血圧150/100 mmHgは高い?それとも正常?
心血管疾患

血圧150/100 mmHgは高い?それとも正常?

はじめに

こんにちは!健康維持やウェルビーイングに関心をお持ちの方であれば、血圧の数値について一度は考えたことがあるかもしれません。今回は、血圧150/100 mmHgという数値がどのような意味を持ち、健康にどのような影響を与え得るのか、そしてこの状態を管理するためにどのような対策が考えられるのかを徹底的に解説します。血圧は日常生活の中で大きく変動しやすい指標であり、高血圧のリスクがある場合には早期からの予防とケアが重要です。本記事では、血圧が高くなるメカニズムやその背景、具体的な管理方法などを幅広く掘り下げていきます。この情報が皆さまの健康意識向上や生活習慣の見直しに役立つことを願っています。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

本記事では、ベトナムの「Tim mạch · Bệnh viện Nhân dân 115」に勤務するThạc sĩ – Bác sĩ CKI Ngô Võ Ngọc Hươngの見解も参考にしています。彼女は心臓血管領域に関する専門的な知見を有しており、高血圧管理の重要性や具体的な対策について医療現場で日々指導を行っています。信頼できる情報を得るうえで、専門家の視点は非常に貴重ですので、ぜひ参考にしてみてください。

血圧とは何か?

血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の壁にかかる圧力のことを指し、通常はミリメートル水銀(mmHg)という単位で示されます。血圧は主に以下の2つのフェーズに分けられます。

  • 収縮期血圧(上の血圧): 心臓が血液を全身に送り出す際に測定される血圧
  • 拡張期血圧(下の血圧): 心臓が次の拍動に向けて拡張し、血液を受け入れる準備をしているときの血圧

この2つのフェーズは循環器系の働きを理解するうえで重要な指標です。血圧が高すぎると血管壁に過度な負荷がかかり、逆に低すぎると臓器への十分な血流が確保しづらくなるため、いずれもバランスが大切です。生活習慣の改善や定期的な測定を通じて、日々の変動を把握しながらケアすることが望ましいとされています。

血圧の分類

血圧を理解し、適切に管理するためには、まず現在の水準がどの段階にあるのかを把握する必要があります。血圧の分類は複数の国際的ガイドラインや学会で提示されていますが、以下は一般的によく用いられる目安です。

  • 最適血圧
  • 正常血圧 : 収縮期血圧が120–129 mmHg、拡張期血圧が80–84 mmHg
  • 境界型高血圧 : 収縮期血圧が130–139 mmHg、拡張期血圧が85–89 mmHg
  • 高血圧第1段階 : 収縮期血圧が140–159 mmHg、拡張期血圧が90–99 mmHg
  • 高血圧第2段階 : 収縮期血圧が160–179 mmHg、拡張期血圧が100–109 mmHg
  • 高血圧第3段階 : 収縮期血圧が180 mmHg以上、拡張期血圧が110 mmHg以上(緊急処置が必要)

このように血圧は数値によって段階的に区分されます。数値が高いほど血管への負担が大きくなり、心臓病や脳血管障害などのリスクが高まることが知られています。定期的に血圧を測定し、自分の数値を正しく把握することが予防の第一歩です。

血圧150/100 mmHgは高いのか?

血圧150/100 mmHgという数値は、一般的なガイドラインでは「高血圧」に分類されます。具体的には、収縮期150 mmHgは「高血圧第1段階」の領域に該当し、拡張期100 mmHgは「高血圧第2段階」に該当するため、高いほうの区分に合わせて「高血圧第2段階」とみなすことが多いです。

血圧は一日のうちでも変動しやすく、測定するタイミングや環境によっても数値が変わります。そのため、初めて測定したときに150/100 mmHgという結果が出た場合でも、落ち着いた状況で時間をおいて再度測定し、継続的に観察することが重要です。もし家で測定した数値に不安がある場合は、医療機関で測定し、専門の医師や看護師の指導を仰ぐことをおすすめします。

なお、高血圧は放置しておくと心臓や血管に負担をかけ続け、将来的に深刻な合併症を引き起こす可能性があります。自覚症状が少ないことも多いため、定期的なチェックと早めの対策が肝要です。

高血圧がもたらすリスクと背景

血圧が高い状態が持続すると、血管や臓器に慢性的なストレスが加わり、以下のような合併症が起こりやすくなるとされています。

  • 冠動脈疾患: 血管が狭窄を起こしやすくなり、狭心症や心筋梗塞につながる
  • 脳卒中: 高血圧により脳の血管が硬くなりやすく、脳出血や脳梗塞のリスクが上昇
  • 腎不全: 腎臓の血管がダメージを受けやすくなり、腎機能低下を招く
  • 心不全: 高血圧が続くと心臓に負担がかかり、心臓のポンプ機能が弱まる

高血圧の背景には、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、喫煙や過剰な飲酒、ストレスなどさまざまな因子が関与すると考えられています。加齢による血管の弾力性の低下や、遺伝的要因も無視できません。よって、個々人のライフスタイルや家族歴、基礎疾患の有無などを総合的に考慮しながら、血圧を管理していく必要があります。

血圧150/100 mmHgを理解し、予防と治療を行う

150/100 mmHgは高血圧の範囲に入り、すでにリスク管理が必要な状態といえます。高血圧は長期的に放置すると心臓や血管、腎臓、脳などに合併症を引き起こす恐れが高まります。したがって、日常生活の習慣を見直し、必要に応じて医療機関を受診しながら総合的にケアしていくことが重要です。以下のような対策が挙げられます。

  • 食事の見直し
    塩分を控え、野菜や果物、食物繊維が豊富な食材を意識的に取り入れましょう。日本人の食生活は塩分が多くなりがちと指摘されているため、醤油や味噌などを使用する際には薄味を心掛けることが大切です。
  • 定期的な運動習慣
    ウォーキングや軽いジョギング、水泳など、有酸素運動を中心に週に3〜5回を目標に取り入れると良いでしょう。継続的な運動は血圧を下げるだけでなく、ストレス解消にも役立ちます。
  • 適正体重の維持
    肥満は高血圧のリスクを高める要因の一つです。BMIが25を超えない範囲を目安に、バランスの良い食事と運動で健康的な体重を維持しましょう。
  • 飲酒やカフェイン摂取の制限
    アルコールやカフェインを過度に摂取すると血圧が上昇しやすくなると言われています。過度の飲酒を控え、カフェインもほどほどに摂取することが望ましいとされています。
  • 禁煙の徹底
    喫煙習慣は血管に深刻なダメージを与え、高血圧のリスクを大きく高めます。動脈硬化を進行させないためにも、できるだけ早い段階で禁煙に取り組むことが大切です。
  • ストレス管理と睡眠
    慢性的なストレスや睡眠不足も血圧上昇の要因と考えられます。リラクゼーションや趣味の時間を確保し、十分な睡眠をとることで自律神経のバランスを整えましょう。
  • 基礎疾患のケア
    糖尿病や脂質異常症など、ほかの生活習慣病を併発している場合は総合的に治療計画を立てる必要があります。専門医と連携しながら血糖値やコレステロール値の管理を行い、リスクを重ねて減らすようにしましょう。
  • 薬物治療と専門家の指示
    血圧が特に高い場合や、生活習慣の改善だけでは十分にコントロールできない場合、医師の処方による薬物療法が検討されます。薬の種類には利尿薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARBなどがあり、個々人の病状や合併症の有無に応じて選択されます。必ず医師の指示に従い、定期的に受診して効果や副作用をチェックすることが大切です。
  • 家庭での血圧測定
    血圧計を用いて自宅でも定期的に測定し、数値の変化を把握しましょう。診療所や病院で測定するときだけでなく、家庭での平均的な数値を参考にすると、より的確に日常の血圧をつかむことができます。

上記の対策を継続的に行うことで、高血圧が引き起こす心血管系疾患のリスクを大幅に軽減できると考えられています。特に血圧が150/100 mmHgの段階では早めに生活習慣の見直しと必要に応じた治療を始めることが、長期的な健康維持につながります。

生活習慣と血圧に関する最近の研究動向

近年、高血圧と生活習慣の関連性に焦点を当てた研究が数多く報告されています。特に2020年以降、新型コロナウイルス感染症流行下で生活パターンが変化し、運動不足やストレス増大が血圧に影響を及ぼしている可能性が示唆されるなど、新しい知見が続々と発表されています。たとえば以下のような研究があります。

  • 2020年に発表されたInternational Society of Hypertensionのガイドラインでは、塩分制限や運動療法、禁煙など基本的な生活習慣の改善が高血圧管理の基盤であることを再強調しています。さらに、在宅での血圧測定の重要性を指摘し、自宅での平均血圧を診療情報に生かすことで、より適切な治療方針の立案が可能になると報告されました。
    (Unger T, Borghi C, Charchar F, et al. (2020) 2020 International Society of Hypertension Global Hypertension Practice Guidelines. Hypertension. 75(6):1334–1357. doi:10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15026)
  • 日本高血圧学会(JSH)では、2019年にガイドラインを改訂しており、高血圧管理にはまず生活習慣改善を優先すること、そして必要な場合には医師の判断で薬物療法を併用することが推奨されています。塩分摂取量を1日6g未満に抑えることや、適度な運動・休養などを徹底することで、血圧コントロールに好影響を及ぼすという結論が出ています。
    (Kario K, et al. (2019) The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension (JSH 2019). Hypertension Research, 42(9):1235–1481. doi:10.1038/s41440-019-0284-9)

こうしたガイドラインや大規模研究は、海外と日本それぞれの医療現場や生活環境の違いを踏まえて実施されています。日本の食文化では味噌や醤油など塩分量の多い調味料が日常的に使われることが多い一方、魚や野菜を多く取り入れる食習慣もあるため、個々の生活実態に即した指導や対策が望まれます。自分の食習慣や生活リズムを客観的に振り返りつつ、どのような方法が続けやすく、かつ高血圧のコントロールに寄与するかを専門家とともに検討することが大切です。

血圧管理のポイントとモチベーション維持

血圧を管理するうえで、最初は大きなモチベーションを持っていても、長期的に習慣を維持するのは容易ではありません。そこで、下記のポイントを意識すると継続しやすくなります。

  • 具体的な目標を立てる
    例:3か月で体重を2 kg減らす、毎日5分ストレッチをする、週に3回ウォーキングをするなど
  • 記録を活用する
    毎日の血圧や運動の内容、食事内容などをメモやアプリで記録し、変化を見える化すると取り組みやすくなります。
  • 周囲の協力を得る
    家族や友人に自分の目標を共有し、ともに運動や減塩食に取り組むことで、楽しみながら継続しやすくなります。
  • ご褒美や達成感を得る仕組みづくり
    一定の目標を達成できたときには、自分が好きな趣味に時間を割くなど、ささやかなご褒美を設定することで継続意欲を高めます。

生活習慣の改善を続けるうえでは、「すぐに大きな変化は期待できない」という点も理解しておくとよいでしょう。血圧は日々の習慣の積み重ねが反映されるため、焦らず、しかし確実に行動を積み重ねることが結果的に大きな改善へとつながります。

専門家への相談と注意点

血圧150/100 mmHgという数値が出た場合、自己流で対策を講じることに加えて、医療専門家に相談することが推奨されます。医療機関では、

  • 正確な血圧測定と検査
  • 個々のリスク因子や合併症の有無に応じた対策提案
  • 必要に応じた薬物療法の導入と副作用チェック
  • 生活習慣改善に関する具体的アドバイス

などを包括的に受けることができます。また、すでに糖尿病や慢性腎臓病など他の生活習慣病をお持ちの場合は、血圧との関連性についても総合的に評価してもらうのが望ましいでしょう。

特に、短期間で極端なダイエットや無理な運動を始めると、かえって体に悪影響を及ぼすことがあります。安全かつ効果的に血圧を下げるためにも、医師や管理栄養士、薬剤師などの専門家に相談しながら計画的に進めるのが最適です。

総合的な生活習慣病対策の重要性

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるように、自覚症状の乏しさと慢性的な血管への負担が大きな問題です。同時に、糖尿病、脂質異常症などと相互に悪影響を及ぼし合うことも知られています。したがって、高血圧だけを単独で見つめるのではなく、生活習慣病全般を包括的に考えることが大切です。

  • 食事療法
    高血圧のみならず、糖尿病や脂質異常症など多くの生活習慣病の改善に有効です。カロリーコントロールを意識したり、野菜や果物、魚を中心にした和食ベースの食事を取り入れるなどの工夫が求められます。
  • 運動療法
    ウォーキングや軽いジョギング、水中運動、ヨガなどの継続的な運動は血圧や血糖値、コレステロール値を同時に改善する効果が期待できます。
  • 定期検診
    合併症の早期発見と進行予防のためにも、一定の期間ごとに健康診断や血液検査を受け、医師のアドバイスを仰ぐことが推奨されます。

また、メンタルヘルスのケアも重要であり、ストレスを長期間抱えると自律神経バランスが乱れやすく、高血圧や生活習慣病がより悪化しやすくなると指摘されています。心身の健康を一体的に管理し、予防的なアプローチを多方面から続けることが理想的です。

結論と提言

以上のように、血圧150/100 mmHgという数値は高血圧に分類され、特に拡張期血圧が100 mmHgに達している点から見ても注意が必要な段階です。高血圧は、将来的に心筋梗塞や脳卒中、腎機能障害など深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、できるだけ早期からのケアが望まれます。

  • 日常の食生活や運動習慣、喫煙・飲酒習慣などを見直していくことが予防と治療の基本
  • 必要に応じて医療専門家を受診し、客観的な評価と薬物療法を含む総合的なサポートを受ける
  • ストレス管理や適切な睡眠を確保し、心身ともに健康的な生活を心掛ける

高血圧は慢性疾患でありながら、生活習慣の調整や適切な治療によってコントロールすることが可能です。ぜひ定期的に血圧を測定し、異常を早期に発見・対処する意識を持ち続けてください。くれぐれも自己判断で治療を中断せず、専門家の指導のもとで持続的に取り組むことが大切です。

重要な注意
本記事はあくまで健康情報の提供を目的としたものであり、医療上の診断や治療を代替するものではありません。高血圧やその他の疾患が疑われる場合、必ず医師などの専門家に相談し、個々の状況に応じたアドバイスを受けてください。

参考文献

以上を踏まえ、血圧を定期的に測定し、生活習慣や体調の変化を把握することで、高血圧によるリスクを抑えた健康的な暮らしを維持することが可能です。特に150/100 mmHgのような数値が見られた場合は、早期の対策がより重要となります。必要に応じて専門家に相談しながら、ご自身の健康を長期的に守り育てていきましょう。

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