【科学的根拠あり】筋肉痛を早く治す9つの方法|専門家が推奨する効果的なセルフケア
筋骨格系疾患

【科学的根拠あり】筋肉痛を早く治す9つの方法|専門家が推奨する効果的なセルフケア

ジムで懸命にトレーニングした後や、普段しない庭仕事に精を出した翌日、体中を襲うつらい痛み。多くの人が経験する「筋肉痛」は、日常生活の質を著しく低下させることがあります。早くこの痛みから解放されたい一心で、インターネットで情報を検索すると、「ストレッチが良い」「とにかく温めるべきだ」といった様々な情報が溢れています。しかし、その中には科学的根拠が乏しいものや、場合によっては逆効果になりかねないものも少なくありません。JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会は、読者の皆様が正確で信頼できる情報に基づき、最も効果的な自己管理(セルフケア)を行えるよう、最新の科学的研究と専門家の知見を徹底的に分析しました。本記事では、数ある対処法の中から、科学的にその効果が証明されている9つの方法を、証拠の強さに応じて序列化し、具体的かつ実践的な手順と共に詳しく解説します。一般的に良いと信じられている方法の意外な真実から、日本国内の薬局で手に入る市販薬の賢い選び方まで、あなたの筋肉痛に関するあらゆる疑問に、私たちは明確な答えを提示します。

この記事の科学的根拠

この記事は、引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、本文中で参照されている実際の情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したリストです。

  • Guo, J. et al. (Frontiers in Physiology, 2017): 本記事における「マッサージが筋肉痛の軽減に最も効果的な方法の一つである」という指導は、この系統的レビューとメタアナリシスに基づいています1
  • Cheung, K. et al. (Sports Medicine, 2003): 「積極的休養(軽い運動)が一時的な痛みの緩和に有効である」という見解、および「ストレッチは痛みの軽減に効果が薄い」という重要な指摘は、この古典的な総説研究を典拠としています2
  • Herbert, R. D. et al. (Cochrane Database of Systematic Reviews, 2011): 「ストレッチは筋肉痛の予防や軽減に臨床的に意味のある効果をもたらさない」という本記事の核心的な結論は、証拠に基づく医療のゴールドスタンダードであるコクラン・レビューによって裏付けられています3
  • Schoenfeld, B. J. (Sports Medicine, 2012): 「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の常用は、長期的に見て筋肉の成長を妨げる可能性がある」という注意喚起は、この総説論文に基づいています4
  • Bleakley, C. et al. (Cochrane Database of Systematic Reviews, 2012): 「運動直後の冷却(寒冷療法)が筋肉痛の軽減に有効である」という推奨は、このコクラン・レビューによって支持されています5
  • 日本の大手製薬会社(第一三共ヘルスケア、大正製薬、久光製薬): 日本国内で市販されている鎮痛薬に関する情報や、一般的なセルフケアの文化的背景については、これらの企業の公開情報を参考に、客観的な比較分析を行っています678

この記事の要点

  • 科学的根拠に基づくと、筋肉痛に対する最も効果的な対処法はマッサージ積極的休養(軽い運動)です。
  • 一般的に良いとされるストレッチは、実は筋肉痛の軽減にはほとんど効果がないことが、最も信頼性の高い研究で示されています。
  • アイシング(冷却)入浴(温熱)は、行うタイミングが極めて重要です。運動直後は冷やし、時間が経過してからは温めるのが原則です。
  • 市販の鎮痛薬は痛みが強い場合に有効ですが、長期的な使用は筋肉の成長を妨げる可能性があるため、使用には注意が必要です。

筋肉痛とは?その科学的な原因を理解する

つらい痛みを効果的に和らげるためには、まず筋肉痛がなぜ起こるのか、そのメカニズムを正しく理解することが不可欠です。

遅発性筋肉痛(DOMS)のメカニズム

私たちが一般に「筋肉痛」と呼ぶものの多くは、医学的には「遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness、略してDOMS)」として知られています。かつては運動によって乳酸が筋肉に溜まることが原因だと考えられていましたが、現在ではその説は否定されています9。医学情報サイトUbieによれば、DOMSの真の原因は、普段使わない筋肉を急に動かしたり、筋肉に強い負荷をかけたりした際に生じる、筋線維の微細な損傷(micro-tears)にあるとされています9。体がこの微細な傷を修復しようとする過程で、自然な炎症反応が起こります。この炎症反応に伴い放出される様々な化学物質が神経を刺激し、痛みや熱感、腫れといった症状を引き起こすのです。これがDOMSの正体です。特に、坂道を下ったり、重い物をゆっくり下ろしたりするような、筋肉が伸びながら力を発揮する「伸張性収縮(エキセントリック・コントラクション)」を含む運動の後に、DOMSは顕著に現れる傾向があります。痛みは運動直後ではなく、通常24時間から72時間後にピークを迎えるのが特徴です2

筋肉痛と危険な肉離れの見分け方

ほとんどの筋肉痛は自然に回復しますが、中には「肉離れ」のようなより深刻な怪我の可能性もあります。両者を見分けることは非常に重要です。筋肉痛は広範囲にわたる「ズーン」とした鈍い痛みであるのに対し、肉離れは特定の箇所に「ブチッ」という断裂音と共に生じる、鋭く激しい痛みが特徴です。以下の症状が見られる場合は、自己判断せず、速やかに整形外科などの医療機関を受診してください6

  • 運動中に突然、激しい痛みが生じた場合
  • 痛みのある部位に明らかな腫れや内出血が見られる場合
  • 関節を動かせない、または痛みのある筋肉に体重をかけられない場合
  • 痛みが72時間経過しても全く改善しない、むしろ悪化している場合
  • 市販の湿布薬や塗り薬を5~6日間使用しても症状が改善しない場合10

筋肉痛の回復を科学的に早める9つの方法

このセクションでは、数多くの研究から得られた知見に基づき、科学的な証拠の強さに応じて、最も効果が期待できる方法から順に9つのセルフケアテクニックを紹介します。

1. 【効果:大】マッサージ

論点:複数の大規模なメタアナリシス(複数の研究結果を統合・分析する手法)に基づくと、マッサージは運動後の筋肉痛(DOMS)と疲労感を軽減するための最も効果的な方法であると結論付けられています11

科学的根拠:2017年に学術誌「Frontiers in Physiology」に掲載されたメタアナリシスでは、高強度の運動後に行われたマッサージが、24時間後、48時間後、72時間後のいずれの時点においても、筋肉痛の感覚を著しく減少させ、筋力の回復を促進することが示されました1。マッサージには、患部への血流を増加させ、腫れを軽減し、痛みを感じさせる神経伝達経路に影響を与えることで、これらの効果をもたらすと考えられています。

自宅でできるセルフマッサージ:

  • 手を使う:手のひら全体を使い、筋肉の走行に沿って優しくさするようにマッサージします。
  • フォームローラーを使う:太ももの前側、裏側、ふくらはぎなどの大きな筋肉群に有効です。ゆっくりと、痛みを感じすぎない程度の圧で転がすことが重要です。

2. 【効果:中〜大】積極的休養(アクティブレスト)

論点:完全に静止して休むよりも、ごく軽い運動を行う「積極的休養(アクティブレスト)」が、一時的な痛みの緩和に最も効果的な方法の一つであることが示されています2

科学的根拠:この痛みの軽減効果は一時的なものですが、軽い運動は痛みのある筋肉への血流を促進します。パナソニック社の健康情報サイト「UP LIFE」によると、これにより炎症を引き起こす物質の排出が促されると同時に、修復に必要な酸素や栄養素が効率よく供給されると解説されています12

具体的な方法:

  • 軽いウォーキング
  • ごく低い負荷でのサイクリング
  • リラックスした水泳

時間は20〜30分程度を目安とし、強度は「楽である」と感じるレベルに留め、決して追加の痛みを引き起こさないようにすることが極めて重要です13

3. 【効果:中】冷却・温熱療法(アイシングと入浴)

論点:「冷やす」か「温める」かは、筋肉痛の段階によって使い分けることが重要です。タイミングを間違えると、効果がないばかりか、回復を遅らせる可能性もあります7

炎症期(運動直後〜48時間):アイシング(冷却)

科学的根拠:運動直後の筋肉は、急性炎症の段階にあります。この時期に冷却(寒冷療法)を行うと、血管が収縮し、腫れや炎症を抑える効果があります。また、神経の感覚を麻痺させることで、痛みを直接的に軽減します。2012年のコクラン・レビューでは、運動後の冷水浴がDOMSの軽減に有効であることが確認されています5

実践方法:氷のうや冷たいタオルを、痛みのある部位に15〜20分間当てます。これを1日に数回繰り返します14

回復期(48時間後〜):温める(入浴・交代浴)

科学的根拠:急性炎症期が過ぎると、今度は温めることが回復を助けます。温熱療法は血管を拡張させ、筋肉への血流を豊かにします。これにより、修復に必要な酸素や栄養素が効率的に運ばれ、筋肉がリラックスし、痛みが和らぎます8

実践方法:38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分間浸かる全身浴が効果的です14。特に、日本の入浴文化に根ざした交代浴は推奨されます。これは、温かいお湯に3〜4分浸かった後、冷たいシャワーを30〜60秒浴びる、というサイクルを3〜5回繰り返す方法です。この温度差による血管の収縮と拡張がポンプのような役割を果たし、血行を強力に促進すると考えられています1516

4. 【効果:中】栄養補給

論点:栄養は筋肉修復の土台ですが、各栄養素の役割を正しく理解することが重要です。

  • タンパク質:タンパク質は、傷ついた筋線維を修復するための「建築材料」です。しかし、2023年の最新のメタアナリシスによると、タンパク質の補給は筋力の回復を助け、筋肉損傷の指標(クレアチンキナーゼなど)を減少させるものの、痛みの感覚(soreness)自体を直接的に軽減する効果は限定的であることが示されています17。これは非常に重要な知見です。BCAAを豊富に含む、まぐろ、鶏肉、卵、牛乳、大豆製品などを積極的に摂取しましょう18
  • ビタミンと炭水化物:炭水化物は、運動で消費されたグリコーゲンを再補充し、回復プロセスのエネルギー源となります。ビタミンB群(特にB1、B6)は、タンパク質やエネルギーの代謝に不可欠な栄養素です19。ビタミンB1が豊富な豚肉や、炭水化物とカリウムが豊富なバナナ、玄米などが推奨されます20

5. 【効果:中】十分な睡眠

論点:質の高い睡眠は、体が自己修復を行うための「ゴールデンタイム」です。

科学的根拠:睡眠中、特に深いノンレム睡眠の間に、体は成長ホルモンを分泌します。このホルモンは、筋肉を含む様々な組織の再生と修復において中心的な役割を果たします。睡眠不足は、この重要な回復プロセスを著しく妨げ、筋肉痛を長引かせる原因となります8

6. 【効果:小〜議論あり】ストレッチ

論点:本記事の最も重要な指摘の一つです。一般的に広く推奨されているストレッチですが、最高レベルの科学的根拠は、筋肉痛の軽減に対するその効果を支持していません。

科学的根拠:2011年に行われたコクラン・レビューでは、12件の研究を詳細に分析した結果、「運動の前後に行うストレッチは、臨床的に意味のあるレベルでの筋肉痛の軽減をもたらさない」と結論付けています3。それ以前の2003年に学術誌「Sports Medicine」に掲載された総説でも、同様の結論が導き出されていました2

読者への有益な結論:「ストレッチは無意味なのでやめるべき」と断じるのではなく、よりバランスの取れた見解を提示します。「ストレッチは筋肉痛の“治療”には効果が薄いものの、関節の可動域や体の柔軟性を維持・向上させるためには依然として非常に重要です。筋肉痛を治すためではなく、長期的な体の健康を維持するための一環として捉えましょう。」

7. 【効果:小〜議論あり】市販の鎮痛薬(NSAIDs)

論点:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含む市販の貼り薬、塗り薬、飲み薬は、痛みを効果的に和らげることができますが、その使用は慎重に検討されるべきです。

科学的根拠:これらの薬は、痛みの原因である炎症プロセスを抑制することで作用します。しかし、前述の通り、炎症は体が傷ついた組織を修復するための必要なプロセスでもあります。2012年の「Sports Medicine」誌の総説では、NSAIDsの定期的・長期的な使用が、筋肉の適応や成長(筋肥大)を妨げる可能性があると指摘されています4

責任ある推奨:NSAIDsの使用は、痛みが日常生活や睡眠に支障をきたすほど強い場合に限定すべきです。毎回のトレーニング後の決まった回復手段として安易に乱用することは避けるべきです。

8. 【効果:限定的】抗酸化物質

論点:ビタミンCやEなどの抗酸化物質を高用量で摂取することは、筋肉痛を軽減する効果的な戦略ではありません。

科学的根拠:2017年のコクラン・レビューが50件の研究を分析した結果、統計的にはごくわずかな痛みの減少が見られたものの、その差は非常に小さく、使用者が実際に体感できるほどの意味のある違いではない、と結論付けられています21

9. 【効果:限定的】着圧ウェア(コンプレッションウェア)

論点:着圧(コンプレッション)機能のあるウェアを着用することは、軽微な利益をもたらす可能性があります。

科学的根拠:2018年のメタアナリシスでは、着圧ウェアがDOMSと疲労感をわずかに軽減する可能性があることが示されました11。これは、ウェアが提供する適度な圧力が、腫れを抑制し、血行を改善するのを助けるためと考えられています。


日本の市販薬(OTC)徹底比較ガイド

痛みが強く、セルフケアだけでは対応が難しい場合、薬局で手に入る市販薬(OTC)は有効な選択肢です。ここでは、日本のドラッグストアで一般的に見られる製品を、成分に基づいて客観的に比較・解説します。

【薬剤師からのアドバイス】
湿布や塗り薬を選ぶ際は、有効成分だけでなく、剤形(テープ剤、パップ剤、ゲル剤、ローション剤など)の特徴を理解することが重要です。テープ剤は密着性が高く剥がれにくいですが、皮膚が敏感な方はかぶれやすい場合があります。パップ剤は水分を多く含み冷却効果が高いですが、剥がれやすいのが難点です。ゲル剤やローション剤は、べたつきが少なく、広い範囲に塗りやすいという利点があります。

日本の市販鎮痛薬(NSAIDs含有)の比較
有効成分 代表的な製品名(ブランド) 剤形 特徴・長所/短所
ロキソプロフェン
(Loxoprofen)
ロキソニンSテープ/ゲル
(Loxonin S)
テープ、ゲル、内服薬 長所:効果と安全性のバランスが良い。貼り薬・塗り薬は皮膚から吸収された後に活性化する「プロドラッグ」製剤で、全身への副作用リスクが低い6
短所:内服薬は胃腸の既往歴がある方は注意が必要。
ジクロフェナク
(Diclofenac)
ボルタレンEXテープ/ゲル
(Voltaren EX)
テープ、ゲル、スプレー、ローション 長所:局所NSAIDsの中で最も鎮痛効果が強いとされる成分の一つで、世界中で使用されている10
短所:効果が強いため、用法・用量を正しく守る必要がある。
フェルビナク
(Felbinac)
フェイタス5.0
(Feitas 5.0)
テープ、クリーム 長所:優れた鎮痛効果を持ち、広く使用されている。血行を促進するビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)を配合した製品も多い22
短所:製品によっては1日2回の貼り替えが必要な場合がある。
インドメタシン
(Indomethacin)
バンテリンコーワ液/ゲル
(Vantelin Kowa)
液剤、ゲル、クリーム 長所:古典的なNSAIDsの一つで、長年の使用実績がある23
短所:人によっては皮膚への刺激を感じることがある。
サリチル酸メチル
(Methyl Salicylate)
サロンパス
(Salonpas)
貼付剤 長所:作用が穏やかで、軽い痛みやこりに適している。副作用のリスクが低い24
短所:新しい世代のNSAIDsと比較して鎮痛効果はマイルド。特有の匂いがある。
ノニル酸ワニリルアミド
(Nonivamide)
ロイヒつぼ膏
(Roihi Tsuboko)
小型円形貼付剤 長所:NSAIDではない温感成分。強い温感刺激で血行を促進し、痛みの感覚を紛らわす(カウンター・イリタント効果)。肩こりなどの慢性的な痛みに有効25
短所:ヒリヒリとした熱さを感じるため、皮膚の弱い部位や傷口には不向き。

よくある質問

Q1: 筋肉痛の時に筋トレを続けてもいいですか?

原則として、痛みのある部位に高負荷のトレーニングを行うべきではありません。筋肉痛は、筋肉が修復・成長しているサインです。この時期に無理にトレーニングを重ねると、筋肉がより強くなる「超回復」のプロセスを妨げ、回復を遅らせるだけでなく、怪我につながる危険性もあります26。代わりに、完全に休養するか、痛みのある部位を避け他の筋肉を鍛えるか、あるいは本記事で紹介したようなごく軽い「積極的休養」に留めましょう。

Q2: 年をとると筋肉痛が遅く来るというのは本当ですか?

これは非常に広く信じられている「都市伝説」のようなものですが、年齢自体が筋肉痛の出現を遅らせるという明確な科学的証拠はありません。痛みの出現タイミングは、年齢よりも、運動の強度、種類、そしてその運動に対する体の慣れ具合に大きく依存すると考えられています27。また、加齢によって痛みに対する感覚そのものが変化する可能性も指摘されています。

Q3: 湿布は冷感と温感、どちらを選べばいいですか?

この選択は、筋肉痛の「時期」によって決まります。

  • 急性期(運動後〜48時間):この時期は炎症が起きているため、冷感シップが推奨されます。冷たい感覚が血管を収縮させ、腫れや炎症を抑えます19
  • 回復期(48時間後〜):炎症が落ち着いてきたら、温感シップに切り替えるのが効果的です。温かい感覚が血行を促進し、筋肉の修復を助け、こわばりを和らげます6

結論

自宅で迅速かつ効果的に筋肉痛を和らげるためには、科学的根拠に基づいたアプローチを選択することが鍵となります。本記事で解説した通り、マッサージ積極的休養(軽い運動)が、証拠レベルの最も高い、効果的な対処法です。冷却と温熱療法も、適切なタイミングで用いることで大きな助けとなります。そして、これらの対処法を支える土台として、十分な栄養と質の高い睡眠が不可欠です。

一方で、これまで常識とされてきたストレッチが、筋肉痛の軽減にはほとんど効果がないという事実は、知っておくべき重要な知見です。また、市販の鎮痛薬は強力な味方ですが、あくまで痛みが強い時の短期的な使用に留め、常用は避けるべきです。これは、筋肉が本来持つべき長期的な成長プロセスを妨げる可能性があるためです。

最も大切なことは、ご自身の体の声に耳を傾けることです。痛みが1週間以上続く、耐えがたいほど激しい、または何か異常な兆候を伴う場合は、決して自己判断で済ませず、必ず医師や理学療法士などの医療専門家に相談してください。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する問題や治療に関する決定を行う前には、必ず資格を持つ医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. Guo J, Li L, Gong Y, Zhu R, Xu J, Zou J, et al. Massage Alleviates Delayed Onset Muscle Soreness after Strenuous Exercise: A Systematic Review and Meta-Analysis. Front Physiol. 2017;8:747. doi: 10.3389/fphys.2017.00747. PMID: 29021762. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29021762/
  2. Cheung K, Hume P, Maxwell L. Delayed onset muscle soreness : treatment strategies and performance factors. Sports Med. 2003;33(2):145-64. doi: 10.2165/00007256-200333020-00005. PMID: 12617692. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12617692/
  3. Herbert RD, de Noronha M, Kamper SJ. Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2011;(7):CD004577. doi: 10.1002/14651858.CD004577.pub3. Available from: https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD004577.pub3/
  4. Schoenfeld BJ. The use of nonsteroidal anti-inflammatory drugs for exercise-induced muscle damage: implications for skeletal muscle development. Sports Med. 2012;42(12):1017-28. doi: 10.1007/BF03262309. PMID: 23013520. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23013520/
  5. Bleakley CM, Costello JT, Glasgow PD. Cold-water immersion (cryotherapy) for preventing and treating muscle soreness after exercise. Cochrane Database Syst Rev. 2012;(2):CD008262. doi: 10.1002/14651858.CD008262.pub2. Available from: https://www.cochranelibrary.com/doi/10.1002/14651858.CD008262.pub2/abstract
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  7. 大正製薬. 筋肉痛を早く治す方法は? 肩こり・腰痛・筋肉痛 トクホン [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://brand.taisho.co.jp/tokuhon/body_pain/kinnikutsu002/
  8. 久光製薬. 【筋肉痛の治し方】早期回復のポイントと原因・予防法を解説! – 久光ウエルネス [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://www.e-hisamitsu.jp/health/special/muscle-pain-cure/
  9. ユビー. 筋肉痛を治す、もしくは和らげるにはどうすればよいですか? [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/symptom/e2jq36ptrkc
  10. ミナカラ. 筋肉痛に効く市販薬|飲み薬(鎮痛剤)・塗り薬・貼り薬 [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://minacolor.com/articles/7780
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  12. Panasonic. 疲れた時は、筋肉を動かそう 疲労回復の新常識「アクティブレスト」 | UP LIFE [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://panasonic.jp/life/health/160079.html
  13. NASマガジン. 筋肉痛のときの筋トレはあり? 筋肉痛を早く治す方法と予防法を解説 [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://www.nas-club.co.jp/magazine/gym/myalgia/
  14. クレーマージャパン. 筋肉痛を回復させるケア方法 [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://www.cramer.co.jp/1605-1/
  15. エアープレス上野. 酷い筋肉痛には酸素カプセルと温冷交代浴がおすすめ! [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://air-pressueno.com/archives/3590
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  22. EPARKくすりの窓口. 【薬剤師解説】筋肉痛を緩和する市販薬6選 【湿布・飲み薬】 [インターネット]. [引用日: 2025年7月26日]. Available from: https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/muscle-pain-pickup
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