美容の基本:ボディスクラブは1週間に何回がベスト?
皮膚科疾患

美容の基本:ボディスクラブは1週間に何回がベスト?

はじめに

日々のボディケアにおいて、角質ケア(いわゆるボディの角質除去) はとても重要なステップといえます。しかし、「週に何回ぐらいがベストなのか?」「使う製品や肌質によって違うのか?」など、多くの方が疑問を抱いているのも事実です。適切な頻度や方法を知らずに角質を落としすぎると、かえって肌トラブルを招く可能性があります。一方で、まったく角質ケアをしないと、肌のくすみや毛穴づまりの原因になることも。ここでは、肌タイプや使用する方法を踏まえながら、週に何回の角質除去が望ましいか、さらに具体的なケア方法や注意点などを詳しくご紹介します。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

本記事は、Thạc sĩ – Bác sĩ CKI Lạc Thị Kim Ngân(皮膚科専門、Bệnh viện trường Đại học Y Dược Cần Thơ)が監修した内容をもとに作成された情報を含んでいます。肌の角質ケアに関しては医師や薬剤師など専門家のアドバイスが重要です。個人の肌質や生活習慣によって最適な方法や頻度は異なるため、疑問や不安がある方は専門家へ相談することをおすすめします。

角質除去は週に何回が理想か?

まずは多くの方が気になる「ボディの角質除去を週に何回行えばよいのか?」という点について考えてみましょう。結論からいえば、これは肌質使用するケア方法(物理的な角質除去か化学的な角質除去か)によって大きく異なります。

  • 普通肌の場合: 一般的には週1~2回が推奨されます。特に加齢や日常生活のなかで蓄積された古い角質や汚れがたまりやすい場合、週1~2回程度の角質ケアで肌表面をなめらかに保つことが期待できます。
  • 脂性肌(オイリー肌)の場合: 他の肌タイプに比べると皮脂分泌が活発なので、角質ケアの頻度をやや多めにしてもいいとされています。ただし、回数を増やしすぎると皮脂の過剰分泌や刺激過多を招くこともあるため、様子を見ながら週2回程度を目安にしましょう。
  • 敏感肌の場合: 刺激に敏感な肌は、角質除去の頻度を必要に応じてゼロ~月に1回程度まで落とすことが望ましい場合があります。過度な刺激が肌を傷つけ、赤みやかゆみを引き起こすリスクが高いためです。ピーリング系の化学成分を使うケアであっても低濃度、刺激の弱いものを慎重に選ぶことが必要です。

また、この頻度は肌年齢や乾燥状態などでも変化します。特に、肌が乾燥しやすくなってくる年齢層の方は、低刺激の方法を選び、「肌がヒリヒリしないか」「赤みが出ていないか」 をチェックしながら慎重にケアを行うことが大切です。強い力でこすったり、刺激の強い製品を頻回に使うと、肌のバリア機能が低下して小じわや炎症が起こりやすくなります。

ポイント: 使用する角質除去の方法がマイルドなものであれば週1~2回でも問題ありませんが、スクラブ粒子が大きい製品やピーリング力の強い成分を使うときは、月に1回ほど控えめに設定することを検討しましょう。

さらに、冬の乾燥しやすい時期や紫外線ダメージを受けやすい季節など、季節による肌状態も考慮に入れる必要があります。夏場は皮脂や汗の分泌量が増えるため角質ケアが必要になりがちですが、一方で日焼けによって肌が敏感になっている場合には、しばらくお休みするのも一つの方法です。

角質除去方法の種類

角質除去の頻度は、どのような方法で角質を落とすかによっても左右されます。大きく分けると、以下の二つの方法がよく知られています。

1. 物理的な角質除去(スクラブ・ブラシなど)

ボディスクラブ、ブラシ、スポンジ、石けんを含むタオルなどを用いて、肌表面を物理的にこすって角質を除去する方法です。具体的には以下のようなやり方があります。

  • スクラブ製品を使う: 粒子状のスクラブ剤が古い角質をこすり落とす形でケアします。お風呂で体を洗った後にスクラブを適量とり、やさしく円を描くようになじませたうえで洗い流すのが一般的です。
  • 乾いたブラシ(ドライブラッシング)を使う: お風呂に入る前などに乾いた肌を専用のブラシで軽くこすります。血行促進も期待できると言われていますが、力加減を誤ると肌のバリアを損ねる恐れがあるため、敏感肌の方は注意が必要です。

物理的な角質除去は、目に見えて肌がつるつるになる実感を得やすい一方で、摩擦の刺激が大きくなるデメリットがあります。週1~2回を上限とし、赤みやヒリつきが見られる場合は頻度を下げるか、よりマイルドな方法へ切り替えましょう。

2. 化学的な角質除去(AHA・BHA・レチノールなど)

AHA(アルファヒドロキシ酸) や BHA(ベータヒドロキシ酸) などの成分を使って、肌表面の不要な角質を溶かす・剥がれやすくする方法です。主な成分には以下のようなものがあります。

  • AHA(グリコール酸など): 水溶性で、肌表面の古い角質の結合を弱め、ケア後は肌がなめらかになる傾向があります。
  • BHA(サリチル酸など): 油溶性で、毛穴の詰まりや脂質の多い場所の角質ケアに適しています。
  • レチノール: ターンオーバー(肌の再生サイクル)を促進し、古い角質を排出しやすくする働きがあるとされています。

化学的なピーリングは物理的な摩擦が少ないため、刺激がマイルドともいわれますが、高濃度の成分を使うと肌の赤みや乾燥、ピリつきが生じる場合もあります。また、複数のピーリング成分を同時に使うと肌の油分を奪いすぎたり角質を取りすぎたりしてしまうリスクが高まるため、基本的には1種類だけを使うほうが安心です。

注意: 化学的ピーリング剤は使い方を誤ると、肌が極度に乾燥したり、紫外線ダメージを受けやすくなる可能性があります。使用頻度や濃度は、製品の説明書や専門家の指導をよく確認してください。

2021年に米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology Association)が公表したガイドライン(※化学ピーリング全般の基礎知見をまとめたもの)でも、個々の肌の状態を見極めながら低濃度から始めることの重要性が強調されています。肌質やアレルギー歴を把握したうえで、週1~2回以下の低頻度から少しずつ濃度や回数を調整するのが望ましいとされています。

角質除去の際に気をつけること

他のスキンケア製品との併用

角質除去と同時に、レチノイド外用薬やベンゾイルパーオキサイドなど、肌を乾燥させやすい成分を使っている場合は注意が必要です。角質除去を過度に行うと、これらの成分による刺激が倍増し、過剰な乾燥や炎症、ニキビ悪化につながる可能性があります。もし併用する場合は、日をずらしたり、週に1回からゆっくり始めてみるなど、肌の状態を見ながら調整しましょう。

肌タイプに合った方法を選ぶ

  • 乾燥肌や敏感肌、ニキビができやすい肌: 柔らかいタオルやスポンジでやさしく洗う、もしくは刺激の弱いAHAや低濃度のBHAを使った化学的ピーリングを試してみる。スクラブ粒子が大きいものやブラシで強くこする方法は避けるほうが無難です。
  • 脂性肌: ある程度しっかり角質を落としたほうが毛穴づまりや皮脂の過剰分泌を防ぎやすいケースもありますが、やりすぎは禁物です。週1~2回の角質除去を目安に、肌の状態を見ながら調整してください。
  • 色素沈着が起きやすい肌(傷跡が黒ずみやすい肌): 摩擦の強い物理的な方法は、色素沈着の原因となることがあります。化学的ピーリングのほうがリスクを抑えられる場合がありますが、高濃度成分は避け、まずは低刺激タイプから始めるのがおすすめです。
  • 毛孔性苔癬(腕や太ももなどに小さなブツブツができる状態): 物理的と化学的両方のアプローチを組み合わせることで、ブツブツとしたザラつきを軽減できる可能性があります。ただし、強くこすりすぎると炎症を起こすため、やさしい力加減を徹底しましょう。

やさしいタッチを意識する

物理的な角質除去を行うときは、30~60秒程度を目安に、やさしく円を描くように肌をなでるのが基本です。終わったら、ぬるま湯でしっかり洗い流し、必ず保湿剤を塗布することで肌の乾燥を予防します。万が一、赤みやかゆみ、ひりつきが生じた場合は、角質除去をいったん中断し、数日間様子を見てください。

ボディ全体をケアする具体的な手順

角質は全身どこにでも溜まる可能性がありますが、特にひじ・ひざ・かかとなど乾燥しやすい部分や硬くなりやすい部分は、意識的にケアしてあげると効果的です。ここでは一例として、入浴時に行う角質除去のステップをご紹介します。

  1. シャワーや湯船で体を温める
    事前に体を温めると、毛穴が開いて汚れや角質が落としやすくなります。また、肌が柔らかくなることで、スクラブなどの刺激もやわらぐ傾向にあります。
  2. 角質除去製品を使う
    スクラブやピーリング剤を手に取り、円を描くようにやさしく塗布します。力を入れすぎると肌を傷つける恐れがあるため、あくまでも軽いタッチで行うことがポイントです。
  3. ぬるま湯で十分に洗い流す
    製品が肌に残っていると、乾燥や刺激の原因になりやすいので丁寧に洗い流しましょう。
  4. タオルドライ後に保湿
    入浴後は肌の水分が蒸発しやすいため、すぐに保湿クリームやローションを塗りましょう。特に角質ケアを行った後は、肌のバリア機能が一時的に低下しがちなので保湿は必須です。

注意: かかとなど角質がたまりやすい箇所は、週1~2回を目安に集中ケアをすると、ひび割れやガサガサを予防しやすくなります。角質を削りすぎると傷がつくリスクが高まるので、やりすぎに注意してください。

角質除去後に欠かせないアフターケア

角質除去後の肌は、天然の皮脂膜が取り除かれている状態でもあります。そのため、保湿UV対策が欠かせません。

  • 保湿: 角質除去後は、可能な限り速やかにクリームやボディローションを薄く・まんべんなく塗布してあげてください。体全体にしっかり塗るのはもちろん、特に乾燥しやすいひざやひじ、かかと、腕などには重ね塗りすると安心です。
  • 紫外線対策: 肌表面がピーリングされると、紫外線ダメージを受けやすくなる可能性があります。天候や季節に関係なく、できるだけ日焼け止めを塗る、紫外線を遮る衣服を着るなどの対策を行うことで、色素沈着やシミの予防につなげましょう。

もしピーリング後に皮膚が赤くなったり刺激を感じたりする場合は、保湿剤を多めに使用するとともに、一度角質ケアを中断して肌の回復を待つほうが安心です。

よくある質問:週何回の角質除去が適切か?

「結局、自分には週に何回が最適なのか分からない」というお悩みはよく聞かれます。結論としては、1~2回が目安になりますが、以下のポイントを総合的に判断しながら調整してください。

  • 肌タイプ(敏感、乾燥、脂性、混合など)
  • 季節(湿度や紫外線量の変化によって肌の状態は大きく変わる)
  • 使用しているスキンケア製品(レチノール、ベンゾイルパーオキサイドなど)
  • 生活習慣(喫煙習慣、睡眠不足、食生活などは肌トラブルの原因になりやすい)
  • 年齢(加齢とともにターンオーバーの速度が変わるので、過度な刺激を避ける必要がある)

2022年に米国の大規模健康機関であるCleveland Clinicが公開した美容皮膚に関する一般向けアドバイスでも、やはり角質除去を過度に行わず、肌タイプや肌コンディションを考慮して週1~2回程度にとどめるのがベターと報告しています。

結論と提言

  • 週1~2回が一般的な目安だが、肌質・年齢・使用製品によって適宜調整が必要
  • 敏感肌や乾燥肌ではさらに頻度を下げる、もしくは使用しない選択肢も考慮する
  • 化学的ピーリング物理的スクラブを同時に使う場合は、とくに頻度を下げて慎重に
  • 角質除去の後は必ず保湿し、紫外線対策を徹底する
  • 肌トラブルが起きた場合や不安な場合は、放置せずに医師や専門家へ相談

角質除去は、正しい方法と頻度で行えば肌のくすみやザラつきを改善し、より健康的で滑らかな肌へ近づける大切なケアです。しかし、やりすぎは逆効果。自分の肌が今どういう状態なのかをよく観察しながら、適度なペースを見つけてください。

最後に: この記事でご紹介した情報は、あくまでも参考情報です。肌状態には個人差があり、同じ方法でも人によって効果や刺激の感じ方が違います。実際に角質ケアを行う際は、可能であれば医師や薬剤師など専門家に相談するのが安心です。また、角質除去後の乾燥やヒリつきが長く続く場合は早めに受診を検討しましょう。

参考文献

(情報参照元:上記リンク先、2021年~2022年に公開された一般向けのスキンケア情報を統合)


免責事項: この記事の内容は、あくまで一般的な情報提供を目的としたものであり、専門的な医療アドバイスの代わりにはなりません。具体的な治療・ケア方法については、必ず医師や専門家にご相談ください。

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