はじめに
こんにちは、JHO編集部です。今回のトピックは「高血圧症とその管理方法」についてです。日本でも多くの方が抱えるこの健康問題は、「沈黙の殺人者」と呼ばれるほど、症状が表に出にくく、放置すると命に関わることもあります。この記事では、高血圧症の根本原因や治療法、どのようにして日常生活の中で管理していけるかを詳しく解説いたします。私たちの健康を守るために重要なこのテーマについて、早速深く掘り下げていきましょう。
免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
専門家への相談
この記事の信頼性を高めるために、多くの権威ある資料を参考に情報をまとめました。高血圧という病気は日常生活にも大きく関係し、さらに様々な要因が複合的に絡み合って生じるため、複数の研究データが非常に参考になります。近年は生活習慣病対策や栄養学などの分野で研究が進んでおり、国内外の学術誌や医療機関が数多くの知見を提供しています。こうしたデータを踏まえて総合的に判断し、ここではできる限り正確性を担保する形で整理しました。ただし、個々の体調や既往症によって最適なアドバイスは異なりますので、具体的な治療方針については医師などの専門家に相談してみてください。
高血圧とは？そして治るのか？
高血圧は血圧が高くなりすぎる状態で、一般的には収縮期血圧が140 mmHg以上、または拡張期血圧が90 mmHg以上の場合を指します。多くの場合、自覚症状がなく進行するため、心筋梗塞や脳卒中、腎臓障害など重篤な合併症に至る危険があります。こうしたことから「沈黙の殺人者」と呼ばれていますが、症状が目立たないからこそ早期発見・早期対策が非常に大切です。
「高血圧は治るのか」という疑問については、原因によって異なるため、一概に答えはありません。加齢や生活習慣などが背景にある高血圧は、日常生活の管理である程度改善が見込めることはあっても、「完全に治る」というよりは生涯にわたってコントロールが必要とされるケースが多いです。一方、病気や薬が原因の場合には、その原因を取り除けば血圧が正常化することがあります。
なお、高血圧の発症率は世界的に増加傾向にあり、特に日本を含むアジア圏でも潜在患者が多いとされています。例えば、世界各国の疫学データを網羅的に解析した大規模研究では、高血圧の有病率が年々上昇していることが報告されています（NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC) (2021). “Worldwide trends in hypertension prevalence from 2000 to 2019: a pooled analysis of 1201 population representative studies with 104 million participants.” The Lancet, 398(10304), 957–980, doi:10.1016/S0140-6736(21)01330-1）。この研究は104万人以上のデータを統合したメタ解析であり、世界レベルの傾向を示す上で信頼性が高いと考えられています。日本国内においても同様の傾向が観察されており、食習慣や塩分摂取量、ストレスなどが影響していると見られています。
高血圧のタイプ
高血圧は大きく分けて2つのタイプに分類されます。
- 一次性高血圧（本態性高血圧）
明確な原因が特定されないことが多く、加齢や食習慣、運動不足、ストレスなどの複合要因が影響します。高血圧全体のうち、およそ90%がこのタイプといわれています。 - 二次性高血圧
特定の病気や薬物などが直接原因となって引き起こされる高血圧です。原因を取り除くことで血圧が改善する場合があります。
一次性高血圧（本態性高血圧）
一次性高血圧は原因となる疾患がはっきりしない点が特徴ですが、加齢、食生活、塩分過多、運動不足、ストレスなどが深く関係すると考えられています。こうした生活習慣を見直すことで、ある程度の血圧コントロールが可能になるケースも少なくありません。しかしながら、日常的に高血圧を管理し続ける必要性が高く、完全に治癒するというよりは「長期的にうまく付き合う」ことが求められます。
二次性高血圧
二次性高血圧は、特定の病気や薬物、副腎の異常、甲状腺の問題などが明確な原因となるケースです。以下は代表例です。
- 副腎腫瘍
- 先天性の血管問題（大動脈の狭窄など）
- 特定の薬物の副作用
- 覚醒剤の使用
- 腎疾患や腎動脈の狭窄
- 睡眠時無呼吸症候群
- 甲状腺の機能異常（過機能または低機能）
- 体重過多や肥満
- 運動不足
- 喫煙や過剰なアルコール摂取
- 白衣高血圧 など
上記のように、原因がはっきりしている場合は、その原因を取り除くことで血圧が正常範囲に落ち着く可能性があります。たとえば、特定の薬剤が高血圧を引き起こしている場合は、その薬の変更によって血圧が改善するケースがあります。
高血圧の管理と治療法
高血圧は「完全に治る」ものというより、慢性的に管理していく必要があります。症状がなくても放置すると合併症リスクが高まるため、できるだけ早期に生活習慣を見直し、必要であれば医療機関と連携して薬物治療を行うことが重要です。
生活習慣の改善
高血圧が比較的軽度な段階であれば、以下の方法によって血圧をコントロールできる可能性があります。適切な生活習慣を続けることで、薬の量を減らせたり、投与開始を遅らせたりする効果が期待できます。
- 健康的な方法での体重減少
肥満や過体重は高血圧の大きなリスク要因です。適正体重を保つことが血圧管理の第一歩になります。 - 医師の指導の下、30分程度の有酸素運動を毎日行う
ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水泳など、継続可能な運動を取り入れることで心肺機能が向上し、血圧の安定に寄与します。 - 塩分・脂肪・コレステロールを控えめにした食事を心がける
日本人は塩分摂取量が多くなりがちですが、塩分過多は高血圧の最も代表的なリスク要因の一つです。だしや香辛料を活用して、味付けを工夫することがポイントです。 - 全粒穀物、果物、緑黄色野菜、魚介類、低脂肪乳製品を積極的に摂る
ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な食品を優先的に選ぶと良いでしょう。 - 飲酒を制限する
一般的に男性は1日2杯まで、女性は1日1杯までが推奨されています。過剰なアルコールは血圧上昇の要因になります。 - 禁煙する
喫煙は血管の収縮を招き、動脈硬化などのリスクを高めます。禁煙の難しさはありますが、専門外来や禁煙補助薬などのサポートも検討してみてください。 - 適度な休息とストレス管理
ストレスは交感神経を活性化し血圧を上昇させます。十分な睡眠時間や気分転換、リラクゼーションを取り入れ、過度なストレスを避けましょう。 - 家庭で正しく血圧を測定する
毎日決まった時間に測定し、記録をつけることで変動パターンを把握できます。医師の診察時にも役立つ重要なデータとなります。 - 定期的に医療機関を受診する
自己判断では把握しきれないリスクや合併症が潜在している場合もあります。特に高齢者や他の生活習慣病を有している方はこまめに専門家の意見を仰ぐようにしましょう。
薬物治療
生活習慣の改善だけでは血圧が目標値まで下がらない場合、薬物治療が必要になります。降圧薬には利尿薬、β受容体遮断薬、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、ARB（アンジオテンシン受容体拮抗薬）など、さまざまな種類があります。医師は患者の血圧の程度、合併症の有無、年齢や既往症などを総合的に判断しながら、最適な薬剤や組み合わせを選択します。
- 複数の薬を併用するケース
高血圧が重度の場合や、合併症リスクが高い場合には、複数の薬を併用して血圧を安定させることがあります。作用機序が異なる薬を組み合わせることで、相乗効果を狙うことができますが、その分副作用にも注意が必要です。 - 副作用と定期的な評価
薬物治療には少なからず副作用の可能性があります。めまい、倦怠感、咳など、日常生活に影響を及ぼす症状が出ることもあります。体の状態や症状を医師に報告しながら、薬の種類や用量を調整していくのが望ましいです。 - 一生薬が必要なケースもある
生活習慣を改善し、薬の量を減らせる場合もありますが、血圧が再び上昇しないように継続的な服用を続けるケースも珍しくありません。一時的に血圧が落ち着いたように見えても急に薬を中断すると、重大な合併症を引き起こすリスクが高まります。医師の指示なしに自己判断で中止しないようにしましょう。
結論と提言
高血圧症は突発的に生じるものではなく、基本的には長期的に管理していく病気です。「治療」というよりも「コントロール」という意識をもって、日々の生活習慣や定期的な受診による監視を続けることが極めて重要です。とくに一次性高血圧（本態性高血圧）の場合には、生活習慣の改善でかなりの部分が対処可能とされており、薬物治療を必要とする方でも併せて生活面に気を配ることが合併症の予防や薬の減量につながります。
- 高血圧を恐れるよりも、長くうまく付き合うことを目指す
- 適切な生活習慣を維持する
- 医師や専門家のアドバイスを受けながら定期的にモニタリングする
- 薬を自己判断で中止せず、疑問や不安があれば主治医に相談する
これらを心がけることで、高血圧による重大な合併症リスクを抑え、健康寿命をより長く保つことができるはずです。日常の些細な習慣が大きな変化をもたらす可能性がありますので、まずは自分が実践できるところから一歩ずつ始めてみてください。
注意: 本記事は参考情報を提供する目的でまとめたものであり、特定の治療行為を推奨・保証するものではありません。症状の有無や既往症など個々の状況に応じて最適な方策は異なりますので、具体的な診断・治療については必ず医師や専門家にご相談ください。
参考文献
- How is High Blood Pressure Treated? アクセス日: 03/08/2023
- Patients can take these steps to lower their high blood pressure. アクセス日: 03/08/2023
- 10 ways to control high blood pressure without medication. アクセス日: 03/08/2023
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- High Blood Pressure (Hypertension). アクセス日: 03/08/2023
- Treatment-High blood pressure (hypertension). アクセス日: 03/08/2023
- High Blood Pressure. アクセス日: 03/08/2023
- NHỮNG LẦM TƯỞNG NGUY HIỂM VỀ BỆNH TĂNG HUYẾT ÁP. アクセス日: 03/08/2023
- NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC) (2021). “Worldwide trends in hypertension prevalence from 2000 to 2019: a pooled analysis of 1201 population representative studies with 104 million participants.” The Lancet, 398(10304), 957–980, doi:10.1016/S0140-6736(21)01330-1
追加の推奨事項（参考程度）
- 日常の食事で塩分摂取量を管理するために、栄養成分表示をこまめに確認しましょう。
- 運動習慣がない方は、短い散歩からでも始めると継続しやすくなります。
- 自分が好きな食材や料理法を探して、楽しみながら塩分や脂肪をカットできる工夫をすると長続きします。
- ストレスマネジメントとして、趣味や友人との交流、十分な睡眠の確保なども併せて行ってください。
重要: 上記はあくまでも一般的なアドバイスです。個別の症状やリスク要因、治療経過に応じて専門家の指導に従いましょう。特に他の病気を併せ持つ場合や、日常生活に支障をきたす症状がある場合は、必ず医師の診察を受けてください。