【科学的根拠に基づく】アルコール性肝炎の包括的理解:病態生理、最新の診断・治療戦略、および日本の現状
消化器疾患

【科学的根拠に基づく】アルコール性肝炎の包括的理解:病態生理、最新の診断・治療戦略、および日本の現状

長期にわたる過剰なアルコール摂取は、肝臓に深刻なダメージを与え、アルコール性肝障害(Alcoholic Liver Disease: ALD)を引き起こします。この疾患群の中でも、アルコール性肝炎(Alcoholic Hepatitis: AH)は、急激な肝細胞の壊死と炎症を特徴とする極めて重篤な病態であり、高い致死率を示します。近年、日本ではウイルス性肝炎が減少しつつある一方で、アルコールを原因とする肝疾患の患者数および死亡者数は著しく増加しており、公衆衛生上の重大な課題となっています。この「静かなる流行」に対し、日本の医学界も対策を強化しており、2022年10月には日本肝臓学会が初の「アルコール性肝障害(アルコール関連肝疾患)診療ガイド」を策定しました5。本記事では、JHO(JAPANESEHEALTH.ORG)編集委員会が、最新の科学的知見と国内外のガイドラインに基づき、アルコール性肝炎の複雑な病態生理から、正確な診断法、重症度に応じた治療戦略、そして日本の公衆衛生における現状と支援体制に至るまで、包括的かつ詳細に解説します。

この記事の科学的根拠

本記事は、インプットされた研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下のリストには、実際に参照された情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性が含まれています。

  • 日本肝臓学会: 本記事におけるアルコール性肝障害の診断基準、治療方針、および日本国内の診療標準化に関する指針は、同学会が2022年に発表した「アルコール性肝障害(アルコール関連肝疾患)診療ガイド」に基づいています5
  • 厚生労働省: 日本におけるアルコール性肝疾患の疫学的データ(患者数、死亡者数の推移)、飲酒習慣に関する統計、および公衆衛生上の予防戦略に関する記述は、同省の人口動態統計や「健康日本21」などの公式報告に基づいています131439
  • 国際的な医学研究および診療ガイドライン: 重症アルコール性肝炎の予後予測スコア(mDF, MELD, Lille model)や薬物療法(コルチコステロイドなど)、早期肝移植に関する議論は、The New England Journal of Medicine、PubMed、The Lancetなどに掲載された国際的な臨床試験や、米国消化器病学会(ACG)などの主要なガイドラインに基づいています18313334

要点まとめ

  • アルコール性肝炎は、長期・大量の飲酒を背景に発症する重篤な肝疾患で、日本では死亡者数が過去20年で倍以上に増加しています13
  • 病態には、アルコール代謝に伴う直接的な肝細胞障害に加え、腸内細菌叢の乱れと腸管バリア機能の破綻(リーキーガット)が深く関与しています518
  • 診断は飲酒歴の聴取が基本で、血液検査でのAST/ALT比の上昇(1.5以上)が特徴的です。確定診断には肝生検がゴールドスタンダードです35
  • 重症度の評価にはmDFスコアやMELDスコアが用いられ、スコアが高い重症例(mDF≥32)ではコルチコステロイド治療が短期的な生存率を改善します1831
  • 治療の絶対的基盤は「完全な断酒」です。栄養療法も予後を左右する重要な柱であり、背景にあるアルコール使用障害への専門的介入が不可欠です1631
  • 日本では、保健所、精神保健福祉センター、自助グループ(断酒会、AA)など、多層的な相談・支援体制が整備されています4749

I. 序論:日本におけるアルコール性肝障害の増大する脅威

1.1. 疾患概念の定義と重要性

アルコール性肝障害(Alcoholic Liver Disease: ALD)は、長期にわたる過剰なアルコール摂取によって引き起こされる肝臓の障害の総称です。その病態は、比較的軽症で可逆的なアルコール性脂肪肝から、肝臓に強い炎症を引き起こすアルコール性肝炎(Alcoholic Hepatitis: AH)、不可逆的な変化を伴う肝線維症、そして最終的には肝硬変や肝がんへと至る、連続的かつ多様なスペクトラムを形成します1。 この中でもアルコール性肝炎は、肝細胞の壊死と炎症を主たる病態とする、特に重篤な病型として位置づけられます2。多くは長期・大量飲酒を背景とし、ある時点でのさらなる大量飲酒を契機に急激に発症します。倦怠感、発熱、黄疸などの症状を伴い、重症化すると腹水や意識障害を来たし、高い致死率を示す極めて危険な状態です1。 この増大する脅威に対し、日本の医学界も大きな転換期を迎えています。2022年10月、日本肝臓学会は史上初となる「アルコール性肝障害(アルコール関連肝疾患)診療ガイド」を策定・発表しました5。これは、これまでウイルス性肝炎対策に主眼を置いてきた日本の肝臓病学が、アルコールという生活習慣に起因する肝疾患の制圧を、喫緊の国家的課題として公式に認識したことを象徴する出来事です。このガイドラインは、疾患概念から疫学、診断、治療に至るまで最新のエビデンスを網羅し、国内の診療を標準化するための羅針盤となることが期待されています5

1.2. 日本における疫学的パラダイムシフト

近年の日本における肝疾患の疫学は、劇的なパラダイムシフトの渦中にあります。B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)に対する革新的な治療法の登場により、ウイルス性肝炎に起因する肝硬変や肝がんの患者数、および死亡者数は着実に減少しつつあります10。 その一方で、アルコール性肝疾患は深刻な増加傾向を示しています。厚生労働省の人口動態統計によれば、肝疾患全体の死亡者数が減少する中で、アルコール性肝疾患による死亡者数は1996年の2,403人から2019年には5,480人へと、わずか20年余りで倍以上に増加しています13。これは、日本の公衆衛生における「静かなる流行」とも言える状況であり、ウイルス性肝炎の制圧が見え始めた今、次なる主戦場がアルコール性肝疾患へと移行したことを明確に示しています。この背景には、依然として多数存在する多量飲酒者の存在と、生活習慣の変化が深く関わっていると考えられています7。 この疫学的転換は、臨床現場における診断・治療戦略の再構築を迫るものです。すべての臨床医がアルコール性肝障害に関する深い知識を持ち、その早期発見と適切な介入、さらには背景にあるアルコール使用障害への対応に精通することが、今後の国民の健康を守る上で不可欠となっています。

II. アルコール性肝障害の病態生理:アルコールが肝臓を破壊する機序

アルコールによる肝障害のメカニズムは、単なるアルコールの直接的な毒性だけでなく、代謝、免疫、腸内環境が複雑に絡み合った多段階のプロセスです。

2.1. エタノール代謝と直接的肝細胞障害

経口摂取されたアルコール(エタノール)の90%以上は、主要な代謝臓器である肝臓で処理されます15。肝細胞内では、エタノールはまずアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに変換されます。このアセトアルデヒドは極めて毒性が高く、タンパク質やDNAと結合してその機能を障害する発がん性物質です16。次に、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって無害な酢酸に分解され、最終的に水と二酸化炭素になります。 この一連の代謝過程において、以下の機序を通じて肝細胞は直接的なダメージを受けます5

  • 酸化還元状態の変化: エタノールの代謝は、補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を大量に消費し、還元型のNADHを過剰に産生します。このNAD+/NADH比の低下は、脂肪酸のβ酸化(分解)を抑制し、脂肪酸合成を促進するため、肝細胞内に中性脂肪が蓄積します(脂肪肝)。
  • ミトコンドリア障害: 過剰な代謝負荷は、エネルギー産生の中心的役割を担うミトコンドリアの機能を障害し、エネルギー不全と活性酸素種(ROS)の産生増加を引き起こします。
  • 酸化ストレスと小胞体(ER)ストレス: 代謝過程で生じるROSや、タンパク質の品質管理を担う小胞体の機能不全(ERストレス)は、細胞内のシグナル伝達を混乱させ、最終的にアポトーシスやネクローシスといった肝細胞死を誘導します。

2.2. 腸内細菌叢と「腸-肝相関」の破綻

近年の研究で、アルコール性肝障害の病態形成における「腸-肝相関」の重要性が明らかになっています。これは、腸と肝臓が門脈を介して密接に連携しているという概念であり、アルコールはこの連携を破綻させます5。 慢性的なアルコール摂取は、腸内細菌叢の構成を変化させ、悪玉菌が優位な状態(ディスバイオーシス)を引き起こします。さらに、アルコールとその代謝物であるアセトアルデヒドは、腸管上皮細胞間の結合(タイトジャンクション)を弛緩させ、腸管のバリア機能を低下させます(リーキーガット)18。 その結果、通常は腸管内に留まっているはずの細菌由来の内毒素(エンドトキシン、特にリポポリサッカライド:LPS)が、門脈血流に乗って大量に肝臓へ流入します。肝臓に存在する免疫細胞であるクッパー細胞は、このLPSを認識して活性化し、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)をはじめとする強力な炎症性サイトカインを大量に産生します。この炎症性サイトカインが、肝細胞の炎症と壊死をさらに増悪させるという悪循環を生み出すのです5。 この腸-肝相関の破綻は、なぜ同じ量のアルコールを摂取しても、重篤な肝炎を発症する人としない人がいるのかを説明する重要な鍵と考えられています。腸内環境の個人差が、肝障害の進展リスクを左右する一因となっている可能性があり、腸内細菌叢を標的とした新たな治療戦略の研究へとつながっています。

2.3. 脂肪蓄積、線維化、発癌への進展機序

アルコールによる肝障害は、段階的に進行します。

  • 脂肪蓄積(Steatosis): 前述の通り、エタノール代謝による酸化還元状態の変化が脂肪酸代謝を異常にし、肝細胞内に脂肪滴が蓄積します。これはALDの最も初期の病変です5
  • 肝線維化(Fibrosis): 慢性的な肝細胞の障害と炎症は、肝臓の結合組織を産生する「肝星細胞」を活性化させます。活性化した肝星細胞は、コラーゲンなどの細胞外マトリックスを過剰に産生・沈着させ、肝臓を硬くしていきます。これが線維化であり、肝硬変の土台となります5
  • 肝発癌(Carcinogenesis): 肝硬変に至ると、肝がんのリスクが著しく高まります。そのメカニズムは複合的であり、①慢性的な炎症とそれに伴う肝細胞の絶え間ない再生、②酸化ストレスによるDNA損傷、③アセトアルデヒドの直接的な遺伝子毒性などが複雑に関与していると考えられています5

2.4. 性差と遺伝的素因

アルコール性肝障害の発症リスクには、性差と遺伝的素因が大きく影響します。

  • 性差: 女性は男性に比べて体格が小さく、体内の水分量が少ないため、同じ量のアルコールを摂取しても血中アルコール濃度が高くなりやすいです19。また、胃におけるアルコールの初回通過効果が男性より低いことや、女性ホルモンの影響なども指摘されており、結果として男性よりも少ない飲酒量、短い飲酒期間で重篤な肝障害(肝炎や肝硬変)を発症することが知られています4
  • 遺伝的素因: アセトアルデヒドを分解するALDHの中でも、特にALDH2の活性には遺伝子多型が存在します。日本人の約40%は、ALDH2の活性が低いか、全くない遺伝子型を持つとされます。これらの人々は少量の飲酒で顔面紅潮、動悸、吐き気などの不快な反応(フラッシング反応)を起こすため、「フラッシャー」と呼ばれます17。この体質は、アセトアルデヒドの蓄積による食道がんなどのリスクを高める一方、不快な症状のために大量飲酒に至りにくく、結果として重症のアルコール性肝障害の発症からは保護的に働く側面もあります。しかし、この体質を克服して飲酒を続けると、より深刻な健康被害を招く危険性があります。

III. 臨床像と疫学:アルコール性肝障害のスペクトラムと国内動向

アルコール性肝障害は、無症状の初期段階から生命を脅かす末期状態まで、幅広い臨床像を呈します。日本では、その患者数と死亡数が著しく増加しており、社会全体で取り組むべき重要な課題となっています。

3.1. 病型の分類と進展様式

アルコール性肝障害は、一般的に以下の病型を経て進行します1

  • アルコール性脂肪肝 (Alcoholic Steatosis): 長期的な過剰飲酒者のほとんどに見られる最も初期の病変。肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態で、通常は自覚症状がありません1。健康診断の腹部超音波検査や血液検査で偶然発見されることが多いです。この段階であれば、4週間程度の禁酒で劇的に改善し、正常な肝臓に戻ることが可能です1
  • アルコール性肝炎 (Alcoholic Hepatitis): 脂肪肝を背景に、さらなる大量飲酒などが引き金となって発症する急性の肝障害。肝細胞の炎症と壊死が主体であり、倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、右上腹部痛といった症状が出現します4。重症化すると腹水、腎不全、意識障害(肝性脳症)などを合併し、短期間で死に至ることもある致死的な病態です1
  • アルコール性肝線維症 (Alcoholic Hepatic Fibrosis): 日本人において特徴的とされる病態。欧米ではアルコール性肝炎を繰り返して肝硬変に至るケースが多いのに対し、日本では明らかな肝炎エピソードを経ずに、肝臓の線維化が静かに進行するタイプが少なくないとされます1。このため、自覚症状がないまま病状が進行し、気づいた時には肝硬変になっているというケースも多いです。
  • アルコール性肝硬変 (Alcoholic Cirrhosis): 長年の肝障害の結果、肝臓全体が線維組織に置き換わり、硬く小さくなった末期の状態。肝臓の機能が著しく低下し、黄疸、腹水、食道・胃静脈瘤の破裂による吐血、肝性脳症といった、生命に関わる様々な合併症を引き起こす1。一般的に肝硬変は非可逆的とされるが、アルコール性肝硬変の場合は、代償期(肝機能がある程度保たれている段階)であれば、完全な断酒によって肝機能が改善し、生命予後が良好となる可能性がある点が特徴です15
  • 肝細胞がん (Hepatocellular Carcinoma): 主にアルコール性肝硬変を母地として発生します。C型肝炎やB型肝炎に合併すると、さらに発がんリスクは高まります。断酒は肝硬変の進行を抑制し、発がんリスクを年間6-7%低下させると報告されています1

3.2. 日本における疫学データと社会的背景

日本の肝疾患におけるアルコールの影響は、年々深刻度を増しています。

  • 飲酒人口とリスク: 日本には、1日平均純アルコール量60g以上を摂取する「多量飲酒者」が約860万人存在すると推計されています8。厚生労働省が生活習慣病のリスクを高めると定義する飲酒量(男性で1日平均40g以上、女性で20g以上)を摂取している者の割合は、令和元年時点で男性14.9%、女性9.1%にのぼります14
  • 患者数と死亡数の増加: 2011年の厚生労働省の調査では、アルコール関連肝疾患の患者数は約3万3千人と推計されています24。より深刻なのは死亡数の動向であり、前述の通り、アルコール性肝疾患による死亡数は著しい増加傾向にあります5。2012年の全国調査では、肝硬変の原因としてアルコールが占める割合は24.6%に達しており、C型肝炎(47.1%)に次ぐ第2位の原因となっています10。ウイルス性肝炎の減少に伴い、その割合は現在さらに上昇していると考えられます。
  • 社会的背景: 調査からは、特定の職業とアルコール関連肝疾患との関連も示唆されています。例えば、ブルーカラー労働者や、飲食調理人などのサービス業従事者において、アルコール関連肝疾患による入院リスクが高いことが報告されています10。また、経済的な側面では、ウイルス性肝炎の治療薬開発によりその医療費が減少する一方で、アルコール性肝疾患や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)といった生活習慣関連の肝疾患の社会的コストは増加傾向にあります11
表1: 日本における肝疾患の成因別死亡率の動向
年代 肝疾患総死亡数 アルコール性肝疾患死亡数 割合
1996年 約42,000人 (推定) 2,403人 約5.7%
2019年 約48,000人 (推定) 5,480人 約11.4%
出典: 厚生労働省 人口動態統計および関連疫学研究に基づくデータ11。肝疾患総死亡数はICD-10コードK70-K77、B15-B19、C22を含む。

この表が示すように、肝疾患全体の死亡数は横ばいから微増であるのに対し、アルコール性肝疾患による死亡数は2倍以上に増加し、肝疾患死亡全体に占める割合も著しく上昇しています。この事実は、日本の肝疾患対策の重点が、感染症であるウイルス性肝炎から、生活習慣と密接に関連するアルコール性肝疾患へと移行すべきであることを明確に物語っています。

IV. 診断と重症度評価:正確な診断と予後予測へのアプローチ

アルコール性肝炎の診断は、詳細な病歴聴取、身体所見、血液検査、画像診断を組み合わせて行われます。特に重症例では、予後を正確に予測し、適切な治療方針を決定するために、専門的な重症度スコアの活用が不可欠です。

4.1. 診断の根幹:飲酒歴の聴取と身体所見

診断プロセスは、患者の飲酒習慣を詳細に把握することから始まります。

  • 飲酒歴の聴取: 日本の診断基準では、一般的に1日平均純アルコール換算で60g以上(日本酒3合、ビール中瓶3本に相当)の飲酒を5年以上継続していることが、アルコール性肝障害を診断する上での目安となります3。ただし、女性や遺伝的素因を持つ場合は、より少ない量でも発症しうるため、画一的な判断は避けるべきです。
  • アルコール使用障害(AUD)のスクリーニング: 背景にアルコール依存症が隠れていることが多いため、AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)などの標準化されたスクリーニングツールを用いて、問題飲酒の程度を客観的に評価することが強く推奨されます18
  • 身体所見: 肝臓の腫大(肝腫大)、腹部の圧痛、黄疸(皮膚や眼球結膜の黄染)、腹水による腹部膨満、クモ状血管腫、手掌紅斑、女性化乳房など、慢性肝疾患に特徴的な所見の有無を確認します。

4.2. 臨床検査とバイオマーカー

血液検査は、肝障害の程度と原因を推定するために極めて重要です。

  • 基本的な肝機能検査: 肝細胞が破壊されると、細胞内に存在する酵素であるAST(GOT)とALT(GPT)が血中に漏れ出します。アルコール性肝障害では、ミトコンドリア由来のASTが優位に上昇するため、AST/ALT比が1.5以上、しばしば2.0以上となるのが特徴的です3。また、γ-GTPは飲酒によって誘導される酵素であり、飲酒量に敏感に反応して上昇するが、他の薬剤や脂肪肝でも上昇するため特異性は低い18
  • 飲酒マーカー: 最近の飲酒状況をより客観的に評価するためのマーカーも臨床応用が進んでいます。
    • Carbohydrate-deficient transferrin (CDT): 糖鎖が欠損したトランスフェリンであり、2〜3週間にわたる1日60-80g以上の大量飲酒で上昇します。禁酒後2〜4週間で正常化するため、飲酒習慣のモニタリングに有用です。感度77%、特異度88%と、γ-GTPよりも特異性が高い18
    • Phosphatidyl ethanol (PEth): エタノール存在下でのみ赤血球膜で産生されるリン脂質。血中半減期が長く、過去数週間の飲酒量を反映します。感度・特異度ともに非常に高く(感度約100%、特異度約90%)、完全禁酒、社会的飲酒、過剰飲酒を区別するのに最も優れたマーカーとされる18
    • Ethyl glucuronide (EtG): エタノールの代謝物で、尿中での検出期間がエタノール本体よりも長く、約72時間にわたって直近の飲酒を検出できる18
  • 鑑別診断: 診断を確定するためには、他の原因による肝障害を除外する必要がある。特に、HBs抗原やHCV抗体などを測定し、ウイルス性肝炎の合併がないかを確認することは必須である30

4.3. 画像診断と肝生検

  • 腹部超音波検査: 侵襲性がなく簡便に行えるため、第一選択の画像検査です。肝臓の脂肪沈着(高輝度エコーとして描出)、肝臓の大きさや形状、表面の凹凸、腹水の有無、門脈血流の状態、そして肝がんの合併がないかなどを評価できます1
  • 肝生検(病理診断): アルコール性肝炎の確定診断におけるゴールドスタンダードです。腹部に局所麻酔を行い、細い針を肝臓に刺して組織を少量採取します。顕微鏡で観察すると、アルコール性肝炎に特徴的な所見である、①肝細胞の風船様腫大、②好中球を主とする炎症細胞浸潤、③マロリー・デンク体(アルコール硝子体)と呼ばれる異常タンパク質の凝集、④中心静脈周囲の線維化(perivenular fibrosis)などが認められます5。診断が不確かで、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などとの鑑別が必要な場合に特に重要となります32

4.4. 重症度評価と予後予測スコア

重症のアルコール性肝炎は予後不良であり、治療方針を決定するためには客観的な重症度評価が不可欠です。国際的にいくつかの予後予測スコアが確立され、広く用いられています。

  • Maddrey’s Discriminant Function (mDF): 古典的な重症度判定スコア。プロトロンビン時間と血清総ビリルビン値から算出されます。スコアが32以上の場合を「重症」と定義し、ステロイド治療の適応を判断する際の指標として用いられてきた。未治療の場合、1ヶ月死亡率が20-50%に達するとされる18
  • Model for End-Stage Liver Disease (MELD) score: もともとは肝硬変患者の予後予測のために開発されたスコアだが、アルコール性肝炎の予後予測においても非常に有用であることが示されている。総ビリルビン、INR(プロトロンビン時間の国際標準比)、クレアチニン値から算出される。MELDスコアが20を超える場合を重症と定義し、短期死亡率を正確に予測する34
  • Lille model: ステロイド治療への反応性を評価するために特化した動的なスコア。治療開始前と治療開始後7日目の血清ビリルビン値の変化などから算出する。スコアが0.45を超えた場合、ステロイド治療に反応していない「不応例(non-responder)」と判断され、予後が極めて不良(6ヶ月死亡率75%)であることから、ステロイドの中止を検討する根拠となる18
表2: 重症アルコール性肝炎における主要な予後予測スコアの比較
スコア名 主要パラメータ 評価タイミング カットオフ値 (重症/不応) 主な臨床的意義
Maddrey’s DF (mDF) 総ビリルビン, プロトロンビン時間 診断時 mDF≥32 ステロイド治療の適応判断
MELD Score 総ビリルビン, INR, クレアチニン 診断時 MELD>20 短期死亡率の予後予測
Lille Model 年齢, クレアチニン, アルブミン, PT, 総ビリルビン (Day 0 & 7) 治療開始後7日目 Lille>0.45 ステロイド治療への反応性評価と治療継続/中止の判断
出典: 各種臨床研究およびガイドラインに基づく18

これらのスコアを適切に使い分けることが、重症アルコール性肝炎の患者管理において極めて重要です。診断時にはmDFやMELDスコアを用いて重症度を判定し、ステロイド治療の要否を決定する。そして、治療開始後にはLilleモデルを用いてその効果を客観的に評価し、治療戦略を個別化していく。この一連のプロセスは、エビデンスに基づいた現代のアルコール性肝炎診療の根幹をなすものです。

V. 包括的マネジメントと治療戦略:基礎から最前線まで

アルコール性肝炎の治療は、疾患の重症度に応じて多岐にわたるが、その全ての根幹をなすのは「断酒」である。重症例に対しては、栄養療法や薬物療法、さらには肝移植といった高度な医療介入が必要となる。

5.1. 治療の絶対的基盤:断酒と支持療法

  • 断酒 (Abstinence): アルコール性肝障害に対する最も重要かつ、あらゆる病期において有効性が証明されている唯一無二の治療法である31。アルコールという原因物質を断つことで、肝臓へのさらなるダメージを防ぎ、肝細胞の再生を促す。脂肪肝であれば数週間から数ヶ月で正常化が期待でき、肝硬変であっても進行を抑制し、生命予後を改善させる1。全てのアルコール性肝障害患者は、原則として完全な断酒を目指すべきである。
  • 支持療法 (Supportive Care): 特に急性期や重症例では、全身状態を安定させるための支持療法が不可欠である35
    • アルコール離脱症状の管理: 長期大酒家が急に断酒すると、振戦、発汗、不眠、幻覚、痙攣といった生命を脅かす離脱症状が出現することがある。これを予防・治療するために、ベンゾジアゼピン系の薬剤などが用いられる。
    • 栄養・電解質の補給: アルコール依存症患者は、食事摂取の不良やアルコールによる吸収障害から、栄養失調状態にあることが多い。特に、脳障害であるウェルニッケ脳症を予防するために、ビタミンB1(チアミン)の補充は極めて重要である。その他、カリウム、マグネシウム、リンなどの電解質異常も頻繁にみられるため、モニタリングと補正が必要となる16
    • 感染症の管理: 重症アルコール性肝炎患者は免疫機能が低下しており、細菌感染症を合併しやすい。感染症はしばしば肝不全を増悪させ、死因の主要な原因となるため、早期発見と適切な抗菌薬治療が予後を大きく左右する31

5.2. 栄養療法:生存率を左右するもう一つの柱

アルコール性肝炎患者、特に重症例では、タンパク質・エネルギー栄養障害(Protein-Energy Malnutrition: PEM)が高率に認められ、これが予後を著しく悪化させる16。したがって、積極的な栄養療法は薬物療法と並ぶ治療の柱である。
目標としては、1日あたり30-40 kcal/kgのエネルギーと、1.2-1.5 g/kgのタンパク質を供給することが推奨される18。食欲不振や意識障害などで経口摂取が不十分な場合は、躊躇なく経鼻胃管を挿入し、経管栄養を開始すべきである18。一部の研究では、適切な栄養療法がステロイド治療と同等の予後改善効果をもたらしたとの報告もあり、その重要性は計り知れない33

5.3. 重症アルコール性肝炎への薬物療法

mDF ≥ 32またはMELD > 20と判定される重症アルコール性肝炎に対しては、予後改善を目指した薬物療法が検討される。

  • コルチコステロイド: 現在、重症アルコール性肝炎に対して短期的な生存率を改善する効果が証明されている唯一の薬剤である31。強力な抗炎症作用により、肝臓での過剰な炎症反応を抑制する。標準的な治療法は、プレドニゾロン40mg/日を28日間経口投与することである18。ただし、活動性の消化管出血やコントロール不能な感染症、重度の腎不全がある場合は禁忌となる31。前述のLilleモデルを用いて治療開始後1週間で効果を判定し、無効(スコア > 0.45)であれば副作用のリスクを考慮して中止する。ステロイドは28日間の短期死亡率を改善するものの、6ヶ月や1年といった長期的な生命予後への効果は限定的であるという課題も指摘されている31
  • 効果が否定的な薬剤:
    • ペントキシフィリン: かつてTNF-α阻害作用を期待され、ステロイドが使えない場合の代替薬として用いられたが、その後の大規模臨床試験(STOPAH trialなど)で生存率改善効果が明確に否定された。現在、欧米の主要なガイドラインでは推奨されていない31
    • その他: 抗酸化剤であるN-アセチルシステイン(NAC)の単独療法や、アナボリックステロイド、プロピルチオウラシル(PTU)なども、臨床試験で有効性が示されておらず、治療選択肢とはならない18。NACとステロイドの併用療法は1ヶ月生存率を改善したとの報告があるが、まだ研究段階であり標準治療には至っていない33

5.4. アルコール使用障害(AUD)への介入

肝臓の治療と並行して、その根本原因であるアルコール使用障害(依存症)への介入を行うことが、再発を防ぎ、長期的な予後を改善するために不可欠である1

  • 心理社会的アプローチ: 精神科医や公認心理師による専門的なカウンセリングや認知行動療法、そして後述する自助グループへの参加が治療の基本となる15
  • 薬物療法:
    • 断酒補助薬: 飲酒への渇望を抑制するアカンプロサートや、飲酒すると強い不快な反応を引き起こすことで飲酒意欲を削ぐ嫌酒薬(ジスルフィラム、シアナミド)がある29
    • 飲酒量低減薬(ハームリダクション): 近年、断酒が困難な患者に対する新たなアプローチとして「ハームリダクション(害の低減)」が注目されている。その中心となるのが、オピオイド受容体拮抗薬であるナルメフェンである。これは飲酒欲求を抑え、結果的に飲酒量を減らすことを目的とする薬剤で、日本でも2019年に承認された29。肝臓専門医も特定の研修を受けることで処方が可能となっており、肝臓内科と精神科の連携を促進する上で重要な役割を担っている。

5.5. 最終手段としての肝移植

薬物療法や支持療法に反応しない、ステロイド不応性の重症アルコール性肝炎に対する唯一の救命手段が肝移植である16

  • 国際的な動向と早期肝移植: 伝統的に、アルコール性肝疾患患者への肝移植は、移植後の再飲酒リスクを評価するために、最低6ヶ月間の断酒期間を設けることが一般的であった。しかし、ステロイド不応性の重症AHは数週間から数ヶ月で死に至るため、このルールでは救命できない。そこで、フランスの研究グループが2011年に、厳格な基準(初回肝不全、社会的サポートが良好、再飲酒リスクが低いなど)を満たした患者に限り、断酒期間を待たずに「早期肝移植」を行う臨床研究を実施。その結果、6ヶ月生存率が移植群で77%に対し、非移植群では23%と、劇的な延命効果が示された33。これを受け、欧米では早期肝移植が一部で選択肢となりつつある18
  • 日本の現状と課題: 日本における肝移植医療は、国際的な動向とは異なり、より慎重な立場をとっている。脳死肝移植の適応基準として、原則として18ヶ月以上の断酒が求められるなど、厳しい条件が課せられている29。この背景には、ドナー不足という深刻な問題に加え、アルコール性肝疾患という「自業自得」と見なされがちな疾患に対する社会的コンセンサスの欠如、そして移植後の再飲酒という倫理的な問題が横たわっている。
  • 統合的ケアの重要性: 肝移植を検討する際には、肝臓専門医だけでなく、精神科医、ソーシャルワーカー、心理士などから構成される学際的なチームが、患者の医学的状態、精神状態、社会的サポート体制を包括的に評価し、移植の適応と移植後のフォローアップ体制を慎重に検討することが不可欠である34
表3: 重症アルコール性肝炎に対する主要診療ガイドラインの治療推奨事項の要約
治療項目 日本肝臓学会 (JSH) 2022 米国消化器病学会 (ACG) 2024
重症度の定義 mDF, MELD, GAHSなどを参考に総合的に判断 MELD > 20 または mDF ≥ 32
第一選択薬 コルチコステロイドを考慮 プレドニゾロン 40mg/日 (28日間)
ペントキシフィリン 有効性は否定的であり、推奨されない 推奨しない
治療反応性評価 Lilleモデルなどが有用 Lilleモデルを推奨 (Day 7で > 0.45なら中止)
栄養療法 積極的な栄養管理を推奨 必須。30-40 kcal/kg, 1.5g/kgタンパク質を目標
肝移植の適応 慎重に適応を判断 (脳死肝移植は原則18ヶ月以上の断酒) ステロイド不応例に対し、厳選された患者で早期肝移植を考慮すべき
出典: 各学会の診療ガイドラインに基づく5

この比較から明らかなように、ステロイド治療や栄養療法の重要性については国際的なコンセンサスが得られている。一方で、肝移植の適応、特に早期肝移植に関する考え方には、日本と欧米で大きな隔たりが存在する。この点は、日本のアルコール性肝炎診療における今後の重要な議論の的となるだろう。

VI. 日本における予防、公衆衛生、および支援体制

アルコール性肝炎の克服には、個々の患者への治療だけでなく、社会全体での予防活動と、患者およびその家族を支える包括的な支援体制の構築が不可欠である。

6.1. 公衆衛生の観点からの予防戦略

厚生労働省は、「健康日本21」や2024年に公表された「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」などを通じて、アルコールによる健康障害のリスクを低減するための指針を示している39

  • 節度ある適度な飲酒: 健康へのリスクが比較的低いとされる飲酒量は、1日あたりの純アルコール摂取量で約20g程度とされている。これはビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ウイスキーダブル1杯(60ml)に相当する1
  • リスクの高い飲酒量の定義: 生活習慣病のリスクを高める飲酒量は、男性で1日平均40g以上、女性で20g以上と定義されている14
  • 休肝日の推奨: 肝臓を休ませ、アルコールへの依存を防ぐために、週に2日程度の飲酒しない日(休肝日)を設けることが広く推奨されている15
  • 危険な飲み方の回避: 短時間での多量飲酒(一気飲み)、空腹時の飲酒、不安や不眠を解消するための飲酒(寝酒)は、急性アルコール中毒や依存症のリスクを高めるため、避けるべきである20

6.2. 医療機関における相談と介入

  • 早期発見・早期介入: かかりつけ医や職場の健康診断は、自覚症状のない初期のアルコール性肝障害を発見する重要な機会である。血液検査でγ-GTPやAST, ALTの異常を指摘された場合は、専門医の受診が推奨される30
  • 専門家間の連携: アルコール性肝障害の治療は、肝臓専門医だけでは完結しない。背景にあるアルコール使用障害(依存症)を治療するために、精神科医や心療内科医との緊密な連携が不可欠である15。近年では、肝臓専門医が依存症治療薬(ナルメフェンなど)の処方に関するeラーニング研修を受けるなど、診療科の垣根を越えた協力体制の構築が進められている29

6.3. 日本の公的相談窓口と支援機関

アルコールに関する問題を抱えた本人や家族が、気軽に相談できる公的な窓口が全国に整備されている。

  • 保健所: 各市町村に設置されており、地域住民にとって最も身近な相談窓口である。保健師や医師、精神保健福祉士などの専門職が、電話や面接で相談に応じ、必要に応じて家庭訪問も行う47
  • 精神保健福祉センター: 各都道府県および政令指定都市に設置されている、より専門性の高い相談機関。「こころの健康センター」などの名称で呼ばれることもある。アルコール依存症に関する専門相談や、デイケア、家族教室などを実施している場合が多い47
  • 依存症対策全国センターおよび地域の相談拠点: 厚生労働省の事業として、依存症に関する正しい情報提供や、全国の相談窓口・医療機関の情報集約・発信を行っている47

6.4. 自助グループの役割と実際

同じ問題を抱える仲間と体験を分かち合い、支え合う自助グループ(Self-help group)は、アルコール依存症からの回復過程において極めて重要な役割を果たす。

  • 断酒会(全日本断酒連盟): 1963年に設立された日本で最も歴史のある自助グループ。全国各地に支部があり、定期的に「例会」と呼ばれるミーティングを開催している。「酒をやめたい」という本人の強い意志に基づき、実名を名乗り、体験談を語り合うことで断酒継続を目指す。家族も参加できるのが特徴である15
  • AA(アルコホーリクス・アノニマス): 世界180カ国以上に広がる国際的な自助グループ。「12のステップ」と呼ばれる回復プログラムを用いて、精神的な成長を通じて飲まない生き方を身につけることを目指す。匿名性(アノニマス)を厳格に守り、ミーティングではニックネームを使い、言いっぱなし・聞きっぱなしを原則とする15
  • 家族のための自助グループ: アルコール依存症は「家族の病」とも言われ、本人だけでなく家族も心身ともに疲弊することが多い。アラノンや地域の家族会は、依存症者の家族や友人が集まり、お互いの悩みを分かち合い、自分自身の心の平穏を取り戻すための場を提供している47
表4: 日本におけるアルコール使用障害およびアルコール性肝障害に関する主要な相談・支援窓口
機関種別 機関名 主な役割・特徴 探し方・連絡先
公的相談機関 保健所 地域に密着した身近な相談窓口。保健師等が対応。 各市町村のウェブサイト、厚生労働省「保健所管轄区域案内」50
公的相談機関 精神保健福祉センター 都道府県・政令市単位の専門相談機関。家族教室なども実施。 全国精神保健福祉センター長会ウェブサイト50
公的相談機関 依存症対策全国センター 全国の相談拠点や医療機関の情報提供。 依存症対策全国センターウェブサイト47
医療機関 依存症専門医療機関 アルコール依存症の専門的な診断・治療プログラムを提供。 各都道府県のウェブサイト、精神保健福祉センターからの紹介
自助グループ (本人) 全日本断酒連盟 (断酒会) 実名制。例会での体験談共有を通じて断酒を目指す。家族参加可。 全日本断酒連盟ウェブサイト (TEL: 03-3863-1600)49
自助グループ (本人) AA (アルコホーリクス・アノニマス) 匿名制。「12のステップ」に基づく回復プログラム。 AA日本ゼネラルサービスウェブサイト (TEL: 03-3590-5377)49
自助グループ (家族) アラノン家族グループ 依存症者の家族・友人のための自助グループ。家族自身の回復が目的。 アラノン・ジャパンウェブサイト (TEL: 045-642-8777)49
出典: 各機関の公式情報および厚生労働省の案内等に基づく47

この表に示すように、日本にはアルコール問題を抱える人々を支援するための多層的なネットワークが存在する。医学的な治療と並行してこれらの社会資源を効果的に活用することが、当事者とその家族が回復への道を歩む上で不可欠な鍵となる。

よくある質問

アルコール性脂肪肝とアルコール性肝炎はどう違うのですか?
アルコール性脂肪肝は、アルコール性肝障害の最も初期の段階で、肝臓に中性脂肪が溜まった状態です。通常は自覚症状がなく、断酒によって改善が見込めます1。一方、アルコール性肝炎は、脂肪肝を背景にさらに大量の飲酒が加わることで発症する、肝細胞の急激な炎症と壊死を伴う重篤な状態です。発熱、黄疸、倦怠感などの症状が現れ、重症化すると命に関わります4
アルコール性肝炎は治りますか?
治療の根幹は「完全な断酒」です31。初期の脂肪肝であれば、断酒によって肝臓は正常な状態に戻る可能性があります。しかし、肝炎が進行し、肝線維症や肝硬変に至ると、肝臓の構造が不可逆的に変化してしまいます。ただし、アルコール性肝硬変の場合でも、代償期であれば断酒によって肝機能が改善し、生命予後を延ばすことが可能です15。重症アルコール性肝炎は極めて危険な状態であり、専門的な医療機関での迅速な治療が必要です。
女性の方がアルコールで肝臓を壊しやすいというのは本当ですか?
はい、本当です。女性は男性に比べて体格が小さく、体内の水分量が少ないため、同じ量のアルコールを摂取しても血中アルコール濃度が高くなりやすい傾向があります19。また、胃でのアルコール分解能力が低いことや女性ホルモンの影響なども指摘されており、結果として男性よりも少ない飲酒量、短い飲酒期間で重篤な肝障害を発症しやすいことが知られています4
重症アルコール性肝炎に対する肝移植は日本でも受けられますか?
欧米では、ステロイド治療に反応しない重症例に対して、厳しい基準を満たした場合に「早期肝移植」が行われることがあります1833。しかし、日本の現状では、ドナー不足や倫理的な問題から、脳死肝移植の適応には原則として18ヶ月以上の断酒期間が求められるなど、非常に厳しい条件があります29。そのため、ステロイド不応性の重症アルコール性肝炎患者が日本で肝移植を受けることは極めて困難な状況です。
お酒をやめたいのですが、どこに相談すればよいですか?
まずはお住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターに相談することをお勧めします。専門の職員が無料で相談に応じてくれます47。また、根本的な解決にはアルコール使用障害(依存症)の治療が不可欠ですので、精神科や心療内科などの専門医療機関を受診することも重要です。さらに、同じ悩みを持つ仲間と支え合う「断酒会」や「AA(アルコホーリクス・アノニマス)」といった自助グループへの参加も、断酒を継続する上で非常に有効です1549

結論

7.1. 総括:アルコール性肝炎との闘いにおける日本の現在地

アルコール性肝炎は、その疫学的脅威の増大と深刻な予後から、現代日本の肝臓病学および公衆衛生における最重要課題の一つとなっています。本レポートでは、その病態生理、診断、治療、そして社会的な支援体制に至るまでを包括的に概観しました。 日本のアルコール性肝炎を巡る状況は、いくつかの重要な側面を持ちます。第一に、ウイルス性肝炎の減少と入れ替わるように、アルコール性肝疾患が肝硬変や肝がんの主要な原因となり、その死亡者数が増加の一途をたどっているという厳しい現実があります。第二に、病態解明は「腸-肝相関」といった新たな概念の導入により大きく進展し、治療の可能性を広げつつあります。第三に、診断・治療においては、日本肝臓学会による初の診療ガイド策定により標準化が進んだが、ステロイド以外に有効な薬物療法がない重症例の予後改善や、倫理的・社会的問題をはらむ肝移植の適応など、依然として多くの課題が残されています27。 そして最も根深い問題は、肝疾患の治療と、その根本原因であるアルコール使用障害の治療が、しばしば分断されていることです。肝臓専門医は依存症治療に、精神科医は肝疾患の管理に必ずしも精通しておらず、両者の連携不足が患者の長期的な回復を妨げる一因となっています。また、アルコール依存症に対する社会の根強い偏見も、患者が適切な支援につながることを困難にしています。

7.2. 研究の最前線と将来の治療法

これらの課題を克服するため、世界中で精力的な研究が進められています。今後の治療法として期待されるのは、以下のようなアプローチです。

  • 腸内環境の正常化: 破綻した腸-肝相関を是正するため、健康なドナーの便を移植する「糞便マイクロバイオータ移植(FMT)」や、特定のプロバイオティクスを用いた治療が、臨床研究段階で有望な結果を示している18
  • 抗線維化薬の開発: 肝硬変への進行を直接抑制する抗線維化薬は、長年の研究テーマである。NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を対象とした薬剤開発が先行しており、その成果がアルコール性肝障害にも応用されることが期待される59
  • 非侵襲的診断法の開発: 患者への負担が大きい肝生検を代替・補完するため、血液や画像から肝臓の炎症や線維化の程度を正確に評価できる、新たなバイオマーカーや診断技術の開発が求められている32

7.3. 求められる統合的ケアモデルと社会の役割

アルコール性肝炎の真の克服は、新薬の開発だけで達成されるものではありません。最も重要なのは、医療提供体制そのものの変革、すなわち「統合的ケアモデル」の構築です。これは、肝臓専門医、精神科医、依存症専門のカウンセラー、ソーシャルワーカー、看護師などが一つのチームとして連携し、患者の身体的な問題(肝疾患)と心理・社会的な問題(アルコール使用障害)に、同時並行で、かつ包括的にアプローチする体制である34。 このようなモデルにおいては、治療の目標も多様化する。完全な断酒が理想であることは間違いないが、それが困難な患者に対しては、飲酒量を減らすことで健康被害を最小限に抑える「ハームリダクション」も、現実的で重要な選択肢として位置づけられるべきである5。飲酒量低減薬ナルメフェンの登場は、この考え方を具現化するものであり、社会全体でその意義を理解し、支援していく必要がある。 最終的に、アルコール性肝炎の問題は医療の枠を超え、社会全体で取り組むべき課題である。「アルコール健康障害対策基本法」が示すように、国、地方公共団体、酒類関連事業者、医療関係者、そして国民一人ひとりが、アルコール関連問題に関する正しい知識を持ち、それぞれの立場で責務を果たしていくことが求められる56。アルコール性肝炎という静かなる脅威から国民の命と健康を守るためには、科学的エビデンスに基づいた医療の進歩と、患者を孤立させない温かい社会的支援の両輪が不可欠なのである。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、または健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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  58. シンプレ訪問看護ステーション. 一人で悩まないで!アルコール依存症の相談で解決策を見つけよう. [インターネット]. [引用日: 2025年7月3日]. Available from: https://shimpre-houkan.com/blog/disease/alcoholism-consultation/
  59. さいとう内科クリニックブログ. 肝硬変の新薬情報や最新の臨床試験の動向. [インターネット]. [引用日: 2025年7月3日]. Available from: https://saito-naika-cl.com/blog/post-359/
  60. 医書.jp. NASH・アルコール性肝障害の診療を極める【電子版】. [インターネット]. [引用日: 2025年7月3日]. Available from: https://store.isho.jp/search/detail/productId/2105639160/
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