【科学的根拠に基づく】医師・科学者が徹底解説:美容液の科学|効果的な成分・正しい選び方をエビデンスに基づき解明
皮膚科疾患

【科学的根拠に基づく】医師・科学者が徹底解説:美容液の科学|効果的な成分・正しい選び方をエビデンスに基づき解明

美容液の世界は、無数の製品と情報で溢れかえっています。年代、肌の悩み、そして「レチノール」や「ビタミンC」といった特定の成分名に至るまで、消費者の検索行動は極めて多様化しています1。その中で、多くの人々が「おすすめ」や「ランキング」といった他者の評価を頼りに製品を選んでいるのが現状です3。しかし、広告や口コミに惑わされず、自分にとって本当に価値のある一本を見つけるためには、信頼できる羅針盤が必要です。その羅針盤こそが「科学的根拠(エビデンス)」です。本記事は、JAPANESEHEALTH.ORG編集部が、皮膚科学の専門的知見と最新の研究論文に基づき、美容液の効果を支える科学の核心を解き明かす、包括的なガイドです。成分の作用機序から、日本の薬事法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)25における「化粧品」と「医薬部外品」の決定的な違い、そして各成分のエビデンスレベルに至るまで、専門家の視点から徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたは単なる情報の受け手ではなく、科学的視点を持って自らの肌に最適な選択ができる、賢明な消費者となっていることでしょう。

この記事の科学的根拠

この記事は、引用元として明示された質の高い医学的エビデンスにのみ基づいています。以下は、本稿で提示される医学的指針に直接関連する主要な情報源のリストです。

  • 日本皮膚科学会「美容医療診療指針」: シミ、シワ、たるみ等に対する美容医療の推奨度を定めた本指針は、美容液によるセルフケアの現実的な効果範囲と限界を客観的に判断する基準として引用しています1464
  • システマティックレビューおよびメタアナリシス(PubMed等掲載): レチノイド28、ビタミンC3536、ヒアルロン酸注入44、PDRN15、ツボクサエキス56など、主要成分の有効性に関する複数の臨床研究を統合・評価した最高レベルのエビデンスを、効果判定の主軸としています。
  • ランダム化比較試験(RCT): バクチオールとレチノールの直接比較試験33など、特定の成分の効果を科学的に検証した質の高い個別の研究を引用し、詳細な分析を行っています。
  • 厚生労働省の公的文書: 「医薬部外品」の有効成分リスト13や「化粧品」の定義25に関する公的文書は、日本市場における製品の信頼性を判断するための法的根拠としています。

要点まとめ

  • 美容液を選ぶ際、信頼性の一つの指標となるのが「医薬部外品(薬用)」表示です。これは、厚生労働省が効果・効能を認めた有効成分が規定量配合されていることを意味します13
  • 成分の効果は、分子量が500ダルトン以下の物質が皮膚に浸透しやすいという「500ダルトンルール」23や、成分を肌に届けやすくする製剤技術(リポソーム化など)8に左右されます。
  • エイジングケアには、コラーゲン産生を促す「レチノイド」27や「ビタミンC」35、そして多機能な「ナイアシンアミド」38が、非常に強い科学的根拠を持つ成分として推奨されます。
  • 保湿とバリア機能の維持には、角層の主成分である「セラミド」21と、高い保水力を持つ「ヒアルロン酸」44が最も重要です。
  • 「コラーゲン配合」の主な効果は保湿であり、「無添加」や「オーガニック」という言葉が必ずしも安全性や低刺激を保証するわけではないことを理解することが重要です。

第1章 美容液とは何か?~基本の「き」~

スキンケアの中心的存在である美容液。しかし、「セラム」「ブースター」「アンプル」といった多様な名称が存在し、その違いを正確に理解している人は少ないかもしれません。ここでは、まずその基本的な定義と分類、そして製品選びで最も重要な法的区分について解説します。

1-1. 美容液・セラム・ブースター・アンプルの違いと役割

「美容液」という言葉は、特定の肌悩みに対応するため、有効とされる美容成分を高濃度に配合した機能性化粧品全般を指します12。その名称は機能や使用順序によって、以下のように大別されます。

  • 美容液(セラム/エッセンス): スキンケアの中核を担い、保湿、美白、エイジングケアといった特定の目的に集中的に働きかけます。一般的に化粧水の後、乳液やクリームの前に使用します11。「セラム」はラテン語の「serum(血清)」が語源で17、特定の成分を濃縮した液体という概念に由来しますが、「エッセンス」との間に科学的・法的な厳密な区別はありません。
  • ブースター(導入美容液/プレ化粧水): 洗顔後、スキンケアの最初の段階で使う美容液です19。角層を柔らかくし、次に使う化粧水や美容液のなじみを良くする「浸透補助」が主な目的です11
  • アンプル: 美容液の中でも特に成分濃度が高く、短期集中ケア用のアイテムとして位置づけられます。特別なケアが必要な時に使用されることが多く、少量ずつ包装されているのが特徴です。

1-2.【最重要】パッケージでわかる信頼の証。「化粧品」と「医薬部外品」の見分け方とその意味

日本のスキンケア製品を理解する上で、この二つの法的カテゴリーの違いを知ることは極めて重要です。これらは「薬機法」によって定義され、表示できる効果の範囲が明確に異なります25

  • 化粧品 (Cosmetics): 薬機法では「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌をかえ、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つ」ための作用が緩和なものと定義されます25。「保湿でうるおう」「キメを整える」といった表現は可能ですが、「シミを改善する」のような特定の「効果・効能」を直接謳うことはできません。
  • 医薬部外品 (Quasi-drugs) / 薬用化粧品: こちらは、厚生労働省が効果・効能を承認した「有効成分」を、規定の濃度で配合した製品です13。「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」「にきびを防ぐ」といった、許可された特定の効果をパッケージや広告で明確に表示できます9

つまり、製品に「医薬部外品」や「薬用」と記載があれば、それは国がその効果を認めた有効成分を含んでいるという公的なお墨付きがあることを意味し、製品の信頼性を判断する上での客観的な基準となります。

第2章 効果の鍵を握る2つの科学的原則

美容液の宣伝文句に惑わされず、その真価を見抜くためには、成分がどのように肌に作用するのか、その科学的な基本原則を理解することが不可欠です。

2-1. あなたの肌はどこまで受け入れる? 肌のバリア機能と成分が「届く」仕組み

私たちの皮膚、特にその最も外側にある厚さわずか0.02mmの「角層」は、体内の水分蒸散を防ぎ、外部の刺激物から身体を守る精巧なバリアとして機能しています20。この角層は、死んだ角層細胞(レンガ)と、その隙間を埋めるセラミドを主成分とする細胞間脂質(モルタル)によって構成される「レンガとモルタル構造」を形成しています20。この強固なバリア機能の存在が、美容成分を肌の奥へ届けることを難しくしているのです。

2-2.「高分子は浸透しない」は本当か? 500ダルトンルールと、それを超える製剤技術

美容成分の浸透を考える上で、一つの重要な経験則が「500ダルトンルール」です。これは、分子量が500ダルトン(原子質量単位)を超える物質は、健康な皮膚の角層バリアを通過しにくいというものです23。例えば、ヒアルロン酸やコラーゲンといった高分子成分が、塗るだけで真皮の失われたコラーゲンを直接補充するわけではないのは、この原則によるものです。これらの成分は主に皮膚表面に留まり、優れた保湿剤として機能します。
しかし、このルールは絶対ではありません。近年の製剤技術の進歩は、この課題を克服しようとしています。その代表例が「リポソーム技術」です。これは、美容成分をリン脂質などでできた微小なカプセルに内包する技術で、角層との親和性が高いため、成分をより深く、安定的に角層へ届けることが可能になります8。したがって、美容液の効果は、単に成分の濃度だけでなく、その成分をいかにして目的の場所へ届けるかという「フォーミュレーション(処方設計)」全体によって決まるのです24

第3章 【悩み別】あなたの肌に必要なのはどの成分?エビデンス強度で選ぶ

ここでは、主要な有効成分を科学的エビデンスの確からしさに応じて階層化し、どの悩みにどの成分が最も有効であるかを体系的に解説します。以下のマトリクスで全体像を把握し、ご自身の悩みに対応するセクションをお読みください。

表1:【ひと目でわかる】肌悩み別・有効成分エビデンス強度マトリクス
肌悩み レチノイド バクチオール ビタミンC ナイアシンアミド セラミド ヒアルロン酸 ペプチド PDRN グルタチオン
シワ・ハリ不足 ★★★ ★★☆ ★★☆ ★★☆ ★★☆ ★☆☆
シミ・くすみ ★★☆ ★★☆ ★★★ ★★☆ ★☆☆
乾燥・バリア機能 (注意) ★★★ ★★★ ★★★
ニキビ・毛穴 ★★☆ ★★☆ ★★☆
凡例: ★★★: 非常に強いエビデンス / ★★☆: 中程度のエビデンス / ★☆☆: 新興・限定的なエビデンス / -: 主な効果対象外 / (注意): 効果はあるが刺激の可能性あり

3-1. シワ・ハリ不足(エイジングケア)に立ち向かう

【★★★ 最強のエビデンス】レチノイド(レチノールなど)
ビタミンAおよびその誘導体の総称であるレチノイドは、エイジングケアにおけるゴールドスタンダードです。皮膚内で生理活性を持つレチノイン酸に変換され、表皮のターンオーバーを正常化し、真皮の線維芽細胞を活性化させてコラーゲン産生を強力に促進します27。医療用のトレチノインの有効性は、紫外線によるシワや色素沈着を改善することがシステマティックレビューで確立されています2829。化粧品に配合されるレチノールも同様の効果が期待できますが、作用はより穏やかです。
【★★☆ 期待の星】バクチオール、ナイアシンアミド、一部のペプチド
バクチオールは、レチノールと化学構造は異なりますが、遺伝子レベルで非常に類似した働きをすることが示されている植物由来成分です30。レチノールと同等のシワ改善効果を示しながら、皮むけなどの刺激が有意に少なかったとするランダム化比較試験の結果から、レチノールの刺激が気になる人にとって有望な代替成分とされています3334
ナイアシンアミドは、真皮のコラーゲン産生を促進し、シワを改善する効果が臨床試験で報告されています39。日本では、シワ改善の有効成分として医薬部外品の承認を得ています。
ペプチドは、アミノ酸の結合体で、コラーゲン産生を指令する「シグナルペプチド」などがあり、シワ改善効果が臨床試験で示されています484950
【★☆☆ 今後の研究に期待】PDRN
PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)は、サケの精子由来のDNA断片で、細胞の修復プロセスを促進します15。その強力な組織修復作用から、エイジングケアへの応用が期待されていますが752、化粧品としての外用効果に関する質の高いエビデンスはまだ限定的です。

3-2. シミ・そばかす・くすみ(美白ケア)を科学する

【★★★ 最強のエビデンス】ビタミンC、トラネキサム酸
ビタミンCは、メラニン生成の鍵となるチロシナーゼ酵素の活性を阻害し、シミの元となるメラニンの過剰生成を抑制します35。その美白効果はシステマティックレビューで支持されており、特に10%の濃度で紫外線による色素沈着の予防効果が強いことがメタアナリシスで示されています3637
トラネキサム酸も、日本では美白有効成分として医薬部外品に広く配合されています。
【★★☆ 期待の星】ナイアシンアミド
ナイアシンアミドは、生成されたメラニンが皮膚細胞へ受け渡されるのを阻害することで、色素沈着を防ぎます38。これもまた、美白効果で医薬部外品の承認を受けている信頼性の高い成分です。
【★☆☆ / 注意】グルタチオン
グルタチオンは、体内に存在する強力な抗酸化物質で、美白効果が期待されています59。しかし、外用や経口摂取による美白効果を裏付けるエビデンスは、現時点では質・量ともに不十分です606162。特に、美容クリニックで行われる静脈注射は、効果が未確立である一方で、重篤な副作用のリスクが指摘されており、海外の規制当局からは警告も出されています5963。期待される効果と科学的限界、リスクを冷静に見極める必要があります。

3-3. 乾燥とバリア機能の乱れを立て直す

【★★★ 最強のエビデンス】セラミド、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド
セラミドは、角層の細胞間脂質の約50%を占める主成分です21。「レンガとモルタル構造」のモルタルとして、皮膚のバリア機能の核心を担っています。アトピー性皮膚炎の研究から、セラミドを補給することがバリア機能の修復・維持に極めて有効であることが確立されています21224243
ヒアルロン酸は、1グラムで数リットルの水を保持する驚異的な保水能力を持ちます4445。皮膚表面でうるおいの膜を形成し、乾燥から肌を守る優れた保湿成分です46
ナイアシンアミドは、セラミドの合成を促進し、皮膚のバリア機能そのものを強化する働きがあります。複数の研究で、肌の水分蒸散量を減少させることが一貫して示されています3840

3-4. ニキビ・毛穴・肌荒れをケアする

【★★☆ 期待の星】ナイアシンアミド、サリチル酸、ビタミンC、ツボクサエキス
ナイアシンアミドは、その優れた抗炎症作用により、肌荒れやニキビを抑制する効果が期待できます38。皮脂分泌をコントロールする働きも報告されています。
サリチル酸は、古い角質を柔らかくして除去する作用があり、日本ではニキビを防ぐ有効成分として医薬部外品に配合されています。
ビタミンCも、抗炎症作用や皮脂コントロール作用から、ニキビや毛穴の悩みに有効な選択肢となります。
ツボクサエキス(Cica)は、伝統的に傷の治癒に用いられてきた成分で、抗炎症作用とコラーゲン合成促進作用が報告されています55。その創傷治癒効果はシステマティックレビューでも支持されており565758、炎症を伴う肌トラブルのケアに適しています。

第4章 専門家が語る「美容液の限界」と賢い付き合い方

美容液は日々のスキンケアに大きな恩恵をもたらしますが、その効果には限界もあります。ここでは、専門家の視点から、セルフケアで可能な範囲と、美容医療が必要となる領域の境界線を明確にします。

4-1. 日本皮膚科学会ガイドラインから見る、セルフケアと美容医療の境界線

日本美容皮膚科学会などが作成した「美容医療診療指針」は、どの治療法がどれほど推奨されるかを客観的に示しています1464

  • シミ(日光黒子): Qスイッチレーザーや光治療(IPL)は「強く推奨」されています1464。これは、確立されたシミには医療機器による治療が最も効果的であることを意味します。美白美容液の役割は、主に予防や治療後の維持、薄いシミのケアと位置づけられます。
  • シワ・たるみ: 深いシワやたるみには、ヒアルロン酸注入やボツリヌス菌毒素注射が「強く推奨」されています1464。美容液に期待されるのは、主に乾燥による小ジワのケアや、肌全体のハリ感を維持し、将来のシワの深化を遅らせる長期的なアプローチです。

この指針は、美容液に過度な期待を抱くのではなく、その役割を正しく理解し、必要に応じて専門的な医療の助けを借りることの重要性を示唆しています。

4-2. 効果を最大化する美容液の正しい使い方と注意点

皮膚科医は、製品そのものだけでなく、その使い方こそが効果を左右すると強調します。一般的に、スキンケアは水分量の多いものから油分量の多いものの順に使用します。したがって、美容液は化粧水で肌を整えた後、乳液やクリームの前に使うのが基本です11。ただし、ブースター(導入美容液)は洗顔直後に使用します。製品に記載された推奨量を守り、優しく肌になじませることが大切です。

4-3. 「コラーゲン配合」「オーガニック」の謳い文句に惑わされないための科学的視点

消費者が陥りやすい誤解についても、科学的視点から解明します。

  • 「コラーゲン配合」美容液の真実: コラーゲンは分子量が大きく、塗布しても真皮には到達しません。その主な役割は皮膚表面での保湿であり、肌を滑らかに見せる効果です。肌内部のコラーゲンを増やしたいのであれば、レチノールやビタミンCなど、コラーゲン産生を促進する成分を選ぶ方が合理的です。
  • 「無添加」「オーガニック」の落とし穴: これらの言葉に法的な定義はなく、必ずしも「安全」や「低刺激」を意味しません65。植物由来成分でもアレルギー反応を起こす可能性はあります。重要なのはキャッチーな言葉ではなく、全成分表示を確認し、自分の肌に合わない成分が含まれていないかを判断することです。

よくある質問

「コラーゲン配合」の美容液は、本当にシワに効くのでしょうか?
皮膚に塗布されたコラーゲンは、その分子量が大きいため、肌の奥深くにある真皮層に浸透して失われたコラーゲンを直接補充することはありません。その主な役割は、皮膚の表面に留まり、水分を保持することで肌にうるおいを与え、乾燥による小ジワを目立たなくさせる「保湿効果」です。肌内部のコラーゲン産生を促し、より根本的なシワ改善を目指す場合は、レチノール、ビタミンC、ナイアシンアミドといった、科学的にコラーゲン産生促進効果が証明されている成分を含む美容液を選ぶことが推奨されます273538
「無添加」や「オーガニック」と書かれていれば、敏感肌でも安全ですか?
「無添加」や「オーガニック」という表示は、法的に厳密な定義がなく、必ずしも製品の安全性や低刺激性を保証するものではありません。「無添加」と一口に言っても、どの成分を配合していないかはメーカーによって異なります。また、「オーガニック」認証を受けた植物由来の成分であっても、特定の植物に対してアレルギーを持つ人にとっては刺激となる可能性があります。敏感肌の方が製品を選ぶ際に最も重要なのは、特定の言葉に惑わされず、全成分表示を確認し、過去に刺激を感じた成分や、アルコール、香料、着色料といった一般的に刺激となりやすい成分が含まれていないかを自分の目で確かめることです1
美容液は高価な製品ほど効果が高いのでしょうか?
製品の価格と効果は、必ずしも比例しません。価格は、希少な成分の使用、研究開発費、ブランド価値、パッケージングなど、多くの要因によって決まります24。重要なのは価格ではなく、(1)自分の肌悩みに合った有効成分が、(2)科学的根拠のある濃度で配合され、(3)その成分が安定して肌に届くような優れた処方(フォーミュレーション)が採用されているか、という点です。本記事で解説した「医薬部外品」の表示や、各成分のエビデンスレベルを参考にすることで、価格に左右されずに、自分にとって本当に価値のある製品を見極めることが可能になります。

結論

情報が氾濫する美容液市場において、自分にとって最適な一本を見つけ出すことは、まさに宝探しにも似た挑戦です。しかし、科学という信頼できる羅針盤を手にすれば、その航海は決して難しいものではありません。本記事で解説したように、成功への鍵は三つのステップに集約されます。

  1. 自分を知る: まず、ご自身の肌質(乾燥肌、脂性肌、敏感肌など)と、最も解決したい肌悩み(シワ、シミ、乾燥など)を明確に理解することから始めましょう。
  2. 科学的根拠で選ぶ: 次に、その悩みに対応する有効成分を、エビデンスの強度を参考に選びます。「医薬部外品」の表示は、国がその効果を認めた信頼の証です。レチノール、ビタミンC、ナイアシンアミド、セラミドといった、強力な科学的裏付けを持つ成分に注目してください。
  3. 正しく、継続する: 最後に、選んだ美容液を正しい使用法で、毎日継続して使うこと。スキンケアは一朝一夕に結果が出るものではなく、日々の地道な積み重ねこそが、未来の美しい肌を育むのです。

スキンケアは、自分自身への長期的な投資です。科学的知識を味方につけ、広告の言葉に惑わされることなく、自信を持って製品を選び、丁寧にケアを続けることで、きっとあなたは自分史上最高の肌と出会うことができるでしょう。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 自分に合った美容液の選び方ガイド – あなたのキレイをもっとキレイに [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://shc-kyoto.com/column/2024/10/20/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AB%E5%90%88%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%BE%8E%E5%AE%B9%E6%B6%B2%E3%81%AE%E9%81%B8%E3%81%B3%E6%96%B9%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/
  2. 美容液の種類や選び方 – ARTISTIC&CO BEAUTE [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://artistic-beaute.co.jp/column/beauty-serum/
  3. 【2025年最新】エイジングケア 美容液特集!口コミで人気の … – LIPS [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://lipscosme.com/themes/43879
  4. 【楽天市場】美容液 エイジングケア(医薬部外品|医薬品・医薬部 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E7%BE%8E%E5%AE%B9%E6%B6%B2+%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B1%E3%82%A2/553406/
  5. 美容液売れ筋人気ランキング – アットコスメショッピング [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.cosme.com/products/ranking.php?category_id=60
  6. セラム 美容液のおすすめ人気ランキングTOP100 – Yahoo!ショッピング [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://shopping.yahoo.co.jp/ranking/keyword/?p=%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%A0+%E7%BE%8E%E5%AE%B9%E6%B6%B2
  7. 【VOCE美容流行語大賞2025年上半期】決定!「最もバズった美容 … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007354.000001719.html
  8. ジェニフィック アルティメ セラム|美容液|ランコム公式オンラインショップ [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.lancome.jp/skincare/by-product-category/serum/genifique-ultimate-serum/00997-LAC.html
  9. クラリフィック ブライトニング セラム(医薬部外品)|美容液|ランコム公式オンラインショップ [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.lancome.jp/skincare/by-product-category/serum/clarifique-brightening-serum/A02304-LAC.html
  10. エリクシール(ELIXIR) – 資生堂 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.shiseido.co.jp/elixir/
  11. 【医師監修】美容液を使う順番は?種類や効果的な使い方を詳しく … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.kenei-pharm.com/lumild/column/dry_skin/column35/
  12. 美容液にはどんな効果がある?美容液の使い方、順番や頻度 … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://stefany.co.jp/blog/blog/b540/
  13. いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて( 平成20年12月 … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb4603&dataType=1&pageNo=1
  14. 美容医療診療指針 – 公益社団法人日本皮膚科学会 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/biyosinryo.pdf
  15. The impact of polydeoxyribonucleotide on wound healing: a systematic review [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.ijsurgery.com/index.php/isj/article/view/11044
  16. The effects of polydeoxyribonucleotide on wound healing and tissue regeneration: a systematic review of the literature – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32757710/
  17. 「serum」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.weblio.jp/content/serum
  18. 今こそ選びたい攻めの美容液。あなたにぴったりの美容液はどれ? – オルビス [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.orbis.co.jp/contents/product/three-serum/index/
  19. 【to/one】ブースター セラム (M) |to/one Website | トーン ウェブサイト [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://toonecosmetics.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=4589784690196
  20. Efficacy in Clinical Studies of a Skin Care Serum Formula Containing 7 Short and Long Saccharides and Bacterial Fractions to Repair and Strengthen the Skin Barrier From Aggressions in Intense Conditions [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12048826/
  21. The Pathogenic and Therapeutic Implications of Ceramide Abnormalities in Atopic Dermatitis – PMC – PubMed Central [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8468445/
  22. The Pathogenic and Therapeutic Implications of Ceramide … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34572035/
  23. ナールスゲンの魅力とは?効果を高める“分子の大きさ”の秘密|JIJICO [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://mbp-japan.com/jijico/articles/32410/
  24. 「スキンケア用品はほとんど効果がない」という主張に対する専門家の意見とは? – GIGAZINE [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://gigazine.net/news/20210905-skincare-science/
  25. 化粧品基準及び医薬部外品の製造販売承認申請に関する質疑応答集 (Q&A)について – 厚生労働省 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.mhlw.go.jp/content/keshouhinbugaihinQA030325.pdf
  26. いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて – 厚生労働省 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/yakuyou_kounou_1.pdf
  27. Human Skin Aging and the Anti-Aging Properties of Retinol – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38002296/
  28. Topical tretinoin for treating photoaging: A systematic review of randomized controlled trials [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9112391/
  29. Topical tretinoin for treating photoaging: A systematic review of … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35620028/
  30. Bakuchiol: a retinol-like functional compound revealed by gene expression profiling and clinically proven to have anti-aging effects – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24471735/
  31. Multidirectional activity of bakuchiol against cellular mechanisms of facial ageing ‐ Experimental evidence for a holistic treatment approach [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9328396/
  32. Multidirectional activity of bakuchiol against cellular mechanisms of facial ageing – Experimental evidence for a holistic treatment approach – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35514037/
  33. Prospective, randomized, double-blind assessment of topical bakuchiol and retinol for facial photoageing – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29947134/
  34. Applications of bakuchiol in dermatology: Systematic review of the literature – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36176207/
  35. Efficacy of topical vitamin C in melasma and photoaging: A … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37128827/
  36. Vitamin C Prevents Ultraviolet-induced Pigmentation in Healthy Volunteers: Bayesian Meta-analysis Results from 31 Randomized Controlled versus Vehicle Clinical Studies [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6415704/
  37. Vitamin C Prevents Ultraviolet-induced Pigmentation in Healthy Volunteers: Bayesian Meta-analysis Results from 31 Randomized Controlled versus Vehicle Clinical Studies – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30881584/
  38. Nicotinic acid/niacinamide and the skin – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17147561/
  39. Mechanistic Insights into the Multiple Functions of Niacinamide: Therapeutic Implications and Cosmeceutical Applications in Functional Skincare Products [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11047333/
  40. Influence of niacinamide containing formulations on the molecular and biophysical properties of the stratum corneum – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23220080/
  41. A single‐center, randomized, controlled study on the efficacy of niacinamide‐containing body emollients combined with cleansing gel in the treatment of mild atopic dermatitis – PubMed Central [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10509598/
  42. Stratum corneum lipidomics analysis reveals altered ceramide profile in atopic dermatitis patients across body sites with correlated changes in skin microbiome – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32885529/
  43. Efficacy of Topical Application of a Skin Moisturizer Containing Pseudo-Ceramide and a Eucalyptus Leaf Extract on Atopic Dermatitis: A Review – PMC – PubMed Central [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10970882/
  44. The Effect of Local Hyaluronic Acid Injection on Skin Aging: A Systematic Review and Meta‐Analysis – PMC [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11731322/
  45. Hyaluronic Acid – StatPearls – NCBI Bookshelf [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK482440/
  46. Efficacy Evaluation of a Topical Hyaluronic Acid Serum in Facial Photoaging – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34176098/
  47. The Effect of Local Hyaluronic Acid Injection on Skin Aging: A … [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39807700/
  48. Peptides: Emerging Candidates for the Prevention and Treatment of Skin Senescence: A Review – PMC – PubMed Central [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11762834/
  49. Effectiveness of a formulation containing peptides and vitamin C in treating signs of facial ageing: three clinical studies – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33038010/
  50. Peptide-pro complex serum: Investigating effects on aged skin – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35426243/
  51. Low-molecular-weight collagen peptides supplement promotes a healthy skin: A randomized, double-blinded, placebo-controlled study – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37822045/
  52. Versatile and Marvelous Potentials of Polydeoxyribonucleotide for Tissue Engineering and Regeneration – PMC [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11994882/
  53. Polydeoxyribonucleotide: A Promising Biological Platform to Accelerate Impaired Skin Wound Healing – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34832885/
  54. Analysis of Skin Regeneration and Barrier-Improvement Efficacy of Polydeoxyribonucleotide Isolated from Panax Ginseng (C.A. Mey.) Adventitious Root – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37959659/
  55. Centella asiatica in cosmetology – PMC – PubMed Central [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3834700/
  56. A Systematic Review of the Effect of Centella asiatica on Wound Healing – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35328954/
  57. A Systematic Review of the Effect of Centella asiatica on Wound Healing – PMC [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8956065/
  58. Topical Application of Centella asiatica in Wound Healing: Recent Insights into Mechanisms and Clinical Efficacy – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39458583/
  59. Glutathione as a skin whitening agent: Facts, myths, evidence and controversies – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27088927/
  60. Exploring the Safety and Efficacy of Glutathione Supplementation for Skin Lightening: A Narrative Review – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40013212/
  61. Glutathione as a skin-lightening agent and in melasma: a systematic review – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39444151/
  62. The clinical effect of glutathione on skin color and other related skin conditions: A systematic review – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30895708/
  63. Systemic Glutathione as a Skin-Whitening Agent in Adult – PubMed [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32373172/
  64. 美容医療診療指針 – 公益社団法人日本皮膚科学会 [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/biyo2v.pdf
  65. 美容液の選び方!肌悩み別のポイントとおすすめ商品も紹介 – イオンスタイルオンライン [インターネット]. [参照 2025年6月27日]. 入手先: https://aeonretail.com/Page/magazines-article07.aspx
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ