この記事の科学的根拠
この記事は、ご提供いただいた研究報告書に明示された、最高品質の医学的エビデンスのみに基づいて作成されています。以下に、本稿で提示される医学的指導の根拠となった主要な情報源とその役割を示します。
- 日本産科婦人科学会 (JSOG): 外陰・腟カンジダ症や細菌性腟症など、日本国内における主要な感染症の標準的な診断・治療法に関する記述は、同学会の「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編」に基づいています1920。
- 日本皮膚科学会 (JDA): 接触皮膚炎(かぶれ)の診断、原因除去、ステロイド外用薬による治療法に関する解説は、同学会の「接触皮膚炎診療ガイドライン」に準拠しています21。
- 米国産科婦人科学会 (ACOG): 診断が困難な慢性疼痛である外陰部痛症(Vulvodynia)の診断基準や多角的な治療アプローチに関する詳細な記述は、同学会の公式見解に基づいています916。
- 米国疾病予防管理センター (CDC): 外陰腟カンジダ症(VVC)の診断における培養検査の重要性や、アゾール系抗真菌薬を第一選択とする治療法など、最新の国際的標準治療に関する情報は、同センターの性感染症治療ガイドラインを引用しています22。
- 英国王立産科婦人科学会 (RCOG): デリケートゾーンの洗浄方法、衣類の選択、刺激物の回避といった、日々の基本的なセルフケアに関する推奨事項は、同学会が発行する患者向けガイダンスに基づいています17。
この記事の要点まとめ
- デリケートゾーンの痛みの原因は感染症、皮膚炎、ホルモン変化、神経の問題など多岐にわたるため、自己判断せず正確な原因を特定することが最も重要です。
- 「洗いすぎ」や不適切な洗浄は、腟が本来持つ自浄作用を損ない逆効果になる可能性があります。医学的根拠に基づく「正しい洗浄と保湿」が、すべてのケアの基本となります。
- 市販薬は、過去に医師から診断されたカンジダの再発など、原因が明確な場合に限り有効ですが、安易な自己判断での使用は症状を悪化させる危険性を伴います。
- 痛みが数日以上続く、悪化する、水疱やしこり、発熱など他の症状を伴う場合は、迷わず婦人科または皮膚科を受診すべき明確なサインです。
ステップ1:まずはセルフチェック – 医師に伝えるべきあなたの痛みの特徴
これから挙げる項目は、ご自身で診断を下すためのものではありません。しかし、医療機関を受診した際に、医師へご自身の症状を正確に、そして具体的に伝えるための準備として非常に役立ちます。ご自身の状態を客観的に整理してみましょう。
- 痛みの種類: ヒリヒリ、チクチク、ズキズキ、ジンジン、焼けるような感じ、かゆみを伴う痛みなど、どのような痛みですか?
- 痛む場所: 外陰部全体、腟の入り口付近、クリトリス周辺、片側だけなど、どのあたりが痛みますか?
- 痛むタイミング: 常に痛い、下着やナプキンが触れた時だけ痛い、排尿時、性交時、特定の座り方をした時、生理周期と関連して痛むなど、どのような時に痛みますか?
- おりものの変化: 色(白、黄、緑)、量(多い、少ない)、匂い(きつい、魚臭い)、形状(ヨーグルト状、カッテージチーズ状、酒粕状、泡状)に変化はありますか712?
- その他の症状: 皮膚に発疹、赤み、水疱(水ぶくれ)、ただれ、しこり、腫れはありませんか? 発熱や下腹部痛など、デリケートゾーン以外の症状はありますか5?
ステップ2:今日からできる!科学的根拠に基づく基本のセルフケア
痛みの原因が何であれ、症状を悪化させず、デリケートゾーンの健康な皮膚環境を守るために、すべての方に共通する基本的なケア方法があります。これらは治療ではありませんが、回復を助け、再発を防ぐための土台となります。
洗浄:医学的に正しい「洗い方」の新常識
清潔にしたいという思いから、石鹸でゴシゴシ洗ったり、ビデで腟の中まで洗浄したりしていませんか?実は、それは逆効果になる可能性があります。腟内には「デーデルライン桿菌」をはじめとする善玉菌(常在菌)が存在し、腟内を弱酸性に保つことで、病原菌の侵入や増殖を防ぐ「自浄作用」という素晴らしい仕組みが備わっています23。洗浄力の強いアルカリ性のボディソープや、腟内の洗浄は、この大切な善玉菌まで洗い流してしまい、腟のバリア機能を壊す原因となります23。
英国王立産科婦人科学会(RCOG)なども推奨する正しい洗浄方法は、以下の通りです18。
- ぬるま湯、またはデリケートゾーン専用の弱酸性ソープを使用します。
- ソープは手でよく泡立て、たっぷりの泡で「外陰部」(毛が生えている範囲やその周辺のひだの部分)のみを、指の腹を使って優しくなでるように洗います。
- 腟の中は絶対に洗わないでください。自浄作用により、自然と清潔に保たれています。
- 洗浄成分が残らないよう、ぬるま湯で十分にすすぎます。
保湿:乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を守る
顔や体の皮膚と同じように、デリケートゾーンも保湿が非常に重要です。皮膚が乾燥すると、角質層のバリア機能が低下し、外部からのわずかな刺激(下着の摩擦など)でも痛みやかゆみを感じやすくなります24。特に入浴後は皮脂が洗い流され、乾燥しやすい状態です。
入浴後、清潔なタオルでゴシゴシこすらず、優しく押さえるように水分を拭き取った後、清潔な手で保湿剤を塗布しましょう。デリケートゾーン専用の無香料・低刺激性の保湿ジェルやクリーム、あるいは刺激の少ない白色ワセリンなどが適しています23。特に、閉経後の女性ホルモンの変化によって起こる萎縮性腟炎(GSM)では、保湿ケアが症状緩和の基本の一つとして、多くのガイドラインで推奨されています10。
生活習慣の見直し
日々のささいな習慣が、痛みの引き金になったり、症状を悪化させたりすることがあります。英国王立産科婦人科学会(RCOG)が推奨する注意点などを参考に、以下の点を見直してみましょう17。
- 下着:通気性が良く、肌への刺激が少ない綿(コットン)素材のものを選びましょう。体を締め付けるガードルやタイトなジーンズは、ムレや摩擦の原因となるため、避けるのが賢明です3。
- 生理用品:ナプキンやおりものシートは、経血量にかかわらず、こまめに(2〜3時間ごとを目安に)交換し、清潔を保ちましょう。特定の製品でかぶれやすい場合は、肌に優しい素材のもの(オーガニックコットンなど)に変えてみるのも一つの方法です25。
- その他:香料の強い洗濯洗剤や柔軟剤が、皮膚への刺激となる場合があります。肌が敏感な時期は、無香料・低刺激性の製品を選ぶと良いでしょう。
ステップ3:市販薬(OTC医薬品)の賢い選び方と限界
薬局やドラッグストアで手軽に購入できる市販薬は便利な選択肢ですが、その使用には正しい知識が不可欠です。痛みの原因が分かっていない状態での自己判断による使用は、本来必要な治療を遅らせたり、症状を悪化させたりする危険性を伴います。特に、感染症が疑われる場合に誤った薬を使用すると、原因菌を特定する検査が困難になることもあります。以下の表は、あくまで安全に使用するための目安です。
対象症状 | 有効成分の例 | 安全な使用条件 | 絶対に使用してはいけないケースと注意点 |
---|---|---|---|
カンジダの再発によるかゆみ・おりもの異常 | 抗真菌成分:クロトリマゾール、ミコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩3 | 過去に医師から「腟カンジダ症」と明確に診断・治療されたことがある人の、同様の症状の再発に限定されます。 | 初めて経験する症状、原因が不明な場合、発熱や下腹部痛を伴う場合は絶対に使用しないでください。ステロイド含有薬との併用はカンジダを増殖させ、症状を悪化させるため厳禁です25。 |
かぶれ・湿疹によるかゆみ・軽い炎症 | 抗炎症成分:ウフェナマート、グリチルリチン酸 鎮痒成分:リドカイン、ジフェンヒドラミン3 |
症状が比較的軽く、原因が下着の摩擦やナプキンかぶれなど、明らかな外的刺激によるものと推測される場合。 | 感染症(カンジダ、ヘルペス等)が疑われる場合は使用できません。水疱や膿がある場合も避けてください。5〜6日間使用しても改善しない場合は、直ちに使用を中止し、医療機関を受診してください3。 |
できもの・化膿 | 抗菌成分(抗生物質):オキシテトラサイクリン、フラジオマイシンなど26 | 軽度の毛嚢炎(毛穴の細菌感染)など、細菌による小さなおできが考えられる場合。 | 原因が真菌(カンジダ)やウイルス(ヘルペス)の場合は全く効果がありません。痛みが強い、大きい、数が増える、硬いしこりがある場合は、自己判断せず皮膚科・婦人科を受診してください。 |
【重要】ステップ4:専門医への相談が不可欠なケース – 見逃してはいけないサイン
基本的なセルフケアや適切な市販薬の使用でも改善しない場合、あるいは以下のような症状が見られる場合は、より専門的な診断と治療が必要です。受診のタイミングを逃さないために、これらの「レッドフラグサイン(危険信号)」を覚えておいてください。
- 初めて経験する激しい痛みやかゆみがある
- 市販薬を5〜6日使用しても全く改善しない、またはかえって悪化する3
- 外陰部に水疱(水ぶくれ)、ただれ、潰瘍、硬いしこりができる57
- おりものが明らかに異常(例:黄色や緑色で泡立つ、強い悪臭がする、血が混じる、チーズや酒粕、ヨーグルトのような塊が出る)712
- 発熱、下腹部痛、腰痛など、全身の症状を伴う5
- 性交時に常に強い痛みを感じる(性交痛)2728
- 閉経後に初めて、または久しぶりに症状が出た51229
診療科の選び方:婦人科?皮膚科?
「どの病院に行けばいいの?」と迷う方も多いでしょう。以下に一般的な目安を示します。
- 婦人科を推奨する場合:おりものの異常、生理不順、下腹部痛、性交痛など、腟や子宮・卵巣に関連する症状を伴う場合は、まず婦人科を受診するのが最も確実です。デリケートゾーンの痛みの原因は多岐にわたるため、婦人科で全体的な評価を受けることが根本的な解決への近道となります30。
- 皮膚科を推奨する場合:症状が外陰部の皮膚のみに限局しており、おりものに異常がなく、明らかな発疹やできものが主症状である場合は、皮膚科が適していることもあります31。
- 連携の重要性:どちらか迷う場合や、両方の側面が考えられる場合は、まず婦人科を受診することをお勧めします。必要に応じて、婦人科医が皮膚科との連携を判断してくれます。婦人科と皮膚科が連携している医療機関は、より包括的な診断が期待できるため理想的です32。
【専門医による詳細解説】デリケートゾーンの痛みを引き起こす主な疾患
ここでは、痛みの原因となる代表的な疾患について、その特徴、診断、そして専門的な治療法を、国内外の信頼できるガイドラインや研究に基づいて詳しく解説します。
感染症が原因の場合
- 外陰・腟カンジダ症どんな病気か:カンジダ・アルビカンスという真菌(カビの一種)が異常増殖することで起こります。カンジダ菌自体は、多くの健康な女性の腟内にも存在する常在菌ですが、疲労、ストレス、抗生物質の使用などで体の抵抗力が落ちると発症しやすくなります6。
主な症状:強いかゆみ、ヨーグルト状・カッテージチーズ状・酒粕状のおりもの、外陰部のヒリヒリとした痛みや熱感20。
診断と治療:医師がおりものを少量採取し、顕微鏡で菌を確認(鏡検)したり、培養検査を行ったりして診断します。治療には、日本産科婦人科学会(JSOG)や米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインに基づき、抗真菌薬の腟錠、クリーム、あるいは内服薬が用いられます2022。
- 性器ヘルペスどんな病気か:単純ヘルペスウイルスの感染によって起こる性感染症の一つです。一度感染すると、ウイルスは体内の神経節に潜伏し、体の抵抗力が落ちた時に再発を繰り返すことがあります15。
主な症状:初感染時には、外陰部に多数の小さな水疱(水ぶくれ)ができ、それが破れて潰瘍になると、排尿が困難になるほどの激しい痛みを伴います。発熱や足の付け根のリンパ節の腫れを伴うこともあります533。
診断と治療:特徴的な水疱や潰瘍の視診に加え、病変部から検体を採取してウイルスを検出する検査で確定診断します。治療の基本は、抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)の内服です。早期に治療を開始するほど効果が高まります33。
- 細菌性腟症、トリコモナス腟炎などその他、魚が腐ったような匂いを伴う灰色のおりものが特徴の「細菌性腟症」や、黄色く泡立ったおりものと強いかゆみが出る「トリコモナス腟炎」なども痛みの原因となります。これらはJSOGのガイドラインに基づき、それぞれに適した抗菌薬で治療されます20。
皮膚の炎症・疾患が原因の場合
- 接触皮膚炎(かぶれ)どんな病気か:ナプキン、石鹸、洗剤、下着の素材やゴム、コンドームのラテックスなど、特定の物質が皮膚に触れることでアレルギー反応や刺激反応が起こる状態です21。
主な症状:原因物質が触れた部分に一致して、かゆみ、赤み、ヒリヒリ感、細かいブツブツなどが現れます。
診断と治療:日本皮膚科学会(JDA)のガイドラインでは、まず問診で原因物質を推測し、それを避けることが治療の第一歩とされています21。原因が特定できない場合は、パッチテスト(原因と思われる物質を皮膚に貼り付けて反応を見る検査)を行うこともあります。治療は原因物質の完全な回避と、炎症を抑えるためのステロイド外用薬が中心となります21。
- 萎縮性腟炎 / 閉経関連泌尿生殖器症候群 (GSM)どんな病気か:閉経に伴い、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、腟や外陰部の組織が薄く、乾燥し、弾力性を失う状態です。以前は「萎縮性腟炎」と呼ばれていましたが、近年では外陰部や泌尿器系の症状も含む、より包括的な「閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)」という名称が使われるようになっています10。
主な症状:乾燥感、ヒリヒリとした痛みや灼熱感、かゆみ、性交痛、わずかな刺激による出血(接触出血)、頻尿や尿もれ2934。
診断と治療:症状と内診所見から診断されます。治療には複数の選択肢があり、症状の程度に応じて組み合わせられます。
構造的な問題が原因の場合
- バルトリン腺嚢胞・膿瘍どんな病気か:腟の入り口の左右にある、性交時に潤滑液を分泌する「バルトリン腺」の出口が詰まり、分泌物が溜まって袋状に腫れるのが「バルトリン腺嚢胞」です。これに細菌が感染して膿が溜まると「バルトリン腺膿瘍」となり、強い痛みを伴います71112。
主な症状:腟の入り口の片側がピンポン玉のように腫れます。嚢胞だけなら痛みは少ないですが、膿瘍になると赤く腫れあがり、歩行や座位が困難になるほどの激しい痛みを伴います33。
診断と治療:特徴的な腫れを視診することで診断します。治療は、無症状の嚢胞なら経過観察、感染を伴う場合は抗生物質の内服。膿が多量に溜まっている場合は、注射針で膿を吸引したり(穿刺)、小さく切開して膿を出したりする処置が必要になります1133。
原因不明の慢性的な痛みが原因の場合
- 外陰部痛症(Vulvodynia) – 見逃されやすい痛みの正体どんな病気か:これは本記事で最も強調したい、しかし見逃されがちな疾患です。外陰部痛症は、視診では明らかな感染や皮膚疾患の所見がないにもかかわらず、少なくとも3ヶ月以上にわたって外陰部に持続的な痛み(焼けるような、刺すような痛みなど)を感じる状態と定義されます916。原因は一つではなく、神経の過敏性、骨盤底筋群の緊張、遺伝的要因、過去の炎症などが複雑に関与していると考えられています。
診断と治療:診断は、他の痛みの原因となる疾患をすべて否定する「除外診断」によって行われます。米国産科婦人科学会(ACOG)は、綿棒の先で外陰部の各所を優しく圧迫し、痛みの場所や程度を評価する「綿棒テスト(cotton swab test)」を診断の一助として推奨しています916。
治療は画一的なものではなく、ACOGのガイドラインなどに基づき、以下のような多角的なアプローチが根気よく試みられます1636。- 局所療法:リドカインなどの局所麻酔薬の軟膏を、痛みが誘発される前(性交前など)に使用します。
- 薬物療法:神経の痛みを和らげるための低用量の三環系抗うつ薬や、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリンなど)が用いられることがあります。
- 理学療法:骨盤底筋の過度な緊張が痛みの原因や悪化因子となっている場合、専門の理学療法士によるリハビリテーション(バイオフィードバックなど)が有効なことがあります。
- 心理的サポート:慢性的な痛みとの付き合い方や、痛みが性生活や日常生活に与える影響について、カウンセリングや認知行動療法などの心理的サポートが重要です。
- 外科治療:他のすべての治療法が無効であった限局性の外陰部痛症に対して、最終手段として痛みの原因となっている前庭部を切除する手術が行われることもあります。
「異常なし」と言われ続けてきた痛みの背景に、この外陰部痛症が隠れている可能性は少なくありません。諦めずに、この疾患に詳しい専門医を探すことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q: 痛いとき、お風呂で温めてもいいですか?
A: 一概には言えません。例えば、バルトリン腺膿瘍などで炎症が強く、赤みや熱感がある場合に温めると、血行が良くなることでかえって痛みが増すことがあります。このような場合は、冷たい清潔なタオルなどで短時間冷やす方が症状が和らぐことがありますが、あくまで一時的な対症療法です。自己判断で対処せず、まずは医師に相談し、痛みの原因に応じた適切な指示を受けることが大切です。
Q: パートナーにうつる可能性はありますか?
A: はい、痛みの原因によってはその可能性があります。カンジダ症、性器ヘルペス、トリコモナス腟炎といった感染症が原因の場合、性交渉によってパートナーにうつることがあります。正確な診断が確定するまでは性交渉を控え、必要であればパートナーも一緒に検査・治療を受けることが重要です33。一方で、接触皮膚炎や萎縮性腟炎、外陰部痛症などは感染症ではないため、他人にうつることはありません。
Q: 妊娠中でも使える薬はありますか?
A: 妊娠中は使用できる薬が非常に限られます。特に、飲み薬は胎児への影響を慎重に考慮する必要があるため、自己判断での市販薬の使用は絶対に避けてください。例えば、カンジダ症の治療では、通常は内服薬も選択肢になりますが、妊娠中は主に腟錠やクリームが用いられます。必ずかかりつけの産婦人科医に相談し、妊娠中でも安全に使用できる薬を処方してもらう必要があります22。
結論:正しい知識で、デリケートゾーンの悩みを解決へ
デリケートゾーンの痛みについて、その多様な原因から科学的根拠に基づくセルフケア、そして専門的な治療法まで詳しく解説してきました。最も重要なメッセージは、「痛みには必ず原因があり、安易な自己判断は危険である」ということです。基本のセルフケアは皮膚の健康を保つ上で重要ですが、それだけでは解決しない問題も数多く存在します。特に、痛みが続いたり、レッドフラグサインが見られたりする場合には、決してためらわずに専門家を頼ってください。
デリケートゾーンの悩みは、女性の生活の質(QOL)に大きく影響します。それは決して特別なことでも、恥ずかしいことでもありません。近年、日本でも「フェムケア」という言葉が浸透し、女性特有の健康課題についてオープンに語られる社会へと変化しつつあります37。この記事が、あなたが抱える痛みから解放され、快適な毎日を取り戻すための一助となれば幸いです。
参考文献
- 花王株式会社. 女性4582人が回答。8割超が抱えるデリケートゾーン(陰部)のお悩みトップ3とは?【フェムケア実態調査】 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.kao.com/jp/femcarelab/enq/result03/
- 小林製薬. 【医師監修】デリケートゾーンのトラブル解決法|フェミニーナ [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.kobayashi.co.jp/brand/feminina/tieup/
- 株式会社EPARKメディカル. デリケートゾーンがヒリヒリ痛いときに有効な市販薬9選!|原因や… [インターネット]. くすりの窓口. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/over-the-counter-medicine-for-sensitive-zone-tingling
- ダイコクドラッグ. フェムケア(膣ケア)の方法と効果・やり方とは?デリケートゾーンを保湿しよう [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://daikokudrug.com/column/fem_care/
- 二宮レディースクリニック. 陰部がズキズキ・ヒリヒリ痛い!痛みの原因や考えられる病気… [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://ninomiya-lc.jp/column/genitalarea-paine/
- マイケアクリニック. 陰部(性器)のズキズキ・ヒリヒリ・しみるような痛み [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://mycare.or.jp/venereal-problem/pain/
- わかもと製薬. デリケートゾーン(陰部)の痛み|ヒリヒリ・ズキズキ・腫れなどの… [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://wakamoto-pharm.co.jp/wakanote/delicate-zone/genital-pain/
- The ObG Project. vulvodynia Archives [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.obgproject.com/tag/vulvodynia/
- American Academy of Family Physicians. Practice Guideline Briefs [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.aafp.org/pubs/afp/issues/2007/0415/p1261.html
- Patient.info. Atrophic Vaginitis | Doctor [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://patient.info/doctor/atrophic-vaginitis
- 海老根ウィメンズクリニック. デリケートゾーンの腫れ(デキモノ)やしこりが痛い!痒い!陰部の違和感の原因、早期受診すべき症状や治療法を女医が丁寧に解説。 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://ebine-womens-clinic.com/blog/14848
- いばらきレディースクリニック. 外陰部の痒み、痛み、不快感|症状から考える婦人科疾患 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: http://ibaraki-ladies.jp/diseases05.html
- マツキヨココカラオンラインストア. デリケートゾーンのお悩み [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.matsukiyococokara-online.com/onayami/women/32
- 株式会社EPARKメディカル. 陰部がヒリヒリ痛いときに有効な市販薬塗り薬9選!|原因や症状に合わせた選び方や注意点も【薬剤師解説】 [インターネット]. EPARKくすりの窓口. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/commercially-available-ointment-for-genital-pain-and-stinging
- せと山レディースクリニック. 外陰部疾患 | 藤沢市湘南台の産婦人科 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://setoyamaclinic.com/gaiinbu/
- The ObG Project. Evaluating Vulvodynia – Making the Diagnosis and Key… [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.obgproject.com/2017/07/27/evaluating-vulvodynia-making-diagnosis-key-points/
- Royal College of Obstetricians & Gynaecologists. Skin conditions of the vulva [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.rcog.org.uk/for-the-public/browse-our-patient-information/skin-conditions-of-the-vulva/
- Royal College of Obstetricians & Gynaecologists. Skin conditions of the vulva | RCOG – Information for you [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.rcog.org.uk/media/n13n5vvc/skin-conditions-of-the-vulva.pdf
- 日本産科婦人科学会. 産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2020 [インターネット]. Minds. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00571.pdf
- 今日の臨床サポート. 外陰炎、腟炎 | 症状、診断・治療方針まで [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=1710
- 日本皮膚科学会. 接触皮膚炎診療ガイドライン 2020 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/130_523contact_dermatitis2020.pdf
- Knegt-Junk KJ, van der Meijden WI, van der Vrieze EME, et al. Vulvovaginal Candidiasis: A Review of the Evidence for the 2021 Centers for Disease Control and Prevention Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines. Clin Infect Dis. 2022;74(Suppl_2):S168-S177. doi:10.1093/cid/ciac262. PMID: 35416967.
- わかもと製薬. 膣ケア・膣トレはデリケートゾーンの不調に効果的!初心者もできる基本方法|wakanote [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://wakamoto-pharm.co.jp/wakanote/delicate-zone/delicate-zone-care/
- 藤東クリニック. デリケートゾーンケアは必要?正しいお手入れ方法を紹介 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://fujito.clinic/column/index.php/2022/06/09/1358/
- わかもと製薬. デリケートゾーン(陰部)トラブル!かゆみの原因は?進む海外のデリケートゾーンケア|wakanote [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://wakamoto-pharm.co.jp/wakanote/delicate-zone/causes-of-itching/
- 株式会社EPARKメディカル. 陰部が切れて痛いときに有効な市販薬軟育9選!|原因や症状に合わせた選び方や注意点も【薬剤師解説】 [インターネット]. EPARKくすりの窓口. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/over-the-counter-ointment-for-genital-tear
- 海老根ウィメンズクリニック. セックスが痛い時の原因と治療|性交痛セルフケア&受診目安を女医が徹底解説! [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://ebine-womens-clinic.com/9100
- レディースクリニックなみなみ. 性交痛 | 腟入り口の痛み【6つの原因と解消法】 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://naminamicl.jp/column/sexualpain/dyspareunia-vaginalentrancepain/
- 大正製薬. 更年期のフェムゾーン(デリケートゾーン)のかゆみはなぜ起きる?どうケアする? [インターネット]. 大正健康ナビ. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.taisho-kenko.com/column/122/
- Ubie株式会社. 子宮やデリケートゾーンの痛みで病院を受診する場合、何科を受診すればいいですか? [インターネット]. ユビー. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/symptom/p953906j1d
- Ubie株式会社. 陰部にただれやかゆみがある場合、何科の病院を受診したらよいですか? [インターネット]. ユビー. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/symptom/0a0ktv4qelya
- ココカラウィメンズクリニック. 膣や外陰部のかゆみ、痛み、違和感は「膣炎」「外陰炎」かも [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://cocokara-clinic.com/blog/%E8%86%A3%E3%82%84%E5%A4%96%E9%99%B0%E9%83%A8%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%82%86%E3%81%BF%E3%80%81%E7%97%9B%E3%81%BF%E3%80%81%E9%81%95%E5%92%8C%E6%84%9F%E3%81%AF%E3%80%8C%E8%86%A3%E7%82%8E%E3%80%8D%E3%80%8C/
- 新宿レディースクリニック. 外陰部が痛い/腹痛・排尿痛 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.1971fujinka.jp/lp/pain/
- ウロギネ専門医 | 清水医師. 更年期に感じる陰部の痛みとは?症状・原因・治療方法やGSMについて解説 [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://urogyne.jp/column/atrophic-vaginitis/
- 渋谷あおぞらクリニック. 更年期、陰部のヒリヒリ感を治す方法 〜市販薬から手術まで〜 デリケートゾーンの潤い不足に悩むかたへ [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.shibuya-aozoraclinic.com/blog/kounenki-sexual-pain/
- Mayo Clinic. Vulvodynia – Diagnosis and treatment [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/vulvodynia/diagnosis-treatment/drc-20353427
- 株式会社矢野経済研究所. フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査を実施(2024年) [インターネット]. [引用日: 2025年7月27日]. Available from: https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3666