【科学的根拠に基づく】ホルモン受容体陰性・トリプルネガティブ乳がんのすべて:最新治療、生存率、日本の患者向け完全ガイド
がん・腫瘍疾患

【科学的根拠に基づく】ホルモン受容体陰性・トリプルネガティブ乳がんのすべて:最新治療、生存率、日本の患者向け完全ガイド

ホルモン受容体陰性(HR-)乳がん、特にその代表的なサブタイプであるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、長年にわたり乳腺腫瘍学における最も困難な課題の一つとされてきました。エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)がなく、HER2タンパク質の過剰発現も見られないため、他のサブタイプでは治療の根幹をなすホルモン療法や抗HER2療法が効きません1。その結果、TNBCは一般的に予後が悪く、増殖が速く、再発や転移のリスクが高いとされてきました2。しかし、この難治性がんの治療環境は、今まさに大きな変革の時を迎えています。近年、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、PARP阻害薬、抗体薬物複合体(ADC)といった画期的な新薬が次々と登場し、HR-乳がんおよびTNBCの治療戦略を根本から変えつつあります5。本稿は、日本におけるHR-乳がんのあらゆる側面について、最新の科学的根拠に基づいた包括的かつ詳細な分析を提供することを目的としています。予後に関する統計データを読み解き、標準治療から最先端治療までの選択肢を徹底的に解説し、そして最も重要なこととして、患者さんとそのご家族のための現実的で実践的な行動計画を構築します。

この記事の科学的根拠

この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に示すリストには、実際に参照された情報源と、提示された医学的指針への直接的な関連性のみが含まれています。

  • 日本乳癌学会(JBCS): 本稿における術前・術後化学療法、ペムブロリズマブの使用、BRCA遺伝子変異陽性患者へのオラパリブの使用、術後補助療法としてのカペシタビンの推奨に関する指針は、日本乳癌学会が発行した「乳癌診療ガイドライン」に基づいています3946
  • KEYNOTE-522試験: 早期TNBCに対する化学療法へのペムブロリズマブ上乗せの有効性(無イベント生存期間の改善)に関する記述は、この主要な臨床試験の結果に基づいています30
  • KEYNOTE-355試験: PD-L1陽性の転移性TNBCに対する化学療法とペムブロリズマブの併用療法の有効性(全生存期間の延長)に関する記述は、この臨床試験に基づいています41
  • OlympiA試験: BRCA遺伝子変異陽性の高リスク早期乳がん患者に対する術後補助療法としてのオラパリブの有効性(浸潤性疾患のない生存期間の改善)に関する記述は、この画期的な臨床試験に基づいています33
  • ASCENT試験: 既治療の転移性TNBC患者に対するサシツズマブ ゴビテカン(ADC)の有効性(無増悪生存期間および全生存期間の延長)に関する記述は、この第3相臨床試験に基づいています52
  • 米国国立がん研究所(NCI)SEERプログラム: TNBCの病期別5年生存率に関する国際的なデータは、米国のSEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)プログラムの統計に基づいています2

要点まとめ

  • ホルモン受容体陰性(HR-)乳がん、特にトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、増殖が速く再発リスクが高いものの、近年治療法が劇的に進歩しています。
  • 日本の乳がんは増加傾向にあり、特にTNBCは若年層に多い傾向があります。生活習慣の欧米化が要因の一つと考えられています13
  • 免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ)、PARP阻害薬(オラパリブ)、抗体薬物複合体(サシツズマブ ゴビテカン)などの新薬が承認され、TNBCの予後を大きく改善しています。
  • 治療選択は、PD-L1の発現状況やBRCA遺伝子変異の有無といったバイオマーカー検査に基づいて個別化されます。日本ではBRCA遺伝子検査が保険適用となっています45
  • TNBCの再発リスクは最初の3~5年間に集中しますが、その期間を無再発で乗り越えると、その後の予後はHR+乳がんより良好になる傾向があります28
  • 日本の高額療養費制度は、高額になりがちな新薬治療の経済的負担を大幅に軽減する重要なセーフティネットです65
  • 「あけぼの会」のような患者会は、情報交換や精神的サポートを得るための貴重なリソースです69

日本の乳がん:疫学と統計の現状

HR-乳がんという課題を理解するためには、まず日本における乳がん全体の状況を把握する必要があります。国立がん研究センターのデータによると、乳がんは日本人女性が罹患する最も多いがんです6。2021年には約99,449件の乳がんが新たに診断され、その大部分が女性でした7。この数字は過去数十年と比較して著しい増加を示しています9。2023年には約15,763人がこの病気で亡くなると推定されており、乳がんがもたらす医療的・社会的負担の大きさがうかがえます7

日本の乳がん罹患率および死亡率は欧米諸国よりは低いものの、1975年以降一貫して増加傾向にあることは憂慮すべき事態です6。科学者や医療専門家が注目する仮説の一つに、生活習慣の「欧米化」があります。飽和脂肪酸やアルコールの摂取量増加を伴う食生活の変化や、生活習慣の変化が、この増加に寄与していると考えられています13。これは単なる統計的観察ではなく、リスク要因が社会の発展と共に変化していることを示す重要な公衆衛生上のシグナルです。このことは、日本乳癌学会(JBCS)のガイドラインにおける将来的研究課題でも触れられているように、予防戦略と生活習慣改善の必要性を強調しています14

人口統計学的には、日本の乳がん罹患率には2つのピークがあり、一つは40代後半、もう一つは60代前半です6。しかし、TNBCサブタイプに限ると、40歳または50歳未満の若年女性に多い傾向があります13。もう一つ留意すべき点は、日本におけるマンモグラフィによる乳がん検診の受診率です。改善は見られるものの、2015年時点で41.0%であり、多くの欧米諸国における70~80%という水準を大幅に下回っています6。検診受診率の低さは、発見が遅れ、より進行した段階で診断されることにつながり、予後や治療選択に直接的な影響を及ぼす可能性があります。


診断と予後:数字が語る真実

ホルモン受容体陰性(HR-)とトリプルネガティブ(TNBC)の解読

乳がんの診断は、悪性腫瘍の存在を確認するだけでは終わりません。治療戦略を決定づける重要なステップは、腫瘍の分子生物学的分類です。この分類は、がん細胞の表面にある3つの重要なバイオマーカー、すなわちエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、そしてヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)タンパク質の有無に基づいて行われます2

  • ホルモン受容体陰性(HR-)乳がん: がん細胞にERおよびPRがほとんどない(通常、陽性細胞が1%未満と定義される)場合、ホルモン受容体陰性と分類されます。これは、腫瘍の増殖がエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンによって促進されないことを意味します。そのため、ホルモン受容体陽性(HR+)乳がんに有効なホルモン療法は、この患者群には効果がありません3。HR-の腫瘍は、HR+の腫瘍よりも増殖が速い傾向があります16
  • トリプルネガティブ乳がん(TNBC): これはHR-群の中でも特に悪性度の高い特定のサブタイプです。「トリプルネガティブ」という名称は、がん細胞がER陰性、PR陰性、そしてHER2陰性(HER2タンパク質の過剰発現がない)という3つの検査すべてで陰性を示すことに由来します2。TNBCは全乳がん症例の約15~20%を占めます18。3つの伝統的な治療標的をすべて欠くため、TNBCはホルモン療法にも抗HER2療法にも反応せず、長年にわたり化学療法が主な治療の柱となってきました1。TNBCは増殖と転移が速く、他のサブタイプよりも進行した段階で診断されることが多く、予後が悪いことで知られています2

予後と生存率の詳細な分析

乳がんの予後は、診断時の病期と腫瘍の生物学的サブタイプに大きく依存します。生存率に関する統計データは全体像を把握するのに役立ちますが、これらはあくまで平均値であり、個々の患者さんの未来を正確に予測するものではないことを心に留めておく必要があります21

参考として、日本における全乳がんタイプの病期別生存率を以下に示します。

  • I期: 5年生存率はほぼ100%、10年生存率は約88.7%です22
  • II期: 5年生存率は約95~96%、10年生存率は66.6~85%です23
  • III期: 5年生存率は約80%、10年生存率は53.8~63%です23
  • IV期(転移性): 5年生存率は約38~40%、10年生存率は16~18.5%に低下します23

しかし、TNBCサブタイプに焦点を当てると、これらの数字は病気の悪性度を反映して大きく変化します。日本および国際的なデータは、TNBC患者さんが直面する課題について同様の傾向を示しています。

表1:トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の病期別5年相対生存率(日本と国際比較)
病期(SEER分類) 日本における5年生存率(推定) 米国における5年生存率(SEER, 2015-2021) データ出典
限局 91% 92% 2
領域 65% 67% 2
遠隔転移 11% 15% 2
全病期 データなし 78% 2

注:日本のデータは臨床的な情報源からのものであり、米国のSEERのような大規模な人口ベースの登録データと完全に同等ではない可能性がありますが、非常に類似した傾向を示しています。

さらに、TNBCを他のサブタイプと比較すると、予後の違いは一層明確になります。日本のある報告では、TNBCの5年無再発生存率は最も低く(79.3%)、ルミナルA型の97.2%とは対照的でした。同様に、TNBCの5年生存率(81.6%)および10年生存率(78.3%)も、ルミナルA型(それぞれ99.4%および98.0%)より著しく低い結果でした26。沖縄のある専門クリニックのデータでも、II期およびIII期において、TNBCは他のサブタイプよりも早期に、かつ高い割合で再発する傾向が示されています27

予後に影響を与える要因

病期と生物学的サブタイプは最も重要な予後因子ですが、それだけがすべてではありません。TNBCのユニークかつ重要な特徴の一つに、その再発パターンがあります。数年後、時には数十年後に再発する可能性があるHR+乳がんとは異なり、TNBCの再発リスクは診断と初期治療後の最初の3~5年間に極めて集中しています15。これは患者さんにとって試練と不安の時期です。しかし、TNBCの患者さんがこの「危険な窓」を再発なく乗り越えられた場合、その予後は著しく改善します。注目すべきは、5年以降の晩期再発のリスクは、HR+の患者さんよりもむしろ低くなることです28

この「両刃の剣」のような再発パターンを理解することは、深い意味を持ちます。それは、TNBCに対する術後補助療法(免疫療法やPARP阻害薬など)の治療期間が、HR+乳がんに対する5~10年のホルモン療法よりも短い(1~2年)理由を説明するのに役立ちます。また、予後に関する対話を「常に悪い」というものから、「初期の大きな試練の後、安全性は増していく」という形へと再構築します。これは、患者さんの期待管理、精神的健康、そしてフォローアップ計画を立てる上で非常に重要です。もう一つの極めて強力な予後因子は、術前化学療法(ネオアジュバント療法)に対する腫瘍の反応です。手術時に乳房とリンパ節に浸潤がん細胞が全く認められなくなる「病理学的完全奏効(pCR)」を達成した患者さんは、予後が格段に良好になります29。したがって、術前化学療法の使用は、腫瘍を縮小させるだけでなく、薬物に対する腫瘍の感受性を評価し、長期的な結果を予測するための重要な「テスト」でもあるのです。


治療の全景:標準から革新へ

TNBCの分子生物学に関する理解が深まったことで、従来の化学療法という枠組みを超えた、新しい治療の時代が幕を開けました。以下の表は、日本で承認・適用されている画期的な新治療法をまとめたものです。

表2:日本におけるTNBCに対する新治療法の概要
治療法の種類 薬剤名(商品名) 標的/作用機序 バイオマーカー 主要な臨床試験 PMDA承認状況
免疫療法(ICI) ペムブロリズマブ(キイトルーダ) PD-1/PD-L1 PD-L1(転移性ではCPS≥10) KEYNOTE-522, KEYNOTE-355 承認済み19
PARP阻害薬 オラパリブ(リムパーザ) DNA修復(PARP) 生殖細胞系列BRCA1/2遺伝子変異 OlympiA, OlympiAD 承認済み33
抗体薬物複合体(ADC) サシツズマブ ゴビテカン(トロデルヴィ) Trop-2 不要 ASCENT, ASCENT-J02 承認済み36

標準治療の柱

新しい治療法が状況を変えつつありますが、標準的な治療法は、特に早期段階のTNBC管理において不可欠な基盤であり続けています。

  • 手術: 主な目的は腫瘍を完全に取り除くことです。選択肢には、乳房温存手術(腫瘍とその周囲の乳房組織の一部を切除)または乳房切除術(乳房全体を切除)があります。どちらを選ぶかは、腫瘍の大きさや位置、患者さんの希望によって決まります1。腋窩リンパ節への転移の有無を評価することも非常に重要で、通常はセンチネルリンパ節生検や、必要に応じて腋窩リンパ節郭清によって行われます15
  • 化学療法: これはTNBCに対する主要な全身療法です2
    • 術前化学療法(ネオアジュバント療法): II期またはIII期のTNBCに優先的に用いられます。手術前に治療を行うことで腫瘍を縮小させ、乳房切除術が必要だった症例を温存手術が可能な状態に変えることができます。さらに重要なのは、医師が薬の効果を直接評価できる点です。腫瘍が良好に反応した場合(pCRを達成した場合)、予後は非常に良好です15
    • 術後化学療法(アジュバント療法): 手術後に行われ、体内に残存している可能性のあるがん細胞を根絶し、再発リスクを低減することを目的とします15

    標準的な化学療法のレジメンには、アンスラサイクリン系(例:ドキソルビシン)とタキサン系(例:パクリタキセル)の薬剤の組み合わせが含まれることが一般的です1

  • 放射線治療: 特に乳房温存手術後に、乳房領域や近傍のリンパ節に残存する可能性のあるがん細胞を死滅させ、局所再発のリスクを低減するためにしばしば用いられます1

免疫療法(ICI)革命

免疫療法は多くのがん種の治療に転換点をもたらしましたが、TNBCも例外ではありません。

作用機序と科学的根拠

TNBCで免疫療法を使用する科学的根拠は非常に強固です。他のサブタイプと比較して、TNBCは腫瘍浸潤リンパ球(TILs)の数が多く、PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)というタンパク質の発現レベルも高い傾向にあります5。PD-L1は、がん細胞が免疫システムの攻撃を回避するために利用する「偽装」タンパク質です。ペムブロリズマブのような免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、この相互作用をブロックすることで「偽装を剥がし」、免疫システムのT細胞を解放してがん細胞を認識・破壊できるようにします1

ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の詳細な分析

  • 高リスク早期TNBCの治療において: KEYNOTE-522という重要な臨床試験は、術前化学療法レジメンにペムブロリズマブを追加し、その後手術後にペムブロリズマブを単独で継続使用することの大きな利益を証明しました。その結果、このレジメンは化学療法単独と比較して、病理学的完全奏効率(pCR)と無イベント生存期間(EFS)の両方を大幅に改善しました30。この結果に基づき、ペムブロリズマブは日本を含む多くの国でこの適応に対して承認されています19
  • 転移性TNBCの治療において: KEYNOTE-355試験では、PD-L1を高レベルで発現する(複合陽性スコア – CPS ≥ 10)転移性TNBC患者において、化学療法とペムブロリズマブを併用することで、化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)が大幅に延長されることが示されました41。ペムブロリズマブは日本でもこの適応で承認されています32

日本における状況とJBCSの推奨

日本乳癌学会(JBCS)の2022年版診療ガイドラインでは、臨床疑問CQ16において、TNBCに対する周術期治療(術前および術後)としてのペムブロリズマブの使用を「弱く推奨する」としています39。これは国際的なガイドラインと比較すると慎重に見えますが、その慎重さには根拠があります。医薬品医療機器総合機構(PMDA)によるKEYNOTE-522試験の審査報告書では、全体的な安全性は管理可能であるものの、試験に参加した日本人患者では、非日本人患者と比較して特定の重篤な(グレード3以上)血液学的副作用の発生率が著しく高く、特に好中球減少症(57.8% vs 16.7%)と白血球減少症(53.3% vs 5.0%)で顕著であったことが指摘されています43。したがって、JBCSの「弱い推奨」は薬の効果を否定するものではなく、慎重な患者選択と副作用の厳格な管理を求める呼びかけです。これは、特定の集団における利益とリスクを丹念に比較検討するという、日本の医療における核心的な原則を反映しています44

遺伝性変異に対する標的療法:PARP阻害薬

TNBCの個別化医療における最も重要な進歩の一つが、PARP阻害薬の登場です。

BRCAの役割と作用機序

乳がん患者、特にTNBC患者の一部は、BRCA1またはBRCA2という遺伝子のいずれかに生殖細胞系列の変異を持っています。これらの遺伝子はDNA二本鎖切断の修復に重要な役割を果たします。これらの遺伝子の一方が変異して機能を失うと、細胞はPARPという酵素が制御する別のDNA修復経路への依存度を高めます。オラパリブのようなPARP阻害薬は、この修復経路をブロックすることで作用します。BRCA変異を持つがん細胞では、両方のDNA修復経路が無効化されることで、修復不可能な遺伝的エラーが蓄積し、最終的にがん細胞死に至ります。この現象は「合成致死」として知られています5

日本におけるBRCA遺伝子検査と遺伝カウンセリング

BRCA変異の重要性を認識し、日本の医療制度は重要な一歩を踏み出しました。2020年4月から、45歳以下で診断された、または60歳以下で診断されたTNBCなど、特定の基準を満たす乳がん患者に対して、BRCA1/2遺伝子検査が公的医療保険の適用となりました45。この検査結果は、患者がPARP阻害薬に適しているかどうかを判断するためだけでなく、他のがん(卵巣がんなど)のリスク低減策や家族への情報提供のためにも極めて重要です。そのため、検査前後の徹底した遺伝カウンセリングが、ケアプロセスに不可欠な一部となっています46

オラパリブ(リムパーザ)の詳細な分析

  • 高リスク早期TNBCの治療において: OlympiA試験は画期的な研究でした。その結果、早期HER2陰性乳がんでBRCA変異を有する患者において、局所治療と化学療法完了後にオラパリブを1年間術後補助療法として使用することで、プラセボと比較して浸潤性再発または死亡のリスクが42%減少することが示されました33
  • 転移性TNBCの治療において: それ以前に、OlympiAD試験では、転移性HER2陰性乳がんでBRCA変異を有する患者において、オラパリブが医師選択の化学療法と比較して無増悪生存期間を有意に延長することが証明されていました34

これらの強力なエビデンスに基づき、オラパリブは日本でも術後補助療法と転移性疾患治療の両方の適応でPMDAから承認され、この患者群にとって貴重な標的治療の選択肢となっています33

新たな武器 – 抗体薬物複合体(ADC)

ADCは、化学療法剤を搭載した「誘導ミサイル」に例えられる、次世代のスマートながん治療薬です。

「誘導ミサイル」の作用機序

ADCは3つの部分から構成されています。がん細胞の表面に多く発現するタンパク質(抗原)を特異的に認識して結合するように設計されたモノクローナル抗体、強力な化学療法剤(ペイロード)、そしてこれら2つをつなぐリンカーです。ADCが体内に投与されると、抗体ががん細胞を探し出して結合します。その後、この複合体は細胞内に取り込まれ、リンカーが切断されて化学療法剤が標的で直接放出されます。この機序により、体内の健康な細胞への毒性を最小限に抑えつつ、がん細胞を殺傷する効果を最大化することができます4

サシツズマブ ゴビテカン(トロデルヴィ)の詳細な分析

  • 作用機序: サシツズマブ ゴビテカンは、90%以上のTNBC腫瘍で高レベルに発現するTrop-2という抗原を標的とするADCです。この抗体は、トポイソメラーゼI阻害薬であるイリノテカンの活性代謝物SN-38を搭載しています5
  • 臨床的有効性: 第3相臨床試験であるASCENTは大きな反響を呼びました。過去に少なくとも2つの化学療法レジメンで効果が見られなかった転移性TNBC患者において、サシツズマブ ゴビテカンは医師選択の化学療法を大幅に上回る改善を示しました。具体的には、無増悪生存期間中央値(5.6ヶ月 vs 1.7ヶ月)と全生存期間中央値(12.1ヶ月 vs 6.7ヶ月)の両方を著しく改善しました52。注目すべきは、この薬剤が患者の生活の質(QoL)も大幅に改善した点です52
  • 日本における状況: この有望な薬剤を日本の患者さんに届けるため、ASCENT-J02(登録番号:jRCT2031210346、NCT05101096)というブリッジング試験が実施されました37。この試験は、日本人集団におけるサシツズマブ ゴビテカンの安全性、忍容性、および有効性を確認することを目的としていました。ASCENT-J02の予備的結果では、第2相推奨用量(RP2D)が10 mg/kgと決定され、既治療の転移性TNBC患者において客観的奏効率(ORR)25%、無増悪生存期間中央値5.6ヶ月という有望な効果が示されました。これらの結果は、国際的なASCENT試験のデータと一致しており、新たな安全性の懸念は認められませんでした37。これらのデータに基づき、サシツズマブ ゴビテカンはPMDAによって承認され、日本のTNBC患者にとって重要な治療選択肢が新たに開かれました36

先進的な併用療法

新しい治療法が効果を証明するにつれ、次の課題は、利益を最大化するためにそれらをいかに賢く組み合わせるかということです。ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験は、この方向性を示す典型的な例です。

ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験の分析

この第3相試験は、PD-L1陽性の転移性TNBC患者に対する一次治療として、ADC(サシツズマブ ゴビテカン)とICI(ペムブロリズマブ)の併用が、現在の標準治療(化学療法とペムブロリズマブの併用)を上回ることができるか、という重要な問いに答えるために設計されました56。2025年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された結果は、新レジメンの明確な勝利を示しました。サシツズマブ ゴビテカンとペムブロリズマブの併用は、無増悪生存期間中央値を11.2ヶ月に延長し、化学療法とペムブロリズマブの併用群の7.8ヶ月を上回りました18。新レジメンはより効果的であるだけでなく、副作用による治療中止率が化学療法群よりも低く、良好な安全性プロファイルも示しました56。これらの結果は、臨床現場における潜在的な変化を示唆しています。治療パラダイムが、化学療法を基盤に免疫療法を組み合わせる形から、より強力なADCを一次治療の「主軸」とする形へと移行する可能性を示しています。この適応に対する規制当局の承認にはさらに時間が必要かもしれませんが、これらのデータは、最も効果的な薬剤を最前線に投入することが、患者にとって最大の利益をもたらし、初期段階からより良好で長期的な病勢コントロールを達成できる可能性があるという強力な証拠を提供しています。


日本の患者さんのための行動計画

HR-乳がんの診断に直面することは、困難な道のりです。治療選択肢、医療制度、そして支援リソースに関する知識を身につけることは極めて重要です。このセクションでは、日本の患者さんとそのご家族のための具体的な行動計画を提示します。

医療制度の歩き方:JBCSガイドラインとNCCNとの比較

日本では、日本乳癌学会(JBCS)が発行する「乳癌診療ガイドライン」が、全国の医師の治療決定を導く中核的な参考資料となっています39。最新版は2022年版で、急速な医学の進歩を反映するためウェブ上で随時更新されています59。より広い視野を提供するために、JBCSの推奨事項を、米国のNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)のような権威ある国際的ガイドラインと比較することは非常に有益です。これにより、患者さんは世界的な標準治療についてより深く理解し、自身の医療チームとより掘り下げた話し合いをすることができます。

表3:早期TNBC治療に関する推奨事項の比較(JBCS 2022 vs. NCCN)
臨床状況 JBCS 2022の推奨 NCCNの推奨(最新版) 注記/比較
術前化学療法 強く推奨。II-III期に優先。アンスラサイクリンとタキサン系を基本とするレジメンが標準15 強く推奨。優先されるアプローチ。タキサン系を基本とするレジメンにカルボプラチンを組み込むことが多い30 両ガイドラインとも術前化学療法の役割について一致。NCCNはカルボプラチンをより体系的に組み込む傾向がある。
周術期免疫療法(ペムブロリズマブ) 高リスク患者に対し「弱く推奨する」(推奨度2)(CQ16)39 高リスク患者に対し、術前化学療法との併用および術後継続が推奨される標準的な選択肢30 この違いは、日本人集団における安全性プロファイル(好中球減少症の発生率が高い)に対するJBCSの慎重な姿勢を反映している43
BRCA変異に対する術後補助療法(オラパリブ) OlympiA試験に基づき、遺伝性BRCA変異を有する高リスク患者に推奨(FRQ5で将来的な影響に言及)46 OlympiA試験に基づき、遺伝性BRCA変異を有する高リスク患者に強く推奨5 両ガイドラインとも、同じ強力な臨床エビデンスに基づきオラパリブの利益を認識している。
術後残存病変に対する治療 pCRを達成しなかったHER2陰性患者に対しカペシタビンを推奨(CQ10)39 pCRを達成しなかった患者にカペシタビンを推奨。BRCA変異がある場合はオラパリブも選択肢39 両ガイドラインとも、術前化学療法への反応が不十分だった患者の再発リスクを低減する上で、カペシタビンの役割について一致している。

経済的負担と公的支援制度

新しいがん治療法は、優れた効果をもたらす一方で、しばしば非常に高額な費用を伴い、患者さんとそのご家族に大きな経済的負担をかけます5。日本では、乳がんが労働年齢の女性に多く発症するため、この問題はさらに深刻です63。幸いなことに、日本には国民皆保険制度と強力な支援制度があります。

高額療養費制度の詳細な解説

これは、患者の経済的負担を軽減するための最も重要な社会保障政策の一つです。

  • 仕組み: この制度は、医療費(患者の自己負担分)に対して月ごとの自己負担限度額を設けています。1ヶ月間(1日から末日まで)の医療費総額がこの限度額を超えた場合、超過分が医療保険から患者に払い戻されます。この限度額は、年齢(70歳未満か70歳以上か)と、患者または世帯の所得水準に基づいて決定されます65
  • 具体例: 年収500万円の50歳の患者さんが、1ヶ月に病院で30万円の自己負担額を支払ったとします。この方の自己負担限度額は87,430円です。したがって、この方は212,570円(300,000円 – 87,430円)の払い戻しを受けることができます67
  • 手続きの簡素化: 最初から大きな金額を支払って後で払い戻しを待つ手間を省くため、患者さんは事前に自身の保険者(例:協会けんぽ、健康保険組合)から「限度額適用認定証」を申請・取得することができます。この認定証を病院の窓口で提示すれば、支払いは自己負担限度額までとなります66

追加の負担軽減制度

  • 世帯合算: 一人の医療費が限度額に達しない場合でも、同じ世帯の他の家族(かつ同じ医療保険制度に加入)の医療費を合算して限度額に達することができます65
  • 多数回該当: 過去12ヶ月間に高額療養費の支給を3回以上受けた場合、4回目以降は自己負担限度額がさらに引き下げられ、払い戻される金額が増加します65
表4:日本の乳がん患者のための経済的・社会的支援リソース
支援の種類 制度/組織名 内容とアクセス方法 データ出典
医療費助成 高額療養費制度 月々の医療費自己負担額の上限を超えた分を払い戻し。ご自身の医療保険者(協会けんぽ、国民健康保険など)に問い合わせ。 65
医療費控除 年間の医療費総額に応じて所得税が軽減される制度。確定申告時に申告。 66
傷病手当金 病気で仕事を休んだ際に所得の一部を補償。社会保険に加入している被用者が対象。 66
検査支援 BRCA1/2遺伝子検査の保険適用 特定の臨床基準を満たす乳がん患者に対し、BRCA1/2遺伝子検査費用を保険でカバー。医師が適応を判断。 45
コミュニティ・心理的支援 あけぼの会 日本最大・最古の患者支援ネットワーク。全国で交流会を開催し、情報提供やピアサポートを行う。 69
認定NPO法人 J.POSH 乳がん啓発運動(ピンクリボン運動)の推進と患者支援を行う組織。 71
NPO法人キャンサーリボンズ 症状緩和、栄養、仕事など、治療と生活をつなぐ支援を提供。 72

仲間を求める:患者会の役割

経験を分かち合い、同じ境遇にある人々から支援を受けることは、がんと向き合うプロセスにおいて重要な部分です。日本には活発に活動する多くの患者会が存在します。

あけぼの会の詳細な紹介

  • 歴史と使命: 「同じ体験をした人と会って話がしたい」という一人の患者さんの願いから1978年10月に設立された「あけぼの会」は、2000人以上の会員を擁する日本最大の乳がん患者支援ネットワークに成長しました69。会のモットーは「一番困っている人のために」であり、患者自身による患者のためのコミュニティ構築を目指しています70
  • 活動内容: あけぼの会は多岐にわたる活動を行っています。代表的なものに、全国でほぼ毎月開催される相談・交流の場「あけぼのハウス」があり、会員・非会員を問わず、患者さんが治療に関する質問をしたり、不安を分かち合ったりすることができます73。また、会報の発行、個人の体験談を掲載したウェブサイトの運営、社会啓発イベントの開催なども行っています69。時には、症状やその他の問題に関する患者の実体験を収集・共有するためのアンケート調査も実施します74
  • 参加方法: 患者さんは会のウェブサイトを通じて、自身の地域の支部情報や連絡先を簡単に見つけることができます71。会は常に新しいメンバーを歓迎し、乳がんの影響を受けたすべての人の参加を奨励しています70

生活の質(QoL):課題と戦略

がん治療は、身体的な病気との闘いであるだけでなく、心理的・社会的な面でも困難な道のりです。日本のある研究では、乳がん患者が仕事、家族、経済、ボディイメージ、性機能、そして病気の情報を子供や周囲の人々と共有することに関して、多くの難しい決断に直面していることが示されました75。TNBC患者さんにとって、予後が一般的に厳しく、初期の数年間で再発リスクが高いため、これらの不安はさらに重くなる可能性があります5。強力な化学療法や新しい免疫療法による副作用も、日々の生活の質に大きな影響を与えかねません。したがって、JBCSのガイドラインが強調するように、医師と共同で治療方針を決定するプロセス(Shared Decision Making)に主体的に関わることが非常に重要です58。患者さんは、自身の不安、優先順位、人生の目標について医療チームとオープンに話し合うべきです。同時に、専門的な心理的サポートを求めたり、患者会に参加したりすることは、孤独感を和らげ、効果的な対処戦略を提供するのに役立ちます。


治療と研究の未来

TNBCの治療分野は、驚異的な速さで進化しています。日本を含む世界中の科学者や臨床医は、治療成績をさらに向上させるための新しい方法を絶えず探求しています。

新たな方向性:バイオマーカーと新興の標的

TNBCの最大の課題の一つは、その不均一性です。つまり、すべてのTNBC腫瘍が同じではありません。したがって、患者を層別化し、治療反応を予測するための新しいバイオマーカーを見つけることが最優先事項となっています。

バイオマーカー研究

PD-L1やBRCA変異以外にも、研究者たちは新しいバイオマーカーを探索しています。有望な手法の一つに、簡単な血液サンプルを用いて血中循環腫瘍細胞(CTC)や循環腫瘍DNA(ctDNA)を検出・分析するリキッドバイオプシーがあります5。この方法は、非侵襲的に治療効果をモニタリングし、早期に再発を検出するのに役立つ可能性があります5。日本では、先駆的な研究が進められています。東京理科大学の研究グループは、TNBCの「幹細胞性」の維持に重要な役割を果たす可能性のあるRNA結合タンパク質ZCCHC24を特定し、新たな治療標的の可能性を開きました77。他のプロジェクトでは、人工知能(AI)を用いてがん細胞表面の新しいバイオマーカーをスクリーニング・同定し、次世代の標的療法の開発を目指しています79

新たな治療標的

  • 腫瘍微小環境(TME): 科学者たちは、がん細胞だけを攻撃するだけでは不十分だと認識し始めています。腫瘍を取り巻く環境(免疫細胞、線維芽細胞、血管など)が、腫瘍の増殖や薬剤耐性に重要な役割を果たしています。TMEを標的とする治療法が活発に研究されています5
  • 代謝経路: TNBCのがん細胞は、急速な増殖のためのエネルギー需要を満たすために独特の代謝特性を持っています。研究者たちは、細胞の糖代謝や脂質代謝経路を標的とするなど、この弱点を利用する方法を模索しています5
  • 既存治療の効果増強: がん研究会による画期的な研究では、PARP阻害薬と細胞のエネルギー産生工場であるミトコンドリアを標的とする薬剤を組み合わせることで、BRCA変異を持たない腫瘍もPARP阻害薬に感受性を示すようになる可能性が示されました。これは、この治療法の恩恵をより多くの患者層に広げるための非常に有望な方向性です81

JBCSガイドラインにおける将来的研究課題(FRQ)

JBCSのガイドラインは、現在の標準を示すだけでなく、常に未来を見据えた生きた文書です。その構造は、確立された知識である「背景知識(BQ)」、日常診療における課題である「臨床疑問(CQ)」、そして未解決の領域である「将来的研究課題(FRQ)」に明確に分けられており、エビデンスに基づく医療への動的かつ透明性の高いアプローチを示しています58。FRQは、日本の乳がん研究コミュニティにとってのロードマップであり、どこに努力を集中させるべきかを示しています。TNBCや新薬に関連するFRQには以下のようなものがあります14

  • FRQ5(薬物療法): 周術期(術前・術後)におけるPARP阻害薬の使用は、リスク低減手術に関する推奨をどのように変えるか?46 これは、日本の専門家が新薬によってもたらされる臨床現場の変化を予測し、準備していることを示しています。
  • 生活習慣に関するFRQ: 運動、飲酒、食事が患者の予後に与える影響に関する問いは、薬物療法だけでなく、包括的なケアへの関心が高まっていることを示しています14

このようなアプローチは、医学界がまだ分かっていないことを認め、積極的に答えを探していることを示しています。患者にとって、これは非常に心強いことです。医学が絶えず進化する分野であることを示し、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)のような主要な研究グループが主導する最新の研究や進行中の臨床試験について、医師に質問することを奨励しています29


よくある質問

トリプルネガティブ乳がん(TNBC)はなぜ悪性度が高いのですか?

TNBCは、ホルモン療法や抗HER2療法の標的となる3つの受容体(エストロゲン、プロゲステロン、HER2)を持たないため、従来の標的療法が効きません1。そのため、治療の選択肢が化学療法に限られていた時代が長く、また、細胞の増殖スピードが速く、他のタイプの乳がんよりも早期に再発・転移しやすい性質があるため、悪性度が高いとされてきました2

BRCA遺伝子変異があると言われましたが、これはどういう意味ですか?

BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異があることは、遺伝的に乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高いことを意味します。この遺伝子は、傷ついたDNAを修復する働きを持っています。TNBC患者の一部はこの変異を持っており、その場合、PARP阻害薬(オラパリブなど)という特定の標的治療薬が非常に高い効果を示す可能性があります5。日本では、一定の条件を満たせばこの遺伝子検査は保険適用で受けられます45

免疫療法は誰にでも効果がありますか?

いいえ、誰にでも効果があるわけではありません。転移性TNBCの場合、免疫療法(ペムブロリズマブ)の効果は、がん細胞やその周りの免疫細胞がPD-L1というタンパク質をどのくらい発現しているかに大きく関連します。PD-L1の発現レベルが高い(CPS≥10)患者さんでは、化学療法との併用で生存期間を延ばす効果が証明されています41。早期乳がんの場合は、PD-L1の発現状況に関わらず、高リスクの患者さんで化学療法と併用することの有効性が示されています30

治療費が高額になりそうで心配です。どのような支援がありますか?

日本には、高額な医療費の負担を軽減するための優れた制度があります。最も重要なのは「高額療養費制度」で、1ヶ月の医療費自己負担額に上限が設けられており、それを超えた分は払い戻されます65。事前に「限度額適用認定証」を取得すれば、病院の窓口での支払いを上限額までに抑えることも可能です66。その他にも、医療費控除や傷病手当金などの制度がありますので、病院の相談窓口(ソーシャルワーカー)やご自身の保険者に相談することをお勧めします。

再発が心配です。TNBCの再発リスクはいつまで続きますか?

TNBCの再発リスクは、他のタイプの乳がんと異なり、診断・治療後の最初の3年から5年間に集中するという特徴があります15。この期間は特に注意深い経過観察が必要です。しかし、この「危険な期間」を無再発で乗り越えると、その後の長期的な再発リスクは、ホルモン受容体陽性の乳がん患者さんよりも低くなることが知られています28。この特有のパターンを理解することは、精神的な見通しを立てる上で重要です。

結論

ホルモン受容体陰性乳がん、特にTNBCは、依然として困難な診断であることに変わりはありません。しかし、この10年間で予後と治療の展望は劇的に変化しました。かつては化学療法しか選択肢がなかった状況から、今では免疫療法、PARP阻害薬、抗体薬物複合体といった多様で効果的な武器を手にすることができました。これらの進歩は、がん治療における不可逆的なトレンド、すなわち「個別化医療」を強く印象づけます。治療法の選択はもはや「フリーサイズ」ではなく、腫瘍の生物学的特性(PD-L1発現状況やBRCA変異など)と患者個々の要因にますます依存するようになっています。前途にはまだ多くの課題が残されています。より良いバイオマーカーの探索、薬剤耐性の克服、新しい治療法の副作用管理などが、依然として最優先事項です。しかし、科学の進歩の速さと、世界中の研究者、臨床医、そして患者さんとの緊密な連携により、この診断に直面する女性たちの未来は、ますます明るくなっています。患者さんとご家族への最も重要なメッセージは、「知識を身につけ、治療の意思決定に積極的に参加し、包括的なサポートを求めること」です。希望は現実に存在し、それは世界中の研究室や診療所で日々築き上げられているのです。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. トリプルネガティブ乳がんってなに? – HICクリニック -. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://hicc.jp/triple-negative-breast-cancer/
  2. American Cancer Society. Triple-negative Breast Cancer. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.cancer.org/cancer/types/breast-cancer/about/types-of-breast-cancer/triple-negative.html
  3. Mayo Clinic. Breast cancer types: What your type means. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/breast-cancer/in-depth/breast-cancer/art-20045654
  4. MD Anderson Cancer Center. Triple-negative breast cancer: 7 things you should know. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.mdanderson.org/cancerwise/triple-negative-breast-cancer-5-things-you-should-know.h00-158986656.html
  5. 東京ブレストクリニック. トリプルネガティブ乳がんにおける最新研究成果. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: http://www.tokyo-breast-clinic.jp/seminar/approach/tnbc12/
  6. 京都府立医科大学. がん統計と乳がん検診. 京都府立医科大学雑誌. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jkpum.com/wp-content/themes/kpu-journal/assets/pdf/130.02.101.pdf
  7. 国立がん研究センター がん情報サービス. 乳房:[国立がん研究センター がん統計]. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html
  8. 国立がん研究センター がん情報サービス. 乳がん 患者数(がん統計). [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/patients.html
  9. 日本対がん協会. 毎年9万人がかかっています. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.jcancer.jp/wp-content/uploads/2016/08/breast-cancer-booklet-02.pdf
  10. 乳房再建ナビ. 日本人女性に増え続ける乳がん. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://nyubo-saiken.com/cancer/01.html
  11. Saji S, et al. Current status of therapy for breast cancer worldwide and in Japan. World J Clin Oncol. 2011;2(2):125.
  12. Ito Y, et al. The Japanese Breast Cancer Society clinical practice guideline for epidemiology and prevention of breast cancer. Breast Cancer. 2015;22(3):206-20.
  13. Roswell Park Comprehensive Cancer Center. Breast Cancer Rates Rising Among Japanese Women. [Internet]. 2017 Jul [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.roswellpark.org/cancertalk/201707/breast-cancer-rates-rising-among-japanese-women
  14. 日本乳癌学会. 乳癌診療ガイドライン2 疫学・診断編 2022年版 第5版. 金原出版. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307204422
  15. がん専門ドクター向け医療情報サイト. トリプルネガティブ乳がんとは? 特徴や治療法について解説. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://gan911.com/blog/triple-negative/
  16. American Cancer Society. Breast Cancer Hormone Receptor Status. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.cancer.org/cancer/types/breast-cancer/understanding-a-breast-cancer-diagnosis/breast-cancer-hormone-receptor-status.html
  17. くみこ乳腺クリニック. トリプルネガティブ乳がんに新たな治療薬が登場!. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://kumiko-breast.com/blog/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%AC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E4%B9%B3%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AB%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E8%96%AC%E3%81%8C%E7%99%BB%E5%A0%B4
  18. Dana-Farber Cancer Institute. ADC Combination Outperforms Standard Treatment of Advanced Triple-Negative Breast Cancer. [Internet]. 2025 [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.dana-farber.org/newsroom/news-releases/2025/adc-combination-outperforms-standard-treatment-of-advanced-triple-negative-breast-cancer
  19. Merck. Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Receives Four New Approvals in Japan, Including in High-Risk Early-Stage Triple-Negative Breast Cancer (TNBC). [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-receives-four-new-approvals-in-japan-including-in-high-risk-early-stage-triple-negative-breast-cancer-tnbc/
  20. Li C, et al. Research progress on immunotherapy in triple‑negative breast cancer (Review). Int J Oncol. 2022;61(1):1.
  21. 銀座鳳凰クリニック. ステージ4乳がんの治療方法|生存率と余命と向き合いながらできること. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.ginzaphoenix.com/post/nyugan-stage4
  22. がん情報BOX. 乳がんのステージ・治療・症状・余命などについての解説. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://ganmf.jp/box/category8/post-4883/
  23. 再発がん治療情報. 乳癌が再発しやすい箇所や5年後生存率を調査. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.recurrence-cancer.com/part/breast-cancer.html
  24. がん専門サポート. 乳がんステージ4(末期)からでも治る可能性をあきらめない. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.cancer-support.net/case-studies/breast-cancer/
  25. 東京ブレストクリニック. トリプルネガティブ乳がん. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: http://www.tokyo-breast-clinic.jp/seminar/species/tnbc/
  26. フューエルセル. タチの悪い乳がんとは?トリプルネガティブの特徴と治療法を医師…. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://fuelcells.org/topics/54033/
  27. 那覇西クリニック. まかび – 2023年. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.naha-nishi-clinic.or.jp/about/achievement/1705018379/
  28. Susan G. Komen. HORMONE RECEPTOR- NEGATIVE BREAST CANCER. [Internet]. 2022 Sep [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.komen.org/wp-content/uploads/Hormone-Receptor-Negative-Breast-Cancer_FINAL-9-22.pdf
  29. 日本臨床腫瘍研究グループ. 乳がんグループ Breast Cancer Study Group:BCSG. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jcog.jp/org/group/bcsg/
  30. Pusztai L, et al. Early-Stage Triple-Negative Breast Cancer Journey: Beginning, End, and Everything in Between. ASCO Educational Book. 2024.
  31. CancerNetwork. Pembrolizumab Granted 4 Approvals in Japan for High-Risk TNBC, RCC, and More. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.cancernetwork.com/view/pembrolizumab-granted-4-approvals-in-japan-for-high-risk-tnbc-rcc-and-more
  32. BioPharma APAC. Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Receives Two New Approvals in Japan. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://biopharmaapac.com/news/40/665/mercks-keytruda-pembrolizumab-receives-two-new-approvals-in-japan.html
  33. Indian Pharma Post. Olaparib approved in Japan as adjuvant treatment for patients with high recurrent risk breast cancer. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.indianpharmapost.com/drug-approval/olaparib-approved-in-japan-as-adjuvant-treatment-for-patients-with-high-recurrent-risk-breast-cancer-12909
  34. AstraZeneca. Lynparza approved in Japan for BRCA-mutated metastatic breast cancer. [Internet]. 2018 Jul 2 [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2018/lynparza-approved-in-japan-for-brca-mutated-metastatic-breast-cancer-02072018.html
  35. Merck. LYNPARZA® (olaparib) Approved in Japan for BRCA-Mutated Metastatic Breast Cancer. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.merck.com/news/lynparza-olaparib-approved-in-japan-for-brca-mutated-metastatic-breast-cancer/
  36. Narita Y, et al. PMDA regulatory update on approval and revision of the precautions for use of anticancer drugs; approval of sacituzumab govitecan for breast cancer… PubMed. 2024.
  37. Naito Y, et al. Preliminary results from ASCENT-J02: a phase 1/2 study of sacituzumab govitecan in Japanese patients with advanced solid tumors. BMC Med. 2024;22(1):475.
  38. Narita Y, et al. PMDA regulatory update on approval and revision of the precautions for use of anticancer drugs; approval of sacituzumab govitecan for breast cancer… ResearchGate. 2024.
  39. CareNet.com. 「乳癌診療ガイドライン」4年ぶり全面改訂、ポイントは?/日本乳癌学会. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.carenet.com/news/general/carenet/54698
  40. Schmid P, et al. Overall Survival with Pembrolizumab in Early-Stage Triple-Negative Breast Cancer. N Engl J Med. 2024;391(4):293-303.
  41. Cortes J, et al. Pembrolizumab plus Chemotherapy in Advanced Triple-Negative Breast Cancer. N Engl J Med. 2022;387(3):217-26.
  42. 日本がん対策図鑑. 【乳癌診療ガイドライン2022】改訂のポイント:薬物療法. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://gantaisaku.net/bc_gl_2022/
  43. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. 審査報告書 令和 4 年 8 月 10 日. [インターネット]. PMDA. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220915001/170050000_22800AMX00696_A100_1.pdf
  44. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. 新医薬品承認審査実務に関わる審査員のための留意事項. [インターネット]. PMDA. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.pmda.go.jp/files/000164631.pdf
  45. 日本乳癌学会. 総説5 遺伝性乳癌と遺伝学的検査,遺伝カウンセリング. 乳癌診療ガイドライン2022年版. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/e_index/s5/
  46. 日本乳癌学会. 総説3 BRCA遺伝学的検査とサーベイランスについて. 乳癌診療ガイドライン2022年版. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/k_index/s3/
  47. 日本HBOCコンソーシアム. 総論1.遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)の概要. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://johboc.jp/guidebook_2024/outline1/
  48. J-Stage. 保険収載後にBRCA1/2遺伝子検査を考慮した乳癌患者における遺伝学的検査の受検に関する実態調査. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsht/23/3/23_74/_article/-char/ja/
  49. Merck. LYNPARZA® (olaparib) Approved in Japan as Adjuvant Treatment for Patients With BRCA-Mutated, HER2-Negative High Recurrent Risk Breast Cancer. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.merck.com/news/lynparza-olaparib-approved-in-japan-as-adjuvant-treatment-for-patients-with-brca-mutated-her2-negative-high-recurrent-risk-breast-cancer/
  50. 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課. 審議結果報告書 令 和 2 年 1 2 月 9 日. [インターネット]. PMDA. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.pmda.go.jp/drugs/2020/P20201223006/670227000_23000AMX00022_A100_1.pdf
  51. 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課. 審議結果報告書 令 和 4 年 8 月 1 日. [インターネット]. PMDA. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220815002/670227000_23000AMX00022_A100_1.pdf
  52. JONS. Review of Key Opinion Leaders’ Reactions to Trodelvy Approval. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.jons-online.com/articles/review-of-key-opinion-leaders-reactions-to-trodelvy-approval
  53. Gilead. Study of Sacituzumab Govitecan (SG) in Japanese Participants With Advanced Solid Tumors (ASCENT-J02). [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.gileadclinicaltrials.com/study?id=GS-US-569-6172
  54. ResearchGate. (PDF) Preliminary results from ASCENT-J02: a phase 1/2 study of sacituzumab govitecan in Japanese patients with advanced solid tumors. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.researchgate.net/publication/384199853_Preliminary_results_from_ASCENT-J02_a_phase_12_study_of_sacituzumab_govitecan_in_Japanese_patients_with_advanced_solid_tumors
  55. Naito Y, et al. Preliminary results from ASCENT-J02: a phase 1/2 study of sacituzumab govitecan in Japanese patients with advanced solid tumors. PubMed. 2024.
  56. Oncology News Central. New Standard of Care in Triple-Negative Breast Cancer?. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.oncologynewscentral.com/breast-cancer/new-standard-of-care-in-triple-negative-breast-cancer
  57. 国立がん研究センター がん情報サービス. 乳がん 関連リンク・参考資料. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/reference.html
  58. 日本乳癌学会. 乳癌診療ガイドライン2022年版. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/
  59. 日本乳癌学会. 診療ガイドライン2022年版 web公開のお知らせ. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.jbcs.gr.jp/modules/info/index.php?content_id=116
  60. 日本乳癌学会. 2024年3月 WEB版 改訂一覧とポイント. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/202403_web/
  61. 日本乳癌学会. 乳癌診療ガイドライン2022年版作成にあたって. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/about/
  62. Pharmacy Times. NCCN Flash Update: Changes to NCCN Guidelines for Breast Cancer Version 4.2025. [Internet]. [cited 2025 Jul 10]. Available from: https://www.pharmacytimes.com/view/nccn-flash-update-changes-to-nccn-guidelines-for-breast-cancer-version-4-2025
  63. 日本乳癌学会. 高額療養費制度上限額引き上げに関する緊急声明. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.jbcs.gr.jp/uploads/files/%E9%AB%98%E9%A1%8D%E5%8C%BB%E7%99%82%E8%B2%BB%E5%88%B6%E5%BA%A6%E4%B8%8A%E9%99%90%E9%A1%8D%E5%BC%95%E3%81%8D%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E7%B7%8A%E6%80%A5%E5%A3%B0%E6%98%8E.pdf
  64. 国立がん研究センター. 日本人における予防可能ながんによる 経済的負担は 1 兆円超え(推計). [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0802/release_yobokanounaganniyoru_keizaitekifutan.pdf
  65. 乳がん患者さんのライフサポート. 高額療養費制度について. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.nyugan.jp/life-support/expenses/
  66. 日本乳癌学会. Q13 乳がん治療に際して受けられる経済面や生活面での支援制度はありますか. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/002-2/q13/
  67. アストラゼネカ. 高額療養費制度|がんの医療費や保険に関する支援制度かんたんチェック. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.az-oncology.jp/guide/check/support02.html
  68. 小野薬品. 高額療養費制度|がん支援制度. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://p.ono-oncology.jp/support/system/01_highcost/01.html
  69. Breast Cancer Network Japan あけぼの会. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://akebono-net.org/
  70. Breast Cancer Network Japan あけぼの会. 会の紹介. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://akebono-net.org/about
  71. 認定NPO法人 J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動. 全国の乳がん患者会. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.j-posh.com/cancer/patient/
  72. 一般社団法人 がん医療の今を共有する会. 患者会・支援会. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://act-oncol.or.jp/group/
  73. まねきねこWEB版. あけぼの会. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.manekineko-network.org/closeup/2019/08/03/%E3%81%82%E3%81%91%E3%81%BC%E3%81%AE%E4%BC%9A/
  74. あけぼの会. 2020アンケート調査「乳がん体験者の振り返り基礎調査」報告書刊行に寄せて. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://akebono-net.org/essay/greeting/gr5456
  75. Tsuchiya M, et al. Time-Related Characteristics of Medical and Psychosocial Decisions in Japanese Women with Breast Cancer: Results of a Web-Based Open-Ended Response. PMC. 2023.
  76. Li N, et al. Early-stage triple negative breast cancer: the therapeutic role of immunotherapy and the prognostic value of pathological complete response. Explor Target Antitumor Ther. 2024.
  77. QLifePro. トリプルネガティブ乳がん、新規治療標的分子ZCCHC24を同定-科学大ほか. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.qlifepro.com/news/20241105/tnbc.html
  78. 東京理科大学. 難治性がんTNBCに対する新規標的分子としてRNA結合タンパク質ZCCHC24を同定. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.isct.ac.jp/ja/news/oo5hoh127pfg
  79. 九州大学. AI で発見した「新規バイオマーカー」に基づいた 迅速な抗がん剤開発をスタート. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.kyushu-u.ac.jp/f/54077/23_0809_01.pdf
  80. COGNANO. アルパカ免疫により得られた抗体巨大ライブラリから、トリプルネガティブ乳がん特異的な抗体を統計学的手法で発掘. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.cognano.co.jp/news/statistical-mining-of-triple-negative-breast-cancer-specific-nanobodies-from-alpacas
  81. がん研究会. 【ニュースリリース】トリプルネガティブ乳がん治療に新たな可能性を発見. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://www.jfcr.or.jp/laboratory/news/11157.html
  82. 医書.jp. 乳癌診療ガイドライン1 治療編 2022年版【電子版】. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://store.isho.jp/search/detail/productId/2205775730
  83. 高陽堂書店. 乳癌診療ガイドライン 1 治療編 2022年版. [インターネット]. [参照 2025-07-10]. Disponible sur: https://koyodo.com/products/detail/66146
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ