【医師監修】授乳中の駆虫薬の安全な使用法:日本の臨床状況におけるエビデンスに基づく完全ガイド
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【医師監修】授乳中の駆虫薬の安全な使用法:日本の臨床状況におけるエビデンスに基づく完全ガイド

お子様に蟯虫(ぎょうちゅう)などの寄生虫が見つかり、ご自身も授乳中であるために、どのように対処すれば良いか深く悩まれているお母様方は少なくありません。「赤ちゃんに影響はないだろうか」「薬を飲んでも大丈夫だろうか」といった不安は、当然のものです。本稿は、そのような不安を抱える日本の授乳中の母親とそのご家族、そして医療専門家の方々に向けて、最新かつ信頼性の高い科学的根拠に基づき、安全な治療への明確な道筋を示すことを目的としています。世界保健機関(WHO)や日本の国立成育医療研究センター(NCCHD)などの権威ある機関の知見を統合し、薬物療法と家庭での衛生管理の両面から、母乳育児を中断することなく寄生虫感染症を根治するための包括的な情報を提供します。

本稿の科学的根拠

この記事は、引用元として明示された最高品質の医学的エビデンスのみに基づいています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源と、提示された医学的ガイダンスへの直接的な関連性を示したものです。

  • 世界保健機関 (WHO): 本稿におけるメベンダゾール、アルベンダゾール、パモ酸ピランテル等の薬剤の授乳中の安全性評価に関する指針は、WHOが発行するモデル処方集や各種ガイドラインに基づいています。
  • 米国国立医学図書館 (LactMed®データベース): メベンダゾールやアルベンダゾールの母乳への移行量(相対的乳児投与量)や、授乳中の安全性分類に関する具体的なデータは、この世界的に信頼されているデータベースからの情報を基にしています。
  • 国立成育医療研究センター (NCCHD): 日本国内の授乳婦にとって最も重要な指針の一つとして、NCCHDが公開する「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」のリストを引用し、アルベンダゾール等の薬剤が日本の専門機関によって安全と評価されている根拠としています。
  • 英国国民保健サービス (NHS): 家族全員での一斉治療の原則や、具体的な衛生管理プロトコルに関する推奨事項は、NHSが一般市民向けに提供している公衆衛生情報に基づいています。
  • 大分県「母乳と薬剤」研究会: 日本の臨床現場における実践的な薬剤評価の例として、この専門家グループによるハンドブックを参考にし、パモ酸ピランテルなどが日本の専門家によって高く評価されていることを示しています。

要点まとめ

  • 授乳中の母親が駆虫薬を服用することは、多くの場合安全であり、家族内での感染サイクルを断ち切るために不可欠です。
  • 第一選択薬は、母乳への移行が極めて少ないメベンダゾールやアルベンダゾールであり、世界保健機関(WHO)や日本の国立成育医療研究センター(NCCHD)によって安全性が確認されています。
  • 薬物療法だけでは不十分です。駆虫薬は虫卵には効果がないため、再感染を防ぐには、最低2週間の徹底した家庭内衛生管理(手洗い、リネン類の洗濯、清掃)が治療の成否を分けます。
  • 日本の医薬品添付文書にある「授乳中止」の警告は、多くが法的・予防的な措置であり、必ずしも臨床的な危険性を示すものではありません。自己判断で市販薬を使用せず、必ず医師に相談してください。
  • 家族全員(症状の有無にかかわらず)で同時に治療を受け、2週間後に再度服薬することが、蟯虫症を根治するための標準的な手順です。

第I部:家庭環境における寄生虫感染症の基礎的理解

1.1. 日本における主要な懸念:蟯虫(ぎょうちゅう)

日本の家庭、特に幼児を持つ環境で最も一般的に遭遇する寄生虫感染症は、蟯虫(学名:Enterobius vermicularis)によるものです1。この感染症の性質を正しく理解することが、効果的な対策の第一歩となります。
蟯虫の生活環は、その著しい感染力を物語っています。感染は、目に見えないほど微細な虫卵を経口摂取することで始まります1。摂取された虫卵は小腸で孵化し、成虫へと成長します。問題となるのはその後で、妊娠したメスの成虫は夜間、宿主が就寝している間に、産卵のために肛門周囲まで這い出てきます。そして、肛門周囲の皮膚に1万個以上もの粘着性の高い卵を産み付けます1。この夜間の活動こそが、蟯虫感染症の最も代表的な症状である、耐え難いほどの肛門周囲のかゆみの原因です1
感染の伝播経路は極めて単純かつ効率的です。かゆみを感じて肛門部を掻くと、指先や爪の間に無数の虫卵が付着します。その汚染された手でドアノブ、寝具、下着、タオル、おもちゃ、さらには食品に触れることで、虫卵は生活環境の隅々へと拡散します。そして、他の家族がそれに触れ、無意識のうちに口へ運ぶことで新たな感染が成立します1。英国の保健当局のデータによれば、子供の最大40%が生涯に一度は蟯虫に感染すると推定されており、これは同様の生活水準を持つ日本においても十分に起こりうる状況を示唆しています2。ここで重要な点は、蟯虫はヒトのみを固有の宿主としており、犬や猫などのペットを介してヒトに感染することはないという事実です1
診断は、主に早朝、起床してトイレに行く前に、透明なセロハンテープを肛門周囲の皮膚に数回貼り付け、それをスライドガラスに貼って顕微鏡で虫卵の有無を確認する「テープ法」によって確定されます1。この感染症における最大の課題は、疾患そのものが重篤な健康被害をもたらすことは稀である一方、その驚異的な感染力と、家庭や保育施設といった閉鎖環境内での再感染・相互感染の容易さにあります。したがって、治療は個人の駆虫に留まらず、感染の連鎖を断ち切るための環境全体への包括的なアプローチが絶対に必要となるのです。

1.2. 家族全員での一斉治療の原則

蟯虫の感染環を確実に断ち切るための最も重要な治療原則は、「症状の有無にかかわらず、同居する家族全員が同時に治療を受けること」です2。この原則の根底には、蟯虫感染者の多くが無症状で経過するという事実があります1。つまり、かゆみを訴えている子供以外にも、症状のない保菌者が家庭内に存在する可能性が非常に高いのです。
一人の子供に症状が確認された時点で、その家庭の生活空間はすでに虫卵によって汚染されていると考えるのが賢明です。もし、症状のある子供だけを治療し、授乳中の母親が「赤ちゃんへの影響が心配だから」という理由で服薬を見送ったとします。その母親自身が無症状の感染者であった場合、彼女が新たな感染源となり、治療を終えたばかりの子供に再び虫卵を摂取させてしまうことになります。このような家庭内での「ピンポン感染」を防ぐためには、同居する全員が一斉に駆虫薬を服用し、体内に潜む成虫を同時に根絶することが不可欠です。この観点から、授乳中の母親が安全に治療に参加することは、単に母親自身の健康を守るという個人的な問題ではなく、子供を確実に治癒させ、家庭内での感染拡大を終結させるための、家族全体に対する公衆衛生上の責務であると位置づけられます。

1.3. その他の蠕虫感染症との比較

日本の家庭環境において蟯虫症が最も身近な寄生虫感染症である一方、医学的には他の蠕虫(ぜんちゅう)感染症も存在します。これには回虫症、鞭虫症、鉤虫症といった、主に衛生状態の悪い地域の汚染された土壌との接触で感染する「土壌伝播蠕虫症」3や、特定の食物の生食によって感染する条虫(サナダムシ)症などがあります4
これらの感染症は、世界的に見れば依然として重要な公衆衛生上の課題です。日本国内においては、上下水道の整備により土壌伝播蠕虫症の発生は激減しましたが、海外からの輸入感染症例や、特定の食習慣に起因する散発例は現在も報告されています。例えば、加熱が不十分な魚介類(アニサキス、日本海裂頭条虫など)や、豚肉・牛肉(有鉤条虫、無鉤条虫など)の摂取が原因となることがあります45。しかし、これらの感染症は、「子供が保育園から寄生虫をもらってきた」という、日本の家庭で最も頻繁に遭遇するシナリオとは感染経路が大きく異なります。本稿は、授乳中の母親が直面する可能性が最も高い蟯虫症の対策に焦点を絞って解説しますが、これらの他の寄生虫症の存在を背景知識として理解しておくことは、寄生虫感染症全体への包括的な理解を深める上で有益です。

第II部:駆除の要石:薬物を用いない衛生管理プロトコル

2.1. 弱点を突く:なぜ衛生管理が不可欠なのか

駆虫薬による治療を成功に導くためには、薬物療法と並行して、徹底した衛生管理を実践することが絶対不可欠です。なぜなら、現在使用されている駆虫薬には、その作用機序に起因する明確な限界が存在するからです。メベンダゾールやパモ酸ピランテルといった主要な駆虫薬は、腸管内にいる「成虫」を殺すか麻痺させることで体外へ排出させますが、すでに肛門周囲や環境中に産み付けられた「虫卵」に対しては全く効果がありません2
蟯虫の卵は非常に強靭で、適切な温度と湿度の下では、衣類、寝具、カーペット、おもちゃ、さらには空気中のほこりなどに付着した状態で、2週間から3週間もの長期間にわたって感染性を維持します1。これは、服薬によって体内の成虫を完全に駆除したとしても、その後の生活の中で環境中に残存している虫卵を再び経口摂取してしまえば、容易に再感染が成立してしまうことを意味します。この服薬後の「無防備な期間」に感染の連鎖を断ち切れるかどうかは、物理的に虫卵を除去し、体内への侵入を防ぐための衛生管理にかかっています。
したがって、薬物療法と衛生管理は、それぞれが独立した対策ではなく、一つの統合された治療戦略を構成する「両輪」と捉えるべきです。薬物療法が「現世代」の寄生虫を体内から排除する役割を担うのに対し、衛生管理は「次世代」の寄生虫の侵入を防ぎ、治療効果を確実にするための、積極的かつ必須の治療行為そのものなのです。

2.2. エビデンスに基づく段階的衛生管理レジメン

英国国民保健サービス(NHS)などの国際的な保健機関が推奨する、家庭内で実践可能な具体的な衛生管理手順を以下に詳述します2。これらの対策は、家族全員で一丸となって、少なくとも2週間、理想的には薬剤の2回目の投与が終わるまで、あるいはそれ以降の6週間継続することが強く推奨されます6。特に、薬物療法が原則として適用されない生後6ヶ月未満の乳児がいる家庭では、この衛生管理こそが唯一の治療法となります2

個人的な衛生管理

  • 手洗いと爪のケアの徹底: トイレの使用後、おむつ交換の後、そして食事の前には、必ず石鹸と温水を用いて手指を徹底的に洗浄します。特に、虫卵が潜り込みやすい爪の間は、爪ブラシを使って念入りに洗うことが重要です7
  • 爪を短く維持する: 虫卵が爪の下に物理的に入り込むスペースをなくすため、家族全員の爪を常に短く切りそろえておきます8
  • 毎朝の入浴またはシャワー: 夜間の睡眠中に肛門周囲に産み付けられた可能性のある虫卵を洗い流すため、毎朝、起床後すぐにシャワーを浴びるか入浴することを習慣にします8
  • 下着の適切な管理: 就寝中は、体を掻いてしまうことを物理的に防ぐため、体にフィットする下着を着用します。そして、朝起きたらすぐに新しいものに着替え、使用済みのものは直ちに洗濯かごに入れます2

環境の清掃

  • リネン類の高温洗浄: パジャマ、シーツ、枕カバー、下着、タオル、そして子供がよく触れるぬいぐるみなどは、可能な限り毎日、高温のお湯(60℃以上が理想)で洗濯します7。洗濯物を振って虫卵を飛散させないように注意深く扱い、洗濯後は日光に当てて干すことも、紫外線による殺卵効果が期待できるため有効です8
  • 掃除機と拭き掃除の徹底: 寝室やリビングのカーペット、床は毎日掃除機をかけます。家具や床などの硬い表面は、ほこりを舞い上がらせて虫卵を飛散させないよう、必ず湿らせた布で拭き掃除を行います7
  • 頻繁に触れる場所の消毒: キッチンやバスルームのカウンター、そして特に感染経路となりやすい便座、ドアノブ、蛇口のハンドル、照明のスイッチなどを定期的に消毒剤で清拭します2
  • 歯ブラシの衛生管理: 歯ブラシは、虫卵が付着している可能性があるため、使用前に毎回よくすすぎ、使用後はトイレから離れた戸棚の中などに保管します7

第III部:授乳中の薬物療法に関する詳細な薬理学的レビュー

授乳中の母親が駆虫薬を使用するにあたり、最も核心的な問いは「どの薬剤が、どの程度の科学的根拠をもって安全と言えるのか」という点です。幸いなことに、長年の臨床使用と研究により、特定の薬剤は母乳育児と安全に両立可能であることが、多くの国際的なエビデンスによって裏付けられています。

3.1. 推奨される第一選択薬:ベンズイミダゾール系薬剤の深掘り

この系統の薬剤(メベンダゾール、アルベンダゾールなど)は、寄生虫の細胞骨格を構成する微小管の重合を阻害し、エネルギー源であるグルコースの取り込みをブロックすることで効果を発揮します。ヒトへの安全性に関しては、その薬物動態学的特性、すなわち「母体による吸収率が極めて低い」という点が、授乳中の安全性を保証する上で決定的な役割を果たします。体内に吸収される薬物量が元々少ないため、結果として母乳へ移行する量もごく微量となり、乳児への影響が最小限に抑えられるという「薬物動態学的バリア」が存在するのです。

3.1.1. メベンダゾール(Mebendazole)

メベンダゾールは、授乳中の蟯虫治療薬として世界的に最も広く使用され、豊富な安全性データが蓄積されている薬剤の一つです。

  • 薬物動態: 経口で投与されたメベンダゾールのうち、消化管から全身循環へと吸収されるのは、投与量のわずか2%から10%に過ぎません2。さらに、吸収された薬物の大部分は血漿中のタンパク質と強く結合するため2、母乳中に移行する遊離の薬物量は極めて微量となり、多くの研究で検出限界未満と報告されています9。乳児が母乳を介して摂取する薬物量を、母親の体重あたりの投与量で補正した「相対的乳児投与量(Relative Infant Dose: RID)」は、わずか0.06%と算出されており2、これは臨床的に無視できるレベルです。
  • 安全性評価: 世界保健機関(WHO)、英国国民保健サービス(NHS)、そして医薬品と授乳に関する世界的な権威である米国国立医学図書館のLactMed®データベースなど、主要な国際機関はすべて、メベンダゾールを授乳と「両立可能(compatible)」または「安全(Safer)」と明確に分類しています109。これまでに、母乳栄養児における有害事象の信頼できる報告はありません10。まれに母親の母乳分泌が減少したという症例報告が存在しますが、薬剤との直接的な因果関係は確立されていません11

3.1.2. アルベンダゾール(Albendazole)

アルベンダゾールもまた、授乳中の母親にとって強力かつ安全な選択肢であり、特に日本国内での利用可能性の観点から重要です。

  • 薬物動態: この薬剤もメベンダゾールと同様に経口での吸収率が低いという特徴を持ちます。吸収された後は、肝臓で速やかに初回通過代謝を受け、活性代謝物であるアルベンダゾールスルホキシド(ABZ-SO)へと変換されます12。母乳中への排泄量はごくわずかで、乳児が母乳から摂取する推定薬物量は、母親の体重補正投与量の1.5%未満であると算出されています13
  • 安全性評価: WHOは、授乳中の女性に対する400mgの単回投与は安全であると結論付けています3。日本国内において最も重要な情報として、国立成育医療研究センター(NCCHD)が公開している「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」の公式リストに、アルベンダゾール(日本での商品名:エスカゾール®)が明確に含まれています14。これは、日本の公的専門機関がその安全性を公式に認めていることを示す、極めて強力な根拠となります。

3.2. その他の処方箋医薬品

3.2.1. パモ酸ピランテル(Pyrantel Pamoate)

日本国内では「コンバントリン®」の商品名で処方される薬剤で、実行可能な代替薬です15。作用機序はベンズイミダゾール系とは異なり、寄生虫の神経筋接合部をブロックして麻痺させることで体外への排出を促します。

  • 薬物動態: この薬剤の最大の利点は、腸管からほとんど吸収されないという特性にあります16。全身に吸収されにくいため、母乳への移行も理論上は非常に少ないと考えられます。
  • 安全性評価: WHOはこの薬剤を授乳と両立可能と分類していますが、母乳への移行に関する直接的な科学データは、メベンダゾールほど豊富ではありません9。しかし、日本の専門家グループである大分県の「母乳と薬剤」研究会は、臨床現場での実践的な評価に基づき、本剤に最高評価である「◎(多くの授乳婦で安全性が示された薬剤)」を与えており、授乳に適していると明確に判断しています17

3.2.2. イベルメクチン(Ivermectin)とプラジカンテル(Praziquantel)

これらの薬剤もNCCHDの安全リストに含まれていますが14、その主な適応は糞線虫症や住血吸虫症、疥癬などであり、日本の一般的な家庭環境で発生する蟯虫症の治療に用いられることは通常ありません3。安全性に関しては、イベルメクチンは産後1週間以内の投与は避けるべきとされ18、プラジカンテルは母乳への移行が少なく、WHOは集団投薬キャンペーンでの授乳中の使用を推奨しています1819。これらは特殊な状況下での選択肢であり、蟯虫症の第一選択薬とはなりません。

3.3. 日本の市販薬(OTC)の状況

3.3.1. パモ酸ピルビニウム(Pyrvinium Pamoate)

佐藤製薬から「パモキサン錠®」として販売されているこの薬剤は、日本で処方箋なしに購入できる唯一の瘍虫治療薬です20。作用機序は寄生虫の呼吸および炭水化物代謝を阻害することによるもので、この薬剤もまた腸管からほとんど吸収されないことで効果を発揮します21
しかし、ここには重大な「情報の空白」が存在します。入手可能な医学文献や主要な国際機関のデータベースを精査した結果、パモ酸ピルビニウムの授乳中の安全性に関する質の高い科学的データは、現時点で極めて乏しいことが明らかになりました。製品の公式な添付文書にも、授乳に関する注意喚起は一切記載されておらず、妊婦に対してのみ医師への相談を促す記述があるのみです21。一部の一般向け健康情報サイトでは服用可能であると示唆されていますが22、これらは一次的な医学的エビデンスとは見なせません。
この状況は、一見すると最も手軽な解決策に見える市販薬が、皮肉にも授乳中の安全性に関する科学的根拠が最も不足しているという矛盾を浮き彫りにしています。したがって、JHO編集委員会としては、安易に市販薬に頼るのではなく、豊富な安全性データが確立されている処方箋医薬品(特にアルベンダゾールやパモ酸ピランテル)について、医師に相談することが、母親と乳児の安全を確保する上で最も賢明かつ責任ある選択であると結論付けます。

3.4. 授乳中の駆虫薬の安全性・入手性比較概要

以下の表は、本レポートで分析した主要な駆虫薬の安全性と日本での入手性をまとめたものです。これは、授乳中の母親と医療専門家が、エビデンスに基づいた治療選択を行うための意思決定支援ツールとして機能することを目的としています。

表1:授乳中の駆虫薬の安全性・入手性比較(日本)
薬剤 (一般名 / 日本での主な商品名) 作用機序 授乳中の安全性評価 母乳への移行データ 日本での規制区分
メベンダゾール
(国内未承認)
寄生虫の微小管重合を阻害し、グルコース取り込みを遮断 LactMed/Hale: L2 (Safer)
WHO: 両立可能9
大分県研究会: ○17
極めて微量、検出限界未満11。RID: 0.06%2 処方箋医薬品(個人輸入等)
アルベンダゾール
エスカゾール®
寄生虫の微小管重合を阻害 NCCHD: 安全に使用できる14
WHO: 両立可能 (単回投与)3
最小限の排泄。乳児の推定摂取量は母体投与量の <1.5%13 処方箋医薬品
パモ酸ピランテル
コンバントリン®
寄生虫の神経筋接合部を遮断し、麻痺させる 大分県研究会: ◎17
WHO: 両立可能9
腸管からほとんど吸収されないため、移行は少ないと推定16 処方箋医薬品
パモ酸ピルビニウム
パモキサン錠®
寄生虫の呼吸および炭水化物代謝を阻害 (主要な国際評価機関による授乳中の安全性データは乏しい) 腸管からほとんど吸収されないため、移行は少ないと推定21 第2類医薬品 (OTC)
イベルメクチン
ストロメクトール®
寄生虫の神経・筋細胞のCl⁻チャネルに結合し、麻痺させる NCCHD: 安全に使用できる14
CDC: 産後1週間は避ける18
母乳に移行するが、乳児への影響は少ないとされる。 処方箋医薬品
プラジカンテル
ビルトリシド®
寄生虫の外皮を破壊し、カルシウムイオンの透過性を高める WHO: 両立可能19
CDC: 両立可能18
低濃度で母乳に排泄される19 処方箋医薬品

第IV部:情報の溝を埋める:日本の添付文書と国際的エビデンスの乖離

4.1. 「授乳を中止すること」という注意喚起の解体

授乳中の母親が薬剤を使用する際に直面する最大の不安の源は、日本の医薬品添付文書に頻繁に見られる「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」という一律の警告文です23。この一文は、直感的にその薬剤が乳児にとって危険であることを示唆していると受け取られがちですが、その背景には、科学的根拠とは異なる、日本の特有の規制・法的環境が存在することを理解する必要があります。
ある調査によれば、日本の医薬品の約75%が授乳を避けるよう記載しているのに対し、欧米ではその割合はわずか3%に過ぎません24。この驚くべき差は、必ずしも薬剤の危険性の評価が異なるからではありません。日本の規制慣行では、薬剤がごく微量であっても母乳に移行するという事実が知られている場合、機械的に注意喚起を記載することが求められる傾向にあります23。さらに決定的なのは、過去の最高裁判所の判例です。これにより、医師が添付文書の記載から逸脱した処方(例えば、「授乳中止」と書かれた薬を授乳婦に処方すること)を行い、万が一有害事象が発生した場合、医師は逸脱したことの「特別な合理的理由」を証明する極めて重い立証責任を負うことになりました24
この法的背景は、製薬企業にとって、実際の臨床的リスクがどれほど低くても、万一の訴訟に備えるという法的防御の観点から、最も保守的で安全な文言(すなわち「授乳中止」)を添付文書に記載する強い動機となります。したがって、添付文書の警告文は、乳児への具体的な危害の確率を反映した臨床的なリスク評価というよりも、製造物責任法上の「免責事項」としての性格が極めて強いと解釈するのが妥当です。この「添付文書の呪縛」が、本来であれば安全に治療を受けられるはずの多くの母親を不必要な不安に陥れ、適切な治療への障壁となっているのです。

4.2. 現代日本の専門家コンセンサスの役割

添付文書の情報が引き起こす混乱と不安に対し、現代の日本の医療界では、国際的な最新のエビデンスに基づいた、より臨床現場に即したガイダンスを提供する専門機関が極めて重要な役割を担っています。これらの機関は、時に時代遅れ、あるいは過度に保守的な添付文書の情報に対する、信頼できる科学的なカウンターバランスとして機能します。

  • 国立成育医療研究センター(NCCHD)「妊娠と薬情報センター」: この機関は、厚生労働省の事業として設置され、妊娠・授乳中の薬物使用に関する国内外の最新の研究データを収集・分析し、科学的根拠に基づいた情報提供とカウンセリングを行っている、日本で最も権威のある中核的情報源です25。前述の通り、アルベンダゾールやイベルメクチンなどを「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」として公式にリストアップしており14、添付文書の画一的な警告に代わる、科学的根拠に基づいた客観的な判断基準を医療者と患者に提供しています。
  • 日本産科婦人科学会(JSOG): 産婦人科領域の最高権威である同学会は、定期的に「産婦人科診療ガイドライン」を発行しており、その中で授乳中の薬物療法に関する標準的な考え方や指針を示しています26。これは、全国の臨床医が日常診療で従うべき標準治療の基盤となります。
  • 地域の医師会・薬剤師会による取り組み: 大分県の「母乳と薬剤」研究会のように、地域の医療専門家が主体となって連携し、臨床現場で即座に利用できる、より実践的な薬剤評価ハンドブックを作成している例もあります17。これは、専門家の間でも、添付文書の情報だけに頼るのではなく、最新のエビデンスに基づいた医療を推進しようとする動きが全国的に活発であることを示しています。

これらの専門機関の存在と活動は、日本の医療が、添付文書の保守的な記載にただ縛られるのではなく、科学的根拠に基づいたグローバルスタンダードな医療へと着実に移行していることを示唆しています。患者は、添付文書の一文に過度に怯えるのではなく、主治医がこれらの信頼できる専門機関の情報を基に、個々の状況に応じた、より深い臨床的リスク評価を行っていることを信頼することが重要です。

第V部:授乳中の母親のための臨床的道筋:推奨事項と情報資源

これまでの包括的な分析に基づき、蟯虫感染が疑われる授乳中の母親が、不安を解消し、安全かつ効果的な治療を受けるために取るべき具体的な行動計画と、医療者との対話を円滑に進めるための情報を提供します。

5.1. 推奨される行動計画:ステップ・バイ・ステップ・ガイド

以下の手順に従うことで、情報に基づいた適切な医療判断を下すことが可能になります。

  1. ステップ1:感染の兆候を認識する
    お子様やご自身に、夜間に悪化する肛門周囲の激しいかゆみ、不眠、いらだちといった蟯虫感染に特徴的な症状を認めた場合、まずは感染を疑います1
  2. ステップ2:医療機関を受診する
    市販薬による自己判断での治療は避け、かかりつけの小児科、内科、または皮膚科を受診し、セロハンテープ法などによる確定診断を受けます1。これが全ての基本です。
  3. ステップ3:授乳中であることを明確に伝える
    診察の際には、まず最初に現在授乳中であることを医師に明確に伝えます。そして、家族内での再感染を防ぐために、家族全員での一斉治療が必要であるという点を理解していることも併せて伝えると、よりスムーズな対話につながります10
  4. ステップ4:薬剤について具体的に相談する
    本稿で示された安全性に関する情報を念頭に、医師と処方薬について情報に基づいた対話を行います。特に、NCCHDによって安全性が確認されているアルベンダゾール(エスカゾール®)や、日本の専門家から高い評価を得ているパモ酸ピランテル(コンバントリン®)などの選択肢について、具体的に尋ねることが有効です。
  5. ステップ5:衛生管理プロトコルを即時開始・徹底する
    診断が確定し、薬剤を処方されたら、服薬を開始すると同時に、第II部で詳述した厳格な家庭内衛生管理(毎朝のシャワー、リネン類の洗濯、徹底した清掃など)を家族全員で開始し、少なくとも2週間、理想的には6週間継続します6
  6. ステップ6:2回目の治療を確実に受ける
    1回目の服薬後に環境中の卵から新たに孵化した幼虫を駆除するため、通常は2週間後に指示される2回目の服薬を忘れずに行います9。これを完了して初めて、治療が一つの区切りを迎えます。

5.2. 患者と医師の対話を促進するために

診察時に自信を持って質問し、医師との共同意思決定(Shared Decision Making)を促進するために、母親が使用できる具体的な質問例を以下に示します。

  • 「子供が蟯虫と診断されました。家族全員での治療が必要と理解していますが、私は現在授乳中です。私と母乳を飲んでいる赤ちゃんにとって、最も安全と考えられるお薬の選択肢は何でしょうか?」
  • 「事前に調べたところ、アルベンダゾールという薬は、日本の国立成育医療研究センターによって授乳中でも安全と評価されていると知りました。このお薬を処方していただくことは可能でしょうか?また、その薬について詳しくご説明いただけますか?」14
  • 「お薬の添付文書には『授乳中止』と書かれている場合があると聞きました。しかし、それは多くの場合、実際の危険性というより予防的な措置であるとも理解しています。先生が推奨されるお薬について、私の赤ちゃんへの実際の具体的なリスクは、科学的にどの程度と考えればよろしいでしょうか?」24

5.3. さらなる相談のための日本の主要な情報資源

より専門的な情報や個別のカウンセリングを求める場合、以下の公的機関が最も信頼できる相談先となります。

  • 主要な情報源:国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター
    • 概要: 厚生労働省の事業として設置され、妊娠・授乳中の薬物使用に関する科学的根拠に基づいた情報提供とカウンセリングを行っている、日本で最も権威のある中核機関です25
    • サービス: 授乳中の母親やその家族、そして医療従事者を対象とした専用の電話相談窓口を設けており、個別の薬剤に関する詳細な情報提供を受けることができます27
    • 連絡先: 公式ウェブサイト(https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/)に最新情報が掲載されており、電話番号(03-5494-7845)も公開されています25
  • 二次的な情報源:
    • 日本産科婦人科学会(JSOG)や大分県「母乳と薬剤」研究会などが作成するガイドラインやハンドブックは、主治医が最新の情報を得て、標準的な治療方針を決定するための重要な専門家向け情報源となっています2617

よくある質問

授乳中に駆虫薬を飲むと、母乳は一時的に止めなければなりませんか?
いいえ、その必要はほとんどありません。本稿で紹介したアルベンダゾールやメベンダゾールなどの第一選択薬は、母乳への移行が極めて少ないため、世界保健機関(WHO)や日本の国立成育医療研究センター(NCCHD)などの専門機関によって、母乳育児を継続したまま安全に使用できると認められています149。自己判断で授乳を中断する前に、必ず医師に相談してください。
市販の駆虫薬を使っても良いですか?
推奨されません。日本で市販されているパモ酸ピルビニウム(パモキサン錠®)は、授乳中の安全性に関する質の高い科学的データが乏しいのが現状です。一方で、処方箋医薬品であるアルベンダゾール(エスカゾール®)などは、豊富な安全性データが蓄積されています。最も安全な選択をするために、市販薬に頼るのではなく、医療機関を受診して適切な薬剤を処方してもらうことが重要です。
症状があるのは子供だけです。私も薬を飲む必要がありますか?
はい、絶対に必要です。蟯虫感染は無症状のことが多く、症状がない家族も感染している可能性が非常に高いです1。症状のある人だけが治療しても、無症状の家族から再び感染する「ピンポン感染」が起こり、いつまでも根治できません。家族全員が同時に治療を受けることが、感染の連鎖を断ち切るための絶対的な原則です2
薬を飲めば、すぐに掃除などの衛生対策はやめても良いですか?
いいえ、衛生対策は治療の成功に不可欠です。駆虫薬は腸内の成虫にしか効かず、環境中に存在する虫卵には無力です2。虫卵は2~3週間も感染力を保つため、薬を飲んだ後に環境中の卵を摂取してしまえば再発します。服薬と並行して、最低2週間は徹底したリネン類の洗濯や清掃を続ける必要があります6
赤ちゃん(新生児・乳児)も駆虫薬を飲ませるべきですか?
一般的に、生後6ヶ月未満の乳児への駆虫薬の投与は、安全性が確立されていないため推奨されません2。この年齢の乳児がいる場合、治療の主体は母親を含む他の家族全員の服薬と、家庭内の徹底した衛生管理になります。母親が安全な薬剤で治療を受け、家庭内の虫卵を衛生管理で除去することで、乳児への感染リスクを最小限に抑えます。乳児の治療方針については、必ず小児科医にご相談ください。

結論

本稿における詳細な分析は、授乳中の母親が蟯虫などの一般的な寄生虫に感染した場合においても、母乳育児を安全に継続しながら効果的な治療を行うことが十分に可能であるという、明確かつ心強い結論を導き出しました。むしろ、授乳中の母親自身がためらうことなく治療に参加し、家庭内における潜在的な感染源を断つことこそが、愛するお子様を寄生虫感染症から完全に解放するための必須条件であると言えます。
授乳中の母親が、不安から解放され、自信を持って駆虫治療を成功させるための道筋は、以下の三つの不可欠な要素から構成されます。

  1. 徹底した衛生管理の実践: これは単なる清掃活動ではなく、薬剤が効かない虫卵を物理的に除去し、再感染のサイクルを断ち切るための、薬物療法と不可分の一体をなす積極的な治療行為です。
  2. 情報に基づいた医療相談: 安易な市販薬の使用を避け、科学的エビデンスが豊富な処方箋医薬品(特に日本の状況ではアルベンダゾールやパモ酸ピランテル)にアクセスするため、本稿で得た知識を基に、医師と積極的かつ建設的な対話を行うことが極めて重要です。
  3. 添付文書情報の批判的吟味: 日本の医薬品添付文書に見られる画一的で保守的な警告の背景にある、法的・規制的文脈を理解すること。そして、過度な不安を抱くことなく、国立成育医療研究センターのような国内の権威ある専門機関が示す、科学的根拠に基づいたガイダンスに信頼を置くことが、賢明な判断につながります。

これらの知見が、日本の授乳中の母親が抱える具体的な「痛み」や不安を直接的に解消し、科学的根拠に基づいた適切な行動を促す一助となることを、JHO編集委員会は心より願っています。正しい知識は、母子の健康を守る最も強力な武器です。

免責事項
本稿は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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