本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスを代替するものではありません。具体的な治療法や判断については、必ず専門の医師にご相談ください。
最終更新日: 2025年6月10日
女性から男性へのトランスジェンダー(FTM)として、ご自身の性自認に沿った人生を歩むことを考え始めたとき、その道のりは希望に満ちていると同時に、多くの疑問や不安を伴うものかもしれません。医学的な治療はどのようなものがあるのか、法的な手続きはどう進めるのか、そしてこの大きな変化の中で自身の心とどう向き合っていけばよいのか。日本においては性同一性障害特例法などの法的枠組みがあるものの、さまざまな誤解や手続き上の課題、医療体制の整備など、トランスジェンダーの方々が直面するハードルは依然として存在します。この記事は、FTMトランスジェンダーとしての移行を考えているご本人、そしてその道のりを支えたいと願うご家族、パートナー、ご友人、同僚、さらには医療や教育に関わる専門家の方々に向けて、現在入手可能な最も正確で包括的な情報を提供することを目的としています。科学的根拠に基づいた医学的知見から、日本特有の法的・社会的状況、そして心のケアに至るまで、あなたの「知りたい」に誠実に応え、より自分らしい生き方を実現するための一助となることを心から願っています。
要点まとめ
- 移行は多面的で個人的なプロセス:FTMの移行は、ホルモン療法や手術といった医学的介入だけでなく、自己理解、社会的移行、法的性別変更、そして生涯にわたる精神的サポートを含む包括的な道のりです。全ての人が同じステップを踏むわけではなく、その選択は個人の自己決定権に基づきます。
- 日本の法的状況の大きな変化:2023年10月の最高裁判決により、法的性別変更の要件であった「生殖能力喪失手術」が違憲無効と判断されました1。これにより、身体への負担が大きい手術を受けなくとも、戸籍上の性別を変更できる道が開かれましたが、依然として他の要件や課題は残っています。
- 医学的治療の進歩と選択肢:テストステロン投与によるホルモン療法は身体を男性化させ、多くの研究でQOL(生活の質)やメンタルヘルスの改善が報告されています2, 3。外科手術も乳房切除から陰茎形成まで多様な選択肢がありますが、それぞれにメリットとリスクがあり、専門家との十分な相談が不可欠です。
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の重要性:本記事は、WPATH(世界トランスジェンダー・ヘルス専門家協会)の国際的ガイドライン4や日本精神神経学会の指針5、最新の学術研究6, 7、そして日本の専門家(例:岡山大学ジェンダーセンターの中塚幹也医師ら8, 9)の知見に基づき、最高レベルの信頼性を提供します。
- 社会的サポートとメンタルヘルスケアが鍵:移行プロセスは精神的な負担を伴うことがあります。日本の調査ではトランスジェンダー当事者のメンタルヘルス課題の深刻さが指摘されており10, 11、専門家によるカウンセリングや、同じ経験を持つ仲間と繋がるピアサポート、そして家族や職場など周囲の理解と協力が極めて重要です。
はじめに:FTMトランスジェンダーとして生きること、移行への道のり
FTMトランスジェンダーとは何か?
FTMトランスジェンダーとは、出生時に割り当てられた性別が女性(Female)である一方、性自認(自分がどの性別であるかという内的な感覚)が男性(Male)である人を指します。「トランスジェンダー男性」とも呼ばれます。これは、単なる服装や振る舞いの好みではなく、深く根差した自己のアイデンティティです4。多くの方が幼い頃から自身の性に違和感を覚え、思春期に第二次性徴が始まることで、その感覚がより明確になることがあります12。しかし、性自認に気づくタイミングや、それをどのように受け入れ、表現していくかは一人ひとり異なり、非常に個人的で多様なプロセスであることを理解することが重要です。
日本におけるFTMトランスジェンダーの現状と社会的背景
日本におけるトランスジェンダーの正確な人口を把握することは困難ですが、国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)などの調査から、一定数の人々が存在することが示唆されています13。しかし、その存在は社会で十分に理解されているとは言えず、多くの当事者が偏見や差別に直面しています。認定NPO法人虹色ダイバーシティが2023年に実施した調査「nijiVOICE」では、多くのトランスジェンダー当事者が職場や日常生活で困難を経験している実態が報告されています10。法的には、2004年に施行された「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(以下、性同一性障害特例法)14によって戸籍上の性別変更が可能になりましたが、その要件は厳しく、長年にわたり人権上の課題が指摘されてきました。近年、LGBT理解増進法が成立し、社会の理解を促進する動きもありますが、具体的な差別解消には至っておらず、多くの課題が残されています。
この記事の目的と対象読者
本記事は、FTMトランスジェンダーの移行という、複雑で多岐にわたるテーマについて、医学的、法的、社会心理的な側面から、現在の日本で得られる最も信頼性が高く、包括的な情報を提供することを目指します。対象読者として、移行を検討し始めた、あるいは現在進行中のFTM当事者ご本人を第一に想定しています。さらに、そのご家族、パートナー、友人、職場の同僚など、当事者を支え、理解を深めたいと願うすべての方々。そして、トランスジェンダー当事者と接する機会のある医療従事者、カウンセラー、教育関係者、企業の人事担当者の方々にも、基礎知識として役立てていただける内容となっています。読者の皆様が、この記事を通じて正確な知識を得るだけでなく、精神的な安心感を得たり、具体的な次のステップを踏み出すための指針を見つけたりできることを、心から願っています。
第1部:自己理解と移行の準備
1.1. 性自認の確立と向き合い方
自分の性自認に気づくプロセス
自分の性自認に気づくプロセスは、人によって様々です。幼少期に「男の子の遊びが好きだった」という経験から始まる人もいれば、思春期に自身の身体が女性的に変化することに強い苦痛を感じて確信する人もいます。また、成人してから社会生活を送る中で、自身の性別への違和感が明確になる人もいます。医学的には、この性自認と身体的・社会的に割り当てられた性別との不一致によって著しい苦痛や機能障害が生じている状態を「性別違和(Gender Dysphoria)」と呼びます4。これは、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11版(ICD-11)9や、米国精神医学会の診断基準DSM-5で用いられている比較的新しい概念です。日本では、法制度(性同一性障害特例法14)や一部の医療現場では依然として「性同一性障害(GID)」という用語が使われていますが5、国際的には「脱病理化」(精神疾患として捉えない考え方)の流れが主流となっています。日本のトランスジェンダー医療の第一人者である中塚幹也医師も、この「脱病理化」と、当事者のQOL(生活の質)向上における社会的性別移行の重要性を指摘しています9。
専門家への相談の重要性
自身の性自認について悩んだり、移行を考え始めたりした際には、一人で抱え込まずに専門家に相談することが非常に重要です。精神科医、臨床心理士、公認心理師といった専門家は、カウンセリングを通じてあなたの気持ちを整理し、自己理解を深める手助けをしてくれます。また、医学的な移行を希望する場合には、精神科医による診断が不可欠です。日本のガイドラインでは、多くの場合、二人以上の精神科医による一致した診断が求められます5。信頼できる医療機関やカウンセラーを探すには、GID(性同一性障害)学会のウェブサイトで認定医を探したり15, 16、虹色ダイバーシティ17やReBit11といったLGBTQ+支援NPOに情報提供を求めたりする方法があります。
カミングアウト:誰に、いつ、どのように伝えるか
カミングアウトは、自身の性自認を他者に打ち明けることで、自己肯定感を高め、より自分らしく生きるための重要な一歩となり得ます。しかし、それは大きな勇気と準備を必要とする行為でもあります。日本の社会では、まだトランスジェンダーに対する理解が十分でないため、カミングアウトが困難を伴うことも少なくありません10。伝える相手(家族、友人、職場など)や状況に応じて、タイミングや伝え方を慎重に考える必要があります。また、本人の同意なく第三者がその人の性自認を暴露する「アウティング」は、重大な人権侵害であり、深刻な被害をもたらします。特にトランスジェンダー男性はアウティングを経験する割合が高いとの指摘もあり10、そのリスクには十分な注意が必要です。
1.2. 社会生活におけるジェンダー表現の変化
服装、髪型、名前(通称名)などの変更
医学的な治療を開始する前でも、自身の性自認に合わせてジェンダー表現(Gender Expression)を変化させていくことは、精神的な安定や自己肯定感の向上に繋がります。服装を男性的なものに変えたり、髪を短くしたり、社会生活で男性名(通称名)を使い始めたりすることは、社会的移行の第一歩と言えます。これらの変化に対して、周囲の人がどのように反応するかは様々ですが、時間をかけて理解を求めていくことが大切です。
胸のフラット化(ナベシャツ、バインダーなど)
胸の膨らみを平坦に見せるための「ナベシャツ」や「チェストバインダー」は、多くのFTM当事者にとって重要なアイテムです。これらを使用することで、男性的な外見に近づき、精神的な苦痛を和らげることができます。しかし、過度な締め付けや長時間の使用は、呼吸困難、皮膚のトラブル、肋骨の痛みなどを引き起こす健康上のリスクも伴います。自身の身体に合ったサイズを選び、適度な時間で使用し、常に清潔を保つなど、健康への配慮が不可欠です。
声のトレーニング
より低い、男性的な声質を得るために、ボイストレーニングを行うことも選択肢の一つです。腹式呼吸を意識したり、胸に響かせるような発声練習をしたりすることで、ある程度の変化が期待できます。また、専門のボイストレーナーや言語聴覚士の指導を受けることで、より効果的なトレーニングが可能です。後のセクションで詳述しますが、ホルモン療法によって声は自然に低くなりますので、それと並行してトレーニングを行うことも有効です。
健康に関する注意事項
- トランスジェンダーの移行に関するいかなる医学的判断も、自己判断で行わず、必ず資格を持つ専門の医師や医療提供者と十分に相談した上で進めてください。
- ホルモン療法や外科手術には、それぞれ潜在的なリスクや副作用が伴います。治療を開始する前には、期待される効果だけでなく、全ての可能性について医師から十分な説明を受け、理解することが極めて重要です。
- 本記事で紹介する情報は、2025年6月時点の科学的知見や法的状況に基づくものであり、将来的に変更される可能性があります。常に最新の情報を確認するようにしてください。
第2部:医学的移行:ホルモン療法と外科的治療
2.1. ホルモン療法(テストステロン投与)
目的と期待される効果
FTMの移行におけるホルモン療法は、男性ホルモンであるテストステロンを投与することで、身体を男性的に変化させることを目的とします。これにより、望む性別の身体に近づき、性別違和から生じる精神的苦痛を大きく和らげることが期待されます。期待される主な効果には以下のようなものがあります4, 18。
- 月経の停止:通常、治療開始後数ヶ月で月経が停止します。
- 声の低音化:声帯が厚くなることで、声が低くなります。この変化は不可逆的です。
- 体毛の変化:ヒゲ、胸毛、腹毛、手足の毛などが濃く、太くなります。
- 筋肉量の増加と体脂肪の再分配:筋肉が発達し、身体がより男性的ながっしりとした体つきに変化します。
- 皮膚の変化:皮脂の分泌が増え、ニキビができやすくなったり、肌が脂性になったりします。
- クリトリスの肥大:テストステロンの作用により、クリトリスが数センチ程度大きくなります。
- 性欲の変化:性欲の亢進が見られることが一般的です。
これらの変化が現れる時期や程度には個人差がありますが、多くは治療開始後数ヶ月から1~2年かけて進行していきます。
日本におけるホルモン療法の進め方
日本でホルモン療法を開始するには、日本精神神経学会やGID学会のガイドラインに沿って進められるのが一般的です5, 15。原則として、18歳以上であること、二人以上の医師による確定診断、そして治療内容について十分な理解と同意(インフォームドコンセント)があることなどが条件となります。未成年者の場合でも、二次性徴抑制治療を先行させるなど、より慎重な判断のもとで15歳頃からホルモン療法を開始する可能性についてガイドラインで議論されています15。
使用されるテストステロン製剤には、注射剤(短期作用型、長期作用型)やジェル剤(経皮吸収型)などがあります19。どの製剤を選択するかは、ライフスタイル、費用、血中濃度の安定性などを考慮し、医師と相談して決定します。治療中は、効果と安全性を確認するために、定期的な血液検査(ホルモン値、赤血球数、肝機能、脂質プロファイルなど)が不可欠です。
副作用とリスク管理
テストステロン投与は多くの望ましい効果をもたらす一方で、副作用や健康上のリスクも伴います。これらを理解し、適切に管理することが長期的な健康維持には不可欠です。主な副作用・リスクは以下の通りです18, 20。
- 一般的な副作用:にきび、脂性肌、男性型脱毛症、気分の変動など。
- 多血症(赤血球増加症):赤血球が増えすぎると血液が固まりやすくなり、血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症など)のリスクが高まります。定期的な血液検査でヘモグロビン値やヘマトクリット値を確認することが重要です。
- 肝機能障害:特に経口剤(日本では通常使用されない)でリスクが高いとされますが、注射剤やジェル剤でも定期的な肝機能チェックが必要です。
- 脂質代謝異常:悪玉コレステロール(LDL-C)の上昇や善玉コレステロール(HDL-C)の低下をきたす可能性があり、動脈硬化のリスクを高める可能性があります7。
- 心血管疾患リスク:複数の研究で、トランスジェンダーのホルモン療法と心血管疾患リスクの上昇との関連が示唆されています6, 7。特に喫煙、肥満、高血圧などの既存リスクを持つ場合は注意が必要であり、生活習慣の改善と定期的なリスク評価が推奨されます。
- 睡眠時無呼吸症候群:悪化または発症する可能性があります。
費用
日本では、FTMの移行に伴うホルモン療法は、原則として公的医療保険の適用外であり、全額自費診療となります21。費用は、使用する薬剤の種類や量、診察頻度、検査内容によって異なりますが、一般的には月に数千円から数万円程度の負担が必要となります19。これは継続的な負担となるため、経済的な計画も重要です。
エストロゲンブロッカー(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト)について
思春期の早い段階で強い性別違和を経験している若者に対して、望まない女性的な第二次性徴(乳房の発達、月経の開始など)の進行を一時的に停止させる「二次性徴抑制治療」という選択肢があります22。GnRHアゴニストなどの薬剤が用いられ、これにより本人が性自認についてじっくり考え、将来の医学的移行について判断するための時間を確保することができます。WPATHのSOC8では推奨されていますが4, 15、日本国内で実施可能な医療機関は限られており、倫理的な側面も含め、非常に慎重な判断が求められます。
2.2. 外科的治療(性別適合手術:SRS/GRS/GAS)
手術を受ける上での心構えと準備
外科的治療は、身体を不可逆的に変化させる医療行為です。そのため、手術を受ける前には、その目的、方法、期待できる効果と限界、そして起こりうる全てのリスクや合併症について、医師から十分な説明を受け、完全に理解・納得すること(インフォームドコンセント)が極めて重要です。日本のガイドラインでは、多くの場合、手術の適応を判断するために、安定した精神状態や、一定期間のホルモン療法歴、実生活経験(希望する性別で社会生活を送った経験)などが求められます5, 15。
乳房切除術(胸オペ、マステクトミー)
目的:乳房を切除し、男性的な平坦な胸部を形成します。これは多くのFTM当事者にとって、社会生活を送る上での精神的負担を大きく軽減し、自己肯定感を高める重要な手術です23, 24。
手術方法:乳房の大きさや皮膚の状態によって、乳輪の周囲を切開する方法や、胸の下に横一文字の傷が残る方法など、様々な術式が選択されます25。
合併症:血腫(血のたまり)、感染、創部の離開、皮膚や乳頭の壊死、左右差、満足のいかない傷跡(ケロイドなど)といったリスクがあります23。
費用:日本では多くの形成外科や美容外科で実施されており、費用は保険適用外で数十万円から百数十万円程度が一般的です10, 26。
子宮卵巣摘出術(内性器摘出術)
目的:月経を永久に停止させ、女性ホルモンの主な産生源を取り除くことを目的とします。かつては法的性別変更のための必須要件でしたが、現在はそうではありません1。
手術方法:腹部に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下手術が主流で、身体への負担が少ないとされています27。
合併症:出血、感染、周囲の臓器(膀胱、尿管、腸など)の損傷、血栓症などのリスクがあります。
費用:産婦人科などで実施され、費用は保険適用外で数十万円から百数十万円程度です10。
尿道延長術・陰核(陰茎様)形成術(メタ(ミクロ)ペニス形成術/メトイディオプラスティ)
目的:ホルモン療法で肥大した陰核を最大限に活用し、小さな陰茎様の構造物を形成します。多くの場合、尿道をその先端まで延長し、立って排尿できるようにすることを目指します。
結果と限界:形成されるサイズは元の陰核の大きさに依存するため、数cm程度となります。挿入を伴う性交は困難な場合が多いです。立位排尿の成功率も100%ではありません。
実施状況:日本国内の一部の専門医療機関で実施されています。
陰茎形成術(ファロプラスティ)
目的:腕や足の皮膚、筋肉、血管、神経を移植して、より大きなサイズの陰茎を形成する、非常に複雑で高度な手術です。外観をより男性器に近づけ、将来的にはプロステーシス(人工物)を挿入して挿入性交を可能にすることを目指す場合もあります。
手術方法と合併症:複数回にわたる段階的な手術が必要です。尿道狭窄や尿漏れ、移植した組織の壊死、感染など、他の手術に比べて合併症の発生率が非常に高く、再手術が必要となることも少なくありません28。
実施状況と費用:日本で実施できる医療機関は極めて限られており、費用も数百万から一千万円以上と非常に高額になります。そのため、手術実績が豊富で費用が比較的安価なタイなどの海外で手術を受ける当事者もいます12。
海外での手術について
海外(特にタイなど)での手術は、費用や実績の面で魅力的に見えることがありますが、極めて慎重な判断が必要です。医療機関の質、医師の技術、衛生環境、そして最も重要なのは、帰国後のフォローアップ体制と、万が一合併症が起きた場合に日本国内で対応してくれる医療機関があるかどうかを、渡航前に必ず確認する必要があります。言語の壁や文化の違いもリスクとなり得ます。アテンドサービスを利用する場合も、その信頼性を十分に見極めることが重要です12。
手術後のケアとフォローアップ
どの手術を受けた場合でも、術後の回復期間は医師の指示に厳密に従う必要があります。創部のケア、痛み止めや抗生剤の内服、活動の制限などを守ることが、合併症を防ぎ、順調な回復に繋がります。特に複雑な手術の後は、数ヶ月から数年にわたる長期的なフォローアップが必要になる場合もあります。
第3部:法的・社会的側面とサポート
3.1. 日本における法的な性別変更
性同一性障害特例法とその要件
日本で戸籍上の性別を変更するためには、「性同一性障害特例法」14に定められた要件を満たし、家庭裁判所に申し立てる必要があります29。従来、この法律は以下の6つの要件を定めていました。
- 18歳以上であること(当初は20歳以上)
- 現に婚姻をしていないこと
- 現に未成年の子がいないこと
- 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること(生殖能力喪失要件)
- その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること(外観要件)
- 二人以上の医師により、性同一性障害であることが診断されていること
2023年最高裁判決のインパクト:生殖能力喪失要件の違憲判断
2023年10月25日、日本の司法史において画期的な判断が下されました。最高裁判所は、上記の要件4、いわゆる「生殖能力喪失要件」について、身体への重大な侵襲を事実上強制するものであり、個人の尊厳と幸福追求権を保障した憲法13条に違反し、無効であると判断したのです1, 30。この決定により、子宮卵巣摘出術などの生殖腺を除去する手術を受けていなくても、他の要件を満たせば、家庭裁判所で性別変更が認められる道が開かれました。これは、当事者の身体的自己決定権を尊重する上で非常に大きな一歩です。しかし、依然として「外観要件」(要件5)など他の要件は残っており、これらの要件の妥当性については、今後も司法や立法の場で議論が続くことが予想されます1。
戸籍上の性別変更手続きの実際
手続きは、本人の住所地を管轄する家庭裁判所への「性別の取扱いの変更審判の申立て」によって行います29。申立書に加え、複数の医師による診断書、戸籍謄本などの書類が必要です。申し立てから審判が下りるまでの期間はケースバイケースですが、数ヶ月を要することが一般的です。2019年には年間で過去最多の948人が性別変更を行い、これまでの累計では1万人を超えると見られています31。戸籍の性別が変更されると、それに伴い、住民票、マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険証などの公的書類の性別表記も変更手続きを行う必要があります。
3.2. 社会生活における権利と課題
教育現場における対応
トランスジェンダーの生徒・学生が安心して学校生活を送れる環境の整備は、重要な課題です。制服の選択肢(スラックス着用許可など)、トイレや更衣室の利用への配慮、修学旅行での対応など、具体的な取り組みが進められています。近年では、お茶の水女子大学のように、戸籍上は女性であるが性自認は男性である学生の受け入れを表明する女子大学も出てきています32。しかし、認定NPO法人ReBitの調査では、10代のLGBTQ+の若者の自殺念慮や不登校の経験率が依然として高く、いじめや差別の問題は深刻です11。教職員の理解促進と、生徒一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな対応が求められます。
職場環境と就労
職場におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進が叫ばれる中、トランスジェンダー当事者が働きやすい環境づくりも進みつつあります。通称名の使用許可、性別不問の服装規定、誰でも使えるトイレの設置、同性パートナーを配偶者と同様に扱う福利厚生制度などを導入する企業が増えています。しかし、虹色ダイバーシティの調査によれば、職場でのカミングアウトには依然としてためらいがあり、SOGIハラ(性的指向や性自認に関するハラスメント)やアウティングを経験する当事者も少なくありません10。特にトランスジェンダー男性はアウティングの経験率が高いとの指摘もあり、プライバシーの保護とハラスメント防止の徹底が不可欠です。
医療アクセスにおける課題
トランスジェンダー医療を専門とする医療機関は、依然として東京や大阪などの大都市圏に偏在しており、地方在住の当事者が必要な医療にアクセスしにくいという地域格差の問題があります。また、一般の医療機関では、医療従事者の知識不足から当事者が不適切な対応を受けたり、精神的な苦痛を感じたりするケースも報告されています10。ホルモン療法や多くの手術が保険適用外であることも、経済的な面で大きな障壁となっています。
3.3. メンタルヘルスケアと精神的サポート
移行プロセスとメンタルヘルス
性別違和から生じる精神的苦痛は、うつ病や不安障害のリスクを高めることが知られています。移行プロセスを進めることは、自己肯定感の向上や精神的な安定に繋がる一方で、社会からの反応や治療のストレスなど、新たな精神的負担を生む可能性もあります。しかし、複数の信頼できる研究により、性別適合手術やホルモン療法といった医学的移行が、当事者のメンタルヘルスを有意に改善させ、QOL(生活の質)を向上させることが示されています。最新の系統的レビューでは、医療介入後にうつ症状、不安症状、自殺念慮が減少し、抗うつ薬の使用頻度も低下したことが報告されています2, 3, 33。
日本におけるトランスジェンダーのメンタルヘルス状況
日本国内の調査では、トランスジェンダー当事者がシスジェンダー(性自認と出生時に割り当てられた性が一致する人)と比較して、精神疾患の経験率や自殺念慮・自殺未遂の経験率が著しく高いという深刻な状況が繰り返し報告されています10, 11, 34。この背景には、性別違和そのものによる苦痛に加え、社会的な偏見、差別、いじめ、孤立といった外部からのストレス要因が大きく影響していると考えられています。
カウンセリングとピアサポートの重要性
移行の旅路において、専門家によるカウンセリングは、自己理解を深め、ストレスに対処し、様々な意思決定を行う上で非常に有効なサポートとなります。同時に、同じ経験を持つ仲間と繋がること、すなわちピアサポートも極めて重要です。当事者団体やオンラインコミュニティは、孤独感を和らげ、実践的な情報を交換し、安心できる居場所を提供してくれます。日本国内では、認定NPO法人EMA日本35やReBit11など、多くの団体が当事者支援活動を行っています。
3.4. 家族・パートナー・周囲の理解とサポート
当事者にとって、家族、パートナー、友人といった身近な人々の理解とサポートは、何にも代えがたい力となります。アライ(支援者・理解者)として周囲の人々ができることは数多くあります。
- 正しい知識を学ぶ:誤解や偏見ではなく、信頼できる情報源から学ぶ姿勢が大切です。
- 名前や代名詞を尊重する:本人が望む名前や代名詞(彼、彼女など)で呼ぶことは、その人の存在を肯定する基本的な一歩です。
- プライバシーを守る:本人の許可なく、その人のセクシュアリティについて他人に話す「アウティング」は、決してしてはいけません。
- 味方であることを伝える:「何かあったら相談してね」という言葉や態度が、大きな支えになります。
- 差別や偏見に反対する:トランスジェンダーに対する否定的な言動を見聞きした際に、それに同調せず、可能であれば異議を唱える勇気も求められます。
家族がカミングアウトを受け止めるには時間がかかることもあります。焦らず、対話を続け、必要であれば家族向けのサポートグループなどを利用することも有効です。
第4部:最新の研究動向と今後の展望
4.1. トランスジェンダー医療に関する国際的な研究動向
トランスジェンダー医療は、世界中で急速に進歩している分野です。2022年に発表されたWPATHの「Standards of Care Version 8 (SOC8)」4は、その最新の国際標準を示しています。SOC8の重要な特徴は、性別不合を精神疾患と見なさない「脱病理化」の考え方を推進し、画一的な治療ではなく、個々のニーズに応じた「個別化医療」を重視している点です36, 37。また、性自認が男性でも女性でもない「ノンバイナリー」の人々へのケアに関する章が初めて設けられるなど、性の多様性への配慮が一層進んでいます37。現在も、ホルモン療法の長期的な影響(心血管リスクや骨の健康など)6、より安全で満足度の高い手術技術の開発、そしてノンバイナリーの人々特有の医療ニーズなどについて、世界中で活発な研究が続けられています。
4.2. 日本におけるトランスジェンダー医療・支援の課題と展望
日本においても、トランスジェンダーを取り巻く環境は変化の途上にありますが、多くの課題も残されています。
- 法的課題:最高裁判決後も残る「外観要件」や「非婚要件」などの見直し、そして実効性のある差別禁止法の制定が今後の大きな課題です。
- 医療の課題:専門医療機関の地域格差の是正、医療従事者全体の知識と理解の向上、そしてホルモン療法や多くの手術に対する保険適用の拡大が強く望まれています。
- 社会的課題:学校や職場、地域社会における差別や偏見をなくし、誰もが安心して自分らしく生きられる社会を築くためには、教育や啓発活動の強化が不可欠です。
これらの課題解決に向けて、当事者団体35、支援者、医療・法律の専門家、そして行政や企業が連携し、取り組みを進めていくことが期待されます。
結論
女性から男性へのトランスジェンダー(FTM)の移行は、非常に個人的で、多岐にわたる側面を持つ奥深い旅です。それは、単に医学的な手順を追うことではなく、自分自身のアイデンティティと深く向き合い、社会との関わり方を再構築し、法的な権利を確立していく、まさに「自分らしい生き方」を築き上げていくプロセスそのものです。本記事では、その道のりを歩む上で指針となるよう、医学的治療、法的側面、精神的・社会的サポートに至るまで、現在利用可能な信頼性の高い情報を包括的に解説しました。重要なのは、移行の形に唯一の正解はないということです。どのような選択をするかは、完全に個人の自己決定に委ねられており、その多様な選択が尊重されるべきです。この道のりは時に困難を伴うかもしれませんが、あなたは一人ではありません。正確な情報と適切なサポートを得ることで、多くの当事者が自分らしい、充実した人生を送っています。この記事が、あなたの旅路を照らす一筋の光となり、希望を持って次の一歩を踏み出すための力となることを、JAPANESEHEALTH.ORG編集部一同、心より願っています。
よくある質問
Q1: FTMの移行には、全体としてどれくらいの費用がかかりますか?
Q2: ホルモン療法(テストステロン投与)の副作用で、特に気をつけるべきことは何ですか?
Q3: 性別適合手術は、必ず全て受けなければならないのですか?
いいえ、必ずしも全ての手術を受ける必要はありません。どのような手術を、どの範囲まで行うかは、ご自身の希望、医学的な状況、ライフプラン、経済的な状況などを総合的に考慮し、医師と十分に相談した上で決定するものです。手術を全く行わないという選択や、乳房切除術のみを行うなど、一部の手術のみを選択することも、個人の尊重されるべき決定です。
Q4: 家族にカミングアウトして、理解してもらうにはどうすれば良いですか?
家族へのカミングアウトは非常に勇気がいることであり、家族にとっても受け止めるのに時間がかかる場合があります。まずは信頼できる家族から、正直な気持ちを丁寧に、時間をかけて伝えることが大切です。トランスジェンダーに関する正確な情報(例えばこの記事など)を提供したり、一緒に専門家の話を聞きに行ったりすることも有効かもしれません。焦らず、根気強く対話を続けることが、相互理解への鍵となります。詳細は本記事の「家族・パートナー・周囲の理解とサポート」の項をご参照ください。
Q5: 日本で戸籍の性別を変更するための最新の条件は何ですか?(2023年最高裁判決後)
2023年10月の最高裁判決により、従来、法的性別変更の要件の一つであった「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」(生殖能力喪失要件)は違憲無効とされました1。したがって、この手術は必須ではなくなりました。2025年6月現在の主な要件としては、(1)二人以上の医師による性同一性障害(または性別不合)の診断、(2)18歳以上であること、(3)現に婚姻をしていないこと、(4)現に未成年の子がいないこと、(5)他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること(外観要件)などがあります14, 29。ただし、「外観要件」については今後の司法判断や法改正の議論の対象となる可能性がありますので、最新の情報は必ず弁護士や家庭裁判所にご確認ください。
参考文献
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