止まらない鼻水・鼻づまり:家庭でできる7つの効果的対策と受診の目安【専門家が解説】
耳鼻咽喉科疾患

止まらない鼻水・鼻づまり:家庭でできる7つの効果的対策と受診の目安【専門家が解説】

花粉の季節、ティッシュが手放せない日々は本当につらいですね。また、冬場の乾燥したオフィスで、鼻の不快感に悩まされていませんか?止まらない鼻水やしつこい鼻づまりは、多くの方が経験するありふれた症状ですが、集中力の低下や睡眠不足を引き起こし、生活の質(QOL)を大きく損なう原因となります。JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会は、皆様がこの不快な症状から解放される一助となることを目指し、この記事を作成しました。本記事では、最新の医学的エビデンスと日本の専門家の知見に基づき、ご家庭で実践できる7つの効果的な対策から、原因別の詳しい対処法、市販薬の適切な選び方、そして医療機関を受診すべき明確な目安まで、包括的かつ深く掘り下げて解説します。

要点まとめ

  • 鼻水・鼻づまりは、風邪などの感染症、花粉症やハウスダストなどのアレルギー、急な温度変化など、様々な原因で起こります。原因に応じた対処が重要です。1, 2
  • 家庭でできる効果的な対策には、十分な水分補給、部屋の加湿、鼻うがい、温かい蒸気の活用などがあります。これらは鼻粘膜を保護し、症状を和らげるのに役立ちます。3, 4
  • 市販薬を選ぶ際は、眠気の出にくい第2世代抗ヒスタミン薬や、炎症をしっかり抑えるステロイド点鼻薬など、症状とライフスタイルに合わせて薬剤師に相談することが賢明です。血管収縮剤の長期連用は避けましょう。5, 6
  • 症状が2週間以上続く、高熱や顔面痛を伴う、市販薬が効かないなど、特定のサインが見られる場合は自己判断せず、速やかに耳鼻咽喉科などの専門医を受診することが不可欠です。7, 8

1. 鼻水・鼻づまりとは?基本的なメカニズムと重要な役割

普段は意識することのない鼻水や鼻づまり。しかし、これらは私たちの体を守るための重要な生理反応の一部です。そのメカニズムを理解することは、適切な対処への第一歩となります。

1.1. 鼻水の正体:体からのサインを読み解く

鼻水は、単なる水分ではありません。その主成分は水分(約95%)ですが、その他に粘液の主成分であるムチン、ホコリやウイルスなどを捕らえる糖タンパク質、そしてリゾチーム、ラクトフェリン、IgA抗体といった体を感染から守る免疫物質が含まれています2。鼻水は鼻腔の粘膜にある腺細胞(鼻腺や杯細胞)から分泌され、その粘り気(粘度)や色は、体の状態によって変化します。

1.2. 鼻水の正常な役割:体を守るバリア機能

鼻水は、私たちの健康維持に不可欠な3つの重要な役割を担っています。

  • 加湿・保温機能:私たちは1日に1万リットル以上の空気を吸い込んでいますが、鼻腔を通過する際に空気は体温近くまで温められ、湿度100%近くまで加湿されます。これにより、冷たく乾燥した空気が直接肺に入り、気管や肺を傷つけるのを防いでいます。9
  • 異物除去機能:鼻粘膜の表面は線毛という微細な毛で覆われており、これが1分間に約1,000回もの速さで動いています。吸い込んだ空気中のホコリ、ウイルス、細菌、花粉などの異物は、鼻水の粘液に捕らえられ、この線毛運動によってベルトコンベアのように喉の奥へと運ばれ、体外へ排出されます。1
  • 感染防御機能:鼻水に含まれるリゾチームやラクトフェリン、IgA抗体などの免疫物質は、侵入してきた細菌やウイルスの活動を抑え、感染から体を守る最前線のディフェンスラインとして機能しています。10

1.3. 鼻水・鼻づまりが過剰に出るとなぜ問題か?

これらの防御反応が過剰になると、様々な問題を引き起こします。鼻水が止まらないことで鼻をかむ回数が増え、鼻の下の皮膚が荒れたり、赤くなったりします。鼻づまりは呼吸を困難にし、特に夜間の睡眠を妨げ、日中の集中力低下や倦怠感に繋がります。口呼吸を余儀なくされることで、喉の乾燥や痛みを引き起こし、ウイルスなどが直接気道に侵入しやすくなるリスクも増大します。さらに、特に小児では、鼻と耳をつなぐ耳管が短く水平に近いため、鼻水が耳に流れ込みやすく、中耳炎の原因となることもあります。また、鼻水が副鼻腔に溜まることで副鼻腔炎へと進展するリスクも考慮しなければなりません。7

2. 【原因チェック】あなたの鼻水・鼻づまりはどのタイプ?

効果的な対策を行うためには、まず自分の鼻症状が何によって引き起こされているのかを見極めることが重要です。主な原因は「感染症」「アレルギー」「その他」に大別されます。

2.1. 感染症による鼻水・鼻づまり(風邪、インフルエンザなど)

ライノウイルスやコロナウイルス、インフルエンザウイルスなどの病原体が鼻粘膜に感染して炎症を起こすことで生じます。

  • 特徴と症状の経過:初期はウイルスを排出しようとして、くしゃみと共に透明でサラサラした水様の鼻水が出ます。数日経つと、ウイルスと戦った白血球の死骸などが混じることで、鼻水が白っぽくなったり、黄色や緑色を帯びて粘り気が出たりすることがあります。ただし、鼻水の色だけで細菌感染と断定することはできません8。発熱、喉の痛み、咳、頭痛、倦怠感といった全身症状を伴うことが一般的です。
  • メカニズム:ウイルス感染による炎症反応で鼻粘膜の血管が拡張し(血管透過性の亢進)、血液中の水分がにじみ出るとともに、粘液の分泌が活発になることで鼻水が増えます。
  • 日本での流行状況:一般的な風邪は年間を通して見られますが、特に空気が乾燥する冬に流行しやすくなります。季節性インフルエンザは、例年12月から3月頃が流行シーズンです。11

2.2. アレルギー性鼻炎による鼻水・鼻づまり(花粉症、ハウスダストなど)

特定の物質(アレルゲン)に対する体の過剰な免疫反応によって引き起こされます。

  • 特徴と症状のパターン:発作的に連発するくしゃみ、我慢できない鼻や目の痒み、そして蛇口をひねったように流れ出る透明で水様の鼻水が典型的な3大症状です。特定の季節(花粉症)や特定の環境(ハウスダスト、ペットのいる場所)で症状が悪化する傾向があります。朝起きた時に症状が強く出る「モーニングアタック」も特徴の一つです。12
  • メカニズム:スギ花粉やダニなどのアレルゲンが体内に入ると、IgE抗体という物質が作られます。再びアレルゲンが侵入すると、鼻粘膜にあるマスト細胞(肥満細胞)の表面でIgE抗体と結合し、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が放出されます。このヒスタミンなどが鼻の知覚神経や血管を刺激し、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状を引き起こします(I型アレルギー反応)。10
  • 日本におけるアレルギー性鼻炎の現状:厚生労働省の調査によると、日本におけるアレルギー性鼻炎の有病率は年々増加傾向にあり、国民病とも言える疾患です13, 14。特にスギ花粉症は多くの国民を悩ませており、若年層での発症が多いものの、成人になってから発症・再発するケースも少なくありません。

2.3. 血管運動性鼻炎(非アレルギー性鼻炎の一種)

アレルギー検査をしても特定の原因アレルゲンが見つからないにもかかわらず、アレルギー性鼻炎に似た症状が現れるタイプです。

  • 特徴と誘因:急な温度変化(暖かい室内から寒い屋外へ出た時など)、湿度の変化、タバコの煙、香水や化学物質の強い匂い、精神的ストレス、飲酒などが引き金となって、透明な鼻水や鼻づまりが起こります15。日本では「寒暖差アレルギー」という通称で知られていますが、医学的にはこの血管運動性鼻炎の一種と考えられています。
  • メカニズム:鼻粘膜の血管の収縮・拡張をコントロールしている自律神経のバランスが乱れることが原因とされています。これにより、些細な刺激にも鼻粘膜が過敏に反応し、症状が現れると考えられています。

2.4. その他の原因による鼻水・鼻づまり

上記以外にも、鼻症状を引き起こす原因は様々です。

  • 刺激物による反応性鼻炎:大気汚染物質(PM2.5など)、黄砂、ハウスダスト(非アレルギー性でも)などが鼻粘膜を直接刺激して起こるケースです。
  • 薬剤性鼻炎:血管収縮剤を含む点鼻薬を長期間(通常1~2週間以上)連用することで、逆に鼻粘膜が常に腫れた状態になり、慢性的な鼻づまりを引き起こします6。特定の降圧剤などが原因となることもあります。
  • 萎縮性鼻炎:鼻粘膜が萎縮して乾燥し、痂皮(かさぶた)や悪臭を伴うまれな疾患です。
  • 妊娠性鼻炎:妊娠中のホルモンバランスの変化により鼻粘膜が腫れ、鼻づまりなどが起こることがあります。5
  • 構造的異常:鼻中隔弯曲症(左右の鼻を仕切る壁が曲がっている)、鼻茸(鼻ポリープ)、小児のアデノイド肥大などが物理的に鼻の通りを妨げ、鼻づまりや鼻水が溜まりやすい原因となります。16
  • まれな重要疾患の可能性:片側だけの鼻水・鼻づまり、悪臭のある鼻水、繰り返す鼻血、顔面の変形など、通常と異なる症状がある場合は、副鼻腔真菌症や歯が原因の歯性上顎洞炎、良性・悪性の腫瘍などの可能性も考えられるため、速やかな専門医受診が必要です。

3. 【実践編】専門家推奨!家庭でできる鼻水・鼻づまり対策7選:効果と正しいやり方

ここでは、専門家も推奨する、家庭で実践できる症状緩和のための7つの対策を、その理由と正しい方法、注意点とともに詳しく解説します。これらの対策は症状を和らげることを目的としており、原因そのものを治療するものではありません。効果には個人差があることをご理解ください。

対策1:十分な水分補給で、鼻水を出しやすくする

  • 効果と理由:体内の水分が不足すると、鼻水の粘度が高まり、粘りっこくなって鼻腔内に溜まりやすくなります。十分な水分を補給することで、鼻水の粘度を下げ、サラサラにして体外へ排出しやすくする効果が期待できます17。また、体全体の機能を正常に保つ上でも水分補給は基本です。
  • 具体的な方法:常温の水や白湯(さゆ)を、喉が渇いたと感じる前に、少しずつこまめに飲むことがポイントです。厚生労働省は、成人で1日に食事以外から1.2リットル程度の水分摂取を推奨しています18
  • 推奨される飲み物/避けるべき飲み物:水、白湯、カフェインの少ない麦茶やハーブティーが適しています。コーヒーや緑茶などカフェインを多く含む飲み物は利尿作用があるため、水分補給が目的の場合は飲み過ぎに注意しましょう。

対策2:温かい飲み物で、鼻とのどを潤す

  • 効果と理由:温かい飲み物から立ち上る蒸気は、鼻や喉の粘膜を直接潤し、加湿する効果があります。これにより、鼻水の排出が促されたり、喉の不快感が和らいだりします。また、体を内側から温めることで血行が促進されます。
  • 具体的な飲み物例:日本の伝統的な飲み物である生姜湯(しょうがゆ)は体を温める作用が知られています。カモミールティーには抗炎症作用や鎮静作用が期待でき、Naclerio RMらのレビューでもアレルギー性鼻炎に対する補完療法としての可能性が示唆されています19。その他、ハチミツを入れた白湯も喉の保湿に役立ちます(※1歳未満の乳児には与えないでください)。
  • 注意点:熱すぎる飲み物は粘膜を刺激するため、人肌程度に冷ましてからゆっくりと飲みましょう。

対策3:フェイススチーム(蒸気吸入)で、鼻の通りをスムーズに

  • 効果と理由:温かい蒸気を鼻から直接吸い込むことで、鼻腔内を加湿し、乾燥を防ぎます。固くなった鼻水を柔らかくして排出しやすくする効果があり、鼻づまりの緩和に特に有効です。Cleveland Clinicなどの医療機関もこの方法を推奨しています。20
  • 具体的な方法:洗面器や大きめのマグカップに熱湯を注ぎ、顔を20~30cmほど離して蒸気を吸い込みます。頭からバスタオルをかぶると、蒸気が逃げにくくなり効果的です。5~10分程度、ゆっくりと鼻から吸って口から吐く呼吸を繰り返します。
  • 安全のための注意点:火傷に十分注意してください。熱湯を扱う際は安定した場所に置き、特に小さなお子様の手の届かない場所で行いましょう。エッセンシャルオイルなどを加える場合は、刺激が強すぎないか確認し、アレルギー体質の方は注意が必要です。

対策4:温かいシャワーやお風呂で、体と鼻をリフレッシュ

  • 効果と理由:温かいシャワーやお風呂は、全身の血行を促進するだけでなく、浴室内に充満する蒸気を吸い込むことでフェイススチームと同様の効果が得られます。リラックス効果により、自律神経のバランスを整える助けにもなります。
  • 効果を高めるポイント:湯温は熱すぎない38~40℃程度が目安です。長風呂は体力を消耗するため、10~15分程度にしましょう。入浴後は湯冷めしないように、すぐに体を拭いて温かくすることが大切です。

対策5:鼻うがい(鼻洗浄)で、鼻腔内をスッキリ洗浄

  • 効果と理由:鼻うがいは、鼻腔内に付着した花粉、ハウスダスト、ウイルスなどの異物や、余分な鼻水を物理的に洗い流すための効果的な方法です。鼻粘膜の線毛運動機能を改善し、鼻水、鼻づまり、後鼻漏(鼻水が喉に落ちる症状)などを緩和します。『鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版』でも、アレルギー性鼻炎のセルフケアとして推奨されています1。また、コクラン・レビューにおいても、慢性副鼻腔炎の症状緩和に有効である可能性が示されています。21, 22
  • 具体的な方法:
    • 洗浄液の準備:市販の鼻うがい専用キットを使用するのが最も安全で簡単です。自作する場合は、必ず一度沸騰させて冷ました水か精製水を使用し、体温程度のぬるま湯200mlに食塩約1.8g(濃度0.9%)をよく溶かして生理食塩水を作ります。
    • 洗浄の手順:少し前かがみになり、「あー」と声を出しながら、片方の鼻から洗浄液をゆっくり注入し、反対の鼻や口から出します。左右交互に行い、1日1~2回が目安です。
  • 注意点:水道水をそのまま使用するのは絶対に避けてください。浸透圧の違いで粘膜を傷つけ、痛みを引き起こすほか、まれにアメーバ感染などのリスクも報告されています。鼻が完全に詰まっている時や中耳炎の時は行わないでください。

対策6:部屋の加湿と適切な温度管理で、鼻粘膜を守る

  • 効果と理由:空気が乾燥していると鼻粘膜のバリア機能が低下し、刺激を受けやすくなります。適切な湿度(40~60%が目安)を保つことは、粘膜の潤いを維持し、線毛の働きを助け、ウイルスやアレルゲンの活動を抑制する上で非常に重要です。23
  • 具体的な方法:加湿器の使用が最も効果的ですが、タンクやフィルターはカビや細菌が繁殖しないよう、こまめに清掃しましょう。濡れタオルや洗濯物の部屋干しも加湿に役立ちます。
  • 日本の気候との関連:暖房で空気が乾燥しやすい冬はもちろん、夏でもエアコンの使用で室内が乾燥することがあるため、年間を通して湿度管理を意識することが大切です。

対策7:辛い食べ物やカプサイシンの利用(慎重な解説が必要)

  • 効果と理由(限定的):唐辛子などに含まれる辛味成分カプサイシンは、鼻粘膜を刺激し、一時的に鼻水の分泌を促す作用があります。これにより、鼻づまりが一時的にスッキリと感じられることがあります。
  • 具体的な食材例:唐辛子、わさび、生姜、マスタードなど。
  • 注意点:この効果は一時的で、個人差が大きいです。胃腸が弱い方は控えめにしましょう。また、医療用としてカプサイシン点鼻薬が研究されることもありますが15, 24、自己判断で唐辛子などを直接鼻に適用することは絶対にやめてください。重篤な粘膜損傷を引き起こす危険性があります。

4. 【原因・タイプ別】セルフケアのポイント深掘り

全体的な対策に加え、原因に合わせたセルフケアを行うことで、より効果的に症状をコントロールできます。

4.1. 風邪(急性上気道炎)による鼻水の場合

風邪の治療の基本は、ウイルスに対する体の免疫反応を助けることです。十分な休養と睡眠、体を温かく保つことが最も重要です。消化の良い食事とこまめな水分補給(対策1, 2参照)を心がけ、体力消耗を防ぎましょう。症状がつらい場合は、後述する市販薬を適切に利用することも選択肢の一つです。

4.2. アレルギー性鼻炎(花粉症・ハウスダストなど)の場合

アレルギー性鼻炎対策で最も重要なのは、原因となるアレルゲンを徹底的に除去・回避することです5

  • 花粉症対策(日本特有の状況を踏まえて):
    • 情報収集:外出前に環境省の「花粉観測システム(はなこさん)」25や日本気象協会の「tenki.jp」26などで花粉飛散情報を確認しましょう。
    • 外出時:飛散の多い日はマスクやメガネを着用し、表面がツルツルした素材の上着を選びましょう。
    • 帰宅時:家に入る前に衣服の花粉を払い、すぐに洗顔、うがい、鼻うがいをしましょう。
    • 室内:窓を閉め、空気清浄機を活用し、洗濯物は部屋干しにするのが基本です27
  • ハウスダスト(主にダニ)対策:
    • 掃除:週に2回以上、1平方メートルあたり20秒以上を目安にゆっくりと掃除機をかけましょう。
    • 寝具:シーツやカバーは週1回以上洗濯し、防ダニ仕様のカバーも有効です。
    • 湿度管理:ダニは高温多湿を好むため、室内の湿度を50%以下に保つことが重要です。

これらの対策に加え、症状に応じて薬物療法や、根本治療を目指すアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)28も選択肢となりますので、専門医にご相談ください。

4.3. 寒暖差による鼻水(血管運動性鼻炎)の場合

自律神経のバランスを整える生活習慣が鍵となります。急激な温度変化を避けるため、寒い場所へ出る際はマスクやマフラーで鼻や口を覆いましょう。規則正しい生活、適度な運動、ストレス管理、そしてリラックスできる入浴(対策4参照)などが症状の緩和に繋がります。

5. 【市販薬(OTC医薬品)】薬剤師に聞く上手な選び方と使い方

市販薬は症状緩和に有効ですが、選び方と使い方を間違えると効果がなかったり、副作用が出たりすることもあります。購入時は薬剤師や登録販売者に相談し、自分の症状に合った薬を選びましょう。

5.1. 抗ヒスタミン薬(内服薬)

  • 効果:アレルギー反応の原因となるヒスタミンの働きを抑え、くしゃみやサラサラした鼻水、痒みを和らげます。
  • 種類と特徴:
    • 第1世代:効果は強いものの、眠気や口渇などの副作用が出やすいです(例:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)。
    • 第2世代:眠気などの副作用が軽減されているものが多く、現在の主流です(例:フェキソフェナジン塩酸塩29, ロラタジン, エピナスチン塩酸塩30など)。
  • 選び方のポイント:車の運転など、ライフスタイルに合わせて眠気の少ない第2世代を選ぶのが一般的です。花粉症の場合は、飛散開始の1~2週間前から服用を始める「初期療法」が効果的です。31

5.2. 点鼻薬(鼻スプレー)

点鼻薬は、鼻腔に直接作用するため効果が速いのが特徴です。噴霧する際は、鼻の仕切り(鼻中隔)にノズルが当たらないよう、やや外側に向けて噴霧するのが正しい使い方です。

  • 血管収縮剤:鼻づまりを速やかに改善しますが、長期連用するとかえって鼻づまりが悪化する「薬剤性鼻炎」を引き起こすリスクがあるため、使用は1週間程度の短期間に留めるべきです6。(例:ナファゾリン塩酸塩など)
  • ステロイド点鼻薬:鼻粘膜の炎症を強力に抑え、くしゃみ・鼻水・鼻づまり全てに高い効果を発揮します。アレルギー性鼻炎治療の第一選択薬とされており32、全身への影響が少ないため比較的安全に使用できます。(例:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル33, フルチカゾンプロピオン酸エステルなど)

5.3. 漢方薬

体質改善を目指し、症状を和らげる漢方薬も選択肢の一つです。

  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう):透明でサラサラした鼻水が多い場合に適しています。体を温め、水分の排出を促します。34
  • 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい):鼻づまりが強い場合に用いられます。

漢方薬は体質(証)に合ったものを選ぶことが重要なため、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。

健康に関する注意事項

  • 本記事で紹介する対策や市販薬は、症状を緩和するためのものであり、原因疾患を治療するものではありません。
  • 市販の血管収縮剤点鼻薬の長期間(1週間以上)の連続使用は、薬剤性鼻炎を引き起こし、症状を悪化させる危険性があるため絶対に避けてください。
  • 紹介するいかなる対策も、効果には個人差があります。症状が改善しない、または悪化する場合は、自己判断を続けずに医療機関を受診してください。

6. こんな時は医療機関へ:受診の目安と専門診療科

セルフケアには限界があります。以下のようなサインが見られる場合は、自己判断を中止し、専門医の診察を受けることが重要です。

6.1. 受診を強く推奨する症状・状況

  • 市販薬を使っても2週間以上症状が続く、または悪化する8
  • 黄色や緑色の粘り気のある鼻水が続き、頬や目の奥、おでこに強い痛みや圧迫感がある(急性副鼻腔炎の疑い)35
  • 38℃以上の高熱が続く、または一度下がって再び上昇する。
  • 血液の混じった鼻水が頻繁に出る、または量が多い。
  • 呼吸が苦しい、耳が痛い、喉が激しく痛むなど、他の強い症状を伴う。
  • アレルギー症状が重く、睡眠や日常生活に大きな支障が出ている。
  • 乳幼児や高齢者、持病のある方、妊娠中・授乳中の方。

6.2. 受診する診療科の目安

  • 耳鼻咽喉科:鼻・喉・耳の症状が中心の場合に最も適しています。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など、鼻の疾患全般の専門的な診断と治療が可能です16
  • 内科・小児科:発熱や倦怠感など全身症状が主で、鼻症状がそれに伴う場合(風邪など)。まずはかかりつけ医として相談するのに適しています。
  • アレルギー科:アレルギーの原因を詳しく調べたい、アレルゲン免疫療法などの専門的な治療を希望する場合。

よくある質問 – Bắt buộc phải có phần này (FAQ)

子供の鼻水、家庭でのケアで特に気をつけることは何ですか?

お子様の鼻水ケアでは、まず鼻を優しくかむことを教えてあげてください。まだ自分でうまくかめない場合は、市販の電動または手動の鼻吸い器を使い、こまめに鼻水を取り除いてあげることが大切です。これにより、中耳炎や副鼻腔炎の予防にも繋がります。部屋の加湿(湿度50-60%目安)、十分な水分補給、そして安静も重要です。市販薬を使用する際は、必ず対象年齢を確認し、薬剤師に相談の上、慎重に使用してください。症状が長引く(1週間以上)、呼吸が苦しそう、機嫌が極端に悪い、発熱が続くなどの場合は、早めに小児科または耳鼻咽喉科を受診しましょう。36

妊娠中・授乳中の鼻水・鼻づまり対策はどうすればいいですか?薬は使えますか?

妊娠中・授乳中の薬の使用は、胎児や乳児への影響を考慮し、非常に慎重に行う必要があります。まずはかかりつけの産婦人科医や医師に必ず相談してください。自己判断での市販薬の使用は避けましょう。『鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版』では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り、比較的安全とされる一部の点鼻ステロイド薬や第2世代抗ヒスタミン薬が選択肢として挙げられていますが、これも医師の指示が必要です37。薬を使わない対策として、加湿、マスク着用、鼻うがい(生理食塩水を使用)、温かい飲み物を摂るなどのセルフケアを優先的に行いましょう。

鼻をかんでもかんでも出てくるのはなぜですか?正しい鼻のかみ方を教えてください。

鼻水が止まらないのは、鼻粘膜の炎症により、粘液の産生が過剰になっているか、血管からの浸出液が増えているためです。鼻や耳への負担を減らすためには、正しいかみ方が重要です。①片方ずつかむ:反対側の鼻の穴をしっかり押さえ、片鼻ずつ優しくかみます。②口から息を吸う:かむ直前に口からゆっくり息を吸い、その息で押し出すようにします。③ゆっくり、やさしく:一気に強くかむと、鼻血が出たり、鼻水が耳管に押し込まれて中耳炎の原因になったりする可能性があります。数回に分けて優しくかみましょう。3

鼻水の色で病気の種類や重症度がわかりますか?

鼻水の色は病状の目安にはなりますが、色だけで正確な診断はできません。8 透明でサラサラな鼻水は、風邪の初期やアレルギー性鼻炎でよく見られます。白っぽく粘り気が出てきたら、風邪が少し進行した状態かもしれません。黄色や緑色の鼻水は、ウイルスや細菌と戦った白血球の死骸が混じっているサインで、副鼻腔炎などが考えられますが、必ずしも抗生物質が必要なわけではありません。血液が混じる場合は、鼻の乾燥や傷がほとんどですが、頻繁に続く場合は医師に相談してください。色だけでなく、発熱、頭痛、症状の期間など他の症状と合わせて総合的に判断することが重要です。

マスクは鼻水・鼻づまり対策にどの程度効果がありますか?

マスクの着用は、複数の面で鼻症状対策に有効です。第一に、自分の呼気でマスク内が加湿・保温され、鼻粘膜の乾燥を防ぎ、刺激を和らげます。第二に、花粉やハウスダストなどのアレルゲンの吸入量を物理的に減らす効果があります。これは花粉症対策として特に重要です38。第三に、ウイルスや細菌の吸入・飛散を防ぎ、感染予防・拡大防止に役立ちます39。ただし、マスクだけで完全に防げるわけではないため、手洗いや適切な治療など、他の対策と組み合わせることが大切です。

結論

止まらない鼻水や鼻づまりは、多くの原因が考えられる身近ながらも厄介な症状です。本記事で解説したように、その原因を見極め、適切なセルフケアを実践することが症状緩和の第一歩となります。水分補給や加湿、鼻うがいといった家庭での対策は、鼻粘膜を健やかに保つ上で非常に有効です。また、市販薬を利用する際は、専門家のアドバイスのもと、ご自身の症状とライフスタイルに合ったものを正しく選択することが重要です。しかし、最も大切なことは、セルフケアの限界を知り、医療機関を受診すべきタイミングを見逃さないことです。症状が長引く、悪化する、あるいは「受診の目安」で示したような危険なサインが見られる場合は、ためらわずに耳鼻咽喉科などの専門医を訪れてください。正確な診断に基づく適切な治療こそが、根本的な解決と合併症予防への最も確実な道です。JAPANESEHEALTH.ORGは、皆様が鼻の不快感から解放され、より快適な毎日を送れるよう、信頼できる情報を提供し続けることを目指しています。

免責事項本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、専門家による診断や治療法の提案に代わるものではありません。鼻水や鼻づまりの症状が気になる場合、特に長引く・悪化する・ほかの症状を伴う場合には、医師や薬剤師など有資格の医療専門家に相談することを強くおすすめいたします。本記事の内容を参考にセルフケアを実践する場合は自己責任となり、個々の結果については一切の責任を負いかねますのでご了承ください。JAPANESEHEALTH.ORGおよび監修者は、本記事の情報を利用した結果として生じるいかなる事象についても責任を負うものではありません。

参考文献

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