要点まとめ
- 赤ちゃんの体重が増えない原因は、「ミルク不足」のような単純なものだけではありません。非効率な哺乳、隠れたアレルギー、軽度の基礎疾患、エネルギー消費量の増加といった「驚きの原因」が隠れている可能性があります1, 2。
- 日本の赤ちゃんには、厚生労働省の調査に基づいた標準的な成長パターンがあります3。母子健康手帳の成長曲線は、赤ちゃんの成長が順調かどうかを確認するための重要なツールですが、一度の測定値よりも、成長の「傾向(カーブに沿っているか)」を見ることが重要です4。
- 原因によって対処法は異なります。哺乳の問題であれば専門家による授乳指導1、アレルギーが疑われれば食事管理5、基礎疾患の可能性があれば医療機関での精密検査と治療が必要です6。
- 持続的な体重の伸び悩みや、本記事で紹介する危険な兆候(レッドフラグ)が見られる場合は、ためらわずに小児科医に相談してください7。その際は、母子健康手帳や授乳・排泄の記録を持参すると診察がスムーズに進みます。
1. 日本の赤ちゃんの標準的な成長について
赤ちゃんの体重について心配する前に、まずは「標準的な成長」がどのようなものかを理解することが大切です。成長はダイナミックなプロセスであり、すべての赤ちゃんが同じペースで成長するわけではありませんが、信頼できる目安を知ることで、客観的な判断が可能になります。
日本の赤ちゃんの典型的な体重増加パターン
赤ちゃんの体重増加は、月齢によってそのペースが異なります。特に生後数ヶ月は著しい成長を見せます。例えば、新生児期には1日あたり約40gの増加が標準的とされています8。厚生労働省のデータによると、生後1ヶ月の時点での体重目安は、男児で3.53kg~5.96kg、女児で3.39kg~5.54kgです8。その後、生後6ヶ月を過ぎると、赤ちゃんがより活発に動くようになるため、体重増加のペースは1日あたり10g~20gへと緩やかになります9。これらの数値は、日本の小児医療の現場で広く参照されているものであり、多くの親御さんが母子健康手帳を通して慣れ親しんでいる指標です。
母子健康手帳の成長曲線の見方と活用法
日本のすべての親子に交付される母子健康手帳(母子手帳)には、「乳幼児身体発育曲線」という重要なグラフが含まれています。これは、厚生労働省の「乳幼児身体発育調査」の結果に基づいて作成されており、赤ちゃんの身長と体重を記録し、その成長が標準的な範囲内にあるかを確認するためのツールです4。このグラフには複数の帯状のカーブ(パーセンタイル曲線)が描かれており、ほとんどの健康な赤ちゃんがこの範囲内に収まることを示しています4。大切なのは、定期的に測定した身長・体重をグラフに点で記入し、その点がカーブの傾きに沿って伸びているかを確認することです10。一つの点が標準範囲から多少外れていたとしても、その子なりのカーブに沿って成長していれば、多くの場合心配はいりません。重要なのは、成長の「傾向」であり、急激な横ばいや下降が見られないかを確認することです10。
WHO基準と日本の基準:違いと関連性
育児に関する情報がグローバル化する中で、世界保健機関(WHO)が策定した成長基準(WHO Growth Standards)を目にする機会もあるかもしれません。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)も2歳未満の乳幼児にはWHOの成長チャートの使用を推奨しています11。WHOの基準は、母乳育児で最適な環境で育った子どもたちをモデルにしており、特に生後3ヶ月までの成長が急であることが特徴です11。一方で、日本の母子健康手帳に採用されている成長曲線は、日本の乳幼児を対象とした大規模な調査に基づいており、日本の子供たちの実態に即した基準となっています12。日本の小児科学会なども、臨床評価にはこの国内基準の使用を推奨しており、親御さんにとっては母子健康手帳のグラフが最も身近で信頼できるツールと言えます12。国際基準は有益な参考情報ですが、まずは日本の基準に沿って赤ちゃんの成長を見守ることが基本となります。
月齢 | 1日あたりの平均体重増加の目安(男児) | 1日あたりの平均体重増加の目安(女児) |
---|---|---|
0~1ヶ月 | 約25g~40g | 約25g~40g |
1~3ヶ月 | 約25g~30g | 約25g~30g |
3~6ヶ月 | 約15g~20g | 約15g~20g |
6~12ヶ月 | 約10g~15g | 約10g~15g |
お子さんの体重増加で心配なことがあれば、一人で悩まず、まずはかかりつけの小児科医や地域の保健センターに相談しましょう。専門家は、成長曲線の評価だけでなく、赤ちゃんの全体的な健康状態を診て的確なアドバイスをしてくれます。
2. 赤ちゃんの体重が増えない4つの驚きの原因
「母乳が足りない」「ミルクの量が少ない」といった摂取カロリー不足が体重増加不良の最も一般的な原因であることは事実です1。しかし、親御さんが授乳量や回数に気を配っているにもかかわらず、なぜか体重が伸び悩む場合があります。ここでは、そうした状況の背景にある、見過ごされがちな4つの「驚きの原因」について詳しく解説します。
原因1:隠れた哺乳の問題と非効率な母乳・ミルク摂取
赤ちゃんが長い時間おっぱいを吸っていたり、哺乳瓶を空にしたりしていても、実は効率的にミルクを飲めていないケースがあります。これは「量」の問題ではなく、「質」や「効率」の問題です。例えば、おっぱいの吸い付きが浅い(ラッチオンが不十分)、舌小帯短縮症(舌の裏の筋が短い)で舌の動きが制限されている、吸う・飲み込む・呼吸するの連携がうまくいっていない、といった問題があると、赤ちゃんは疲れるだけで十分な量を摂取できていません13。また、お母さん側に診断されていない軽度の乳腺炎1や、射乳反射(母乳が押し出される反射)の問題がある場合も、母乳の出が悪くなり、赤ちゃんの哺乳量が減ることがあります。ミルクの場合でも、毎回薄めに作ってしまっている、哺乳瓶の乳首が赤ちゃんの口や吸う力に合っておらず、飲むのに疲れてしまったり空気を多く飲み込んでしまったりすることも、長期的に見れば体重増加不良につながります13。これらの問題は、専門家による観察なしには気づきにくいため、「驚きの原因」となり得るのです。
原因2:見過ごされがちなアレルギーや不耐症による栄養吸収不良
蕁麻疹や呼吸困難のような派手な症状はなくても、特定の食物に対するアレルギーや不耐症が、消化管に慢性的で軽微な炎症を引き起こし、栄養の吸収を妨げていることがあります5。代表的なのが牛乳アレルギー(Celiac disease)で、母乳やミルクに含まれるタンパク質が原因で、下痢や嘔吐、血便などを引き起こし、結果として体重が増えにくくなります6, 13。また、乳糖不耐症(ミルクに含まれる糖を分解できない)も、下痢やガスの原因となり、栄養吸収を阻害します5。セリアック病のように、通常はもっと後で診断される疾患の初期症状として、体重増加不良が現れることもあります13。親御さんから見れば、機嫌が悪い、時々うんちが緩い、ミルクを吐きやすいといった症状は「赤ちゃんにはよくあること」と捉えられがちです。しかし、それが実は栄養吸収を妨げる根本的な原因であり、体重増加に影響を与えている可能性があるという点は、まさに「驚きの原因」と言えるでしょう。
原因3:初期症状が微妙な基礎疾患の可能性
体重増加不良は、時に体のどこかに隠れている病気のサインであることがあります1, 2。多くは出生時のスクリーニングで発見されますが、中には症状がゆっくりと現れるものもあります。例えば、先天性心疾患の中には、初期にはチアノーゼ(皮膚が青紫色になる)や重度の呼吸困難を示さず、哺乳時に疲れやすい、汗をかきやすいといった微妙な症状しか見られないものがあります。しかし、心臓に負担がかかっているため、多くのエネルギーを消費し、体重が増えにくくなります5, 6。また、甲状腺機能低下症(クレチン症)も、代謝を司るホルモンの分泌が少ないため、活気がない、あまり泣かない、体重が増えないといった症状を引き起こします6, 14。その他、繰り返す尿路感染症や慢性的な腎臓の病気13, 15、稀な代謝異常疾患なども、初期症状として体重増加不良を示すことがあります。これらの疾患は、はっきりとした「病気のサイン」が見えにくいため、体重の伸び悩みという形で初めて異常が示唆されることがあり、親御さんにとってはまさに「驚きの原因」となり得ます。
原因4:気づきにくい慢性的な炎症やエネルギー消費量の増加
摂取カロリーが十分でも、それを上回るエネルギーを消費していれば、体重は増えません。その背景には、2つの側面が考えられます。一つは、もともと非常に活発な「よく動く赤ちゃん」であるケースです8, 9。このような赤ちゃんは、健康に見えても、その活動量に見合うだけのカロリーを摂取できていない場合、体重が伸び悩むことがあります。親御さんは「元気で活発な子」とポジティブに捉えているため、これが体重増加不良の原因とは気づきにくいかもしれません。もう一つは、より深刻なケースで、体に慢性的な感染症や炎症が隠れている場合です。例えば、診断されていない尿路感染症や消化管の炎症などがあると、体は常に病気と戦っている状態になり、基礎代謝が上昇します13。これにより、安静にしていても消費されるエネルギー量が増加し、成長に向けられるべき栄養が、炎症との戦いに使われてしまいます。この「見えないエネルギー消費」は、体重が増えないという形でしか表面化しないことが多く、原因の特定を難しくさせる「驚きの原因」です。
健康に関する注意事項
- この記事で提供する情報は、一般的な知識の提供を目的としており、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。
- 赤ちゃんの体重増加や健康状態に関して少しでも心配なことがある場合は、自己判断せず、必ずかかりつけの小児科医や地域の保健師に相談してください。
3. 原因別の徹底的な解決策と行動計画
赤ちゃんの体重が増えない原因が多岐にわたるように、その解決策も一つではありません。ここでは、先に挙げた4つの「驚きの原因」それぞれについて、親御さんが家庭でできる観察のポイントから、専門家への相談、そして具体的なケアの方法までを詳しく解説します。
原因1:隠れた哺乳の問題への対処法
- 親が気づく可能性のある兆候: 哺乳時間が非常に長いのに、直後に泣いて欲しがる。頻繁に少しずつ飲む(ちょこちょこ飲み)。哺乳中に「カチッ」というような音がする。哺乳後にゲップやお腹の張りが多い。お母さんの乳首に痛みがある13。
- 専門家への相談: 上記のような兆候が続く場合は、母乳外来や地域の保健センター、助産師、または国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)に相談しましょう。哺乳の様子を直接観察してもらうことで、問題点を的確に把握できます。
- 家庭でのケアと解決策: 専門家のアドバイスに基づき、授乳時の姿勢や赤ちゃんの抱き方、おっぱいの含ませ方(ラッチオン)を改善します。哺乳瓶の場合は、赤ちゃんの口に合った乳首を選び、空気を飲みにくい角度で授乳する「ペースド・ボトル・フィーディング(pased bottle feeding)」を試します。ミルクの調乳は、製品の指示通り正確に行うことが基本です。
原因2:アレルギーや不耐症への対処法
- 親が気づく可能性のある兆候: 授乳後にいつも機嫌が悪い、激しく泣く。嘔吐や頻繁な吐き戻し。便が極端に水っぽい、粘液や血液が混じる、泡立っている、酸っぱい匂いがする。湿疹や蕁麻疹などの皮膚トラブルが続く。家族にアレルギー体質の人がいる5, 6。
- 専門家への相談: これらの症状と体重増加不良が重なる場合は、小児科医に相談が必要です。特に小児アレルギー専門医や消化器専門医への紹介が必要になることもあります。
- 家庭でのケアと解決策: 医師の診断に基づき、原因となる食物を除去する「除去食」を行います。母乳育児の場合はお母さんの食事から、ミルクの場合はアレルギー対応の特殊ミルク(加水分解乳やアミノ酸乳)に変更します。離乳食を開始する際は、アレルギーの可能性がある食材は慎重に進める必要があります。自己判断での食事制限は、赤ちゃんの栄養不足を招く危険があるため、必ず専門家の指導のもとで行いましょう。
原因3:基礎疾患への対処法
- 親が気づく可能性のある兆候: いつもぐったりしている、活気がない、過度に眠りがち。哺乳中にすぐに疲れて眠ってしまう、汗をたくさんかく。呼吸が速い、苦しそう。顔色や肌の色が悪い(蒼白、土色など)。原因不明の熱が続く5, 6, 7。
- 専門家への相談: これらの症状は、緊急性を要するサインである可能性があります。すぐに小児科を受診してください。医師は、詳しい問診と診察に加え、血液検査、尿検査、胸部X線撮影、心電図、心エコー検査などを行い、原因を特定します6, 13。
- 家庭でのケアと解決策: 基礎疾患の治療は、完全に専門医の領域です。処方された薬の服用や、食事指導、生活上の注意点など、医師の指示を厳密に守ることが最も重要です。疾患によっては、通常よりも多くのカロリーを必要とするため、医師や管理栄養士の指導のもと、高カロリーのミルクや栄養補助食品を使用することもあります16。
原因4:エネルギー消費量の増加への対処法
- 親が気づく可能性のある兆候: 他の赤ちゃんと比べて明らかに活動量が多いが、それに見合った体重増加がない。はっきりとした病気の兆候はないのに、なんとなく元気がない、発育が停滞しているように感じる。
- 専門家への相談: まずは、活動量と哺乳・食事量のバランスが取れているかを評価してもらうために、小児科医に相談します。慢性的な炎症が疑われる場合は、それを特定するための検査(血液検査など)が行われます。
- 家庭でのケアと解決策: 赤ちゃんが単に活発な場合は、その消費エネルギーを補うために、授乳回数を増やしたり、離乳食が始まっていれば栄養価の高い食材(芋類、バナナ、アボカド、良質な油など)をメニューに加えたりする工夫が考えられます。ただし、食事内容については、医師や管理栄養士に相談の上で進めるのが安全です。もし慢性的な炎症や感染症が見つかった場合は、その治療を優先します。
4. 専門家の助けを求めるべき時:親御さんへの明確なガイド
赤ちゃんの成長に関する心配は尽きないものですが、特にどのような状況で専門家の助けを求めるべきかを知っておくことは、親御さんの安心につながり、何よりも赤ちゃんの健康を守るために不可欠です。
成長曲線からの逸脱:どの程度で相談すべきか
母子健康手帳の成長曲線は、受診を判断する上で客観的な指標となります。以下のような場合は、小児科医への相談を検討しましょう。
- 成長曲線において、パーセンタイル曲線(帯状の線)を2本以上、下向きに横切った場合13。
- 体重が継続的に3~5パーセンタイル未満で推移している場合。
- 身長に対して体重が極端に少ない場合(WHOの基準では2パーセンタイル未満11)。
- 生後6ヶ月未満で2ヶ月間、または生後6ヶ月以上で3ヶ月間、体重が全く増えない場合16, 17。
これらの基準に当てはまらなくても、親御さんの「何かがおかしい」という直感は非常に重要です。少しでも不安や疑問があれば、ためらわずに相談することが大切です。
医師の診察を受ける際の準備:記録と質問リスト
診察をより有意義なものにするために、事前に情報を整理しておくと良いでしょう。
- 必ず持参するもの: 母子健康手帳(成長曲線は最新の状態に更新しておく)。
- 授乳・食事の記録: いつ、何を、どのくらいの量飲んだり食べたりしたか。授乳中の赤ちゃんの様子(例:すぐに疲れる、むせるなど)。
- 排泄の記録: 1日のおしっこやうんちの回数、色、状態。
- 症状の記録: 気になる症状(嘔吐、下痢、発疹、機嫌など)がいつから、どのような状況で起こるか。
- 質問リスト: 聞きたいことを事前にメモしておく。
緊急の小児科受診を要する危険な症状(レッドフラグ)
以下の症状が見られる場合は、体重増加の問題とは別に、緊急の対応が必要です。夜間や休日であっても、救急外来を受診するか、#8000(小児救急電話相談)などに連絡してください。
カテゴリー | 症状 | 考えられること | 推奨される対応 |
---|---|---|---|
哺乳・消化器系 | 噴水のような嘔吐を繰り返す、便に血が混じる | 消化管の閉塞、重度のアレルギーなど | すぐに医療機関を受診 |
全身状態 | ぐったりして活気がない、呼びかけへの反応が鈍い、半日以上おしっこが出ない | 重篤な感染症、脱水症など | すぐに医療機関を受診 |
呼吸器系 | 呼吸が速い、息苦しそう、肩で息をしている、顔色が悪い | 重い呼吸器感染症、心疾患など | すぐに医療機関を受診 |
安心のための情報とサポート窓口
育児の悩みや不安は、一人で抱え込む必要はありません。日本には、親子を支えるための公的なサポート体制が整っています。
- 保健センター(市町村ごと): 定期的な乳幼児健診の場であるだけでなく、保健師や栄養士による個別の育児相談、身体測定などを随時行っています。予約なしで気軽に立ち寄れる「育児相談日」などを設けている場合も多いです4。
- かかりつけ小児科: 病気の治療だけでなく、発育や発達、育児全般に関する相談にも応じてくれます1。「病気じゃないのに受診していいのかな?」とためらう必要はありません。
- 子育て支援センター: 親子で自由に過ごせる地域の拠点です。他の親御さんとの交流や、常駐するスタッフへの相談も可能です。
これらの社会資源を積極的に活用することが、親御さんの心の負担を軽減し、前向きな育児につながります。
よくある質問 – (FAQ)
Q1: 混合栄養ですが、ミルクを足しているのに体重が増えません。何が考えられますか?
Q2: 離乳食を開始してから、体重の増え方が鈍くなりました。心配です。
Q3: 成長曲線の下の方で推移しています。低体重なのでしょうか?
Q4: 体重を増やすために、フォローアップミルクを早めに始めた方が良いですか?
Q5: 上の子はよく体重が増えたのに、下の子はなかなか増えません。兄弟でもこんなに違うものですか?
結論
赤ちゃんの体重が増えないという悩みは、多くの親御さんが経験する普遍的な不安です。しかし、その原因は必ずしも「愛情や努力が足りない」からではありません。本記事で見てきたように、効率的な哺乳の問題、隠れたアレルギー、気づかれにくい基礎疾患、そして見えないエネルギー消費の増加など、専門的な視点なくしては特定が難しい「驚きの原因」が潜んでいることがあります。大切なのは、知識を持って赤ちゃんのサインを注意深く観察し、不安を一人で抱え込まず、適切なタイミングで専門家を頼ることです。母子健康手帳は、そのための最も信頼できるパートナーです。成長曲線という客観的なデータと、親にしかわからない日々の赤ちゃんの様子、そして「何だか心配」という親の直感。これらを携えて、かかりつけの小児科医や地域の保健センターといった専門家と協力していくことこそが、赤ちゃんの健やかな成長を守るための最も確かな道筋です。あなたは決して一人ではありません。日本の充実した母子保健システムを味方につけ、自信を持って赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
この記事は医学的アドバイスに代わるものではなく、症状がある場合は専門家にご相談ください。
参考文献
- 栗東よしおか小児科. 当院の乳幼児の体重増加不良の治療方針. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.ritto-yoshioka-child-clinic.com/%E5%BD%93%E9%99%A2%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%96%B9%E9%87%9D/%E5%BD%93%E9%99%A2%E3%81%AE%E4%B9%B3%E5%B9%BC%E5%85%90%E3%81%AE%E4%BD%93%E9%87%8D%E5%A2%97%E5%8A%A0%E4%B8%8D%E8%89%AF%E3%81%AE%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%96%B9%E9%87%9D/
- 北里大学. 世帯所得が低い世帯は乳児の体重増加不良が1.3倍 ~約55000人の調査から. [インターネット]. 2018年5月11日 [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.kitasato-u.ac.jp/jp/news/20180511-02.html
- こども家庭庁. 令和5年「乳幼児身体発育調査」調査結果の公表について. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/166b9591-304d-4d9c-97b7-fa8f06039e93/dba8efa8/20241225-press-166b9591-304d-4d9c-97b7-fa8f06039e93_01.pdf
- たまひよ. 赤ちゃんの栄養たりてる?たりてない? 悩んだら“発育曲線”で判断を【小児科医】. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=101234
- 小児科 そのだクリニック. 乳児期3~6か月. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://sonoda-ped.com/disease/disease-209/
- Joor, S, et al. Failure to Thrive. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024 Jan-. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK459287/
- いのうえ小児科. 赤ちゃんのミルクの飲みが悪い. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.inoue-syonika.com/weight/
- docomo. 新生児の体重はどれくらいが正常なの?平均値や増えない理由を…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://comotto.docomo.ne.jp/column/00000469-2/
- スギ薬局. 生後6ヶ月の赤ちゃんの体重は?「増えない」「増えすぎる」など悩みへの対処法も. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.sugi-net.jp/sugi-channel/925
- たまひよ. 背が伸びない、体重が減ってる…母子手帳 乳幼児身体発育曲線の見方・活用方法. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=76044
- CDC. Using WHO Growth Standard Charts. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.cdc.gov/growth-chart-training/hcp/using-growth-charts/who-using.html
- 国立保健医療科学院. 乳幼児身体発育 評価マニュアル. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/hatsuiku/index.files/katsuyou_2021_3R.pdf
- Homan GJ. Failure to Thrive: A Practical Guide. Am Fam Physician. 2016;94(4):295-299. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: PMID: 27548594
- 小児科 そのだクリニック. 乳児期3~6か月. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://sonoda-ped.com/disease/disease-209/
- Newswise. Yale Researchers Identify New Biomarker Panel to Assess Risk of Chronic Kidney Disease Progression in Children. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.newswise.com/articles/yale-researchers-identify-new-biomarker-panel-to-assess-risk-of-chronic-kidney-disease-progression-in-children
- O’Brien K, et al. Evaluation and Management of The Child with Failure to Thrive. [インターネット]. ResearchGate; 2014. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: https://www.researchgate.net/publication/262188135_Evaluation_and_Management_of_The_Child_with_Failure_to_Thrive
- 千葉県こども病院. 4)お子さんの最近の体重を知ってますか?~脱水の話~. [インターネット]. [引用日: 2025年6月12日]. 以下より入手可能: http://www.pref.chiba.lg.jp/kodomo/faq/veteran-dassui.html