【専門医監修】ノンストレステスト(NST)とは?目的から結果の見方、費用、異常時の対応までを徹底解説
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【専門医監修】ノンストレステスト(NST)とは?目的から結果の見方、費用、異常時の対応までを徹底解説

妊娠後期に入り、「ノンストレステスト(NST)」を受けるように言われたけれど、一体どんな検査?」「結果の見方がわからなくて不安…」「費用はどれくらいかかるの?」そんな疑問や不安を抱えていませんか。この記事では、日本における胎児心拍数陣痛図(CTG)の第一人者である中井章人教授のような専門家の知見や、日本産科婦人科学会(JSOG)のガイドライン1などの科学的根拠に基づき、NSTの目的から、結果を正しく理解するためのポイント、公的補助を含めた費用、そして万が一『異常の可能性』を指摘された場合の対応まで、皆さまが知りたい情報をどこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。

医学的審査協力:
中井 章人 先生(日本医科大学 多摩永山病院 元院長 / 日本産婦人科医会 常務理事)234


本稿の科学的根拠

この記事は、引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、本稿で提示される医学的指導に直接関連する主要な情報源のリストです。

  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会 (JSOG): 本稿におけるNSTの適応(過期妊娠、ハイリスク妊娠など)や関連検査との関係性に関する記述は、同学会が発行する「産婦人科診療ガイドライン」1に基づいています。
  • 米国産科婦人科学会 (ACOG): NST結果の「リアクティブ」および「ノンリアクティブ」の国際的な定義に関する記述は、同学会の公式見解56を主要な典拠としています。
  • 厚生労働省 (MHLW): 費用の項で記述されている保険適用に関する情報は、同省が定める診療報酬点数表7に基づいています。

要点まとめ

  • ノンストレステスト(NST)は、お腹の赤ちゃんが元気かどうかを調べるための、お母さんにも赤ちゃんにも負担のない安全な検査です。
  • 結果は主に「リアクティブ(安心できる状態)」か「ノンリアクティブ(追加検査で詳しく調べる必要がある状態)」で評価されます。
  • 「ノンリアクティブ」と判定されても、その多くは赤ちゃんが眠っているだけであり、必ずしも危険な状態を意味するわけではありません。
  • 費用は原則自費ですが、多くの自治体で配布される補助券を利用でき、特定の診断があれば保険適用になる場合もあります。

ノンストレステスト(NST)とは?赤ちゃんの元気を確認する大切な検査

ノンストレステスト(NST)は、正式には「胎児心拍数モニタリング」とも呼ばれ、妊娠後期に行われる重要な検査の一つです。産科医療の専門サイトによると、この検査は陣痛のような特別なストレス(Stress)をかけていない(Non)状態で、お腹の赤ちゃんが元気で快適な状態か(well-being)を評価するために行われます8

NSTの基本的な定義

具体的には、分娩監視装置という機器を用いて、一定時間(通常20分から40分程度)の胎児の心拍数の変化と、お母さんのお腹の張り(子宮収縮)を同時に記録します9。この記録紙(胎児心拍数陣痛図:CTG)を分析することで、赤ちゃんに十分な酸素が供給されているか、神経系が健全に機能しているかを間接的に知ることができます。

なぜこの検査が必要?NSTの主な目的

NSTには主に3つの重要な目的があります。

  1. 胎児の健康状態の評価:最大の目的は、胎盤の機能が正常で、赤ちゃんに十分な酸素が供給されているかを確認することです10。赤ちゃんは元気であれば、体を動かした時に心拍数が一時的に上昇します。この反応を見ることで、胎児が低酸素状態などの苦しい状況に陥っていないかを評価します。
  2. 分娩への耐容能の予測:お産が始まると、赤ちゃんは陣痛という周期的なストレスにさらされます。NSTによって、そのストレスに耐えうる体力が赤ちゃんにあるかどうかを、事前に評価する目的もあります8
  3. ハイリスク妊娠の管理:MSDマニュアル プロフェッショナル版によると、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、胎児発育不全(FGR)といった、いわゆるハイリスク妊娠の場合、胎児の状態が悪化する危険性が高まります11。このような場合にNSTを定期的に行うことで、胎児の状態を注意深く監視し、適切なタイミングでの分娩につなげることが可能になります。これは米国産科婦人科学会(ACOG)も推奨する標準的な管理方法です11

いつ、誰が受けるの?NSTの対象と実施時期

NSTはすべての妊婦さんが必ず受ける検査ではありませんが、多くの施設で妊娠後期に実施されています。

標準的な実施時期

一般的には、胎児の自律神経系が十分に発達し、心拍数の反応が安定して評価できるようになる妊娠34週から36週以降に、妊婦健診の一環として行われることが多いです8。ただし、検査を開始する時期は、各医療機関の方針や妊婦さん一人ひとりの状態によって異なります。

NSTが特に推奨されるケース(適応)

日本産科婦人科学会(JSOG)の診療ガイドライン1や、ACOGの指針5では、以下のような場合にNSTによる胎児監視が特に推奨されています。これらの状況では、胎児の状態をより慎重に評価する必要があるためです。

  • 予定日超過:妊娠40週を超えた場合。
  • 胎動の減少:妊婦さん自身が「いつもより胎動が少ない」と感じる場合。
  • 母体の合併症:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、自己免疫疾患などがある場合。
  • 胎児発育不全(FGR):超音波検査で赤ちゃんの成長が思わしくない場合。
  • 羊水量の異常:羊水過少症または羊水過多症と診断された場合。
  • 多胎妊娠:双子や三つ子などの妊娠。
  • 過去の周産期歴:以前の妊娠で死産などの経験がある場合。

検査の流れと準備:リラックスして受けるためのポイント

NSTは痛みもなく安全な検査ですが、少し時間がかかるため、準備をしておくとより快適に受けることができます。

検査前の準備

専門家向けの情報サイトでも推奨されているように、いくつかの簡単な準備が役立ちます12

  • 食事とトイレ:検査は最低でも20分、場合によってはそれ以上かかることがあります。事前に食事を済ませ、お手洗いにも行っておくと安心です。特に、赤ちゃんが眠っていると心拍数の反応が出にくく検査が長引くことがあるため、検査前に少し甘いものを摂ると胎動が活発になりやすい、という実用的なアドバイスもあります。
  • 服装:お腹にセンサーを取り付けやすいよう、上下が分かれたゆったりとした服装がおすすめです。リラックスできる服装で臨みましょう。

検査の具体的な手順

検査は以下のような手順で進められます13

  1. 姿勢:ベッドやリクライニングチェアに、上半身を少し起こした楽な姿勢(セミファーラー位)で横になります。完全な仰向けは避けることが多いです。
  2. 装置の装着:看護師や助産師が、2つの円盤状のセンサー(トランスデューサー)をお腹に装着します。一つは赤ちゃんの心音を拾うための超音波ドップラー、もう一つはお母さんのお腹の張り(子宮収縮)を感知するための腹緊計です。これらをジェルを塗った腹部に当て、柔らかいベルトで固定します。
  3. 胎動ボタン:多くの施設では、赤ちゃんが動いた(胎動)と感じたら押すためのボタンを渡されます。これにより、胎動と心拍数の変化の関連を見ることができます。
  4. モニタリング:準備ができたら、約20分から40分間、リラックスした状態で心拍数と子宮収縮の様子を記録します。

検査中の不快感とその対処法

一部の妊婦さんは、検査中に気分が悪くなることがあります。その主な原因は「仰臥位低血圧症候群」です。これは、大きくなった子宮が背中側にある大きな血管(下大静脈)を圧迫し、心臓に戻る血液が減少することで血圧が下がり、吐き気やめまいを引き起こす状態です14

もし検査中に気分が悪くなったり、体勢が辛いと感じたりした場合は、絶対に我慢しないでください。日本の妊婦さんが抱きがちな「迷惑をかけたくない」という気持ちから我慢してしまうこともあるかもしれませんが15、すぐに医療スタッフに伝えることが重要です。体の向きを少し左側に傾けたり、上半身をさらに起こしたりすることで、症状が和らぐことがほとんどです。「我慢は禁物です。これはあなたと赤ちゃんの安全のために必要なことです」と、専門家は強調しています14

【最重要】NSTの結果の見方:グラフが示す赤ちゃんのサイン

検査後、帯状のグラフ用紙が渡されます。専門的な内容に見えますが、基本的なポイントを知ることで、医師の説明をより深く理解することができます。

グラフの基本構成

グラフは主に上下二段に分かれています16

  • 上段:胎児心拍数(単位:bpm、1分間あたりの心拍数)を示します。
  • 下段:子宮収縮圧(お腹の張り具合)を示します。陣痛が来ていない時は、ほぼ平坦な線になります。
  • 記録紙下部:胎動を感じてボタンを押した箇所に印が付きます。

評価の3大要素

産科医療の専門家は、主に以下の3つの要素を総合的に評価して、赤ちゃんの状態を判断します8

① 胎児心拍数基線(Baseline Heart Rate)

これは、一過性の変動がない時の平均的な心拍数のことです。正常範囲は、国際的な基準で1分間に110回から160回とされています8

② 胎児心拍数基線細変動(Baseline Variability)

これは、心拍数基線の細かな「ゆらぎ」のことで、赤ちゃんが元気かどうかを判断する上で非常に重要な指標です。このゆらぎは、赤ちゃんの自律神経系が正常に機能していることを示しています8。専門的には、振れ幅が1分間に6回から25回の状態(中等度:Moderate)が最も健康的なサインとされています17。このゆらぎが5回以下に減少したり、消失したりしている場合は、赤ちゃんが眠っているだけの可能性もありますが、低酸素状態の兆候である可能性も否定できないため、慎重な評価が必要になります17

③ 一過性変動(Periodic/Episodic Changes)

これは、心拍数が一時的に基線から上がったり下がったりする現象です。

  • 一過性頻脈(Acceleration):赤ちゃんが体を動かした時などに、心拍数が一時的にグッと上がることです。これは「赤ちゃんが元気に運動している健康なサイン」であり、NSTではこの出現を重視します8
    • 基準(妊娠32週以降):心拍数が基線から15bpm以上上昇し、その状態が15秒以上続くこと5
    • 基準(妊娠32週未満):胎児の神経系がまだ未熟なため基準が異なり、10bpm以上の上昇が10秒以上続けば良いとされています5
  • 一過性徐脈(Deceleration):心拍数が一時的に低下する現象です。特に、子宮収縮に伴って心拍数が繰り返し低下する特定のパターン(例:遅発一過性徐脈)は、胎盤機能の低下を示唆する危険なサインである可能性があり、医師による慎重な判断が求められます8

最終的な判定:「リアクティブ」と「ノンリアクティブ」

これらの要素を総合的に評価し、最終的な判定が下されます。ACOGのガイドライン5などに基づいた一般的な基準は以下の通りです。

表:NSTの結果判定基準
判定 基準 臨床的な意味
リアクティブ (Reactive)
(安心できる状態)
以下の4項目をすべて満たす場合1718:

  1. 心拍数基線が正常範囲 (110-160bpm)
  2. 基線細変動が中等度 (6-25bpm)
  3. 危険な一過性徐脈がない
  4. 20分間の観察で、基準を満たす一過性頻脈が2回以上出現する
現時点で胎児は健康であり、低酸素状態ではないと推定されます。リアクティブと判定された場合、その後の1週間以内に胎児が子宮内で亡くなる危険性は極めて低いことが知られています19
ノンリアクティブ (Non-reactive)
(安心できない状態)
40分間観察を続けても、基準を満たす一過性頻脈が2回未満の場合5 最も多い原因は赤ちゃんが眠っていることですが、胎児機能不全の可能性も否定できないため、追加の検査で詳しく状態を評価する必要があります。

「ノンリアクティブ」と言われたら?次のステップと対処法

「ノンリアクティブ」という結果を聞くと、多くの妊婦さんは強い不安を感じるかもしれません。しかし、すぐにパニックになる必要はありません。

なぜノンリアクティブになる?

専門家によると、ノンリアクティブとなる最も一般的な原因は、検査中に赤ちゃんがたまたま睡眠サイクルに入っていたことです8。赤ちゃんの睡眠サイクルは約20分から40分続くため、その間は胎動が少なく、心拍数の上昇(一過性頻脈)が見られにくくなります。その他、お母さんが服用している薬の影響や、胎児の神経系がまだ未熟であることなども原因として考えられます。もちろん、稀に本当に胎児の状態が悪化している(胎児機能不全)可能性も含まれるため、医師は慎重に対応します。

医師が行う次の対応

「ノンリアクティブ」と判定された場合、医師は通常、以下のようないくつかの段階的な対応をとります。

  1. 検査時間の延長と刺激:まずは観察時間を40分、場合によってはそれ以上延長します。それでも反応が見られない場合、お母さんのお腹を優しく揺らしたり、音響振動刺激装置(VAST)というブザーのような機器で赤ちゃんに軽い刺激を与えて、目を覚まさせる試みをすることがあります8
  2. 追加検査の実施:それでもリアクティブにならない場合、より詳しく赤ちゃんの状態を評価するために追加の検査が行われます。代表的なものに、バイオフィジカルプロファイルスコア(BPS)があります。
    • バイオフィジカルプロファイルスコア(BPS):これは、NSTの評価に加えて、超音波検査を用いて「胎児の呼吸様運動(呼吸の練習のような動き)」「体の大きな動き」「手足の曲げ伸ばし(筋緊張)」「羊水量」の4項目を観察し、それぞれに点数(0点か2点)を付け、NSTと合わせて合計10点満点で評価する検査です6。これにより、より多角的に胎児の健康状態を評価できます。
    • コントラクションストレステスト(CST):点滴などで人工的に軽い陣痛(子宮収縮)を起こし、そのストレスに対する赤ちゃんの心拍数の反応を見る検査です。分娩本番のストレスに耐えられるかをより正確に評価できますが、陣痛を誘発するため早産のリスクもあり、実施されるケースは限定的です。中井章人教授も、その有用性と限界について詳しく解説しています20

妊婦としての心構え

「ノンリアクティブ」という言葉だけに動揺せず、まずは冷静に医師からの説明を聞くことが最も重要です。「次の検査はいつ、どのようなことをするのですか?」「日常生活で私が気をつけることはありますか?」といった質問を準備しておくと、落ち着いて状況を理解する助けになります。

NSTにかかる費用と保険適用

検査の費用は、妊婦さんにとって現実的な関心事です。日本の医療制度におけるNSTの費用について解説します。

保険は使える?原則と例外

厚生労働省のQ&A21にもあるように、特別な問題のない妊娠における定期的な妊婦健診は、病気の治療ではないため、原則として健康保険が適用されず自費診療となります。そのため、妊婦健診の一環として行われるNSTも基本的には自費です。

しかし、例外として保険適用されるケースがあります。国立成育医療研究センターの情報によると、妊娠高血圧症候群や切迫早産、胎児発育不全など、医学的な診断名がつき、その治療計画の一環としてNSTが行われる場合は、保険診療として扱われます22。厚生労働省が定める診療報酬点数表では、ノンストレステストは210点(1点10円換算で2100円、週1回まで)と定められており7、保険適用の場合はこの3割(または1〜2割)が自己負担となります。

自己負担額はいくら?公費補助の活用

自費診療の場合、NSTの費用は医療機関によって自由に設定できるため一律ではありませんが、複数のクリニックの料金表を参考にすると、おおむね1回あたり2,000円から5,000円程度が目安となります2123

ここで重要になるのが、公費補助(妊婦健康診査受診票)の存在です。多くの自治体では、母子健康手帳の交付と同時に、妊婦健診の費用を助成するための受診票(補助券)が配布されます。この受診票はNSTにも利用できることが多く、窓口での自己負担額を大幅に軽減することができます。例えば、国立成育医療研究センターのウェブサイトでは、東京都の受診票を利用した場合の自己負担額のモデルケースが示されています22

ただし、補助の対象となる検査項目や上限金額は自治体によって異なります。「お住まいの市区町村のウェブサイトや、母子健康手帳交付時にもらった資料で、補助の内容を事前に確認しておきましょう」。これは、安心して健診を受けるために非常に重要なアクションです。

よくある質問(FAQ)

Q1. NSTでダウン症などの染色体異常はわかりますか?
A1. わかりません。NSTは、あくまで検査時点での赤ちゃんの「現在の元気度(心拍数の反応や酸素化の状態)」を見るための検査です。トモニテなどの信頼できる医療情報サイトでも明確に述べられているように、ダウン症候群などの染色体異常や、その他の先天的な形態異常などを診断するための検査ではありません24
Q2. 検査中に赤ちゃんがずっと寝ていて、40分以上かかりました。大丈夫でしょうか?
A2. 多くの場合、問題ありません。前述の通り、赤ちゃんにも大人と同じように睡眠のサイクルがあり、ぐっすり眠っている時間帯は胎動が少なく、心拍数の反応も乏しくなります。検査時間が長引くのは、赤ちゃんが自然に目を覚ますのを待っているためであることがほとんどです。最終的に医師が「リアクティブ(安心できる状態)」と判断したのであれば、心配する必要はありません8
Q3. NSTは赤ちゃんに安全ですか?痛みやリスクはありますか?
A3. はい、非常に安全な検査です。NSTは、超音波で心音を聞き、圧力センサーでお腹の張りを感知するだけの検査です。赤ちゃんにもお母さんにも放射線被曝や薬物投与などの身体的侵襲(負担)は一切ありません10。「ノンストレス」という名前が示す通り、母子にストレスをかけることなく、ありのままの状態を評価する方法です。
Q4. 自分で胎動を数えること(胎動カウント)も重要ですか?
A4. はい、NSTと同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。NSTは週に1回など、特定の時点での赤ちゃんの状態をスナップ写真のように見るものです。一方、日々の胎動は、お母さんだけが感じることができる赤ちゃんの元気のバロメーターであり、連続した動画のような情報です。専門家も、胎動カウントの重要性を強調しています8。もし普段と比べて胎動が明らかに少ない、または半日以上全く感じないという場合は、次の健診を待たずに、すぐに産院に連絡してください。

結論

ノンストレステスト(NST)は、妊娠後期のお腹の赤ちゃんの健康状態を評価するための、確立された信頼性の高い検査です。検査の目的、流れ、そして結果の基本的な意味を理解することで、妊婦さん自身が検査に対する漠然とした不安を軽減し、より主体的にご自身の妊娠経過に関わることができます。

「リアクティブ」という結果は大きな安心材料となり、「ノンリアクティブ」という結果は、必ずしも異常を意味するものではなく、より慎重に赤ちゃんの状態を見守るための「次の一歩」への合図です。検査結果に一喜一憂しすぎることなく、わからないことや不安なことがあれば、決して一人で抱え込まず、かかりつけの産科医や助産師といった専門家に相談することが、何よりも大切です。

この記事で得た知識をもとに、次の健診でご自身のNST結果について質問してみてください。あなたの積極的な関与が、より安全で安心なマタニティライフにつながることを、JHO編集委員会は心から願っています。

免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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