はじめに
多くの方が経験する腰の痛みですが、その原因の一つとして考えられるのが「脊椎関節が炎症を起こし、骨同士が癒合してしまう状態」、すなわち強直性脊椎炎(以下「本疾患」と呼びます)です。本疾患による腰痛は、炎症と痛みによって動きが制限されるため、しばしば「安静にしたい」という気持ちに駆られてしまいます。しかし、適度に身体を動かさないまま安静を続けると、回復が遅れるだけでなく、さらに痛みやこわばりを悪化させる恐れがあります。そのため、本疾患の治療においては、薬物療法だけでなく定期的な運動を組み合わせることが非常に重要です。
免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
一方で、「痛みを抱えながら運動を行うのは怖い」「どのような運動を選べばいいかわからない」と不安になる方も少なくありません。本記事では、本疾患による腰痛を緩和し、日常生活に支障をきたさないようにするための運動の意義と、実際に行いやすい具体的なエクササイズ例を詳しく解説していきます。さらに、運動がもたらす全身的な健康効果や、本疾患にともなう腰痛以外の症状にも役立つ要素についても専門的な視点を交えながら深く掘り下げます。
なお、本記事は医療従事者による直接の診察や治療を代替するものではありません。最終的な治療方針は必ず医師や理学療法士など専門家の指導のもとで判断されることをおすすめします。
専門家への相談
本疾患は進行度や症状に個人差が大きいため、適切な治療計画を立てるには、医師や理学療法士など専門家の助言が欠かせません。特に、運動プログラムを開始する前に主治医に相談し、自身の炎症状況や痛みの程度を的確に把握しておくことが必要です。主治医が処方している薬との兼ね合いや、既往症の有無などによっては、運動内容に調整が求められる場合もあります。したがって、自分の状態に合った運動を選ぶうえでも、まずは専門家と十分に話し合うことが大切です。
本記事では、リウマチや整形外科領域でよく参照される国際的なリソースであるSpondylitis Associationなどが公開している情報や、リハビリテーション治療のガイドラインをもとに、腰痛改善を目的とした運動のポイントを解説しています。さらに、各種医学文献や海外の学会誌に掲載されている最新の知見を参考に、運動の効果や注意点などを加筆しました。特に、本疾患の治療方針策定に関わるAmerican College of Rheumatologyや、軸性脊椎関節炎に焦点を当てる欧州リウマチ学会の見解なども踏まえています。これらの情報は、どれも世界的に認められた信頼性の高い根拠を提供しているため、日本国内の患者さんにとっても大いに参考になるでしょう。
強直性脊椎炎による腰痛が引き起こす問題点
本疾患は、脊椎(背骨)や仙腸関節などに炎症が起き、進行すると椎骨同士が癒合(骨化)してしまう特徴があります。初期には腰部や仙腸関節の痛み・こわばりを感じやすく、症状が進むと背骨の可動域が狭くなり、日常生活に大きく支障が出る場合があります。特に、次のような問題点が起こりやすいと指摘されています。
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慢性的な痛み
炎症による痛みが長期化することで、生活の質(QOL)が大きく低下します。安静を続けると一時的に楽になる場合もありますが、筋力低下が進行し、結果的に痛みが増す恐れがあります。 -
姿勢異常
背骨が前かがみ(後弯が増強する)になりやすく、胸郭の動きが制限されると呼吸機能にも悪影響を及ぼすことがあります。さらに、腰部の柔軟性が失われると、簡単な前屈や着替えの動作などが困難になる場合もあります。 -
身体機能の低下
筋力と可動域の低下が同時に進行すると、歩行時のバランス維持が難しくなったり、階段の昇降がつらくなったりするなど、活動範囲が制限されます。
本疾患は進行度や個人の特性によって症状が多様ですが、いずれの場合も運動療法を取り入れることが必須とされています。実際、欧米のリウマチ学会でも、本疾患の患者さんには定期的なストレッチや筋力トレーニングを組み合わせるよう強く推奨しています。2021年にAmerican College of Rheumatologyが公表した最新の治療ガイドライン(Ward MMら, 2021, Arthritis & Rheumatology, 73(8):1329-1349, doi:10.1002/art.41604)では、薬物治療と併行して行う運動プログラムが長期的な予後を改善する可能性を明示的に示しています。
運動に取り組む前の基本的な注意点
運動療法を効果的に行うためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。
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薬物療法との併用が前提
痛みや炎症をコントロールするために処方された薬がある場合は、主治医の指示通りに服用してください。薬だけでは関節の可動性や筋力は保てませんが、痛みが強い状態を放置して運動すると、かえって逆効果になる場合があります。 -
ウォーミングアップの徹底
関節や筋肉を傷めないためにも、運動前の準備運動が欠かせません。特に、腰椎や骨盤周囲の筋肉に血流を促し、柔軟性を高めることで、痛みの軽減とパフォーマンス向上につながります。 -
適度な強度・頻度の設定
無理をして強度の高い運動を急に行うと、関節への負担が大きくなり、炎症や痛みが増悪する恐れがあります。特に、初めて運動療法を始める方は、専門家と相談のうえ、週2〜3回など少しずつ実践することが望ましいでしょう。 -
痛みの度合いをモニタリング
運動中に痛みが強くなったり、翌日以降に腫れや熱感が続くようであれば、いったん負荷を下げたり、専門家に再相談したりすることが必要です。痛みを押して続行することは、症状の悪化につながりかねません。 -
正しいフォームの維持
姿勢が崩れた状態でトレーニングを行うと、想定外の部位に負担がかかり、別の痛みを誘発する可能性があります。本疾患では姿勢の変化が起こりやすいため、鏡で確認したり、理学療法士などの指導を受けたりして正しいフォームを身につけることが不可欠です。
運動プログラムの全体像
本疾患の患者さん向けに推奨される運動は、概ね以下の4つの要素で構成されます。欧州リウマチ学会なども、これらを組み合わせた包括的なプログラムを推奨しています。
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ストレッチ(柔軟性向上)
筋肉と関節の柔軟性を高め、こわばりを軽減することで、腰痛を和らげ姿勢を改善します。 -
有酸素運動(心肺機能向上)
ウォーキングや水中運動など、適度に心拍数を上げる運動を行うことで、心肺機能を高め、体力を維持・向上させます。 -
筋力トレーニング(筋力強化)
特に体幹や下半身の筋力強化が重要です。筋肉で関節を支えることで、炎症と痛みを軽減し、活動の幅を広げます。 -
バランストレーニング(バランス感覚の向上)
立位や歩行動作を安定させ、転倒リスクを下げるとともに、日常生活を快適に送るうえで必須の要素です。
時間的・体力的な制約がある場合、すべてを完璧に行うのは難しいことも多いでしょう。優先度をつけるためにも、主治医や理学療法士の助言を仰ぎながら、自分のライフスタイルに合わせたプログラムを組むのが賢明です。
代表的な運動例:腰痛緩和と可動域の拡大を目指す
ここでは、比較的取り組みやすい運動を例として紹介します。慣れないうちは回数を少なめに設定し、痛みや倦怠感が強いときは無理をせず中止や休憩をはさみながら行ってください。
1. ストレッチ:背中と腰の伸張
- 目的
背骨や腰椎周囲の筋肉をやわらかく保ち、姿勢の改善や痛み軽減につなげる。 - 方法の一例
- 床やベッドに仰向けになり、両膝を曲げる。
- 両手で膝を抱え、ゆっくりと胸へ引き寄せる。
- そのまま10〜15秒ほどキープしたら、ゆっくり元に戻す。
- 痛みが出ない程度で、1セット5〜8回を目安に行う。
- 注意点
勢いをつけて引っ張らず、呼吸を止めないように注意してください。背中全体が伸びている感覚を意識しながら行うと効果的です。
2. 有酸素運動:ウォーキング
- 目的
心肺機能の向上と下半身の血行促進、筋力低下の予防。 - 方法の一例
- 屋外やトレッドミルで、痛みが許容できるペースで歩行。
- 1回あたり10〜20分程度を目安に、週に2〜3回。体力に余裕があれば少しずつ延ばす。
- 注意点
運動前後には軽いストレッチを行い、靴や路面にも気を配ること。痛みが増した場合はペースを落とすか中断し、専門家に相談してください。
3. 筋力トレーニング:プランク
- 目的
体幹部(腹筋や背筋など)の筋力を鍛え、脊椎を安定させる。 - 方法の一例
- 腕立て伏せのように床にうつ伏せになり、肘を床につけて体を支える。
- 腰が反らないように腹筋を意識して体を一直線に保つ。
- 10〜20秒キープし、1セット3〜5回。余裕が出てきたら時間や回数を増やす。
- 注意点
腰が大きく反ると腰痛を悪化させる可能性があります。腹部の力を抜かず、背中全体でしっかりとバランスを取るよう意識してください。
4. バランストレーニング:片脚立ち
- 目的
転倒リスクの低下と、日常動作での安全性向上。 - 方法の一例
- 壁や机に手を軽く添えながら、片脚を床から数センチ浮かせる。
- その姿勢を10秒キープし、左右交互に3〜5回。
- 慣れてきたら手を添えずに実施する。
- 注意点
痛みが強い場合やバランスがとりにくい場合は無理をせず、必ず壁や椅子などに手を添えて行いましょう。
5. 胸郭を広げる呼吸エクササイズ
- 目的
胸椎や肋骨の可動域を保ち、呼吸機能の低下を防ぐ。 - 方法の一例
- 椅子に腰掛けて背筋を伸ばす。
- 深呼吸をしながら両腕を横に広げ、肩甲骨を寄せるように意識する。
- 息を吐くときに元の姿勢に戻る。
- 5〜10回を1セットとし、無理のない範囲で行う。
- 注意点
肩や胸に強い痛みがあるときは、動作範囲を小さくしたり、専門家に指導を仰いでから行いましょう。
運動と痛みのバランス:やりすぎもやらなさすぎもNG
本疾患を抱える方は、痛みと運動のバランスに常に注意しなければなりません。運動が必要とはいえ、あまりに激しいトレーニングや長時間の活動は、逆に関節や筋肉に負担をかけて痛みを増長させる恐れがあります。逆に、痛みを恐れるあまりまったく動かない生活を続けると、筋力の低下や可動域の制限が急速に進み、より深刻な痛みを引き起こしかねません。
実際に、2022年に発表されたReumatologia誌のレビュー論文(Kucharz EJら, 2022, Update on the management of axial spondyloarthritis: new horizons, Reumatologia, 60(1):1–8, doi:10.5114/reum.2022.113820)では、本疾患の長期予後を左右する大きな要因として「運動量の適切な管理」が挙げられています。痛みが強い急性期には休養を優先しつつ、落ち着いてきたら再び運動を再開するというように、専門家の助言をもとに柔軟に調整するとよいでしょう。
運動がもたらす全身的なメリット
1. 筋力・持久力の向上
運動を続けることで筋肉量が増え、血液循環が促進されます。その結果、腰を支える筋肉が強化され、痛みが緩和しやすくなります。また、呼吸も深くなりやすく、全身の持久力が向上して疲れにくくなると報告されています。
2. 体重管理・生活習慣病予防
本疾患の患者さんは運動量が減りがちになるため、体重増加や生活習慣病のリスクが高まります。しかし、適度な運動を継続すれば、消費カロリーが増えて体重をコントロールしやすくなり、血糖値や血圧の改善も期待できます。
3. 精神的な安定・ストレス解消
運動によって分泌されるホルモン(エンドルフィンなど)は、気分を明るくし、ストレスを和らげる作用があると多くの研究で示唆されています。特に慢性的な腰痛を抱える方は、痛みによる心理的ストレスが蓄積しやすいため、適度な運動がストレス緩和に役立ちます。
4. 睡眠の質向上
痛みが長引くと寝付けない、夜中に目が覚めるなどの睡眠障害が起こりやすくなります。適度な身体活動は、交感神経と副交感神経のバランスを整え、睡眠の質を高める効果があると知られています。
リハビリと連携した包括的なケアの重要性
本疾患は慢性的な炎症が続くため、症状が一時的に落ち着いても再燃するケースも少なくありません。したがって、運動療法は単発で終わらせるのではなく、長期的な視点で考える必要があります。具体的には、以下のようなケア体制が望ましいとされています。
- リウマチ科や整形外科との連携
痛みや炎症の度合いを定期的にチェックし、必要に応じて薬の種類や投与量を調整する。 - 理学療法士による定期的な評価
関節の可動域や筋力、姿勢バランスなどを定期的に評価し、運動プログラムを微調整する。 - 栄養管理
体重管理や抗炎症作用が期待できる食事(野菜・果物、良質なタンパク質など)を意識し、全身の健康を維持する。 - 心理的サポート
痛みや身体の変化による心理的負担をケアし、メンタルヘルスを整える。必要に応じてカウンセリングやサポートグループの活用も考慮する。
2023年にRheumatology誌で発表された総説(Molnar Cら, 2023, Recent advances in spondyloarthritis therapy, Rheumatology, 62(4):1200–1210, doi:10.1093/rheumatology/keac450)では、薬物による炎症コントロールと、理学療法士による運動指導、さらに患者自身のセルフケアを組み合わせることで、長期的な機能維持と生活の質向上に良好な成果を上げているケースが複数報告されています。このように、多角的なアプローチをとることが、最終的なリハビリ効果を最大化するカギとなるのです。
日常生活で意識したいポイント
本疾患と向き合いながら日常生活を送るうえで、運動以外にも次のような工夫が役立ちます。
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適切な寝具の選択
柔らかすぎるベッドや枕は、背骨の自然なカーブを保ちにくく、痛みを助長することがあります。自分に合った硬さや高さの寝具を選び、腰や背中への負担を軽減しましょう。 -
正しい姿勢でのデスクワーク
長時間同じ姿勢でパソコン作業などをする場合は、椅子や机の高さを調整し、背筋を伸ばして座るよう心がけてください。1時間に1回は立ち上がって軽いストレッチを行うと、筋肉のこわばりを防げます。 -
適度な休息と睡眠
炎症のコントロールには、十分な睡眠と休息が欠かせません。痛みで眠りが浅くなる人は、就寝前にストレッチやリラクゼーションを行うなど、睡眠環境を整える工夫をしてみましょう。 -
冷暖房の活用
腰や背中が冷えると、筋肉が硬くなりやすく痛みが増すケースがあります。冬場は腰を冷やさないように工夫し、夏場は冷房で体を冷やしすぎないよう調節してください。 -
適度なペース配分
日々の家事や仕事をこなすときも、できるだけ負担を分散させることが大切です。例えば、無理に一気に片付けを終わらせず、タスクを小分けにしたり、休憩を挟んだりしながら進めるとよいでしょう。
痛みが強いときの対処法
急に痛みが強まった場合や、運動に踏み出しづらいほど炎症が悪化していると感じるときは、以下の対処法を試してみてください。
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温熱療法や入浴
温めることで血流が促進され、筋肉のこわばりや痛みが和らぐことがあります。38〜40度程度の湯でゆったりと入浴し、腰回りを温めるのも有効です。 -
アイシング
炎症が急に強まった場合、冷却して炎症を抑える方法が効果的な場合もあります。どちらが適切かは症状や個人差によるため、医師や理学療法士に確認してから行ってください。 -
軽めのストレッチ
強度の高い運動は避けつつ、関節周囲の軽いストレッチだけ行うと、痛みが多少落ち着き、可動域を保ちやすくなることがあります。 -
医師の指示を仰ぐ
急性期の痛みが長引く場合は、炎症のコントロールが十分にできていない可能性があります。薬の調整や専門的なケアが必要なケースもあるので、早めに主治医へ相談を。
運動を継続するためのモチベーション維持
本疾患による痛みや日常の忙しさなどを理由に、運動を途中でやめてしまう方もいます。しかし、継続することが最も大切です。以下に、モチベーションを維持するためのヒントをいくつか挙げます。
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目標設定
「週に○回はウォーキングをする」「1カ月でプランクのキープ時間を○秒伸ばす」など、具体的な目標を立てると進捗が分かりやすく、やる気を維持しやすくなります。 -
仲間や家族との共有
一人で続けにくい場合は、家族や友人と一緒に軽い運動を楽しむのも方法です。励まし合える存在がいると継続率も上がります。 -
理学療法士の定期指導
専門家の評価やアドバイスを受けると、自分に合ったメニューを常に調整できるため、成果を感じやすくモチベーションの維持につながります。 -
小さな成果を喜ぶ
痛みが以前より少し楽になった、起き上がる動作がスムーズになったなど、小さな変化に目を向けてポジティブに捉えることが大切です。
総合的な視点:運動は治療の柱の一つ
本疾患では、薬物治療や物理療法など多角的なアプローチが必要ですが、その中でも運動療法は非常に大きな位置を占めています。単に筋力をつけるだけでなく、姿勢改善や関節可動域の維持、生活の質向上にも寄与するため、日々の生活の中で無理のない範囲で取り入れることが推奨されます。
また、多くの研究が示すように、運動はうつ症状やストレスの軽減、さらには心血管リスクの低減など、全身の健康面においても幅広い恩恵をもたらします。本疾患であっても、自分に合った運動を継続することで大きな改善が期待できるのです。
推奨されるセルフケアの例
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ウォーキング後のクールダウン
ウォーキングなどを終えた後は、腰回りや下半身の筋肉を軽く伸ばすストレッチをしてから休憩しましょう。心拍数を徐々に下げることも大切です。 -
背筋を意識した椅子の座り方
デスクワークが多い人は、背中を丸めず、腰を支えるクッションなどを活用して正しい姿勢を維持する習慣を身につけます。 -
こまめな休憩と体位変換
同じ姿勢を長時間続けると筋肉が硬直しやすいため、1時間に1回など定期的に立ち上がって軽く体を動かすようにしましょう。 -
体重管理
適正体重を維持することは腰への負担を減らすだけでなく、全身の健康維持にも直結します。運動とあわせて食生活の見直しも重要です。
結論と提言
本疾患による腰痛は慢性的な性質があり、放置すれば日常動作だけでなく心理面にも大きな影響を与える可能性があります。しかし、正しい知識と計画的な運動療法を取り入れることで、症状を緩和しながら活動範囲を拡大し、生活の質を向上させることができます。運動には多面的な効果があり、腰痛への直接的なアプローチだけでなく、心血管リスクの低減やメンタルヘルスの改善にも有益です。
効果的に運動を行うには、以下のポイントを再度強調します。
- 痛みの度合いや炎症の状態に応じて、運動強度や時間を調整する。
- ウォーミングアップとクールダウンを必ず行い、ケガや痛みの悪化を予防する。
- 薬物療法や栄養管理、休息ともバランスをとりながら、長期的に続けられる計画を立てる。
- 定期的に専門家のサポートを受け、運動メニューやフォームを見直す。
日常生活に取り入れられる簡単なストレッチやウォーキングなどから始め、少しずつ強度を上げていくことで、腰痛と上手につきあいながら自分らしい生活を送ることが可能になります。
重要な注意
本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、強直性脊椎炎を含めた脊椎疾患に関する最終的な治療方針は、医師や理学療法士などの専門家の診断や指導のもとで決定してください。ご自身の体調や症状に応じて、運動の種類や強度を適切に調整することが望ましいです。
参考文献
- Exercise and Back Pain.
https://www.spine-health.com/wellness/exercise/exercise-and-back-pain
アクセス日: 2020年11月08日 - Exercise.
https://spondylitis.org/about-spondylitis/treatment-information/exercise/
アクセス日: 2020年11月08日 - Benefits of Exercise.
https://medlineplus.gov/benefitsofexercise.html
アクセス日: 2020年11月09日 - The Role of Exercise.
https://spondylitis.org/wp-content/uploads/2020/06/brochure-the-role-of-exercise.pdf
アクセス日: 2020年11月09日 - Ward MMら (2021) “2021 Update of the American College of Rheumatology/Spondylitis Association of America/Spondyloarthritis Research and Therapy recommendations for the treatment of ankylosing spondylitis.” Arthritis & Rheumatology, 73(8): 1329–1349, doi:10.1002/art.41604
- Kucharz EJら (2022) “Update on the management of axial spondyloarthritis: new horizons.” Reumatologia, 60(1): 1–8, doi:10.5114/reum.2022.113820
- Molnar Cら (2023) “Recent advances in spondyloarthritis therapy.” Rheumatology, 62(4):1200–1210, doi:10.1093/rheumatology/keac450
免責事項
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