【子宮筋腫と運動】症状のつらさを和らげる3つのおすすめエクササイズと注意点
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【子宮筋腫と運動】症状のつらさを和らげる3つのおすすめエクササイズと注意点

「生理のたびに出血が多くてぐったりしてしまう」「下腹部の重い痛みや圧迫感がつらい」「できれば手術は避けたいけれど、自分でできることはないのかな」——子宮筋腫と診断された方や、疑いがあって不安を抱えている方の中には、このような悩みを一人で抱えている方も少なくありません。

子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、貧血や強い月経痛、頻尿や便秘など、日常生活に影響する症状が続くことがあります。治療の選択肢としては薬物療法や手術などが挙げられますが、それらに加えて、日々の生活の中でできる「運動」の工夫も、症状の緩和や全身状態の改善に役立つとされています1

もちろん、運動だけで子宮筋腫そのものが消えるわけではありません。しかし、適度な有酸素運動や筋力トレーニング、体幹・骨盤周りを整えるエクササイズなどは、血流やホルモンバランス、体重管理、ストレスの軽減といった面から、子宮筋腫と付き合っていく上での強い味方になり得ます2

本記事では、日本の公的機関や医学会、査読付き論文などの情報をもとに、子宮筋腫と運動の関係をわかりやすく整理しながら、「有酸素運動」「ピラティス・体幹トレーニング」「筋力トレーニング(筋肉量アップ)」という3つの柱を中心に、具体的な取り入れ方や注意点をご紹介します。運動が苦手な方や、どこまで動いてよいのか不安な方でも、今日から少しずつ始められるようなステップもお伝えします。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、日本産科婦人科学会の「産婦人科 診療ガイドライン 婦人科外来編2023」1や、厚生労働省・文部科学省など公的機関が公開している女性の健康・運動に関する資料234、子宮筋腫と運動に関する国内外の解説や研究論文5678など、信頼性の高い一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・自治体・公的研究機関:女性の健康週間の資料や働く女性の健康課題に関する報告書、統計資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています24
  • 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:日本産科婦人科学会、日本理学療法士協会、世界保健機関(WHO)や各種ジャーナルに掲載された研究など、科学的に検証されたエビデンスをもとに要点を整理しています1678
  • 教育機関・医療機関・NPOによる一次資料:女性のライフステージと運動の関係や、骨盤底筋トレーニングなど、実際の生活に役立つ情報源を参考にしています3910

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

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要点まとめ

  • 子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、過多月経や貧血、骨盤の痛み・圧迫感などで日常生活に大きな影響を与えることがあります。治療の基本は医療機関での診断・相談であり、運動はあくまで補助的なサポート手段です1
  • 座りっぱなしで運動量が少ない女性は、子宮筋腫の発症リスクが高くなる可能性があることが報告されています。日本の研究では、余暇の座位時間が長く運動不足の女性でリスクが約2倍になったという結果も示されています5
  • 有酸素運動(ウォーキングなど)・ピラティスやヨガを含む体幹トレーニング・軽めの筋力トレーニングをバランスよく行うことで、血流やホルモンバランス、体重、ストレスの改善が期待され、子宮筋腫による症状のつらさを軽減しやすくなります3678
  • 一方で、強い貧血や激しい腹痛、急激なおなかの張り、失神などの症状がある場合には、運動よりもまず医療機関の受診が優先です。場合によっては救急受診(119番)を検討する必要もあります1
  • 運動が苦手な方でも、1日10〜15分のゆっくりした散歩や、イスに座ったままのストレッチから始めて構いません。体調や月経周期、通院中の治療内容に合わせて、無理のない範囲で「続けられるペース」を見つけることが大切です34

第1部:子宮筋腫の基本と日常生活の見直し

ここでは、まず子宮筋腫の基本的な仕組みと、日常生活の中で見直しやすいポイントについて解説します。専門的な治療や手術の話に入る前に、「座りっぱなしの生活」「運動不足」「体重の増加」といった身近な要因を理解することで、自分の生活を客観的に振り返りやすくなります。

1.1. 子宮筋腫の基本的なメカニズムと運動との関係

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)とは、子宮の筋肉の層にできる良性のこぶのような腫瘍です。子宮の筋肉細胞が一部だけ増えて塊になったもので、がんとは異なり、悪性化はまれとされています1。日本では、30〜40代の女性に比較的多く見られ、閉経前後まで大きさや症状が変化することがあります。

はっきりとした発症原因はまだ分かっていませんが、女性ホルモン(特にエストロゲン)の影響を受けて成長しやすいと考えられています。そのため、エストロゲンの分泌が盛んな年齢で筋腫が大きくなり、閉経後には小さくなることもあります1

一方で、最近の日本の研究では、余暇の時間に座っている時間が1日6時間以上で、かつ運動習慣が少ない女性では、子宮筋腫の発症リスクが約2倍に高まる可能性が示されています5。また、肥満や代謝異常といった生活習慣病と子宮筋腫の関連を示す報告もあり、適切な運動や体重管理が、リスクや症状の悪化を抑える一助になると考えられています49

運動そのものが子宮筋腫を直接「小さくする」と言い切ることはできませんが、有酸素運動や筋力トレーニングによって、血流の改善、インスリン感受性の向上、体脂肪の適正化、ストレスの軽減など、ホルモン環境や全身状態に良い影響をもたらし、結果的に筋腫の進行を緩やかにする可能性があるとされています367

1.2. 悪化させやすいNG習慣と、代わりにできる工夫

子宮筋腫そのものは生活習慣だけで説明できる病気ではありませんが、次のような習慣は症状の悪化やリスクの上昇につながると考えられています。

  • 長時間の座りっぱなし:デスクワークやスマホ操作でほとんど動かない時間が長いと、骨盤まわりの血流が悪くなり、全身の代謝も低下します。日本の研究では、座位時間が長く運動不足の女性で子宮筋腫のリスクが約2倍に高まったと報告されています5
  • 運動習慣の欠如:厚生労働省の女性の健康に関する資料でも、生活習慣病や女性特有の疾患の予防には、適度な有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることが重要とされています24
  • 極端なダイエットや栄養バランスの乱れ:無理な食事制限はホルモンバランスを乱し、月経不順や体調不良につながります。逆に、過度な摂取で体重が増えすぎると、脂肪組織からのホルモン様物質の影響でエストロゲンバランスが崩れやすくなると言われています9
  • 過度の飲酒・喫煙:これらは全身の血管やホルモン環境に悪影響を与え、女性の健康全般にリスクを増やす要因とされています2

すべてを一度に変えようとすると負担が大きくなってしまいます。まずは「1時間に1回は立ち上がる」「エレベーターを1階分だけ階段にする」「週に1〜2回、10〜20分だけ早歩きの散歩をする」といった、小さな行動から始めることが現実的です。

表1:セルフチェックリスト(生活習慣と子宮筋腫のリスク)
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
平日も休日も、1日の大半をイスやソファに座って過ごしている 長時間の座位・運動不足による血流低下や体重増加のリスク5
ここ数年で体重が増え、BMIが25を超えている 肥満によるホルモンバランスの乱れ、生活習慣病リスクの上昇49
生理の量が多く、仕事中も頻繁にナプキンを替えないと不安になる 子宮筋腫や子宮腺筋症などの可能性。婦人科での検査・相談が推奨される状態14
運動をするとすぐに息切れし、階段の昇り降りで胸がドキドキする 運動不足・体力低下、貧血や心肺機能の問題が隠れている可能性13

第2部:身体の内部要因 — ホルモン・栄養・隠れた不調

生活習慣を見直しても症状がなかなか改善しない場合、背景にはホルモンバランスや栄養状態、隠れた病気など、身体の内側の問題が関わっていることがあります。この章では、特に子宮筋腫と関わりの深いホルモンと栄養、貧血について整理します。

2.1. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランスの変化

女性のからだは、思春期・妊娠・出産・更年期などライフステージによって、女性ホルモンの分泌リズムが大きく変化します。日本の公的情報や専門家の解説によると、女性ホルモンは骨や血管、脳、皮膚など全身に影響を与えており、その変動が月経痛やPMS、睡眠の質、気分の変動などにも関わっているとされています29

子宮筋腫は、特にエストロゲンが豊富な30〜40代で見つかることが多く、妊娠・出産を希望する時期と重なることも少なくありません1。また、ホルモン療法による一時的な症状コントロールや、閉経前後のホルモン変動による筋腫の変化など、ライフステージとホルモンの関係は子宮筋腫と切り離せないテーマです。

運動は、体脂肪の量やインスリン感受性、ストレスホルモンなどに影響を与えることで、ホルモン環境全体を整えるサポートになると考えられています。有酸素運動や筋力トレーニングを継続することで、体重や内臓脂肪を適正に保ち、女性ホルモンの過不足による不調を和らげる効果が期待できます36

2.2. 過多月経と鉄欠乏性貧血 — 運動前に確認したいポイント

子宮筋腫があると、月経の出血量が増え、ナプキンを頻繁に替えないと間に合わないほどの過多月経になることがあります。その結果、鉄欠乏性貧血を起こし、「立ちくらみ」「動悸」「息切れ」「疲れやすさ」「顔色が悪い」といった症状が出てくることがあります14

貧血が強い状態で激しい運動を行うと、心臓や肺に負担がかかり、めまいや失神などのリスクが高まります。そのため、以下のようなサインがある場合は、運動量を増やす前に一度婦人科や内科で血液検査を受けることが望ましいとされています1

  • 階段を1〜2階分上がるだけで息切れが強い
  • 少し早歩きするだけで動悸がする
  • 立ち上がるときに目の前が暗くなる・ふらつく
  • 検診で「ヘモグロビン値が低い」と言われたことがある

医師から「貧血がある」と言われている場合でも、主治医と相談しながら、イスに座って行うストレッチや、ゆっくりした散歩など、心拍数が大きく上がりすぎない範囲であれば運動を続けられることもあります。サプリメントや鉄剤の使用、食事での鉄分補給などと合わせて、無理のないペースを一緒に検討していくことが大切です34

第3部:専門的な診断が必要な疾患と、運動の位置づけ

セルフケアや生活習慣の工夫だけでは改善しない場合や、「本当に子宮筋腫だけなのか?」「別の病気が隠れていないか?」という不安がある場合には、専門的な検査や診断が必要になります。この章では、子宮筋腫を中心に、代表的な疾患と運動の関係、受診の目安を整理します。

3.1. 子宮筋腫の診断と治療の概要 — 運動はあくまで補助

日本産科婦人科学会のガイドラインによると、子宮筋腫が疑われる場合には、問診・内診に加えて、経膣超音波検査やMRIなどの画像検査が行われます1。筋腫の数や大きさ、子宮内膜との位置関係によって、症状の出方や治療方針が異なります。

治療方法には、経過観察、薬物療法(ホルモン療法など)、子宮鏡下手術や腹腔鏡手術を含む手術療法などがあり、年齢や症状の程度、妊娠希望の有無などを総合的に考慮して選択されます1。これらの「標準治療」が子宮筋腫対策の中心であり、運動はそれを補う形で位置づけられます。

海外の研究では、子宮筋腫をもつ更年期前後の女性に対して、有酸素運動と筋力トレーニング、ヨガを組み合わせたプログラムを行ったところ、疼痛や生活の質(QOL)、筋力・持久力が改善したという報告があります678。ただし、これらは症状の緩和や全身状態の改善に関する効果であり、「筋腫そのものが必ず小さくなる」と保証するものではありません。

そのため、子宮筋腫の診断を受けた場合は、まず主治医と相談しながら治療方針を決め、そのうえで「どの程度の運動なら安全か」「避けたほうがよい動きはあるか」を確認しながら取り組むのが安心です。特に大きな筋腫がある場合や、手術前後・ホルモン療法中などは、運動の内容に制限が必要になることがあります。

3.2. 子宮筋腫と似た症状を起こす疾患にも注意

過多月経や下腹部痛、腰痛などは子宮筋腫だけでなく、子宮腺筋症や子宮内膜症、まれに子宮体がん・卵巣腫瘍など、他の疾患でも見られる症状です12。運動で一時的に気分が良くなっても、病気そのものが進行している可能性もあるため、「運動しているから大丈夫」と自己判断しすぎないことが大切です。

特に以下のような場合には、運動よりも先に婦人科での精査が推奨されます。

  • 生理の出血量が急に増えた、レバー状の血の塊が大量に出る
  • 下腹部や腰の痛みが突然強くなり、安静にしても治まらない
  • おなかが急に張ってきた・片側だけしこりのように膨らんできた
  • 貧血症状(息切れ・めまい・動悸)が日常生活に支障をきたしている
  • 市販薬を飲んでも痛みがコントロールできない

これらの症状がある場合には、早めに婦人科を受診し、必要な検査を受けておくことで、適切な治療法を選びやすくなります。突然の激しい腹痛や冷汗、意識が遠のくような感覚があるときは、救急車(119番)を呼ぶこともためらわないでください。

第4部:今日から始める改善アクションプラン — 3つの運動で子宮筋腫と上手に付き合う

ここからは、子宮筋腫のある方が日常生活の中で取り入れやすい「3つの運動」を中心に、レベル別のアクションプランをご紹介します。いずれも、「痛みが強いときは無理をしない」「出血が多い日は強度を下げる」「貧血がある場合は主治医と相談する」といった基本ルールを守りながら、少しずつ続けていくことがポイントです。

表2:改善アクションプラン — レベル別の取り入れ方
ステップ アクション 具体例
Level 1:今夜からできること 座りっぱなしを減らし、ゆるやかな有酸素運動とストレッチを取り入れる 1時間に1回立ち上がって3分だけ歩く/就寝前に5分の深呼吸と軽いストレッチ/エレベーターの1階分だけ階段にする など
Level 2:今週末から試したいこと 週2〜3回のウォーキングと、やさしいピラティス・ヨガを組み合わせる 休日に20〜30分の早歩き散歩/オンライン動画や教室で初心者向けピラティスやヨガを30分程度行う(おなかを強く圧迫するポーズは避ける)
Level 3:1〜3か月かけて目指すこと 有酸素運動+筋力トレーニング(筋肉量アップ)を習慣化する 週3〜5回、1回30分程度の有酸素運動に加え、週2回程度の軽い筋トレ(スクワット、ヒップリフト、ゴムバンドを使ったエクササイズなど)を取り入れる36

4.1. 有酸素運動(ウォーキング・自転車・水中ウォーキングなど)

有酸素運動とは、ある程度長い時間続けられる、比較的軽〜中等度の強さの運動を指します。代表的なものとして、ウォーキング、自転車(エアロバイクを含む)、水中ウォーキング、軽いジョギング、ダンスなどがあります。

日本の公的資料や運動ガイドによると、健康づくりのためには、少なくとも週に150分程度の中等度の有酸素運動(やや息が弾む程度)を目標とすることが推奨されています34。子宮筋腫のある方の場合も、体調や貧血の有無に応じて、この目標を参考にしながら、無理のない範囲で少しずつ時間を伸ばしていくとよいでしょう。

海外の情報でも、ウォーキングや軽いジョギング、自転車などの有酸素運動が、体重管理や血流改善、炎症の軽減に役立ち、子宮筋腫による痛みや不快感の対策として推奨されています67。特に、更年期前後の女性を対象とした研究では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、心血管機能や生活の質が改善したという報告があります6

最初の目安としては、「会話はできるが少し息が弾む」程度の強さで、1回10〜20分からスタートし、慣れてきたら30分前後まで伸ばしていくのが現実的です。生理中や出血が多い日は、時間や強度を半分に減らしたり、室内でのゆっくり歩きに切り替えたりして調整しましょう。

4.2. ピラティス・ヨガ・体幹トレーニング — 骨盤まわりと姿勢を整える

ピラティスやヨガ、やさしい体幹トレーニングは、骨盤まわりやおなか、背中の深い筋肉(インナーマッスル)を鍛えながら、呼吸や姿勢を整えることを目指すエクササイズです。子宮筋腫のある方にとっては、骨盤周囲の血流改善や、腰痛・姿勢の崩れによる負担軽減につながる可能性があります39

近年のケース報告や小規模な研究では、ヨガとピラティスを組み合わせたプログラムを行うことで、子宮筋腫を持つ女性の筋力・持久力・日常生活動作のしやすさ、生活の質が改善したという結果も報告されています8。また、ストレス軽減や睡眠の質の改善といった面でも良い影響が期待されています。

ただし、強い腹筋運動や、おなかを強く圧迫するようなポーズ、急激な体勢の変化は、痛みや違和感を悪化させることがあります。初めての方は、以下のようなポイントに注意しながら取り組むと安心です。

  • 痛みや出血が少ない日を選び、20〜30分程度から始める
  • 「骨盤底筋をやさしく引き上げる」「背骨をゆっくり伸ばす」といった、呼吸と連動した動きを大切にする
  • 「おなかを強くねじる」「長時間うつ伏せになる」「息を止めて力む」動きは、最初は避ける
  • ピラティスやヨガのインストラクターがいる場合は、「子宮筋腫がある」「貧血気味である」ことを事前に伝える

文部科学省が公開している女子・女性のための運動ガイドでも、骨盤底筋トレーニングや体幹を整える運動を継続することの重要性が強調されています3。自己流で不安がある場合は、婦人科と連携しているフィットネスプログラムや、理学療法士が関わる運動教室を利用するのもよいでしょう9

4.3. 筋力トレーニング(筋肉量アップ) — 「ムキムキ」ではなく「しなやかな筋肉」を目指す

筋力トレーニングというと、「重いダンベルを持ち上げる」「ムキムキの筋肉をつける」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、子宮筋腫のある女性が目指したいのは、日常生活を楽にし、骨や関節を守るための「しなやかな筋肉」です。

日本の女性の健康に関する資料でも、加齢とともに骨密度や筋肉量が減少しやすくなるため、適度な筋力トレーニングを習慣化することが推奨されています39。特に下半身や体幹の筋力を保つことは、骨盤や腰回りを支え、子宮筋腫による重さや圧迫感を和らげるうえでも重要です。

海外の情報でも、子宮筋腫のある女性に対して、有酸素運動とあわせて軽〜中等度の抵抗トレーニング(スクワット、ゴムバンドを使ったエクササイズなど)を行うことで、血流の改善や体組成の改善、痛みの軽減に役立つ可能性が示されています67

具体的なメニューの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • イスを使ったスクワット:イスからゆっくり立ち上がり、また座る動作を10回×2セット
  • ヒップリフト:仰向けに寝て膝を立て、おしりをゆっくり持ち上げて5秒キープ×10回
  • ゴムバンドを使った足の外側・内側のトレーニング:椅子に座って足首にバンドを巻き、ゆっくり開いたり閉じたりする動きを10回×2セット

いずれも、「呼吸を止めない」「痛みが出る範囲では無理をしない」「生理中や体調が悪い日は回数やセット数を減らす」といったポイントを守ることが大切です。週2回程度から始め、慣れてきたら回数やセット数を少しずつ増やしていきましょう。

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

最後に、子宮筋腫と運動に関して「どのタイミングで医療機関に相談すべきか」「どの診療科を選べばよいか」「診察のときにどんな情報を伝えるとよいか」を整理します。運動はあくまでサポートであり、自己判断で我慢しすぎないことが、長期的な健康を守るうえでとても大切です。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 生理の出血量が明らかに増え、ナプキンやタンポンを1時間おきに替えても間に合わない
  • レバー状の血の塊が大量に出る状態が続く
  • 突然の激しい下腹部痛や腰痛があり、動けないほどつらい
  • 息切れ・動悸・めまい・立ちくらみが強く、日常生活に支障が出ている
  • おなかの張りやしこりが急に大きくなったように感じる

これらの症状がある場合は、できるだけ早く婦人科を受診しましょう。特に、激しい痛みや大量出血、意識が遠のくような症状がある場合は、救急車(119番)を呼ぶなど、緊急対応が必要になることもあります1。こうした状況では、運動よりもまず安全の確保と適切な医療が最優先です。

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • 過多月経・月経痛・不正出血が主な症状の場合:婦人科(レディースクリニックや総合病院の婦人科)を第一の窓口にするのが一般的です1
  • 貧血症状(息切れ・動悸・疲れやすさ)が強い場合:婦人科とあわせて、内科や血液内科での検査が必要になることがあります4
  • 腰痛や骨盤まわりのコリ・姿勢の悪さが気になる場合:婦人科で大きな病気がないと確認されたうえで、整形外科や理学療法士による運動指導を受けることも選択肢になります9

日本では、健康保険証を持参することで、原則3割負担で診察・検査を受けることができます(高齢者や収入状況によって負担割合が異なる場合があります)。初診の際には、月経や症状の記録、お薬手帳などを持っていくと、診察がスムーズになります。

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 月経カレンダー・症状メモ:生理の開始日・終了日、出血量(ナプキンの交換頻度など)、痛みの程度、貧血症状の有無をメモしておくと、診断の助けになります。
  • 運動習慣のメモ:週に何回、どのくらいの時間、どのような運動をしているかを簡単にまとめておくと、「どこまで運動を続けてよいか」「どんな運動を追加できるか」を医師と相談しやすくなります。
  • お薬手帳・サプリメントの情報:鉄剤やホルモン剤、鎮痛薬、市販のサプリメントなど、服用しているものはすべて伝えましょう。
  • 費用の目安:初診料+超音波検査+血液検査などで、保険3割負担の場合、数千円〜1万円台前半になることが多いとされていますが、検査内容や医療機関によって異なります。事前に医療機関の案内やホームページを確認しておくと安心です。

よくある質問

Q1: 子宮筋腫は運動で小さくなりますか?

A1: 現時点の医学的な知見では、「運動だけで子宮筋腫そのものが確実に小さくなる」とまでは言えません。ただし、適度な有酸素運動や筋力トレーニングによって体重や体脂肪を適正に保ち、血流やホルモンバランス、ストレス状態を整えることで、筋腫の進行を緩やかにしたり、痛みや圧迫感、倦怠感などの症状を和らげたりする効果が期待されています367

海外の研究や臨床報告でも、有酸素運動と抵抗トレーニング、ヨガを組み合わせたプログラムが、更年期前後の女性の生活の質や体力を改善したという結果が報告されています68。そのため、「筋腫を消すための運動」というよりは、「筋腫と付き合いながら体調を整えるための運動」と考えるのが現実的です。

Q2: 生理中や出血が多いときも運動して大丈夫ですか?

A2: 出血量や体調によって対応が変わります。出血がそれほど多くなく、痛みもコントロールできている場合には、ゆっくりとした散歩やストレッチなど、軽い運動であれば続けられることもあります。一方で、ナプキンを1〜2時間ごとに替えないと間に合わないほどの過多月経や、強い痛み、めまい・息切れなどがある場合には、運動は一旦休み、まずは婦人科での診察を優先してください14

貧血がある状態で激しい運動を続けると、心臓や肺に負担がかかり、失神などのリスクが高まります。生理中の過ごし方について不安がある場合は、主治医に「どの程度の運動なら続けてよいか」を確認しておくと安心です。

Q3: スクワットや腹筋運動は子宮筋腫に悪影響はありませんか?

A3: 一般的に、適度なスクワットや体幹トレーニングは、下半身や骨盤周囲の筋肉を鍛え、姿勢を整えるうえで役立ちます。ただし、大きな筋腫がある場合や、強い痛み・圧迫感がある場合に、重い負荷をかけたスクワットや激しい腹筋運動を行うと、違和感や痛みが増すことがあります16

最初は、イスを使った浅めのスクワットや、ゆるやかなヒップリフトなど、負荷が軽めのエクササイズから始めましょう。運動中に痛みや出血が増える場合は、その動きは避け、主治医や運動指導の専門家に相談することをおすすめします。

Q4: ピラティスやヨガをするときに注意することはありますか?

A4: ピラティスやヨガは、呼吸とともに体幹や骨盤まわりの筋肉を整えるのに役立ちますが、子宮筋腫がある場合は、いくつかの注意点があります。例えば、腹部を強く圧迫するポーズ、息を止めて力む動き、長時間うつ伏せになるポーズなどは、痛みや違和感を悪化させることがあります38

クラスや動画でエクササイズを行う際には、「子宮筋腫がある」「貧血気味である」ことをインストラクターに伝え、無理のない範囲でポーズを調整してもらいましょう。また、具合が悪くなった場合にはすぐに中止し、必要に応じて医療機関に相談してください。

Q5: どのくらいの頻度・時間を目標に運動すればよいですか?

A5: 文部科学省や厚生労働省の資料では、健康づくりの目安として、週150分程度の中等度の有酸素運動(やや息が弾む程度)と、週2回程度の筋力トレーニングを組み合わせることが推奨されています34。子宮筋腫のある方の場合も、この目標を参考にしつつ、体調や貧血の状態に合わせて調整するとよいでしょう。

運動習慣があまりない場合は、まずは「1日10〜15分のウォーキングを週3回」から始め、慣れてきたら時間や回数を少しずつ増やす方法がおすすめです。運動後に極端な疲労感やめまい、強い痛みが出る場合には、負荷が強すぎる可能性があるため、主治医に相談しながら調整してください。

Q6: 妊娠希望や妊娠中でも運動をして大丈夫ですか?

A6: 妊娠を希望している、または妊娠中に子宮筋腫がある場合、運動の内容や強度にはより慎重な配慮が必要です。一般的には、妊娠前から行っている軽めの運動であれば、医師の許可のもとで継続できることもありますが、筋腫の大きさや位置、妊娠経過によって「避けるべき動き」や「安静が必要な時期」が変わってきます1

必ず産婦人科の主治医に、「どの程度の運動なら続けてよいか」「控えたほうがよい動きは何か」を確認したうえで取り組んでください。妊娠中におなかの張りや出血、痛みがある場合は、自己判断で運動を継続せず、すぐに受診することが大切です。

Q7: 運動をしても症状があまり変わらない場合、どうすればよいですか?

A7: 運動はあくまで「補助的なサポート」であり、すべての症状が短期間で改善するわけではありません。数週間〜数か月続けても痛みや過多月経、貧血などが改善しない場合や、むしろ悪化していると感じる場合には、運動内容だけでなく、治療方針そのものを見直す必要があるかもしれません16

そのようなときは、運動を中止するのではなく、「どのタイミングでどのような運動をしたときに、どんな症状が出たのか」をメモして、婦人科やかかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて、薬物療法や手術療法などの選択肢を含めて、総合的な治療計画を立てることが大切です。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

子宮筋腫は、多くの女性が経験しうる身近な疾患でありながら、過多月経や貧血、痛みや圧迫感など、日常生活に大きな影響を与えることがあります。その一方で、適切な診断と治療、そして生活習慣や運動の工夫によって、症状と上手に付き合いながら、自分らしい生活を続けていくことも十分に可能です。

本記事でご紹介した「有酸素運動」「ピラティス・体幹トレーニング」「筋力トレーニング」の3つの柱は、子宮筋腫そのものを「消す」魔法ではありませんが、血流やホルモンバランス、体重、ストレス、筋力など、からだ全体の状態を整えるための有力な味方です。運動が苦手な方や忙しい方でも、1日10分の散歩やイスに座ったストレッチから始めることができます。

大切なのは、「我慢して動かない」か「無理をして頑張り過ぎる」かの二択ではなく、自分の体調やライフスタイル、医師からの指示に合わせて、「ちょうどよいペース」を見つけていくことです。気になる症状があるときや、運動をしていて不安を感じるときは、一人で抱え込まず、婦人科やかかりつけ医、理学療法士などの専門家に遠慮なく相談してください。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。特に子宮筋腫のような女性のライフステージや妊娠にも関わるテーマについては、日本のガイドラインや公的機関の資料を優先的に参照し、日本に住む方々の現実の生活に即した形で情報を整理することを重視しています124

本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

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免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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  10. 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ. 現代女性の健康を応援する情報サイト. 厚生労働省研究班監修. https://w-health.jp/(最終アクセス日:2025-11-26)

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