骨粗しょう症のよくある5つの症状と効果的な予防法
筋骨格系疾患

骨粗しょう症のよくある5つの症状と効果的な予防法

はじめに

JHO編集部です。こちらのウェブサイトでは、健康に関する幅広い情報をお届けしています。今回は、特に「骨粗鬆症」についてご紹介いたします。この病気は、骨の強度が低下しやすく、特に高齢者に大きな影響を与える深刻な疾患です。この記事では、骨粗鬆症の主な症状、予防法、そして日常生活で注意すべきポイントについて詳しく探っていきます。ご自身やご家族の健康維持に役立つ情報を共有していきますので、ぜひお読みください。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

本記事で紹介する情報は、信頼できる医学的文献や医療機関の情報をもとにまとめています。しかしながら、骨粗鬆症の症状や治療方針は個々の身体状況や既往歴などにより変わるため、あくまでも参考情報としてお考えください。実際に症状が疑われる方や、予防策・治療法について詳細なアドバイスを必要とされる方は、整形外科や内科の専門医にご相談ください。

骨粗鬆症とは何ですか?

骨粗鬆症は、骨密度と骨の質量が低下して骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる病気です。骨の再生速度が衰え、骨密度が大きく減少することで発症します。骨折が最も多く見られる部位は骨盤、脊椎、手首などで、特に骨盤や脊椎の骨折は深刻な障害をもたらす可能性があります。脊椎の骨折が進行した場合、歩行や日常動作への大きな支障となり、生活の質(QOL)の低下を招くことも少なくありません。

骨粗鬆症は男女を問わず発症する可能性があるものの、女性のほうが男性よりリスクが高いといわれています。統計的には女性が男性より4倍ほど骨粗鬆症を発症しやすいとされ、加齢にともないそのリスクはさらに上昇します。特に閉経前後の女性ではエストロゲンの減少により骨量が急速に減る時期があり、閉経後2年以内に骨粗鬆症が進行し始めるケースが多く見られます。また、高齢の男性にとっても骨粗鬆症は深刻な疾患となりうるため、年齢を重ねたら性別を問わず注意が必要です。

さらに、一部の薬剤(抗がん剤、甲状腺機能低下症の治療薬、長期ステロイド、免疫抑制薬など)の使用によっても骨粗鬆症のリスクが高まります。治療上やむを得ずこれらの薬を使用する場合は、骨密度のチェックや栄養管理、医師の指導のもとでの運動療法などを積極的に行い、骨の健康を守る意識を持つことが推奨されます。

骨粗鬆症の5つの主要な症状

骨粗鬆症は「沈黙の病」とも呼ばれ、初期には目立った痛みや症状が出にくいのが特徴です。しかし骨が脆くなってくると、以下のような症状が現れる場合があります。

  • 身長の減少
    年齢とともに身長が低下するのはある程度自然な現象ですが、骨粗鬆症が原因の場合は短期間で大きく低下することがあります。
  • 背中や腰の痛み
    脊椎の骨折や圧迫による痛みが代表的です。慢性的な背中や腰の痛みを訴える方は、骨粗鬆症を疑う必要があります。
  • 脊椎の湾曲(姿勢の変化)
    背中が丸くなる、いわゆる「円背」や「猫背」の状態です。重症化すると姿勢の維持が難しくなり、日常生活に支障を来すことがあります。
  • 骨折のリスクの増加
    転倒などごく軽い衝撃でも、骨が折れやすくなります。高齢になるほど転倒リスクが上がるため、さらに骨折の危険性が高まります。
  • 身体的な脆弱さの増加
    骨密度が下がると、筋力や体幹の安定性にも影響が及びやすく、全体的な体力の低下を感じることがあります。

これらの症状を感じた場合、放置せずに早めに医師の診断を受けることが大切です。特に骨折のリスクが高いと自己判断できる方や、すでに骨折歴がある方は積極的に検査を受けましょう。

いつ医師の診察を受けるべきか?

以下のような状況があれば、速やかに医療機関での検査や診察を受けることを推奨します。

  • 軽い転倒後の骨折
    軽度の転倒でも骨折してしまう場合、骨粗鬆症の疑いが高いです。
  • 突然の激しい背中の痛み
    脊椎骨折や圧迫骨折の可能性が考えられます。
  • 早期閉経や家族歴がある場合
    とくに母親や姉妹などが骨粗鬆症、あるいは骨盆骨折の既往歴がある場合は要注意です。
  • 長期間のコルチコステロイド使用歴がある場合
    ステロイド系薬剤は骨を脆くする働きがあるため、骨密度の測定が重要です。
  • 50歳以上の方
    この年代は骨密度が急速に下がりやすいため、定期的なチェックが推奨されます。

早期に原因を特定し、適切な治療を行うことで、骨密度の改善や骨折の予防、さらなる合併症の防止につながります。

どうやって骨粗鬆症の症状を予防するか?

骨粗鬆症の予防は、大きく分けて栄養管理運動習慣の確立によって行うことが可能とされています。以下に具体的なポイントを示します。

  • タンパク質の十分な摂取
    骨の構成成分として重要なタンパク質を、多様な食材からバランスよく摂ることが大切です。大豆、ナッツ、卵、乳製品、鶏肉、魚などが代表的な例です。
  • 適切な体重の維持
    体重が軽すぎると骨量が減りやすく、過体重でも骨折時に負荷が大きくなる恐れがあります。BMI(体格指数)を参考に、標準的な体重を保つようにしましょう。
  • カルシウムの摂取
    骨の強度を維持するうえで欠かせない栄養素です。乳製品(ヨーグルトやチーズなど)や緑の葉野菜、豆腐、穀物などから積極的に摂取するとよいでしょう。
  • ビタミンDの摂取
    ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康を支えるうえで非常に重要です。51歳から70歳の方は1日あたり600 IU、70歳以上の方は700 IUを目安に食事やサプリメントでの摂取が推奨されています。サプリメントを活用する場合は、医師に相談して適切な量を守ってください。
    なお、2022年に発表された米国の医学誌(New England Journal of Medicine)の報告によると、健康な成人がビタミンDを定期的に摂取しても、骨折リスクの大幅な低減には直結しないという研究結果が示唆されています(LeBoff MSら, 2022, N Engl J Med 387(4):299-309, doi:10.1056/NEJMoa2202106)。ただし、この研究は欧米を中心とした集団が対象であり、日本人を含むアジア人においては日照量や食習慣が異なるため、必ずしも同じ結果が得られるとは限らないと考えられています。総合的にみて、ビタミンDが不足している人や高齢者ではサプリメントの摂取が有用な場合があるため、自己判断での過剰摂取は避けつつ専門家に相談することが重要です。
  • 定期的な運動
    骨粗鬆症の進行を防ぐうえで、運動は非常に有効です。特に以下のような運動が推奨されています。

    • 負荷運動(筋力トレーニング)
      ダンベルやマシンを使ったトレーニングは、腕や背骨に適度な刺激を与え、骨密度を保ちます。
    • ウォーキングやランニング、階段の上り下り
      下半身の骨や筋力を鍛えるのに適しています。
    • 太極拳
      バランス能力を高め、転倒リスクを減らすのに有効です。
    • 縄跳び
      関節に過度の負担をかけない範囲で、下半身の骨密度を増やす効果が期待できます。

これらの運動を無理のない範囲で継続することが大切です。骨は適度な負荷が繰り返しかかることで強くなります。ただし、関節疾患や心肺機能に不安がある場合は、必ず主治医と相談してから運動を始めてください。

日常生活で気をつけるポイント

骨粗鬆症の予防や進行を遅らせるには、以下のような日常的な習慣も大切です。

  • 禁煙・節酒
    喫煙は骨密度の低下を促進し、飲酒は適量を超えると骨や筋肉の衰弱を招きます。生活習慣を見直すことも骨粗鬆症対策の一環です。
  • 転倒防止対策
    家の中の段差をなくす、滑りにくいマットを敷く、手すりを設置するなどの工夫を行い、転倒による骨折リスクを軽減しましょう。
  • 日光浴
    適度な日光浴は体内でのビタミンD合成をサポートします。ただし、紫外線を過度に浴びると皮膚へのダメージが懸念されるため、日焼け対策を行いつつ、適度に日光に当たることが推奨されます。
  • サプリメントの活用
    食事から十分な栄養を摂取できない場合は、医師の指導のもとでカルシウムやビタミンDのサプリメントを利用するのも一つの方法です。

結論と提言

骨粗鬆症は、高齢化社会において非常に重要視される疾患のひとつです。特に年齢を重ねた人々にとっては、骨密度の低下により生活の質や健康を大きく損ねるリスクが高まります。しかし、十分な栄養摂取と定期的な運動習慣を確立し、さらには適切な医療機関での早期診断と治療を行うことで、骨粗鬆症の進行を抑え、骨折リスクを最小限に抑えることは可能です。

自分自身や家族が骨粗鬆症の可能性を感じた場合には、早めに医師に相談し、骨密度の測定や必要に応じた投薬・リハビリテーションなどの対策を行いましょう。特に50歳以上の方や、閉経前後に差しかかった女性、高齢の男性などは骨の健康にいっそうの注意が必要です。

また、適度な負荷運動や屋内外の安全対策によって転倒リスクを減らし、骨折を予防する取り組みも重要です。さらに、栄養バランスを意識した食生活の改善と、医師の指導に基づくサプリメント活用を組み合わせることで、骨の健康をより強固に守ることができます。

本記事はあくまで一般的な情報をまとめたものであり、医学的な診断や治療行為を目的としたものではありません。 個別の症状や体質によっては最適な方法が異なりますので、必ず専門医や医療従事者にご相談ください。

参考文献

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