子どもの発熱でまだ元気なとき:心配すべきサインとホームケア・受診の目安
小児科

子どもの発熱でまだ元気なとき:心配すべきサインとホームケア・受診の目安

子どもの体が熱くなっているのに、本人はケラケラ笑って走り回っている…。体温計を見ると38℃を超えていて、「こんなに高いのに、病院に連れて行かなくて大丈夫なの?」と不安になる保護者の方は少なくありません。

実は、子どもの発熱の多くはウイルスなどの感染症に対して体が戦っているサインであり、「熱の高さ」だけでは病気の重さは判断できないとされています1。一方で、ぐったりしている、顔色が悪い、水分がとれない、3日以上熱が続くなどのときには、温度にかかわらず受診を急いだ方がよいケースもあります1

この記事では、「子どもが発熱しているのに元気なとき」に焦点をあて、なぜそのようなことが起こるのか、どこまで自宅で様子を見てよいのか、逆にどんなサインがあればすぐ受診すべきかを、日本の公的資料やガイドラインなどをもとに整理して解説します1。読み進めることで、「いまは様子を見る」「明日はかかりつけに相談する」「今すぐ救急に連絡する」といった次の一歩を、落ち着いて判断できるようになることを目指しています。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、厚生労働省や自治体、日本小児科学会などの公的機関の資料12、国内の小児科診療ガイド的な解説記事567、海外の小児医療機関・公的機関による解説349など、一次情報に近い情報源を中心に、JHO編集部がAIツールのサポートを受けながら収集・整理したものです。

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証します。

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要点まとめ

  • 子どもの発熱は、多くの場合ウイルス感染などに対抗するための正常な防御反応であり、「熱の高さ」だけでは重症度は判断できません13
  • 「38〜39℃あるのに元気で遊んでいる」場合は、顔色・機嫌・水分やおしっこの量・呼吸の状態など全体の様子を見ながら、自宅で様子を見ることが可能なケースも少なくありません47
  • 一方で、3か月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱、ぐったりしている、水分がとれない、呼吸がおかしい、けいれん、発疹を伴う高熱などは、温度にかかわらず早めの受診や救急相談が推奨されます169
  • 家庭でのケアの基本は、「安静・水分補給・室温と服装の調整・必要に応じたクーリング」であり、解熱薬は「つらさをやわらげるため」に医師の指示範囲で使用する薬です。病気そのものを治す薬ではありません26
  • 解熱薬の使いすぎや自己判断の抗生物質、過度な厚着や急激に冷やしすぎるケアは、子どもの負担を増やしたり、症状をわかりにくくしたりすることがあります16
  • 迷ったときは、「こども医療電話相談(#8000)」や「救急安心センター(#7119)」、日本小児科学会が関わるオンラインのトリアージサイト「こどもの救急」などを活用し、受診の目安について相談することもできます478
  • 本記事は一般的な目安であり、お子さん一人ひとりの状態によって必要な対応は異なります。少しでも「いつもと違う」と感じる場合は、無理をせず医療機関や相談窓口に早めに連絡しましょう14

第1部:子どもの発熱の基本と「元気さ」の見方

最初に押さえておきたいのは、「何度以上なら重症」という絶対的な基準はなく、熱の高さよりも子どもの全体的な様子が大切だという点です110。ここでは、発熱の基本的なしくみと、発熱時に家庭でチェックしたいポイントを整理します。

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1.1. 子どもの体温と発熱のしくみ

一般的に、日本では体温が37.5℃以上になると「発熱」、38.0〜38.5℃以上を「高めの熱」とみなすことが多いとされています2。ただし、子どもは大人より平熱が高めで、日中の活動や測る時間帯によっても体温は変動します。そのため、「平熱より約1℃以上高いかどうか」「いつもと比べて様子が違うかどうか」が重要な判断材料になります210

発熱は、ウイルスや細菌などの病原体が体に入ったとき、免疫システムがそれらと戦いやすくするために体温を上げる反応です34。体温が上がることで免疫細胞が働きやすくなり、多くの感染症では、数日かけて熱が上がったり下がったりしながら自然に治っていきます34

そのため、「熱が高い=必ず重い病気」「熱が低い=軽い病気」とは限りません。40℃近い高熱でも、短期間でおさまり、特別な治療を必要としないウイルス感染も少なくありませんし、逆に微熱程度でも重大な病気が隠れているケースもあります49

1.2. 「熱は高いけれど元気」なときに確認したいこと

38〜39℃の熱があっても、子どもが比較的元気に遊んだり食欲があったりするケースはよく見られます。こうした場合に、家庭で確認したい主なポイントは次の通りです467

  • 顔色や表情:顔色がよく、笑顔や表情の変化が見られるか。
  • 機嫌:抱っこすれば泣き止む、好きなおもちゃに興味を示すなど、普段の機嫌に近いか。
  • 飲み物・食べ物:水分や母乳・ミルクがいつもに近い量でとれているか。少なくとも数時間ごとに何かしら飲めているか。
  • おしっこの回数:日中であれば、6〜8時間のあいだに数回おしっこが出ているか(オムツがそれなりに重くなるか)。
  • 呼吸:ゼーゼー・ヒューヒューしていないか、肩で息をしていないか、胸やお腹が大きくへこむ呼吸になっていないか。
  • 動き:多少だるそうでも、呼びかけに反応したり、歩いたりハイハイしたりできるか。

これらが大きく崩れておらず、「いつもより少し元気がないかな?」程度であれば、熱が高くても自宅でこまめに様子を見ながらケアし、体温と状態を記録していくことが多くの専門家から推奨されています467

1.3. 悪化させてしまうNG対応とその理由

不安から、かえって子どもの負担を増やしてしまうNG対応もあります。代表的なものを挙げ、その理由を説明します126

  • 厚着をさせて汗だくにする:熱が上がりきったあとは、薄手のパジャマ1枚程度が目安です。厚着や布団のかけ過ぎは体に熱をこもらせ、かえってつらさを強めてしまいます。
  • 氷水や冷水で急激に冷やす:急に冷やしすぎると震えが強くなり、逆に体温を上げる方向に働いてしまいます。首の横やわきの下、足の付け根などを、水で絞ったタオルやぬるめのシャワーでゆっくり冷やす程度が推奨されます19
  • 自己判断で市販薬や家族の薬を使う:子どもは体重や月齢によって使える薬の種類・量が大きく変わります。特に解熱剤や咳止め薬は、自己判断で大人用や兄弟の薬を使うのは避けるべきです6
  • 熱が出た瞬間にすぐ救急外来に向かう:新生児期や生後3か月未満の乳児などを除き、高熱が出た直後は原因がはっきりせず、検査をしても診断がつきにくいことも多くあります。危険なサインがなければ、まずは家庭での観察と、電話相談の活用が推奨されます18
表1:セルフチェックリスト — 「熱はあるけれど元気」なときに見るポイント
こんな様子はありませんか? 考えられる背景・次の一手のめやす
38〜39℃台の熱があるが、笑顔もあり、おもちゃで遊び、水分もある程度とれている 多くはかぜなどのウイルス感染が疑われ、自宅での経過観察が可能なことが多い。体温・水分・おしっこ・呼吸をメモしながら様子を見る。
熱は37.8℃程度だが、顔色が悪く、ぐったりしてあまり反応しない 熱の高さに関係なく要注意。早めに小児科に連絡し、必要に応じて当日受診や救急相談を検討する。
38℃台の熱が3日以上続いている/いったん下がってもすぐ上がる状態が続いている 細菌感染症などの可能性も含め、診療時間内に受診を検討。耳の痛み、強い咳、発疹、腹痛など他の症状も一緒にメモしておく。
高熱に加えて、水分がほとんどとれず、半日以上おしっこが出ていない 脱水のリスクが高く、早急な受診・点滴が必要となることがある。夜間でも救急相談や救急外来を検討する。

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第2部:発熱の主な原因と年齢・体質による違い

「熱はあるけれど元気」なときでも、その背景にはさまざまな原因が隠れている可能性があります。ここでは、とくに子どもで多い原因と、年齢や体質による違いを整理します。

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2.1. もっとも多いのはかぜなどのウイルス感染

子どもの発熱の大部分は、いわゆる「かぜ」をはじめとするウイルス感染症が原因とされています47。のどの痛みや鼻水、せき、下痢や嘔吐などが伴うこともあれば、熱以外の症状が目立たないこともあります。

多くのウイルス感染は、2〜4日ほど高めの熱が続き、その後徐々に下がっていきます49。この間、子どもは熱の割に元気なこともあれば、一時的にぐったりすることもあります。基本的には、「水分がとれているか」「呼吸や意識に異常がないか」を最優先に観察することが重要です47

2.2. 予防接種・乳幼児の体質・歯ぐずり

予防接種のあとに、一時的な発熱が起こることは珍しくありません。接種後24〜48時間以内に38℃前後の発熱がありつつ、比較的元気に過ごしている場合、多くはワクチンに対する体の反応として自然におさまります9。ただし、接種部位が異常に腫れている、呼吸が苦しそう、ぐったりしているなどの場合は、早めの受診が必要です。

また、「歯ぐずりの時期になると熱っぽくなる」と感じる保護者も多いですが、歯が生えること自体で高熱になることは少ないとされています。37〜37.9℃程度のわずかな体温上昇が見られることはありますが、38.5℃以上の高熱が続く場合は、別の感染症などを疑う必要があります49

乳幼児は体温調節機能が未熟なため、環境の暑さ・寒さや着せている服の枚数によっても体温が変動しやすいことも知っておきましょう1。特に夏場の暑い室内や、冬の暖房の効きすぎた部屋では、「環境性の体温上昇(熱中症など)」も鑑別にあがります。

2.3. 隠れた病気が原因となることも

頻度は高くありませんが、発熱の背景に、細菌感染症や自己免疫疾患、川崎病などの重めの病気が隠れていることもあります169。代表的なものとして、尿路感染症、中耳炎、肺炎、川崎病などが挙げられます。

  • 尿路感染症:明らかな風邪症状がないのに高熱が続く、機嫌が悪い、乳児ではおしっこの臭いや回数の変化が見られるなどのサインがあります。
  • 中耳炎:かぜのあとに耳をしきりに触る、耳を痛がる、夜間に急に泣き出すなどの症状を伴います。
  • 肺炎:高熱に加え、呼吸が速い、胸を痛がる、ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音、顔色不良などが見られます。
  • 川崎病:5日以上続く高熱、赤い発疹、赤い目、いちご舌、手足のむくみや発赤、首のリンパ節の腫れなどが特徴です9

これらの病気は、最初の数日は「元気そうに見える熱」として始まることもあります。熱の経過とあわせて、発疹や呼吸、機嫌などの変化を丁寧に記録し、「いつから」「どんな順番で」症状が出てきたかを説明できるようにしておくと、受診時に診断の助けになります19

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第3部:専門的な診断が必要な疾患と「危険なサイン」

「熱はあるけれど元気だから大丈夫」と思っていたら、だんだん様子が変わり、気づいたときには重症化していた…という事態は避けなければなりません。ここでは、特に見逃したくない危険なサインと、受診の目安を具体的に紹介します。

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3.1. 夜間・休日でもすぐ受診や救急相談を考えたいサイン

厚生労働省が監修する資料や小児救急の指針では、次のような場合には、夜間や休日であっても早めに受診や救急車の利用を検討するよう勧めています156

  • 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある(予防接種直後を除く)
  • 意識がおかしい:呼びかけても反応が弱い、ぼんやりして目が合わない、いつもと明らかに違う
  • けいれん:初めてのけいれん、5分以上続くけいれん、繰り返すけいれん、けいれん後に意識が戻らない場合
  • 呼吸がおかしい:息がとても速い、肩で息をしている、胸やお腹が大きくへこむ、唇が紫色になるなど
  • 強い脱水のサイン:泣いても涙が出ない、口や舌、唇がカサカサ、目が落ちくぼむ、おしっこが半日以上出ていない
  • 激しい頭痛や腹痛、繰り返す嘔吐:特に首のこわばりや光をまぶしがる、血便などを伴う場合
  • 体温が41℃以上、または急激に熱が上がり続けている

これらの症状があれば、体温が何度であっても「様子見」ではなく、119番や救急相談窓口に連絡し、指示を仰ぐことが推奨されます156

3.2. 診療時間内に受診を検討したいサイン

次のような場合は、すぐの救急受診が必要とは限らないものの、診療時間内に小児科などを受診して原因を調べてもらうことが望ましいとされています24510

  • 38℃以上の発熱が3日程度続いている、または一度下がっても何度もくり返す
  • 高熱はないが、咳や下痢、耳の痛み、発疹などの症状が続き、機嫌や食欲が落ちている
  • 水分があまりとれず、おしっこの回数が明らかに減っている
  • 保育園・幼稚園で登園を控えるように言われたが、どこまで休ませるべきか判断に迷う
  • 持病(心疾患、免疫不全、慢性呼吸器疾患など)があり、かかりつけ医から「発熱時は早めに受診を」と言われている

これらに当てはまる場合、「熱はあるけれど比較的元気」なように見えても、耳や肺、尿路などの細菌感染症が隠れている可能性があります610。熱の記録、飲食量、おしっこの回数、その他の症状をメモして受診しましょう。

3.3. 発熱と関係する代表的な病気の例

「元気に見える熱」の裏に隠れうる代表的な病気をいくつか紹介します。

  • インフルエンザ:突然の高熱、悪寒、筋肉痛、頭痛などが特徴です。発熱が3日以上続く、呼吸が苦しそう、耳の痛みや強い咳を伴う場合は、合併症(中耳炎や肺炎など)を疑います12
  • 新型コロナウイルス感染症:発熱のほか、咳や息苦しさ、味覚・嗅覚の異常などがみられることがあります。呼吸が速い、顔色が悪い、ぐったりしているなどの場合は、早めの受診が重要です17
  • 川崎病:5日以上続く発熱、発疹、赤い目、いちご舌、手足の腫れや発赤、首のリンパ節の腫れなどが特徴です。心臓の合併症を防ぐため、早期の診断と治療が重要とされています9

いずれの病気でも、「熱があるのに意外と元気」という時期が一時的に存在することがあります。「元気だから大丈夫」と決めつけず、熱の経過や全身の状態を総合的にみることが大切です149

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第4部:「熱はあるけれど元気」なときのホームケアとアクションプラン

ここでは、「今この状況で、家庭でできることは何か?」を具体的なステップごとに整理します。大切なのは、「熱をゼロにすること」ではなく、「子どもができるだけ楽に、安全に回復できるよう支えること」です46

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表2:改善アクションプラン — 発熱していても元気なとき
ステップ アクション 具体例
Level 1:今すぐできること(最初の数時間) 体温を測り、状態を落ち着いて観察する 平熱との違いをメモする/顔色・機嫌・水分・おしっこ・呼吸の状態を書き留める/30〜60分ごとに様子を確認する
Level 2:今夜〜明日にかけて 安静・水分補給・室温と服装の調整・クーリング 室温を20〜23℃前後に保つ/厚着を避け、汗をかいたらこまめに着替える/こまめにお茶や経口補水液を飲ませる/首やわきの下をぬるま湯で冷やす
Level 3:つらそうなとき 医師から処方された解熱薬を、指示どおりに使用する 38.5℃以上でしんどそうにしているときに、体重・間隔を守ってアセトアミノフェンなどを使用(自己判断で量を増やさない、市販薬は対象年齢と成分を必ず確認する)
Level 4:迷ったとき 電話相談・オンラインのトリアージツールを利用する 「こども医療電話相談(#8000)」や「救急安心センター(#7119)」に電話する/日本小児科学会などが関わる「こどもの救急(ONLINE-QQ)」でチェックする478
Level 5:危険なサインがあるとき ためらわずに受診・救急要請を検討する 生後3か月未満の38℃以上の発熱、ぐったり、呼吸異常、けいれん、半日以上おしっこが出ないなどがあれば、時間帯に関係なく受診・119番を検討する156

4.1. 水分補給と食事のポイント

発熱時は、汗や呼吸、尿などを通じて平常時よりも多くの水分が失われます。特に乳幼児は脱水になりやすいため、こまめな水分補給が重要です46

  • 母乳・ミルクの子は、いつもより回数を増やして少しずつ授乳する。
  • 離乳食以降の子は、水、お茶、経口補水液などを少量ずつ頻回に与える。
  • スポーツドリンクは糖分が多いため、体調や年齢によっては経口補水液の方が勧められることがあります。
  • 固形の食事は無理に食べさせる必要はありません。食欲が出てきたら、おかゆやうどん、やわらかい果物など消化のよいものから再開します。

4.2. 服装・室温・クーリングのしかた

熱が上がり始めのときは寒気を訴えたり、手足が冷たくなったりすることがあります。この時期には、子どもが寒くない程度に布団や衣類を調整し、体が温まって震えがおさまるのを待ちます15

熱が上がり切って顔がほてり、汗をかいてきたら、薄着にして室温をやや涼しめに保ち、首の横・わきの下・足の付け根などに水で絞ったタオルをあててクーリングします。氷水や冷水で急激に冷やしたり、冷却シートを長時間貼り続けたりするのは、体温調節の負担になることがあるため注意が必要です15

4.3. 解熱薬の使い方と注意点

海外・国内の小児科の解説では、解熱薬は「熱を完全に下げる薬」ではなく、「つらさを和らげて水分摂取や睡眠を助けるための薬」として位置づけられています4610。日本でも、38.5℃以上の発熱があり、ぐったりしてつらそうなときや、痛みで眠れないときなどに、医師の指示範囲で使用することが一般的です6

  • 子どもの解熱には、アセトアミノフェンを主成分とする薬がよく用いられますが、年齢や体重によって用量が異なります6
  • 処方された坐薬やシロップは、説明書どおりの間隔と量を守り、自己判断で回数を増やしたり、兄弟の薬を使ったりしないようにしましょう。
  • アスピリンは、子どものウイルス感染症に使うとライ症候群という重い合併症との関連が指摘されており、一般には使用しないことが推奨されています49

「熱が下がらないから」と、解熱薬を短い間隔で繰り返し使うと、体温の上下が激しくなり、子どもも保護者も疲れてしまいます。どの程度のつらさなら薬を使うか、かかりつけ医とあらかじめ相談しておくと安心です。

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第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

ここまで、「熱はあるけれど元気」な子どもへのホームケアを中心に見てきました。最後に、受診の目安と、受診時に役立つポイントをまとめます。

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5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある(予防接種直後を除く)16
  • ぐったりして反応が弱い、機嫌が非常に悪い、顔色が明らかに悪い15
  • 水分がほとんどとれない/半日以上おしっこが出ていない46
  • 呼吸がとても速い、肩で息をしている、ゼーゼー・ヒューヒューと苦しそう、唇が紫色になる49
  • 5分以上続くけいれん、くり返すけいれん、けいれん後に意識が戻らない15
  • 発疹、強い頭痛や腹痛、首のこわばりなどを伴う高熱9
  • 41℃以上の高熱、または高熱が続きだんだん元気がなくなっている15

これらのサインが一つでもあれば、夜間や休日でもためらわずに救急外来や119番に相談してください。迷った場合は、「#8000」や「#7119」などの電話相談も活用できます47

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • まず相談したいのは小児科:一般的な発熱、かぜ症状、下痢や嘔吐、軽い発疹などは、小児科が基本となります。
  • 耳の痛みや耳だれを伴う場合:まずは小児科で診察を受け、必要に応じて耳鼻科を紹介されることが多いです。
  • 基礎疾患がある場合:心臓や腎臓、免疫の病気などで専門科にかかっている子どもは、発熱時もかかりつけの専門科に連絡し、指示を仰ぎましょう。
  • 精神的な不安が強い場合:症状としては軽そうでも、不安が強く眠れない・食事がとれないなどの場合、まずはかかりつけの小児科や地域の相談窓口に気持ちも含めて相談してみてください。

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 体温と症状のメモ:何時に何度だったか、いつからどんな症状が出ているか、食事や水分、おしっこの量などを簡単にメモしておくと診察がスムーズです。
  • 母子健康手帳・お薬手帳:予防接種歴や過去の病歴、現在飲んでいる薬が確認でき、薬の重複や飲み合わせの確認にも役立ちます5
  • 保険証・医療証:日本の公的医療保険制度では、子どもの医療費助成がある自治体も多く、多くの場合自己負担は1〜3割程度となります。具体的な金額は医療機関や実施される検査によって異なります。
  • 解熱剤や市販薬があれば現物:すでに使った薬があれば、種類や用量がわかるように箱ごと持参しましょう。

受診前に「本当に行っていいのか」「忙しい時間帯に迷惑ではないか」と遠慮してしまう方もいますが、子どもの体調について不安があるときは、遠慮せず医療機関や相談窓口に連絡してかまいません。「いつもと違う」と感じた保護者の直感は、専門家にとっても大切な情報です15

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よくある質問

Q1: 子どもが38℃の熱でも元気に遊んでいます。すぐ病院に行くべきですか?

A1: 体温だけで受診の必要性を判断することはできません。38℃台の熱があっても、顔色がよく、水分や食事がある程度とれていて、呼吸も苦しそうでなければ、まずは自宅で様子を見ることが多くの専門家から推奨されています47

ただし、生後3か月未満の赤ちゃん、ぐったりしている、水分がほとんどとれない、3日以上熱が続いているなどの場合は、早めの受診や電話相談を検討してください146

Q2: 熱があるのに走り回っています。無理に寝かせたほうがよいですか?

A2: 無理にじっとさせる必要はありませんが、激しい運動は体力を消耗させるので控えめにしましょう。家の中で静かに遊べるおもちゃや絵本などを用意し、「走り回るほど元気でも、体はがんばっているから少し休もうね」と声をかけてあげるとよいでしょう。

発熱中は、こまめな水分補給と休息が何より大切です。本人が疲れたサイン(急に黙り込む、横になりたがるなど)を出したときには、布団やソファでゆっくり休ませてあげてください46

Q3: 解熱剤は何度から使うのがよいですか?

A3: 多くの小児科では、「何度以上なら必ず解熱剤」というより、「38.5℃以上の発熱があり、つらそうなときに使う」といった考え方が用いられています46。数字だけでなく、お子さんのつらさ(ぐったりしている、眠れない、痛みが強いなど)を目安にしましょう。

使用する際は、医師や薬剤師から指示された量・間隔を必ず守り、自己判断で回数を増やしたり、兄弟の薬や大人用の薬を使ったりしないでください。アスピリンは子どもには一般的に使用されず、アセトアミノフェンなど子ども向けの成分を選ぶ必要があります69

Q4: 熱が出たのは夜です。救急外来に行くか、朝まで様子を見るか迷います。

A4: 生後3か月未満の38℃以上の発熱、ぐったりしている、呼吸がおかしい、けいれん、半日以上おしっこが出ていないなどのサインがあれば、夜間でも受診や救急要請を考える必要があります156

それ以外で迷う場合は、「こども医療電話相談(#8000)」や「救急安心センター(#7119)」、インターネット上の「こどもの救急(ONLINE-QQ)」などを活用し、症状を伝えたうえで受診の必要性を相談してみましょう478

Q5: 熱が下がったり上がったりをくり返しています。何日まで様子を見てよいですか?

A5: かぜなどのウイルス感染では、2〜4日ほど高めの熱が続いたあと、少し下がって再び上がるといったパターンをとることもあります49。ただし、38℃以上の発熱が3日程度続く場合や、熱のくり返しとともに顔色や機嫌が悪くなっていく場合は、診療時間内に受診を検討したほうがよいとされています245

熱のグラフ(時間と体温の記録)をつけておくと、受診時に役立ちます。

Q6: 「熱性けいれん」が心配です。元気でも準備しておいたほうがいいことはありますか?

A6: 熱性けいれんは、1〜5歳くらいの子どもに比較的よく見られる発作で、多くは数分以内におさまり、後遺症を残さないとされています49。とはいえ、初めて見ると強い不安を感じる保護者がほとんどです。

事前に、かかりつけ医から「けいれんが起きたときの対応メモ」をもらっておく、119番に電話するときに伝えるべきポイント(時間・様子・けいれんの部位など)を確認しておくと、いざというときに落ち着いて対応しやすくなります。過去に熱性けいれんの既往がある場合は、かかりつけ医の指示を優先してください15

Q7: 予防接種のあとに熱が出て元気です。このまま様子を見てもよいですか?

A7: 予防接種の種類によっては、接種後24〜48時間以内に38℃前後の発熱が起こることが知られています9。顔色がよく、水分もとれていて機嫌もそれほど悪くない場合、多くは自宅で様子を見て問題ないとされています。

ただし、接種部位が強く腫れている、呼吸が苦しそう、ぐったりしている、発疹が全身に広がっているなどの場合は、早めの受診が必要です。接種時にもらった説明書や母子健康手帳の注意書きに従い、不安な点があれば接種を受けた医療機関に相談してください。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

子どもの発熱は、保護者にとって大きな不安の種ですが、「熱が高い=危険」「熱が低い=安全」と単純には言えません。特に、「熱はあるのに元気で遊んでいる」ような場面では、体温計の数字だけで判断するのではなく、顔色や機嫌、水分やおしっこの量、呼吸の状態といった全体像を落ち着いて観察することが大切です14

本記事では、発熱のしくみと代表的な原因、危険なサインと受診の目安、そして家庭でできる具体的なケアとアクションプランを紹介しました。「今は自宅で様子を見る」「そろそろかかりつけに相談する」「すぐに救急相談や受診が必要」といった判断の一助になれば幸いです。

一人で抱え込まず、家族や医療機関、電話相談窓口などの力も借りながら、お子さんと保護者ご自身の体と心を守っていきましょう。少しでも「いつもと違う」「胸騒ぎがする」と感じたら、その感覚を大切にし、早めに専門家へ相談してください15

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

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本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。

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