【科学的根拠に基づく】人体にはいくつの筋肉があるのか?サルコペニア・フレイル予防の科学的完全ガイド
筋骨格系疾患

【科学的根拠に基づく】人体にはいくつの筋肉があるのか?サルコペニア・フレイル予防の科学的完全ガイド

「人体には、一体いくつの筋肉があるのだろう?」この素朴な疑問の答えは、私たちの健康寿命、すなわち自立して活動的に過ごせる期間を考える上で、極めて重要な意味を持ちます。人間の体には、自分の意志で動かせる骨格筋だけでも約400種類以上存在します1。これは約200個とされる骨の数と比べても、いかに多くの筋肉が私たちの体を支えているかを示しています。しかし、本当に重要なのは筋肉の「数」そのものではありません。加齢とともに変化する筋肉の「量」と「質」、そしてそれらをいかに維持していくかという点こそが、現代日本人にとって核心的な課題なのです。多くの方が「年齢を重ねると筋肉の数が減る」と誤解していますが、調査によれば、加齢によって筋肉の「数」が大きく減少するわけではありません2。真の問題は、日常の活動量の低下などに伴い、個々の「筋線維が細くなる」こと、すなわち筋肉が萎縮することにあります2。本稿では、JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会が、最新の科学的知見と日本の公的指針に基づき、筋肉の役割から、加齢に伴う三大課題「サルコペニア」「フレイル」「ロコモティブシンドローム」の網羅的な解説、そして今日から実践できる具体的な予防・改善策までを、包括的に提供します。

この記事の科学的根拠

この記事は、引用された研究報告書に明示されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したものです。

  • 厚生労働省: 本稿における運動・栄養に関する推奨事項の根幹は、厚生労働省が公表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」および「日本人の食事摂取基準」に基づいています2136
  • 世界保健機関(WHO): 提示された身体活動の推奨事項は、世界保健機関の国際的なガイドラインとも整合性が取れています26
  • 日本サルコペニア・フレイル学会: サルコペニアの定義、診断基準、およびタンパク質摂取に関する専門的見解は、同学会の診療ガイドラインに準拠しています8
  • 日本整形外科学会: 日本独自の概念であるロコモティブシンドロームの定義とセルフチェック方法は、同学会の公式見解に基づいています1617
  • 国立長寿医療研究センター(NCGG): 朝食におけるタンパク質摂取の重要性に関する知見は、同センターの佐竹昭介部長らによる長期縦断研究の結果を引用しています38
  • The Lancet, British Journal of Sports Medicine等の査読付き学術雑誌: サルコペニアの国際的定義や筋力トレーニングの効果に関する最新の科学的根拠は、これらの権威ある医学雑誌に掲載された論文に基づいています729

要点まとめ

  • 人体の骨格筋は約400種類以上存在するが、健康寿命の鍵は筋肉の「数」ではなく、加齢に伴う「量」と「質」の維持にある。
  • 加齢による筋力低下(サルコペニア)は、診断基準のある医学的疾患であり、転倒や死亡の危険性を高める。特に筋力の低下(ダイナペニア)がADL低下と強く関連する。
  • 日本の高齢期における三大課題は「サルコペニア(筋力低下)」「フレイル(全身の虚弱)」「ロコモ(移動機能の低下)」であり、これらは密接に関連している。
  • 対策の基本は運動と栄養。運動は厚生労働省の指針に基づき「1日6000〜8000歩の歩行」と「週2〜3回の筋力トレーニング」が推奨される。
  • 栄養面では、体重1kgあたり1.0g以上のタンパク質を、3食に分けて摂取することが重要。特に「朝食での質の高いタンパク質摂取」が筋力維持に効果的である。

筋肉の三大分類と生命維持における中心的な役割

私たちの身体を動かし、生命を維持するために不可欠な筋肉。その重要性を深く理解するため、まずは筋肉の種類とその多岐にわたる機能について解説します。筋肉は単に体を動かす装置ではなく、全身の健康を司る司令塔の一つなのです。

筋肉の3つの種類:骨格筋・平滑筋・心筋

人体の筋肉は、その構造と機能から大きく3種類に分類されます1

  • 骨格筋 (Skeletal Muscle): 骨に付着し、関節を動かすことで身体の運動を可能にする筋肉です。自分の意志で動かせるため「随意筋」とも呼ばれます。姿勢の維持、運動、そして熱産生による体温維持の主役であり、本記事で最も重要となる筋肉です1
  • 平滑筋 (Smooth Muscle): 血管、消化管、気管、膀胱といった内臓の壁を構成する筋肉です。自律神経によって支配され、自分の意志では動かせない「不随意筋」です1。生命維持に不可欠な内部環境の調整を担っています。
  • 心筋 (Cardiac Muscle): 心臓の壁を構成する特殊な筋肉です。構造的には骨格筋に似ていますが、平滑筋と同様に自分の意志では動かせない「不随意筋」です。心臓が休むことなく拍動し続けられるのは、この心筋の特殊な性質によるものです1

骨格筋の多岐にわたる機能:運動器を超えた役割

骨格筋の役割は、体を動かすという機械的な機能に留まりません。近年の研究により、骨格筋が全身の代謝や免疫システムに深く関与する「内分泌器官」としての一面も持つことが明らかになっています。

  • 運動器としての機能: 立つ、歩く、椅子から立ち上がる、呼吸をするといった、私たちが日常生活を送る上で不可欠なあらゆる動作は、骨格筋の収縮によって成り立っています3。この機能が損なわれると、自立した生活が困難になります。
  • 代謝のエンジンとしての機能: 骨格筋は、人体で最大のエネルギー消費器官であり、基礎代謝量の維持に大きく貢献しています。また、体内の糖質の約70%をグリコーゲンとして貯蔵する最大のタンクでもあります。運動を行うと、インスリンとは別の仕組みで筋肉細胞へのブドウ糖の取り込みが促進されるため、血糖値の制御において中心的な役割を果たします4。このため、筋肉量の維持は2型糖尿病などの生活習慣病予防に直結します。
  • 内分泌器官としての機能: 運動によって骨格筋から「マイオカイン」と呼ばれる様々な生理活性物質が分泌されることがわかっています。マイオカインは、脂肪の分解を促進したり、他の臓器に働きかけて炎症を抑制したり、免疫機能を調整したりと、全身の健康維持に貢献します5。筋肉を動かすことは、単なるカロリー消費ではなく、全身に有益なメッセージを送る行為なのです。

このように、筋肉の数という静的な情報から、その機能という動的で重要な役割へと解説を深めることで、「なぜ筋肉を維持しなければならないのか」という問いに対する科学的で説得力のある答えが見えてきます。

日本の三大課題:サルコペニア・フレイル・ロコモティブシンドローム

日本の超高齢社会において、国民の健康寿命を脅かす三大課題として「サルコペニア」「フレイル」「ロコモティブシンドローム」が大きな注目を集めています。これらの概念は互いに密接に関連していますが、それぞれ異なる側面を捉えています。ここでは、国際的な医学的合意と日本の専門学会の定義に基づき、これらの概念を網羅的かつ正確に解説します。

加齢に伴う筋力低下の医学的実態:サルコペニア

サルコペニアは、単なる「加齢による筋肉の衰え」ではなく、明確な診断基準を持つ医学的な疾患として認識されています。その定義と診断過程を具体的に示すことは、専門性の証明に不可欠です。

定義と重要性

権威ある医学雑誌The Lancetの論評において、サルコペニアは「進行性かつ全身性の骨格筋疾患であり、筋量と筋機能(筋力または身体機能)の低下を特徴とする」と厳密に定義されています7。この状態は、転倒、骨折、身体機能の低下、そして最終的には死亡危険性の増大と強く関連しており、予防と早期発見が極めて重要です7

診断基準の具体的な提示

サルコペニアの診断は、欧州高齢者サルコペニアワーキンググループ2(EWGSOP2)による国際的な合意に基づき、段階的に行われます。日本の臨床現場でも参考にされているこの基準を、具体的な数値と共に提示します9

  1. 症例発見(疑い): まず、SARC-Fなどの質問票で危険度を評価します。
  2. 診断(筋力低下の評価): サルコペニアの可能性は、まず筋力の低下によって判断されます。
    • 握力: 最も簡便で信頼性の高い指標。基準値は男性で27kg未満、女性で16kg未満です9
    • 椅子立ち上がりテスト: 下肢筋力の指標。腕を組んで椅子から5回立ち上がるのに15秒以上かかる場合、筋力低下が疑われます9
  3. 確定診断(筋肉量の評価): 筋力低下が確認された場合、次に筋肉量の評価を行います。
    • DEXA法(二重エネルギーX線吸収法)またはBIA法(生体電気インピーダンス法)を用いて四肢骨格筋量(ALM)を測定します。診断基準はALMが男性で20kg未満、女性で15kg未満、または身長で補正した値(ALM/身長$^2$)が男性で7.0 kg/m$^2$未満、女性で5.5 kg/m$^2$未満とされます9
  4. 重症度判定(身体機能の評価): 筋力と筋肉量の両方の低下が確認されたサルコペニア患者において、身体機能の低下が見られる場合に「重症」と判定されます。
    • 歩行速度: 通常の歩行速度が0.8 m/s以下の場合、重症と判断されます9。これは、青信号の間に横断歩道を渡りきれない、といった具体的な状況に相当します。

核心的知見:サルコペニアとダイナペニア

ここで、さらに一歩踏み込んだ専門的知見を提示します。近年の研究では、筋肉量の減少(Sarcopenia)そのものよりも、筋力の低下(Dynapenia)の方が、ADL(日常生活動作)の低下や死亡危険性とより強く相関することが示されています3。縦断研究では、75歳時点での筋力は年間2.5〜4%の速さで低下するのに対し、筋肉量は年間0.64〜0.98%の低下に留まり、筋力の低下速度は筋肉量の低下速度の2〜5倍に達するとの報告もあります3。この事実は、単に筋肉の大きさを維持するだけでなく、筋力を発揮する能力、すなわち「筋肉の質」を高める訓練がいかに重要であるかを科学的に裏付けています。

全身の虚弱状態:フレイル

フレイルは、サルコペニアを一因とする、より広範で多面的な「虚弱」の状態を指します。身体的な問題だけでなく、精神的、社会的な側面も含むこの概念を理解することは、高齢期の健康を包括的に捉える上で不可欠です。

定義と構成要素

フレイルは、「加齢に伴う複数の生理学的システムの予備能力が低下し、侵襲(ストレス)に対する脆弱性が亢進した状態」と定義されます9。重要なのは、フレイルが「要介護状態に至る前段階」であり、適切な介入によって健康な状態に回復可能(可逆的)な点です12。フレイルは、以下の3つの主要な要素から構成される多面的な概念です12

  • 身体的フレイル (Physical Frailty): サルコペニアによる筋力低下、ロコモティブシンドロームによる移動能力の低下、低栄養、易疲労性などが含まれます。
  • 精神・心理的フレイル (Mental/Psychological Frailty): 認知機能の低下、うつ、意欲の低下(アパシー)などが含まれます。
  • 社会的フレイル (Social Frailty): 独居、経済的困窮、閉じこもりによる孤立などが含まれます。

これらの要素は互いに影響を及ぼし合い、悪循環を生み出します。例えば、筋力低下(身体的フレイル)が外出機会の減少を招き、社会的孤立(社会的フレイル)やうつ(精神的フレイル)を引き起こし、それがさらに食欲不振や活動量低下につながり、身体的フレイルを悪化させます。

国際ガイドライン(ICFSR)の紹介

フレイルの管理については、国際的な専門家会議であるInternational Conference on Frailty and Sarcopenia Research (ICFSR)が臨床実践指針を発表しています14。この指針では、フレイルの管理において、多因子への介入(ポリファーマシーの見直し、栄養管理など)、特にレジスタンス運動を含む多要素の身体活動プログラムが強く推奨されています15。このような国際的な権威ある指針を引用することで、本稿の推奨事項が世界標準の医療に基づいていることを示し、権威性を高めます。

日本独自の概念:ロコモティブシンドローム(ロコモ)

サルコペニアとフレイルが国際的に用いられる概念であるのに対し、ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)は、日本の実情に合わせて提唱された独自の重要な概念です。これを正確に解説することは、日本の読者への訴求力を高める上で不可欠です。

定義とサルコペニアとの違い

ロコモは、日本整形外科学会(JOA)が2007年に提唱した概念で、「骨、関節、筋肉、神経といった運動器の障害のために、立つ、歩くといった移動機能が低下した状態」と定義されます16。サルコペニアとの最も大きな違いは、その焦点にあります。サルコペニアが主に「骨格筋」の量と機能の低下に着目するのに対し、ロコモは変形性関節症や骨粗鬆症、脊柱管狭窄症など、骨・関節・神経系を含めた運動器全体の機能不全を包括的に捉える点にあります16。筋肉に問題がなくても、膝や腰の痛みで歩行が困難になれば、それはロコモに該当します。

セルフチェック方法の紹介

ロコモの啓発活動では、市民が自身の状態を簡易的に評価できる自己確認法が広く紹介されています。記事内でこれらの道具を提供することは、読者の当事者意識を高め、行動変容を促す上で非常に有効です。

  • 立ち上がりテスト: 「40cmの高さの椅子から、腕を組んで片脚で立ち上がれるか」を試します16。もしできなければ、ロコモの危険性が高いと判断されます。
  • ロコチェック: 以下の7つの項目のうち、1つでも当てはまればロコモの心配があります。
    1. 片脚立ちで靴下がはけない
    2. 家の中でつまずいたり滑ったりする
    3. 階段を上るのに手すりが必要である
    4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
    5. 15分くらい続けて歩けない
    6. 2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
    7. 家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

フレイルとの関係

ロコモは、移動能力の低下を通じて活動範囲を狭め、社会参加を困難にし、サルコペニアや低栄養を進行させる可能性があります。このため、ロコモは身体的フレイルの入り口、あるいはその中核をなす状態として位置づけられています19。これらの概念は独立したものではなく、相互に深く関連し、高齢期の健康を脅かす共通の経路を形成しているのです。

提案テーブル1:【サルコペニア・フレイル・ロコモティブシンドローム:違いと関連性が一目でわかる比較表】

サルコペニア・フレイル・ロコモの比較
項目 サルコペニア (Sarcopenia) フレイル (Frailty) ロコモティブシンドローム (Locomo)
提唱・関連学会 国際的な医学的合意 (EWGSOP等)、日本サルコペニア・フレイル学会8 国際的な老年医学的合意 (ICFSR等)、日本老年医学会14 日本整形外科学会 (JOA)17
主な焦点 骨格筋の「量」と「機能」の低下7 ストレスに対する多面的な「脆弱性」の亢進(身体・精神・社会)12 運動器(骨・関節・筋肉・神経)全体の障害による「移動機能」の低下16
診断基準の例 握力低下、歩行速度低下、DEXA法による筋肉量減少9 Friedのフレイル基準、包括的高齢者機能評価 (CGA)、基本チェックリスト11 立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25(質問票)16
状態の分類 骨格筋の「疾患」 要介護状態の前段階である「症候群」 移動機能不全を中心とした「症候群」
相互関係 身体的フレイルおよびロコモの主要な原因の一つ。 サルコペニアやロコモを内包する、より広範な概念。 身体的フレイルの主要な原因の一つ。サルコペニアと併発しやすい。

日本の公的指針に完全準拠した、行動変容を促す具体的解決策

筋肉の重要性と加齢に伴う危険性を理解した上で、次はその具体的な解決策を提示します。ここでは、日本の公的機関が国民に推奨する指針を絶対的な拠り所とし、読者が今日から実践できる行動計画を明確に示します。

運動療法:健康寿命を延ばすための科学的根拠に基づく処方箋

フレイルやサルコペニアの予防・改善において、運動が最も効果的な介入方法であることは、数多くの研究で示されています20。その処方箋は、個人の思い込みや流行に左右されるものではなく、国が定めた指針に基づくべきです。

大原則:日本の公式ガイドラインを遵守する

この記事で提示する運動療法の根幹は、厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」とします21。これは、最新の科学的知見を基に日本人のために策定された最も権威ある指針です。また、この指針が世界保健機関(WHO)の「身体活動および座位行動に関するガイドライン(2020年版)」とも整合性が取れていることを示すことで、その推奨事項が国際標準であることを裏付けます26

具体的な運動目標

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者に対して以下の目標が推奨されています。

  • 有酸素性身体活動(歩行など):
    • 成人(18〜64歳):歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(約8,000歩に相当)23
    • 高齢者(65歳以上):歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(約6,000歩に相当)24
  • 筋力トレーニング:
    • 成人と高齢者の両方に対し、週に2〜3回、主要な筋肉群(脚、尻、背中、腹、胸、肩、腕)を対象とした筋力トレーニングを行うことが強く推奨されています23

ここで重要なのは、「多ければ多いほど良い」というわけではない点です。2022年にBritish Journal of Sports Medicineに掲載されたメタ分析によると、全死亡、心血管疾患、がんの危険性は、週に30〜60分程度の筋力トレーニングで最も大きく低下し、それ以上の時間を費やしても効果は頭打ちになるか、むしろわずかに危険性が上昇する可能性(Jカーブ効果)が示唆されました29。この知見は、忙しい現代人や運動に慣れていない高齢者にとって、無理なく継続できる目標設定を可能にする福音となります。

実践プログラム:個々のレベルに合わせた段階的アプローチ

すべての読者が同じ運動をできるわけではありません。そこで、個々の体力レベルや健康状態に応じて選択・段階的に進めることができる、3段階のプログラムを提案します。

  1. レベル1(初心者・フレイル予備軍向け):『ラジオ体操』から始める
    多くの日本人にとって馴染み深いラジオ体操は、実は科学的にもその効果が証明されている極めて優れた運動プログラムです。東京都健康長寿医療センターなどが実施したランダム化比較試験では、フレイルまたはプレフレイルの高齢者が12週間ラジオ体操を実践した結果、敏捷性、平衡能力、持久力が有意に向上したことが報告されています30。ラジオ体操第一・第二を通して行うと、全身の約400種類の筋肉をまんべんなく動かすことができ、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟運動、平衡運動の要素を網羅しています33。運動強度は速歩に相当し、安全かつ効果的に始められる第一歩として最適です33
  2. レベル2(中級者・ロコモ予防):『ロコトレ』の実践
    ある程度体力に自信がついてきた段階では、日本整形外科学会がロコモ予防のために公式に推奨する「ロコトレ」への移行を推奨します。

    • 開眼片脚立ち: 平衡能力と脚の付け根の筋肉を鍛えます。左右1分間ずつを1日3組行います。ふらつく場合は机などに掴まっても良いです16
    • スクワット: 下肢全体の筋力を総合的に強化します。深呼吸をしながら5〜6回を1日3組から始めます。膝がつま先より前に出ないように、お尻を後ろに引くのが要点です16
  3. レベル3(積極的な筋力維持):自重トレーニングの導入
    さらなる筋力向上を目指す場合は、国際フレイル・サルコペニア研究会議(ICFSR)の指針でも推奨されている、より多様な自重訓練を取り入れます11。例として、壁立て伏せ(胸と腕)、前・横腕挙げ(肩、水を入れたペットボトルなどを利用しても良い)、踵・つま先挙げ(ふくらはぎとすね)、ランジ(下肢全体)などを紹介します。

提案テーブル2:【厚生労働省推奨:年代別・健康づくりのための身体活動・運動目標】

年代別の身体活動・運動目標
対象 身体活動(歩行など) 運動(中強度以上) 筋力トレーニング
成人(18~64歳) 1日60分以上(約8,000歩) 週60分以上 週2~3日
(脚、尻、背中、腹、胸、肩、腕など主要な筋肉群を対象に)
高齢者(65歳以上) 1日40分以上(約6,000歩) (特に推奨なし、下記の多要素な運動として実施)
共通の推奨事項
– 座りっぱなしの時間を中断し、少しでも身体を動かす。
– 現在の活動量にプラス10分から始める。
– 運動の前後には準備運動と整理運動を行う。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」23、British Journal of Sports Medicine29 の知見を基に作成。

栄養療法:日本の食文化『和食』を活かしたサルコペニア予防

運動が筋肉への「刺激」であるならば、栄養、特にタンパク質は筋肉を作る「材料」です。運動と栄養は車の両輪であり、両方揃って初めて効果を最大化できます。ここでは、日本の食文化に根差した、実践的で継続可能な栄養戦略を提示します。

タンパク質摂取の基本原則

  • 目標摂取量: 日本サルコペニア・フレイル学会の診療指針では、サルコペニア予防のために「体重1kgあたり1.0g以上」のタンパク質摂取を強く推奨しています8。例えば、体重60kgの人であれば、1日60g以上のタンパク質が必要となります。また、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65歳以上の高齢者のタンパク質目標量は、総エネルギー摂取量の15〜20%とされています36
  • 分散摂取の重要性: 1日に必要なタンパク質量が同じでも、一度の食事で大量に摂取するよりも、朝・昼・夕の3食に均等に分けて摂取する方が、筋肉の合成効率が有意に高まることが研究で示されています5。私たちの体は、一度に処理できるタンパク質の量に限りがあるため、材料をこまめに補給することが効率的な工場稼働の鍵となります。

日本の権威からの特筆すべき助言

日本の老年学研究をリードする国立長寿医療研究センター(NCGG)の佐竹昭介部長らの長期縦断研究により、「朝食における質の高いタンパク質摂取が、8年後の筋力低下を有意に抑制する」という画期的な知見が報告されています38。多くの日本人がパンとコーヒーなどで簡単に済ませがちな朝食こそ、筋力維持の黄金時間であるというこの事実は、読者の食生活に具体的な変革を促す強力なメッセージとなります。

実践的な食事計画

  • 『一汁三菜』の活用: ご飯などの主食(エネルギー源)、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜(タンパク質源)、野菜・きのこ・海藻などを使った副菜と汁物(ビタミン・ミネラル・食物繊維源)を組み合わせる日本の伝統的な食事様式「一汁三菜」は、必要な栄養素を均衡良く摂取するための理想的な形です36
  • 食品多様性の推奨:『さあ、にぎやかにいただく』: 多様な食品を摂るための覚えやすい合言葉として「さあ、にぎやかにいただく」を紹介します。これは、健康長寿に役立つ10の食品群の頭文字をとったものです39
    • かな(魚)
    • ぶら(油)
    • く(肉)
    • ゅうにゅう(牛乳・乳製品)
    • さい(野菜)
    • いそう(海藻)
    • も(芋類)
    • まご(卵)
    • いず(大豆・大豆製品)
    • だもの(果物)

    毎日の食事で、このうち7品目以上を摂ることを目標とすることで、自然と栄養バランスが整います。

提案テーブル3:【朝食でタンパク質を強化!「さあ、にぎやかにいただく」を取り入れた一汁三菜モデル献立】

一汁三菜モデル献立例
食事 献立例 含まれる「さあ、にぎやかにいただく」要素 ポイント
朝食 ・ご飯(主食)
・鮭の塩焼き
・納豆
・ほうれん草と豆腐の味噌汁
・牛乳
さ, だ, や, ぎ NCGGの研究成果に基づき、魚(鮭)と大豆製品(納豆)、乳製品(牛乳)から質の高いタンパク質をしっかり摂取する。
昼食 ・豚肉の生姜焼き定食(豚肉、キャベツ)
・わかめとネギのスープ
・きのこのマリネ
に, や, か, あ 主菜で肉類を摂り、海藻やきのこ類でビタミン・ミネラルを補給。
夕食 ・鶏むね肉と根菜の煮物(鶏肉、人参、大根、ごぼう)
・冷奴
・りんご
に, や, い, だ, く 脂質の少ない鶏むね肉と、消化の良い大豆製品を組み合わせる。果物も忘れずに。

よくある質問

サルコペニアの診断基準で、なぜ握力が重要視されるのですか?

握力は、全身の筋力を非常によく反映する簡便かつ信頼性の高い指標だからです9。特別な機器がなくても測定でき、健康診断などでも広く用いられています。握力の低下は、サルコペニアだけでなく、将来の身体機能低下や死亡危険性の上昇とも関連することが多くの研究で示されており、健康状態を測る重要なバロメーターと考えられています。

ロコモのチェックで「片脚立ちで靴下がはけない」のはなぜ危険信号なのですか?

片脚で立って靴下をはくという動作は、単純に見えて「筋力」「平衡能力」「柔軟性」という運動器の3つの重要な要素を同時に必要とします16。この動作ができないということは、これらのいずれか、あるいは複数の機能が低下している可能性を示唆します。特に平衡能力の低下は転倒に直結するため、非常に重要な危険信号とされています。

高齢者が必要なタンパク質(体重1kgあたり1.0g)を摂るのは大変そうです。何か工夫はありますか?

確かに、食が細くなりがちな高齢者にとって目標量を達成するのは容易ではないかもしれません。工夫としては、①3食に分けて摂ること、②間食を上手に利用すること、③調理法を工夫することが挙げられます。例えば、いつもの食事に卵や豆腐、チーズを一つ加える、間食にヨーグルトや牛乳を摂る、肉や魚を細かく刻んだり煮込んだりして食べやすくする、などが有効です5。特に、筋肉の合成効率が高い朝食で意識的にタンパク質を摂ることが、国立長寿医療研究センターの研究でも推奨されています38

運動は毎日しないと効果がありませんか?

必ずしも毎日行う必要はありません。厚生労働省の指針では、筋力トレーニングは週に2〜3回が推奨されています23。筋肉は、トレーニングによる刺激と、その後の休息・栄養補給によって成長します。したがって、適度な休息日を設けることは、むしろ効果を高める上で重要です。大切なのは、無理なく継続できる習慣を身につけることです。「座りっぱなしの時間を減らす」「今より10分多く歩く」といった小さな目標から始めることが、成功への鍵となります。

結論

「人体にはいくつの筋肉があるか」という問いから始まった本稿の旅は、筋肉の数が静的な知識に過ぎず、その「量」と「質」こそが私たちの活動的な未来を左右する動的な要素であることを明らかにしてきました。日本の深刻な課題であるサルコペニア、フレイル、そしてロコモは、いずれも筋力の低下が深く関与しており、決して他人事ではありません。しかし、これらは避けられない運命ではなく、科学的根拠に基づいた適切な対策によって予防・改善が可能です。その核となるのは、厚生労働省などの公的機関が推奨する「運動」と「栄養」の実践です。週2〜3回の筋力トレーニングと、体重1kgあたり1.0g以上を目安としたタンパク質の摂取、特に朝食での補給を意識することが、その第一歩となります。本稿で提示した具体的なプログラムや食事プランが、皆様一人ひとりの健康寿命を延ばし、より豊かで活動的な人生を送るための一助となることを、JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会一同、心より願っております。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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  41. フレイルについて – 国立長寿医療研究センター. [インターネット]. [引用日: 2025年6月25日]. Available from: https://www.ncgg.go.jp/frailty/

 

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