【心臓突然停止(心肺停止・心臓発作)】原因・症状・応急処置と予防法をわかりやすく解説
心血管疾患

【心臓突然停止(心肺停止・心臓発作)】原因・症状・応急処置と予防法をわかりやすく解説

元気に会話していた家族や同僚が、突然その場に崩れ落ちて動かなくなる──。テレビやニュースの中だけの出来事だと思っていた「心臓突然停止(心肺停止)」は、日本でも毎年多くの人に起きている実際の救急事例です。

心臓が突然止まる「心臓突然停止」は、いわゆる「心臓発作」という言葉で語られることもありますが、狭い意味の心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)とは仕組みが異なります。心臓の電気のリズムが乱れてポンプとしての働きが急に止まることで、数分のうちに命に関わる非常に緊急性の高い状態です。

一方で、周りにいる人がすぐに119番通報し、胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAEDによる電気ショックを行うことで、社会復帰できる確率が何倍にも高まることが分かっています。総務省消防庁のデータでも、一般市民による心肺蘇生とAEDが実施された場合、1か月後の生存率・社会復帰率が実施されなかった場合の約2〜3倍に達することが報告されています1

本記事では、日本の公的機関や専門学会の資料をもとに、心臓突然停止(心肺停止・心臓発作)とは何か、どのようなサインに気づくべきか、目の前で起きたときに周囲の人が何をすべきか、そして日頃からどのように予防に取り組めばよいかを、できるだけ専門用語をかみ砕きながら詳しく解説していきます。

ご自身やご家族の持病、生活習慣が気になる方はもちろん、「いざというときに何もできないのではないか」と不安を感じている方も、最後まで読んでいただくことで、必要な知識と具体的な行動イメージを持っていただけることを目指しています。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・総務省消防庁・日本救急医療財団などの公的機関:救急蘇生法の指針や救急・救助の現況、心肺機能停止に関する統計資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています12
  • 日本蘇生協議会(JRC)や日本循環器学会などのガイドライン:JRC蘇生ガイドライン2020や心臓突然死に関する声明など、最新の蘇生科学に基づく推奨を参考にしています23
  • 世界保健機関(WHO)やアメリカ心臓協会(AHA)などの国際的な一次資料:心血管疾患全体のリスク要因や心停止の基礎知識について、世界的な視点から補足しています45

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

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要点まとめ

  • 「心臓突然停止(心肺停止)」とは、心臓の電気のリズムが乱れてポンプとしての働きが突然止まり、数秒〜数分のうちに意識と呼吸がなくなる非常に緊急な状態を指します。心筋梗塞(冠動脈の詰まり)と重なって起こることもありますが、仕組みは異なります5
  • 日本では、1年間におよそ12万人以上が病院外で心肺停止となっており、その多くは心臓に原因があるケースとされています。1か月後に生存している人は一部であり、早期の通報・心肺蘇生・AED使用が生死を大きく分けます16
  • 胸の強い痛み・締め付け感、息苦しさ、冷や汗、突然の意識消失などは、心臓が原因の緊急事態のサインである可能性があります。このような症状があれば、我慢せずに119番通報や早めの受診を検討することが大切です。
  • 心臓突然停止のリスクを高める要因として、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満、家族歴、心臓の持病(心筋梗塞後、心不全、不整脈、先天性心疾患など)があります。女性では閉経以降、男性では中年期以降にリスクが高まりやすいとされています4
  • 周囲の人が取るべき基本行動は、「①意識と呼吸の確認 → ②119番通報とAED手配 → ③胸骨圧迫を止めない → ④AEDの指示に従う」というシンプルな流れです。完全でなくても、何もしないよりは「迷ったら胸骨圧迫を始める」方が助かる可能性が高いと報告されています25
  • 日常生活では、禁煙・血圧やコレステロールの管理・適度な運動・バランスの良い食事・過度な飲酒を控えることなどが、心臓突然停止を引き起こす心血管疾患全体のリスクを下げるうえで重要です4
  • 本記事の情報は一般的なものであり、個々の症状や治療方針については必ず医療機関で相談してください。呼吸や意識がないなどの緊急時は、ためらわずに119番に通報することが何よりも大切です。

第1部:心臓突然停止(心肺停止)の基本と日常生活の見直し

ここでは、心臓突然停止(心肺停止)とは何かを整理しながら、まず日常的な生活習慣や体の変化の中で気づきやすいサインについて解説します。「専門的な病気かもしれない」と不安になる前に、多くの人に共通するポイントを押さえることで、自分の状態を客観的に振り返りやすくなります。

1.1. 心臓突然停止とは?心筋梗塞や「心臓発作」との違い

心臓突然停止(心肺停止)とは、心臓が全身に血液を送り出すポンプとしての機能を突然失い、意識と呼吸が急速に失われた状態を指します。心臓の筋肉そのものが壊れてしまうのではなく、電気信号の異常により心臓の拍動がめちゃくちゃに乱れ(心室細動など)、実質的に「止まったも同然」になるイメージです5

一方、心筋梗塞は心臓を養う冠動脈という血管が血の塊(血栓)などで詰まり、心筋に酸素や栄養が届かなくなる病気です。強い胸の痛みや締めつけ、冷や汗、吐き気などを伴い、時間をかけて徐々に悪化していくこともあります。心筋梗塞が原因で致死的な不整脈が起こると、その結果として心臓突然停止に至ることがありますが、両者は「血管の病気」と「電気のリズムの異常」という別々の軸で理解すると整理しやすくなります5

日常会話で「心臓発作」と表現される場合、この二つが混ざったイメージで語られていることも多く、「胸が苦しくて倒れる=すべて心臓発作」と考えてしまいがちです。実際には、肺や消化器、神経の病気など別の原因で胸が苦しくなることもあります。大切なのは、「胸の症状+呼吸や意識の変化」がある場合は、心臓突然停止につながる緊急事態の可能性があると考え、早めに行動することです。

1.2. 心臓突然停止が起こるときに見られやすいサイン

心臓突然停止は、「まったく前触れもなく起こる」ケースもありますが、中には直前にいくつかのサインが出ていることも分かっています。必ずしもすべてに当てはまるわけではありませんが、以下のような変化には注意が必要です。

  • 突然の激しい胸の痛み・締め付け感(特に数分以上続く、冷や汗や吐き気を伴う)
  • 息苦しさ、息切れ、会話が苦しいほどの呼吸困難
  • 原因のはっきりしない強い動悸や不整脈感(ドキドキ、脈が飛ぶ感じ)
  • 急に目の前が真っ暗になるようなめまい、ふらつき、意識が遠のく感じ
  • 短時間の失神(気を失って倒れる)が繰り返される
  • 運動中や入浴中、就寝中に起こる不自然な失神や呼吸停止を家族が目撃する

特に、胸の痛みや息苦しさとともに顔色が悪くなり、冷や汗をかき、会話ができないほどつらそうな場合には、迷わず119番通報を検討してください。日本の蘇生ガイドラインでも、「心停止を疑ったら迷うより先に心停止として対応を始める」ことが重要だとされています23

表1:こんなサインは要注意 — セルフチェックリスト
最近こんな症状・状況はありませんか? 考えられる背景・注意すべき点
階段を少し上がっただけでも、息切れや胸の違和感が続く 心不全や冠動脈疾患など、心臓の負担が増えている可能性
運動中や入浴中に、急に意識が遠のくような感覚があった 致死的な不整脈や血圧の急激な変化が起きている可能性
家族に若い頃からの突然死や「原因不明の失神」が多い 先天性の不整脈(長QT症候群、Brugada症候群など)の可能性
ここ数年で血圧・コレステロール・血糖が高いと言われているが、通院や内服を中断している 心筋梗塞・脳卒中など、心血管イベント全体のリスクが高い

1.3. 日常生活で悪化させてしまうNG習慣

心臓突然停止そのものは突然起こりますが、その背景には長年の生活習慣が関わっていることが少なくありません。特に、次のような習慣は心筋梗塞や不整脈を起こしやすくし、最終的に心臓突然停止のリスクを押し上げます。

  • 喫煙:タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を傷つけ、血液を固まりやすくします。心筋梗塞・脳卒中のリスクが大きく高まることが分かっており、心臓突然停止の重要な危険因子です4
  • 過度な飲酒:飲みすぎや「一気飲み」は、心拍数の急激な増加や血圧変動、不整脈を引き起こすことがあります。とくに休日に大量に飲む「ホリデー飲酒」は危険です。
  • 塩分・脂質の多い食事:塩分の摂りすぎは高血圧を招き、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食事は、動脈硬化や脂質異常症を進めます。結果として、冠動脈が詰まりやすくなり、心筋梗塞・心臓突然停止の土台となります。
  • 運動不足と急な無理な運動:普段ほとんど運動しない方が、いきなり長距離マラソンなど強い負荷をかけると、心臓への負担が急激に高まり危険です。特に中高年の方は、運動を始める前に一度医療機関で相談すると安心です。
  • 睡眠不足や過度なストレス:不規則な生活や慢性的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血圧や心拍の変動、不整脈を起こしやすくします。

これらの習慣は、今日すぐにすべてを完璧に変える必要はありませんが、「できるところから一つずつ」改善していくことが、心臓突然停止の予防につながります。第4部では、具体的な改善アクションプランをステップ別に紹介します。

第2部:身体の内部要因 — 心臓の病気・ホルモン・隠れた不調

生活習慣を整えることは重要ですが、それだけでは説明できない「身体の内部要因」によって、心臓突然停止のリスクが高まっている場合があります。ここでは、とくに日本人に多い心臓病やホルモンの変化、隠れた疾患について整理します。

2.1. 代表的な心臓の病気と心臓突然停止

心臓突然停止の背景として多いのは、次のような心臓の病気です35

  • 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞):心臓を栄養する血管が動脈硬化で細くなったり、血栓で詰まったりする病気です。心筋梗塞の際には致死的不整脈(心室細動など)が起こりやすく、心臓突然停止につながることがあります。
  • 心筋症(拡張型・肥大型など):心筋そのものの変化により、心臓の形や収縮力が異常になる病気です。心不全や不整脈を起こしやすく、若い世代でも心臓突然死の原因となることがあります。
  • 重い不整脈:心室頻拍・心室細動などの致死的不整脈や、洞不全症候群、房室ブロックなど、脈が極端に速くなったり遅くなったりする病気は、突然の意識消失や心臓突然停止を引き起こします。
  • 心臓弁膜症:心臓の弁がうまく閉じない・開かないことで、血液の流れが障害される病気です。重症になると心不全や不整脈を伴い、心臓突然停止のリスクが高まります。
  • 先天性心疾患・電気の病気:生まれつき心臓の構造や電気の通り道に異常がある場合、若い人でも突然死の原因となることがあります(長QT症候群、Brugada症候群など)。

すでにこれらの病気で通院中の方は、自己判断で薬を中止したり、受診を先延ばしにしたりしないことがとても大切です。症状の変化や不安がある場合は、次の受診を待たずに医療機関に相談しましょう。

2.2. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランスの影響

女性はエストロゲンという女性ホルモンの影響で、閉経前には男性よりも心筋梗塞や心血管イベントが起こりにくいとされていますが、閉経以降はリスクが男性と同程度、あるいはそれ以上になることが知られています4

例えば、以下のようなタイミングでは心臓や血管に負担がかかりやすくなります。

  • 閉経前後:血圧やコレステロール値が上がりやすくなる
  • 妊娠・産後:妊娠高血圧症候群や周産期心筋症など、特殊な心臓病が発症することがある
  • 更年期障害:動悸やほてり、睡眠障害などと心臓の症状が区別しにくい場合がある

「更年期だから」と自己判断せず、胸の痛みや強い動悸、息苦しさがある場合は、婦人科だけでなく循環器内科にも相談しておくと安心です。

2.3. 隠れた栄養不足やその他の全身疾患

心臓そのものの病気以外にも、次のような全身の状態が心臓突然停止のリスクを高めることがあります。

  • 重い貧血や電解質異常(カリウム・マグネシウムの不足など):心筋の興奮性が変化し、不整脈が起こりやすくなります。
  • 甲状腺ホルモンの異常:甲状腺機能亢進症では動悸や心房細動、機能低下症では徐脈などの不整脈が出やすくなります。
  • 腎臓の慢性疾患:体内の水分・塩分バランスが崩れやすく、血圧や電解質にも影響します。
  • 睡眠時無呼吸症候群:夜間に何度も呼吸が止まることで、低酸素や血圧変動が繰り返され、不整脈や心不全のリスクが高まります。

こうした疾患は、一般的な健康診断の数値だけでは見落とされることもあります。身体のだるさや息苦しさ、いびき、日中の強い眠気などが続く場合は、「年齢のせい」「疲れのせい」と片付けず、かかりつけ医や専門科に相談してみましょう。

第3部:専門的な診断・治療が必要な心臓突然停止と関連疾患

セルフケアや生活習慣の調整だけでは対応できない場合、背景に専門的な検査や治療が必要な疾患が隠れていることがあります。ここでは、代表的な疾患と診断の流れ、治療の概要を整理します。

3.1. 心臓突然停止が疑われるときの緊急対応と診断の流れ

目の前で人が倒れたとき、日本のガイドラインでは次のような流れで対応することが推奨されています23

  • 1)安全の確認と反応の確認:周囲の安全を確認したうえで、肩を軽くたたきながら「大丈夫ですか?」と声をかけます。
  • 2)呼吸の確認:普段どおりの呼吸をしているか10秒以内で確認します。胸の動きが分からない、うめき声のような不自然な呼吸だけの場合は「普段どおりの呼吸ではない」と判断します。
  • 3)119番通報とAEDの手配:心停止が疑われる場合は、すぐに119番に通報し、周囲の人にAEDを持ってきてもらうよう依頼します。
  • 4)胸骨圧迫(心臓マッサージ)の開始:硬い床の上で、胸の真ん中を「強く・速く・絶え間なく」押します。目安は1分間に100〜120回、胸が5〜6cm沈む程度です。
  • 5)AEDが届いたら、音声ガイダンスに従って使用:電源を入れ、パッドを胸に貼り、指示に従って離れる・ショックボタンを押すなどの操作を行います。

その後、救急隊や医療機関では、心電図や血液検査、心臓超音波検査、冠動脈造影などを組み合わせて、背景にある心筋梗塞や不整脈、心筋症などの病気を詳しく調べていきます。蘇生後の患者さんには、脳機能の保護や体温管理など、集中治療室での専門的なケアが行われます36

3.2. 心臓の電気の病気:致死的不整脈とその管理

心臓突然停止に直接関わるのは、心室細動や持続性心室頻拍などの致死的不整脈です。これらは心臓の下の部屋(心室)が高速で小刻みに震えるように動き、血液を送り出せなくなる状態です。外見としては突然倒れ、意識と脈がなくなります。

一度こうした不整脈による心臓突然停止から救命された方や、リスクが高いと判断された方には、次のような治療が検討されます。

  • 薬物治療:不整脈を抑える薬や、心不全を改善する薬などが用いられます。
  • カテーテルアブレーション:カテーテルを心臓の中に入れ、不整脈の原因となっている異常な電気の通り道を焼き切る治療です。
  • 植込み型除細動器(ICD):胸の皮膚の下に装置を埋め込み、致死的不整脈が起きた際に自動的に電気ショックを与えて心拍を整える機器です。

これらは高度な専門治療であり、すべての人に必要なわけではありませんが、「一度倒れて助かったからもう大丈夫」と油断せず、担当医とよく相談しながら長期的なフォローアップを続けることが重要です。

3.3. 背景疾患別の生活上の注意点

心臓突然停止のリスクは、背景となる心臓病や全身疾患によって異なります。以下は一例です。

  • 心筋梗塞後・心不全:処方された薬を自己判断で中止しないこと、塩分や水分の量、体重の変化に注意することが大切です。
  • 先天性心疾患や家族性不整脈:激しい運動や極端なストレス、過度の飲酒など、発作の引き金となりやすい状況を避けるよう指導されることがあります。
  • 糖尿病・高血圧・脂質異常症:一見「心臓病とは別」と思われがちですが、長期的には冠動脈疾患や心不全の大きなリスク要因となります。定期的な通院と生活習慣の見直しが肝心です。

どの疾患であっても、「自分の病気の特徴」と「日常生活での注意点」を理解し、疑問があれば遠慮なく医療者に確認していく姿勢が、長期的な予後の改善につながります。

第4部:今日から始める心臓を守るアクションプラン

原因が何であれ、「今この瞬間からできること」「今週から意識したいこと」「長期的に続けたいこと」を整理しておくと、心臓突然停止のリスクを下げるための一歩を踏み出しやすくなります。ここでは、生活習慣の見直しをステップごとにまとめます。

表2:心臓を守る改善アクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今日からできること タバコを減らす・やめるきっかけを作る 「まずは1本減らす」目標を立て、禁煙外来や家族に相談する/職場の喫煙スペースに行く回数を半分にする など
Level 1:今日からできること 塩分と脂質を意識して減らす カップ麺やポテトチップスを「週1回まで」に決める/外食時にスープを飲み干さない/加工肉や揚げ物を少しずつ減らす
Level 2:今週から始めたいこと 軽い有酸素運動を習慣にする 1日20〜30分の早歩き、エレベーターではなく階段を使う、テレビを見ながらその場足踏みをする など、自分に合う方法を探す
Level 2:今週から始めたいこと 睡眠とストレスの見直し 就寝前1時間はスマホを控え、ぬるめのお風呂に入る/仕事や家事の「やることリスト」を紙に書き出して頭を整理する
Level 3:今月中に取り組みたいこと 健診やかかりつけ医でのチェック ここ1〜2年健診を受けていない場合は、血圧・血糖・コレステロール・心電図を含む健診を予約する/既に通院中なら、主治医に心臓突然停止のリスクについて相談してみる
Level 3:今月中に取り組みたいこと 家族とAED・119番の話をしておく 自宅や職場の近くにあるAEDの場所を一緒に確認する/万が一倒れたときに、どのように119番通報するかを話し合う

こうした行動をすべて完璧にこなす必要はありません。大切なのは、「自分にとって続けやすい一歩」を見つけ、それを積み重ねていくことです。不安や疑問がある場合は、一人で抱え込まず、かかりつけ医や保健師、地域の相談窓口などを活用してください。

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

「どのタイミングで受診すべきか」「何科に行けばよいか」が分からないと、不安を抱えたまま様子を見続けてしまいがちです。ここでは、受診の目安や診療科の選び方、診察時に役立つ情報のまとめ方を解説します。

5.1. すぐに119番通報を検討すべき危険なサイン

  • 胸の強い痛みや締め付け感が数分以上続き、冷や汗や吐き気、息苦しさを伴う
  • 会話ができないほど息苦しい、呼吸が浅くて苦しそうにしている
  • 突然意識を失って倒れ、呼びかけても反応がない、普段どおりの呼吸が確認できない
  • 発作的な激しい動悸や胸の違和感とともに、めまい・ふらつき・視界が真っ暗になる感覚がある
  • 顔色が急に悪くなり、冷たく汗ばんでいるように見える

これらのサインがあれば、「様子を見る」よりも、まず119番に通報し、指示を仰ぐことが勧められます。電話口の救急指令員が、状況を聞きながら必要な対応を案内してくれます23

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • 胸の痛み・息苦しさ・動悸が主な場合:循環器内科、一般内科(総合内科)
  • 気を失う・意識が遠のく感じが主な場合:循環器内科、脳神経内科、総合診療科など
  • 睡眠中の呼吸停止や大きないびきが目立つ場合:睡眠外来、耳鼻咽喉科、呼吸器内科などで睡眠時無呼吸の検査を検討
  • 妊娠・産後の心臓の症状:産婦人科と循環器内科の両方に相談

まずどこに行けばよいか迷う場合は、かかりつけ医や地域の総合診療科に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらうのも一つの方法です。

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • お薬手帳・服用中のサプリメントリスト:一緒に飲むと危険な組み合わせがないか確認するのに役立ちます。
  • 症状のメモ:発症した日時、状況(運動中・入浴中・就寝中など)、症状の持続時間、和らぐ・悪化する要因などを書いておくと診断の手がかりになります。
  • 血圧・脈拍・体重の記録:家庭用血圧計の値や日々の体重変化は、心不全や高血圧の評価に役立ちます。

日本では多くの検査・治療が公的医療保険の対象となり、自己負担は原則3割(年齢や所得により異なります)です。心電図や胸部レントゲン、血液検査などの基本的な検査に加えて、必要に応じて心臓超音波検査や負荷検査などが行われます。費用が心配な場合は、事前に医療機関の窓口で目安を確認しておくと、安心して受診しやすくなります。

よくある質問

Q1: 心臓突然停止と心筋梗塞はどう違うのですか?

心臓突然停止は、心臓の電気的なリズムが乱れてポンプ機能が突然止まり、意識や呼吸が急速に失われた状態です。数分以内に対応しないと脳や臓器への血流が途絶え、命に関わります。

一方、心筋梗塞は心臓を養う冠動脈が詰まり、心筋に酸素が届かなくなる病気です。強い胸痛や息苦しさが比較的長く続き、その結果として致死的不整脈が起こると、心臓突然停止へ進行することがあります。つまり、心筋梗塞が原因となって心臓突然停止に至るケースもあれば、不整脈だけで突然停止するケースもある、というイメージです5

Q2: 突然倒れた人を見たとき、素人が胸骨圧迫をしても大丈夫でしょうか?

日本や国際的なガイドラインでは、「心停止かどうか迷う場合でも、心停止を疑ったら胸骨圧迫を始める」ことが推奨されています25。心臓が止まっているのに胸骨圧迫をしなかった場合のリスクは非常に大きい一方、実際には心停止していなかった人が胸骨圧迫を受けた場合のリスクは比較的低いとされています。

もちろん、正しい方法を知っていればより安全・効果的に行えますので、地域の救命講習や職場の研修などで心肺蘇生法とAEDの使い方を学んでおくことがおすすめです。講習を受けていなくても、119番通報でオペレーターの指示に従いながら胸骨圧迫を行うことで、多くの命が救われています13

Q3: 若い人でも心臓突然停止は起こりますか?

心臓突然停止は中高年だけの問題ではなく、若い世代でも起こることがあります。背景には、先天性心疾患や遺伝性の不整脈(長QT症候群、Brugada症候群など)、心筋症などが隠れていることがあります3

学校や部活動、マラソン大会などスポーツ活動中に起こる心臓突然死・心停止については、日本でも発生率や背景疾患が研究されており、学校現場でのAED設置や教職員の救命講習の重要性が指摘されています6。運動中の胸の痛みや強い息切れ、原因不明の失神がある場合は、早めに循環器内科などで検査を受けることが大切です。

Q4: 家族に突然死した人がいる場合、自分も検査を受けた方がよいでしょうか?

親や兄弟姉妹など近い血縁者に、若い年齢での突然死や原因不明の失神があった場合、遺伝性の心疾患や不整脈が関係している可能性があります。そのような家族歴がある場合は、症状がなくても一度循環器内科や遺伝外来に相談し、必要な検査(心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査など)を検討する価値があります3

ただし、家族歴があるからといって必ず同じ病気になるわけではありません。不安を一人で抱え込まず、専門家と情報を共有しながら、自分にとって必要な検査・フォローアップを決めていくことが重要です。

Q5: 心臓病の薬を飲んでいれば、心臓突然停止の心配はしなくてよいですか?

薬物治療は、血圧や心拍数、コレステロール、心不全の状態などを整え、心筋梗塞や不整脈のリスクを減らすうえで非常に重要です。しかし、薬を飲んでいるからといって心臓突然停止の可能性がゼロになるわけではありません。

大切なのは、処方どおりに薬を継続することに加えて、生活習慣の改善や定期的な受診、症状の変化があったときに早めに相談することです。また、突然の胸痛や強い息切れ、意識消失などの危険なサインがあれば、薬の服用状況に関わらず119番通報をためらわないでください。

Q6: AEDは誰でも使ってよいのでしょうか?設置場所はどうやって知ることができますか?

AED(自動体外式除細動器)は、法律上、一般市民でも使用できる医療機器として位置づけられており、訓練を受けていない人でも音声ガイダンスに従って安全に使用できるよう設計されています23。電極パッドを貼ると、機器が自動的に心電図を解析し、電気ショックが必要かどうかを判断します。

AEDは、駅や空港、ショッピングモール、オフィスビル、学校、公共施設、スポーツ施設などに設置されていることが多く、赤いハートのマークや「AED」と書かれたサインが目印です。自宅や職場、よく行く施設でAEDがどこにあるか、日頃から確認しておくと、いざというときに素早く対応しやすくなります。

Q7: 心臓突然停止を完全に防ぐことはできますか?

残念ながら、心臓突然停止を100%防ぐ方法はありません。しかし、喫煙・高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などのリスク因子をしっかり管理することで、心筋梗塞や不整脈などの心血管疾患全体のリスクを大きく減らせることが、世界保健機関(WHO)などの報告から明らかになっています4

さらに、社会全体で心肺蘇生法やAEDの使い方を学び、職場や学校、地域で救命講習を普及させることで、万一心臓突然停止が起きた場合の救命率を高めることができます。個人の取り組みと社会全体の仕組みづくり、その両方が重要です。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

心臓突然停止(心肺停止)は、誰の身にも起こり得る非常に深刻な緊急事態ですが、「突然すぎて防ぎようがない」「自分には何もできない」とあきらめる必要はありません。日頃から生活習慣を整え、持病をきちんと管理し、心臓のサインに気づく力を養うことで、リスクを減らすことは確実にできます。

そして、万が一目の前で誰かが倒れたとき、あなたが119番通報と胸骨圧迫、AEDの手配という一歩を踏み出すことで、その人の未来が大きく変わる可能性があります。完璧でなくて構いません。「迷ったら、まずは行動してみる」ことが、命を守るうえで何よりも大切です。

不安や疑問があるときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や専門医、地域の相談窓口に相談してください。本記事が、心臓の健康について考えるきっかけとなり、あなた自身と大切な人の命を守る行動につながれば幸いです。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。本記事では、とくに厚生労働省や総務省消防庁、日本蘇生協議会(JRC)、世界保健機関(WHO)、アメリカ心臓協会(AHA)などの一次情報を重視し、日本人の生活実態に即した形で整理しました12456

本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

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免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。呼吸や意識がないなどの緊急時には、直ちに119番に通報してください。

参考文献

  1. 総務省消防庁. 令和6年版 救急・救助の現況(救急活動の現況・心肺機能停止傷病者に関する統計). 2025年. https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r6/chapter2/section5/68144.html(最終アクセス日:2025-11-26)

  2. 日本救急医療財団ほか. 救急蘇生法の指針2020(市民用). 2020年. https://qqzaidan.jp/wp-content/uploads/doc-shishin/shishin2020_shimin_hp.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  3. 一般社団法人日本蘇生協議会(JRC). JRC蘇生ガイドライン2020. 2021年. https://www.jrc-cpr.org/jrc-guideline-2020/(最終アクセス日:2025-11-26)

  4. World Health Organization. Cardiovascular diseases (CVDs) – Fact sheet. 2025年更新. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cardiovascular-diseases-(cvds)(最終アクセス日:2025-11-26)

  5. American Heart Association. Cardiac Arrest – About Cardiac Arrest. 2025年閲覧. https://www.heart.org/en/health-topics/cardiac-arrest(最終アクセス日:2025-11-26)

  6. Hosomi S, et al. Survival Trends in Adults with Out-of-Hospital Cardiac Arrest in Japan. J Clin Med. 2022;11(3):745. https://www.mdpi.com/2077-0383/11/3/745(最終アクセス日:2025-11-26)

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