【便秘とビタミン】5つのビタミンですっきりを目指すための基礎知識と注意点
消化器疾患

【便秘とビタミン】5つのビタミンですっきりを目指すための基礎知識と注意点

「数日に一度しか出ない」「お腹が張って苦しいのに、トイレでなかなか出てくれない」――そんな便秘の悩みを抱えながら、薬に頼りすぎるのも不安で、できれば食事やサプリメントで何とかしたいと考えている方は少なくありません。

インターネットやSNSでは、「ビタミンCを飲めば便秘が治る」「ビタミンB群サプリで毎日スッキリ」といった情報も見かけますが、実際のところ、ビタミンはどの程度便秘に役立つのでしょうか。また、飲みすぎによるリスクはないのでしょうか。

本記事では、日本の公的ガイドラインや栄養基準、最近の研究に基づき、特に便秘との関連が話題になる5つのビタミン(ビタミンC・ビタミンB1・ビタミンB5・葉酸(ビタミンB9)・ビタミンB12)について整理します。ビタミンだけに頼るのではなく、食物繊維や生活習慣の見直し、受診の目安も含めて「現実的にできる対策」を一緒に考えていきましょう。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、主に次のような一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・自治体・公的研究機関:e-ヘルスネット、日本人の食事摂取基準(2025年版)、統計資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています。
  • 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:日本消化器病学会の慢性便秘症診療ガイドラインや、ビタミン摂取と便秘の関連を検討した疫学研究、臨床研究など、科学的に検証されたエビデンスをもとに要点を整理しています。
  • 教育機関・医療機関・NPOによる一次資料:便秘や栄養に関する基礎知識、日本の医療制度に関する実務的な情報として利用します。

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

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要点まとめ

  • 便秘の基本は、食物繊維や水分、運動、排便習慣などの生活習慣と、基礎疾患・薬の影響などが複雑に関わる問題であり、ビタミンだけで「即効で治す」ことはできません。
  • ビタミンCやビタミンB群(B1・B5・葉酸・B12など)は、水溶性ビタミンとして代謝や神経機能を支え、腸の動きや便の性状に間接的に関わる可能性がありますが、エビデンスは限定的です。
  • 最近の研究では、ビタミンB群を多く含む食事を摂っている人ほど、便秘のリスクが低い傾向が報告されています。一方で、サプリメントを大量に飲めばよいというものではありません。
  • ビタミンは不足も過剰も問題になります。特にサプリで高用量を長期間続けると、吐き気や下痢、腎結石、神経障害など、別の健康リスクを招く可能性があります。
  • 1週間以上続く便秘や、血便、強い腹痛、体重減少などの症状がある場合は、自己判断でサプリを増やすのではなく、消化器内科など医療機関を受診して原因を確かめることが大切です。

第1部:便秘の基本と日常生活の見直し

便秘というと「何日出ていないか」だけに注目しがちですが、日本消化器病学会の慢性便秘症診療ガイドラインでは、排便回数だけでなく、便が硬くて出しにくい、残便感が続く、強くいきまないと出ないといった症状も含めて幅広く捉えています。多くの場合、生活習慣や食事内容の改善が基本となり、ビタミンもその一部として位置づけられます。

1.1. 便が作られて出るまでの基本的な仕組み

食べたものは胃や小腸で消化・吸収されたあと、残りのカスが大腸へ送られます。大腸では水分が少しずつ吸収され、適度な硬さの便として肛門へ運ばれます。このとき、腸の表面を走る筋肉が「ぜん動運動」と呼ばれるリズミカルな動きをすることで、内容物が少しずつ先に進みます。

便秘になるときは、この流れのどこかで「水分が吸収されすぎる」「ぜん動運動が弱くなる」「直腸に便が溜まってもトイレに行かないために我慢グセがつく」などの問題が起きています。ビタミンは、このうち特に腸の筋肉や神経がエネルギーを使って動くしくみを支える役割を持ち、間接的に腸の動きに関わります。

1.2. 悪化させてしまうNG習慣とビタミン不足リスク

便秘を悪化させる生活習慣としては、次のようなものが挙げられます。これらは同時に、ビタミン不足を招きやすい行動でもあります。

  • 朝食を抜く・食事時間がバラバラ:腸は食事の刺激で動き出します。朝食を抜くと、朝の排便リズムがつきにくくなります。また、菓子パンやおにぎりだけなど、偏った食事が続くと、ビタミン・ミネラルや食物繊維が不足しがちです。
  • 野菜・果物・豆類が少ない:食物繊維不足は便秘の大きな要因です。さらに、葉酸やビタミンCなど、多くのビタミンは野菜や果物に豊富に含まれているため、同時にビタミン不足も進みます。
  • アルコール・甘い飲み物が多い:アルコールは利尿作用により体の水分を奪いやすく、便を硬くする一因になります。また、糖質の摂りすぎはビタミンB群の消費を増やし、代謝全体のバランスを崩すことがあります。
  • 運動不足・座りっぱなし:長時間のデスクワークやスマホ操作が続くと、腸の動きが鈍くなります。筋肉を動かさない生活は、エネルギー代謝に関わるビタミンB群の利用バランスにも影響を与えます。
  • ストレス・睡眠不足:自律神経が乱れ、腸の動きが不規則になりやすくなります。ストレスによって食事量や内容が変わることで、ビタミンの摂取量にもばらつきが生じます。

まずは、ビタミンをサプリで足す前に、こうした生活習慣の中に「便秘を招き、ビタミンも不足しやすいポイント」がないか振り返ってみることが大切です。

表1:便秘セルフチェックと背景要因の例
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
3日以上出ない日が続き、出るときもコロコロした硬い便が多い 食物繊維や水分の不足、腸の動きの低下
朝食をほとんど食べず、トイレに行く時間もないまま出勤している 排便習慣の乱れ、自律神経の乱れ
ストレスが多く、つい甘いお菓子やお酒に頼ってしまう 腸内環境の悪化、ビタミンB群の消費増加
鉄剤や一部の薬を飲み始めてから便秘がひどくなった 薬剤性便秘(薬の副作用)

第2部:身体の内部要因 — 栄養・ビタミン・隠れた不調

生活習慣を見直しても便秘がなかなか改善しないとき、背景に「栄養バランスの偏り」や「ビタミン不足」「ホルモンや持病の影響」など、身体の内側の問題が隠れていることがあります。この章では、特に便秘との関係が話題になる5つのビタミンについて整理します。

2.1. ビタミンC:水溶性で“出す力”をサポートするが、過剰摂取には注意

ビタミンCは水に溶ける水溶性ビタミンで、体内ではコラーゲンの合成や抗酸化作用、鉄の吸収促進など、多くの役割を担っています。サプリメントを高用量で摂ると、浸透圧の影響で腸管内に水分が集まり、便が柔らかくなって排便しやすくなることがあります。このため、「ビタミンCを飲むとお腹がゆるくなる」と感じる人もいます。

一方で、日本人の食事摂取基準では、ビタミンCの推奨量は成人で1日100mg程度とされており、上限量も設定されています。サプリメントで数千mg単位の高用量を長期間続けると、下痢や腹痛だけでなく、体質によっては腎結石や鉄の過剰吸収など別のリスクが指摘されています。「便秘を治したいから」と、推奨量を大きく超える量を自己判断で続けるのは避けましょう。

まずは、イチゴやキウイ、柑橘類、ピーマン、ブロッコリー、ジャガイモなど、ビタミンCと食物繊維を同時に摂れる食品を毎日の食事に取り入れることから始めるのがおすすめです。

2.2. ビタミンB1(チアミン):エネルギー代謝と腸の動きを支える

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために欠かせないビタミンで、神経や筋肉の働きをサポートします。歴史的には、ビタミンB1の欠乏症である脚気(かっけ)の患者で、胃腸の動きが悪くなり、消化不良や便秘などの症状が見られることが知られてきました。

近年の研究でも、ビタミンB1を含むビタミンB群の摂取量が少ない人ほど、便秘を含む消化器症状のリスクが高い可能性が示されています。ビタミンB1は豚肉、玄米、大豆製品、ナッツ類などに多く含まれているため、白米中心・インスタント食品中心の食生活が続くと不足しやすくなります。

ただし、「ビタミンB1を飲めば必ず便秘が治る」というほど直接的な効果が証明されているわけではありません。あくまで、腸が本来の力を発揮できるようにするための「土台作り」として、バランスの良い食事で必要量を満たすことが重要です。

2.3. ビタミンB5(パントテン酸)・デキスパンテノール:腸の動きを助ける可能性

ビタミンB5(パントテン酸)は、補酵素CoAの構成成分として、脂質や糖質、アミノ酸の代謝に深く関わるビタミンです。このビタミンの誘導体であるデキスパンテノールは、過去の研究で、慢性便秘や術後の腸管運動の回復を助ける目的で使われたことがあります。

一部の古い臨床試験では、デキスパンテノールがプラセボ(偽薬)よりも排便回数や便の性状を改善したという報告があります。ただし、研究デザインや対象者の数、現在の基準から見た質の点で限界もあり、現代のガイドラインでは、便秘治療の第一選択としてデキスパンテノールやビタミンB5単独の投与が推奨されているわけではありません。

日本人の食事では、肉類、魚介類、卵、キノコ、全粒穀物などからパントテン酸を比較的摂りやすいとされています。サプリメントに頼る前に、まずはこうした食品を偏りなく食べることが重要です。市販薬としてデキスパンテノールが含まれる製品を使用する場合は、説明書をよく読み、長期間続けても改善が乏しい場合は医療機関に相談しましょう。

2.4. 葉酸(ビタミンB9):粘膜や造血を支え、間接的に腸の健康に関与

葉酸はビタミンB群の一つで、細胞分裂やDNAの合成、赤血球の生成などに関わる重要な栄養素です。特に妊娠を希望する女性では、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げるために十分な摂取が推奨されています。

便秘との関係については、直接「葉酸を飲めば便秘が改善する」といった強いエビデンスは限られていますが、葉酸が不足して貧血や粘膜のトラブルが起きると、全身のだるさや食欲低下、腸の働きの低下などにつながり、結果として便秘を悪化させる可能性があります。

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆やひよこ豆などの豆類、全粒穀物、いちごなどに多く含まれています。これらは食物繊維も豊富なため、「食物繊維+葉酸」をセットで取り入れるイメージで食事を整えると、便秘対策にも役立ちます。

2.5. ビタミンB12:神経と造血を支え、長期欠乏で腸の動きにも影響

ビタミンB12は、神経の保護や赤血球の生成に関わるビタミンで、主に動物性食品(肝臓、赤身肉、魚介類、卵、乳製品など)に含まれます。ヴィーガンや一部の菜食の方、胃切除後や高齢者などでは吸収が低下し、不足しやすくなることがあります。

ビタミンB12が長期間不足すると、しびれや歩きにくさなどの神経症状だけでなく、自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが悪くなって便秘を招く可能性も指摘されています。貧血や極端な疲労感、舌の痛みなどを伴う場合には、単なる便秘ではなくビタミンB12不足が背景にないか、血液検査で確認が必要です。

動物性食品をほとんど摂らない方や、高齢で食が細くなっている方は、かかりつけ医と相談しながら、必要に応じてサプリメントや注射などで補うことも検討されます。

第3部:ビタミンだけではカバーできない便秘と、受診が必要なサイン

ここまで見てきたように、ビタミンは腸の動きや粘膜の健康に関わる大切な栄養素ですが、慢性的な便秘のすべてが「ビタミン不足だけ」で説明できるわけではありません。むしろ、多くのケースでは生活習慣+腸の機能+基礎疾患や薬の影響が複雑に関わっています。

3.1. 便秘の裏に隠れていることがある代表的な病気

次のような病気が背景にある場合、ビタミンや市販薬だけで対処し続けるのは危険です。

  • 大腸がん・炎症性腸疾患:血便、便の太さの変化、原因不明の体重減少などがある場合は要注意です。
  • 甲状腺機能低下症:寒がり、むくみ、だるさ、体重増加などと一緒に便秘が続くことがあります。
  • 糖尿病やパーキンソン病など神経疾患:自律神経の働きが低下し、腸の動きも弱くなることがあります。
  • うつ病・不安障害:食欲や活動量の低下とともに、便秘が続くことがあります。
  • 薬剤性便秘:鉄剤、カルシウム製剤、オピオイド系鎮痛薬、一部の抗うつ薬や抗アレルギー薬などで便秘が悪化することがあります。

3.2. すぐに受診したい「赤信号」の症状

次のような症状がある場合は、「ビタミンを増やせば何とかなるだろう」と自己判断するのではなく、できるだけ早く医療機関を受診してください。夜間でも我慢できない強い症状がある場合は、救急受診や119番通報も検討が必要です。

  • これまで経験したことのない激しい腹痛、発熱を伴う腹痛
  • 血が混じった便や、真っ黒なタール状の便が出る
  • ガスも便もほとんど出ない状態が続き、お腹がパンパンに張って苦しい
  • 急激な体重減少や、強い倦怠感、めまいなど全身症状を伴う
  • 数週間~数か月単位で便秘と下痢をくり返している

3.3. ガイドラインが推奨する便秘治療の基本

日本消化器病学会のガイドラインでは、慢性便秘症の治療として、まず食物繊維や水分、運動、排便習慣などの生活習慣の改善が重視されています。そのうえで、必要に応じて酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤、刺激性下剤、新しいタイプの便秘薬(上皮機能変容薬やセロトニン作動薬など)が検討されます。

ビタミンCやビタミンB群そのものは、現時点では「標準的な便秘治療薬」には含まれていませんが、食事の質を改善し、ビタミン不足を防ぐことは、腸が本来の動きを取り戻すための土台作りとして重要です。サプリメントはあくまで補助的な位置づけと考え、自己判断で薬の代わりにしたり、服薬を中止したりすることは避けましょう。

第4部:今日から始める「ビタミン+生活習慣」改善アクションプラン

ここからは、「ビタミンを意識しながら便秘対策をしたい」と考える方のために、今日からできる実践的なステップをレベル別に整理します。すべてを一度に完璧に行う必要はありません。自分の生活に取り入れやすいものから少しずつ始めてみましょう。

表2:ビタミンも意識した便秘改善アクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今日からできること 水分と食物繊維+ビタミンC・葉酸を意識する 起床後にコップ1杯の水を飲む/毎食に野菜のおかずを1品追加/間食はビタミンCと食物繊維が豊富なフルーツ(キウイ・みかん・りんごなど)に変える
Level 2:今週から始めたいこと ビタミンB1・B5・B12が多い食品を「1日1回は必ず」 夕食に豚肉の生姜焼きやサバの塩焼きを取り入れる/週に数回は納豆や豆腐を食べる/週末にまとめてゆで卵を作り、朝食に1個ずつ食べる
Level 3:1〜3か月かけて整えたいこと 腸のリズムを作る生活習慣と、必要に応じた医療機関への相談 毎朝同じ時間にトイレに座る習慣をつける/寝る前のスマホ時間を減らして睡眠リズムを整える/1週間以上の便秘が続く・市販薬を何度も使う場合は消化器内科を受診する

サプリメントを使う場合は、「足りないかもしれないビタミンを少し補う」イメージで、表示されている用量・用法を守ることが基本です。「効き目を早く感じたいから」と自己判断で量を増やしたり、いくつものビタミン製品を重ねて飲んだりすると、思わぬ過剰摂取につながるおそれがあります。

とくに、腎臓や肝臓の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、他の薬を服用している方は、サプリメントの利用についても必ずかかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

便秘は市販薬や生活習慣の工夫で改善することも多い一方で、長く続く便秘の裏に重大な病気が隠れていることもあります。「ビタミンや食生活を見直してもなかなか良くならない」「何となく不安が消えない」と感じるときは、早めに医療機関へ相談しましょう。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 1週間以上、ほとんど排便がない状態が続いている
  • 便に血が混じる、または真っ黒なタール状の便が出る
  • 夜も眠れないほどの腹痛・腹部膨満がある
  • 原因不明の体重減少や強い倦怠感が続いている
  • 市販の便秘薬を何カ月もほぼ毎日使っているのに改善しない

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • まず相談しやすいのは内科・消化器内科:慢性便秘の基礎的な検査や治療方針の相談窓口になります。
  • 婦人科:女性で、生理不順や月経痛、更年期症状など婦人科的な悩みと便秘が重なっている場合に検討します。
  • 心療内科・精神科:うつ症状や不安が強く、食欲や睡眠にも影響が出ている場合には、心のケアも含めた相談が役立つことがあります。
  • かかりつけ医:持病のある方は、まず普段診てもらっている医師に、便秘とビタミン・サプリの利用について相談するのが安心です。

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 便秘日誌・食事記録:排便の有無や便の状態、食事内容、サプリメントの種類・量などを1〜2週間メモしておくと、医師が原因を考えるうえで大きな助けになります。
  • お薬手帳・サプリメントのパッケージ:飲んでいる薬やサプリの種類、ビタミンの量などがわかるように持参しましょう。
  • 費用の目安:保険診療での一般的な内科・消化器内科受診では、3割負担の場合、初診で数千円程度が目安です。検査内容によって変わるため、心配な場合は事前に医療機関へ確認すると安心です。

よくある質問

Q1: ビタミンCを多めに飲めば、下剤の代わりになりますか?

A1: ビタミンCを高用量で摂ると、浸透圧の影響で便が柔らかくなり、排便しやすくなることがありますが、これはあくまで副次的な作用です。日本人の食事摂取基準には推奨量や上限量があり、自己判断で何倍もの量を長期間続けると、下痢や腹痛、腎結石などのリスクが高まる可能性があります。

便秘対策としては、まず食物繊維や水分、運動、排便習慣の見直しが基本であり、ビタミンCは「適正量を守りつつ不足しないようにする」程度に考えるのが安全です。下剤の代わりとして安易に高用量を飲むのは避け、必要に応じて医療機関で相談しましょう。

Q2: ビタミンB群サプリを飲み始めたらお通じが良くなりました。飲み続けても大丈夫ですか?

A2: ビタミンB群は水溶性ビタミンで、余った分は尿として排泄されやすい一方、サプリメントで高用量を長期間続けると、種類によってはしびれなどの神経障害を起こすリスクも報告されています。お通じが良くなった場合でも、「とりあえずずっと同じ量を飲み続ける」のではなく、食事内容を整えつつ、本当にサプリが必要かどうかを見直すことが大切です。

特に、他の薬を飲んでいる方や、腎臓・肝臓に持病がある方は、かかりつけ医や薬剤師と相談しながら適切な量・期間を決めましょう。

Q3: 葉酸サプリを飲んでいます。便秘に良い影響はありますか?

A3: 葉酸サプリは、主に妊娠を希望する方や妊娠初期の方において、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らす目的で推奨されることが多い栄養素です。便秘に関しては、直接の改善効果を示す強いエビデンスは限られていますが、葉酸不足による貧血や粘膜トラブルが改善されることで、全身のだるさや食欲低下が和らぎ、結果として腸の調子が良くなる可能性はあります。

便秘が主な悩みの場合は、葉酸サプリだけに期待するのではなく、食物繊維や水分、運動、睡眠など、他の要素も合わせて見直していくことが大切です。

Q4: 肉をあまり食べません。ビタミンB12不足で便秘になることはありますか?

A4: ビタミンB12は主に動物性食品に含まれるため、肉・魚・卵・乳製品などをほとんど摂らない食生活が長く続くと、不足する可能性があります。ビタミンB12が長期間不足すると、貧血やしびれなどの神経症状に加え、自律神経の乱れを通じて腸の動きが悪くなり、便秘が起きることもあります。

ベジタリアンやヴィーガンの方、胃の手術歴がある方、高齢で食が細くなっている方は、かかりつけ医に相談して血液検査でビタミンB12の状態を確認してもらうと安心です。必要に応じて、サプリメントや注射による補充が検討されます。

Q5: デキスパンテノール(ビタミンB5誘導体)入りの薬は、毎日飲んでも大丈夫でしょうか?

A5: デキスパンテノールは、過去の研究で慢性便秘の改善に一定の効果が示唆された成分ですが、現在の標準的な便秘治療ガイドラインでは第一選択薬とはされていません。市販薬として使用する場合は、添付文書をよく読み、用量・用法を守ることが大前提です。

「飲まないと出ない」状態で何週間も連続している場合は、単にビタミンの力に頼るのではなく、便秘の原因自体を調べる必要があります。長期連用を続ける前に、内科や消化器内科などで一度相談することをおすすめします。

Q6: 子どもの便秘にもビタミンのサプリを飲ませた方がよいですか?

A6: 子どもの場合、まずは水分と食物繊維、適度な運動、トイレ習慣の見直しが基本です。成長期では、必要なビタミン量も大人とは異なります。自己判断で大人用サプリを分けて飲ませたり、高用量のビタミンを与えたりするのは避けてください。

便秘が続く、腹痛が強い、食欲がない、体重が増えないなどの心配がある場合は、小児科や小児消化器専門医に相談し、必要な検査や治療について説明を受けることが大切です。

Q7: 便秘があるとき、ビタミン剤と下剤を一緒に飲んでも大丈夫ですか?

A7: 一般的なビタミン剤と、多くの市販便秘薬を一緒に服用しても問題ないことが多いですが、個々の製品や持病によって注意点が異なります。腎臓や肝臓の病気がある方、他に多くの薬を飲んでいる方では、相互作用や負担を考える必要があります。

服用中の薬やサプリメントが複数ある場合は、自己判断で増減せず、薬剤師やかかりつけ医に「ビタミン剤と下剤を一緒に飲んでよいか」「どのタイミングで飲むのがよいか」を相談することをおすすめします。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

便秘は「出ない」というシンプルな症状の裏に、生活習慣、腸の働き、ビタミンを含む栄養バランス、ホルモンや持病、薬の副作用など、さまざまな要因が重なって起こる複雑な状態です。ビタミンCやビタミンB群(B1、B5、葉酸、B12など)は、腸の動きや粘膜の健康に間接的に関わる大切な栄養素ですが、それだけで便秘を「即効で治す魔法の成分」ではありません。

まずは、食物繊維と水分を十分にとること、規則正しい食事と睡眠、適度な運動、トイレに行きやすい環境づくりなど、生活の土台を整えることが重要です。そのうえで、バランスの良い食事から必要なビタミンを確保し、足りない可能性がある場合には、医療者と相談しながらサプリメントを上手に活用する、という順番を意識しましょう。

1週間以上続く強い便秘や、血便・体重減少などの気になるサインがあるときは、ビタミンや市販薬に頼り続けるのではなく、早めに医療機関を受診して原因を確認することが、自分の体を守る近道です。この記事が、ご自身の体と向き合い、必要なサポートを受けるための一歩になれば幸いです。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

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参考文献

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