【帝王切開で生まれた赤ちゃん】季節の変わり目に呼吸が苦しくなりやすい理由と、家庭でできる予防策
小児科

【帝王切開で生まれた赤ちゃん】季節の変わり目に呼吸が苦しくなりやすい理由と、家庭でできる予防策

「季節の変わり目になると、赤ちゃんの呼吸がいつもより速い気がする」「鼻が詰まって、ゼーゼーして見える」「帝王切開で産んだから、呼吸が弱いのでは?」——そんな不安を抱えていませんか。

結論から言うと、季節の変わり目は気温・湿度の変化と呼吸器ウイルスの流行が重なり、乳児はもともと呼吸トラブルが起きやすい時期です。日本の感染症情報(JIHS)のRSウイルス(RSV)解説でも、乳幼児で重症化しやすいことが知られています1。さらに、出生様式(帝王切開か経腟分娩か)によって、出生直後の肺の水分(肺液)の抜け方や、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)を介した免疫の立ち上がりに違いが生じ得るため、状況によっては呼吸器感染症や喘鳴(ゼーゼー)に「つながりやすい」面があります23

ただし、帝王切開で生まれた赤ちゃんの大多数は健康に成長します。重要なのは「怖がりすぎる」ことではなく、家庭でできる予防策と、受診・救急の目安を具体的に持つことです。この記事では、厚生労働省の資料や査読付き研究、国際機関(WHO)などの一次情報をもとに、母親・家族が今日から実践できる対策を整理します。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・自治体・公的研究機関:予防接種、母子保健、感染症対策に関する公式情報を優先して参照しています(例:予防接種の案内、換気・湿度の考え方など)81013
  • 国内外の医学的エビデンス(査読付き研究):帝王切開と小児の感染症リスク・喘息などの関連を扱ったシステマティックレビューやメタ解析を参照し、因果関係の限界も含めて解説します245
  • 国際機関・海外公的機関:WHOの乳幼児栄養、CDCの呼吸器感染予防など、国際的に標準化された推奨を補助的に参照します1114

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要点まとめ

  • 季節の変わり目は、気温・湿度の変化と呼吸器ウイルス流行が重なり、乳児は呼吸困難や喘鳴が起きやすい時期です。RSVは乳幼児で重症化しやすい代表例です1
  • 帝王切開、とくに「陣痛を伴わない選択的帝王切開」では、出生時に肺液の排出が遅れ、呼吸窮迫(速い呼吸・陥没呼吸など)を起こしやすい病態が知られています3
  • 観察研究の統合では、帝王切開で生まれた子どもは、上気道・下気道感染で入院する率がわずかに高い関連が報告されています(ただし交絡の可能性があり、原因が帝王切開そのものと断定できません)2
  • 喘息などのアレルギー疾患は、帝王切開出生と関連が報告されており、長期的には「ゼーゼー」を繰り返す背景になり得ます45
  • 家庭でできる予防の柱は、①予防接種(定期接種を遅らせない)89、②授乳・栄養支援(母乳の利点と個別性)1011、③手洗い・環境衛生14、④換気と湿度・室温の管理13です。
  • 「様子見してよいサイン」と「すぐ受診・救急のサイン」を分けて持つことが、最も現実的で安全です。自治体の受診目安情報も活用できます16

第1部:まず知っておきたい「呼吸困難」の基本と、季節の変わり目に起きること

赤ちゃんの呼吸トラブルは「感染症」「環境変化」「体の仕組み(肺・気道の未熟性)」が重なって起きやすいのが特徴です。季節の変わり目は、昼夜の寒暖差、乾燥、集団生活でのウイルス持ち込みなどが重なり、普段より症状が出やすくなります1

1.1. 「呼吸困難」とは?赤ちゃんで起きやすい理由

呼吸困難とは、簡単にいうと「体が必要とする酸素を取り込みにくい/吐き出しにくい状態」です。乳児は気道(空気の通り道)が細く、少しの腫れや痰でも空気の通りが悪くなりやすい上に、呼吸筋も発達途中です。そのため、風邪やRSVなどの感染症がきっかけで、呼吸が速い・胸がへこむ・ミルクが飲めないといった症状が出やすくなります1

また、自治体の小児救急の案内でも、陥没呼吸(胸や肋骨の間がへこむ)顔色が悪いぐったりなどは受診の目安として挙げられています16。家庭では「いつもと違う」を見逃さないことが重要です。

1.2. 季節の変わり目に悪化しやすい「環境要因」と、やりがちなNG習慣

季節の変わり目に症状が目立つ最大の理由は、ウイルス曝露(持ち込み)と乾燥・冷えの組み合わせです。厚生労働省の資料では、換気を確保しつつ、室温18℃以上・相対湿度40%以上を維持する考え方が示されています13。乾燥が強い環境では、鼻や喉の粘膜が乾きやすく、感染のきっかけになり得ます。

加えて、次のような行動は「善意でやっているのに逆効果」になりやすいので注意が必要です。

  • 人が多い場所へ長時間:兄姉の学校・保育園由来の感染症が家庭内に入ると、乳児は重症化しやすいことがあります(RSVなど)1
  • 手洗い不足の来客が抱っこ:CDCは、石けんによる手洗い・よく触る場所の清掃が呼吸器ウイルス対策として重要だと説明しています14
  • 換気ゼロで加湿だけ:湿度管理は大切ですが、換気が不足すると空気がよどみます。厚生労働省は換気の確保を前提に温度・湿度を保つ重要性を示しています13
表1:家庭でのセルフチェックリスト(呼吸が苦しそうに見えるとき)
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ(例)
呼吸が速い/胸や肋骨の間がへこむ(陥没呼吸) 呼吸窮迫のサイン。感染症(RSVなど)、気道の炎症、出生直後なら肺液排出遅延(TTN)など13
鼻翼がピクピクする、うなるように息をする 呼吸の負担増。感染症や気道狭窄などが背景になり得ます。受診目安の情報も参考に316
哺乳量が明らかに減る/飲むと苦しそう 呼吸が苦しいと飲めません。脱水や低酸素のリスク。早めに医療機関へ16
唇や顔色が紫っぽい、反応が鈍い 緊急性が高い可能性。迷わず救急要請(119)や受診を検討16

第2部:帝王切開と呼吸トラブルの「つながり」— 肺液・免疫・アレルギーの視点

帝王切開だから必ず呼吸が弱いわけではありません。一方で、研究の蓄積から「出生直後の呼吸窮迫」「感染症での受診・入院」「喘息などの体質」に関して、帝王切開と関連がみられる報告があります234。ここでは、季節の変わり目に呼吸が苦しく見えやすい背景を、誤解が起きにくい形で整理します。

2.1. 帝王切開で注目される2つのポイント:出生直後の肺液と、免疫の立ち上がり

ポイント1:出生直後の肺液(肺の中の水分)が抜けにくいことがある。MSDマニュアル(プロフェッショナル版)は、新生児一過性多呼吸(TTN)が「胎児の肺液の吸収遅延」で起こる一過性の呼吸窮迫であり、陣痛を伴わない選択的帝王切開などがリスクになり得ると説明しています3。出生直後に呼吸が速い、胸がへこむなどが見られる場合、医療機関で評価されます(家庭で判断しないことが大切です)。

ポイント2:腸内細菌叢(マイクロバイオーム)を介した免疫の立ち上がり。出生時の環境は、赤ちゃんの腸内細菌の定着に影響し、それが免疫(アレルギー反応の起こりやすさなど)に関わる可能性が議論されています。浜松医科大学のリポジトリ掲載資料では、帝王切開出生モデルで腸内細菌叢の変化と制御性T細胞(Treg)の低下が示唆され、免疫寛容の成立に影響し得る可能性が述べられています6(ただし動物研究であり、人への当てはめには慎重さが必要です)。また、ヒトを扱うレビューでも、分娩様式が乳児期のマイクロバイオームに影響し得ることが整理されています7

2.2. 「季節の変わり目にゼーゼーしやすい」と関連し得る長期的な視点:感染症と喘息(アレルギー)

感染症の視点:BMJ Medicineに掲載されたシステマティックレビュー/メタ解析(31研究・1,000万人超)では、帝王切開出生の子どもは、呼吸器感染症で入院する率がわずかに高い関連が報告されています。たとえば、下気道感染での入院は、選択的帝王切開でハザード比(HR)1.13(95%CI 1.10–1.16)などが示されています2。著者らは交絡(帝王切開に至った背景、家庭環境など)による影響も重要な限界として述べています2

喘息(アレルギー)の視点:PLOS Medicineのシステマティックレビュー/メタ解析では、帝王切開と子どもの喘息リスクの関連が主要アウトカムとして扱われ、関連が示唆されています4。また、古典的なメタ解析(Thavagnanamら)でも、帝王切開と喘息の関連(オッズ比での増加)が報告されています5。喘息や喘鳴体質があると、季節の変わり目の感染症・アレルゲン増加・乾燥の影響で「ゼーゼー」が表面化しやすくなることがあります。

ここで重要なのは、関連がある=必ず起きる、ではないという点です。帝王切開は医療的に必要な場合も多く、産科医と相談して最善を選んだ結果です。親ができるのは「原因探し」よりも、予防でリスクを下げ、早期に異変に気づく仕組みを作ることです。

第3部:専門的な診断が必要な疾患 — 受診が遅れると危険になり得るケース

赤ちゃんの呼吸が苦しそうなときは、「様子見でよい風邪」だけとは限りません。とくに乳児は進行が速いことがあるため、危険なサインを知ることが最優先です。自治体の案内でも、呼吸の異常や顔色不良、ぐったりなどは受診・救急の目安として示されています16

3.1. 代表的な病態A:RSウイルス感染症(細気管支炎など)

RSウイルス(RSV)は乳幼児で下気道感染(細気管支炎、肺炎など)を起こしやすく、重症化すると呼吸困難につながります。日本の感染症情報(JIHS)の解説でも、乳幼児で重症化しやすい感染症として整理されています1。季節性があり、流行期や流行の立ち上がり(季節の変わり目)では家庭内持ち込みが起きやすい点が注意点です。

RSVについては、厚生労働省の資料でも、重症化予防として抗体製剤などの位置づけが整理されています12。適応や対象は赤ちゃんの背景(早産、基礎疾患など)で異なるため、該当しそうな場合は早めに小児科で相談しましょう。

3.2. 代表的な病態B:出生直後の呼吸窮迫(TTNなど)や、肺炎など

出生直後に呼吸が苦しそうな場合、TTNなどの「肺液の排出遅延」による呼吸窮迫が疑われることがあります。MSDマニュアルは、頻呼吸・陥没呼吸・呻吟・鼻翼呼吸などの症状を挙げ、胸部X線などで評価されると説明しています3。また、肺炎や敗血症など、見た目の症状が似る病態もあるため、医療機関での判断が不可欠です3

「季節の変わり目=風邪だから大丈夫」と決めつけず、赤ちゃんの様子がいつもと違うときは受診をためらわないことが安全につながります。迷うときは次の章の「受診の目安」を確認してください。

第4部:今日から始める改善アクションプラン(予防策を“仕組み化”する)

呼吸器トラブルの予防は、「気合」では続きません。家の中のルールと優先順位を決めて、無理のない形で積み上げることが現実的です。ここでは、科学的根拠が比較的明確な柱(ワクチン、授乳/栄養、衛生、室内環境)を中心に、段階別に整理します810111314

表2:改善アクションプラン(家庭でできる予防策)
ステップ アクション 具体例(根拠のある柱を優先)
Level 1:今日からできること 感染の入口を減らす(衛生) CDCが推奨する石けんの手洗い、咳エチケット、よく触る場所の清掃を家族の基本ルールにする14
Level 1:今日からできること 室内環境を整える(換気・温度・湿度) 厚生労働省資料の考え方を参考に、換気を確保しつつ室温18℃以上・相対湿度40%以上を目安に管理する(過度な加湿はカビの原因になるため注意)13
Level 2:今週〜今月で整える 予防接種を遅らせない 厚生労働省は生後2か月からロタ、五種混合、肺炎球菌、B型肝炎などの接種開始を案内しています8。日本小児科学会のスケジュールも併せて確認し、通院計画を立てる9
Level 2:今週〜今月で整える 授乳・栄養の支援を受ける 母乳には利点がある一方、家庭事情や体質で最適解は異なります。厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019改定)」の考え方を参考に、必要なら保健師・助産師・小児科と相談して無理なく継続できる方法を選ぶ10。WHOも乳幼児栄養の基本として母乳栄養を位置づけています11
Level 3:流行期・ハイリスクで検討 RSV重症化予防の相談 早産や基礎疾患などで重症化リスクが高い場合、厚生労働省資料で整理されている抗体製剤等の対象になり得ます。適応は個別のため、小児科で早めに相談する12

「全部やらなきゃ」と思うと続きません。まずは家族全員の手洗いと、予防接種の通院計画から始め、次に換気と湿度を整える——この順番が失敗しにくいです81314

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

赤ちゃんの呼吸は「迷っている間に悪化する」ことがあります。一方で、夜間や休日に「受診していいのかな」とためらう気持ちも自然です。日本では小児救急電話相談(#8000)などの仕組みがあり、厚生労働省の案内でも紹介されています15。迷いを減らすために、ここでは受診の基準と準備を整理します。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 陥没呼吸(胸・肋骨の間がへこむ)、呼吸が明らかに苦しそう16
  • 唇が紫、顔色が悪い、反応が鈍い、ぐったり(緊急性が高い可能性)16
  • 哺乳ができない/水分がとれない、尿が明らかに減る(脱水の懸念)16
  • 出生直後からの呼吸窮迫(TTNなども含め医療評価が必要)3

「迷惑をかけたくない」「もう少し様子を見よう」と我慢しがちですが、乳児の呼吸は急に悪化することがあります。家族の安心のためにも、危険サインがあるときは早めに受診・救急(119)を検討してください16

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • 基本は小児科:咳、発熱、鼻水、喘鳴(ゼーゼー)など。
  • 夜間・休日で迷うとき:小児救急電話相談(#8000)で相談し、受診の要否や受診先の案内を受ける15
  • 呼吸が明らかに苦しい/顔色不良など緊急性が高い:救急(119)を検討。自治体の目安も参考にする16

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 母子健康手帳(出生状況、予防接種、成長の記録)
  • 保険証・乳幼児医療証(自治体の助成により自己負担は地域で異なります)
  • 症状メモ:いつから、どんな時に悪化、哺乳量、尿の回数、熱の推移など
  • 予防接種の予定:厚生労働省の案内や日本小児科学会スケジュールをもとに、遅れが出ないよう通院計画を立てる89

よくある質問

Q1: 帝王切開で生まれた赤ちゃんは、季節の変わり目に必ず呼吸が弱くなりますか?

必ず弱くなるわけではありません。多くの赤ちゃんは健康に成長します。

一方で、観察研究を統合した報告では、帝王切開出生と小児期の呼吸器感染での入院率に「わずかな増加の関連」が示されています(例:下気道感染でHR 1.13など)2。ただし交絡の可能性があり、「帝王切開が原因」と断定はできません2

Q2: 出生直後から呼吸が速いのですが、帝王切開と関係がありますか?

出生直後の呼吸窮迫は、帝王切開(特に陣痛を伴わない選択的帝王切開)でリスクが上がり得る病態として、新生児一過性多呼吸(TTN)が知られています3

MSDマニュアルは、TTNが肺液の吸収遅延で起こり、頻呼吸や陥没呼吸などを伴うと説明しています3。出生直後の症状は医療機関で評価が必要なので、自己判断は避けてください。

Q3: 季節の変わり目に多い感染症で、特に注意すべきものは?

乳幼児ではRSウイルス(RSV)が代表的です。日本の感染症情報(JIHS)でも、乳幼児で重症化しやすい感染症として整理されています1

咳や鼻水が増える時期は、家庭内に持ち込まれることも多いため、手洗い・清掃など基本の感染対策を徹底することが現実的です14

Q4: 予防接種は呼吸器トラブルの予防に役立ちますか?

ワクチンは、肺炎球菌や百日せきなど、重症化すると呼吸状態が悪化し得る感染症を予防する重要な手段です。厚生労働省は、生後2か月からの接種開始(ロタ、五種混合、肺炎球菌、B型肝炎など)を案内しています8

具体的な接種間隔や同時接種の組み方は、日本小児科学会のスケジュールも参考になります9。不安があれば、小児科で計画を一緒に立ててください。

Q5: 母乳のほうが、呼吸器感染を防げますか?ミルクだと不利ですか?

母乳には免疫学的な利点があることが知られ、WHOの乳幼児栄養の資料でも母乳栄養の重要性が整理されています11。一方で、家庭事情や体質、母子の状況はさまざまで、「母乳でないとダメ」という話ではありません。

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019改定)」も、親子の個別性を尊重し、不安やトラブルに対応しながら支援する視点を重視しています10。最適解は一つではないため、つらいときは保健師・助産師・小児科に相談してください。

Q6: 加湿はどのくらいを目安にすればいいですか?

乾燥しすぎる環境は粘膜の負担になり得るため、湿度管理は重要です。厚生労働省の資料では、換気を確保しつつ室温18℃以上・相対湿度40%以上を維持する考え方が示されています13

ただし、過度な加湿は結露やカビの原因になります。換気とセットで考え、体調や住環境に合わせて調整してください13

Q7: 「ゼーゼー」が続くとき、喘息の可能性はありますか?

乳児の喘鳴(ゼーゼー)は感染症でも起こりますが、繰り返す場合は喘息など体質の関与が疑われることがあります。帝王切開出生と喘息リスクの関連は、システマティックレビューで扱われています45

ただし、喘息かどうかは月齢や経過で判断が難しいことも多いので、「繰り返す」「哺乳に影響する」「苦しそう」がある場合は小児科に相談してください。

Q8: 夜間や休日に迷ったとき、どこに相談すればいいですか?

日本では小児救急電話相談(#8000)があり、厚生労働省が案内しています15。緊急性の判断や受診先の情報を得るのに役立ちます。

一方で、唇が紫・反応が鈍い・陥没呼吸など危険サインがある場合は、自治体の受診目安を参考にしつつ、救急(119)も含めて早急に対応してください16

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

季節の変わり目に赤ちゃんの呼吸が苦しそうに見えるのは、環境変化と感染症流行が重なりやすいからです1。帝王切開は、出生直後の肺液排出遅延(TTN)や、感染症・喘息との「関連」が報告される一方で、因果を断定できない面もあり、必要以上に怖がる必要はありません234

母親・家族ができる最も現実的な対策は、①予防接種を遅らせない89、②授乳・栄養は無理なく支援を受ける1011、③手洗い・清掃など基本の衛生を家族で徹底する14、④換気と室温・湿度を整える13、そして⑤危険サインを知り、迷ったら相談する(#8000)15——この5つです。

「迷惑をかけたくない」と我慢しやすい場面ほど、赤ちゃんは助けを求められません。受診は“弱さ”ではなく、家族を守るための行動です。少しでも不安が強いときは、早めに小児科へ相談してください。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

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参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト. RSウイルス感染症(RSV). https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ra/rsv/index.html(最終アクセス日:2025-12-23)

  2. Caesarean section and risk of infection in offspring: systematic review and meta-analysis of observational studies. BMJ Medicine. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11603743/(最終アクセス日:2025-12-23)

  3. MSDマニュアル プロフェッショナル版. 新生児一過性多呼吸(新生児湿性肺症候群). https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/19-%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91/%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%91%BC%E5%90%B8%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E4%B8%80%E9%81%8E%E6%80%A7%E5%A4%9A%E5%91%BC%E5%90%B8(最終アクセス日:2025-12-23)

  4. Keag OE, Norman JE, Stock SJ. Long-term risks and benefits associated with cesarean delivery for mother, baby, and subsequent pregnancies: Systematic review and meta-analysis. 2018. https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371%2Fjournal.pmed.1002494(最終アクセス日:2025-12-23)

  5. Thavagnanam S, Fleming J, Bromley A, Shields MD, Cardwell CR. A meta-analysis of the association between Caesarean section and childhood asthma. 2008. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18214537/(最終アクセス日:2025-12-23)

  6. 浜松医科大学リポジトリ掲載資料. 帝王切開が食物アレルギーに与える影響(腸内細菌叢・Tregに関する考察). https://hama-med.repo.nii.ac.jp/record/3867/files/dohad_9_2_53.pdf(最終アクセス日:2025-12-23)

  7. Stinson LF ほか. Effect of delivery mode on the microbiota. PubMed. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33919139/(最終アクセス日:2025-12-23)

  8. 厚生労働省. 生後2か月から推奨される予防接種. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/months-2.html(最終アクセス日:2025-12-23)

  9. 日本小児科学会. 予防接種スケジュール(2025年12月16日版). https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/schedule-20251216.pdf(最終アクセス日:2025-12-23)

  10. 厚生労働省. 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版). https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000488140.pdf(最終アクセス日:2025-12-23)

  11. 世界保健機関(WHO). Infant and young child feeding(Fact sheet). https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/infant-and-young-child-feeding(最終アクセス日:2025-12-23)

  12. 厚生労働省. RSウイルス感染症の重症化予防(資料). https://www.mhlw.go.jp/content/001289292.pdf(最終アクセス日:2025-12-23)

  13. 厚生労働省. 換気の悪い密閉空間を改善するための換気と室温・湿度の考え方(資料). https://www.mhlw.go.jp/content/000698866.pdf(最終アクセス日:2025-12-23)

  14. Centers for Disease Control and Prevention(CDC). Hygiene and Respiratory Viruses Prevention. https://www.cdc.gov/respiratory-viruses/prevention/hygiene.html(最終アクセス日:2025-12-23)

  15. 厚生労働省. 子ども医療電話相談事業(#8000). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000067585.html(最終アクセス日:2025-12-23)

  16. 群馬県. こどもの救急(咳・呼吸が苦しい)受診の目安. https://www.pref.gunma.jp/page/642490.html(最終アクセス日:2025-12-23)

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