【医師監修】ニキビ美容液の選び方|科学的根拠に基づく有効成分(ビタミンC・ナイアシンアミド等)とスキンケアの全知識
皮膚科疾患

【医師監修】ニキビ美容液の選び方|科学的根拠に基づく有効成分(ビタミンC・ナイアシンアミド等)とスキンケアの全知識

「色々なニキビケア美容液を試したけれど、なかなか効果が実感できない」「どの成分が本当に自分の肌に合っているのか、情報が多すぎて分からない」。そんな深い悩みを抱えているのは、あなただけではありません。日本の疫学調査によれば、日本人の95%以上が生涯に一度はニキビを経験すると報告されています14。これは、ニキビがもはや「国民病」とも言えるほど、多くの人々にとって身近な皮膚疾患であることを示しています。本記事では、JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会が、皮膚科専門医の監修のもと、氾濫する広告や流行に惑わされることなく、科学的根拠に基づいた「自分に最適な一本を見つけ出すための知識」を包括的に提供します。

この記事の科学的根拠

この記事は、引用されている信頼性の高い医学的エビデンスに完全に基づいています。提示される医学的指針は、以下の主要な情報源の分析に基づいています。

  • 公益社団法人日本皮膚科学会 (JDA): 本記事における日本の標準的なニキビ治療法やスキンケアの推奨事項に関する指針は、日本皮膚科学会が発行した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン」に基づいています1
  • 米国皮膚科学会 (AAD): 主要な有効成分(例:サリチル酸、レチノイド)に関する国際的な評価と指針は、米国皮膚科学会のガイドラインを参考にしています67
  • 谷崎 英昭医師、林 伸和医師らによる疫学研究: 日本におけるニキビの有病率や医療機関の受診率に関する具体的なデータは、日本の皮膚科領域における権威ある研究者らによる調査結果を引用しています14
  • 各種学術論文(系統的レビュー・臨床試験): 各有効成分の有効性に関する記述は、その効果を科学的に検証した系統的レビューや臨床試験などの学術論文に基づいています192325

要点まとめ

  • ニキビは日本人の95%以上が経験する一般的な皮膚疾患ですが、医療機関の受診率は約16%と低いのが現状です14
  • 市販の美容液を選ぶ際は、「医薬部外品」と「化粧品」の違いを理解し、表示されている効能の範囲を正しく認識することが重要です8
  • ニキビケアの有効成分には、炎症を抑える「グリチルリチン酸ジカリウム」、毛穴詰まりをケアする「サリチル酸」、多機能な「ナイアシンアミド」、ニキビ跡にもアプローチする「ビタミンC誘導体」などがあり、科学的根拠に基づいて選ぶことが推奨されます。
  • 自分のニキビのタイプ(炎症性か非炎症性か)と肌質(脂性肌、乾燥肌など)を把握し、それに合った成分を選ぶことが失敗しないための鍵です。
  • 美容液の効果を最大限に引き出すためには、1日2回の優しい洗顔、適切な保湿、そして年間を通じた紫外線対策といった基本的なスキンケアが不可欠です1

第1章:なぜニキビはできるのか?思春期ニキビと大人ニキビの違い

ニキビケアを正しく理解するためには、まずその発生メカニズムを知ることが不可欠です。ニキビは基本的に、以下の3つの要因が絡み合って発生します。

  1. 毛穴の詰まり(角化異常):肌のターンオーバーの乱れなどにより、古い角質が毛穴の出口を塞いでしまいます。
  2. 皮脂の過剰分泌:塞がれた毛穴の中に皮脂が溜まります。これがニキビの初期段階である「面皰(めんぽう)」または「コメド」です。
  3. アクネ菌の増殖:皮脂を栄養源として、皮膚の常在菌であるアクネ菌が過剰に増殖し、炎症を引き起こします。

この基本的なメカニズムは共通ですが、「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」では、その背景にある原因や特徴が異なります。この違いを理解することが、適切なケアへの第一歩となります。

表:思春期ニキビと大人ニキビの比較

項目 思春期ニキビ 大人ニキビ
主な原因 成長ホルモンの影響による皮脂の過剰分泌が中心。 肌の乾燥、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、不適切なスキンケア、紫外線など、複数の要因が複雑に絡み合う42
好発部位 皮脂腺が多いTゾーン(額、鼻、あご)。 乾燥しやすく、ホルモンの影響を受けやすいUゾーン(フェイスライン、口周り、首)。
肌状態 全体的に脂っぽいことが多い。 乾燥しているのに部分的にベタつく混合肌や、敏感肌であることが多い。
主な対策 過剰な皮脂を取り除き、清潔に保つケアが中心。 丁寧な保湿で肌のバリア機能を整えつつ、ターンオーバーを正常化させる複合的なケアが必要。

特に大人ニキビは、生活習慣の乱れやストレスが大きく影響するため、スキンケアだけでなく、生活全体を見直す視点も重要になります43

第2章:皮膚科医の視点:ニキビ「治療」の最前線

市販の製品について解説する前に、医学的な観点からニキビ「治療」の基本を理解しておくことが極めて重要です。これにより、記事全体の信頼性が確立されます。公益社団法人日本皮膚科学会が発行する「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」では、ニキビ治療の標準的な選択肢として、以下の医薬品が強く推奨されています1

  • アダパレン:外用レチノイドの一種で、毛穴の詰まり(面皰)を改善する作用に優れています。
  • 過酸化ベンゾイル:強い抗菌作用と、軽度の角質剥離作用を持ち、炎症性ニキビと面皰の両方に効果を発揮します。
  • クリンダマイシン:抗菌薬であり、アクネ菌の増殖を抑えることで炎症を鎮めます。

これらの医薬品が第一選択肢として推奨されるのは、ニキビの根本原因である「面皰」と、目に見える症状である「炎症」の両方に科学的根拠を持って作用するためです。多くの皮膚科では、これらの薬剤を単独または組み合わせて治療を行います。

【重要なお知らせ】この記事は市販の美容液の選び方を解説することを目的としており、医薬品による治療を代替するものではありません。中等症以上のニキビや、セルフケアで改善が見られない場合は、自己判断を続けずに必ず皮膚科専門医にご相談ください。

第3章:【日本の常識】「医薬部外品」と「化粧品」の違いを知る

日本の消費者が市販品を選ぶ上で最も混乱しやすいのが、「医薬部外品」と「化粧品」の違いです。この区別を正しく理解することは、製品を効果的に選ぶための基礎知識となります。厚生労働省の定義に基づき、これら3つのカテゴリーは目的と作用の強さによって明確に区別されています811

カテゴリー 目的 作用 表示例
医薬品 病気の「治療」 強い ニキビを「治療する」
医薬部外品 「防止・衛生」 緩和 ニキビを「防ぐ」、肌荒れを防ぐ
化粧品 「清潔・美化」 さらに緩和 肌をすこやかに保つ、肌のキメを整える

重要な点は、「医薬部外品」には厚生労働省が効果・効能を承認した「有効成分」が一定濃度で配合されており、「ニキビを防ぐ」といった具体的な効能を表示することが法的に許可されていることです12。一方で、「化粧品」は治療や予防を目的とすることはできず、あくまで肌を健やかに保つためのものです。したがって、市販品でニキビへの効果を期待して製品を選ぶ場合、まず「医薬部外品」の表示があるかどうかが一つの判断基準となります。ただし、「防ぐ」と「治す」は法的に全く異なる意味を持つという点を、消費者は明確に認識しておく必要があります。

第4章:ニキビ美容液の有効成分【科学的エビデンス徹底解説】

ここからは、本記事の核となる有効成分の解説です。市販の美容液に含まれる成分を、その法的な位置づけと科学的エビデンスのレベルに基づいて「医薬部外品有効成分」と「高機能化粧品成分」に分類し、詳しく見ていきましょう。

4.1. 【医薬部外品】「ニキビ予防」の主役となる承認済み有効成分

これらは、厚生労働省から「ニキビを防ぐ」という効果が認められている成分です。

グリチルリチン酸ジカリウム(甘草由来エキス)

  • 作用機序:漢方にも用いられる甘草の根から抽出される成分で、強力な抗炎症作用が特徴です。アクネ菌によって引き起こされる炎症を鎮め、赤ニキビの悪化を防ぎます。
  • エビデンス:「ニキビを防ぐ」有効成分として長年の使用実績があり、安全性が高く、多くの敏感肌用ニキビケア製品にも配合されています40

サリチル酸

  • 作用機序:BHA(ベータヒドロキシ酸)の一種で、硬くなった角質を軟化・溶解する作用(ピーリング効果)を持ちます。これにより、ニキビの根本原因である毛穴の詰まり(面皰)を改善し、ニキビができにくい肌環境へと導きます。
  • エビデンス:海外の系統的レビューにおいて、軽度から中等度のニキビ、特に非炎症性病変(白ニキビ・黒ニキビ)に対する有効性が示唆されています19
  • 注意点:角質を剥がす作用があるため、濃度によっては肌への刺激となる可能性があります。敏感肌の方は、低濃度のものから試すか、使用頻度を調整することが推奨されます。

4.2. 【高機能化粧品】皮膚科学が注目する先進成分

これらは医薬部外品の有効成分としては承認されていなくても、数々の科学的研究によってその有効性が示唆され、美容皮膚科領域で注目されている成分です。

ナイアシンアミド(ビタミンB3)

  • 作用機序:非常に多機能な成分で、ニキビに対して多角的にアプローチします。主な作用として、①抗炎症作用、②皮脂分泌抑制作用、③皮膚バリア機能の改善、④ニキビ跡の原因となるメラニンの生成抑制作用が挙げられます22
  • エビデンス:複数の臨床試験において、4%から5%の濃度で8週間使用することにより、炎症性のニキビが統計的に有意に減少したと報告されています2123
  • 特徴:刺激が少なく、ニキビそのものだけでなく、ニキビ跡の色素沈着や肌全体の健康維持にも寄与するため、特に複合的な悩みを抱える大人ニキビのケアに適しています。

ビタミンC誘導体

  • 作用機序:不安定なビタミンCを安定化させ、肌に浸透しやすくした成分です。抗酸化作用、抗炎症作用、皮脂分泌抑制作用、メラニン生成抑制作用、コラーゲン産生促進作用など、こちらも非常に多彩な効果を持ちます44
  • エビデンス:ニキビそのものへの効果に加え、ニキビが治った後の赤みや茶色い色素沈着、さらにはコラーゲン産生を促すことによる軽度の凹み(クレーター)に対しても効果が期待される、オールラウンドな成分として知られています。
  • 種類と特徴:水に溶けやすい「水溶性」(即効性が期待できる)、油に溶けやすい「油溶性」(肌に留まりやすく持続性が期待できる)、両方の性質を持つ「両親媒性(APPSなど)」(浸透性に優れる)など、様々な種類があります。自分の肌質や目的に合わせて選ぶことが可能です。

アゼライン酸

  • 作用機序:海外ではニキビ治療薬として広く認知されており、①角化異常の正常化、②皮脂分泌抑制、③抗菌作用、④抗酸化作用、⑤メラニン生成抑制作用といった、ニキビの様々な要因に働きかけます32
  • 日本における特殊な立ち位置:海外では医薬品として広く使用されている実績のある成分ですが、日本では医薬品としては未承認です。しかし、その有効性と安全性が評価され、近年、高濃度(15%~20%)のものがクリニック専売の化粧品や、一部市販の化粧品として入手可能になっています433。日本のニキビ治療ガイドラインでも、保険適用外の選択肢の一つとして挙げられています1
  • エビデンス:多くの海外の主要なニキビ治療ガイドラインで推奨されており、その有効性は確立されています。

レチノール(およびその誘導体)

  • 作用機序:肌のターンオーバーを促進することで、毛穴の詰まりを根本から防ぎます。また、皮脂腺の働きを抑制する効果も報告されています。医療用医薬品である「外用レチノイド(アダパレンなど)」の化粧品版と位置づけられ、作用機序は似ていますが、効果はより穏やかです。
  • エビデンス:外用レチノイドは、世界中のガイドラインでニキビ治療のゴールドスタンダードとされています25。化粧品に配合されるレチノールは、その作用をマイルドにしたものであり、継続的に使用することでニキビ予防効果が期待できます。
  • 注意点:効果が高い反面、使用初期に「A反応(レチノイド反応)」と呼ばれる赤み、皮剥け、乾燥、ヒリヒリ感などが一時的に生じることがあります。低濃度のものから少量ずつ始め、肌を慣らしていくことが重要です。

第5章:失敗しない!あなたのためのニキビ美容液「選び方」実践ガイド

豊富な成分知識を学んだところで、いよいよ実践的な選び方のステップに進みます。以下のフレームワークに従って、自分に最適な一本を見つけましょう。

STEP 1: 自分のニキビタイプと肌質を把握する

まずは自分の肌を正しく知ることが最も重要です。以下の質問に答えてみましょう。

  • あなたの主なニキビは?
    • A: 炎症を起こして赤くなったり、膿を持ったりしているニキビ(炎症性病変)
    • B: 痛みや赤みはないが、ポツポツとした毛穴の詰まり(白ニキビ・黒ニキビ)が気になる(非炎症性病変)
  • あなたの肌質は?
    • C: 全体的に皮脂が多く、ベタつきやすい(脂性肌)
    • D: 洗顔後につっぱりやすく、カサつきやすい(乾燥肌)
    • E: Tゾーンはベタつくが、頬は乾燥するなど、部位によって肌質が違う(混合肌)

STEP 2: タイプ別・おすすめ成分早見表

STEP 1の自己診断を元に、以下の表を参考に、自分の悩みに合った成分を見つけましょう。

お悩み 推奨される主要成分 アプローチ
炎症性ニキビ(赤み・膿)が中心 ナイアシンアミド, グリチルリチン酸ジカリウム, アゼライン酸 まず炎症を鎮めることを最優先。
毛穴の詰まり(白・黒ニキビ)が中心 サリチル酸, レチノール, アゼライン酸 角質ケアで毛穴の詰まりを解消する。
ニキビ跡(色素沈着・赤み)が気になる ビタミンC誘導体, ナイアシンアミド, アゼライン酸 メラニン生成を抑え、ターンオーバーを促す。
乾燥も気になる敏感肌 ナイアシンアミド, グリチルリチン酸ジカリウム(+セラミドなどの保湿成分) 刺激の少ない抗炎症成分と、バリア機能をサポートする保湿成分を重視。

STEP 3: 「ノンコメドジェニックテスト済み」を正しく理解する

多くのニキビケア製品に「ノンコメドジェニックテスト済み」という表示があります。これは、「コメド(ニキビの初期段階)ができにくいことを、人の肌で確認したテスト」という意味です13。ニキビができやすい肌質の人が製品を選ぶ際の重要な指標となりますが、これは「全ての人に絶対にニキビができない」ことを保証するものではないという限界も理解しておくことが大切です。

STEP 4: 避けるべき可能性のある成分とテクスチャー

ニキビ肌はデリケートな状態にあるため、刺激となりうる成分は避けるのが賢明です。特に、高濃度のエタノール(アルコール)や合成香料、着色料は、人によっては刺激に感じることがあります。また、毛穴を詰まらせやすい性質を持つ一部の重いオイル(例:ミネラルオイル、ココナッツオイル)が多量に配合されている製品も、脂性肌の人は注意が必要です。テクスチャーについては、脂性肌ならさっぱりとしたジェルタイプ、乾燥肌なら保湿力のある軽めの乳液タイプなど、自身の肌質に合った心地よい使用感のものを選ぶと、継続しやすくなります。

第6章:美容液の効果を最大化する正しいスキンケア

どんなに優れた美容液を選んでも、日々のスキンケアが間違っていては効果は半減してしまいます。美容液はあくまでスキンケアの一工程であり、全体の連携が重要です。

  • 洗顔: 日本皮膚科学会のガイドラインでも、1日2回の洗顔が推奨されています1。重要なのは、ゴシゴシと摩擦を避けること。たっぷりの泡で優しく洗い、ぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。
  • 保湿: 「ニキビ肌はベタつくから保湿は不要」というのは大きな間違いです。肌が乾燥すると、かえって皮脂が過剰に分泌されることがあります。化粧水で十分に水分を補給した後、セラミドなどの保湿成分が含まれた、油分の少ない乳液やゲルで「蓋をする」ことが基本です。
  • 紫外線対策: 紫外線は、皮脂の酸化を促し、角化異常を引き起こすことでニキビを悪化させる一因となります46。また、ニキビ跡の色素沈着を濃くする最大の要因でもあります。季節や天候を問わず、年間を通じて日焼け止めを使用する習慣をつけましょう。

よくある質問

Q. 皮膚科で処方された薬と市販の美容液は併用できますか?

A. 自己判断での併用は避けるべきです。医薬品と化粧品に含まれる成分が相互に作用し、予期せぬ肌トラブルを引き起こす可能性があります。必ず処方した医師または薬剤師に相談し、指示を仰いでください。特にピーリング作用のある成分(サリチル酸、レチノール)と、医薬品の外用レチノイド(アダパレンなど)の併用は、過度な刺激になる可能性が高いため注意が必要です。

Q. ニキビ跡の凹み(クレーター)にも美容液は効きますか?

A. 残念ながら、真皮層まで深く損傷した凹み(クレーター)を、市販の化粧品だけで完全に平らにすることは非常に困難です。ビタミンC誘導体やレチノールなどは、コラーゲンの産生をサポートすることで、ごく浅い凹みをふっくらと見せる効果が期待できる場合がありますが、本格的な改善には、皮膚科でのレーザー治療やダーマペン、TCAピーリングなどの専門的な治療が必要となります。

Q. 効果はどのくらいの期間で現れますか?

A. 肌のターンオーバー(生まれ変わり)の周期は、一般的に約28日と言われていますが、年齢と共に長くなります。そのため、ほとんどのスキンケア製品の効果を実感するには、少なくとも1ヶ月から3ヶ月程度の継続使用が必要です。すぐに効果が出ないからといって諦めず、最低でも1本は使い切るつもりで、じっくりと肌の変化を観察することが大切です。

Q. 「肌に合わない」と感じたら、どうすればいいですか?

A. 使用中に赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などの刺激、あるいはニキビの明らかな悪化が見られた場合は、すぐに使用を中止してください。無理して使い続けると、症状が悪化する可能性があります。症状が続く場合は、製品を持参して皮膚科専門医に相談することをお勧めします。

結論

ニキビ美容液選びは、単に人気の商品や口コミを追いかけるのではなく、まず自身の肌状態とニキビのタイプを正しく理解することから始まります。そして、この記事で解説したように、各成分がどのような科学的根拠を持ち、どのように作用するのかという知識を武器に、製品の表示を自らの目で判断することが重要です。以下のポイントを心に留めて、自信の持てる肌への第一歩を踏み出しましょう。

  • ニキビの根本原因と自分のタイプを理解する。
  • 「医薬部外品」の有効成分や、科学的エビデンスのある化粧品成分に注目する。
  • 自分の悩み(炎症、毛穴詰まり、ニキビ跡)に合った成分を選ぶ。
  • 美容液だけに頼らず、洗顔・保湿・紫外線対策という基本のスキンケアを徹底する。

この記事で得た知識を元に、ご自身の肌と向き合い、最適なスキンケア製品を選んでみましょう。しかし、最も確実で安全な方法は専門家による診断です。ニキビの症状が改善しない場合や、どの治療法が自分にとって最適か判断に迷う場合は、決して一人で悩まず、皮膚科専門医に相談することを強くお勧めします。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 公益社団法人日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf
  2. 公益社団法人日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/acne%20guideline.pdf
  3. 公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A. にきび Q13. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q13.html
  4. ここクリニック. 「アゼライン酸」のもつさまざまな効果を専門医が徹底解説ーニキビ、酒さ、赤ら顔の治療ー. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://koko-clinic.com/blog/%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%A4%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%96%E3%81%BE%E3%81%AA%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%82%92%E5%B0%82%E9%96%80%E5%8C%BB/
  5. Simpson C, Alvarez A, El-Hajahmad M. American Academy of Dermatology Acne Guidelines of Care versus Modern Skincare Trends. [インターネット]. Kansas City University; 2024. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://digitalcommons.kansascity.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=2017&context=studentpub
  6. American Academy of Dermatology. Acne: Diagnosis and treatment. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.aad.org/public/diseases/acne/derm-treat/treat
  7. Simpson C, Alvarez A, El-Hajahmad M. American Academy of Dermatology Acne Guidelines of Care versus Modern Skincare Trends. SKIN The Journal of Cutaneous Medicine. 2024. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://skin.dermsquared.com/skin/article/view/3405
  8. 厚生労働省. 医薬品等の効能効果の範囲. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/shikent.pdf
  9. 厚生労働省. 薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会 平成16年3月25日議事録. [インターネット]. 2004. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/shingi___2004___03___txt___s0325-3.txt
  10. 枚方市. 医薬部外品の効能または効果の範囲(参考). [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000002/2816/66888.pdf
  11. 花王株式会社. スキンケア製品の「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の違いって?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.kao.com/jp/binkanhada/ingredient_01_01/
  12. 株式会社マクロジ. 化粧品・医薬部外品で「肌荒れ」「ニキビ」は表現できる?言い換え含め薬機法・景表法に基づき徹底解説. [インターネット]. 2023. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://maclogi.co.jp/column/4683/?type=lecture
  13. 林 伸和. にきびとそのケア. 日本化粧品工業会. [インターネット]. 2013年4月15日. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.jcia.org/user/public/knowledge/essay/essay10
  14. 谷崎 英昭, 林 伸和, 他. 本邦における尋常性痤瘡のアンケートによる疫学的調査成績2018. 日本皮膚科学会雑誌. 2020;130(8):1811-1819. Available from: https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/130/8/130_1811/_article/-char/ja/
  15. 上田皮ふ科. ニキビ一緒に治そうProject. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://uedahifuka.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/nikibigadekitesimattara.pdf
  16. 厚生労働省. 資料2-1. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001279927.pdf
  17. 谷崎 英昭, 他. 本邦における尋常性痤瘡のアンケートによる疫学的調査成績2018. CiNii Research. [インターネット]. 2020. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://cir.nii.ac.jp/crid/1390848250130614272
  18. 日本痤瘡研究会. 第8回 日本痤瘡研究会学術大会 記録集. [インターネット]. 2019. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://zasou.org/report/report_zasou_20190728.pdf
  19. Wathoni N, Haerani A, Yuniarsih N, Hasyim R. The Effectiveness of Salicylic Acid Therapy in Mild and Moderate Acne Vulgaris. Jurnal Unimus. 2023. Available from: https://jurnal.unimus.ac.id/index.php/APKKM/article/download/7479/pdf
  20. Locher C, et al. A systematic review and network meta-analysis of topical pharmacological, oral pharmacological, physical and combined treatments for acne vulgaris. Br J Dermatol. 2022. doi:10.1111/bjd.21738. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35789996/
  21. Khodaeiani E, et al. Efficacy and Safety of Topical Niacinamide for Acne Vulgaris. ResearchGate. 2013. Available from: https://www.researchgate.net/publication/271183636_Efficacy_and_Safety_of_Topical_Niacinamide_for_Acne_Vulgaris
  22. Seemiller K. Counsel Patients On Topical Niacinamide for Acne Treatment and Beyond. Pharmacy Times. 2023. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.pharmacytimes.com/view/counsel-patients-on-topical-niacinamide-for-acne-treatment-and-beyond
  23. Kaymak Y, Onder M. An Investigation of Efficacy of Topical Niacinamide for the Treatment of Acne Vulgaris. Turkish Journal of Dermatology. 2011. Available from: https://www.jtad.org/pdf/f88090da-efac-4ecf-a15c-83ab968f5c5d/articles/32279/jtad-2-0-En.pdf
  24. Locher C, et al. A systematic review and network meta‐analysis of topical pharmacological, oral pharmacological, physical and combined treatments for acne vulgaris. Br J Dermatol. 2022;187(5):639-653. Available from: https://academic.oup.com/bjd/article-abstract/187/5/639/6966388
  25. Leyden J, Stein-Gold L, Weiss J. Topical Retinoids in Acne Vulgaris: A Systematic Review. Am J Clin Dermatol. 2019. doi:10.1007/s40257-019-0425-z. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30674002/
  26. NIHR. Meta-analysis of research on acne reveals that oral isotretinoin, followed by topical antibiotic, benzoyl peroxide and retinoid, are most effective treatments. EurekAlert!. 2023. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.eurekalert.org/news-releases/996676
  27. @cosme. ニキビのおすすめ最新情報. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.cosme.net/categories/effect/1004/
  28. LIPS. 【2025年最新】ニキビ ニキビ跡 スキンケア特集!口コミで人気のおすすめ46アイテムを紹介!. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://lipscosme.com/themes/44051
  29. my-best. 【徹底比較】ニキビケア美容液のおすすめ人気ランキング. [インターネット]. 2025. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://my-best.com/3869
  30. OZmall. 【人気のニキビケア美容液おすすめ15選】ニキビを防ぎ、美しい肌へ. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.ozmall.co.jp/cosme/essence/article/23760/
  31. 赤井クリニック. AZAクリア(アゼライン酸クリーム). [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.akaiclinic-yokohama.com/external-medicine/azelaic-acid-cream.html
  32. ロート製薬株式会社. スキンケア成分の知識:アゼライン酸. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://rohto-md.com/contents/archive/detail/68/
  33. わかこ皮ふ科クリニック. アゼライン酸(AZAクリア). [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://wakako-clinic.jp/service/%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%85%B8%EF%BC%88aza%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%EF%BC%89/
  34. 巣鴨千石皮ふ科. ニキビ・酒さ治療薬「アゼライン酸」. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/azelaic-acid.html
  35. 医療法人義恵会. 【ニキビ/酒さ/毛穴/脂性肌】に効く!アゼライン酸 の6つの効果 と販売されているおすすめ化粧品について皮膚科医が徹底解説!. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://hifuka.or.jp/blog/azelaic-acid/
  36. 株式会社富士経済. 機能性化粧品の国内市場を調査. [インターネット]. 2022年2月14日. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=22020&view_type=1
  37. オルビス株式会社. クリアフル アクネ ブライト エッセンス. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.orbis.co.jp/small/1152012/
  38. オルビス株式会社. ニキビ|化粧品・スキンケア・基礎化粧品の通販. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.orbis.co.jp/mid/117/
  39. ONEcosme. 【最新】ニキビケアコスメ総合ランキング!本当におすすめできるコスメはどれ?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://onecosme.jp/category/acne
  40. @cosme. 【医薬部外品】ニキビ・肌荒れに!有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」配合のスキンケア10選. [インターネット]. 2024年2月29日. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.cosme.net/beautist/article/2693746
  41. アクア・アクア. 医薬部外品とは?薬用との違いは?【スキンケアで医薬部外品を選ぶメリット】. [インターネット]. 2024年10月8日. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://aqua-cosme.com/topics/20241008/
  42. ライオン株式会社. 大人ニキビの治し方~場所別・種類別対策~. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://pair.lion.co.jp/article/dr/004_lady.htm
  43. 株式会社コーセー. 【医師監修】大人ニキビの原因と治し方。おすすめのスキンケアや生活習慣とは. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.kose.co.jp/kose/skin_care/skincare135.html
  44. 亀山孝一郎. ニキビの治療. 青山ヒフ科クリニック. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.aoyamahihuka.com/beautycolumn/?id=1640065543-430337
  45. タカミクリニック. ニキビ(尋常性ざ瘡)の正しいスキンケア方法|ニキビを悪化させないためのポイント. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://takamiclinic.or.jp/media/acne/skincare/
  46. ラ ロッシュ ポゼ. 繰り返す大人ニキビの原因と正しいケア方法. [インターネット]. [引用日: 2025年6月24日]. Available from: https://www.laroche-posay.jp/dermclass/nomura01.html
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ