本稿の科学的根拠
本稿は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下のリストには、実際に参照された情報源と、提示された医学的指針との直接的な関連性のみが含まれています。
- 厚生労働省: 本稿におけるサイクリングの健康増進効果(有酸素運動としての有効性、推奨される運動量)に関する指針は、同省発行の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」3及び「e-ヘルスネット」4の情報に基づいています。
- Acta Physiologica Hungarica掲載論文 (Ozaki, H., et al., 2015): サイクリングが特定の条件下で筋肥大を引き起こす可能性に関する記述は、この科学的レビュー論文に基づいています5。
- Physiological Reports掲載論文 (Naruse, M., et al., 2023): 有酸素サイクリングが脚のどの筋肉に影響を与えるか(大腿四頭筋への特異的な肥大効果と、ふくらはぎへの影響のなさ)という詳細な分析は、このMRI研究に基づいています6。
- ハーバード大学医学大学院: サイクリングによる具体的なカロリー消費量のデータは、同大学院の発表に基づいています7。
要点まとめ
- 自転車で脚が太くなるか細くなるかは、主に「乗り方」によって決まります。重いギアで踏み込むと太くなりやすく、軽いギアで速く回すと細くなりやすいです。
- 脚を細くする鍵は、「皮下脂肪を減らす」ことと「遅筋繊維を選択的に鍛える」ことの2点です。サイクリングは脂肪燃焼に非常に効果的な有酸素運動です。
- 美脚を目指すなら、「軽いギアで、毎分80〜100回転の高いケイデンス(回転数)を保つ」ことが黄金律です。これにより、筋肉の肥大(筋肥大)を引き起こす速筋繊維への刺激を最小限に抑えられます。
- サドルの高さが不適切だと、太ももの前側(大腿四頭筋)に過剰な負荷がかかり、脚が太くなる原因になります。科学的根拠に基づいた正しいサドルの高さ調整が不可欠です。
- 運動だけでなく、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにする食事管理が、脂肪を減らし美脚を実現するために決定的に重要です。
基本的な真実:なぜサイクリングで脚を「細く」できるのか
脚の見た目を決める基本方程式:筋肉量 vs. 体脂肪
脚が「太い」か「細い」かを決定づけるのは、本質的に「筋肉」と「皮下脂肪」という2つの組織のバランスです8。多くの人が見落としがちなのは、脚を細くするという目標が、実は2つの異なるプロセスから成り立っているという点です。それは、(1) 脚を覆っている皮下脂肪の層を減らすこと、そして (2) 肥大した筋肉ではなく、引き締まった効率的な筋肉を維持・形成することです。
サイクリングを始めたのに脚が太くなったと感じる最も一般的な原因は、運動によって筋肉量は増えたものの、食事管理が伴わずに体脂肪が減っていないケースです8。筋肉が引き締まり、わずかに成長した上に、既存の脂肪層がそのまま残っているため、「筋肉+脂肪」の相乗効果で、結果的に脚の断面積が増加してしまうのです。この現象を理解することが、効果的な美脚戦略の第一歩となります。
サイクリングは最高の脂肪燃焼エンジン
サイクリングの最大の利点の一つは、非常に優れた有酸素運動(ゆうさんそうんどう)であるという点です1。有酸素運動は、体脂肪をエネルギーとして燃焼させる最も効果的な運動方法です。
この効果は、日本の厚生労働省が発行する「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも公式に認められています。同ガイドでは、サイクリングが健康増進や生活習慣病予防に有効な身体活動として推奨されており、その信頼性は非常に高いと言えます3。
体脂肪の燃焼が本格的に始まるのは、運動を開始してから20分から30分が経過した後とされています9。これは、運動初期には血液中の糖(グルコース)が主なエネルギー源として使われ、それが枯渇し始めると、身体が貯蔵されている脂肪を分解してエネルギーとして利用し始めるためです。したがって、脂肪燃焼を目的とするならば、ある程度の時間を継続して行うことが重要になります。
その効果を具体的に数値で見てみましょう。ハーバード大学医学大学院の発表によると、体重70kg(155ポンド)の人が中強度から高強度のサイクリングを1時間行うと、400から600キロカロリー以上を消費することが可能です7。これは、サイクリングが体脂肪を減らすための強力なツールであることを明確に示しています。
栄養の役割:不適切な食事を運動で帳消しにはできない
しかし、ここで極めて重要な注意点があります。それは、脂肪の減少は、摂取カロリーよりも消費カロリーが多い「カロリー不足」の状態でのみ起こるという事実です。どれだけ効果的な運動をしても、食事管理が伴わなければ体脂肪は減りません8。
厚生労働省の資料によれば、体脂肪1kgを減らすためには、約7,200キロカロリーのエネルギー収支のマイナスが必要です4。サイクリングは消費カロリーを増やすための有効な手段ですが、それ以上にカロリーを摂取してしまえば、体重や脂肪が減ることはありません。これが、運動だけを頑張っていても結果が出ない多くの「ダイエット失敗談」の核心です10。
多くの人が抱く「サイクリング=脚が太くなる」という懸念は、実は認知の偏りから生じている側面があります。私たちの心に浮かぶ「サイクリスト」のイメージは、メディアで目にする競輪選手のようなエリートアスリートに強く影響されています2。彼らは、筋肉を意図的に肥大させるために、ボディビルダーのように特殊で高強度な無酸素運動のトレーニングを積んでいます11。しかし、一般の人が健康や美脚目的で行うサイクリングは、これとは全く異なる、低強度で長時間の有酸素運動です。この文脈の誤用が、「サイクリングは脚を太くする」という誤解を生み出す最大の原因なのです。この記事では、競輪選手のような特殊なトレーニングではなく、健康のためのサイクリングについて論じていることを明確にしておきます。
筋肉の科学:「ゴツい脚」と「引き締まった脚」を理解する
2種類の筋肉繊維:あなたの脚のエンジン
脚の筋肉が「ゴツく」なるか、「しなやか」になるかを決定づけるのは、筋肉を構成する2種類の繊維の性質を理解することです。マラソンランナー(持久力があり、細身)と短距離スプリンター(瞬発力があり、がっしりしている)を思い浮かべると分かりやすいでしょう1。
- 遅筋繊維(ちきんせんい、Type I):「持久力」の筋肉です。この繊維は、酸素と脂肪をエネルギー源とする有酸素運動で主に使われます。疲れにくく、長時間の運動を可能にしますが、繊維自体は細いのが特徴です。この遅筋繊維を鍛えることで、いわゆる「細マッチョ」のような、引き締まって無駄のない脚が作られます1。
- 速筋繊維(そっきんせんい、Type II):「瞬発力」の筋肉です。この繊維は、筋肉内に蓄えられた糖(グリコーゲン)をエネルギー源とする無酸素運動で使われます。大きな力を瞬間的に発揮できますが、すぐに疲労します。繊維自体が太いため、この速筋繊維を鍛えると筋肉が肥大(筋肥大)し、脚が太く、たくましくなります1。
ここでの重要なポイントは、美脚を目指すサイクリングの目的は、太い速筋繊維への刺激を最小限に抑え、細い遅筋繊維を選択的に鍛えることにあります。
この二つの運動様式は、単に異なる筋肉を鍛えるだけでなく、互いに拮抗するような影響を及ぼす可能性があります。有酸素運動を繰り返し行うと、遅筋繊維が発達し、使われない速筋繊維は細くなる傾向があります。逆に、高強度の無酸素運動を続けると、速筋繊維が肥大し、遅筋繊維は相対的に細くなります1。これは、美脚を目指す上で、有酸素運動としてのサイクリングが単に速筋の肥大を防ぐだけでなく、積極的に脚をしなやかに変えていく力を持っていることを示唆しています。
専門家ボックス:科学論文が明らかにするサイクリングと筋肥大の真実
このセクションでは、本稿の主張を裏付ける科学的根拠を提示し、専門性と信頼性を高めます。巷の意見ではなく、査読を経た科学研究が何を示しているのかを見ていきましょう。
前提: 有酸素運動としてのサイクリングは脚を細くする効果が期待できますが、科学的研究は、特定の条件下ではサイクリングが筋肥大を引き起こすことも確認しています。
- 研究結果1(一般的な筋肥大効果): 2015年に学術誌 Acta Physiologica Hungarica に掲載されたレビュー論文(Ozakiら)は、サイクリングトレーニングが筋肥大と筋力向上を引き起こす可能性があると結論付けています。ただし、その成長率は一般的なレジスタンストレーニング(筋トレ)よりもはるかに遅いとされています。また、若年層が筋力を向上させるためには、より高強度のインターバルサイクリングが必要になる場合があると指摘しています5。
- 研究結果2(筋肉別の肥大効果): ここで極めて重要な知見があります。2023年に学術誌 Physiological Reports に掲載された高齢男性を対象としたMRI研究(Naruseら)では、12週間の有酸素サイクリングが、脚の筋肉にどのような影響を与えるかを詳細に調査しました。その結果、太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の一部(内側広筋や外側広筋など)では7%の有意な肥大が確認されました。しかし、驚くべきことに、ふくらはぎを構成する7つの筋肉には全く変化が見られませんでした。これは、サイクリングによる筋肥大が、脚全体で均一に起こるのではなく、太ももの前側の特定の筋肉に集中することを示唆しています6。
- 研究結果3(高強度の影響): 日本自転車普及協会による研究報告書では、わずか5分間の最大努力に近いサイクリング(レースを模倣したもの)が、筋肥大と筋力増強に効果的であることが示されています。これは、高強度のサイクリングが高齢者の筋力低下(サルコペニア)予防に有効である可能性を示す一方で、美脚目的の場合は避けるべき強力な刺激であることを裏付けています11。
このボックスの結論: 科学的根拠は、「乗り方による」という仮説を明確に支持しています。高強度・高負荷のサイクリングは、特に太ももの前側(大腿四頭筋)の筋肉を成長させる強力な刺激となります。したがって、脚を細くしたいのであれば、このような乗り方を意図的に避けることが科学的に正しいアプローチであると言えます。
美脚サイクリング完全ガイド:4つの柱からなるフレームワーク
ここからは、科学的知見に基づいた、美脚を実現するための具体的な実践方法を4つの柱に分けて解説します。これらは単なる個別のテクニックではなく、相互に関連し合う一つのシステムです。例えば、バイクのセッティング(バイクフィット)が不適切だと、正しいテクニックを実践することが困難になります。
柱1:テクニック – 効率的なペダリングの技術
美脚サイクリングの核心は、ペダルの踏み方にあります。目標は、ペダルを力任せに「踏み込む(マッシング)」のではなく、滑らかに「回す(スピニング)」ことです8。
筋肉の使い方を変える:
- 踏み込むペダリング: ペダルが一番上(12時)から下(5時)へ向かう際に、主に大腿四頭筋(太ももの前側)を使います。これが、筋肉による脚の肥大化の最大の原因です8。
- 回すペダリング: ペダルが一周する全ての局面を意識します。下(7時)から後ろを通り、上(11時)へ引き上げる際には、ハムストリングス(太ももの裏側)や腸腰筋(ちょうようきん、股関節の深層筋)を使います。これにより、負荷が脚全体に分散され、大腿四頭筋への過剰な負担が軽減されます12。イメージとしては、「靴の裏についた泥をこすり落とすように」ペダルを回します。
足の正しい位置:
効率的な力伝達のためには、足の母指球(ぼしきゅう、親指の付け根のふくらみ)をペダルの中心に乗せることが基本です13。ただし、太もも前側の筋肉を使いすぎると感じる場合は、意識的にかかと寄りで踏むことで、ハムストリングスやお尻の筋肉(大臀筋)を使いやすくするテクニックもあります14。これは、自分の感覚を確認しながら試す価値のある上級テクニックです。
正しい姿勢:
軽く前傾姿勢をとり、腹筋で体幹を支えることで、お尻の筋肉が使いやすくなり、ペダリングの効率が向上します。また、腰への負担も軽減されます2。
柱2:強度 – 「軽いギア、高いケイデンス」の原則
これは美脚サイクリングにおける黄金律です。常に軽いギア(かるいギア)を選択し、ペダルの回転数であるケイデンスを毎分80〜100回転(RPM)に保つことを目指します1。
なぜ重要なのか:
この方法は、ペダル一回転あたりに必要な力(トルク)を最小限に抑えます。力が小さければ、瞬発系の速筋繊維への刺激が弱まり、運動は脂肪を燃焼させる有酸素運動の領域に留まります12。
強度の目安:
専門的な機器がなくても、強度は「会話ができるペース」で判断できます。息が弾むものの、隣の人と楽に会話が続けられる程度が、最適な有酸素運動ゾーンの目安です15。
避けるべきこと:
重いギアで、低い回転数でペダルを「ぐいぐい」と踏み込む乗り方です。特に坂道でこれをやってしまうと、ジムで重いレッグプレスをしているのと同じ状態になり、筋肥大に直結します16。
柱3:バイクフィット – 成功と安全のための譲れない土台
不適切なバイクフィット、特にサドルの高さは、ライダーに非効率で大腿四頭筋に頼ったペダリングを強制します。これにより、前述したテクニックや強度の原則を守ることがほぼ不可能になります。
サドルの高さ:最も重要な調整項目
- 低すぎるサドルの問題点: サドルが低すぎると、膝が深く曲がりすぎ、ペダルを踏み込む際に大腿四頭筋に過剰な負荷がかかります。これが筋肥大と膝の痛みの主な原因となります14。
- 高すぎるサドルの問題点: サドルが高すぎると、ペダルを漕ぐたびにお尻が左右に揺れ、腰痛やハムストリングス、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)の痛みを引き起こす可能性があります17。
表1:サドルの高さを科学的に設定するためのガイド
この表は、本稿の信頼性を象徴する重要な要素です。数十年にわたるスポーツ科学の研究成果を統合し、複雑なテーマを実践的な比較ガイドとして提示します。これにより、読者は曖昧なアドバイスではなく、専門的で根拠のある情報を得ることができます。
方法 | 説明 | 利点 | 欠点・限界 | 科学的見解と推奨 |
---|---|---|---|---|
かかと法 | サドルに座り、ペダルが一番下(6時)の位置でかかとを乗せる。このとき脚が完全に伸びきる高さに調整する。 | シンプルで道具が不要。最初の目安として手軽。 | 非常に不正確。靴の厚み、クリート位置、個人の足首の柔軟性を考慮していない。サドルが低すぎる結果になりがち。 | あくまで大まかな初期設定用。最適なポジションにはならないことが多く、精密な調整には推奨されない18。 |
股下計算式 | 例:サドル高 = 股下 × 0.875~0.885(レモン法/イノー法)。または股下 × 1.09(ハムレー法)。 | 計算式で数値目標が得られ、手早く設定できる。 | 個人の大腿骨・脛骨の長さの比率、足のサイズ、柔軟性を考慮しないため不正確な場合がある。特に109%法はサドルが高くなりすぎる傾向がある。 | かかと法よりは良いが、あくまで近似値。これを基準に膝角度法で微調整することが望ましい。研究では、これらの計算式が最適な膝角度の範囲から外れることが多いと示されている19。 |
膝角度法 (ホームズ法) | ペダルが一番下(6時)の位置で、膝の屈曲角度を測定する。目標は25度~35度の範囲。 | 生体力学におけるゴールドスタンダード。個人の解剖学的特徴をすべて考慮し、直接関節角度を測定するため最も正確。 | 角度計やビデオ解析アプリが必要で、一人で行うのは難しい。 | 強く推奨。数多くの研究が、この範囲がパワー、効率、怪我予防のバランスを取るのに最適であると支持している。最高のパフォーマンスと効率を求めるなら、範囲の下限(25度~30度)を目指すのが良い20。 |
柱4:継続性 – 最適な結果を得るための時間と頻度
運動時間:
1回のセッションで30分から60分を目指しましょう。これにより、体が脂肪を効率的に燃焼し始める約20分の閾値を超えることができます9。
頻度と運動量:
厚生労働省の「身体活動ガイド2023」を参考にします3。成人には、1日60分以上の中強度活動(週に23メッツ・時以上に相当)が推奨されています。例えば、中強度のサイクリング(4.0メッツ)を週5日、45分間行えば、この目標のかなりの部分を達成できます。
「蓄積」の原則:
厚生労働省が「短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られる」と明言していることを覚えておいてください3。10分程度の短いサイクリングでも、毎日の活動量に加算されます。これは、忙しい初心者にとって非常に心強い情報です。
よくある質問
乗った直後に脚が張ってむくんだように感じます。太くなったのでしょうか?
いいえ、それは「マッスルポンプ(パンプアップ)」と呼ばれる一時的で正常な現象です8。運動によって活動中の筋肉に血液が集中し、一時的に筋肉が膨張します。通常は30分から1時間程度で元に戻り、恒久的な筋肉の成長を示すものではありませんので、心配は不要です。
坂道や向かい風での走行は、脚を太くしますか?
不適切な乗り方をすれば、その可能性があります。重要なのは、抵抗が増えることを予測し、重いギアで踏ん張る前に、より軽いギアに変速することです。たとえスピードが落ちても、高いケイデンス(毎分80回転以上)を維持してください。これにより、ペダルにかかる力は低いまま保たれます。どうしても軽いギアで登れない急な坂道では、立ち漕ぎ(ダンシング)をすることで、体重を利用し、異なる筋肉群に負荷を分散させることができます。目標は、常に低ケイデンス・高負荷のペダリングを避けることです14。
このルールは、室内のフィットネスバイクやスピンクラスにも当てはまりますか?
はい、完全に当てはまります。生理学的な原則は同じです。フィットネスバイクの負荷調整ノブを使い、「軽いギア」をシミュレートし、高いケイデンスを維持できるように設定してください。特にインストラクター主導のクラスでは、周囲に合わせて無理に負荷を上げすぎ、低い回転数で踏み込むことにならないよう注意が必要です8。
女性として、筋肉でゴツくなるのが心配です。男性より脚が太くなりやすいのでしょうか?
これはよくある誤解ですが、実際にはその逆が真実です。女性は、筋肉の成長を促すホルモンであるテストステロンの分泌量が男性に比べて著しく少ないため、大きな筋肉を付けることははるかに困難です8。あなたが心配するような筋肉の肥大は、非常に特殊で高負荷な筋力トレーニングと、それに合わせた食事管理を長期間行わない限り起こりません。美脚目的の有酸素サイクリングでは、むしろ引き締まったしなやかな脚が形成されます。
このプロセスにおいて、食事はどれくらい重要ですか?
決定的に重要です。基本方程式「脚の見た目 = 筋肉 vs. 脂肪」を思い出してください。サイクリングは脂肪を燃焼させ、引き締まった筋肉を作るためのツールです。そして食事は、燃焼させるべき脂肪の赤字(カロリー不足)を作り出し、回復に必要な栄養素を供給するためのツールです。消費カロリー以上に摂取すれば、どれだけ完璧なサイクリングをしても脂肪は減らず、脚が細く見えることはありません8。
結論
「サイクリングで脚が太くなる」という恐怖心は、エリート選手のパワー系トレーニングと、健康目的の有酸素運動との混同から生じる、根拠の薄いものであることがお分かりいただけたでしょう。正しいテクニック、管理された強度、そして精密なバイクフィットという統合的なシステムアプローチを取れば、サイクリングは引き締まった美しい脚を手に入れるための、最も効果的で楽しい運動の一つとなります。
最後に、今日から始められる具体的なアクションプランをまとめます。
美脚サイクリング・クイックスタートガイド3ステップ:
- 土台を固める: 次に乗る前に、サドルの高さを確認しましょう。可能であれば膝角度法を試すか、股下計算式で初期設定し、微調整する準備をします。ペダルが一番下にあるとき、膝が軽く曲がっている(伸びきっていない)状態が目安です。
- 「踏む」から「回す」へ: 自転車に乗ったら、意識的に「楽すぎる」と感じるくらいの軽いギアを選びます。そして、速く、滑らかに、円を描くようなペダリングを心がけます(靴の裏の泥をこすり落とすイメージで)。会話ができる程度のペースを維持しましょう。
- 継続は力なり: まずは週に3〜5回、30分間の連続走行を目指します。厚生労働省のアドバイスを忘れずに。毎分が重要であり、通勤や近所への買い物といった短い時間も、あなたの目標達成に貢献します。
サイクリングは、単なる目的達成の手段ではありません。関節への負担が少なく、心身をリフレッシュさせ、心血管系の健康から精神的な幸福感に至るまで、脚の美しさだけにとどまらない、計り知れない恩恵をもたらしてくれる持続可能な活動です21。さあ、あなたも今日から、美しく健康な未来へとペダルを漕ぎ出しましょう。
参考文献
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