【恋愛依存症】「相手がいないと生きていけない」と感じるときのサインと向き合い方
精神・心理疾患

【恋愛依存症】「相手がいないと生きていけない」と感じるときのサインと向き合い方

「離れている時間が不安でたまらない」「頭の中は一日中、相手のことでいっぱい」「仕事や勉強よりも恋人を優先してしまう」。こうした状態が続くとき、多くの人は「これって普通の恋愛? それとも依存なの?」と戸惑います。

日本の厚生労働省は依存症を「やめたくても、やめられない状態」が続き、本人や家族の日常生活に支障が出ている病気と説明しています1。アルコールやギャンブルだけでなく、人間関係への過度な依存も、心身に大きな負担をかけることがあります4

本記事では、「恋愛依存症」と呼ばれる状態をテーマに、どのようなサインが見られるのか、健康的な恋愛との違い、背景にある心のメカニズム、そして今日からできるセルフケアや専門家への相談の目安を、日本や海外の研究・公的情報をもとに詳しく解説します14789。誰にも言えずに悩んでいる方が、自分を責めすぎずに「助けを求めてもよい」と感じられるようなガイドになることを目指しています。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、厚生労働省の依存症啓発ページや日本の研究論文、海外の査読付き論文などの一次情報をもとに、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています14578

  • 厚生労働省・公的研究機関:依存症の定義や支援体制に関する公式情報、統計資料を優先して参照しています148
  • 国内外の学会・査読付き論文:共依存(コードペンデンシー)や恋愛関係への依存についての日本語・英語の研究論文を用い、恋愛依存の背景や影響を整理しています5679
  • 大学・医療・看護系の論文:青年期の恋人への依存性や家族の共依存、セルフヘルプ・グループの実態に関する日本の研究を参考にしています256

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

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要点まとめ

  • 恋愛依存症とは、恋人やパートナーとの関係に過度にしがみつき、「離れたいのに離れられない」「相手中心で自分の生活が崩れている」状態を指す俗称であり、国際的な診断基準には正式な病名としては登場しません15
  • 「一緒にいたくて当たり前の気持ち」と「自分や相手を追い詰めてしまう依存的な状態」は異なり、仕事や学業、人間関係、健康に支障が出ているかどうかが重要な目安になります12
  • 背景には、幼少期の愛着体験、自己肯定感の低さ、過去のトラウマ、うつ病や不安症などのメンタルヘルスの問題、ストレス対処の難しさなど、さまざまな要因が複雑に絡み合うことが知られています2579
  • 「一日中スマホをチェックしてしまう」「友人・家族との付き合いをやめて恋人に時間とお金を使いすぎる」「暴力やモラハラがあっても離れられない」といった行動は、恋愛依存的なパターンの一例です57
  • 改善の第一歩は、自分を責めすぎず、依存を「意志の弱さ」ではなく「ストレスや生きづらさに対処しようとした結果」と理解し、信頼できる人や専門機関に相談しながら、少しずつ自分の時間や人間関係を取り戻していくことです148
  • 緊急に命の危険が疑われる場合(自殺念慮や暴力被害など)があれば、ためらわずに119番や地域の相談窓口を利用し、身の安全を最優先することが重要です。

第1部:恋愛依存とは? 基本理解と日常生活のセルフチェック

最初のステップは、「恋愛依存」という言葉のイメージに振り回されず、自分の生活にどのような影響が出ているかを整理することです。専門的な病名かどうかよりも、「苦しさ」や「困りごと」がどの程度あるのかが大切なポイントになります12

1.1. 恋愛依存の基本イメージと健康的な恋愛との違い

厚生労働省は依存症を「特定の物質や行為に心を奪われ、『やめたくてもやめられない』状態」と説明しています1。恋愛の場合も同じで、「相手のことを大切に思う」レベルを超え、以下のような状態が続くと、依存的なパターンが疑われます。

  • 相手からの連絡が少し途切れただけで、一日中何も手につかなくなる
  • 仕事・学業・家事など、日常生活の基本が後回しになっている
  • 相手の機嫌や予定に合わせるために、自分の予定や体調を犠牲にしてしまう
  • 別れた方がよいと頭では分かっているのに、強い不安から離れられない

一方、健康的な恋愛では、「一緒にいると安心する」「落ち込んだときに支え合える」といった相互の支え合いがありつつも、お互いの仕事・友人・家族・趣味など、恋愛以外の領域も大切にされています23。他者への依存と、自分の生活のバランスが取れているかどうかが、大きな違いと言えるでしょう。

1.2. 悪化させてしまうNG習慣と「やめたいのにやめられない」感覚

恋愛依存が強くなると、多くの人が「自分でもおかしいと分かっているのに、やめられない」というジレンマを抱えます。この背景には、スマートフォンやSNSの常時接続、24時間いつでも連絡がとれる現代の環境も影響しています。

  • スマホを手放せず、数分おきにメッセージアプリをチェックしてしまう
  • 相手のSNSのオンライン状態や「いいね」の数を何度も確認してしまう
  • 「既読がついたのに返信がない」など、細かな変化に強く反応してしまう
  • 不安を紛らわせるために、要求の多いメッセージや長文のLINEを送り続けてしまう

このような行動は、一時的に不安を和らげてくれるように感じても、長期的には不安を強化し、相手との関係をさらに不安定にしてしまうことがあります9。依存症全般についても、「つらさや不安を紛らわすために特定の物や行為に頼り続けてしまう」という特徴が指摘されています4

表1:恋愛依存セルフチェックリスト
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
一日中、頭の中が恋人のことでいっぱいで、仕事や勉強に集中できない ストレスや不安の多くを恋人との関係だけで解消しようとしている
友人や家族との予定をキャンセルしてでも、恋人を優先してしまう 人間関係の中心が恋人に偏りすぎている、人付き合いの狭まり
連絡が少し遅れるだけで、「嫌われたのでは」と強い不安に襲われる 見捨てられ不安、自己肯定感の低さ、過去の人間関係の傷つき体験
暴言や浮気などに気づいても、「この人しかいない」と関係を続けてしまう 共依存的関係、孤立感の高さ、安全な逃げ場の欠如
プレゼントや食事代など、金銭的に無理をして相手に尽くしてしまう 「尽くさないと愛されない」という思い込み、愛情とお金の混同
相手の気を引くために、わざとケンカを仕掛けたり、極端な言動をしてしまう 注目や関心を求める行動パターン、感情のコントロールの難しさ
別れた直後に、寂しさを埋めるためすぐ新しい相手を探してしまう 孤独への強い恐怖、自分一人でいることの難しさ

いくつか当てはまるからといって、ただちに「病気」と決めつける必要はありません。ただし、これらの状態が長く続き、日常生活や心身の健康に支障が出ている場合は、専門家に相談する価値があります14

第2部:心と脳のしくみ — 愛着・ホルモン・「生きづらさ」と恋愛依存

生活習慣やスマホの使い方を見直しても、「頭では分かっているのに、どうしても不安が強い」「別れを考えるとパニックになる」という方もいます。その背景には、心や脳の働き、ホルモンバランス、過去の体験など、身体の内部要因が影響していることがあります257

2.1. 愛着スタイルと恋愛依存 — 「近づきたい」と「怖い」の板挟み

心理学では、幼少期の養育者との関係を通じて形成される「愛着スタイル」が、その後の恋愛関係にも影響すると考えられています310。特に、以下のようなタイプは、恋愛に過度にしがみつきやすいことが指摘されています。

  • 不安型愛着:相手から見捨てられることを強く恐れ、「嫌われていないか」を常に気にしてしまうタイプ。
  • アンビバレント(矛盾)型:本当は甘えたいのに、うまく甘えられず、怒りや試すような行動で相手を困らせてしまうタイプ。

日本の研究でも、青年期後期(大学生など)における「恋人への依存性」と、自己評価や人間関係のあり方との関連が報告されています2。これは、「自立した大人になりたい気持ち」と「誰かに支えてほしい気持ち」がぶつかる時期に、恋人という存在が大きな支えにもなりうる一方で、依存の対象にもなりやすいことを示しています。

2.2. ドーパミン・オキシトシンなどの脳内物質と「恋の中毒感」

恋愛の初期には、ドーパミンやノルアドレナリン、オキシトシンなどの脳内物質が活発になり、「相手と一緒にいると楽しい」「早く会いたい」という強い動機づけが働きます。これは誰にでも起こりうる正常な反応ですが、もともとストレスや孤独感が強い場合、恋愛による「安堵感」が他のどの活動よりも強く感じられ、「恋が唯一の癒やし」になってしまうことがあります47

依存症に関する研究では、特定の物質や行為が脳の報酬系を強く刺激し、「また同じ気持ちを味わいたい」という欲求を強めることが知られています14。恋愛依存でも、「相手からのメッセージ」「一緒にいる時間」が脳の報酬系を強く刺激し、それ以外の活動に喜びを感じにくくなっている可能性があります。

2.3. うつ病・不安症など、隠れたメンタルヘルスの問題

恋愛依存的な行動の背景には、うつ病や不安症、パーソナリティの傾向など、別のメンタルヘルスの問題が隠れていることもあります579。例えば、以下のようなサインがある場合、恋愛関係だけでなく、心の病気としての評価も必要になるかもしれません。

  • 趣味や食事など、以前は楽しめていたことへの興味がほとんどなくなっている
  • 眠れない、または寝すぎてしまう日が続いている
  • 強い不安や動悸、パニック発作のような症状が出る
  • 自分の価値が全く感じられず、「いなくなりたい」と思うことが多い

共依存に関する看護学の研究では、嗜癖(アルコール・薬物など)をもつ人と生活する家族の多くが、強い不安や自己否定感、罪悪感を抱えながら相手を支え続けていることが報告されています57。恋愛関係でも同様に、「相手を支えなければ」「私がいないとこの人はダメになる」という思いが、自分自身の心身の健康を犠牲にする形で強く働くことがあります。

第3部:共依存・依存症との関係 — 専門的な支援が必要な場合

「恋愛依存症」という言葉は一般にはよく使われますが、国際的な診断基準(DSM-5など)では正式な病名としては採用されていません。一方で、共依存(コードペンデンシー)という概念は、依存症をもつ人を支える家族やパートナーの行動パターンとして議論されてきました569

共依存は、アルコール依存症などの嗜癖を持つ人と生活する家族の研究から生まれた概念で、「相手の問題行動をカバーしすぎることで、結果的に依存行動を続けさせてしまう関係性」として説明されます59。恋愛関係においても、似たようなパターンが見られることがあります。

3.1. 共依存的な恋愛関係の特徴

社会学や臨床哲学の研究では、共依存は「嗜癖者とそれを可能にする人(イネーブラー)との間に成立する、正のフィードバック・システム」と表現されています69。恋愛関係に置きかえると、次のような特徴が見られます。

  • 相手の嘘やトラブル(借金、浮気、暴力など)を繰り返し「大目に見る」「言い訳する」ことで、問題行動を続けさせてしまう
  • 自分の感情やニーズを抑え込み、「相手を守ること」が人生の中心になっている
  • 相手の機嫌や状態に一喜一憂しすぎて、自分の健康や生活が後回しになる
  • 周囲から「別れた方がいい」と言われても、「この人は本当は優しい」「私だけは理解してあげられる」と考えて離れられない

看護学の研究では、依存症のある男性と暮らす女性パートナーの多くが、強い共依存傾向と心理的負担を抱えていることが報告されています7。このような状態は、本人の努力だけで抜け出すのが難しい場合が少なくありません。

3.2. 「恋愛依存」と他の精神疾患との重なり

恋愛依存的な行動は、それ自体が独立した診断名として扱われることは少なく、多くの場合、以下のような状態の一部として理解されます。

  • うつ病や不安症などの気分障害・不安障害
  • パーソナリティの傾向(境界性パーソナリティ傾向など)
  • アルコールやギャンブルなど、他の依存症との併存
  • 過去の虐待やDV(家庭内暴力)などのトラウマ体験

恋愛依存の研究では、パートナーへの過度な依存性が、不安や抑うつ症状、自己否定感などと複雑に関連していることが示されています279。そのため、「恋愛だけの問題」と捉えず、必要に応じて精神科・心療内科・臨床心理士などによる評価を受けることが重要です。

3.3. 命の危険がある場合は、迷わず緊急対応を

以下のような状況に当てはまる場合は、恋愛依存かどうかに関係なく、身の安全と命を守ることが最優先です。

  • パートナーからの身体的暴力・性的暴力・強い脅迫を受けている
  • 「死にたい」「消えたい」といった気持ちが強く、具体的な方法まで考えてしまう
  • ストーカー行為や犯罪につながる行動が続いている

このような場合は、ためらわずに119番や、地域の警察相談窓口、自治体のDV相談窓口などに連絡し、専門機関の支援を受けてください。厚生労働省や自治体のサイトでは、依存症や暴力被害に関する相談窓口が一覧で紹介されています48

第4部:今日から始める恋愛依存からの回復アクションプラン

恋愛依存的な状態は、一晩で劇的に変わるものではありませんが、「できることを少しずつ積み重ねる」ことで、確実に変化を感じられるようになります。ここでは、今夜から始められること、数週間〜数か月かけて取り組みたいこと、専門家や仲間と一緒に進めることをレベル別に整理します145

表2:恋愛依存から回復するためのアクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今夜からできること スマホとの距離を少しだけ広げる 就寝前1〜2時間は通知をオフにして、読書や入浴、ストレッチなど「自分を整える時間」にあてる。メッセージの返信をすぐにしなければいけないという思い込みを手放す練習をする。
Level 1:感情を「書き出す」習慣をつくる ノートに気持ちを整理する 「今日、相手に連絡したくてたまらなくなったのはどんな瞬間か」「そのとき、体のどこがどう感じたか」など、感情と身体感覚をメモすることで、自分のパターンに気づきやすくする。
Level 2:今週からできること 恋愛以外の人間関係や活動を少しずつ増やす 信頼できる友人との時間をあらかじめ予定に入れる、興味のあった習い事やサークルを見学してみる、家族と一緒に食事をする時間を意識的に増やす。
Level 2:境界線を意識する 「自分の責任」と「相手の責任」を分けて考える 「相手の機嫌をコントロールするのは自分の仕事ではない」「相手の問題行動の責任は相手にある」といったメモを目につくところに貼っておき、考え方のクセを少しずつ変えていく。
Level 3:数か月かけて取り組むこと 専門家や自助グループに相談する 精神科・心療内科・カウンセリングルームなどで、自分の生い立ちや恋愛パターンを整理してもらう。依存症や共依存に関する自助グループを探し、似た悩みを持つ人と経験を分かち合う567
Level 3:長期的に続けたいこと 「自分軸」を育てる生活習慣 十分な睡眠・バランスの良い食事・適度な運動など、基本的な生活リズムを整えつつ、「自分は何が好きで、何に喜びを感じるのか」を探る時間を持ち続ける。

これらのステップは、「正しくできたかどうか」を評価するものではなく、「少しでも楽になれたか」「自分を大切にできた瞬間があったか」に目を向けるためのガイドです。できなかった日があっても、自分を責める必要はありません。依存症全般についても、「回復には時間がかかるが、必ず回復できる病気」であることが強調されています8

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

恋愛依存で悩んでいる方の多くは、「これくらいで相談していいのか分からない」「ただのわがままと思われそうで怖い」と感じています。しかし、厚生労働省は依存症を「誰にでも起こりうる病気」であり、適切な治療と支援によって回復が可能だとしています148。恋愛をめぐる悩みであっても、日常生活に支障が出ているなら、相談する十分な理由になります。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 「生きている意味がない」「いなくなった方がいい」といった考えが何度も浮かび、消えにくい
  • 過呼吸・動悸・震えなど、強い不安発作が繰り返し起こる
  • 仕事や学業を続けられないほど、睡眠や食事のリズムが乱れている
  • DVや性暴力、経済的な搾取など、明らかな暴力・支配を受けているのに、恐怖や罪悪感から離れられない
  • アルコール・薬物・ギャンブルなど、他の依存行動も同時に悪化している

これらに当てはまる場合は、できるだけ早く医療機関や相談窓口に連絡することが推奨されます148

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • 気分の落ち込みや不安が強い、眠れないなどが中心:精神科・心療内科
  • 恋愛以外の場面でも対人関係のトラブルが多い:精神科・臨床心理士によるカウンセリング
  • アルコール・薬物・ギャンブルなどの問題もある:依存症専門医療機関、精神科
  • DVや性暴力などの被害がある:自治体のDV相談窓口、警察相談、医療機関(救急・産婦人科など)

どこに相談すべきか迷う場合は、まず自治体や厚生労働省が案内している依存症やこころの健康に関する相談窓口に電話し、自分の状況に合った機関を紹介してもらう方法もあります48

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • これまでの恋愛関係や現在の悩みをまとめたメモ(いつからどんな症状があるか、日常生活への影響など)
  • スマホのメモアプリなどに記録した気分の変化や睡眠時間
  • 現在服用している薬の一覧やお薬手帳
  • 可能であれば、信頼できる家族や友人など、一緒に話を聞いてくれる人

日本では、公的医療保険が適用される精神科・心療内科の診察であれば、自己負担は原則として3割です(所得や自治体の制度により異なる場合があります)。費用の心配がある場合は、予約時に医療機関に目安を確認しておきましょう。

よくある質問

Q1: 恋愛依存症は本当に「病気」なのでしょうか?

A1: 「恋愛依存症」という名前は、DSM-5などの国際的な診断基準には病名としては登場しません。しかし、依存症の考え方に基づき、「恋愛関係に過度にしがみつき、やめたくてもやめられない状態」を指す言葉として広く使われています15

重要なのは名前よりも、恋愛が原因で仕事や学業、健康、人間関係にどの程度支障が出ているかです。日常生活が大きく乱れている場合は、「病気かどうか」を自己判断するよりも、専門家に相談して今の状態を一緒に整理してもらう方が役に立ちます14

Q2: 「相手のことが大好きなだけ」と「依存しすぎ」の境界線はどこにありますか?

A2: 恋人のことを大切に思う気持ち自体は自然なものです。目安の一つは、「恋愛以外の部分(仕事・学業・家族・友人・趣味など)がある程度保たれているかどうか」です23

例えば、「連絡がないと一日中何も手につかない」「友人や家族との関係がほとんど途絶えてしまった」「相手のためなら健康やお金を犠牲にしても構わないと思ってしまう」といった状態が続く場合は、依存的な傾向が強まっているサインかもしれません12。本記事のセルフチェック表も参考に、生活全体のバランスを振り返ってみてください。

Q3: 自分の恋愛が共依存なのか、どう見分ければよいですか?

A3: 共依存の研究では、「相手の問題行動をカバーし続けることで、結果的に依存行動を続けさせてしまう関係性」が特徴として挙げられています569。恋愛関係でよく見られるパターンには、次のようなものがあります。

  • 相手の借金・浮気・暴力などを繰り返し許し、「私が支えないと」と考えてしまう
  • 自分の心身の限界を超えて尽くし続け、「やめたいのにやめられない」と感じている
  • 相手を支える役割を手放すと、自分の価値がなくなるように感じる

これらに強く当てはまる場合は、恋愛の問題だけでなく、共依存という観点から専門家に話を聞いてもらうことが役に立つかもしれません57

Q4: 恋愛依存から自力で抜け出すことはできますか? それとも必ず病院に行くべきですか?

A4: 軽度〜中等度の依存的な傾向であれば、生活習慣の見直しや人間関係のバランス調整、セルフヘルプの取り組みだけでもしだいに楽になるケースがあります14。本記事で紹介した「Level 1〜3」のアクションプランも、その一例です。

ただし、「仕事や学業が続けられない」「うつ状態や強い不安がある」「暴力やDVが絡んでいる」といった場合は、医療機関や専門家の支援を受けることが強く推奨されます148。自力で頑張ることにこだわりすぎず、「相談することも一つの勇気ある選択」と考えてみてください。

Q5: 恋愛依存は女性の問題というイメージがありますが、男性もなりますか?

A5: 依存症全般について、厚生労働省は「誰にでも起こりうる病気」としており、性別を問わず起こりえます148。恋愛やパートナー関係への過度な依存も、男性・女性・その他の性別にかかわらず見られる可能性があります。

研究によっては、特定の文化やジェンダー役割の影響から、女性の方が「支える側」「献身する側」として共依存的なパターンに入りやすいと指摘されることもありますが59、「男性だから大丈夫」「女性だからなりやすい」と一般化しすぎることは適切ではありません。大切なのは、性別に関係なく、本人がつらさを感じているかどうかです。

Q6: 恋愛依存でも、結婚や出産をきっかけに落ち着くことはありますか?

A6: 結婚や出産などのライフイベントは、関係性や役割の変化をもたらすため、恋愛依存的な行動が一時的に落ち着くこともあれば、むしろ不安が強まることもあります。女性のライフステージごとの依存症や生きづらさに関する報告では、妊娠・出産・子育て期などはストレスが増えやすく、依存的な行動が強まることも指摘されています4

「結婚すれば落ち着くはず」「子どもができれば変わってくれるはず」といった期待だけに頼るのではなく、恋愛依存的なパターンそのものに向き合い、自分と相手の双方が安心して過ごせる関係づくりを考えていくことが大切です。

Q7: どのような専門家に相談すればよいか分かりません。

A7: まずは地域の精神科・心療内科、または臨床心理士・公認心理師によるカウンセリングなどが選択肢になります。依存症に特化した医療機関や相談窓口も各地にあり、厚生労働省や自治体の公式サイトで案内されています48

どこに問い合わせるべきか迷うときは、自治体の「こころの健康相談」窓口や依存症相談ダイヤルなどに連絡し、「恋愛への依存で困っている」と率直に伝えてみてください。そこから適切な相談先や支援制度を紹介してもらえることがあります。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

恋愛は、本来、生活に彩りと安心感をもたらすものです。しかし、「相手がいないと生きていけない」「頭ではやめたいのにやめられない」という状態が続くとき、恋愛はいつの間にか、心や体をすり減らす「依存」の形をとることがあります14

この記事では、恋愛依存のサインや背景にある心と脳のしくみ、共依存や他の依存症との関係、そして今日から始められるアクションプランと専門家への相談の目安を紹介しました12578

  • 「依存しているかどうか」を自己診断するよりも、「どれくらい苦しいか」「生活にどんな支障が出ているか」に目を向ける。
  • 恋愛以外の人間関係や活動を少しずつ取り戻し、「自分軸」を育てることから始める。
  • 必要に応じて、精神科・心療内科・カウンセリング・自助グループなど、外部のサポートを積極的に活用する。

あなたの苦しさは、「わがまま」や「気の持ちよう」だけで片付けられるものではありません。信頼できる情報と人の支えを得ながら、少しずつ自分のペースで回復への一歩を踏み出していきましょう。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。

本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

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免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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  10. 厚生労働省. 依存症は「回復できる病気」です — 依存症啓発サポーターに相席スタート・山崎ケイさん. 2024. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45946.html(最終アクセス日:2025-11-26)

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