この記事の科学的根拠
この記事は、引用元として明記された最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下は、参照された実際の情報源の一部と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したものです。
- 日本産科婦人科学会 (JSOG): 本記事における子宮内膜ポリープおよび子宮頸管ポリープの基本的な定義、診断、治療に関する指針は、日本産科婦人科学会が発行する「産婦人科診療ガイドライン」に基づいています2。
- メイヨー・クリニック (Mayo Clinic): 不正出血や不妊といった症状、経腟超音波検査や子宮鏡検査などの診断プロセス、経過観察や外科的治療といった治療選択肢に関する解説は、世界的に権威のあるメイヨー・クリニックの公開情報を参考にしています34。
- Human Reproduction誌の研究 (2024): ビタミンD欠乏が子宮内膜ポリープのリスク因子である可能性に関する最新の知見は、権威ある医学雑誌『Human Reproduction』に2024年に掲載された大規模研究に基づいています5。
- 米国産科婦人科学会 (ACOG): 子宮鏡下での診断・治療の優位性に関する記述は、米国産科婦人科学会の委員会意見書で示された推奨事項を反映しています6。
要点まとめ
- 子宮内膜ポリープは子宮の内部にできる良性のできもので、主な原因は女性ホルモンの影響と考えられています。40代から閉経期に最も多く見られます。
- 最も一般的な症状は不正出血(月経以外の出血、過多月経など)ですが、不妊の原因となることもあります。一方で、全く症状がない場合も少なくありません。
- 診断のゴールドスタンダード(最も信頼性の高い基準)は、子宮内部を直接カメラで観察する「子宮鏡検査」です。
- 治療法は症状や大きさ、妊娠希望の有無によって異なり、無症状で小さければ「経過観察」、症状があれば「子宮鏡下手術」が標準治療です。
- ポリープが悪性である可能性は低いですが(特に閉経前)、ゼロではないため、切除した場合は必ず病理検査で確定診断を行います。
- 近年の研究では、ビタミンDの欠乏が子宮内膜ポリープの発生リスクと関連している可能性が示唆されています5。
第1章:子宮内膜ポリープを理解する:基本の知識
1.1. 子宮内膜ポリープの正体とは?(基本的な定義)
子宮内膜ポリープとは、子宮の内側を覆っている「子宮内膜」という組織が、局所的に異常増殖してキノコのように内腔に突き出た「できもの」です7。その組織は、正常な子宮内膜と同様に、子宮内膜腺、間質、そして栄養を供給する血管から構成されています8。ポリープの見た目や数は様々です。1つだけできる場合(単発性)もあれば、複数できる場合(多発性)もあります。大きさも、ゴマ粒ほどの数ミリメートルのものから、ゴルフボール大の数センチメートルに及ぶものまで多岐にわたります7。形状は、細い茎でぶら下がっている「有茎性(ゆうけいせい)」のものと、茎がなく根本が広い「無茎性(むけいせい)」または「亜有茎性(あゆうけいせい)」のものがあります9。通常、ポリープは子宮の内部に留まっていますが、稀に茎が伸びて子宮の出口(子宮頸管)から腟内にまで垂れ下がってくることもあります7。子宮内膜ポリープは決して珍しい病気ではありません。あらゆる年齢層の女性に発生する可能性がありますが、特に40歳代から49歳にかけての閉経移行期や、閉経後の女性に最も多く見られます7。日本の成人女性における有病率は2〜5%程度と報告されています10。
1.2. 重要な違い:子宮内膜ポリープ、子宮頸管ポリープ、子宮筋腫
「子宮にできものができた」と聞くと、これら3つの病気を混同しがちですが、発生場所、組織、症状が全く異なります。この違いを理解することは、ご自身の状態を正しく把握し、不要な不安を解消するために非常に重要です。これら3つの違いを明確にするため、以下の表にまとめました。
特徴 | 子宮内膜ポリープ | 子宮頸管ポリープ | 子宮筋腫 |
---|---|---|---|
発生場所 | 子宮の内部(子宮体部内腔) | 子宮の出口(子宮頸部) | 子宮の筋肉層の中 |
組織の種類 | 子宮内膜の腺と間質 | 子宮頸管の粘膜 | 平滑筋という筋肉細胞 |
主な症状 | 不正出血、過多月経、不妊7 | 無症状、接触出血(性交後など)1 | 過多月経、月経痛、貧血、圧迫症状11 |
がんの可能性 | 低いが存在する(特に閉経後)12 | 極めて稀(約0.1%)13 | 悪性(肉腫)は非常に稀 |
主な検査法 | 経腟超音波検査、子宮鏡検査 | 内診(視診) | 経腟超音波検査、MRI検査 |
この表からわかるように、これらの病気は似て非なるものです。正確な診断を下すためには、産婦人科専門医による診察と適切な検査が不可欠です。
1.3. 原因とリスク因子:ホルモンと生活習慣の役割
子宮内膜ポリープが発生する正確なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、女性ホルモン、特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が深く関与していると考えられています9。エストロゲンには子宮内膜を厚く増殖させる働きがあります。このエストロゲンの作用が過剰になったり、その働きを調整するプロゲステロン(黄体ホルモン)とのバランスが崩れたりすると、子宮内膜が局所的に過剰に増殖し、ポリープが形成されると考えられています9。このホルモンバランスの乱れに関連する、確立されたリスク因子には以下のものがあります。
- 年齢: エストロゲンの影響を長期間受けるため、40歳代から閉経周辺期にかけて発症のピークを迎えます7。
- 肥満: 脂肪細胞からもエストロゲンが産生されるため、肥満の方は体内のエストロゲンレベルが高くなり、危険性が増加します8。
- 高血圧: 高血圧もポリープの危険因子として報告されています14。
- タモキシフェンの服用: 乳がんの治療薬であるタモキシフェンは、乳腺に対してはエストロゲンの働きを抑えますが、子宮内膜に対しては逆にエストロゲンのように作用します。そのため、この薬を服用している女性はポリープの発生率が20〜36%と著しく高く、ポリープ内の悪性変化の危険性も高まることが知られています1。
- ホルモン補充療法(HRT): 閉経後の症状緩和のために行われるHRTも、ポリープ形成の一因となる可能性があります9。
- 遺伝的要因: 特定の染色体領域(6p21-22, 12q13-15など)の再編成がポリープの発生に関与していることが示唆されています14。
1.4. 最新の研究:ビタミンD欠乏との関連性
従来の確立された危険因子に加え、近年の研究は新たな可能性を提示しています。権威ある医学雑誌 Human Reproduction に2024年に発表された画期的な研究は、血清ビタミンD濃度と子宮内膜ポリープの発生率との間に重要な関連があることを明らかにしました5。不妊治療中の女性3,107名を対象としたこの大規模な研究では、ビタミンDが欠乏している女性(血清25(OH)D濃度が 50 nmol/L 未満)は、欠乏していない女性に比べて、子宮内膜ポリープの発生率が有意に高かった(24.9% 対 19.3%)ことが示されました515。この結果は、ビタミンD欠乏がポリープの独立した危険因子である可能性を示唆しています。背景には、ビタミンDが骨の健康だけでなく、免疫機能の調節、抗炎症作用、細胞の増殖や分化の制御といった、子宮内膜の健康維持に重要な役割を担っていることが考えられます5。ビタミンDが不足するとこれらの機能が乱れ、ポリープが発生しやすい状態になるのではないかと推測されています。ただし、科学的に正確を期すために強調すべきは、この研究が示したのは「相関関係」であり、直接的な「因果関係」を証明したものではないという点です。つまり、「ビタミンD欠乏がポリープを引き起こす」と断定するには、さらなる研究が必要です。しかし、この発見は非常に重要です。なぜなら、ビタミンD濃度は生活習慣の改善や補給剤の摂取によって改善可能な因子だからです。適切なビタミンD濃度を維持することは、全体的な健康、そして健康な子宮環境を保つ上で有益であると考えられます。ご自身の状態について不安がある場合は、医師に相談することをお勧めします。
第2章:サインを見逃さない:症状と受診のタイミング
2.1. 症状のスペクトラム:不正出血から不妊まで
子宮内膜ポリープの症状は多岐にわたりますが、最も一般的なものは不正子宮出血です8。これは様々な形で現れます。
- 月経中間期出血: 月経と月経の間に起こる出血や、おりものに血が混じる「点状出血」7。
- 不規則な月経: 月経周期が乱れたり、出血量が毎回異なったりする7。
- 過多月経: 月経時の出血量が異常に多くなる状態。レバーのような血の塊が頻繁に出たり、昼間でも夜用のナプキンが必要になったりします8。
- 過長月経: 月経がだらだらと8日以上続く16。
- 閉経後の出血: 閉経後に見られるいかなる性器出血も、ポリープを含む子宮体がんなどの重大な病気のサインである可能性があり、直ちに婦人科を受診する必要があります7。
不正出血以外に、もう一つの重要な症状が不妊です。ポリープは、精子の通過を物理的に妨げたり、受精卵の着床を阻害したり、子宮内に慢性的な炎症を引き起こして着床に適さない環境を作ったりすることで、妊娠の妨げとなることがあります7。実際に、不妊に悩む女性は一般の女性に比べて子宮内膜ポリープの有病率が高いことが報告されています17。その他、稀ではありますが、水っぽいおりものの増加や、月経痛の悪化といった症状が見られることもあります14。
2.2. 無症状のポリープ:症状が全くない場合
重要なことは、子宮内膜ポリープを持つ女性の多くは、全く症状がないということです8。特に小さなポリープの場合は無症状であることが多く、会社の健康診断や人間ドック、あるいは他の理由で受けた婦人科の超音波検査で偶然発見されるケースが少なくありません14。特に閉経後の女性では、ポリープがあっても最大で75%が無症状であるという報告もあります12。症状がないからといって問題がないわけではなく、特に閉経後は悪性の危険性を考慮する必要があるため、偶然発見された場合でも専門医の評価を受けることが重要です。
2.3. 明確なガイダンス:婦人科を受診すべき時
ご自身の症状が受診を必要とするものか判断に迷うこともあるでしょう。以下に示す「危険信号」に一つでも当てはまる場合は、ためらわずに産婦人科を受診してください。
- 閉経したはずなのに、性器から出血があった7。
- 月経以外の時期に出血がある、または茶色いおりものが続く7。
- 月経の量が急に増えた、または月経が長く続くようになった16。
- 1年以上(35歳以上の場合は半年以上)避妊せずに性交渉を行っているにもかかわらず、妊娠に至らない7。
- 健康診断などで「子宮内膜ポリープの疑い」や「子宮内膜の肥厚」を指摘された18。
これらの症状は、子宮内膜ポリープだけでなく、他の婦人科疾患のサインである可能性もあります。早期発見・早期治療が、健康を守る上で最も重要です。
第3章:診断のプロセス:医師はどのようにポリープを確定するか
子宮内膜ポリープの診断は、単一の検査で完結するものではなく、いくつかのステップを経て、より確実性の高い情報へと絞り込んでいくプロセスです。この論理的な流れを理解することは、それぞれの検査の目的と重要性を把握する助けとなります。
3.1. 初期評価:経腟超音波検査の役割
ほとんどの場合、診断の第一歩となるのが経腟超音波(エコー)検査です4。これは、細い棒状の器具(プローブ)を腟内に挿入し、超音波を使って子宮や卵巣の状態をモニターに映し出す検査です4。この検査で、子宮内膜ポリープは、子宮内膜が局所的に白っぽく厚く見える像(高輝度像)として観察されます4。この検査の精度を最大限に高めるためには、検査のタイミングが重要です。月経が終わった直後は内膜が最も薄い時期にあたり、この時期に検査を行うことで、正常な内膜との対比が明確になり、ポリープをより発見しやすくなります13。
3.2. 精密画像診断:ソノヒステログラフィーと「ゴールドスタンダード」の子宮鏡検査
経腟超音波検査でポリープが疑われた場合、より詳細な情報を得るために、さらに進んだ画像診断が行われます。
ソノヒステログラフィー
これは、超音波検査の応用版で、子宮通水超音波検査とも呼ばれます。細いカテーテルを使って子宮の中に滅菌された生理食塩水を少量注入しながら、経腟超音波検査を行います9。この検査の最大の利点は、注入された液体が風船のように子宮内腔を広げることで、ポリープの輪郭がくっきりと浮かび上がることです4。これにより、通常の超音波検査では見えにくかったポリープの正確な大きさ、数、形状、そして発生部位を非常に高い精度で評価することができます19。
子宮鏡検査
子宮鏡検査は、子宮内膜ポリープの診断における「ゴールドスタンダード(最も信頼性の高い基準)」とされています14。これは、先端にカメラが付いた非常に細い内視鏡(子宮鏡)を、子宮の入り口から挿入し、子宮の内部を直接モニター画面で観察する検査です4。超音波が「影」を見る検査であるのに対し、子宮鏡検査は「実物」を直接目で見る検査です。そのため、ポリープの存在を視覚的に確定診断できる最も確実な方法です19。ポリープの表面の血管の状態や色調なども詳細に観察でき、悪性を疑う所見がないかどうかの評価にも役立ちます。
3.3. 最終的な確定診断:組織生検が不可欠な理由
画像診断でポリープの存在がほぼ確実になったとしても、最終的な確定診断を下すためには、採取した組織を顕微鏡で調べる病理組織学的検査(生検)が絶対に必要です8。これが不可欠な理由は2つあります。第一に、その「できもの」が本当に子宮内膜ポリープであることを100%確定するため。第二に、そしてこれが最も重要な目的ですが、ポリープの中に、がんの前段階である異型内膜増殖症や、子宮体がんの細胞が隠れていないかを調べる唯一の方法だからです12。組織のサンプルは、通常、子宮鏡検査の際にポリープの一部を採取する、あるいはポリープ全体を切除することによって得られます12。ここで、患者さん自身が知っておくべき非常に重要な点があります。かつて行われていた、子宮鏡を使わずに手探りで子宮内を掻き出す子宮内膜掻爬(そうは)術は、ポリープの診断や治療にはもはや推奨されていません8。その理由は、見えないものを手探りで処置するため、ポリープを完全に取り逃がしたり、一部しか取れずに不完全な診断や治療に終わったりする危険性が非常に高いからです8。米国産科婦人科学会(ACOG)などの世界的なガイドラインは、子宮鏡で直接観察しながら処置を行うことの優位性を明確に示しています6。この知識は、患者さんが医師と話し合う際に、「この処置は子宮鏡を使って行われますか?」と質問するための力となります。
第4章:治療の選択肢ガイド
子宮内膜ポリープの治療方針は、一律ではありません。ポリープの大きさ、症状の有無、年齢、妊娠希望の有無、そして悪性の危険性などを総合的に評価し、患者さん一人ひとりに最適な方法が選択されます20。
4.1. 経過観察:治療をせずに様子を見るという選択
すべてのポリープが直ちに治療を必要とするわけではありません20。特定の条件下では、「経過観察」が最も適切な選択肢となります。主なケースとして、不正出血などの症状が全くない、ポリープが小さい(一般的に直径10mmから15mm未満)、そして閉経前でがんの危険性が低い場合が挙げられます46。ある研究では、閉経前の女性の小さなポリープの約25〜29%が1年以内に自然に消失したと報告されています9。経過観察中は、3ヶ月〜1年に1回程度の定期的な超音波検査で、ポリープの状態を確認します9。
4.2. 外科的切除:標準治療としての「子宮鏡下ポリープ切除術」
現在、子宮内膜ポリープに対する最も効果的で標準的な治療法は、子宮鏡下ポリープ切除術です14。手術が推奨されるのは、不正出血や過多月経などによって生活の質が低下している、不妊の原因となっている、閉経後である、ポリープが大きい(直径1.5cm〜2cm以上)、または他に子宮体がんの危険因子を持つといった場合です8919。この手術は、子宮鏡を子宮内に挿入し、モニターで内部を見ながら特殊な器具でポリープを根本から正確に切除する方法です1。お腹を切る必要がなく、体への負担が少ないのが特徴で、多くの場合、日帰りまたは短期入院で行われます18。切除されたポリープは、必ず病理検査に提出され、良性か悪性かの最終診断が下されます9。
4.3. 薬物療法の役割:症状に対する一時的な解決策
ホルモン剤(プロゲスチンやGnRHアゴニストなど)を用いた薬物療法が、ポリープを縮小させたり、不正出血などの症状を一時的に軽減させたりするために用いられることがあります4。しかし、これはあくまで一時的な対症療法です。薬の服用を中止すると、多くの場合、ポリープは元の大きさに戻り、症状も再発します4。そのため、薬物療法は根本的な治療法とは考えられておらず、手術が困難な場合や、手術までの待機期間中の症状緩和など、限定的な状況で用いられます9。
4.4. 手術後の実際:回復、フォローアップ、そして日本での費用
手術を受けるにあたり、術後の経過や費用は大きな関心事です。手術後は、軽い下腹部痛や少量の出血が数日間続くことがありますが、すぐに日常生活に戻れます1。感染予防のため、一定期間(通常1〜2週間程度)は性交渉や激しい運動、入浴を控える必要があります18。後日、外来で病理検査の結果説明を受け、治癒状態を確認します13。子宮鏡下ポリープ切除術は、日本の公的医療保険が適用されます18。診療報酬点数表では「K695-2 子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術」などが該当します21。患者さんの自己負担額(3割負担の場合)は、施設の規模や内容により異なりますが、目安として日帰りで1万5千円程度から、短期入院で5万円〜15万円程度です18。高額療養費制度の対象となる場合もあります。
第5章:皆様の主な懸念にお答えします:専門医によるQ&A
Q1:がんの可能性はどのくらいありますか?
Q2:ポリープは妊娠や不妊にどう影響しますか?
Q3:ポリープは切除しても再発しますか?
Q4:診察の際に、医師にどのような質問をすべきですか?
- 「私の症状の原因は何だと考えられますか?」
- 「これからどのような検査が必要ですか?その検査で何がわかりますか?」
- 「私の年齢や症状、ポリープの大きさから考えて、がんの可能性はどのくらいありますか?」
- 「先生は【治療法名】を推奨されていますが、なぜそれが私にとって最善の選択肢なのか、理由を教えていただけますか?」
- 「もし手術が必要な場合、その手術は子宮鏡を使って行われますか?」
- 「このポリープ(またはその治療)は、私の将来の妊娠にどのような影響を与えますか?」
これらの質問をすることで、ご自身の状態への理解が深まり、医師と協力して最善の道を選ぶことができます。
結論
本記事を通じて、子宮内膜ポリープが決して稀な病気ではなく、そのほとんどが良性であり、非常に効果的な治療法が確立されていることをご理解いただけたかと思います。重要なことは、日本の診断・治療基準は、世界的な最良の実践と歩調を合わせており、質の高い医療が提供されているということです13。最も大切なメッセージは、不正出血などの体のサインを無視せず、専門家である産婦人科医に相談することです。ご自身の状態を正しく理解することは、医師と協力して情報に基づいた意思決定を行い、健康への第一歩を踏み出すための最も強力な力となります。
本記事は情報提供を目的としたものであり、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。
参考文献
- 松本レディースクリニック. 子宮ポリープとは?子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープの治療… [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://www.matsumoto-ladies.com/columns/7505/
- 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023 [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf
- Mayo Clinic. Uterine polyps – Symptoms & causes [Internet]. [cited 2025 Jul 9]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/uterine-polyps/symptoms-causes/syc-20378709
- Mayo Clinic. Uterine polyps – Diagnosis & treatment [Internet]. [cited 2025 Jul 9]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/uterine-polyps/diagnosis-treatment/drc-20378713
- Zhou R, Yang Y, Zhang X, Zhang Y, Wang Y, Tao Y. Nonlinear correlation between serum vitamin D levels and the incidence of endometrial polyps in infertile women. Hum Reprod. 2024;39(12):2685-2692. doi:10.1093/humrep/deae224. Available from: https://academic.oup.com/humrep/article-abstract/39/12/2685/7848639
- American College of Obstetricians and Gynecologists. ACOG Committee Opinion No. 800: The Use of Hysteroscopy for the Diagnosis and Treatment of Intrauterine Pathology. Obstet Gynecol. 2020;135(3):e138-e148.
- Uterine polyps – Symptoms & causes – Mayo Clinic. 上記参照.
- Dreisler E, Stampe Sorensen S, Ibsen PH, Lose G. Endometrial polyps and the risk of malignancy in women with postmenopausal bleeding: a systematic review and meta-analysis. Gynaecological endoscopy. 2009;18:18-23.
- Salim S, Won H, Nesbitt-Hawes E, Campbell N, Abbott J. Diagnosis and Management of Endometrial Polyps: A Critical Review of the Literature. J Minim Invasive Gynecol. 2011;18(5):569-81. doi:10.1016/j.jmig.2011.05.018. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK557824/
- 杏林製薬. 2)個々の症例で切除の要否を判断する [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=64/9/06409N0182.pdf
- トーチクリニック. 子宮内膜ポリープとは?原因や症状、悪性だった場合におこなう… [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://www.torch.clinic/contents/1656
- Nappi L, Indraccolo U, Di Spiezio Sardo A, Greco E, Bifulco G. Endometrial Polyps: A Review. ResearchGate [Internet]. 2014 [cited 2025 Jul 9]. Available from: https://www.researchgate.net/publication/239462098_Endometrial_Polyps_A_Review
- 日本産婦人科医会. (1)Polyps:子宮頸管ポリープ,子宮内膜ポリープ [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%881%EF%BC%89polyps%EF%BC%9A%E5%AD%90%E5%AE%AE%E9%A0%B8%E7%AE%A1%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%97%EF%BC%8C%E5%AD%90%E5%AE%AE%E5%86%85%E8%86%9C%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%97/
- NFOG. Endometrial polyps [Internet]. 2016 [cited 2025 Jul 9]. Available from: http://www.nfog.org/files/guidelines/NFOG_Guideline_NOR_160419%20Endometrial%20polyp%20NO%20merged.pdf
- 亀田IVFクリニック幕張. 子宮内膜ポリープとビタミンD濃度との関連(Hum Reprod. 2024…) [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://medical.kameda.com/ivf/blog/post_1381.html
- 明日の私へ, an an.. 子宮内膜ポリープと診断されたら?知っておくべき症状・治療… [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://asitano.jp/article/3379
- レディースクリニック原宿. 子宮内膜ポリープは妊娠に影響がある?不妊症との関係は? [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://www.ladies-clinic-harajuku.com/blog/endometrial-polyp-pregnancy/
- mimiレディースクリニック三越前. 子宮内膜ポリープ完全ガイド:原因、症状、治療法とFAQ [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://mimi-lc.com/column/empolyp/
- Vitale SG, Haimovich S, Laganà AS, Di Spiezio Sardo A, Carugno J, Gitas G, et al. Management of endometrial polyps: an evidence-based guideline from the Italian Society of Gynaecology and Obstetrics (SIGO), the Italian Society of Gynaecological Endoscopy (SEGI), and the Italian Society of Reproductive Medicine (SIRU). Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2021;260:53-60. doi:10.1016/j.ejogrb.2021.03.016. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33756339/
- Vilos GA, Vilos AG, Al-Mubarak A, Al-Ojaimi M, Abu-Rafea B. Guideline No. 447: Diagnosis and Management of Endometrial Polyps. J Obstet Gynaecol Can. 2022;44(10):1136-1147.e1. doi:10.1016/j.jogc.2022.06.002. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38325734/
-
- しろぼんねっと. K695-2 子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術 | 医科診療報酬点数表 [インターネット]. [引用日: 2025年7月9日]. Available from: https://shirobon.net/medicalfee/latest/ika/r06_ika/r06i_ch2/r06i2_pa10/r06i2a_sec1/r06i2a1_sub9/r06i2a195_K695_2.html
-