尿道狭窄の完全ガイド:日本の最新治療と専門医の見つけ方
腎臓と尿路の病気

尿道狭窄の完全ガイド:日本の最新治療と専門医の見つけ方

尿道が狭くなり、排尿に困難を感じる「尿道狭窄」。この症状は、特に成人男性の生活の質(QOL)を著しく低下させる可能性があります。多くの患者様が、繰り返す治療にもかかわらず根治に至らないという悩みを抱えていらっしゃいます。本記事は、JapaneseHealth.org編集委員会が、最新の科学的根拠と日本のトップ専門家の知見に基づき、尿道狭窄の根本原因から、2024年に発表された日本の公式ガイドラインを踏まえた最新の治療選択肢、そして最良の治療を受けるための具体的な方法までを包括的に解説します。この記事が、長年の悩みに終止符を打ち、根治への道を歩むための一助となることを心から願っています。

本記事の科学的根拠

本記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を含むものです。

  • 日本泌尿器科学会 (JUA) 尿道狭窄症診療ガイドライン 2024年版: 本記事における治療選択(内視鏡治療 vs. 尿道形成術)の指針、特に治療失敗後のアプローチに関する推奨は、この日本初の全国的な公式ガイドラインに準拠しています1
  • 欧米の泌尿器科学会ガイドライン (EAU/AUA): 診断における画像検査の重要性や、治療法選択の国際的な標準治療に関する記述は、欧州泌尿器科学会(EAU)2や米国泌尿器科学会(AUA)3のガイドラインを参照しています。
  • 堀口明男医師による研究および臨床実績: 日本における尿道形成術の第一人者である堀口明男医師(防衛医科大学校病院)の公表された手術成功率4や、医原性狭窄に関する専門的見解5は、日本国内で達成可能な最高水準の治療成績を示すための重要な根拠となっています。
  • 医学研究論文および総説: 尿道形成術における口腔粘膜移植の有効性6や、内視鏡治療の長期成績7に関する記述は、国際的な査読付き医学雑誌に掲載された研究に基づいています。

要点まとめ

  • 尿道狭窄は、単なる「狭窄」ではなく、尿道内の瘢痕組織(はんこんそしき)が原因であり、根治可能な疾患です。
  • 内視鏡治療(尿道ブジー、内尿道切開術)は、ごく一部の初期症例にしか有効ではなく、再発率が非常に高いとされています。
  • 一度内視鏡治療が失敗した場合、日本の公式ガイドラインは根治を目指す「尿道形成術」を強く推奨しています。
  • 尿道形成術は、経験豊富な専門医が行えば成功率が85~95%以上と非常に高く、恒久的な治癒が期待できます。
  • 治療成功の鍵は、症例数の多い専門施設で、尿道形成術を専門とする医師の診断と治療を受けることです。

第1部: 基礎知識:尿道狭窄を理解する

このセクションでは、患者様がご自身の状態を正確に理解できるよう、尿道狭窄の基本的な医学的背景を、専門用語を避け、分かりやすく解説します。

尿道狭窄とは何か?:瘢痕組織の問題

尿道狭窄は、尿道が単に「狭くなる」状態ではありません。医学的には、尿道の内側に硬い瘢痕組織が形成される「線維化」というプロセスが本質です8。この瘢痕組織が、排尿時に尿道が正常に広がるのを妨げます。健康な尿道がしなやかなゴムホースだとすれば、狭窄した尿道は、硬く、折れ曲がってしまった部分を持つホースのようなものです。この違いを理解することが、なぜ単純な拡張術(ブジー)がしばしば失敗するのかを理解する上で極めて重要です。

この状態は、患者様の生活の質(QOL)に深刻な影響を及ぼします。尿の勢いが弱い、排尿時にいきむ必要がある、残尿感、頻尿といった症状は、日々の大きな苦痛となり、社会活動からの回避や精神的な不安につながることもあります9。これらの経験は、決して些細なことではなく、真剣に向き合うべき医学的な問題です。

解剖学的に、男性の尿道は長く、部位によって名称が異なります(陰茎部、球部、膜様部など)。この違いは、後の治療法の選択において重要になります10。なお、女性は尿道が短いため、この疾患は非常に稀です11

主な原因:なぜ狭窄は起こるのか?

尿道狭窄の原因は多岐にわたりますが、日本のような先進国では、医療行為に伴うものが最も一般的な原因の一つとなっています。これは患者様の意識向上にとって重要なポイントです。

  • 医原性(医療行為によるもの): 医療資源が豊富な国々で最も多い原因です12。具体的には、尿道カテーテルの長期留置、前立腺肥大症(BPH)や膀胱がんに対する経尿道的手術(TURPなど)、前立腺がんの治療などが挙げられます10
  • 外傷性: 大きく分けて二つのタイプがあります。
    • 騎乗型外傷: 自転車のフレームやフェンス、公園の遊具などに股間を強く打ち付け、球部尿道を損傷するケースです13。若い男性に多く見られます。
    • 骨盤骨折: 交通事故などの深刻な外傷により、膜様部尿道が断裂するケースです13
  • 感染性・炎症性: かつては淋病などの性感染症が主な原因でしたが、現在は減少しています8。硬化性苔癬(Lichen Sclerosus, LS)といった皮膚の炎症性疾患が原因となることもあります8
  • 特発性(原因不明): 特に球部尿道に発生する狭窄では、明らかな原因が特定できない場合も少なくありません1
  • 先天性: 生まれつき尿道が狭いというケースは、極めて稀です9

日本の超高齢化社会14は、前立腺肥大症や膀胱がんの罹患率を増加させ、それに対する経尿道的手術の必要性を高めています。皮肉なことに、これらの必要不可欠な手術自体が、医原性尿道狭窄の主要な原因となっているのです5。堀口明男医師は、内視鏡技術が進歩したにもかかわらず、術後の尿道狭窄の発生率は減少していないと指摘しています5。これは、尿道狭窄が単発の稀な出来事ではなく、高齢化社会における一般的な医療の、予測可能な重大な合併症であることを意味しており、この問題が多くの人々にとって身近であることを示唆しています。

注意すべき症状:これは尿道狭窄か?

尿道狭窄の症状は、前立腺肥大症(BPH)のようなより一般的な疾患の症状と非常に似ているため、しばしば誤診や診断の遅れにつながります。

症状チェックリスト

  • 閉塞症状(排尿症状): 尿の勢いが弱い・遅い、尿線が二つに分かれる・飛び散る、排尿時にいきむ必要がある、尿意を感じてから排尿が始まるまで時間がかかる(排尿遅延)、排尿後も膀胱に尿が残っている感じがする(残尿感)8
  • 刺激症状(蓄尿症状): トイレが近い(頻尿)、急に強い尿意を感じる(尿意切迫感)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)1
  • 排尿後症状: 排尿が終わったと思った後に、尿がポタポタと漏れる(排尿後滴下)15
  • その他の警告サイン: 繰り返す尿路感染症や前立腺炎、排尿時の痛み、血尿、尿道カテーテルの挿入が困難であること8

特に高齢男性において、排尿困難の症状があると、まず前立腺肥大症が疑われるのが一般的です。しかし、これが診断の落とし穴となります。堀口医師は、BPHの手術を受けた後に、実は以前から存在した尿道狭窄が根本的な問題であったと判明する患者様がいることに警鐘を鳴らしています5。日本泌尿器科学会(JUA)のガイドラインも、これらの症状が患者を受診に導く主な理由であると記しています1。尿道狭窄とBPHの症状はほぼ同一であり11、BPHの方がはるかに一般的であるため、非専門医や患者様自身がBPHと自己判断してしまう可能性があります。これにより、効果のない治療(BPH治療薬は尿道狭窄には効きません)や、さらに悪いことに、既存の狭窄を悪化させかねない不要な手術につながる危険性があります。したがって、患者様は医師に対して「これは前立腺肥大症だけでなく、あるいはそれとは別に、尿道狭窄の可能性はありませんか?」と尋ねる権利があることを知っておくべきです。

第2部: 診断への道すじ:ステップ・バイ・ステップ解説

このセクションでは、診断プロセスを具体的に解説し、各検査の「目的」を明らかにすることで、患者様の信頼と理解を深めます。

初期の泌尿器科的評価:手がかりを集める

診断は、尿路の機能を評価するための、シンプルで非侵襲的な検査から始まります。

  • 問診: 泌尿器科医は、過去の手術歴、外傷、感染症、カテーテル使用歴などについて詳しく尋ねます16。これは最も重要で基本的な第一歩です。
  • 尿流測定(UFM): 「尿の勢いを客観的に測定する検査」です。尿道狭窄が疑われる場合、最大尿流量(Qmax)が低く、グラフの曲線が平坦で長く続く「高原状」のパターンを示すことが期待されます1
  • 残尿測定(PVR): 排尿後に膀胱内にどれくらいの尿が残っているかを、簡単な超音波検査で確認します。残尿量が多いことは、尿路に閉塞があることを示唆します1
  • 患者報告アウトカム評価(PROMs): 医師は、検証済みの質問票を用いて、症状の重症度や生活の質への影響を数値化します1。これは患者様中心のアプローチの表れです。

確定診断のための画像検査:狭窄部を可視化する

正確な治療計画を立てるためには、医師は狭窄の「場所」「長さ」「重症度」を正確に特定しなければなりません。これには専門的な画像診断が必要です。

ゴールドスタンダードの組み合わせ

  • 逆行性尿道造影(RUG): これが最も重要かつ不可欠な検査です。尿道の先端から造影剤を穏やかに注入し、X線撮影を行うことで、尿道の「地図」を作成し、狭窄部を明確に映し出します1
  • 排尿時膀胱尿道造影(VCUG): 多くの場合、RUGと同時に行われます。膀胱を造影剤で満たし、患者が排尿している間にX線撮影を行います。これにより、膀胱側から狭窄部を評価でき、特に複雑な症例や完全閉塞の症例で重要となります1

直接観察

  • 膀胱尿道鏡検査: 細く、柔軟なカメラを尿道に挿入します。これにより、医師は瘢痕組織を直接見ることができます11。ただし、狭窄が非常にきつい場合、内視鏡が通過できないことがあります。だからこそ、RUG/VCUGによって狭窄の全範囲を把握することが極めて重要なのです。

診断が治療法を決定づけるため、画像診断の役割は決定的です。JUA、EAU、AUAの全てのガイドラインが、治療前に正確な画像診断(RUG/VCUG)を行う必要性を強調しています1。狭窄の長さは、内視鏡治療と尿道形成術のどちらを選択するかの主要な決定因子です(例:球部尿道狭窄において、2cm未満か2cm以上か)16。成功率の低い内視鏡的処置と、成功率の高い尿道形成術との選択は、狭窄の特性(長さ、位置)に大きく依存し、これらの特性はRUG/VCUGのような画像診断によってのみ正確に判断できます。この画像診断なしに治療を進める泌尿器科医は、いわば「目隠しで行動している」ようなものであり、根拠に基づくガイドラインを遵守しているとは言えません。これは、不適切な治療(例:4cmの狭窄に対してDVIUを行うこと、これはほぼ100%失敗する)を適用するリスクを生み出します。したがって、画像診断を含む徹底的な診断プロセスは選択肢ではなく、質の高い医療の証です。患者様は、「治療法を決定する前に、尿道造影で狭窄の長さを測定しましたか?」と尋ねる権利があります。

第3部: 現代の治療戦略:対症療法から根治へ

このセクションは本記事の核心であり、二つの主要な治療経路について患者様を教育し、根治という概念へと導くことを目的とします。

重要な分岐点:二つの治療哲学

治療の選択は、「一時的に閉塞を解消する」(内視鏡治療)か、「瘢痕を切除し病気そのものを治す」(尿道形成術)か、という二つの哲学の間の選択として捉えることができます。

かつては、まず内視鏡治療を試し、それが駄目なら最終手段として尿道形成術を行うという「再建のはしご(Reconstructive Ladder)」という考え方が提唱されていました。しかし、2024年のJUAガイドラインは、ほとんどの患者においてこの古い考え方はエビデンスに裏付けられていないと指摘し、異議を唱えています1。これが、なぜ尿道形成術がもっと早い段階で考慮されるべきかの根拠となります。

内視鏡治療:限定的かつ一時的な役割

これらの治療法は低侵襲であるものの、再発率が非常に高く、ごく限られた特定の患者グループにのみ適しています。

手技の説明

  • 尿道拡張術(ブジー): 次第に太くなる金属やプラスチックの棒(ブジー)やバルーンカテーテルを用いて、瘢痕組織を物理的に引き伸ばす方法です17
  • 内尿道切開術(DVIU): 内視鏡を通して小さなメスやレーザーを挿入し、瘢痕組織を切り開く方法です17

JUAガイドライン2024の厳格な基準 (CQ1)

これは本記事の根幹をなす部分です。DVIUや尿道拡張術が初回治療として検討されうる5つの条件を明確にリストアップする必要があります1

  1. 原因が外傷、硬化性苔癬、尿道下裂の手術ではないこと。
  2. 過去に治療歴がないこと。
  3. 狭窄が短い(2cm未満)かつ、完全閉塞ではないこと。
  4. 狭窄が1箇所のみであること。
  5. 球部尿道に限定されていること。

再発という現実について、これらの基準を満たさない患者様や、再発した狭窄に対して、内視鏡治療を繰り返した場合の成功率は極めて低いことを明確に述べる必要があります1。データによれば、DVIUの長期成功率は8~9%と低くなる可能性があり、繰り返しの試みは瘢痕を悪化させ、将来の根治手術をより困難にする可能性があります7

JUAガイドライン1や堀口医師の解説5は、日本の一般的な臨床現場でよく見られるパターン、すなわち患者が失敗を繰り返す内視鏡治療を受け続けるという問題を浮き彫りにしています。ある情報源は、患者が毎月のように尿道拡張術(ブジー)を受けるケースにさえ言及しています18。内視鏡治療は手技が比較的簡単で、患者にとっても開放手術より心理的な抵抗が少ないため、ガイドラインが推奨しない場合でも頻繁に行われがちです19。狭窄が確実に再発すると、患者と非専門医双方にとって「最も簡単な」選択肢は、同じ手技を単に繰り返すことです。これにより、「無益なサイクルの罠」が生まれ、患者は一時的な改善とその後の再発に慣れてしまい、自分の状態は治らない、あるいはこれが唯一の治療法だと信じ始めるかもしれません。本記事は、この心理的なサイクルを積極的に断ち切らなければなりません。「もしあなたの狭窄が一度の内視鏡治療後に再発したのであれば、国際的および日本のガイドラインは今、異なるアプローチを推奨しています」といった表現を用いるべきです。再発は病気の正常な経過ではなく、治療戦略が失敗したサインであり、新たな、根治的な戦略が必要であるという認識を確立する必要があります。

尿道形成術:恒久的な治癒を目指すゴールドスタンダード

尿道形成術は、瘢痕組織を切除し、新しく健康で、十分に太い尿道を再建する開放手術です。これは、大多数の患者に真の長期的治癒をもたらす唯一の治療法です。

特筆すべきはその高い成功率です。経験豊富な外科医の手にかかれば、85~95%以上という恒久的な成功率が一貫して報告されています7。これは内視鏡治療の低い成功率とは対照的であり、患者様に大きな希望を与えるものです。

主な手技

  • 狭窄部切除・端々吻合術(EPA): 「ゴールドスタンダード中のゴールドスタンダード」です。短い狭窄(2~3cm未満)に対して、瘢痕部分を完全に取り除き、健康な尿道の断端同士を縫い合わせる方法です。この手技が最も高い成功率を誇ります20
  • 代用組織を用いた尿道形成術: 長い狭窄に対しては、新しい組織のパッチ(移植片)を用いて狭くなった部分を広げます。
    • 口腔粘膜移植(BMG): 頬の内側を覆う粘膜は、湿潤な環境に慣れており、血行が豊富で生着しやすいため、世界的に最も好まれる移植材料です7。JUAガイドライン(CQ8)もその使用を支持しており、特に陰茎の皮膚が利用できない場合や硬化性苔癬の症例で推奨されています1

術後ケアとして、再建した部分が治癒するまでの2~3週間、一時的に尿道カテーテルを留置する必要があることにも触れておくべきです20

第4部: 日本の医療システムを賢く利用する:最良の結果を得るために

このセクションは、本記事で最も実践的で信頼性の高い部分です。日本の医療システム内で最善の治療を受けるための具体的な知識とツールを患者様に提供します。

JUAガイドライン2024年版:日本の患者にとっての新時代

これは、日本の尿道狭窄患者にとって最も重要な進展です。史上初めて、最善の治療方針を明確に示す、エビデンスに基づいた公式の全国的ガイドラインが策定されました。

患者がガイドラインから学ぶべき要点1

  • 内視鏡治療は万能ではない: CQ1で示された厳格な適応基準を再確認します。
  • 失敗した内視鏡治療の繰り返しは推奨されない: CQ2で、一度の内視鏡治療の失敗後は、尿道形成術が次のステップであるべきだと強く推奨されている点を強調します。
  • 専門性こそが鍵: CQ6で、尿道形成術の経験が少ない医師は、患者を専門施設に紹介することが推奨されている点を浮き彫りにします。

JUAガイドライン2024年版1は、単なる医師向けの文書ではありません。それは公的な医療水準を示すものです。Mindsのようなプラットフォームで公開されていること21も、そのアクセス性を高めています。2024年以前、繰り返される尿道拡張に疑問を持つ患者は、自身の不満に頼るしかありませんでした。医師は「これが標準的な診療です」と言うことができたかもしれません。2024年以降、患者は「日本泌尿器科学会の2024年ガイドラインでは、一度DVIUが失敗した後は尿道形成術が推奨されています。なぜもう一度同じ治療を検討するのですか?」と発言できます。これは、患者と医師の関係を根本的に変えます。ガイドラインは、診察室における客観的で権威ある第三者となり、根治的な解決策を求める患者の願いを後押しします。本記事は、患者にガイドラインの存在とその主要な推奨事項を明確に伝え、最善の治療を求める上での「味方」として位置づけるべきです。

専門性の決定的な重要性:症例数の多いセンターを探す

尿道形成術は高度に専門化された手術です。外科医の経験と病院の症例数が、成功を収めるための最も重要な要素です。

日本における世界水準の専門性の証明

堀口明男医師を、日本国内で利用可能な専門性の具体的な一例として用います。彼の公表された成功率(全体で94.6%、外傷性で97.2%)を引用し、これが世界のハイボリュームセンターと同等かそれ以上であることを示します4。また、彼の国際的な評価(GURS理事会メンバー、ベストドクターズ選出など)に言及し、絶大な信頼性と権威を構築します22

表1: 日本における尿道狭窄治療の主要施設(DPCデータに基づく)

この表は、客観的で実践的な情報を提供し、E-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)の頂点を示します。「専門家を探しなさい」という助言を、「調査すべき専門家の候補リストがこちらです」という具体的な行動に変えるものです。DPC(診断群分類包括評価)データは、厚生労働省が収集する公式な行政データであり23、病院の実臨床活動を反映しています。Calooのようなウェブサイトは、このDPCデータを集計し提示しています24。この特定の疾患に対する治療量に基づいた病院のランキングリスト24を提示することは、患者にとって公平でデータに基づいた出発点を提供します。

日本の尿道狭窄治療実績病院トップ20(2023年度DPCデータ)
順位 都道府県 病院名 総症例数 うち手術症例数
1 千葉 亀田総合病院 271 271
2 埼玉 埼玉県立小児医療センター 218 86
3 福岡 原三信病院 175 158
4 鹿児島 かのや泌尿器科 125 10
5 東京 東京都立小児総合医療センター 121 56
6 埼玉 防衛医科大学校病院 120 120
7 北海道 ナカジマ泌尿器科 116 74
8 熊本 熊本泌尿器科病院 114 114
8 奈良 ひらお泌尿器科 114 79
10 福岡 北九州総合病院 109 99
11 北海道 時計台記念病院 101 90
12 東京 順天堂大学医学部附属順天堂医院 95 71
13 北海道 北海道泌尿器科記念病院 92 78
14 北海道 三樹会病院 90 57
15 栃木 今市病院 86 73
16 兵庫 兵庫医科大学病院 85 68
17 大阪 第一東和会病院 80 80
18 愛知 名鉄病院 78 78
19 大分 大分泌尿器科病院 73 63
20 兵庫 原病院 71 56

注:データは2023年度(2023年4月~2024年3月)のDPC統計に基づきます。「下部尿路疾患」の分類コードで集計されており、他の疾患を含む可能性がありますが、治療量と経験の強力な指標となります24

患者様のエンパワーメント:泌尿器科医への重要な質問リスト

あなたが正しい治療経路に乗っていることを確認するために、担当医と話し合うべき重要な質問は以下の通りです。

  • 「私の画像診断(尿道造影)に基づくと、狭窄の正確な長さと位置はどのようになっていますか?」
  • 「JUAの2024年ガイドラインによれば、私は初回の内視鏡治療の候補者ですか、それとも私の狭窄タイプでは尿道形成術が推奨されますか?」
  • (内視鏡治療が提案された場合)「私の特定のケースにおいて、この手技の長期的な成功率はどのくらいと予測されますか?」
  • (狭窄が再発した場合)「JUAガイドラインは、一度の内視鏡治療の失敗後には尿道形成術を強く推奨しています。この選択肢を私の主要な治療方針として話し合うことはできますか?」
  • (尿道形成術が提案された場合)「先生とこの病院では、年間何件の尿道形成術を行っていますか?先生の成功率はどのくらいですか?」

第5部: 治療後の生活とケアの未来

このセクションでは、治療後の生活と今後の展望について概説します。

術後のフォローアップと長期的な健康

手術の成功は、通常の生活への回帰の始まりです。長期的な成功を確実にするためには、フォローアップが重要です。

再発のほとんどは最初の1年以内に起こるため、その期間に重点を置いた経過観察が行われます1。これには通常、症状の確認と尿流測定が含まれます。性的機能は患者様にとって大きな関心事ですが、現代の尿道温存型の尿道形成術は、新たに勃起不全を発症するリスクを最小限に抑えるように設計されています1。ただし、外傷が原因の狭窄の場合、勃起不全が元々存在することも少なくありません1

新たな地平:研究中の新しい治療法

より良く、より低侵襲な治療法を見つけるための研究が進行中です。

  • 薬剤コーティングバルーン(DCB): 短い再発性球部尿道狭窄に対する有望な選択肢で、一部の研究では標準的な拡張術よりも良好な結果を示していますが、まだ尿道形成術に取って代わるものではなく、適応は限定的です25
  • 補助的な薬剤注入: マイトマイシンCなどの抗瘢痕薬の注入に関する研究は、有望な結果も示していますが、結果の一貫性のなさや副作用の懸念から、まだ標準的な診療とはなっていません26
  • 再生医療: 日本では、培養した自己の細胞を用いる研究が進められていますが、まだ臨床試験の段階にあります27

結論:患者様のための主要原則

この記事の最も重要なメッセージを、最後に力強く要約します。

  • 尿道狭窄は治せる病気です。 繰り返される一時しのぎの修復に甘んじる必要はありません。
  • 尿道形成術が根治への道です。 これは、大多数の狭窄症例に対して高い成功率を誇る、決定的な治療法です。
  • JUAガイドライン2024年版はあなたの最強の味方です。 このガイドラインは、根治的な治療を求めるあなたの主張を正当化します。
  • 専門知識を求めましょう。 あなたが下せる最も重要な決断は、尿道形成術を専門とする医師のもとで、症例数の多い施設で治療を受けることです。
免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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