【医師・専門家監修】妊娠中の薬 完全ガイド|飲んでも良い薬・ダメな薬、不安の解消法まで徹底解説
妊娠

【医師・専門家監修】妊娠中の薬 完全ガイド|飲んでも良い薬・ダメな薬、不安の解消法まで徹底解説

妊娠という、人生における非常に喜ばしい期間において、多くの妊婦さんが「薬」というテーマに対して大きな不安を抱えています。「この薬は飲んでも大丈夫だろうか?」「お腹の赤ちゃんに何か影響はないだろうか?」といった切実な悩みは、インターネット上に溢れる断片的、あるいは時に不正確な情報によって、さらに増幅される傾向にあります。日本で行われた調査によると、妊娠・授乳中に薬を飲む必要が生じた際、3人に2人が自己判断で服用を我慢した経験があると報告されており、この不安が母体の健康を損ないかねない具体的な行動、すなわち服薬の中断につながっている現実が浮き彫りになっています1。本稿の目的は、このような状況に置かれた妊婦さんとそのご家族が、根拠の薄い情報に惑わされることなく、最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいた正確な知識を得て、医師との良好なコミュニケーションを通じて、母子ともに最も安全で最適な選択をするための「信頼できる羅針盤」となることです。GoogleがYMYL(Your Money or Your Life)領域で特に重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の原則に則り、国内外の公的機関や学会のガイドライン、最新の研究論文を網羅的に分析し、日本で最も信頼できる決定版リソースを提供することを目指します2。この記事が掲げる基本スタンスは、妊娠中の薬を巡る二つの重要なリスク、すなわち「薬を服用するリスク」と「病気や症状を治療しないリスク」を正しく天秤にかけることの重要性を伝える点にあります。例えば、持病の治療薬を自己判断で中断してしまった場合、母体の病状が悪化し、かえって胎児の発育に深刻な悪影響を及ぼすことがあります3。医師が妊娠中に薬を処方するのは、その治療が母体と胎児の健康にとって必要不可欠であると判断したからです3。多くの妊婦さんが陥りがちな「薬=悪、我慢=善」という単純な二項対立の思考から脱却し、より成熟した「リスク・ベネフィット分析」の視点を持つことが不可欠です。薬の服用がもたらす利益が、潜在的なリスクを上回ると専門家が判断した場合、その治療は積極的に受けるべきです。本稿を通じて、読者の皆様がいたずらに不安を募らせるのではなく、正しい知識を武器に、主体的に、そして安心して妊娠期間を過ごせるようになるための一助となることを心から願っています。

この記事の科学的根拠

この記事は、インプットされた研究報告書で明示的に引用されている、最高品質の医学的エビデンスにのみ基づいています。以下のリストは、実際に参照された情報源と、提示された医学的ガイダンスとの直接的な関連性を示したものです。

  • 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」: 本記事における日本の妊婦への薬剤投与に関する安全性評価、相談体制の指針は、同センターが収集・評価した国内外の最新エビデンスおよび日本独自の追跡調査データに基づいています1718
  • 日本産科婦人科学会(JSOG): 妊娠中の各疾患(妊娠高血圧症候群など)に対する薬剤選択や治療方針は、同学会発行の「産婦人科診療ガイドライン」に準拠しています14
  • 海外の公的機関・医学マニュアル(米国FDA、MSDマニュアル等): 各薬剤の国際的なリスク評価や分類は、米国食品医薬品局(FDA)の基準や、世界的に信頼されているMSDマニュアルなどの情報源を基に解説しています619

要点まとめ

  • 妊娠中の薬の使用は、「服用するリスク」と「病気や症状を治療しないリスク」を天秤にかけて判断することが最も重要です。自己判断での服薬中止はかえって危険な場合があります。
  • 日本の医薬品添付文書の「禁忌」という記載は、必ずしも絶対的な使用禁止を意味しません。医師はより新しい、幅広いエビデンスに基づいて判断しています。
  • 風邪などの症状には、アセトアミノフェンが第一選択ですが、NSAIDs(イブプロフェン等)の妊娠後期の使用は原則禁忌です。
  • 持病(うつ病、高血圧、糖尿病など)のある方は、計画妊娠(プレコンセプションケア)が極めて重要です。自己判断で薬を中断せず、必ず主治医と産科医に相談してください。
  • 不安が解消されない場合は、国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」などの専門相談窓口を利用することができます。

第1部:妊娠と薬の基礎知識 – なぜ、どのように影響するのか?

妊娠中の薬の使用について考える際、その影響がなぜ、そしてどのようにして胎児に及ぶのか、その基本的なメカニズムを理解することが第一歩となります。この知識は、漠然とした不安を具体的な理解へと変え、医師との対話をより有意義なものにするための土台となります。

1.1 薬はどのように赤ちゃんへ届くのか?(胎盤の役割と薬の移行)

母親の身体と胎児は、胎盤(たいばん)という器官で結ばれています。胎盤は、母親から胎児へ酸素や栄養を供給し、同時に胎児からの二酸化炭素や老廃物を母親側へ戻すという、生命維持に不可欠な交換機能を担っています5。母親が薬を服用すると、その成分の多くは血液に乗り、この胎盤を通過して胎児の循環器系へと移行します5
胎児の身体、特に肝臓や腎臓といった薬を分解(代謝)し、体外へ排出(排泄)するための臓器は、まだ十分に発達していません。そのため、一度体内に入った薬の成分が長時間とどまりやすい傾向があります。さらに、胎児が尿として排出した薬の成分が羊水に混ざり、その羊水を胎児が再び飲み込むことで、薬が再吸収されるという経路も存在することが知られています5。このように、薬の成分が胎児の体内で濃縮されたり、長く留まったりすることが、影響を考える上で重要なポイントとなります。

1.2 妊娠時期による影響の違い(薬剤感受性のウインドウ)

妊娠中の薬の影響は、服用した「時期」によってその種類や程度が大きく異なります。これは、胎児の成長段階に応じて、薬に対する感受性が変化するためです。「いつ薬を飲んでしまったか」という不安に対して、この時期による違いを理解することは、状況を客観的に把握する上で非常に重要です。専門的には、妊娠期間は主に以下の4つの時期に区分されます5

  • 無影響期(最終月経初日から数えて~妊娠3週末まで): この時期は、受精卵が細胞分裂を繰り返しながら子宮内膜に着床するまでの段階です。薬によるダメージを受けた場合、その細胞は修復されるか、あるいは着床に至らず流産となる「All or None(全か無か)の法則」が適用されると考えられています。つまり、この時期の服薬によって、赤ちゃんに奇形が残ることはないとされています5。妊娠に気づかずに薬を服用してしまうケースが最も多い時期ですが、過度に心配する必要はないと言えます。
  • 絶対過敏期(妊娠4週~7週末まで): この時期は、胎児の脳、神経、心臓、消化器、手足といった、身体の基本的な構造(器官)が形成される最も重要な期間です。この「器官形成期」に特定の薬の影響を受けると、先天的な形態異常、いわゆる「奇形」を引き起こす可能性があります。薬に対する感受性が最も高いこの時期を「絶対過敏期」と呼び、薬の服用には最大限の注意が払われます5
  • 相対過敏期(妊娠8週~15週末まで): 主要な器官の形成はほぼ完了しますが、性器の分化など、一部の器官形成はまだ続いています。そのため、絶対過敏期ほどではありませんが、引き続き薬の影響を受けやすい時期とされています5
  • 潜在過敏期(妊娠16週以降): この時期になると、形態的な奇形(催奇形性)のリスクはほとんどなくなります。しかし、薬によっては、すでに形成された器官の機能や発育に影響を及ぼす「胎児毒性」が問題となることがあります。例えば、特定の鎮痛剤を長期に使用すると、胎児の動脈管が収縮したり、腎機能に影響が出たりする可能性があります5

これらの時期と影響をまとめたのが以下の表です。

表1: 妊娠週数と薬剤感受性の変化
妊娠週数(目安) 時期の名称 胎児の状態 薬の影響
~3週末 無影響期 受精、細胞分裂、着床 All or Noneの法則。奇形は起こらない。
4週~7週末 絶対過敏期 主要な器官(中枢神経、心臓、四肢など)の形成 催奇形性(形態異常)のリスクが最も高い。
8週~15週末 相対過敏期 器官形成の継続(外性器の分化など) 催奇形性のリスクは低下するが、注意は必要。
16週以降 潜在過敏期 胎児の成長、各器官の機能的発達 催奇形性のリスクはほぼないが、胎児毒性(発育・機能への影響)の可能性あり。

出典: 中外製薬5、厚生労働省7の情報を基にJHO編集部作成

1.3 「奇形」だけではない、薬の影響の考え方

多くの人が妊娠中の薬の影響としてまず懸念するのは「催奇形性」、つまり形態的な異常ですが、薬が胎児に与える影響はそれだけではありません。妊娠中期から後期にかけての薬の使用では、以下のような影響も考慮する必要があります5

  • 胎児毒性: 胎児の発育が遅れる、特定の臓器の機能に障害が出るなど。
  • 新生児の離脱症状: 出産後、母親からの薬の供給が絶たれることで、赤ちゃんにイライラ、震え、呼吸困難などの症状が現れること。これは特に、向精神薬などを妊娠後期に服用していた場合に見られます8
  • 長期的な影響: 出生後、成長の過程で現れる可能性のある発達や行動への影響。ただし、これらは薬だけでなく、遺伝的要因や家庭環境など多くの要素が複雑に絡み合うため、薬との直接的な因果関係を証明することは非常に困難です。

このように、薬の影響は多岐にわたるため、妊娠全期間を通じて、自己判断での服薬は避け、必ず専門家のアドバイスを求めることが重要です。

第2部:日本の医療情報との向き合い方 – なぜ情報が混乱しているのか?

妊娠中の薬について情報を集めようとすると、しばしば矛盾した情報に直面し、混乱してしまうことがあります。「あるサイトでは安全と書かれているのに、薬の説明書には『使わないで』と書いてある」といった経験は、多くの妊婦さんが体験することです。この情報ギャップの背景には、日本特有の構造的な問題が存在します。この構造を理解することは、情報に振り回されず、冷静に医師の判断を信頼するための「医療リテラシー」を身につける上で極めて重要です。

2.1 【最重要】添付文書のワナ:「原則禁忌」は本当に「禁止」なのか?

日本で処方される医療用医薬品には、必ず「医薬品添付文書」が付属しています。これは製薬会社が作成する公的な文書であり、薬の効能効果、副作用、使用上の注意などが記載されています10。しかし、妊娠中の使用に関する項目を見ると、多くの薬で「投与しないことが望ましい」「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」といった、非常に慎重で曖昧な表現が用いられています7。中には「禁忌(使用してはならない)」と明記されているものもあります。
この記述だけを読むと、「この薬は絶対に使ってはいけないのだ」と多くの人が考えてしまいます。しかし、現実はそう単純ではありません。なぜ日本の添付文書はこれほど保守的なのでしょうか。

  • 倫理的な問題とデータ不足: そもそも、妊婦を対象とした医薬品の臨床試験(治験)を実施することは倫理的に極めて困難です。そのため、承認時点では妊婦に対する安全性データがほとんど存在しません11
  • 法的・防衛的な理由: データが不十分な中で、万が一胎児に問題が生じた場合の訴訟リスクを回避するため、製薬会社は最大限に安全側に倒した、防衛的な表現を使わざるを得ません10。日本の添付文書の記載は、医学的な実証に基づく判断というよりも、「母乳に移行する薬剤はすべて授乳を禁止させるという哲学」に似た、非常に保守的なスタンスで書かれているという指摘もあります10
  • 情報収集の困難さ: 市販後に妊婦での使用例が集まっても、その後の妊娠経過や赤ちゃんの状態を追跡調査することは、分娩施設と処方施設が異なることが多いなどの理由から、非常に難しいのが現状です11

このような背景から、日本の添付文書の記載は、国際的な基準や実際の臨床現場でのエビデンスとは乖離(かいり)してしまうことがあります。例えば、海外では妊娠中に安全に使用されている実績のある薬でも、日本の添付文書では「禁忌」とされているケースは少なくありません10
この状況が、妊婦さんだけでなく、産婦人科以外の医師にとっても「リスクを負いたくない」「妊婦の診療に自信がない」という理由で、必要な治療をためらわせる一因となっていることも指摘されています13
したがって、私たちが理解すべき最も重要な点は、「添付文書の『禁忌』や『慎重投与』という記載は、必ずしも絶対的な使用禁止を意味するものではない」ということです。それはあくまで、医師がより幅広い情報に基づいて個々の患者のリスクとベネフィットを慎重に判断するための、一つの情報に過ぎないのです。

2.2 信頼できる情報源はこれだ!- ガイドラインと公的機関の役割

では、添付文書の情報が絶対でないとすれば、何を信じればよいのでしょうか。その答えは、個別の薬剤情報ではなく、より大局的で質の高いエビデンスを統合・評価している専門機関の情報にあります。
最優先すべきは、かかりつけの産婦人科医・専門医の判断です。 医師は、添付文書の情報に加えて、以下のような信頼性の高い情報源を総合的に参照し、あなたと赤ちゃんにとっての最適解を判断しています。

  • 日本産科婦人科学会(JSOG)の「産婦人科診療ガイドライン」: 日本の産科医療の標準を示す最も権威あるガイドラインです。最新の研究成果や臨床データを基に、定期的に改訂されています14。このガイドラインでは、添付文書以外の書籍やデータベースの活用が明確に推奨されています16
  • 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」: 2005年に厚生労働省の事業として設立された、日本における妊娠と薬に関する中核的な情報拠点です17。国内外の最新エビデンスを収集・評価し、妊婦さんや医療者からの相談に応じるとともに、相談症例の追跡調査を通じて日本独自のデータを構築しています。このセンターの情報は、臨床現場で非常に重視されています。
  • 海外の公的機関(FDAなど)の情報: 米国食品医薬品局(FDA)などが公開している薬剤のリスク分類やデータベースも、重要な参照情報となります16。FDAはかつて「A, B, C, D, X」というカテゴリー分類を用いていましたが、2015年以降はより詳細な情報を提供する「Pregnancy and Lactation Labeling Rule (PLLR)」という形式に移行しています19。これらの国際的な評価は、日本の添付文書の記載を補完する上で役立ちます。

結論として、妊婦さんが「添付文書と医師の言うことが違う」という状況に直面したとき、それは医師が情報を無視しているのではなく、より広く、より新しいエビデンスに基づいて、あなたにとって最善の判断を下そうとしている証拠である可能性が高いのです。この構造を理解することが、不要な不安から解放され、医師との信頼関係を築くための鍵となります。

第3部:症状別・よく使われる薬の安全性(市販薬・処方薬)

妊娠中はホルモンバランスの変化や身体的な負担から、さまざまなマイナートラブルに見舞われがちです。ここでは、風邪や頭痛、便秘といった日常的な症状に対して、どのような薬が選択され、どのような注意が必要なのかを具体的に解説します。市販薬を購入する際も、自己判断せず、必ず薬剤師に相談することが大前提です。

3.1 風邪の症状(発熱、痛み、咳、鼻水)

妊娠中に高熱が続くことは、それ自体が胎児に影響を及ぼす可能性も指摘されており、適切に対処することが重要です。

  • アセトアミノフェン: 妊娠期間の全期間を通じて、解熱鎮痛薬が必要な場合の第一選択薬とされています22。日本だけでなく、世界中のガイドラインで推奨されており、比較的安全性が高いと考えられています。しかし近年、妊娠中のアセトアミノフェン使用(特に長期・大量使用)と、出生児の注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達障害との関連を指摘する研究がいくつか報告され、メディアでも取り上げられました24。これらの研究については、解熱鎮痛薬を使う原因となった母親の感染症や炎症、遺伝的背景といった他の要因(交絡因子)が結果に影響している可能性が専門家から指摘されています。最新の複数の研究を統合したレビューでは、「現時点の科学的証拠では、アセトアミノフェン使用が臨床的に意味のあるレベルで子どものADHDやASDのリスクを増加させるとは考えにくく、臨床ガイドラインの変更を正当化するものではない」と結論付けられています24。したがって、必要な場合には、医師の指示のもと、必要最小限の期間、適切な用量で使用することが現在の標準的な考え方です。
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): イブプロフェン(商品名:イブ、ブルフェンなど)やロキソプロフェン(商品名:ロキソニンSなど)に代表される薬です。これらは、アセトアミノフェンが効かない場合の選択肢となり得ますが、使用には注意が必要です。妊娠初期の使用と流産や一部の先天異常との関連を示唆する報告があります26。特に重要なのは、妊娠後期(一般的に28週以降、文献によっては30週や32週以降)の使用は原則として避けるべきという点です。NSAIDsには、胎児の心臓にある「動脈管」という血管を収縮させ、早期に閉鎖させてしまうリスク(動脈管早期閉鎖)があり、胎児の心不全(胎児水腫)や新生児遷延性肺高血圧症という重篤な状態を引き起こす可能性があります22。市販の風邪薬や鎮痛剤にも含まれていることが多いため、成分をよく確認することが不可欠です。
  • 総合感冒薬: 発熱、咳、鼻水など複数の症状に対応するため、解熱鎮痛成分、抗ヒスタミン成分、鎮咳成分などが複合的に配合されています。どの成分が妊娠中に安全かどうかの判断が複雑になるため、自己判断での使用は絶対に避けるべきです。
  • 咳止め・去痰薬、鼻炎薬: 成分によって安全性の評価が大きく異なります。例えば、デキストロメトルファンなどの一部の咳止めは比較的安全とされていますが、リン酸コデインなどは注意が必要です。必ず医師または薬剤師に相談し、単一成分の薬を処方してもらうのが基本です。

3.2 吐き気、つわり

つわりは多くの妊婦さんが経験する辛い症状ですが、日本で保険適用となっている特効薬は限定的です。ビタミンB6などが処方されることもありますが、効果は個人差があります。海外では、オンダンセトロンという吐き気止めがつわりの治療に広く使用されているデータもありますが、日本ではつわりに対する保険適用が認められていないため、処方される場合は自費診療となるのが一般的です12。重度のつわり(妊娠悪阻)で脱水や栄養障害に陥る場合は、点滴などの医療的介入が必要になるため、我慢せずに産婦人科医に相談してください。

3.3 便秘、痔

妊娠中は大きくなった子宮が腸を圧迫したり、ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなったりするため、便秘になりやすいです。便秘が悪化すると、痔の原因にもなります。便秘薬としては、便を柔らかくする作用のある酸化マグネシウムなどが、比較的安全に長期間使用できるため、よく処方されます。痔の治療には、局所麻酔成分や抗炎症成分を含む外用薬(塗り薬・坐薬)が用いられますが、自己判断せず、まずは医師の診察を受けましょう5

3.4 皮膚トラブル(塗り薬、貼り薬)

塗り薬(外用薬)や貼り薬(貼付薬)は、内服薬と比べて皮膚から吸収されて全身の血流に乗る量はごくわずかであるため、一般的に胎児への影響は少ないと考えられています5。しかし、使用する範囲が広範囲にわたる場合や、長期間使用する場合、また薬の種類によっては注意が必要です。例えば、ステロイド外用薬は強さにランクがあり、医師は症状と部位に応じて適切なものを選択します。ビタミンA誘導体(レチノイド)を含む一部のニキビ治療薬(内服薬)は催奇形性が知られており禁忌ですが、外用薬についても医師への確認が必要です。

3.5 サプリメント、漢方薬、ハーブティーの注意点

「天然由来だから安全」「食品だから大丈夫」という思い込みは危険です。これらの中には、医薬品と同様に身体に作用する成分が含まれているものがあります3

  • サプリメント: 妊娠中に推奨される葉酸や鉄分などのサプリメントがある一方で、特定の成分の過剰摂取はリスクとなります。特にビタミンAは、妊娠初期に過剰摂取すると胎児の奇形のリスクを高めることが知られています。マルチビタミンなどを利用する際は、含有量を確認し、産婦人科医に相談しましょう。
  • 漢方薬: 漢方薬は複数の生薬から構成される「医薬品」です。中には、子宮収縮作用を持つ成分(大黄、牡丹皮など)や、血圧を上げる作用のある成分(麻黄、甘草など)が含まれているものもあります。妊娠中の使用は、漢方に詳しい医師や薬剤師の専門的な判断が必要です5
  • ハーブティー: カモミールやローズヒップなど、多くのハーブティーは適量であれば問題ないとされています。しかし、ハトムギのように子宮収縮作用が指摘されるものや、セージ、ジャスミンなども過剰摂取は避けた方が良いとされます。また、抗うつ作用で知られるセントジョーンズワートは、多くの薬の効果に影響を与えるため、妊娠中に限らず注意が必要です。

第4部:持病がある方のための薬物療法

高血圧、糖尿病、うつ病、てんかんといった慢性的な持病をお持ちの方が妊娠を考えるとき、薬の継続は大きな不安要素となります。しかし、最も重要なメッセージは「持病があるからといって妊娠を諦める必要はない」ということです。むしろ、自己判断で治療を中断することが、母体と胎児双方にとって最も危険な選択となり得ます。ここでは、計画的な妊娠(プレコンセプションケア)の重要性を強調しつつ、代表的な疾患における薬物療法の考え方を解説します。

4.1 精神疾患(うつ病、不安障害など)と抗うつ薬(SSRIなど)

精神疾患を持つ女性の妊娠は決して珍しくありません。しかし、日本の調査では、抗うつ薬や抗不安薬を服用していた女性の多くが、妊娠判明後に服薬を中止してしまうというデータがあります31。これは、薬の胎児への影響を過度に心配するあまり、自己判断で治療を中断してしまうケースが多いことを示唆しています。
しかし、未治療のうつ病や不安障害が妊娠に与えるリスクも深刻です。母親の気分の落ち込みや意欲低下は、不十分な栄養摂取、妊婦健診の未受診、喫煙・飲酒といった行動につながりやすく、結果として早産、低出生体重児、胎児発育不全などのリスクを高めることが知られています32
現在、うつ病治療の主流である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の妊娠中の安全性については、多くの研究が蓄積されています。

  • 先天奇形リスク: 大規模な研究の多くは、SSRI全体として先天奇形の絶対的なリスクを大きく上昇させるものではないと結論付けています。特に、セルトラリン(商品名:ジェイゾロフトなど)やエスシタロプラム(商品名:レクサプロなど)は、比較的安全性が高いと考えられています。一方で、パロキセチン(商品名:パキシルなど)は、心臓の奇形リスクとの関連が一部で指摘されており、第一選択からは外れる傾向にあります8
  • 妊娠後期の使用と新生児への影響: 妊娠後期にSSRIを服用していた場合、出生後の赤ちゃんに「新生児薬物離脱症候群」と呼ばれる一過性の症状(多呼吸、いらいら、震え、哺乳不良など)が見られることがあります。また、頻度は非常に低いものの、「新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)」という呼吸障害のリスクがわずかに上昇する可能性も報告されています8。これらのリスクは存在しますが、多くは一過性で、適切な管理で回復します。

結論として、精神科医および産婦人科医と緊密に連携し、リスクとベネフィットを慎重に評価した上で、治療を継続することが原則です。 妊娠を計画する段階で、より安全性の高い薬への変更や、可能な限り単剤・最低有効量でのコントロールを目指すことが重要です。

4.2 高血圧と降圧薬

妊娠前から高血圧症と診断されている「高血圧合併妊娠」や、妊娠20週以降に初めて高血圧を発症する「妊娠高血圧症候群」は、母体と胎児の双方に重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、厳重な管理が必要です。
日本の「妊娠高血圧症候群の診療指針2021」などに基づくと、降圧薬の選択には明確な指針があります14

  • 妊娠中に使用可能な主な降圧薬:
    • メチルドパ(商品名:アルドメット)
    • ラベタロール(商品名:トランデート)
    • ヒドララジン(商品名:アプレゾリン)
    • ニフェジピン(商品名:アダラート)※一部の状況で使用
  • 妊娠中は禁忌(使用してはならない)の降圧薬:
    • ACE阻害薬(末尾が「~プリル」の薬)
    • ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)(末尾が「~サルタン」の薬)

    これらは、胎児の腎障害や羊水過少、頭蓋骨の形成不全などを引き起こすリスクが確立されており、妊娠中、特に妊娠中期・後期は絶対に使用してはいけません30

妊娠を希望する高血圧患者さんは、計画段階で必ず主治医に相談し、安全な降圧薬へ切り替えておくことが極めて重要です。

4.3 糖尿病と血糖降下薬

妊娠前から糖尿病(1型・2型)を持つ「糖尿病合併妊娠」や、妊娠中に初めて発見される「妊娠糖尿病」は、巨大児、新生児低血糖、母体の合併症などのリスクを伴うため、厳格な血糖コントロールが求められます。
日本の「糖尿病診療ガイドライン」や「妊娠糖尿病既往女性のフォローアップに関する診療ガイドライン」によると、治療の基本は以下の通りです14

  • 治療の第一選択はインスリン療法: インスリンは胎盤を通過しないため、胎児への直接的な影響がなく、妊娠中の血糖管理におけるゴールドスタンダードです。妊娠前から経口血糖降下薬で治療している場合でも、妊娠を計画する段階でインスリン療法への切り替えが原則となります41
  • 経口血糖降下薬の扱い: メトホルミンについては、海外で妊娠中に使用されるケースも増えており、その有用性を示す報告もありますが、日本では胎児への長期的な安全性に関するデータがまだ不十分であるとされています40。その他の経口薬やGLP-1受容体作動薬については、安全性が確立されていないため、原則として使用されません。

高血糖状態を放置するリスクは、薬のリスクよりもはるかに大きいと考えられています。内科(糖尿病専門医)と産婦人科が連携して、最適な治療計画を立てることが不可欠です。

4.4 その他の慢性疾患(甲状腺疾患、てんかん、膠原病など)

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、てんかん、関節リウマチなどの膠原病といった疾患も、妊娠中の薬物療法が不可欠です。

  • 甲状腺疾患: チアマゾール(商品名:メルカゾール)には胎児への催奇形性の報告があり、妊娠初期は比較的リスクの低いプロピルチオウラシル(商品名:チウラジール、プロパジール)が選択されることが多いです30
  • てんかん: バルプロ酸(商品名:デパケンなど)は催奇形性のリスクが高いことが知られており、妊娠可能性のある女性への使用は慎重に検討されます。ラモトリギン(商品名:ラミクタール)やレベチラセタム(商品名:イーケプラ)など、比較的リスクの低い薬への変更が計画妊娠の際に考慮されます6
  • 膠原病: 免疫抑制剤の中には、タクロリムス(商品名:プログラフ)やアザチオプリン(商品名:イムランなど)のように、添付文書上は禁忌とされていても、疾患コントロールのために有益性が上回ると判断され、専門医の管理下で使用が継続される薬もあります43

これらの疾患を持つすべての女性にとって、計画妊娠(Preconception Care)の概念が極めて重要です。妊娠を考え始めたら、できるだけ早い段階で持病の主治医と産婦人科医の両方に相談し、疾患の状態を安定させた上で、胎児への影響が最も少ないと考えられる治療法に切り替えてから妊娠に臨むことが、母子双方の安全を守るための最善策です。

第5部:【保存版】薬剤カテゴリー別 安全性参照リスト

ここでは、妊娠中に使用される可能性のある主な薬剤をカテゴリー別に分類し、そのリスクとベネフィットに関する情報を一覧表にまとめます。このリストは、MSDマニュアルや米国FDAなどの国際的な情報源、および日本の臨床ガイドラインを基に作成されています6

【極めて重要な注意】
このリストは、あくまで一般的な情報提供を目的とした参考資料です。個々の薬の安全性は、あなたの健康状態、妊娠週数、薬の用量などによって大きく異なります。ここに記載された情報のみで自己判断することは絶対に避けてください。服薬の中止や変更、開始にあたっては、必ずご自身の状態を正確に把握している医師または薬剤師に相談してください。
表4:【詳細参照表】薬剤カテゴリー別リスク・ベネフィット一覧
薬剤カテゴリー 主な薬剤(一般名) 日本での主な商品名例 妊娠中の主なリスク・懸念事項、および特記事項
解熱鎮痛薬 アセトアミノフェン カロナール、アンヒバ 第一選択薬。妊娠全期間を通じて比較的安全とされる。ただし、必要最小限の期間・用量での使用が原則。
イブプロフェン、ロキソプロフェン イブ、ブルフェン、ロキソニンS 妊娠後期(28週以降)は原則禁忌。動脈管早期閉鎖、羊水過少のリスク。妊娠初期は流産や心奇形との関連が指摘されることもあり、使用は慎重に。
抗菌薬(抗生物質) ペニシリン系(アモキシシリンなど) サワシリン、パセトシン 比較的安全性が高く、妊娠中によく使用される。
セフェム系(セファレキシンなど) ケフレックス 比較的安全性が高く、妊娠中によく使用される。
マクロライド系(アジスロマイシン、エリスロマイシン) ジスロマック、エリスロシン エリスロマイシンは比較的安全。アジスロマイシンも有益性投与が考慮される。クラリスロマイシンは動物実験で催奇形性が報告されており、使用は慎重に。
テトラサイクリン系(ミノサイクリンなど) ミノマイシン 禁忌。 胎児の骨や歯の形成に影響(歯牙黄染)。
(続き)抗菌薬 ニューキノロン系(レボフロキサシンなど) クラビット 動物実験で関節異常が報告されており、原則として使用を避ける。代替薬がない場合に限り、有益性投与が検討される。
抗うつ薬(SSRI) セルトラリン ジェイゾロフト SSRIの中では比較的安全性のデータが豊富で、よく選択される。
エスシタロプラム レクサプロ セルトラリンと同様、比較的安全性が高いとされる。
パロキセチン パキシル 妊娠初期の心奇形リスクとの関連が指摘されており、第一選択からは外れることが多い。
抗てんかん薬 バルプロ酸 デパケン、セレニカR 催奇形性リスクが高い(特に神経管閉鎖不全)。妊娠可能性のある女性への使用は極めて慎重に行われる。計画妊娠が必須。
ラモトリギン ラミクタール 他の抗てんかん薬と比較して、催奇形性リスクは低いとされる。
レベチラセタム イーケプラ 催奇形性リスクは低いとされ、比較的安全に使用できる選択肢。
降圧薬 メチルドパ アルドメット 妊娠高血圧における第一選択薬の一つ。長年の使用実績がある。
ラベタロール トランデート 妊娠高血圧における第一選択薬の一つ。
ACE阻害薬(エナラプリルなど) レニベース 禁忌。 胎児の腎障害、羊水過少などのリスク。
ARB(ロサルタンなど) ニューロタン 禁忌。 ACE阻害薬と同様のリスク。
抗凝固薬 ヘパリン、低分子ヘパリン (注射薬) 胎盤を通過しないため、妊娠中に抗凝固療法が必要な場合の第一選択。
ワルファリン ワーファリン 禁忌。 胎盤を通過し、催奇形性(ワルファリン胎芽症)や胎児出血のリスク。
皮膚治療薬 ステロイド外用薬 リンデロン、アンテベートなど 適切な強さのものを適切な期間・範囲で使用する限り、全身への影響は少なく安全とされる。医師の指示に従うこと。
イソトレチノイン(内服薬) アキュテイン、ロアキュタン 絶対禁忌。 極めて高い催奇形性がある。
その他 漢方薬、サプリメント 「天然由来=安全」ではない。成分によっては禁忌となるものもあるため、必ず専門家に相談すること3

第6部:妊婦さんのための具体的なアクションプラン

正しい知識を得た上で、次に重要なのは具体的な行動です。ここでは、妊娠中の薬と安全に向き合うための実践的なアクションプランを提案します。これらを習慣づけることで、不要なリスクを避け、安心してマタニティライフを送ることができます。

6.1 医師・薬剤師への正しい相談の仕方

医療機関を受診する際は、正確な情報を漏れなく伝えることが、適切な診断と処方につながる鍵となります。特に、産婦人科以外の科(内科、歯科、皮膚科、眼科など)を受診する際には、以下の点を徹底してください。

  • 最初に「妊娠中」と伝える: 診察室に入ったら、あるいは問診票を記入する際に、まず一番に「現在、妊娠○週です(または、妊娠の可能性があります)」と明確に伝えましょう。これは、医療従事者が薬の選択や治療方針を考える上で最も重要な情報です44
  • 伝えるべき情報リスト: 以下の情報を整理し、正確に伝えられるように準備しておきましょう。
    • 最終月経の開始日、出産予定日
    • 持病(既往歴)と、その治療内容
    • アレルギー歴(薬、食べ物など)
    • 現在服用中のすべての薬、サプリメント、漢方薬
    • 過去の妊娠・出産歴、およびその際のトラブルの有無
  • 「お薬手帳」を必ず持参する: お薬手帳は、あなたがこれまでどの医療機関で、いつ、どんな薬を処方されたかの公式な記録です。これを見せることで、医師や薬剤師は薬の重複や危険な飲み合わせ(相互作用)を正確にチェックできます44
  • 質問リストを作成しておく: 診察時間は限られています。聞きたいこと、不安なことを事前にメモにまとめておくと、聞き忘れを防ぎ、効率的に相談できます。

6.2 「お薬手帳」と「母子健康手帳」の最強活用術

妊娠期間中、妊婦さんは産婦人科だけでなく、風邪で内科、虫歯で歯科など、複数の医療機関にかかる可能性があります。このとき、各医療機関の間で情報が分断されてしまうことが、医療安全上のリスクとなり得ます。産科医は他科での処方内容をリアルタイムで把握できず、他科の医師は妊娠経過の詳細を知らない、という状況が起こりうるのです13
この情報の分断を防ぎ、「妊娠中の包括的な健康記録」として機能させるための、非常にシンプルで効果的な方法があります。

アクション:お薬手帳を、常に母子健康手帳に挟んでセットで持ち歩く。

  • 母子健康手帳の役割: 妊娠の経過、検査結果、赤ちゃんの成長などを記録する中心的な手帳です46
  • お薬手帳の役割: 処方された「薬」の履歴を一元管理する手帳です45

この二つを常にセットにしておくことで、どの医療機関にかかっても、あなたの妊娠経過と服薬履歴を同時に提示できます。さらに一歩進んで、以下の行動を推奨します。

発展アクション:他科で薬を処方されたら、その薬の名前と処方日を母子健康手帳のメモ欄にも転記し、次回の妊婦健診で必ず産科医に見せる。

これにより、産科医はあなたの服薬状況を完全に把握でき、より安全な周産期管理が可能になります。また、最近ではスマートフォンの「電子お薬手帳」アプリも普及しています48。処方箋のQRコードを読み込むだけで記録でき、データの紛失リスクも少ないため、活用を検討する価値があります。2023年1月から始まった「電子処方箋」の仕組みも、医療機関間での情報共有を促進し、重複投薬などを防ぐ上で大きなメリットがあります45

6.3 妊娠に気づかずに薬を飲んでしまったら

「妊娠していると知らずに、風邪薬や頭痛薬を飲んでしまった…」これは、多くの女性が経験する非常に一般的な状況です。しかし、パニックになる必要は全くありません。以下のステップで冷静に対処しましょう。

  1. ステップ1:情報の記録: まずは落ち着いて、いつ(何月何日から何日まで)、何の薬を、どのくらいの量飲んだのかを正確に記録しましょう。薬のパッケージやお薬手帳が手元にあれば、それを保管しておきます。
  2. ステップ2:速やかな相談: 次の妊婦健診を待たず、できるだけ早くかかりつけの産婦人科医に電話などで連絡し、記録した情報を伝えて指示を仰ぎましょう50
  3. ステップ3:正しい知識で不安を和らげる: 第1部で解説した通り、妊娠4週未満の「無影響期」であれば、薬の影響で奇形が起こることはないとされています7。多くのケースでは、妊娠に気づく前の服薬は胎児に影響を及ぼさないことがほとんどです。一人でインターネットの情報を検索して一喜一憂するのではなく、専門家からの正しい情報を得ることが、心の安定につながります。それでも不安が解消されない場合は、次章で紹介する専門の相談窓口を利用することも有効な手段です。

第7部:困ったときの駆け込み寺 – 日本の専門相談窓口とリソース

かかりつけの医師に相談しても不安が解消されない場合や、より専門的な情報が欲しい場合、日本には信頼できる公的な相談窓口が存在します。これらの「駆け込み寺」を知っておくことは、いざという時の大きな安心材料となります。

7.1 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」徹底活用ガイド

日本における妊娠と薬に関する相談機関として、最も権威と実績があるのが、2005年に厚生労働省事業として設立された国立成育医療研究センター内「妊娠と薬情報センター」です17。センター長の村島温子医師をはじめとする専門家チームが、国内外の最新エビデンスに基づき、個別の相談に対応しています52

主な役割:

  • 妊婦さんや妊娠を希望する女性、医療従事者からの相談対応。
  • 国内外の医薬品安全性に関する最新情報の収集・評価。
  • 相談症例の妊娠結果を追跡調査し、日本独自の安全性データを構築・発信。
  • 医薬品の添付文書改訂に関する厚生労働省への提言52

相談プロセス(オンライン申込):

以前は郵送での申し込みでしたが、2022年5月よりオンラインでの相談申し込みが可能になり、利便性が大幅に向上しました52

  1. 公式サイトへアクセス: 「妊娠と薬情報センター」の公式ウェブサイトにアクセスします。
  2. Web問診システムでアカウント作成: 指示に従い、メールアドレスなどでアカウントを作成します。
  3. 問診票の入力: スマートフォンやPCから、問診票に必要事項を入力します。入力には15分~30分程度かかります。この際、お薬手帳や薬の正確な名称がわかるものを手元に準備しておくとスムーズです54
  4. 相談先の選択: センター本部または、お住まいの近くにある全国の拠点病院(後述)の中から相談を希望する場所を選択します54
  5. 申し込み完了: 入力後、申し込みは完了です。後日、選択した相談先から連絡があり、カウンセリングの日程調整などが行われます。

※相談の申し込みには、事務手数料が必要です。また、相談にはかかりつけ医からの情報提供書(紹介状)が必要となる場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。

7.2 【全国版】「妊娠と薬外来」相談窓口リスト

「妊娠と薬情報センター」は、全国の主要な病院と連携し、「妊娠と薬外来」という専門外来のネットワークを構築しています。これにより、東京のセンターまで行かなくても、お住まいの地域で専門的なカウンセリングを受けることが可能です18。以下は、2024年時点での主な拠点病院のリストです。受診を希望される際は、必ず事前に各病院へ電話で問い合わせ、予約方法や必要なものを確認してください。

表5: 全国「妊娠と薬外来」相談窓口リスト(一部抜粋・要事前確認)
都道府県 拠点病院名 電話番号(代表または専用) 備考
北海道 北海道大学病院 011-706-7722 「妊娠と薬外来」と伝える
宮城県 東北大学病院 022-717-7000 「妊娠と薬外来」と伝える
埼玉県 埼玉医科大学総合医療センター 049-276-1297 「妊娠と薬外来」と伝える
東京都 国立成育医療研究センター 03-5494-7845 事務局。申込はWebから
神奈川県 横浜市立大学附属病院 045-787-2800 「妊娠と薬外来」と伝える
愛知県 名古屋大学医学部附属病院 052-744-2266 産婦人科外来
岐阜県 岐阜大学医学部附属病院 058-232-7755 「妊娠と薬外来」と伝える
大阪府 大阪母子医療センター 0725-56-1220 産科外来
兵庫県 神戸大学医学部附属病院 078-382-5111 「妊娠と薬相談外来」と伝える
岡山県 岡山医療センター 086-294-9556 「妊娠と薬外来」と伝える
福岡県 九州大学病院 092-642-5900 「妊娠と薬外来」と伝える
沖縄県 中部病院 098-973-4111 「妊娠/授乳とくすり外来」と伝える

出典: 厚生労働省および国立成育医療研究センターの公表資料18を基にJHO編集部作成。情報は変更される可能性があるため、必ず最新の情報を各機関のウェブサイト等でご確認ください。

7.3 その他、信頼できる公的機関・学会サイト

上記以外にも、妊娠と薬に関する信頼できる情報を提供している公的機関や学会のウェブサイトがあります。情報収集の際には、これらのサイトを参考にすることをお勧めします。

  • 厚生労働省: 妊娠中の医薬品使用に関する注意喚起や、情報センターに関する案内を掲載4
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA): 医薬品の副作用情報などを管理する独立行政法人。一般向けのQ&Aなども提供10
  • 日本産科婦人科学会: 医療者向けの診療ガイドラインや、一般市民向けの疾患解説などを公開14
  • 日本産婦人科医会: 一般向けの啓発活動や情報提供を行う。
  • くすりの適正使用協議会: 製薬企業による団体で、一般向けに薬の正しい知識を分かりやすく解説した冊子やウェブサイトを公開57
  • 各都道府県の薬剤師会: 地域によっては「くすり相談窓口」を設置し、電話などで相談に応じています58

よくある質問

Q1: 妊娠に気づかずに風邪薬や頭痛薬を飲んでしまいました。赤ちゃんに影響はありますか?
A1: まずは落ち着いてください。多くの女性が経験することです。妊娠4週未満(最終月経の初日から数えて28日目まで)の「無影響期」と呼ばれる時期であれば、薬の影響で赤ちゃんに奇形が起こることはないと考えられています(All or Noneの法則)7。しかし、自己判断はせず、いつ、何の薬を、どのくらい飲んだかを記録し、できるだけ早くかかりつけの産婦人科医に相談することが最も重要です50
Q2: 薬の添付文書に「妊娠中は禁忌」と書いてありますが、医師から処方されました。本当に飲んでも大丈夫でしょうか?
A2: ご心配になるのは当然です。日本の医薬品添付文書の記載は、訴訟リスク回避などの理由から、非常に慎重に(保守的に)書かれていることが多いのが現状です10。医師は、添付文書の情報に加え、国内外の最新の研究論文や学会のガイドラインといった、より幅広い科学的根拠に基づいて、「薬を飲まないリスク」が「飲むリスク」を上回ると判断した場合に薬を処方します。添付文書の記載が絶対的な禁止を意味するわけではありません。不安な場合は、なぜこの薬が必要なのか、どのようなメリットとリスクがあるのかを、再度医師に確認してみましょう。
Q3: 持病(うつ病や高血圧など)の薬を飲んでいます。妊娠中はやめた方がいいですか?
A3: 自己判断で薬をやめることは絶対にしないでください。持病のコントロールが不良になることの方が、薬を飲み続けることよりも母体と赤ちゃんにとって大きなリスクとなる場合があります3。例えば、未治療のうつ病は早産や低出生体重児のリスクを高め32、管理されていない高血圧は妊娠高血圧症候群などの重篤な合併症につながります。妊娠を計画する段階で持病の主治医と産婦人科医に相談し、妊娠中でも安全に使用できる薬に変更したり、最適な治療計画を立てたりすることが非常に重要です。
Q4: サプリメントや漢方薬なら「天然由来」なので安全ですか?
A4: 「天然由来だから安全」という考えは危険です。サプリメントに含まれるビタミンAの過剰摂取は胎児の奇形リスクを高めることが知られています。また、漢方薬は医薬品であり、子宮収縮作用を持つ成分などが含まれていることがあります5。ハーブティーにも注意が必要なものがあります。葉酸など妊娠中に推奨されるものもありますが、それ以外のサプリメントや漢方薬、ハーブティーを利用する際は、必ず医師や薬剤師に相談してください3

結論:最も大切なこと – ひとりで悩まず、専門家と共に歩む妊娠期間

本稿では、妊娠中の薬の使用に関する多角的な情報を、国内外の科学的根拠に基づいて詳細に解説してきました。複雑な情報を整理し、最後に最も重要な結論を改めてお伝えします。

  • 自己判断は絶対にしない: 市販薬であれ、以前処方された薬であれ、自己判断で服用したり、逆に医師から処方された薬を自己判断で中断したりすることは、最も避けるべき行動です。その判断が、母体と胎児を予期せぬリスクに晒す可能性があります3
  • 「治療しないリスク」も考える: 薬の服用を恐れるあまり、必要な治療を受けずにいると、母体の病状が悪化し、かえって胎児に悪影響が及ぶことがあります。高血圧や糖尿病、うつ病などの持病は、適切な管理こそが安全な出産への道です3
  • 添付文書の情報だけで判断しない: 日本の医薬品添付文書の記載は、様々な背景から非常に保守的です。その記載が、必ずしも現在の医学的知見や国際標準を反映しているとは限りません。添付文書と医師の説明が異なっていても、安易に不信感を抱かず、その理由を尋ねてみることが重要です10
  • 信頼できる専門家に相談する: あなたの妊娠と健康にとって最大の味方は、かかりつけの産婦人科医、持病の主治医、そして専門知識を持つ薬剤師です。不安なこと、わからないことは、どんな些細なことでも相談してください。そして、必要であれば「妊娠と薬情報センター」のような専門機関の力を借りることをためらわないでください17

妊娠中の薬との付き合いは、決して孤立した不安な戦いではありません。それは、信頼できる医療専門家というパートナーと共に、最新の知識と情報を活用しながら、母子にとっての最善の道筋を見つけていく「共同作業」です。
本稿が、あなたの手の中にある「お薬手帳」や「母子健康手帳」と共に、妊娠というかけがえのない時間を、より安心して、より前向きな気持ちで過ごすための一助となることを、心より願っています。

免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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