【科学的根拠に基づく】新生児との最初の7日間:日本の新米ママ・パパのためのエビデンスに基づく成長とケアの完全ガイド
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【科学的根拠に基づく】新生児との最初の7日間:日本の新米ママ・パパのためのエビデンスに基づく成長とケアの完全ガイド

新生児の誕生後、最初の1週間は、新しい親にとって喜び、疲労、そして深い学びに満ちた、重大な変化の連続です。この時期、多くの情報が氾濫し、新しい命を預かる責任感から自然な不安を抱くことでしょう。この記事は、日本の新しい親たちが自信と落ち着きをもってこの重要な数日間を乗り越えられるよう、信頼できる科学的根拠に基づいた知識を提供するパートナーとなることを目指しています。本稿は、世界保健機関(WHO)や米国小児科学会(AAP)といった国際機関の権威ある勧告と、日本の厚生労働省、こども家庭庁、そして日本小児科学会が提供する詳細な指針や支援体制とを独自に統合しています。これにより、医学的に健全であるだけでなく、日本の文化的背景や医療制度に即した、実用的な情報を提供します。続く各章では、新生児の身体的・感覚的発達の詳細な解説、日々のケアに関する実践的ガイド、日本の優れた新生児保健サービスを活用するための明確な指針、母親自身の産後回復に特化したセクション、そして赤ちゃんと生涯にわたる絆を築くための洞察を提供します。赤ちゃんと母親、そして家族全体の幸福を包括的に捉えることで、日本で親子としての素晴らしい旅を始めるための決定版ガイドとなることを目指します。


この記事の科学的根拠

この記事は、引用元として明示された最高品質の医学的証拠にのみ基づいています。以下に、参照された実際の情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示します。

  • 世界保健機関(WHO)および米国小児科学会(AAP): この記事における、生後6か月間の完全母乳育児の推奨、肌と肌のふれあい(カンガルーケア)の重要性、へその緒のケアに関する指針は、これらの国際機関の研究およびガイドラインに基づいています48
  • 日本の厚生労働省およびこども家庭庁: 乳幼児突然死症候群(SIDS)予防策(仰向け寝、安全な睡眠環境)、産後ケア事業の概要、母子健康手帳の役割に関する記述は、これらの日本の公的機関が発表したガイドラインや法律に基づいています10112140
  • 日本小児科学会: 2021年に改訂されたビタミンK欠乏性出血症(VKDB)予防のための新しい13回投与プロトコルに関する記述は、同学会の提言に基づいています30
  • 日本国内の研究・医療機関: アトピー性皮膚炎のリスクを低減する可能性のある、出生直後からの積極的な保湿スキンケアに関する指針は、日本国内で行われた複数の研究成果に基づいています171819

 

       

要点まとめ

       

               

  • 新生児は生後数日で体重が5~7%減少するのが正常(生理的体重減少)であり、通常7~10日で出生体重に戻ります。
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  • 安全な睡眠環境が最も重要です。乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のため、「仰向け寝」「硬い敷布団の使用」「ベッド周りに何も置かない」を徹底してください。
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  • 日本の新しいビタミンK投与法(3か月法)は、赤ちゃんの重篤な出血を防ぐため、生後3か月まで週1回のシロップ投与が必要です。
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  • 「母子健康手帳」は、検診や予防接種の記録だけでなく、医療者との重要なコミュニケーション手段です。すべての受診時に持参してください。
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  • 産後の母親の心身のケアも不可欠です。自治体が提供する「産後ケア事業」(宿泊型・日帰り型・訪問型)の利用を積極的に検討しましょう。
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第1章 赤ちゃんのことを知ろう:生後1週間の身体的特徴と五感の発達

   
最初の7日間は、赤ちゃんが子宮という保護された環境から外の世界へと移行する、急激な適応の時期です。新生児の正常な身体的特徴や生来の能力を理解することは、自信を持って適切なケアを提供するための第一歩です。「正常」という概念には幅広い範囲が含まれることを認識することが重要で、データは有用な参考情報を提供しますが、一人ひとりの赤ちゃんの成長過程は個性的です。
   

1.1 新生児のからだ:頭からつま先までの観察ガイド

   
赤ちゃんの体を観察することは、健康と発達に関する重要な手がかりを与えてくれます。新米の親にとっては珍しく見える多くの特徴も、健康な新生児が外の世界に適応している完璧に正常な兆候です。

  • 身体測定: 出生時の新生児の平均身長は約50cm、標準的な体重は約3,000g、頭囲は約33cmです1。これらは平均値であり、健康な赤ちゃんはこれより小さかったり大きかったりすることがあります。成長は継続的なプロセスであり、最初の1年で身長は約1.5倍に、体重は約3倍になります1
  • 生理的体重減少: 親が最初に抱く不安の一つが体重減少です。新生児が生後2〜3日で出生時体重の5%から7%を失うのは全く正常なことです2。これは通常、授乳不足の兆候ではなく、子宮内で蓄積された余分な体液を排出する自然な過程です。ほとんどの赤ちゃんは7日から10日以内に出生時の体重に戻ります1。病院やその後の検診で医療専門家による一貫した観察が、赤ちゃんが健康な軌道に乗っていることを確認します。
  • 皮膚: 新生児の皮膚はデリケートで、いくつかの一般的で無害な特徴を持つことがあります。多くの赤ちゃんは、胎脂(たいし)と呼ばれる白く蝋のような物質で覆われて生まれてきます。これは天然の保湿剤として機能し、皮膚を保護します1。これを自然に吸収させるのが最善です。最初の数週間は、母親のホルモンの影響で、新生児ざ瘡(しんせいじざそう)のような小さな吹き出物のような状態が現れることがあります。これは一時的なもので、通常は優しい洗浄で自然に治まります3
  • へその緒: 臍帯(へそのお)の残りの部分は、通常1〜2週間以内に乾燥して硬くなり、自然に取れます1。世界保健機関(WHO)が推奨する世界標準のケアは、治癒を促進し感染を防ぐために、へその緒を清潔で乾燥した状態に保つことです。軟膏や粉、その他の物質を塗らないことが重要です4。空気にさらし、おむつの上部を折り下げておくことで、乾燥を早めることができます。
  • : 経膣分娩後の新生児の頭は、産道を通る際の一時的な結果として、わずかに円錐形に見えることがあります。頭には泉門(せんもん)として知られる2つの柔らかい部分があります。上部にある大きい菱形の大泉門(だいせんもん)と、後部にある小さい三角形の小泉門(しょうせんもん)です1。頭蓋骨がまだ癒合していないこれらの部分は正常であり、生後1年間に起こる急速な脳の成長に不可欠です。
  • 呼吸と循環: 新生児の呼吸は、短い休止の後に速い呼吸が続くなど、不規則に見えることがあります。これは呼吸器系が成熟するにつれての正常なパターンです。新生児の正常な呼吸数は毎分30〜60回です1。心拍数も成人よりはるかに速く、通常は毎分120〜160拍の範囲です1。これらの正常範囲を理解することは、親が典型的な新生児の呼吸と、持続的に速い呼吸のような潜在的な危険信号とを区別するのに役立ちます。

1.2 生まれながらの能力:赤ちゃんに備わった反射

新生児は、生まれながらの生存キットとして機能する一連の原始反射(げんしはんしゃ)を備えています。これらの反射の存在と強さは、健康的で発達中の神経系の重要な指標です。

  • 吸啜(きゅうてつ)反射: 赤ちゃんの頬をなでると、その方向に頭を向け、口を開けて乳首を探します。これは「ルーティング反射」と呼ばれます。口蓋に何かが触れると引き起こされる強力な吸啜反射と組み合わさり、赤ちゃんが食料源を見つけて効果的に授乳できるようにします5
  • 把握(はあく)反射: 新生児の手のひらに指を置くと、驚くほどの力で握りしめます。これは手掌把握反射です。足にも同様の反射が起こります1。この反射は自発的な把握の前兆であり、優しく刺激することは、初期の簡単な交流や発達支援の一形態となり得ます6
  • モロー反射: しばしば驚愕反射と呼ばれるモロー反射は、突然の大きな音や落下感に反応して起こります。赤ちゃんは腕と脚を広げ、その後引き戻し、しばしば泣き声をあげます7。これは苦痛に見えるかもしれませんが、健康な神経学的反応の正常で重要な兆候です。
  • 自動歩行反射: 新生児を平らな面で足をつけた状態で直立させると、歩いているかのような足踏み運動をすることがよくあります1。この反射は通常、数か月後には消えます。

1.3 五感で感じる世界:赤ちゃんは何を見て、聞いて、感じているか

新生児は受動的に見えるかもしれませんが、生まれた瞬間から五感を通して積極的に世界を取り込んでいます。

  • 視覚: 新生児の視力はまだ発達中です。視力は推定0.01程度でぼやけており、授乳中に親の顔を見つめるのに最適な距離である20〜30cmで最もよく見えます1。明暗を区別でき、高コントラストの模様や人の顔に自然と引き寄せられます。
  • 聴覚: 聴覚は出生時に最も発達している感覚の一つです。赤ちゃんは子宮の中から数ヶ月間、音を聞いてきました。母親の声を認識し、聞き慣れた音に安心することがあります1。生まれた初日から新生児に話しかけたり、歌ったり、読み聞かせをしたりすることは、絆を深め、初期の言語発達を促す強力な方法です。
  • 嗅覚: 新生児の嗅覚は非常に鋭敏です。母親特有の匂いをすぐに識別できるようになり、それが乳房へ導き、強い安心感と安全感を提供します1
  • 触覚: 新生児にとって、触覚は主要な言語です。皮膚は温度、圧力、痛みに非常に敏感です1。優しくなでたり、抱きしめたり、肌と肌を合わせたりすることは、ただ心地よいだけでなく、赤ちゃんの生理的システムを調整し、安全な情緒的絆を築くのに役立つ本質的なコミュニケーションの一形態です。

第2章 毎日の生活リズム:新生児ケア実践ガイド

自宅での最初の1週間は、栄養、睡眠、快適さといった赤ちゃんの基本的なニーズを満たすケアのリズムを確立することが中心となります。この章では、世界的な最良の実践と日本の具体的な推奨事項を統合し、自信を築き、新生児にとって育む環境を作るための、実践的で科学的根拠に基づいたガイドを提供します。

2.1 授乳と栄養:成長の土台づくり

授乳は栄養補給以上のものであり、絆と安らぎの礎です。母乳育児、人工乳(ミルク)育児、または混合育児のいずれを選んでも、鍵となるのは、赤ちゃんの空腹のサインに愛情と忍耐をもって応える「応答的な授乳」です。

  • 母乳育児の力: 世界保健機関(WHO)やユニセフ、米国小児科学会(AAP)などの国際保健機関は、母子双方にとって広範な健康上の利点があるため、生後6か月間の完全母乳育児を強く推奨しています89。初乳(しょにゅう)として知られる最初の母乳は、抗体を豊富に含む濃厚な黄色い液体で、重要な初期免疫を提供します2。母乳の成分は、赤ちゃんの変化するニーズに合わせて動的に変化します。成功する母乳育児の核心的な原則は、「赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ」与えることです4。これは厳格なスケジュールに従うのではなく、赤ちゃんが空腹のサインを示したらいつでも授乳することを意味します。このアプローチは、赤ちゃんが十分な母乳を得ることを保証するだけでなく、安定した母乳の分泌を確立するのにも役立ちます。さらに、研究では母乳育児が乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク低下と関連していることが一貫して示されており、この点は日本の公衆衛生キャンペーンでも強く強調されています10
  • ミルク・混合栄養の進め方: 母乳育児が奨励される一方で、すべての家族にとってそれが常に可能であったり、望ましい選択肢であったりするわけではないことを認識することが重要です。支援的で、批判的でないアプローチが不可欠です。現代の乳児用ミルクは、赤ちゃんに完全で安全な栄養を提供するように設計されています2。ミルクを使用する場合は、適切な衛生状態と正しい濃度を確保するために、調製指示に正確に従うことが不可欠です。多くの家族にとって、母乳とミルクの組み合わせ(混合栄養)は、実用的で効果的な解決策です。最終的な目標は、十分に栄養を与えられた赤ちゃんと、支援され自信を持った母親です。
  • 授乳のサインと頻度: 赤ちゃんの初期の空腹のサインを認識することは重要な技術です。頭を回して口を開ける(ルーティング)、手を口に持っていく、吸うような動きをするなどのサインに注目してください14。これらの初期のサインに応えることで、本格的に泣き出すことによる苦痛を防ぐことができます。新生児は胃が小さく、頻繁に食事をする必要があり、通常は24時間で8〜12回、または2〜3時間ごとです。
  • げっぷと吐き戻し: 赤ちゃんは授乳中に空気を飲み込むことが多く、それが不快感の原因になることがあります。授乳中と授乳後にげっぷをさせることで、この閉じ込められた空気を放出するのに役立ちます。また、食道と胃の間の筋肉がまだ発達途中であるため、新生児が少量のミルクを吐き戻すことは非常によくあります。これが強制的で頻繁であったり、体重増加不良を伴ったりしない限り、一般的に心配する必要はありません。

2.2 睡眠と安全:安心して眠れる環境づくり

新生児はほとんどの時間を睡眠に費やすため、安全な睡眠環境を整えることは、新しい親にとって最も重要な責任の一つです。SIDS予防の核心原則については世界的に強い合意があり、米国のAAPや日本の厚生労働省・こども家庭庁のガイドラインは驚くほど一致しています。これらの規則を守ることで、SIDSやその他の睡眠関連の事故のリスクが大幅に減少します。

  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)予防の基本原則:
    • あおむけ寝: SIDSのリスクを減らす最も効果的な単一の対策は、昼寝も夜も、すべての睡眠時に赤ちゃんを仰向けに寝かせることです。横向き寝は安全ではありません15。日本のガイドラインもこれを強く推奨しており、顔が見えるように仰向けに寝かせることが勧められています10
    • 固めの敷布団・マットレス: 赤ちゃんは傾斜のない、硬くて平らな寝具で寝るべきです。低反発マットレス、大人のベッド、ソファなどの柔らかい寝具は、くぼみができて窒息や二酸化炭素の再呼吸のリスクを高める可能性があります15。日本では、国の安全基準を満たしていることを示すPSCマークが付いた、安全認定されたベビーベッドを使用することが特に推奨されています10
    • ベッドには何も置かない: 赤ちゃんの睡眠スペースには、柔らかいものや緩いものを一切置かないようにしてください。これには枕、毛布、掛け布団、ベッドバンパー、ぬいぐるみなどが含まれます。これらのアイテムは窒息、挟み込み、首が締まるなどの重大な危険をもたらします10。赤ちゃんを暖かく保つためには、緩い毛布よりも、着るタイプの毛布(スリーパー)の方がはるかに安全です。
    • 添い寝 vs. ベッド共有: AAPは、乳児が生後少なくとも6か月、理想的には1年間は、親の部屋で、しかし別の硬い寝具(ベビーベッドやバシネットなど)で寝ることを推奨しています。この「同室寝」はSIDSのリスクを最大50%も減少させることができます15。これを、同じベッドで赤ちゃんと寝る「ベッド共有」と区別することが重要です。日本文化では「添い寝」が一般的ですが、国際的および日本の公式ガイドラインでは、安全上の危険からこれを推奨していません。赤ちゃんが眠る最も安全な場所は、専用の睡眠スペースです。親が意図せず赤ちゃんと一緒に寝てしまう可能性があることを認識し、大人のベッドからすべての枕や重い寝具を取り除き、親がアルコールや薬、極度の疲労で意識が朦朧としていないことを確認することで、可能な限り安全な環境を作ることが重要です。しかし、最も強く推奨される実践は、常に赤ちゃんを別の寝具に戻すことです。
  • 新生児の睡眠を理解する: 新生児は1日に合計16〜20時間眠りますが、それは2〜3時間ごとの短い断片的なサイクルです14。彼らはまだ概日リズム(サーカディアンリズム)が確立されていないため、睡眠は昼夜のパターンに整理されていません。これが、彼らが授乳のために24時間体制で頻繁に目覚める理由です。この生物学的な現実を理解することは、親が期待を調整し、最初の数ヶ月の睡眠不足に対処するのに役立ちます。

2.3 清潔と快適さ:デリケートな肌へのやさしいケア

新生児の皮膚は薄く敏感で、その保護バリアを維持するために優しいケアが必要です。適切な衛生管理は感染症を防ぎ、赤ちゃんを快適に保ちます。

  • 沐浴: 新生児に初めてお風呂に入れることは親にとって不安な経験かもしれませんが、準備をすれば穏やかで楽しい日課にすることができます。毎日お風呂に入れる必要はなく、2、3日に1回で十分です。お風呂の間は、柔らかい湿った布で顔、首、手、おむつ周りを拭く「部分浴」ができます。へその緒が取れてその部分が完全に治るまでは、スポンジバスのみにすべきです。
  • 新生児のスキンケア: 日本の研究で強く裏付けられている小児科ケアの重要な進展は、出生時から積極的なスキンケアを実践することです。研究により、一貫した保湿が皮膚のバリア機能を強化し、後々のアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減する可能性があることが示されています17。推奨される日課は2つの重要なステップから成ります:
    1. 洗浄: 優しく、低刺激で、無添加の洗浄剤を使用します。洗浄剤を手に取ってよく泡立ててから、赤ちゃんの肌に塗布します。布ではなく手で優しく洗い、皮膚のしわの部分に注意を払います。すべての残留物を取り除くために、十分にすすぎます3
    2. 保湿: 入浴後、肌を優しく叩いて乾かし、肌がまだ少し湿っている間にすぐにたっぷりの保湿剤を塗布します。量の目安として「フィンガーティップユニット」が役立ちます。大人の人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出したクリームの量が、大人の手のひら2枚分の面積を覆うのに十分です3
  • おむつ交換: 新生児は頻繁に排尿・排便するため、皮膚の刺激やおむつかぶれを防ぐために、おむつを頻繁に交換する必要があります。段階的なプロセスが役立ちます:
    1. 赤ちゃんを安全で平らな場所に寝かせます。
    2. 清潔な開いたおむつを赤ちゃんの下に置きます。
    3. 汚れたおむつを外し、おしりふきや湿った布で赤ちゃんの臀部をきれいに拭きます。女の子の場合、細菌が尿道に入るのを防ぐために、前から後ろに拭くことが非常に重要です20
    4. 汚れたおむつを取り除き、新しいおむつをしっかりと留め、手を洗います。

表2: 生後1週間の赤ちゃんの1日:授乳・睡眠・活動の柔軟なスケジュール例
新米の親は予測可能なスケジュールを求めがちですが、新生児のニーズは時計に支配されません。この表は、柔軟で繰り返されるケアのサイクルを示しており、親が厳格なタイムラインを押し付けるのではなく、赤ちゃんのサインに応じて対応できるように力づけます。目的は、不安を減らし自信を築くための心の枠組みを提供することです。

時間帯(例) 活動サイクル 詳細と注意点
午前7:00 – 午前9:00 起床 & 授乳 赤ちゃんが目覚める。初期の空腹サイン(口をパクパクさせる、手を口に持っていく)を認識する。欲しがる時に授乳。
  活動時間 授乳後、おむつを交換。抱っこ、話しかけ、肌と肌のふれあいなど、穏やかな交流の時間。活動時間は非常に短い(45〜60分)。
  睡眠 眠そうなサイン(あくび、目をこする、ぐずる)に注意。安全な睡眠スペースで仰向けに寝かせる。睡眠時間は30分から2〜3時間まで様々。
午前9:00 – 午後12:00 サイクルの繰り返し 赤ちゃんが目覚め、サイクルが再び始まる:授乳 → 活動時間 → 睡眠。サイクルの各部分の長さは変動する。
午後12:00 – 午後3:00 サイクルの繰り返し 赤ちゃんのペースに従い続ける。一部の赤ちゃんは非常に頻繁に授乳する「クラスターフィーディング」期間があるかもしれない。これは正常で、母乳の分泌を促す。
午後3:00 – 午後6:00 サイクルの繰り返し 授乳 → 活動時間 → 睡眠のパターンが続く。
午後6:00 – 午後9:00 サイクルの繰り返し 夕方のぐずりは一般的。おくるみ(まだ寝返りしない場合)、優しく揺らす、温かいお風呂などが助けになることがある。
午後9:00 – 午前0:00 サイクルの繰り返し 夜間も欲しがる時に授乳を続ける。赤ちゃんが昼と夜の違いを学ぶのを助けるため、照明を暗くし、静かに関わる。
午前0:00 – 午前7:00 夜間サイクル 夜通し、サイクルが2〜4回繰り返される。親が疲労を管理するため、赤ちゃんが眠っている時に一緒に眠ることが不可欠。

第3章 日本の新生児医療制度活用ガイド

日本は、母親と子どものための世界で最も包括的で体系化された公衆衛生システムの一つを提供しています。このシステムは基本的に予防的であり、すべての新生児の健康と幸福を確保するために、早期発見と積極的な介入を目的として設計されています。このシステムをどのように活用するかを理解することは、日本での自信ある子育ての重要な一部です。このシステムを航海するための中心的な道具が母子健康手帳です。

3.1 母子健康手帳:家族の健康パスポート

母子健康手帳(Boshi Kenko Techo)は、単なる記録帳ではありません。これは母子保健法に基づき制定された法的文書であり、妊娠から乳幼児期、学童期に至るまで、母子双方にとって包括的で生涯にわたる健康パスポートとして機能します21。その最も重要な意義は、重要な健康情報を一つの携帯可能な記録に統合する能力にあります。これにより、医師、助産師、保健師など、どの医療提供者でも健康診査、予防接種、発達のマイルストーンの完全な履歴を見ることができ、ケアの継続性が保証されます21。これは、家族が異なる専門医にかかったり、自治体を移動したりする可能性がある保健システムにおいて、非常に価値があります。新米の親にとって、母子手帳は不可欠なツールです。すべての医療機関での受診、健康診査、予防接種に持参することが不可欠です21。親は、これを単なる受動的な記録としてだけでなく、積極的なコミュニケーション手段として使うことが奨励されます。親が自身の観察、質問、懸念を書き留めるセクションがあり、これを受診時に医療専門家と話し合うことができます。手帳には、子どもの発達、栄養、安全に関する信頼できる情報も豊富に含まれており、信頼できる参考ガイドとして役立ちます。さらに、専門家が特別な支援を必要とする家族を特定し、地域の資源に繋ぐのを助けることで、公衆衛生上も重要な役割を果たします21

3.2 生後数週間の必須医療

日本の医療制度には、生後数日および数週間に、義務付けられているか、または強く推奨されるいくつかの処置が含まれています。これらは単なるルーチンではなく、すべての子どもにとって強力なセーフティネットを形成する重要なスクリーニングツールです。

  • 先天性代謝異常等検査: これは日本のすべての新生児に行われる普遍的なスクリーニング検査です。その目的は、治療されない場合に重度の知的障害やその他の健康問題を引き起こす可能性のある、いくつかの稀で深刻な遺伝的および代謝的状態を検出することです25。検査は、かかとからの簡単な採血で行われ、特別な濾紙に採取されます。これは通常、赤ちゃんが定期的な授乳を確立した後の生後4〜6日に行われます28。低出生体重児(2000g未満)の場合、初期検査が行われ、正確性を確保するために後日、生後1か月または体重が2500gに達した時点で再検査が推奨されます29。このスクリーニングによる早期発見は、特別な食事療法などを通じて即時の治療を可能にし、これらの病気の壊滅的な結果を防ぐことができます。
  • ビタミンK投与の新方式「3か月法」: これは日本の新生児ケアにおける重要かつ比較的新しい改訂です。2021年、日本小児科学会および関連団体は、脳内などへの内出血を引き起こす可能性のある重篤な状態であるビタミンK欠乏性出血症(VKDB)を予防するためのガイドラインを改訂しました30。以前の方法はビタミンK2シロップの3回投与でした。しかし、証拠によれば、これは特に母乳中のビタミンKが自然に少ない完全母乳栄養児において、遅発性VKDBの全症例を防ぐには不十分でした30。 より確実な新しいプロトコルは、出生時、1週間後(または退院時)、そしてその後3か月に至るまでの11週間にわたって週1回、合計13回の投与を含みます31。親がこのスケジュールを理解し、遵守することが非常に重要です。もし服用後に嘔吐したり、飲み忘れたりした場合は、計画通りに週ごとのスケジュールを続けるべきです32。重要な例外があります:1か月健診の時点で栄養の半分以上を強化された乳児用ミルクから摂取している赤ちゃんについては、ミルクにはすでに十分なビタミンKが含まれているため、その後の週ごとの投与を中止することができます30。この決定は小児科医と相談の上で行うべきです。
  • 新生児聴覚スクリーニング: このスクリーニングは通常、退院前に病院で行われます。これは、潜在的な聴覚障害を確認するための迅速で痛みのない検査です。聴覚障害の早期発見は、子どもの言語的および社会的発達にとって不可欠です。結果は母子手帳に記録されます21

3.3 受診のタイミング:新生児の危険なサイン

新米の親にとって最大の課題の一つは、症状が新生児の正常な一部なのか、それとも深刻な問題の兆候なのかを知ることです。危険なサインを認識し、迅速な医療を求める能力は、重要なスキルです。この表は、一般的なアドバイスを具体的で実行可能なチェックリストに変換したものです。
表1: 新生児の危険なサインと緊急受診の目安
この表は、緊急の医療処置が必要な症状に関する明確なガイドを提供します。自分の直感を信じてください。赤ちゃんのことで心配な場合は、専門家のアドバイスを求めるのが常に最善です。

サイン / 症状 取るべき行動
授乳の問題 哺乳力が弱い、連続して何度か授乳を拒否する、吸う力が非常に弱い。 今すぐかかりつけの医院や病院に電話で相談してください。
呼吸の異常 呼吸が速い(落ち着いている状態で一貫して毎分60回以上)。 直ちにかかりつけの医院や病院に電話してください。
  重度の陥没呼吸(肋骨の間や肋骨の下の皮膚が鋭く引き込まれる)。 最寄りの救急外来へ行ってください。これは呼吸困難の兆候です。
  息を吐くたびにうめき声がする、鼻の穴が広がる。 最寄りの救急外来へ行ってください。
体温の異常 発熱(体温が37.5℃または38.0℃以上。医院の特定の指針を確認)。 直ちにかかりつけの医院や病院に電話してください。医師の指示なしに薬を与えないでください。
  低体温(36.5℃未満)、肌が触ると冷たい。 直ちにかかりつけの医院や病院に電話してください。アドバイスを待つ間、肌と肌を合わせて赤ちゃんを温めてみてください。
活動性・泣き声の変化 元気がない(非常に眠そうで、授乳のために起こすのが難しい、ぐったりしている)。 直ちにかかりつけの医院や病院に電話してください。
  普段の泣き声とは違う、甲高い、なだめられない泣き声。 今すぐかかりつけの医院や病院に電話で相談してください。
  けいれんや発作(体が突っ張る動き、一点を見つめる)。 最寄りの救急外来へ行ってください。
皮膚の色の変化 黄疸(おうだん)が悪化している、または黄色い色が手のひらや足の裏に広がっている。 今すぐかかりつけの医院や病院に電話で相談してください。
  特に唇や顔の周りの皮膚が青白い、または青みがかった色(チアノーゼ)。 最寄りの救急外来へ行ってください。
便の色 白っぽい、または粘土色の便。 母子手帳の便色カードで比較してください。便が色見本の1~3番に一致する場合、肝臓疾患の兆候である可能性があるため、直ちに小児科医に連絡してください。

3.4 今後の予定:産後2週間・1か月児健康診査の準備

日本の制度には、専門家による定期的な評価と親への指導の機会を提供する、体系化された健康診査が含まれています。産後2週間健診は、しばしばオンラインや電話で行われ、母親の回復状態や、授乳や育児に関する初期の課題に焦点を当てます35。1か月健康診査は、母子ともに非常に重要な対面での診察で、通常は赤ちゃんが生まれた施設で行われます35。赤ちゃんについては、小児科医が徹底的な診察を行います:

  • 身体的成長: 赤ちゃんが順調に成長しているかを確認するために、体重、身長、頭囲、胸囲を測定します7
  • 身体診察: 持続的な黄疸の有無、心臓と肺の聴診、腹部の触診、目、口、性器の診察を行います37
  • 神経学的および筋骨格系の健康: モロー反射などの原始反射を評価し、股関節脱臼の兆候がないかを確認します7
  • 栄養: 授乳パターンについて話し合い、母乳育児やミルクに関する懸念事項に対応します7

この診察は、親が質問をする絶好の機会です。訪問中に確実に質問できるよう、事前に母子手帳に質問や懸念事項を書き留めておくことを強くお勧めします。これはまた、小児科医がビタミンKの継続投与計画を確認する時期でもあります。
表3: 日本の新生児保健システム:生後1か月の主要マイルストーンと手続き
このタイムラインは、最初の1か月間の健康関連の手続きの順序を解き明かし、一連の診察から、明確で管理しやすいロードマップへと変えます。

時期 イベント / マイルストーン 目的 親の役割
出生(0日目) 初期健康チェック 子宮外の生活への赤ちゃんの即時適応を評価する。 絆を深め、授乳を開始する。
入院中(0~2日目) 新生児聴覚スクリーニング 潜在的な聴覚障害の早期発見。 検査が完了し、結果が母子手帳に記録されていることを確認する。
入院中(0~2日目) ビタミンK投与 #1 ビタミンK欠乏性出血症(VKDB)を予防するための初回投与。 看護師に投与を確認する。
入院中(4~6日目) 先天性代謝異常等検査 稀だが重篤な代謝異常をスクリーニングするための、かかとからの採血。 検査前に赤ちゃんが十分に授乳していることを確認する。
退院時(5~7日目) ビタミンK投与 #2 VKDB予防を継続するための2回目の投与。 投与を確認し、3か月プロトコルの残りの投与分を受け取る。
産後約2週間 2週間健診 多くは遠隔(電話/オンライン)でのチェックで、母親の回復と初期の育児課題を評価する。 授乳、育児、自身の身体的・精神的な健康に関する質問を準備する。
毎週 ビタミンK投与 #3~5 ビタミンK2シロップの週1回投与。 一貫性を保つために、「シロップの日曜日」などの習慣を作る。
産後約1か月 1か月健康診査 母子双方の包括的な身体検査。 準備した質問を記載した母子手帳を持参する。小児科医と授乳について話し合い、継続的なビタミンK計画を確認する。

第4章 ママ自身のケア:日本の「産後」を支える知識

しばしば「第四の三半期」と呼ばれる産後期は、新しい母親にとって身体的および感情的に大きな調整の時期です。日本では、かつての伝統的な家族の支援構造が現代社会では常に利用できるわけではないという認識が広まっています。これに応え、母親が必要なケアを受けられるように、専門的な産後支援の公式なシステムが開発されました。自分自身をケアすることは利己的ではなく、赤ちゃんをケアするために不可欠です。

4.1 産後の身体的な回復

出産は大きな身体的出来事であり、回復には時間がかかります。自分の体が経験する正常な変化を理解することは、忍耐をもってそのプロセスを管理するのに役立ちます。

  • 後陣痛(こうじんつう): 子宮が妊娠前の大きさに戻るにつれて、多くの女性が後陣痛として知られるけいれんを経験します。これらは、母乳分泌を刺激するホルモンであるオキシトシンが子宮収縮も引き起こすため、特に授乳中に顕著になることがあります。これらは二人目以降の出産でより強く感じられることが多く、通常は数日で治まります2
  • 悪露(おろ): これは出産後に起こる膣からの分泌物で、血液、粘液、子宮組織から成ります。これは治癒過程の正常な部分です。最初の数日間は、重い月経のようなもので、鮮やかな赤色です。次の数週間で、徐々に量が減り、色が赤からピンクがかった茶色、そして最終的には黄色がかった白色に変わります2。出血が再び非常に重くなったり、大きな血栓が出たり、分泌物から悪臭がしたりする場合は、感染症やその他の合併症の兆候である可能性があるため、医師に連絡することが重要です。
  • 会陰部のケア: 経膣分娩をした場合、会陰部(膣と肛門の間の領域)は痛み、腫れます。最初の24時間にアイスパックや冷却パッドを使用すると、痛みや腫れを軽減するのに役立ちます39。トイレ使用後に温水を入れた洗浄ボトルでその領域を清潔に保つことは、衛生的で快適さのために重要です。
  • 乳房の張り: 出産後2〜5日で、成熟乳が出始めると、乳房が非常に張り、硬く、圧痛を伴うことが一般的です。これは乳房緊満として知られています。これを管理する最善の方法は、頻繁で効果的なオンデマンド授乳です。乳房が張りすぎて赤ちゃんが吸い付けない場合は、授乳前に手や搾乳器で少量の母乳を搾り出すと助けになります。授乳前の温湿布は乳汁の流れを促し、授乳間の冷湿布は腫れや不快感を軽減するのに役立ちます39

4.2 心の健康:産後の不安定な時期を乗り越える

産後の感情的な旅は、身体的なものと同じくらい困難な場合があります。ホルモンの変動、深刻な睡眠不足、そして新しい赤ちゃんの計り知れない責任感が、感情的な脆弱性の完璧な嵐を生み出すことがあります。

  • マタニティーブルーズ: 新しい母親の大多数が出産後1〜2週間に「マタニティーブルーズ」を経験します。症状には、気分のむら、理由のない涙、不安、いらだちが含まれます2。これは、妊娠ホルモンの劇的な低下と新しい母性のストレスに対する正常な調整反応と見なされます。通常は一時的で、休息、支援、理解によって自然に解決します。
  • 産後うつ: マタニティーブルーズと産後うつ(PPD)を区別することが重要です。ブルーズは一過性ですが、PPDはより深刻で持続的な状態です。症状には、深い悲しみ、かつて楽しんだ活動への興味の喪失、無価値感や罪悪感、食欲や睡眠の著しい変化(新生児との生活で正常な範囲を超える)、赤ちゃんと絆を築くことの困難などが含まれる場合があります2。日本では、1か月健診でリスクのある母親を特定するのに役立つスクリーニングツールとして、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)がしばしば使用されます7。これらの感情が2週間以上続く場合は、専門家の助けを求めることが不可欠です。PPDは治療可能な病状であり、医師、助産師、または保健師に連絡することは強さの証です。

4.3 産後ケア事業の活用

核家族化と地域社会の支援の減少という時代の中で新しい母親が直面する課題を認識し、日本政府は全国的な「産後ケア事業」を設立しました。これは、産後の母親と赤ちゃんに専門的な支援を提供するために設計された、公式で補助金のある制度です。これを「問題」のあるケースのためのサービスとしてではなく、すべての新しい家族が最良のスタートを切るのを助けるための、標準的で強く推奨される資源として見るべきです。この事業は市町村レベルで管理されており、サービスや費用は異なる場合があります。親は、妊娠を初めて登録し、母子手帳を受け取る際に、地元の市役所や区役所で問い合わせるべきです。このサービスは、家族からの支援が不十分であったり、身体的または精神的な疲労を経験していたり、授乳や育児に関する懸念があったりする母親を対象としています40。提供される主なサービスの種類は次のとおりです:

  • 宿泊型: このモデルでは、母親と赤ちゃんが病院、助産院、または専用の産後ケアセンターなどの指定施設に最大7日間滞在できます40。ここでは、助産師や他の専門家から24時間体制のケアを受けられ、育児支援、授乳サポート、栄養価の高い食事、そして最も重要なこととして、母親が休息し回復する機会が提供されます43
  • 日帰り型: 母親と赤ちゃんが日中にケアセンターを訪れることができます。これにより、育児に関する専門的なアドバイスを受けたり、授乳サポートを得たり、栄養価の高い食事を摂ったり、専門家が赤ちゃんを見ている間に数時間休息したりする機会が提供されます。また、他の新しい母親と繋がる貴重な機会も提供します43
  • 居宅訪問型/アウトリーチ: このモデルでは、助産師や保健師が家族の自宅を訪問し、一対一のケアと指導を提供します42。これには、母親の身体的回復の確認、授乳相談、沐浴などの育児スキルの指導、そして家族自身の環境の快適さの中で感情的な支援を提供することが含まれます。

第5章 生涯にわたる絆づくり:赤ちゃんと心を通わせる

授乳や清拭といった基本的な作業を超えて、最初の1週間は赤ちゃんと深く、安全な愛着を築くための基礎的な期間です。絆作りやコミュニケーションといったこれらの「ソフト」なスキルは、赤ちゃんが受ける医療的・身体的ケアと同じくらい、長期的な健康と幸福にとって重要です。これらの初期の交流は、脳の発達、感情の調節、そして生涯にわたる安全な関係の土台を築きます。

5.1 肌と肌のふれあいの力:スキンシップ

世界保健機関(WHO)と米国小児科学会(AAP)は、カンガルー・マザー・ケアとしても知られる、肌と肌のふれあいを、出産直後から始まり、その後の数日、数週間にわたって続けることを強く推奨しています4。おむつだけをつけた赤ちゃんを裸の胸に直接抱くこの簡単な実践には、科学的根拠に基づいた深い利点があります。それは赤ちゃんの体温、心拍数、呼吸を調整するのに役立ちます。赤ちゃんを落ち着かせ、泣き声を減らし、母乳育児の開始を促進します。親にとっては、「愛情ホルモン」であるオキシトシンの放出を刺激し、絆と保護的な感情を高めます2。この強力な繋がりのツールは母親だけのものではありません。父親やパートナーが新しい赤ちゃんと絆を深めるための、同様に素晴らしい方法です。

5.2 赤ちゃんの泣き声:ニーズを理解し、応える

新生児の泣き声は、彼らが自分のニーズを伝える唯一の方法です。それは操作の一形態でも、あなたが何か間違っているというサインでもありません。それは単に彼らの言語です14。赤ちゃんの泣き声に迅速かつ思いやりをもって応えることは、信頼と安全の基盤を築くために不可欠です。赤ちゃんが自分のニーズが満たされることを学ぶと、安全な愛着を育み、それは彼らの感情的な健康にとって不可欠です。赤ちゃんが泣くとき、一般的なニーズの精神的なチェックリストを実行できます:

  • お腹が空いているか?
  • おむつ交換が必要か?
  • 暑すぎたり寒すぎたりしないか?
  • げっぷをさせてほしいか?
  • 疲れているか、刺激が多すぎるか?
  • ただ抱きしめてほしいだけか?

時間が経つにつれて、あなたは赤ちゃんの泣き声のさまざまな音と、それが何を意味するかに、より敏感になるでしょう。

5.3 早期からの関わり:あなたの声と表情が大切

初日からでさえ、あなたの赤ちゃんはあなたから学んでいます。先に述べたように、彼らは子宮にいた時からあなたの声を認識でき、あなたの顔の光景に自然と引き寄せられます1。これらの初期の相互作用は、社会的および言語的発達の構成要素です。静かで覚醒している時間帯に、赤ちゃんに話しかけたり、歌ったり、読み聞かせをしたりする習慣をつけましょう。授乳や抱っこの際には、目を合わせましょう。あなたの一日を彼らに語りかけましょう。彼らは言葉を理解することはできませんが、あなたの声のリズム、トーン、感情を吸収しています。この愛情のこもったコミュニケーションの絶え間ない流れは、彼らの発達中の脳を刺激し、あなたの繋がりを強化します。これらの些細に見える瞬間は、あなたの赤ちゃんの未来への強力な投資です。
   

結論:自信とサポートと共に、新しい旅を楽しもう

   
赤ちゃんの人生の最初の7日間は、非凡な旅の始まりを意味します。この期間は、困難であると同時に、はかなく貴重な発見の時です。この報告書で概説された科学的根拠に基づく知識と実践的な戦略は、不確実性を乗り越える際に、より大きな自信を持って航海するための確かな手助けとなることを意図しています。最も重要な行動は、すべての睡眠において安全な睡眠環境を作り、迅速な医療処置を必要とする危険なサインを認識することを学び、そして子どもの健康を管理するための中心的なツールとして母子健康手帳を積極的に使用することに要約できます。同様に重要なのは、自分自身を大切にし、自分自身の産後回復の正常なプロセスを理解し、感情的に自分に優しくすることです。決定的に、あなたは一人ではないことを忘れないでください。日本の包括的な医療制度は、普遍的なスクリーニングから体系化された健康診査まで、優れたセーフティネットを提供します。公式な産後ケア事業は、新しい親が専門的な支援を必要とし、それに値するという社会的な理解の証です。パートナー、家族、医療提供者、そして利用可能な地域の資源に助けを求めることをためらわないでください。最終的に、このガイドは知識の基盤を提供しますが、あなた自身の赤ちゃんに関する世界で最も優れた専門家はあなたです。あなたの直感を信じ、愛情をもって応え、あなたの家族の最新メンバーを知るという、美しく、混沌としていて、そして深く報われるプロセスを受け入れてください。世界クラスの証拠と日本の堅牢な保健システムの支援を受けて、あなたは親子関係という信じられないほどの冒険に十分備わっています。
   

        免責事項        
この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。
   

   

       

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