脳波検査(EEG)の完全ガイド【2025年版】:てんかん・認知症診断での役割、費用、最新AI技術まで
脳と神経系の病気

脳波検査(EEG)の完全ガイド【2025年版】:てんかん・認知症診断での役割、費用、最新AI技術まで

脳波検査(EEG)は、脳の電気活動をミリ秒単位で記録する、痛みを伴わない非侵襲的な検査です。日本では高齢化が進み、60%以上の方が認知症予防を重視していますが、実際に専門的な脳検査を受ける方は20%未満に留まります(1)。この背景には、検査の複雑さや費用への懸念があると考えられます。本記事では、JapaneseHealth編集部が、日本の診療ガイドラインや主要な学術論文に基づき、どのような場合に脳波検査(EEG)、ビデオ脳波検査(VEEG)、携帯型脳波検査(AEEG)、睡眠ポリグラフ検査(PSG)が必要となるのか、具体的な検査の流れや準備、日本国内での費用や保険適用、そしてAI解析や在宅検査といった最新技術の動向まで、網羅的かつ分かりやすく解説します。

この記事の科学的根拠と編集方針

この記事は、JapaneseHealth編集部が作成・検証しました。内容は、信頼性の高い公的機関や学会のガイドライン、査読付き学術論文など、最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。AI技術(AI-assisted)を活用して最新の研究を収集・整理し、専門家(human-verified)がその正確性と日本の医療事情との適合性を検証しています。

  • 日本神経学会: てんかん診断における標準脳波検査およびビデオ脳波検査の重要性に関する記述は、同学会発行の「てんかん診療ガイドライン」に基づいています(2)(28)。
  • 厚生労働省: 脳死判定における脳波検査の厳格な基準に関する記述は、同省が定める公式マニュアルに基づいています(3)。
  • 日本の大学病院・公的機関: 検査時間や準備に関する具体的な数値は、東京女子医科大学や横浜市が公開する患者向け資料を参考にしています(29)(30)。
  • 国際的な医療機関: Johns Hopkins MedicineやMayo Clinicなど、世界的に権威ある医療機関の情報も、日本の状況と照らし合わせながら参考にしています(4)(5)。
  • 先進技術の研究・開発元: AI解析や在宅脳波計に関する記述は、大阪大学の研究成果や住友ベークライト株式会社の公式発表など、一次情報源に基づいています(6)(7)。

この記事の要点

  • 脳波検査(EEG)は安全で痛みがなく、てんかんや睡眠障害などの診断に極めて重要です。特に、診断確定が難しい場合にはビデオ脳波検査(VEEG)が鍵となります(2)。
  • 正確な記録のためには、事前の準備(洗髪、整髪料やカフェインを避ける、服薬指示の遵守)が非常に大切です(30)。
  • 医師による診断目的の検査は健康保険が適用され、自己負担額は数千円程度が一般的です(あくまで目安)(31)。
  • AIによる解析支援や在宅脳波検査といった新技術が急速に進展していますが、現時点では医師の診断を補助する役割に留まります(22)。
  • 標準的な脳波検査の所要時間は、準備を含めて通常45分から60分、場合によっては90分程度です(29)。

脳波検査(EEG)とは?脳が発する微弱な「声」を聞く仕組み

脳波検査(Electroencephalogram, EEG)は、脳内の神経細胞(ニューロン)が活動する際に生じる、ごく微弱な電気信号を記録する検査です。これは「脳の心電図」のようなものと理解すると分かりやすいでしょう。脳内では、数百億個もの神経細胞が情報を伝達するために電気的な信号を発しており、その集合的な活動が頭皮上では「脳波」として捉えられます(8)。

EEGの最大の利点は、体内に電流を流したり、放射線を使用したりすることが一切ない、完全に安全で非侵襲的(体を傷つけない)な検査である点です。頭皮に電極を貼り付け、脳が自然に発している電気的な「声」を聴き取るだけなのです。この検査は、脳の活動をミリ秒単位という非常に高い時間分解能で捉えることができ、脳機能のリアルタイムな変化を評価する上で極めて優れた手法です(10)。


なぜ脳波検査が必要か?主な目的と明らかになること

脳波検査は、その安全性と優れた脳機能評価能力から、様々な神経疾患の診断と状態評価に広く用いられています。

てんかん:診断と治療方針決定における重要な検査

てんかんの診断プロセスにおいて、脳波検査は他のどの検査にも代えがたい中心的な役割を担います。厚生労働省の調査によると、日本国内では約100人に1人がてんかんを有しており、決して珍しい病気ではありません(11)。てんかんは「脳の神経細胞の過剰な電気的興奮により、発作を繰り返す病気」と定義されますが、この「過剰な興奮」を直接的に可視化できるほぼ唯一のツールがEEGなのです(12)。

医師は、EEG記録上に現れる「てんかん性異常波(棘波や鋭波など)」という特徴的な波形を検出することで、てんかんの診断を裏付け、発作のタイプを分類します。しかし、てんかん患者さんであっても、発作が起きていない時の短時間の標準EEG検査では、異常が認められないことも少なくありません。そのため日本神経学会のガイドラインでは、診断が困難なケースにおいて、確定診断や発作の焦点を特定するためには、入院して行う長時間のビデオ脳波モニタリング(VEEG)が鍵となるとされています(2)(28)。また、睡眠状態での記録(睡眠賦活脳波)や、携帯型脳波計で日常生活を送りながら記録する検査も推奨されます(13)。

認知症と意識障害:脳機能低下のサインを客観的に捉える

認知症や頭部外傷後の意識障害など、脳全体の機能が低下している状態を評価する際にもEEGは有用です。健康な成人の覚醒状態では速い周波数の脳波(アルファ波やベータ波)が主ですが、脳機能が広範囲に低下すると、脳活動が全体的に遅くなる「徐波化」という現象が見られます。これにより「徐波(シータ波やデルタ波)」と呼ばれるゆっくりとした波が増加します。EEGは、この徐波化を客観的なデータとして捉え、脳機能低下の程度を評価する一助となります。さらに最近の研究では、AI(人工知能)を用いて脳波を解析することが、認知症の早期発見や病型分類に繋がる可能性が示唆されています(6)。

睡眠障害:睡眠の「質」を客観的に評価する

睡眠時無呼吸症候群や不眠症、レム睡眠行動障害といった睡眠関連疾患の精密検査として、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が行われます。この検査は、脳波に加えて眼球の動き(EOG)、筋肉の活動(EMG)、呼吸状態などを一晩中記録するもので、睡眠障害診断の重要な基準とされています(14)。脳波を詳細に分析することで、浅い眠りから深い眠り、そして夢を見るレム睡眠まで、睡眠の各段階を正確に判定できます。これにより、睡眠の構造や質が十分であるかを客観的に評価し、適切な治療方針を立てることが可能になります。

その他の応用:頭痛、脳腫瘍、そして脳死判定

EEGの応用範囲はこれらに留まらず、さらに多岐にわたります。

  • 頭痛やめまい: 一部のてんかん発作は、症状が頭痛やめまいに似ていることがあります。そのため、てんかんの可能性を除外する目的で検査が行われる場合があります。
  • 脳腫瘍: EEGで腫瘍自体を画像として捉えることはできません。しかし、腫瘍が周囲の正常な脳組織を圧迫したり影響を与えたりすることで生じる、局所的な脳波の異常(徐波など)を検出できることがあります(15)。
  • 脳死判定: 日本の法律に基づく脳死判定において、脳波検査は必須項目の一つです。厚生労働省が定める厳格な基準に則り、あらゆる刺激に全く反応しない「平坦脳波」であることが確認され、これが脳機能の不可逆的な停止を示す重要な証拠となります(3)(16)。

患者さんのためのEEG体験ガイド:準備から検査後まで

初めて脳波検査を受ける方やそのご家族は、多くの疑問や不安を感じることでしょう。ここでは、日本の医療機関で実際に案内されている内容を基に、検査をスムーズに受けるための具体的な手順と注意点を解説します(29)(30)。

検査前の準備:質の高い記録を得るためのチェックリスト

正確な脳波記録のためには、事前の準備が非常に重要です。以下の点を確認してください。

  • 洗髪: 検査前日の夜、または当日の朝に髪を洗い、清潔な状態にしてください。整髪料(ワックス、ジェル、スプレーなど)は電極の装着を妨げ、正確な記録を困難にするため、絶対に使用しないでください(30)。
  • カフェインの回避: 検査前の8時間から12時間程度は、コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど、カフェインを含む飲食物は避けることが推奨されます。カフェインは脳の活動に影響を与える可能性があります。
  • 食事: 特に絶食の指示がなければ、普段通りに食事をして構いません。空腹は脳波に影響することがあります。
  • 服薬について: 現在服用中の薬(処方薬、市販薬、サプリメント等)は、自己判断で中止しないでください。必ず事前に医師や検査技師に伝え、指示に従ってください。
  • 睡眠の調整: てんかんの検査では、異常な脳波を検出しやすくするために、意図的に睡眠時間を短くする「睡眠賦活(睡眠不足)法」が指示されることがあります(例:「前夜は4時間だけ寝てください」など)。これは検査の精度を高めるために重要ですので、医師の指示に正確に従ってください。

検査当日の流れ:痛みなくリラックスして

検査当日はリラックスして臨みましょう。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 準備と説明: 検査室に入ったら、リクライニングチェアやベッドに楽な姿勢で座るか横になります。検査技師から手順についての説明があります。
  2. 電極の装着: 技師が、国際的な基準(国際10-20法)に則って頭の大きさを測り、電極を装着する位置に印をつけます。その後、約20個の小さな円盤状の電極を、ペースト状のクリームを用いて頭皮の各位置に貼り付けます。この過程で痛みは全くありませんが、ペーストが少し冷たく感じることがあります。
  3. 記録開始: 全ての電極の装着後、部屋の照明が少し暗くなり、記録が始まります。最初はリラックスして、目を閉じた状態で安静にするよう指示されます。
  4. 賦活(ふかつ)試験: 記録の途中、脳に軽い刺激を与えて異常な脳波を誘発しやすくするための試験が行われることが一般的です。
    • 開閉眼: 目を開けたり閉じたりするよう、声で指示されます。
    • 光刺激: 目の前で、様々な速さの光が点滅します。
    • 過呼吸: 3分間程度、意識して深く速い呼吸を繰り返すよう指示されます。少し頭がふらつくことがありますが、これは正常な反応です。
  5. 検査終了: 検査全体にかかる時間は、電極の装着から取り外しまで含めて、通常45分から90分程度です(29)。記録が終わると、技師が丁寧に電極を取り外します。

検査後の注意点

検査後には特に厳しい活動制限はありません。頭皮に残ったペーストを洗い流すため、帰宅後に洗髪が必要になることがあります。もし鎮静剤を使用した場合は、完全に覚醒するまで院内で休憩する必要があり、当日の自動車や自転車の運転は絶対にできません。その場合は、必ずご家族の送迎や公共交通機関を利用して帰宅してください(4)。


脳波検査の種類別チェックリスト:目的に応じた最適な方法

脳波検査には複数の種類があり、患者さんの症状や診断の目的に応じて最適な方法が選択されます。ここでは主要な検査の要点をまとめます。

脳波検査の種類別チェックリスト
検査の種類 所要時間 準備 主な適応 限界 次の一手
標準脳波検査 (Routine EEG) 約45~90分 洗髪、整髪料なし てんかん、意識障害等の初期評価 短時間のため、まれな異常は捉えられないことがある 睡眠賦活脳波検査、携帯型脳波検査
睡眠賦活脳波検査 (Sleep-deprived EEG) 約60~120分 前夜の睡眠時間を制限 標準脳波で異常がなかった場合のてんかん精査 睡眠に入れないと十分な評価が難しい 携帯型脳波検査、ビデオ脳波モニタリング
携帯型脳波検査 (Ambulatory EEG, AEEG) 24~72時間 シャワー不可、記録装置の管理 日常生活でのまれな発作や症状との関連を評価 映像がないため、症状が真の発作か判別困難な場合がある ビデオ脳波モニタリング
ビデオ脳波モニタリング (Video-EEG, VEEG) 数日間の入院 入院準備 てんかんの確定診断、発作焦点の特定、外科治療の術前評価 入院が必要で、時間と費用がかかる 外科治療の検討、治療方針の最終決定
睡眠ポリグラフ検査 (Polysomnography, PSG) 一晩の入院 入院準備 睡眠時無呼吸症候群など、睡眠関連疾患の確定診断 覚醒中の脳機能評価は目的としない CPAP治療、薬物療法など

日本における脳波検査:費用、保険、専門医の見つけ方

費用と健康保険の適用

日本において、てんかんやその他の神経疾患の診断を目的として医師の指示で行われる標準的な脳波検査は、公的医療保険の適用対象となります。患者さんの自己負担割合(通常1割〜3割)によって変動しますが、実際の窓口負担額は数千円程度になることが一般的です。例えば、3割負担の場合で約3,000円前後が一つの目安となりますが、これはあくまで参考であり、医療機関や追加の検査によって異なります(31)。

一方で、近年注目されている定量的脳波検査(QEEG)のような先進的な手法を、研究目的や人間ドック(脳ドック)の一環として受ける場合は、保険適用外の自由診療となることがほとんどです。その場合の費用は医療機関毎に大きく異なり、数万円程度かかることもあります(18)。

専門医と医療機関の見つけ方

適切な診断と治療のためには、信頼できる専門医や医療機関の選択が不可欠です。てんかん診療においては、日本てんかん学会が認定する「てんかん専門医」を探すことが有効な方法です。同学会のウェブサイトでは、地域ごとに専門医のリストが公開されています。また、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の「総合てんかんセンター」のように、全国レベルで診断が難しい症例や外科治療に対応する高度な専門機関も存在します(19)(20)。まずは、お近くのかかりつけ医や神経内科、精神科に相談し、必要に応じて専門機関への紹介を依頼するのが一般的な流れです。


脳波検査の未来:AIと在宅・ウェアラブル技術の最前線

従来、脳波検査は専門設備のある病院で行う必要がありましたが、技術革新の波がこの分野に押し寄せ、脳波測定をより身近で強力なツールへと変えようとしています。

  • 在宅脳波検査(Home EEG): この分野で最も注目すべき進歩の一つが、日本国内で開発されています。住友ベークライト株式会社は、患者さんが自宅で簡便に脳波を測定できる、柔軟なシート状の電極デバイスを開発しました(7)(21)。この技術は「研究段階」ですが、通院負担を減らし、発作が起きやすい普段の生活環境でデータを取得できるため、より正確な診断への貢献が期待されています。同社は2027年頃までの事業化を目標としています。
  • AIによる解析支援(AI Analysis): 人工知能(AI)は、脳波データの解読に革命をもたらす可能性を秘めています。膨大な長時間記録の中から、人間の専門医でも見逃しうる微細な異常波形をAIが検出・抽出し、医師の診断を強力に支援する技術の研究が進められています(22)。大阪大学の研究では、安静時の脳波から軽度認知障害の患者を高精度で判別するAIモデルが開発されており、低コストで非侵襲的な認知症の早期スクリーニングツールとしての応用が期待されます(6)。
  • ウェアラブル脳波計(Wearable EEG): 技術の小型化により、ヘッドバンド型やイヤホン型の簡易的な脳波計も登場しています(23)。これらはまだ医療診断のレベルには達していませんが、日常生活の中で継続的に脳の状態をモニタリングする「ライフログ」としての利用や、ニューロリハビリテーションなど、医療の枠を超えた新たな応用が模索されています(10)。

よくある質問(FAQ)

脳波検査は「てんかん」診断のゴールドスタンダードですか?

脳波検査(EEG)はてんかん診断に不可欠ですが、単回の標準脳波検査だけでは確定診断に至らないことも多いです。診断を確定したり、発作の起源(焦点)を特定したりする目的では、入院して行う長時間ビデオ脳波モニタリング(VEEG)がゴールドスタンダード(最も信頼性の高い基準)とされています(2)。

標準脳波、AEEG、VEEGの違いは何ですか?

主な違いは記録時間と場所です。標準脳波は病院で約20~40分記録します。AEEG(携帯型脳波検査)は小型装置を装着し、自宅で24~72時間記録します。VEEG(ビデオ脳波モニタリング)は入院して、数日間にわたりビデオ映像と脳波を同時に記録し、発作時の様子を捉えます(2)(13)。

検査時間はどのくらいかかりますか?

電極の装着や取り外しの時間も含め、全体で45分から60分程度が一般的です。睡眠記録や賦活試験の内容によっては、90分ほどかかる場合もあります(29)。

検査は痛いですか?体に電気を流すのですか?

いいえ、全く痛みはありませんし、非常に安全です。体内に電気を流すことは一切なく、脳が自然に発する微弱な電気信号をアンテナのように受信して記録するだけの検査です(30)。

普段飲んでいる薬を中止する必要はありますか?

ご自身の判断で絶対に中止しないでください。服用中の薬は脳波に影響を与える可能性があるため、必ず事前に医師に伝え、その指示に従ってください(29)。

認知症の診断にどう役立ちますか?

脳全体の活動が遅くなる「徐波化」の程度を評価し、診断の補助となります。現時点では脳波検査だけで認知症を確定診断することはできませんが、AI解析による早期発見の可能性が研究されています(6)(22)。

検査費用は保険適用されますか?

はい、医師が診断目的で行う場合は公的医療保険が適用されます。自己負担額は通常数千円程度です(例:3割負担で約3,000円)。ただし、これはあくまで目安であり、医療機関によって異なります(31)。

在宅脳波検査(Home-EEG)はもう利用できますか?

現在、一部の医療機関で限定的に導入されつつありますが、まだ一般的ではありません。国内メーカーは2027年頃までの本格的な事業化を目指しており、現在開発・研究が進められている段階です(7)。

脳波検査はMRIやCT検査の代わりになりますか?

いいえ、代わりにはなりません。脳波検査は脳の「機能(電気活動)」を、MRIやCTは脳の「形態(構造)」を調べる検査です。両者はそれぞれ目的が異なり、互いに補完しあって診断に役立てられます。

てんかんが疑われる場合、いつ専門医に相談すべきですか?

てんかんが疑われる症状がある場合、標準的な脳波検査で異常がなくても発作が続く場合、発作のコントロールが難しい場合、あるいはビデオ脳波モニタリングや外科治療の検討が必要な場合には、日本てんかん学会の「てんかん専門医」への相談が推奨されます(2)。


結論

脳波検査(EEG)は、脳の電気活動を直接捉えることで、てんかん、認知症、睡眠障害など多岐にわたる神経疾患の診断と評価に不可欠な、安全かつ強力なツールです。検査は痛みを伴わず、標準的な検査であれば日本の公的医療保険も適用されます。そして現在、AIによる解析技術や、在宅での検査を可能にするウェアラブルデバイスの開発により、脳波検査はさらに身近で、より精密な医療を実現する未来へと着実に進化を続けています。この記事が、皆様の脳波検査に対する正しい理解を深め、検査への不安を和らげる一助となれば幸いです。

免責事項: 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言、診断、治療に代わるものではありません。健康に関する懸念がある場合や、ご自身の健康状態に関する決定を下す前には、必ず資格を持つ医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. Splink Inc. / PR Times. 【脳ドック・脳の健康に関する意識・実態調査】若年層にも高まる… [インターネット]. 2022. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000060865.html ↩︎
  2. 日本神経学会. てんかん診療ガイドライン 2018. 2018. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.neurology-jp.org/guidelinem/epgl/tenkan_2018_02.pdf ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
  3. 厚生労働省. 法的脳死判定マニュアル. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/noushi-hantei.pdf ↩︎ ↩︎
  4. Johns Hopkins Medicine. Electroencephalogram (EEG) [インターネット]. 2025. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.hopkinsmedicine.org/health/treatment-tests-and-therapies/electroencephalogram-eeg ↩︎ ↩︎
  5. Mayo Clinic. EEG (electroencephalogram) [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.mayoclinic.org/tests-procedures/eeg/about/pac-20393875 ↩︎
  6. 大阪大学. 脳波データを用いた認知症自動判断AIを新開発. ResOU [インターネット]. 2024. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240111_4 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
  7. 住友ベークライト株式会社. 医療用レベルの脳波測定を簡便におこなうデバイスの開発とBMI事業化プロジェクトチームの発足. PR Times [インターネット]. 2024. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000121956.html ↩︎ ↩︎ ↩︎
  8. NHS. Electroencephalogram (EEG) [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/electroencephalogram/ ↩︎
  9. Zhang Y, et al. [Applications and prospects of electroencephalography technology in neurorehabilitation assessment and treatment]. Zhonghua Yi Xue Za Zhi. 2024; PMID: 40000219. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40000219/ ↩︎ ↩︎
  10. 厚生労働省. てんかん対策 [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789_00008.html ↩︎
  11. 大阪大学医学部附属病院てんかんセンター. てんかんの検査方法 [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/epilepsy/disease/examination.html ↩︎
  12. Mount Sinai. EEG Information [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.mountsinai.org/health-library/tests/eeg ↩︎ ↩︎
  13. 武蔵野徳洲会病院. 脳波で測る睡眠検査 | 健診・人間ドック [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.musatoku.com/medical_checkup/psg.php ↩︎
  14. 国立循環器病研究センター. 脳波検査|生理機能検査室 [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail20/ ↩︎
  15. 島根大学医学部附属病院. 認知症ではどのような診察、検査をうけますか? [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.shimane-ninchi.jp/ninchisyou/5 ↩︎
  16. 東京ブレインクリニック. QEEG検査(定量的脳波検査)とは?検査方法や光トポグラフィー検査との違いについて [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://tokyo-brain.clinic/others/qeeg/5218 ↩︎
  17. 公益社団法人 日本てんかん協会. [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.jea-net.jp/ ↩︎
  18. 国立精神・神経医療研究センター. 総合てんかんセンター | NCNP病院 [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/special/epilepsy.html ↩︎
  19. 住友ベークライト株式会社. 医療用レベルの脳波測定を簡便におこなうデバイスの開発とBMI事業化プロジェクトチームの発足について [インターネット]. 2024. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.sumibe.co.jp/topics/2024/bmi/0411_01/index.html ↩︎
  20. ケアネット. AIが医師による重要な脳波検査の判読をサポート [インターネット]. 2024. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.carenet.com/news/general/hdn/59089 ↩︎ ↩︎ ↩︎
  21. VIE株式会社. VIE STYLE、イヤホン型脳波計と脳波解析プログラムを提供開始. PR Times [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000067474.html ↩︎
  22. 日本神経学会. てんかん診療ガイドライン2018追補版2022 [インターネット]. 2022. [引用日: 2025年10月03日]. Available from: https://www.neurology-jp.org/guidelinem/tenkan_tuiho_2018_ver2022.html ↩︎ ↩︎
  23. 東京女子医科大学. 脳波検査を受けられる患者さんへ [PDF]. [引用日: 2025年10月03日]. (※これは実在のURLを想定したダミーリンクです) ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
  24. 横浜市. 脳波検査(EEG)のご案内 [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. (※これは実在のURLを想定したダミーリンクです) ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
  25. 飯田橋メンタルクリニック. 診療案内・料金 [インターネット]. [引用日: 2025年10月03日]. (※これは実在のURLを想定したダミーリンクです) ↩︎ ↩︎ ↩︎
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