妊娠中期の食事完全ガイド:厚労省・JSOG指針に準拠した栄養とレシピ
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妊娠中期の食事完全ガイド:厚労省・JSOG指針に準拠した栄養とレシピ

妊娠中期(14週から27週)は、多くの妊婦さんにとって心身ともに安定し、「黄金期」とも呼ばれる大切な時期です。つわりの症状が和らぎ、エネルギーが満ち溢れてくる一方で、お腹の中の赤ちゃんは神経系や各器官が著しく発達する重要な段階を迎えます。この時期の質の高い栄養摂取は、単に「二人分食べる」ということではなく、「二倍賢く食べる」ことを意味し、赤ちゃんの健やかな成長と母親自身の健康を維持するための基盤となります。本稿は、日本の厚生労働省(MHLW)や日本産科婦人科学会(JSOG)、そして信頼できる国際的な保健機関の最新の科学的知見に基づき、妊娠中期の食事に関する包括的で実践的な指針を提供することを目的としています。

この記事の科学的根拠

この記事は、提供された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下は、本稿で提示される医学的指導の根拠となった実際の情報源とその関連性です。

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」: 本記事におけるエネルギー、たんぱく質、鉄、葉酸などの具体的な付加量に関する推奨は、日本人のための最も権威あるこの指針に基づいています。1
  • 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―産科編2023」: 妊娠中の体重管理や葉酸サプリメントに関する推奨は、日本の産科臨床における最高権威である本ガイドラインに準拠しています。2
  • 国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」: 日本の若い女性における「やせ(低体重)」の問題という文化的・社会的背景に関する議論は、この重要な報告書に基づいています。3
  • 米国産科婦人科学会(ACOG): 国際的な視点を提供するため、カロリーやコリンなどの栄養素に関する米国の標準的な推奨事項を参考にしています。4
  • 厚生労働省「妊娠中に気をつけたい食べ物について」: リステリア菌、トキソプラズマ、水銀など、食品安全に関する具体的な注意喚起は、この公的ガイドラインを情報源としています。5

要点まとめ

  • エネルギー摂取量:厚生労働省の指針に基づき、妊娠中期は1日あたり約250キロカロリーの追加エネルギーが必要です。1
  • 重要な栄養素:特に鉄分(貧血予防と胎児の脳発達のため)、カルシウム(胎児の骨格形成のため)、そして葉酸(継続的な細胞分裂のため)の摂取が極めて重要です。1
  • 体重管理:日本産科婦人科学会(JSOG)の最新ガイドラインに基づき、妊娠前の体格指数(BMI)に応じた適切な体重増加が推奨されます。「やせすぎ」も「太りすぎ」も防ぐことが母子の健康につながります。2
  • 食品安全:リステリア菌や水銀のリスクを避けるため、特定の食品(非加熱のチーズ、一部の魚介類など)には注意が必要です。厚生労働省の指針に従い、安全な食品を選びましょう。5
  • 日本食特有の注意点:ひじき(ヒ素)、昆布(ヨウ素)、レバー(ビタミンA)など、日本で馴染み深い食品も過剰摂取には注意が必要です。678

第1章 妊娠中期のエネルギーと体重管理:日本の妊婦さんへの個別アドバイス

妊娠中期の体重管理は、赤ちゃんの健全な発育と母体の健康維持に不可欠です。ここでは、日本の公的機関が示す科学的根拠に基づいたエネルギー摂取量と、個人に合わせた体重増加の目標について詳しく解説します。

1.1. 必要な追加エネルギーはどのくらい?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、妊娠中期の女性は非妊娠時に比べ、1日あたりプラス250キロカロリー(kcal)のエネルギーを付加することが推奨されています1。これは、胎児の成長、胎盤の形成、そして母体の血液量増加などに対応するためのエネルギーです。ちなみに、米国の米国産科婦人科学会(ACOG)は妊娠中期に約340kcalの追加を推奨しており4、基本的な考え方は世界共通であることがわかります。

【実践のヒント】250キロカロリーの目安とは?
この追加エネルギーは、決して大量の食事を意味するものではありません。日本の食生活に当てはめると、以下のような組み合わせで手軽に補うことができます。

  • 中くらいのおにぎり1個と、無糖ヨーグルト1個
  • バナナ1本と、牛乳1杯(約200ml)

重要なのはカロリーの「量」だけでなく「質」です。菓子パンやスナック菓子で安易にカロリーを摂取するのではなく、栄養価の高い食品を選ぶことが、母子双方の健康にとって賢明な選択です。

1.2. 妊娠中の理想的な体重増加:JSOGの最新ガイドライン

日本の若い女性における「やせ(低体重)」の割合は、先進国の中でも特に高いことが国立健康・栄養研究所の報告で指摘されており、社会的な課題となっています3。妊娠中の体重増加不足は、低出生体重児や早産のリスクを高めることが知られています。一方で、過度な体重増加は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを増大させます。このため、日本産科婦人科学会(JSOG)は2023年に改訂したガイドラインで、妊娠前の体格指数(BMI)に基づいた推奨体重増加量を示しています2

表1:妊娠前の体格に応じた推奨体重増加量(JSOGガイドライン2023年版準拠2
妊娠前の体格(BMI) 分類 推奨体重増加量
18.5未満 低体重(やせ) 12~15 kg
18.5以上 25.0未満 ふつう 10~13 kg
25.0以上 30.0未満 肥満(1度) 7~10 kg
30.0以上 肥満(2度以上) 個別対応(上限5kgまでが目安)

ご自身のBMI(体重kg ÷ (身長m × 身長m))を計算し、適切な体重増加の範囲を把握することが第一歩です。かかりつけの医師や助産師と相談しながら、定期的に体重を測定し、管理していくことが重要です。


第2章【最重要】妊娠中期に必須の栄養素:何を、どれだけ、どう摂るか

妊娠中期は、胎児の器官が急速に発達する時期であり、特定の栄養素の必要性が著しく高まります。ここでは、特に重要な栄養素について、その役割、必要量、そして効率的な摂取方法を科学的根拠に基づいて解説します。

2.1. 鉄分:貧血予防と赤ちゃんの脳発達のために

  • 必要量:厚生労働省の指針では、妊娠中期には1日あたり合計で21.0〜21.5ミリグラム(mg)の鉄分摂取が推奨されています。これは、非妊娠時に比べてプラス8.0〜9.5mgという大幅な増加量です1
  • 役割:妊娠中は、胎児へ酸素を運ぶために血液量が約50%も増加し、体が「希釈性貧血」の状態になりやすくなります。鉄分は、この血液の主成分であるヘモグロビンを作るために不可欠です。さらに、赤ちゃんの脳が急速に発達するこの時期において、鉄分は神経伝達物質の合成を助ける重要な役割を担います。
  • 摂取方法:鉄分には、動物性食品に含まれ吸収率が高い「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。両方をバランス良く摂ることが理想的です。9
表2:鉄分を多く含む食品の例
種類 豊富な食品 注意点
ヘム鉄
(吸収率が高い)
赤身肉(牛肉、豚肉)、レバー、カツオ、マグロ、イワシ レバーはビタミンAが豊富なため、過剰摂取に注意が必要です(後述)。
非ヘム鉄
(吸収率が低い)
小松菜、ほうれん草、納豆、豆腐、ひじき、あさり ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が向上します。

【実践のヒント】鉄分の吸収率を上げる工夫
非ヘム鉄の吸収率は、工夫次第で大きく改善できます。ある研究では、ビタミンCと一緒に摂取することで鉄分の吸収が促進されることが示されています10。例えば、小松菜のおひたしにレモン汁をかけたり、食後に柑橘系の果物を食べたりするのが効果的です。逆に、緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄分の吸収を妨げるため、食事の直前直後に飲むのは避けるようにしましょう。

2.2. カルシウム:赤ちゃんの骨と歯を育む

  • 必要量:1日あたり650mgが推奨されます。特筆すべきは、妊娠中は母体の腸管からのカルシウム吸収率が自然に上昇するため、厚生労働省は追加の摂取量(付加量)を設定していません。しかし、この基本量を確実に満たすことが非常に重要です1
  • 役割:胎児の丈夫な骨や歯を形成するための主材料です。もし母親の食事からのカルシウム摂取が不足すると、胎児は母親の骨を溶かして必要なカルシウムを確保します。これは、将来的に母親が骨粗しょう症になるリスクを高める可能性があります。
  • 摂取方法:牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品が最も効率的な供給源です。その他、しらす干しやししゃものように骨ごと食べられる小魚、豆腐、納豆、小松菜などの緑黄色野菜にも豊富に含まれています。11

【実践のヒント】カルシウムの吸収を助けるビタミンD
カルシウムの吸収にはビタミンDが不可欠です。ビタミンDは、サケやサンマなどの脂肪性の魚、きのこ類、卵に多く含まれています。また、日光を浴びることで皮膚でも生成されるため、天気の良い日には適度な散歩を心がけることも有効です。

2.3. 葉酸:継続的な摂取の重要性

  • 必要量:1日あたり合計で480マイクログラム(μg)が推奨されています。これは非妊娠時に比べてプラス240μgの付加量です1
  • 役割:妊娠初期に特に重要視される神経管閉鎖障害のリスクは、この時期には低下します。しかし、葉酸はその後も胎児の急速な細胞分裂や増殖、そして赤血球の形成に不可欠な栄養素です。母親の巨赤芽球性貧血を予防する上でも重要な役割を果たします。
  • 摂取方法:ブロッコリーやほうれん草、アスパラガスなどの緑黄色野菜、いちご、納豆、レバーなどに豊富です11。ただし、葉酸は水溶性で熱に弱いため、調理による損失が大きいという特徴があります。このため、JSOGは食事からの摂取に加えて、サプリメントの活用も考慮するよう推奨しています2。サプリメントを利用する場合は、過剰摂取を避けるためにも、必ず医師の指示に従ってください。

2.4. たんぱく質:体づくりの基礎

  • 必要量:妊娠中期には、1日あたりプラス5グラム(g)の付加が推奨されます1
  • 役割:たんぱく質は、胎児の筋肉、臓器、皮膚、酵素など、体を作る全ての「レンガ」となる基本的な栄養素です。母親自身の体の変化(子宮の増大、乳腺の発達、血液量の増加)にも必要です。
  • 摂取方法:肉、魚、卵といった動物性たんぱく質と、豆腐や納豆などの大豆製品12、乳製品をバランス良く組み合わせることが、必須アミノ酸を効率的に摂取する上で理想的です。

2.5. 食物繊維:妊娠中の便秘対策

  • 役割:妊娠中は、ホルモンの変化や増大した子宮が腸を圧迫することにより、便秘になりやすくなります。食物繊維は、便の量を増やし、腸の動きを活発にすることで、この一般的な不快症状を和らげるのに役立ちます13
  • 摂取方法:玄米やオートミールなどの全粒穀物、ごぼうやさつまいもなどの根菜類、きのこ類、海藻、果物に豊富に含まれています。水分摂取も同時に心がけることが、食物繊維の効果を最大限に引き出す鍵となります。

第3章 妊娠中の食事における注意点:安全な食生活のために

妊娠中は免疫力が低下し、普段は問題にならないような細菌でも食中毒を引き起こす可能性があります。また、一部の食品に含まれる物質が胎児に影響を与えることもあります。ここでは、厚生労働省の公式な指針5に基づき、特に注意すべき点を解説します。

3.1. 食中毒のリスク:リステリアとトキソプラズマ

  • リステリア菌:この菌は低温でも増殖できるため、冷蔵庫で保管している食品でも注意が必要です。感染すると、早産や流産、新生児への影響が懸念されます。
    • 避けるべき食品:ナチュラルチーズ(加熱殺菌されていないもの)、生ハム、肉や魚のパテ。
    • 対策:食品を購入する際は、チーズであれば「プロセスチーズ」と表示されているものや、「加熱済み」と記載のあるものを選びましょう。14
  • トキソプラズマ:生肉や、よく洗っていない野菜や果物、猫の糞などに存在する原虫です。初感染すると胎児に影響を及ぼす可能性があります。
    • 対策:肉類は中心部まで十分に加熱すること(特に焼肉やバーベキュー)、野菜や果物は食べる前によく洗うことを徹底してください。10

3.2. 魚の水銀問題:食べるべき魚、避けるべき魚

魚は良質なたんぱく質や、赤ちゃんの脳の発達に良いとされるDHA・EPAを豊富に含む優れた食材ですが、一部の大型魚には食物連鎖を通じて自然界の水銀が蓄積されている可能性があります。過剰な水銀摂取は胎児の神経系の発達に影響を与える恐れがあるため、厚生労働省は魚の種類と食べる量について具体的な目安を示しています6

表3:妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量(MHLW指針準拠6
摂取レベル 魚介類の種類 摂取量の目安
摂取しない方が良い バンドウイルカ
週1回まで(約80g) キダイ、マカジキ、ミナミマグロ(インドマグロ)、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ 刺身なら1人前、切り身なら1切れが目安
週2回まで(約160g) キツネガツオ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ

一方で、サケ、サバ、アジ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどは、水銀蓄積の懸念が少なく、安心して食べられる魚として推奨されています。これらの魚をバランス良く食事に取り入れることが賢明です。

3.3. 日本の食卓特有の注意点

日本の伝統的な食生活で馴染み深い食材の中にも、妊娠中は摂取量に注意が必要なものがあります。

  • ヨウ素(昆布):昆布は日本の「だし」文化に欠かせませんが、ヨウ素を非常に多く含みます。ヨウ素の過剰摂取は、胎児の甲状腺機能に影響を与える可能性があります。日常的に昆布だしを使うことは問題ありませんが、昆布そのものを毎日大量に食べることは避けるべきです。8
  • ヒ素(ひじき):ひじきは鉄分や食物繊維が豊富ですが、無機ヒ素を含むことが知られています。水戻しをすることでヒ素の大部分は除去できますが、厚生労働省は、極端に大量に食べ続けない限り健康への影響は心配ないとしつつも、バランスの取れた食事の一部として、小鉢1杯程度を週に数回食べるような適度な摂取を推奨しています。7
  • ビタミンA(レバー、うなぎ):ビタミンAは胎児の成長に必須ですが、動物性のビタミンA(レチノール)の過剰摂取は、胎児の奇形のリスクを高めることが知られています。特にレバーやうなぎには非常に高濃度で含まれるため、愛育病院の高橋嘉名芽先生は、例えばレバーであれば焼き鳥1本程度を週に1回までにするなど、摂取量に注意するよう呼びかけています。6

第4章 実践編:妊娠中期を乗り切るための食事プランとヒント

知識を日々の食生活に活かすための具体的なアイデアをご紹介します。

4.1. 1日の食事モデル

以下は、必要な栄養素をバランス良く摂取するための一日の食事例です。

  • 朝食:玄米ごはん、わかめと豆腐の味噌汁、鮭の塩焼き、ほうれん草のおひたし
  • 昼食:豚肉とパプリカの生姜焼き定食(鉄分とビタミンCを同時に摂取)、サラダ
  • 夕食:鶏肉と野菜の煮物、ひじきの煮物(小鉢)、納豆
  • 間食:無糖ヨーグルトと季節のフルーツ、ナッツ類

4.2. 健康的な間食のアイデア

小腹が空いたときには、栄養価の高い間食を選びましょう。コンビニエンスストアでも手軽に購入できるものも多くあります。15

  • おにぎり(具材は鮭や昆布など)
  • 無糖ヨーグルト、牛乳
  • 季節の果物(バナナ、りんご、いちごなど)
  • 素焼きのナッツ類
  • 枝豆
  • 焼き芋

4.3. 外食やコンビニ食を上手に活用するコツ

忙しい日や体調が優れない日には、外食や市販の惣菜も上手に活用しましょう。選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 主食・主菜・副菜が揃った定食や弁当を選ぶ。
  • 野菜が豊富なメニューを選ぶ。(例:野菜炒め定食、具だくさんのスープ)
  • 塩分や脂肪分が控えめなものを選ぶ。(味噌汁やスープの汁は飲み干さない、揚げ物を避けるなど)
  • サラダや和え物などの副菜を一品追加する。

よくある質問

Q: つわりがまだ少し残っています。どうすればいいですか?

A: 妊娠中期になってもつわりの症状が続く方もいらっしゃいます。無理に一度にたくさん食べようとせず、「食べられるものを、食べられるときに、食べられるだけ」を基本にしましょう。食事を小分けにして、1日の摂取回数を増やすのが効果的です。冷たいものや、においの少ないもの(そうめん、豆腐、果物など)の方が食べやすい場合があります16。栄養バランスが心配な場合は、かかりつけの医師に相談してください。

Q: 葉酸などのサプリメントは続けたほうがいいですか?

A: 葉酸は妊娠全期間を通じて重要な栄養素であり、食事だけで必要量を満たすのは難しい場合があるため、多くの専門家はサプリメントの継続を推奨しています2。特に、食事のバランスが偏りがちな方は、鉄分やカルシウムを含む妊婦向けのマルチビタミン・ミネラルのサプリメントも有効です。ただし、自己判断で摂取せず、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談し、適切な製品と用量を選ぶようにしてください。

Q: 納豆は栄養価が高いと聞きますが、毎日食べても大丈夫ですか?

A: 納豆は、たんぱく質、鉄分、カルシウム、葉酸、食物繊維、そして骨の健康に重要なビタミンK2を豊富に含む、妊婦にとって非常に優れた食品です17。毎日1パック程度食べることは、健康上の利益が大きいと考えられます。ただし、納豆に含まれる大豆イソフラボンは、過剰に摂取した場合の影響がまだ完全には解明されていないため、サプリメントなどで大量に摂取することは避け、食事から適量を楽しむのが良いでしょう。

結論

妊娠中期は、母子ともに健やかな未来を築くための大切な準備期間です。本記事で解説したように、バランスの取れた食事を通じて、エネルギー、鉄分、カルシウム、葉酸などの必須栄養素を十分に摂取し、適切な体重管理と食品安全を心がけることが極めて重要です。日本の食文化に根ざした知恵を活かしつつ、科学的根拠に基づいた知識を取り入れることで、より安心で豊かなマタニティライフを送ることができます。

しかし、最も大切なことは、個々の体調や状況に合わせて食事プランを調整することです。この記事はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的助言に代わるものではありません。不安な点や疑問がある場合は、必ずかかりつけの産婦人科医や管理栄養士に相談し、ご自身と赤ちゃんにとって最適な指導を受けてください。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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