上のダークチョコレートにはフラボノイドが豊富に含まれています。適度な量(1日20g程度)であれば酸化ストレス軽減に役立ち、視神経保護にも寄与する可能性があります。ただしチョコレートは脂肪や糖分も含むため、摂り過ぎには注意が必要です。

飲料や水分の摂り方

緑茶に含まれるカテキンやコーヒーのクロロゲン酸などは抗酸化作用をもちますが、カフェインが眼圧を上げる可能性があるため、緑内障の患者は過剰な摂取を避けるほうが無難です。コーヒーを好む場合は1日2杯程度に抑え、水分補給としてはカフェイン含有量が少ない麦茶やルイボスティーなどを中心にすると良いでしょう。

水分補給は、一度に大量の水を摂ると眼圧が急激に変動する恐れがあるため、こまめに少量ずつが基本です。特に運動や入浴後などに脱水気味になると血液の粘度が上がり、視神経への血流が滞りやすくなる可能性があるため、意識して水分を摂ることが求められます。

緑内障患者が避けるべき食材

緑内障の進行を抑えるためには、推奨される食品を積極的に摂る一方、避けるべき食品や習慣にも注意を払う必要があります。

  • 塩分過多の食品
    塩分の過剰摂取は高血圧の原因となり、血管へ負担をかけ、眼圧の上昇に結びつく可能性があります。加工食品、インスタント食品、外食メニューなどは塩分が多いケースが多いため、ラベル表示をチェックし、減塩製品を選ぶなどの工夫が重要です。
  • 過剰なカフェイン摂取
    一時的に眼圧を上昇させる可能性が指摘されているため、コーヒーやエナジードリンクを過度に摂取するのは避けたいところです。個人差はあるものの、緑内障のリスクを軽減する意味では1日2杯程度までにとどめる、あるいはカフェインレスコーヒーを選ぶなどの工夫が考えられます。
  • アルコール類の過剰摂取
    アルコールは血圧に影響を与え、眼圧にも悪い影響を及ぼすことがあります。習慣的な飲酒が過剰になると、緑内障のみならず肝機能障害や生活習慣病など多岐にわたる疾患リスクが高まります。飲酒量のコントロールや週数日の休肝日を設けるなど、自身の体調と相談しながら飲む頻度を調整すると良いでしょう。

生活習慣と視力保護の相乗効果

緑内障の進行リスクを抑えるためには、栄養面だけでなく生活習慣全般を見直すことが大切です。たとえば、睡眠不足やストレスの蓄積はホルモンバランスや血圧に悪影響を与えることがあり、眼圧管理にも悪影響を及ぼす場合があります。規則正しい睡眠リズムを確保し、適度な運動を習慣にすることで、全身の血流改善とともに体重管理が容易になり、結果的に緑内障のリスク軽減や進行抑制につながると考えられます。

さらに、パソコンやスマートフォンを長時間使用する場合には、ブルーライトの影響や目の乾燥に注意が必要です。長時間の画面注視はまばたきの回数を減らし、ドライアイを招く要因となります。ドライアイは眼表面の保護機能を低下させ、眼精疲労を引き起こすだけでなく、角膜や結膜のトラブルを招く可能性があります。20分作業したら20秒ほど目を休ませる、画面から一定の距離を保つなど、作業環境や休憩のタイミングを調整することで視力を守る手助けになるでしょう。

結論と提言

緑内障の予防や進行抑制には、医師の治療や定期的な検診とあわせて、日々の生活習慣の改善が重要です。特に食事面では、抗酸化物質や必須脂肪酸、ビタミン・ミネラルなど、視神経保護に役立つ成分を積極的に摂取することが望ましいとされています。一方で、過剰な塩分・カフェイン・アルコール摂取は、血管や眼圧管理に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な量を心がけることが大切です。

日常の食卓においては、野菜や果物をできるだけバラエティ豊かに取り入れ、高タンパクの魚介類やナッツ、全粒穀物などを組み合わせることで、複数の栄養素を偏りなく摂取できます。また、適度な運動と十分な睡眠、ストレスのコントロールも含め、全身の健康状態を整えることが結果的に視神経保護につながると考えられます。

最後に

緑内障は一度進行すると元に戻すことが難しい側面があるため、早期発見と早期介入が重要です。医療機関での定期検診と、適切な治療計画のもとでの薬物療法を続けながら、食事や生活習慣の改善によって視力を守る努力を重ねるとよいでしょう。健康は一朝一夕で得られるものではなく、日々の積み重ねが大切です。本記事で紹介した内容はあくまでも情報提供を目的としたものであり、具体的な治療やケアについては必ず専門家の判断を仰いでください。緑内障と向き合いながらも、より豊かな生活を送るために、自分の目と全身の健康を総合的に見直し、実践していくことが望まれます。

重要な注意点: この記事の情報は一般的な内容であり、すべての方に当てはまるとは限りません。症状や病状は個人によって異なるため、具体的な診断や治療方針は医師や専門家と相談してください。ここで紹介している方法はあくまで参考情報であり、自己判断による過度な生活習慣の変更は控え、専門家の指示を優先するようにしてください。

参考文献

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