胸がギューッと締めつけられるように痛む、少し動いただけで息切れが強くなる、冷や汗が出る——。
「年のせいかな」「疲れただけかも」とやり過ごしていませんか。
心筋梗塞(しんきんこうそく)は、心臓に血液を送る冠動脈(かんどうみゃく)が急につまることで、心筋(心臓の筋肉)が壊死してしまう病気です。
日本では狭心症とあわせて「虚血性心疾患」として分類され、主要な死亡原因のひとつとされています。
しかし、ドラマのように「突然、胸を押さえて倒れる」ケースだけが心筋梗塞ではありません。
実際には、胸の圧迫感やだるさ、息切れ、背中・あご・みぞおちの違和感など、気づきにくいサインが「数時間〜数日前」から現れていることもあります。
本記事では、厚生労働省や日本循環器学会などの公的情報、世界保健機関(WHO)や米国心臓協会(AHA)などの信頼できる資料に基づき、心筋梗塞の仕組み・前兆・典型的な症状と、「今すぐ救急車(119)を呼ぶべきサイン」、そして日常生活でできる予防と再発予防について、Japanese Health(JHO)編集部が整理して解説します。
なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療方針の決定を行うものではありません。気になる症状がある場合や、胸の痛み・息切れなど「少しでもおかしい」と感じたときは、自己判断せずに医療機関を受診し、急な症状のときは迷わず119番通報してください。
Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。読者の方が日常生活で迷いやすいポイントを整理し、公的機関や査読付き論文など信頼できる資料に基づいた情報を、できるだけ分かりやすい形でお届けすることを目指しています。
本記事の内容は、以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部が生成AIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。
- 厚生労働省・国立循環器病研究センターなどの公的機関:
「狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)」などのe-ヘルスネット記事や、生活習慣病関連の統計資料、日本人向けの心疾患解説ページを優先的に参照しています。 - 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:
日本循環器学会による急性冠症候群(ACS)や心筋梗塞二次予防に関するガイドライン、動脈硬化性疾患予防ガイドライン、救急蘇生ガイドライン2020(JRC)など、科学的に検証されたエビデンスをもとに要点を整理しています。 - 世界保健機関(WHO)・米国心臓協会(AHA)などの国際的な情報:
心筋梗塞の警告症状や再発予防に関するリーフレット・Q&A などを参考に、典型的な症状・前兆・リスク低減のためのポイントを補足しています。
AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。
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要点まとめ
- 心筋梗塞は、冠動脈が血栓などで突然つまることで心筋が壊死してしまう病気で、日本人の死亡原因の一つとなっています。胸の強い痛みだけでなく、息切れ、背中・あご・みぞおちの痛み、冷や汗、強い疲労感など「一見軽そうな症状」でも起こり得ます。
- 「5分以上続く胸の圧迫感・締めつけ感」「休んでもよくならない胸の痛み」「冷や汗や吐き気を伴う強い違和感」などは、119番通報を含めた救急対応が必要になるサインです。自力で病院に行くよりも救急車を利用したほうが安全な場合が多くあります。
- 高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙・肥満・運動不足などの生活習慣病や喫煙習慣は、心筋梗塞の強い危険因子です。加齢や家族歴と組み合わさることでリスクはさらに高くなります。
- 一度心筋梗塞を起こした方の約2割は、5年以内に再び心血管イベントを起こすとされ、ガイドラインでは抗血小板薬やスタチンなどによる薬物療法と、禁煙・食事・運動などの生活習慣改善を組み合わせた二次予防が推奨されています。
- 「この程度で救急車を呼んでいいのか」と迷う方も少なくありませんが、心筋梗塞は「時間との勝負」です。少しでも不安なときは、早めに医療機関に相談し、胸の強い痛みや息苦しさが急に出たときは迷わず119番に連絡することが、ご自身の命を守ることにつながります。
「胸の痛みがときどきあるけれど、病院に行くほどではない気がする」「健診でコレステロールや血圧を指摘されたが、何から始めてよいか分からない」——そんな不安を抱えながら、誰にも相談できずにいる方も少なくありません。
この記事では、まず心筋梗塞が起こる仕組みと、狭心症との違いなど基本的なポイントを整理します。次に、喫煙・高血圧・糖尿病など「日常生活で変えられる危険因子」と、年齢や家族歴など「変えられない危険因子」を分けて解説し、自分のリスクを客観的に振り返るきっかけを提供します。
そのうえで、「これは危ないサインなので今すぐ救急車を呼ぶべき」という場面と、「数日以内に循環器内科などを受診したほうがよい」場面を、できるだけ具体的にイメージできるようにご説明します。日本の保険診療のもとでよく行われる検査や、心臓リハビリテーション、職場復帰までの流れについても触れます。
記事の最後まで読むことで、「自分や家族の症状がどのレベルなのか」「今後どのような生活の工夫や受診が必要なのか」を整理しやすくなることを目指しています。
第1部:心筋梗塞の基本と日常生活の見直し
まずは、心筋梗塞とはどのような病気なのか、狭心症との違い、なぜ生活習慣と深く結びついているのかといった「基本のキ」を整理します。専門用語はできるだけ避けながら、心臓の中で何が起きているのかをイメージできるように解説します。
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1.1. 心筋梗塞とは?狭心症との違いをやさしく解説
心臓は、全身に血液を送るポンプの役割をしています。その心臓自体に酸素と栄養を届けているのが「冠動脈」と呼ばれる血管です。この冠動脈の内側にコレステロールなどがたまり、「プラーク」と呼ばれるコブのようなものができると、血管の内腔が狭くなっていきます。これが進んだ状態が「動脈硬化」です。
狭心症は、冠動脈がまだ完全にはつまっておらず、「血流が足りない状態(虚血)」になったときに起こる発作です。階段を上る、早歩きをする、寒い外に出るなど、心臓に負担がかかったときに、数分以内でおさまる胸の締めつけ感や痛みが繰り返し起こります。
一方で心筋梗塞は、プラークが破れてそこに血栓(血のかたまり)ができ、冠動脈がほぼ完全につまってしまった状態です。その先の心筋に血液が流れなくなり、20分以上、時に数時間続く強い痛みが出たり、冷や汗・吐き気・強い息切れなどを伴うことがあります。放置すると心筋が壊死し、命に関わる状態に進行します。
つまり、狭心症は「心筋梗塞の一歩手前」の段階であることが多く、「いつか心筋梗塞になるかもしれない」という黄色信号と考えることができます。胸の違和感が短時間で治まるからといって放置せず、早い段階で循環器内科などに相談することが大切です。
1.2. 日常生活で心筋梗塞リスクを高めてしまうNG習慣
心筋梗塞の背景には、長年にわたり少しずつ進行してきた動脈硬化があることが多いとされています。動脈硬化を進めやすい生活習慣として、ガイドラインや公的資料では以下のようなものが挙げられています。
- 喫煙(紙巻きたばこ・加熱式たばこ・受動喫煙を含む)
- 脂質異常症(LDLコレステロールや中性脂肪が高い)
- 高血圧・糖尿病・肥満
- 運動不足・座りっぱなしの生活
- 塩分・飽和脂肪・トランス脂肪酸の多い食事
- 過度の飲酒や強いストレス、睡眠不足
例えば、残業続きで深夜のコンビニ食が続き、ストレス発散のための飲酒や喫煙が習慣化していると、血圧や血糖、脂質のコントロールが悪化し、動脈硬化が加速しやすくなります。そこに急激な寒さ、過度な労働、強い怒りや不安といったストレスが重なると、心筋梗塞の引き金になることがあります。
こうしたNG習慣は、今日から少しずつでも見直すことで、「これから先の心筋梗塞」を減らしていくことが可能です。詳しい改善ステップについては、第4部で具体的にご紹介します。
| こんな症状・状況はありませんか? | 考えられる背景・リスクカテゴリ |
|---|---|
| 階段を上ったり急いで歩いたりすると、左胸あたりが締めつけられるように痛み、数分休むとおさまる | 労作時に起こる狭心症の可能性 |
| 安静時や夜中に、胸の中央〜左側がギューッと痛くなり、冷や汗や吐き気を伴うことがある | 急性冠症候群(不安定狭心症・心筋梗塞)を含む、緊急の評価が必要な状態 |
| 胸の痛みははっきりしないが、肩・背中・あご・みぞおちが重く痛み、息切れや強いだるさを感じる | 典型的でない心筋梗塞の症状(特に高齢者・女性・糖尿病の方に多い) |
| 高血圧・糖尿病・脂質異常症を指摘されているが、治療や生活改善が続けられていない | 今後の心筋梗塞・脳卒中リスクが高い状態 |
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第2部:身体の内部要因 — 生活習慣病・ホルモン・隠れた不調
生活習慣を見直しても、血圧やコレステロール値、血糖値などがうまくコントロールできない場合、その背景には遺伝的な体質やホルモンの変化、その他の慢性疾患が関わっていることがあります。ここでは、「自分の身体の中で何が起きているのか」を知るためのポイントを整理します。
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2.1. 年齢・性別・家族歴による影響
ガイドラインでは、心筋梗塞の年齢・性別によるリスクとして、一般に「男性は中年以降」「女性は閉経後」にリスクが高まるとされています。女性ホルモンには動脈硬化を抑える方向に働く側面があり、閉経後にその保護作用が弱まることで、女性のリスクが上がってくると考えられています。
また、父母や兄弟姉妹など近親者が若い年齢(男性55歳未満、女性65歳未満など)で心筋梗塞や狭心症を起こしている場合、「家族歴あり」としてリスクが高いグループに分類されます。これは、血圧や脂質が上がりやすい体質、糖代謝の異常、喫煙習慣などが家族で共有されやすいためと考えられています。
2.2. 高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などの「基礎疾患」
動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、心筋梗塞や脳卒中などの危険因子として、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、喫煙、肥満などが挙げられています。これらが重なれば重なるほど、心筋梗塞のリスクは指数関数的に高くなることが示されています。
例えば、血圧が高い状態が続くと、血管の内側が傷ついてプラークができやすくなります。糖尿病では血管の内皮機能が障害されやすく、「血が固まりやすい状態」になりやすいことが知られています。脂質異常症や肥満も、血中の脂質バランスを悪化させ、動脈硬化を加速させます。
こうした疾患を「数値だけ」でとらえるのではなく、「今の生活をこのまま続けたら、数年〜十数年後にどのくらい心筋梗塞になる可能性があるのか」という長期的な視点で考えることが大切です。医療機関では、こうした危険因子を組み合わせて10年以内の心血管リスクを推計するツールなども用いられています。
2.3. 高齢者・女性・糖尿病患者に多い「典型的でない症状」
一般的に、心筋梗塞の症状として「左胸の強い痛み」をイメージする方が多いと思います。しかし、高齢者・女性・糖尿病のある方では、胸の痛みがそれほど強くない、あるいは胸があまり痛まず、「息切れ」「強いだるさ」「胃のあたりの不快感」「背中やあごの痛み」など、分かりにくい症状だけが出ることも少なくありません。
糖尿病が長く続くと、神経障害によって痛みを感じにくくなることがあり、「サイレント心筋梗塞(無症候性心筋梗塞)」と呼ばれるような、気づかないうちに心筋梗塞が進行していた、というケースも報告されています。強い息切れや急な疲労感、原因不明の冷や汗などが続く場合、「年齢のせい」と決めつけずに、一度循環器内科で相談してみることが勧められます。
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第3部:専門的な診断が必要な疾患と「今すぐ救急」のサイン
次に、「専門的な検査や治療が必要となる心臓の病気」と、「その病気が疑われる危険な症状」について整理します。ここで大切なのは、「自分で病名を決めること」ではなく、「このような症状のときは、今すぐ救急車を呼ぶべきかどうか」をイメージできるようにすることです。
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3.1. 急性冠症候群(ACS)とは?
日本循環器学会のガイドラインでは、不安定狭心症・急性心筋梗塞・虚血による心臓突然死などをまとめて「急性冠症候群(ACS)」と呼びます。これは、冠動脈のプラークが破れ、その部分に血栓ができて急に血流が悪くなり、心筋が強い虚血に陥った状態を総称したものです。
ACSでは、通常、突然の胸の痛み・圧迫感が現れますが、背中・肩・腕・あご・みぞおちの痛みとして感じられることもあります。痛みは20分以上続くことが多く、冷や汗・吐き気・息切れ・強い不安感などを伴うことがあります。こうした症状が出た場合は、「様子を見る」のではなく、速やかに119番通報し、救急車を要請することが推奨されています。
3.2. 心筋梗塞の主な症状と、すぐ119番すべきケース
代表的な心筋梗塞の症状として、国や専門学会、AHA などは次のような項目を示しています。
- 胸の中央〜左側が締めつけられる・押しつぶされるように痛む
- その痛みが5〜10分以上続く、または良くなったり悪くなったりを繰り返す
- 痛みが左腕・肩・背中・首・あご・歯・みぞおちなどに放散する
- 息が苦しくなる、少し動いただけでひどく息切れがする
- 冷や汗が出る、顔面が青白くなる
- 吐き気・嘔吐、強い胸やけのような症状
- めまい・ふらつき・意識が遠のくような感じ
- 急に強い不安や「このまま死んでしまうのでは」という恐怖感におそわれる
特に、安静にしても痛みが治まらない胸痛や、冷や汗・吐き気・強い息切れを伴う胸の違和感は要注意です。このような症状が現れた場合、以下のような行動が推奨されます。
- 無理に歩き回らず、その場で座るか、上体を少し起こした状態で安静にする
- 一人でトイレや別の部屋に移動しようとしない
- 家族や周囲の人がいればすぐに状況を伝える
- ためらわずに119番通報し、「胸が痛い・息が苦しい」など症状を具体的に伝える
- 自家用車での搬送は、意識消失や致死的不整脈が起きた際に対応が遅れるため、基本的には避ける
既に循環器専門医からニトログリセリン舌下薬などを処方されている場合は、指示に従って使用したうえで、それでも症状が治まらないときはやはり救急車を呼ぶべきとされています。初めての症状の場合や、自己判断で市販薬を飲んで様子を見ることは避けましょう。
3.3. その他、似た症状を起こす病気との違い
胸の痛みを起こす病気には、心筋梗塞だけでなく、肺塞栓症(肺の血管の血栓)、解離性大動脈瘤、気胸、逆流性食道炎、肋間神経痛などさまざまなものがあります。なかには、心筋梗塞と同じくらい緊急性が高い病気も含まれます。
症状だけから「これは心筋梗塞ではなく胃の症状だろう」と自分で決めつけることは非常に危険です。医療機関では、心電図、血液検査(心筋トロポニンなど)、胸部X線、心臓エコー、必要に応じて冠動脈CTやカテーテル検査などを組み合わせて診断を行います。
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第4部:今日から始める改善アクションプラン
心筋梗塞の予防や再発予防では、「薬による治療」と「生活習慣の見直し」を車の両輪のように組み合わせることが重要です。ここでは、今日から・今週末から・長期的に取り組みたい行動をレベル別に整理します。
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| ステップ | アクション | 具体例 |
|---|---|---|
| Level 1:今日からできること | 喫煙をやめる・本数を減らす、塩分と脂肪分を意識して減らす | 禁煙外来やニコチンパッチの利用を検討する、インスタント食品・スナック・揚げ物を減らし、味つけを「薄味」にしてみる |
| Level 2:今週から始めたいこと | 毎日の歩数を増やす、ストレスの「逃げ道」を用意する | エレベーターではなく階段を使う、1日30分の早歩きを週3回以上目標にする、寝る前にスマホではなくストレッチや深呼吸の時間をつくる |
| Level 3:1〜3か月かけて整えること | かかりつけ医・循環器内科での定期フォロー、食事と体重の管理 | 血圧・コレステロール・血糖値のコントロール目標を相談し、お薬手帳や血圧手帳を活用する、体重やウエストサイズを月ごとに記録する |
| Level 4:長期的に続けたいこと | 心臓リハビリテーションや運動習慣の継続、家族ぐるみの生活改善 | 医療機関の心臓リハビリプログラムに参加する、家族と一緒に減塩料理に取り組む、休日に一緒に散歩や軽いハイキングをする |
一度心筋梗塞を起こした方では、ガイドラインに沿って抗血小板薬(アスピリンなど)やスタチン、ACE阻害薬/ARB、β遮断薬などを組み合わせた二次予防が行われることが多く、これらをきちんと続けることで再発リスクを有意に下げられることが示されています。
「薬を飲んでいるから大丈夫」と考えるのではなく、「薬で下げられるリスク」と「生活を変えることで下げられるリスク」の両方に目を向けることが、長い目で見た心臓の健康につながります。
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第5部:受診の目安・医療機関へのかかり方
「どのタイミングで病院に行けばいいのか」「何科を受診すればよいのか」「救急車を呼ぶほどか迷う」という声は少なくありません。ここでは、具体的な目安を整理します。
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5.1. すぐに医療機関を受診すべき危険なサイン
- 強い胸の痛み・圧迫感が5〜10分以上続く、または良くなったり悪くなったりを繰り返す
- 胸の痛みとともに、冷や汗・顔面蒼白・吐き気・強い息切れ・意識が遠のく感じがある
- 胸だけでなく、背中・肩・左腕・あご・歯・みぞおちなど広い範囲に痛みや重さが広がる
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの持病があり、いつもと違う強い息切れやだるさが急に出た
これらの症状がある場合は、ためらわずに119番通報し、「心筋梗塞かもしれない」「胸が強く痛む」などと具体的に伝えることが大切です。救急隊は症状や既往歴をもとに、心筋梗塞に対応できる医療機関を選んで搬送してくれます。
5.2. 数日以内の受診が望ましいケース
- 階段や坂道で胸が締めつけられる感じがあるが、数分休むとおさまる
- ここ数週間〜数か月のあいだに、胸の違和感が出る頻度が徐々に増えている
- 健診で高血圧・脂質異常症・糖尿病などを指摘されたが、放置している
- 家族に心筋梗塞の既往があり、自分も同じような症状が出てきた
このような場合は、できるだけ早く(目安として1〜2週間以内)かかりつけ医や循環器内科を受診し、心電図や血液検査などの評価を受けることが推奨されます。必要に応じて、運動負荷試験や心臓超音波検査、冠動脈CTなどが追加されます。
5.3. 受診時に持参すると役立つものと費用の目安
- お薬手帳、これまでの検査結果(健診結果や紹介状など)
- いつ・どのくらいの時間・どんな状況で症状が出るかをメモしたノート
- 血圧手帳や血糖自己測定の記録など
日本では、公的医療保険(国民健康保険や社会保険など)に加入している場合、自己負担は通常3割(年齢や所得、難病指定などにより異なることがあります)です。救急搬送された場合も、病院での診察料や検査料に対して保険が適用されます。高額になった場合には、高額療養費制度を利用できることもあります。
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よくある質問
Q1: 胸が少し痛いだけでも、心筋梗塞の可能性はありますか?
A1: 痛みが軽くても、「胸の中央〜左側の違和感が5〜10分以上続く」「動くと悪化し、休むと少し楽になる」「背中やあご、腕に広がる」といった特徴があれば、心筋梗塞や狭心症の可能性があります。特に、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣などがある方は、痛みの強さだけで軽く考えないことが大切です。気になる症状が続く場合は早めに循環器内科を受診し、急な強い痛みや息切れが出た場合は119番通報を検討してください。
Q2: 胃のムカつきや肩こりだけでも心筋梗塞のサインになるのでしょうか?
A2: 心筋梗塞は必ずしも「胸の痛み」として出るとは限らず、胃の不快感やみぞおちの痛み、肩や背中のこりのような症状だけが現れることもあります。特に、高齢者・女性・糖尿病のある方では、典型的でない症状が出やすいと報告されています。原因不明の胃のムカつきや肩こりが、冷や汗・息切れ・強いだるさなどと一緒に現れた場合は、心臓の病気も念頭において受診することが勧められます。
Q3: 「サイレント心筋梗塞」とは何ですか?
A3: サイレント心筋梗塞とは、自覚症状がほとんどなかった、あるいは軽い不調としてしか感じなかったにもかかわらず、後から検査で「実は心筋梗塞が起きていた」ことが分かるケースを指します。糖尿病による神経障害や高齢などが関係して、痛みを感じにくくなっている場合に起こりやすいとされています。定期的な健診や心電図、必要に応じた精密検査は、こうした「気づかれにくい心筋梗塞」を見つけるうえでも重要です。
Q4: 一度心筋梗塞を起こして治療しました。再発を防ぐにはどうしたらよいですか?
A4: 一度心筋梗塞を起こした方では、数年以内に再び心血管イベントを起こすリスクが高いことが知られており、日本循環器学会などのガイドラインでは、抗血小板薬(アスピリンなど)やスタチン、ACE阻害薬/ARB、β遮断薬などを組み合わせた二次予防と、禁煙・食事・運動などの生活習慣改善を強く推奨しています。
薬は自己判断で中止せず、医師と相談しながら継続することが大切です。また、心臓リハビリテーションに参加し、無理のない範囲で運動量を増やしていくことも再発予防に役立つとされています。
Q5: 健診で「動脈硬化のリスクが高い」と言われました。今すぐ病院に行くべきですか?
A5: 健診で高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満などを指摘された場合、それだけで緊急性が高いとは限りませんが、放置すれば将来の心筋梗塞や脳卒中のリスクが確実に高くなるとされています。数週間以内を目安に、かかりつけ医や内科・循環器内科を受診し、血圧・脂質・血糖などの管理方針を相談することをお勧めします。
一方で、「胸が痛い・苦しい」「息が突然苦しくなった」といった急な症状がある場合は、健診結果に関係なく、救急受診や119番通報を検討すべき状況です。
Q6: 救急車を呼ぶかどうか迷ったときは、どう判断すればよいですか?
A6: 目安として、「強い胸痛・圧迫感が5〜10分以上続く」「冷や汗・吐き気・息切れ・意識が遠のく感じを伴う」「会話が難しいほど息が苦しい」といった状況では、迷わず119番通報することが推奨されています。日本蘇生協議会のガイドラインでも、こうした症状を伴う場合は早期の救急要請が重要とされています。
「この程度で救急車を呼んでいいのか」と心配になるかもしれませんが、心筋梗塞のような緊急疾患では、早く治療を始めるほど心筋のダメージを小さくでき、救命率も上がります。不安なときは、「呼びすぎ」よりも「呼ぶのが遅すぎる」ことのほうが問題になりやすいと覚えておきましょう。
結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
心筋梗塞は、「突然倒れる恐ろしい病気」というイメージが強い一方で、その多くは長年にわたる動脈硬化や生活習慣病の積み重ねのうえに成り立っています。また、典型的な胸の強い痛みだけでなく、息切れや強いだるさ、胃のムカつき、背中やあごの痛みといった、見逃されやすいサインとして現れることも少なくありません。
本記事でお伝えしたいのは、次の3点です。
- 「いつもと違う胸の違和感」「急な息切れや冷や汗」を安易に「年のせい」「疲れのせい」と片づけないこと
- 一度でも心筋梗塞を起こした方は、薬物療法と生活習慣の改善を両立させることで、再発リスクを着実に減らせること
- 迷ったときは一人で抱え込まず、かかりつけ医や循環器内科、救急外来、そして119番通報など、利用できる支援を活用してよいということ
「自分だけが弱いわけではない」「助けを求めてもいい」と思っていただきながら、今日できる小さな一歩から、心臓を守る行動を始めてみてください。
この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。
本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。
ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。
記事内容に誤りや古い情報が含まれている可能性にお気づきの場合は、お手数ですが運営者情報ページ記載の連絡先までお知らせください。事実関係を確認のうえ、必要な訂正・更新を行います。
参考文献
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日本循環器学会. 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版). https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/11/JCS2018_kimura.pdf (最終アクセス日:2025-11-26)
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小菅雅美ほか. 心筋梗塞二次予防に関するガイドライン. 内科. 2017. https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/3/106_568/_pdf/-char/ja (最終アクセス日:2025-11-26)
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