血圧を上げる食品とは?| 健康的な食生活のために知っておくべきこと
心血管疾患

血圧を上げる食品とは?| 健康的な食生活のために知っておくべきこと

はじめに

こんにちは、JHO編集部です。今回は、より健康的な日々を送るために重要な一環となる血圧管理について、特に何を食べるべきか、そして同時に何を避けるべきかに焦点を当ててお伝えします。高血圧は、日常生活のさまざまな要因によって引き起こされますが、食生活の影響は非常に大きく、毎日の食卓に上る食品が血圧上昇のきっかけとなることも珍しくありません。私たちの暮らしには多彩な食材があふれていますが、その中で高血圧を悪化させ得る食品を理解し、賢く選択することは、健康維持の鍵となります。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

本記事では、高血圧を引き起こす可能性がある食品をもれなく丁寧に解説し、さらにその背景となる科学的知見、実生活での注意点、代替方法などを詳しく掘り下げます。幅広い年代の方々が理解しやすいよう配慮しつつ、医療分野の専門家による知見を踏まえた上でまとめています。食事を中心にした高血圧のケアは日々の積み重ねで効果が現れるため、この記事を通じて得られる情報を活用し、日常の食生活を少しずつでも変えていくことで、より安定した血圧を目指していただければと思います。

専門家への相談

この記事で取り上げる情報は、信頼性の高い専門家や医療機関をはじめ、公的な医療関連組織の知見をもとにしています。特に、ベトナムで医療に従事するグエン・トゥオン・ハイン医師(バクニン省総合病院)からの助言を参考にしております。また、記事中で示される知見や統計情報は、後述の「参考文献」で示す公的・学術的な医療サイトや研究論文に基づいたものです。これらは大規模研究や権威ある医療機関のガイドライン、学術論文を含む多角的な情報ソースであり、高血圧やその原因食材に関する幅広い知見が集約されています。そのため、本記事の内容は専門性(Expertise)権威性(Authoritativeness)信頼性(Trustworthiness)を兼ね備えた情報であるよう努めています。

ただし、ここでご紹介する情報はあくまでも一般的な知見に基づくものであり、個々の健康状態によって最適な対策は異なります。実際に食事改善や生活習慣の見直しを行う場合は、かかりつけ医や管理栄養士などの専門家に相談して、自分に合った方法を確認することが大切です。

高血圧を引き起こす食べ物とは

私たちは日々の食事で多様な栄養素を摂取しています。その中には身体に有益な成分もあれば、過剰に摂ると高血圧などの生活習慣病リスクを高める成分もあります。特に高血圧リスクが指摘される食品を理解し、取りすぎを避けることは、血圧管理の第一歩です。ここでは、実証的データや専門家の見解、信頼できる医療サイトの情報をもとに、注意すべき食品群を詳しく見ていきます。

1. ナトリウムを多く含む食品

ナトリウムは血圧上昇に直接関与することで知られるミネラル成分です。多くの研究から、ナトリウムの過剰摂取によって血液中の浸透圧バランスが崩れ、血液量が増加し、血管へ圧がかかりやすくなることが示されています。日本高血圧学会のガイドラインでも食塩相当量の制限が強く推奨されており、日常的な減塩の工夫が大切です。

  • 塩辛い食品:醤油、味噌、塩漬け魚、漬物、塩辛、魚醤など。塩味をしっかり感じる食品はナトリウム量が多いことが多いため、少量でも塩分をとりすぎる可能性があります。しょうゆを使う量を半分に減らす、減塩タイプの商品を使う、漬物を一度水洗いして塩分を落としてから食べるなどの方法でナトリウム摂取量を抑えられます。
  • 加工食品:缶詰、ハム、ソーセージ、ベーコン、インスタント食品、レトルト食品、スナック菓子などは、風味や保存性を高めるために多くのナトリウムが使われます。これらを選ぶ際には、栄養表示を確認し、できるだけナトリウム量が少ないものを選ぶ工夫が必要です。塩分控えめと表示された加工食品や無塩ナッツ類を選ぶなど、毎日の買い物で意識するだけでも効果は十分期待できます。

2. 甘草を含む製品

甘草(リコリス)は、お菓子や一部のハーブティー、漢方薬などに用いられることがある成分です。特定の研究では、甘草摂取が血圧上昇と関連する可能性が示されています。甘草は体内のホルモンや電解質バランスに複雑な影響を与えるため、結果的に血圧を上昇させる要因となり得ると考えられています。

たとえば、甘草入りのキャンディーを習慣的に食べている場合、少しずつの積み重ねでも慢性的な血圧上昇につながるリスクがあります。ハーブティーの選択肢が多い方は、甘草を含まない種類に切り替えるなど、日常的に摂取する量を調整する工夫が重要です。

3. 赤身肉の過剰摂取

赤身肉は良質なタンパク源である一方で、飽和脂肪酸や特定の成分を多く含み、過剰摂取が血管内皮機能の低下や炎症反応を誘発し、高血圧リスクを高めると指摘されています。ある調査では、赤身肉の摂取量が増えるほど高血圧リスクが増加する可能性があると報告されています。

ただし、赤身肉は決して食べてはいけない食品ではありません。脂肪分が少ない部位を選んだり、週に数回に頻度を抑えたりすることで、過剰な飽和脂肪酸を避けることができます。魚や大豆製品などの他のタンパク質源をバランスよく取り入れ、栄養面でのメリットと血圧管理を両立させることが望ましいです。

4. 高糖質のスナックや菓子

糖質を多く含むスナック菓子や砂糖菓子は、体重増加を促しやすく、結果として血圧上昇に寄与する可能性があります。特に、清涼飲料水や砂糖の多い菓子パン、チョコレート類などを頻繁にとると、血糖値やインスリンの動きが不安定になり、体重管理が難しくなるだけでなく血圧への影響も高まります。

高糖質食品を控え、甘みがほしい場合は果物を利用する、あるいは甘みのある野菜(トマトやかぼちゃなど)をうまく活用するなど、代替手段を取り入れることで血糖値と血圧のバランスを取りやすくなります。

5. 動物性脂肪、内臓および皮膚

内臓肉や鶏皮、脂肪の多い部位の肉は、直接的に急激な血圧上昇をもたらすわけではありません。しかし、飽和脂肪酸やコレステロールを多く含むため、長期的には血管硬化や動脈硬化リスクを高め、高血圧につながりやすくなると考えられます。

特に、内臓類はホルモンバランスや脂質代謝に影響を及ぼす成分を多く含む場合があるため、美味しくても量や頻度を管理しなければなりません。部位の選択で脂肪分を控えたり、茹でる・蒸すなど調理方法を工夫したりすることで、過剰な飽和脂肪酸の摂取を防げます。

6. 揚げ物

揚げ物は一般的に高カロリー、高脂肪であり、特にトランス脂肪酸や飽和脂肪酸を多く含む油で調理される場合、血管に負担をかけ血圧上昇を助長しやすいです。さらに、塩分を加えた衣や下味をしっかりつける調理法も多く、ナトリウム過多に陥りやすい点も見逃せません。

日常的に揚げ物を楽しむ場合は、以下のような工夫を行うとよいでしょう。

  • 植物性で不飽和脂肪酸を含む油を使う
  • 油切りをしっかり行い、余分な脂質を落とす
  • 下味の段階で塩分をできるだけ控え、香辛料やハーブを活用する

これらを徹底するだけでも、揚げ物による血圧リスクをある程度緩和できます。

7. 焼き物料理

焼き肉や焼き魚、グリル料理などは、日本の食卓にも頻繁に登場する人気の調理法です。しかし、アメリカ心臓協会によると、月に15回以上の焼き物料理をとる人は高血圧リスクが17%以上増加すると報告されています。これは塩やタレなどの調味料が多用されるほか、高温調理による一部有害物質の生成も関係している可能性があります。

全く食べてはいけないわけではありませんが、蒸す・煮る・和えるなど、比較的塩分や油脂を抑えられる調理法をもっと取り入れることで、血圧への負担を減らすことができます。

8. チーズ

チーズはカルシウムやタンパク質が豊富な反面、塩分や飽和脂肪酸が高めの種類が多い食品でもあります。高血圧を気にする方は、減塩タイプのチーズや塩分量が少ない種類を選ぶといった工夫が必要です。さらに、チーズを食べる際には野菜や果物を組み合わせ、全体の食事に占める塩分や脂肪分をトータルで調整することが、血圧管理には有効です。

高血圧患者向けの栄養アドバイス

高血圧の予防・管理には、特定の食品を避けるだけでなく、日々の食生活全体を改善するアプローチが重要です。以下のアドバイスは、多くの研究や専門家の推奨に基づき、実生活でも取り入れやすい内容を心がけています。

  • 魚、ナッツ類、豆類を多く摂る
    青魚にはオメガ3系脂肪酸が豊富に含まれ、血管機能をサポートすると考えられています。ナッツ類は適量ならば、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを効率よく補給でき、豆類は食物繊維が多いため過食を防ぎやすい特徴があります。
  • 糖質・塩分の多い軽食やデザートを野菜や果物に置き換える
    スナック菓子の代わりに果物を選ぶことで、ビタミン・ミネラル・食物繊維を取りつつ余分な塩分を回避できます。野菜の副菜を増やすと自然に食事全体の栄養バランスが改善し、体重管理にもプラスに働きます。
  • 全粒穀物を選ぶ
    白米や精白小麦のパンよりも、玄米、全粒粉のパンやパスタなどを取り入れると、血糖値や血圧を安定させやすい食物繊維やミネラルを多く摂取できます。
  • 果汁飲料より生の果物
    たとえ果汁100%ジュースであっても、製造過程で食物繊維が減ってしまうことが多いため、血糖値が上がりやすい傾向があります。生の果物をそのまま食べるほうが、血糖値を緩やかに上昇させる効果が期待できます。
  • 良質な油を用いる
    オリーブオイルやキャノーラ油といった不飽和脂肪酸を多く含む油を使うのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えるうえで効果的です。バターやココナッツオイルばかり使うのではなく、サラダにオリーブオイルをかけるなどの工夫をすると、血管への負担を軽減できます。
  • 新鮮な食材を優先し、加工食品を控える
    鮮度の高い野菜や果物、魚、肉を使った料理は、保存料やナトリウムを抑えやすく、素材そのものの味を活かせます。日持ちの良い加工食品に頼りがちの方は、週末に食材をまとめ買いして冷凍保存するなど、自然の味わいを損なわずに管理できる方法も検討してみてください。
  • ナトリウム摂取を控えるための工夫
    塩の代わりにハーブやスパイス、酢、柑橘類の果汁などで風味付けするのがおすすめです。たとえばレモン汁やハーブミックスを使うことで、塩分を少なくしても満足感のある味わいを作りやすくなります。
  • 過体重の場合はカロリー制限を意識
    肥満は高血圧の大きな危険因子です。適正体重を把握し、日々の食事量をコントロールするとともに、ウォーキングや軽い筋力トレーニングなどの運動習慣を組み合わせると、より効果的に血圧を安定させられます。
  • アルコールの過剰摂取を避ける
    アルコールは適量ならばリラックス効果が期待できますが、過剰摂取は血圧上昇や肝臓への負担を引き起こします。日本人の場合、特に体質的にアルコール分解が得意でない方も多いので、飲みすぎには十分注意が必要です。
  • カフェイン過剰摂取に注意
    コーヒーや紅茶、緑茶などにはカフェインが含まれます。適度な摂取であれば大きな問題は生じにくいとされていますが、1日4杯以上のコーヒーを毎日飲むなど、明らかに過剰な摂取は心拍数や血圧を上げる要因となり得ます。カフェインフリーの飲み物や麦茶、水などを併用して、過度の摂取を避けましょう。

さらに、高血圧の管理には食生活だけでなく、日常的な軽い運動や散歩、ストレス管理、充分な休息・睡眠などを組み合わせることが欠かせません。生活習慣の見直しを総合的に行うことで、互いに相乗効果を発揮しやすくなります。

結論と提言

結論

高血圧は、普段の食生活や運動習慣など、ちょっとしたライフスタイルの積み重ねで大きく左右されます。塩分(ナトリウム)や甘草、赤身肉、揚げ物、焼き物、チーズなど、高血圧を悪化させる可能性のある食品を意識して控えることはもちろん重要ですが、その一方で、野菜・果物・魚・豆類・全粒穀物などを積極的に取り入れ、食事全体の栄養バランスを整えることこそが、長期的な血圧コントロールにおいて不可欠です。こうした取り組みは、体重管理や生活習慣病全般の予防にも役立つため、結果的に生活の質を高め、健康寿命の延伸にもつながるでしょう。

提言

  • 塩分や飽和脂肪酸の摂取を抑え、野菜や果物などを増やす
    日常の食事の選択が長期的な血圧に大きく影響します。特にナトリウムのとりすぎは日本人に多い傾向があり、調理段階での減塩、加工食品の見直しなどの対策が重要です。
  • 適度な運動の実践
    ウォーキングや軽いジョギング、筋力トレーニングなど、できる範囲でよいので定期的に身体を動かしましょう。血管の弾力性や心肺機能の向上に加え、ストレス緩和にも役立ちます。
  • 信頼できる情報源を確認し、専門家へ相談する
    高血圧の程度や合併症の有無によって、推奨される食事や生活習慣は異なります。迷ったら、医師や管理栄養士などの専門家の意見を仰ぐことが大切です。日本高血圧学会や各種医療機関のガイドライン、研究機関による大規模研究など、実証的なデータを参考にすると安心して取り組めます。

高血圧は自覚症状が乏しい場合も多いですが、放置すると脳卒中や心疾患など重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。だからこそ、早い段階で生活習慣を見直し、定期検診を受けながら専門家のアドバイスを得ることが健康を守るうえで欠かせません。

重要な注意
本記事の内容はあくまでも一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断の代替にはなりません。個別の症状や健康状態については必ず医師や医療専門職に相談し、最適なケアを受けるようにしてください。

参考文献

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