高血圧のリスクとは?原因と治療法を徹底解説
心血管疾患

高血圧のリスクとは?原因と治療法を徹底解説

高血圧は日本の成人における主要な健康課題の一つであり、多くの方がご自身の血圧に関心をお持ちのことでしょう。健康診断で「最高血圧が高い」と指摘されたものの、自覚症状がないために対応に悩んでいる方も少なくありません。この状態を放置すると、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる疾患のリスクが著しく高まるため、正しい知識に基づいた早期の対策が極めて重要です。本記事では、特に心臓が収縮した際の血圧である「収縮期高血圧(最高血圧)」が高い状態に焦点を当て、その原因、健康への具体的なリスク、そして日本高血圧学会の最新ガイドラインや国際的な知見を踏まえた治療法、日常生活での対策について、日本の状況も踏まえながら専門的に詳しく解説します。JAPANESEHEALTH.ORGは、科学的根拠に基づいた信頼性の高い情報を提供することをお約束します。

要点まとめ

  • 収縮期高血圧(最高血圧が高い状態)は、主に加齢による動脈硬化が原因で起こり、日本の高齢化に伴い患者数が増加しています。自覚症状がなくても、脳卒中、心臓病、腎臓病などの深刻な合併症の強力な危険因子です1, 2
  • 治療の基本は、日本の食文化に合わせた減塩(1日6g未満)、DASH食の応用、適度な運動、節酒、禁煙といった生活習慣の修正です3。これらは医師の指導のもと、継続的に行うことが重要です。
  • 薬物療法では、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬などが第一選択薬とされます。治療目標は年齢や合併症に応じて個別化され、75歳未満では通常130/80mmHg未満を目指します。最新の国際ガイドラインでは、さらに厳格な降圧目標が推奨される傾向にあります3, 4, 5
  • 家庭での血圧測定(家庭血圧)は、日々の血圧管理や「仮面高血圧」の発見に不可欠です。日本の専門家である苅尾七臣教授なども、その重要性を強調しています3, 6, 7。医師と相談し、正しい方法で測定・記録を続けましょう。

1. 収縮期高血圧(最高血圧が高い状態)とは?

高血圧について理解するためには、まず血圧そのものが何を指しているのかを知ることが第一歩です。ここでは、血圧の基本的な仕組みから、日本の現状までを詳しく見ていきましょう。

1.1. 血圧の基本:収縮期血圧と拡張期血圧

心臓は、全身に血液を送り出すポンプとして、収縮と拡張を絶えず繰り返しています。血圧とは、この時に血液が血管の壁にかける圧力のことです。血圧は通常、二つの数値で表されます8, 9

  • 収縮期血圧(最高血圧): 心臓が「ギュッ」と収縮して、血液を動脈に送り出した瞬間に血管にかかる最も高い圧力。一般的に「上の血圧」と呼ばれます。
  • 拡張期血圧(最低血圧): 心臓が拡張して血液を貯めている間に、血管にかかっている最も低い圧力。一般的に「下の血圧」と呼ばれます。

この基本的な理解は、なぜ収縮期血圧が高い状態が問題となるのかを把握する上で非常に重要です。

1.2. 「収縮期血圧が高い」とは具体的にどういう状態か?

「収縮期血圧が高い」状態には、いくつかの定義や分類があります。日本の医療現場では、日本高血圧学会(JSH)が発行するガイドラインが基準となります。

  • 高血圧の診断基準: 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」では、医療機関で測定する診察室血圧において、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します3。これらはさらに重症度に応じてI度~III度に分類されます。また、130-139/85-89mmHgのような「正常高値血圧」も、将来高血圧に移行する可能性が高いため注意が必要な段階とされています3
  • 孤立性収縮期高血圧(ISH): 特に高齢者によく見られるタイプで、収縮期血圧が140mmHg以上である一方、拡張期血圧は90mmHg未満に保たれている状態を指します9, 10。これは主に、加齢による大動脈の硬化が原因で起こります。
  • 家庭血圧の重要性: 日常生活での真の血圧を知るためには、家庭での血圧測定が極めて重要です。家庭血圧の基準値は診察室血圧よりも5mmHg低く設定されており、収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上が高血圧とされます3, 8。家庭血圧を測定することで、診察室では高いが家庭では正常な「白衣高血圧」や、その逆の「仮面高血圧」を見つけることができます3
血圧分類(JSH2019) 収縮期血圧 (mmHg) 拡張期血圧 (mmHg)
正常血圧 120未満 かつ 80未満
正常高値血圧 120-129 かつ 80未満
高値血圧 130-139 または 80-89
I度高血圧 140-159 または 90-99
II度高血圧 160-179 または 100-109
III度高血圧 180以上 または 110以上
孤立性収縮期高血圧 140以上 かつ 90未満

出典: 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」を基に作成3

1.3. 日本における収縮期高血圧の現状:あなたは一人じゃない

収縮期高血圧は、決して他人事ではありません。厚生労働省が定期的に行っている調査から、日本の現状を見てみましょう。

  • 日本人の平均血圧: 2024年に結果が公表された厚生労働省の「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、成人(20歳以上)の収縮期血圧の平均値は、男性で131.6mmHg、女性で126.2mmHgでした1
  • 高血圧の有病率: 同調査で、収縮期血圧が140mmHg以上の者の割合は、男性で27.5%、女性で22.5%にものぼります1。これは、日本の成人男性の約4人に1人、女性の約5人に1人が高血圧に該当することを示しており、非常に身近な健康問題であることがわかります。
  • 加齢との関係: 年齢階級別に見ると、収縮期血圧は加齢とともに上昇する明確な傾向があります。例えば、70歳以上の男性の平均値は133.9mmHg、女性では133.1mmHgに達します11, 12。日本の急速な高齢化社会において、高血圧対策はますます重要性を増しています。

これらのデータは、多くの日本人が高血圧のリスクに直面していることを示しており、この問題に対する社会全体の理解と対策の必要性を物語っています。

2. なぜ収縮期血圧が高くなるのか?主な原因とメカニズム

収縮期血圧が上昇する背景には、単一ではなく複数の要因が複雑に関与しています。加齢による避けられない変化から、日々の生活習慣、さらには他の病気の影響まで、その原因は多岐にわたります。

2.1. 加齢と血管の変化

年齢を重ねることは、収縮期高血圧の最も大きな要因の一つです。若い頃はしなやかだった血管が、加齢とともに弾力性を失い、硬くなっていきます。これが「動脈硬化」です。心臓から送り出された血液の衝撃を、硬くなった大動脈がうまく吸収できなくなるため、結果として収縮期血圧が上昇します13。一方で、末梢の血管抵抗はそれほど上がらないため、拡張期血圧は変わらないか、むしろ低下することもあります。これが、高齢者に「孤立性収縮期高血圧」が多く見られる理由です10

2.2. 生活習慣に潜む原因

日々の何気ない習慣が、血圧を徐々に上昇させる大きな原因となり得ます。日本の生活習慣と深く関連する項目も多く含まれます。

  • 食塩の過剰摂取: 日本人の食生活は、醤油、味噌、漬物など塩分を多く含む食品が多く、食塩摂取量が多くなりがちです。食塩(ナトリウム)を過剰に摂ると、体内に水分が溜まりやすくなり循環血液量が増えること、また血管自体が収縮しやすくなることなどから血圧が上昇します2, 3。日本高血圧学会は1日6g未満の減塩を強く推奨しています3
  • 肥満: 特に内臓脂肪が増えるタイプの肥満は、血圧を上げるホルモン(アンジオテンシンなど)の分泌を促したり、交感神経を緊張させたりして血圧を上昇させます。BMI(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)が25以上の方は注意が必要です2, 3
  • 運動不足: 定期的な運動は、血管の柔軟性を保ち、血圧をコントロールする神経の働きを整える効果があります。運動不足はこの恩恵を受けられず、高血圧のリスクを高めます3, 14
  • 過度の飲酒: 長期にわたる過度なアルコール摂取は、交感神経の活性化などを通じて血圧を上昇させます。適量を守ることが大切です2, 3
  • 喫煙: タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて一時的に血圧を急上昇させるだけでなく、長期的には血管の内壁を傷つけ、動脈硬化を強力に促進します2, 3
  • 精神的ストレス・睡眠不足: 慢性的なストレスや睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にさせます。これにより血管が収縮し、血圧が上がりやすくなります3, 14
  • 食生活の乱れ: 野菜や果物に多く含まれるカリウムには、体内の余分なナトリウムを排出して血圧を下げる働きがあります。これらの摂取不足は高血圧の一因です2, 3

2.3. 他の病気が原因となる場合(二次性高血圧)

高血圧全体の約1割は、特定の病気が原因で引き起こされる「二次性高血圧」です15。原因となる病気を治療することで、血圧が改善する可能性があります。代表的な疾患には以下のようなものがあります。

  • 腎臓の病気: 腎実質性高血圧や腎血管性高血圧など、腎臓自体の機能低下や腎臓へ向かう血管の狭窄が原因となります15
  • 内分泌系の病気: 副腎からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌される「原発性アルドステロン症」や、甲状腺ホルモンが過剰になる「甲状腺機能亢進症」などがあります15
  • 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中に呼吸が止まることで体に強いストレスがかかり、交感神経が活性化して血圧が上昇します15
  • 薬剤性の高血圧: 痛み止めの一部(非ステロイド性抗炎症薬)、甘草を含む漢方薬、経口避妊薬などが原因となることがあります15

2.4. 遺伝的要因・体質

血圧の高さには、遺伝的な要因も関与していることが知られています。両親ともに高血圧の場合、その子供も高血圧になりやすい傾向があります16。また、食塩を摂取した際に血圧が上がりやすい「食塩感受性」の体質も遺伝的影響が大きいとされ、日本人にはこのタイプが多いと考えられています17。そのため、痩せ型であっても高血圧になる方も少なくありません。

健康に関する注意事項

  • ここに挙げた原因は一般的なものであり、個人の高血圧の原因を特定するには医師による詳細な診察が必要です。
  • 急激な血圧上昇、激しい頭痛、めまい、胸の痛みなどの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

3. 収縮期血圧が高いと何が危ない?放置するリスクと合併症

収縮期血圧が高い状態を「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ぶのは、自覚症状がほとんどないまま静かに進行し、ある日突然、命を脅かす重大な病気を引き起こすためです。高い圧力がかかり続けることで、全身の血管と、血液を送り出す心臓に深刻なダメージが蓄積していきます。

3.1. 血管への負担と動脈硬化の進行

高血圧の最も基本的な害は、血管への物理的なダメージです。常に高い圧力にさらされた血管の内壁は傷つき、そこから悪玉コレステロールなどが侵入しやすくなります。これにより血管の壁は厚く、硬くなり、血液の通り道が狭くなる「アテローム性動脈硬化」が進行します18。この動脈硬化が、全身の様々な臓器で合併症を引き起こす根本的な原因となります。

3.2. 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)

収縮期血圧の上昇は、脳卒中の最も強力な危険因子です18。日本の大規模な疫学研究である久山町研究でも、血圧が高いほど脳卒中の発症率が著しく高まることが明確に示されています。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の細い血管が破れる「脳出血」、脳動脈瘤が破裂する「くも膜下出血」のいずれのリスクも高めます。脳卒中は、命を落とす危険があるだけでなく、半身麻痺や言語障害などの重い後遺症を残す可能性があります。

3.3. 心臓病(狭心症・心筋梗塞・心不全・心肥大)

高い血圧に逆らって血液を送り出し続けなければならない心臓には、絶えず大きな負担がかかります。この状態が続くと、心臓の筋肉が厚くなる「心肥大」が起こります18。心肥大が進行すると、心臓のポンプ機能が徐々に低下し、息切れやむくみなどを引き起こす「心不全」に至ります。さらに、心臓に栄養を送る冠動脈の動脈硬化が進むと、血流が悪化して胸の痛みを引き起こす「狭心症」や、血管が完全に詰まって心筋が壊死する「心筋梗塞」のリスクが急増します18

3.4. 腎臓病(慢性腎臓病CKD・腎硬化症・腎不全)

腎臓は、血液をろ過して老廃物を排出するフィルターの役割を担う、無数の細い血管の塊です。高い血圧がこのフィルター(糸球体)にかかり続けると、血管が硬化し(腎硬化症)、ろ過機能が低下していきます18。これが進行すると「慢性腎臓病(CKD)」となり、蛋白尿が出たり、腎機能がさらに悪化したりします。CKDが進行すると血圧のコントロールがさらに難しくなるという悪循環に陥り、最終的には人工透析が必要な「腎不全」に至ることもあります。

3.5. 大血管疾患(大動脈瘤・大動脈解離)

心臓から直接つながる大動脈のような太い血管も、高血圧の持続的な圧力によって壁が弱くなります。その結果、血管壁がこぶのように膨らむ「大動脈瘤」や、血管の壁が突然裂けてしまう「大動脈解離」といった、極めて致死率の高い病気のリスクが高まります18

3.6. 眼底出血・網膜症

眼の奥にある網膜には、非常に細い血管が張り巡らされています。高血圧によってこれらの血管がダメージを受けると、出血(眼底出血)や、血管の詰まり、網膜のむくみなどが生じ、視力低下の原因となる「高血圧性網膜症」を引き起こすことがあります18

3.7. 認知機能低下・認知症

近年、高血圧と認知症の関連が強く注目されています。特に中年期の高血圧は、老年期における認知機能低下や、「血管性認知症」および「アルツハイマー型認知症」の発症リスクを高めることが多くの研究で示されています19。これは、脳の微小な血管が損傷を受けたり、脳全体の血流が悪化したりすることが一因と考えられています19

4. 収縮期高血圧の検査と診断

収縮期高血圧の診断と適切な治療方針の決定には、正確な血圧測定と、合併症や二次性高血圧の有無を評価するための各種検査が不可欠です。

4.1. 正しい血圧測定の方法(家庭血圧・診察室血圧)

血圧は常に変動しているため、一度の測定だけで判断するのは不十分です。特に、日常生活における血圧の状態を把握するために、家庭での血圧測定(家庭血圧)が非常に重要視されています。

  • 家庭血圧測定の重要性と正しい測り方: 家庭血圧は、リラックスした状態での普段の血圧を反映するため、治療効果の判定や、「白衣高血圧」(診察室でのみ血圧が高くなる)、「仮面高血圧」(診察室では正常だが家庭で高くなる)の診断に不可欠です3。測定は、朝(起床後1時間以内で、排尿後、朝食・服薬前)と夜(就寝前)の1日2回、椅子に座って1〜2分安静にした後に行います。血圧計は、正確性が検証された上腕で測定するタイプが推奨されます3
  • 診察室血圧測定と注意点: 診察室では、緊張などから普段より血圧が高く出ることがあります。測定前には少なくとも5分間、静かで落ち着いた環境で安静にすることが大切です3

4.2. 医師が行う検査

高血圧と診断された場合、またはその疑いがある場合、医師は血圧測定に加えて以下のような検査を行い、全身の状態を総合的に評価します。

  • 問診・身体診察: 自覚症状、これまでの病歴、家族の病歴、生活習慣(食事、運動、喫煙、飲酒など)について詳しく聞き取ります。また、聴診や触診などを行います20
  • 血液検査・尿検査: 腎機能、電解質、血糖値、脂質(コレステロールなど)、尿酸値などを調べ、合併症のリスクや二次性高血圧の原因を探ります20
  • 心電図検査: 心肥大や不整脈など、心臓への負担がかかっていないかを評価します20
  • 眼底検査: 眼の奥の網膜の血管を直接観察し、高血圧による動脈硬化の程度を評価します20
  • 必要に応じた追加検査: 上記の検査で異常が見られたり、合併症が疑われたりする場合には、胸部X線検査、心エコー(超音波)検査、腹部エコー検査、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)など、より詳細な検査が行われることがあります20

4.3. 二次性高血圧が疑われる場合の精密検査

若年での発症、急激な血圧上昇、治療抵抗性の高血圧などの特徴がある場合、二次性高血圧が疑われます。この場合は、原因となっている疾患(原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧、睡眠時無呼吸症候群など)を特定するために、ホルモン負荷試験や画像検査(CT、MRIなど)といった、より専門的な精密検査が必要となります15

5. 収縮期高血圧の最新治療戦略:目標値と治療法

収縮期高血圧の治療は、単に血圧の数値を下げることだけが目的ではありません。最終的なゴールは、脳卒中や心筋梗塞といった将来の合併症を予防し、生活の質(QOL)を高く保ちながら健康寿命を延ばすことです。そのためには、個々の患者さんに合わせた治療目標を設定し、生活習慣の修正と薬物療法を適切に組み合わせることが基本となります。

5.1. 治療の目的と個別化された降圧目標

治療方針を決定する上で最も重要なのが、どこまで血圧を下げるかという「降圧目標値」です。この目標値は、年齢や合併している病気(糖尿病、慢性腎臓病など)によって異なります。

対象患者群 降圧目標 (診察室血圧) 出典
75歳未満の成人 <130/80 mmHg JSH20193
75歳以上の高齢者 <140/90 mmHg (忍容性あれば <130/80 mmHgも考慮) JSH20193
糖尿病合併 <130/80 mmHg JSH20193
CKD合併(蛋白尿有) <130/80 mmHg JSH20193

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」では、上表のように目標値が定められています3。75歳以上の高齢者については、過度な降圧によるふらつきや転倒のリスクを避けるため、やや緩やかな目標から開始し、状態を見ながら慎重に判断することが推奨されています13

一方で、国際的なガイドラインでは、より積極的な降圧を目指す傾向にあります。例えば、2023年の欧州高血圧学会(ESH)ガイドラインでは、65~79歳の高齢者でも忍容性があれば収縮期血圧130mmHg台を目指すことを考慮し4, 5、2024年の欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは、ほとんどの成人で収縮期血圧120-129mmHgを推奨しています21, 22, 23。これらの動向は、特に高齢者において厳格な血圧管理が心血管イベントを減少させることを示したSTEP試験などの大規模臨床試験の結果を反映したものです24。日本の診療でも、フレイル(虚弱)の状態などを考慮しつつ、個々の患者さんに合わせて最適な目標を追求する「個別化医療」の考え方が重要になっています13

5.2. 治療の基本:生活習慣の修正 (食事・運動・禁煙など)

血圧管理の第一歩であり、薬物療法と並行して継続すべき最も重要な治療法が、生活習慣の修正です。これらは高血圧の予防だけでなく、治療においても大きな効果を発揮します。

  • 減塩療法: JSH2019では、1日の食塩摂取量を6g未満にすることを強く推奨しています3。日本食は塩分が多くなりがちですが、出汁の旨味を活用する、香辛料や香味野菜で風味を足す、減塩タイプの調味料を選ぶなどの工夫で、美味しく減塩を続けることが可能です2, 14
  • 食事パターン: 野菜、果物、魚、低脂肪乳製品、全粒穀物を積極的に摂り、飽和脂肪酸やコレステロールを控える「DASH食」や「地中海食」は、降圧効果が科学的に証明されています。日本食の良さを活かしながら、これらの要素を取り入れることが推奨されます3
  • 適正体重の維持: 肥満は高血圧の大きなリスク因子です。まずは現在の体重から3~4%減量するだけでも、有意な降圧効果が期待できます3
  • 運動療法: ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動を、できれば毎日30分以上、または週に180分以上行うことが推奨されます3, 14。筋力トレーニングの併用も効果的です。
  • 節酒: アルコールの摂取は適量を守ることが重要です。JSH2019では、1日あたりの純アルコール換算で男性なら20~30mL以下、女性なら10~20mL以下を推奨しています(ビール中瓶1本、日本酒1合程度)3
  • 禁煙: 喫煙は血圧管理において百害あって一利なしです。禁煙は、血圧だけでなく心血管疾患全体のリスクを大幅に低下させます3。禁煙外来など専門家のサポートを活用することも有効です。
  • ストレス管理と十分な睡眠: リラックスできる時間を作り、十分な睡眠をとることも、自律神経を整え血圧を安定させるために重要です3, 14

5.3. 薬物療法:降圧薬の種類と特徴、選択基準

生活習慣の修正を行っても血圧が目標値まで下がらない場合や、高リスクの患者さんには、薬物療法が開始されます。現在、作用機序の異なる様々な種類の降圧薬があり、患者さんの状態に合わせて選択されます。

  • 主な降圧薬の種類: JSH2019では、主に以下の薬剤を第一選択薬として推奨しています3
    • カルシウム拮抗薬 (CCB): 血管を広げて血圧を下げます。高齢者や収縮期高血圧に特に効果的です。
    • ARB (アンジオテンシンII受容体拮抗薬) / ACE阻害薬: 血圧を上げるホルモン(アンジオテンシンII)の働きを抑えることで血圧を下げます。臓器保護作用も期待されます。
    • 利尿薬(サイアザイド系など): 体内の余分な塩分と水分を排出することで血圧を下げます。特に高齢者や心不全合併例で有効です。
    • β遮断薬: 心臓の働きを少し抑えることで血圧を下げます。心不全や頻脈を合併している場合に積極的に使われますが、近年の国際ガイドラインでは、特定の適応がない限り第一選択薬としての位置づけは見直される傾向にあります4, 5, 22, 23
  • 薬剤の選択と併用: 治療は通常、これらの第一選択薬の中から1種類を少量から開始します。効果が不十分な場合は、量を増やすか、作用機序の異なる別の薬剤を併用します(例:ARB+カルシウム拮抗薬、ARB+利尿薬)3。最近では、2種類の成分を1錠にまとめた配合剤も多く用いられ、服薬の負担を軽減しています。
  • 副作用への注意: どんな薬にも副作用の可能性がありますが、最近の降圧薬は安全性が高く、副作用が起こる頻度は高くありません25。ふらつき、頭痛、咳、むくみなど、気になる症状が現れた場合は、自己判断で薬をやめず、必ず処方した医師に相談してください。多くの場合、薬剤の変更や量の調整で対応可能です。高齢者では、複数の薬剤を服用すること(ポリファーマシー)による副作用のリスクにも注意が必要です13

5.4. 最新の研究動向と将来の治療法

高血圧の治療は日々進歩しています。最新の研究は、より効果的で個別化された治療への道を開いています。

  • STEP試験の衝撃: 2021年に発表されたSTEP試験は、60~80歳の高齢者高血圧患者において、収縮期血圧を110~130mmHgの範囲に厳格に管理する群が、130~150mmHgを目標とする標準治療群に比べて、心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクを26%も有意に減少させたことを示しました24。この結果は、高齢者における積極的な降圧治療の意義を強く裏付けるものとして、世界のガイドラインに大きな影響を与えています。
  • 腎デナベーション治療: 薬を複数飲んでも血圧が下がらない「治療抵抗性高血圧」に対する非薬物療法として、腎臓の交感神経をカテーテルで焼灼する「腎デナベーション」が注目されています。その効果や長期的な安全性についてはまだ研究が続いていますが、ESC2024ガイドラインでは治療選択肢の一つとして推奨されています22, 23
  • 新しい作用機序の降圧薬: 心不全治療薬として知られるARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)は、優れた降圧効果も示すことから高血圧治療への応用が期待されています。日本の第一人者である樂木宏実教授や苅尾七臣教授らが関わった研究やメタアナリシスでは、既存のARBに比べて優れた血圧低下効果が報告されており26, 27, 28, 29、今後の新たな選択肢となる可能性があります。
  • デジタル技術の活用: AIやスマートフォンアプリ、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)を用いて、日々の血圧変動や生活習慣を詳細にモニタリングし、個々人に最適化された治療法を提案する個別化医療の実現に向けた研究も進んでいます。

6. 日本の専門家からのアドバイスとメッセージ

日本の高血圧研究・診療をリードする専門家は、科学的根拠に基づき、患者さん一人ひとりに寄り添ったメッセージを発信しています。

6.1. 苅尾七臣教授(自治医科大学)の視点

家庭血圧や時間循環器学の世界的権威である苅尾七臣教授は、診察室の血圧だけでは見逃されがちな「仮面高血圧」、特に心血管イベントのリスクが最も高い早朝や夜間の高血圧(早朝高血圧・夜間高血圧)の危険性を一貫して訴えています6, 7。教授は、家庭血圧測定を毎日行い、自身の血圧リズムを知ることの重要性を強調しています。また、アジア人における高血圧の特徴や、デジタルヘルス技術を用いた個別化医療の推進にも精力的に取り組んでいます。

6.2. 樂木宏実教授(大阪大学名誉教授/大阪労災病院長)の視点

高齢者高血圧や個別化医療の専門家である樂木宏実教授は、日本高血圧学会の元理事長として、長年日本の高血圧診療を牽引してきました。教授は、特に高齢者の高血圧管理において、単に血圧の数値を下げるだけでなく、フレイル(虚弱)や認知機能、服用薬の多さ(ポリファーマシー)などを総合的に考慮した、全人的なアプローチの重要性を強調しています30, 31。ARNIなどの新規治療薬の研究にも大きく貢献し、科学的根拠に基づいた最新の治療を患者に届けることに尽力しています。

6.3. 日本高血圧学会からの一般向けメッセージ

日本高血圧学会(JSH)や、その関連組織である日本高血圧協会は、一般市民や患者さんに向けて、高血圧に関する正確な情報提供や啓発活動を積極的に行っています3, 32。公式ウェブサイトでは、一般の方向けに分かりやすく解説された情報や、市民公開講座の案内などが掲載されています。これらの信頼できる情報源を活用し、正しい知識を身につけることが推奨されます。

7. 収縮期高血圧と上手く付き合うために:日常生活のポイントとQ&A

高血圧は長く付き合っていく必要のある病気です。日々のセルフケアを習慣化し、疑問や不安を解消しながら治療に取り組むことが、良好なコントロールを維持する鍵となります。

7.1. 日常生活でできるセルフケアの具体策

  • 血圧手帳の活用: 毎日測定した家庭血圧と、その日の体調や出来事などを記録する「血圧手帳」は、医師が治療方針を決定する上で非常に貴重な情報源となります。
  • 食事療法の継続のコツ: 外食時はメニューの栄養成分表示を確認したり、麺類の汁は残すなどの工夫を。加工食品は塩分が多い傾向にあるため、利用は控えめにしましょう。
  • 運動習慣化のアイデア: 通勤時に一駅分歩く、エレベーターを階段に変えるなど、日常生活の中に運動を取り入れることから始めましょう。家族や友人と一緒に楽しむことも長続きの秘訣です。
  • ストレス対処法: 趣味の時間を持つ、ゆっくり入浴する、軽いストレッチをするなど、自分に合ったリラックス方法を見つけることが大切です。
  • 家族や周囲のサポート: 高血圧の治療は本人の努力だけでなく、家族の理解と協力が大きな支えになります。食事のメニューを一緒に考えたり、運動に付き合ったりするなど、サポートをお願いしてみましょう。

健康に関する注意事項

  • 自己判断で薬を中断したり、量を変更したりすることは極めて危険です。必ず医師の指示に従ってください。
  • 民間療法や健康食品の中には、科学的根拠が乏しいものや、他の薬との相互作用で害を及ぼす可能性のあるものも存在します。試す前には必ずかかりつけ医に相談してください。

よくある質問 – (FAQ)

Q1: 収縮期血圧だけが高いのはなぜ?拡張期血圧は低いのに大丈夫?

これは「孤立性収縮期高血圧」と呼ばれる状態で、主に加齢によって大動脈が硬くなる(動脈硬化)ことが原因です10。心臓が血液を送り出す際の圧力(収縮期血圧)は上昇しますが、血管の弾力性が失われているため、心臓が休んでいる時の圧力(拡張期血圧)は上がりにくい、あるいはむしろ低下することがあります。重要なのは、拡張期血圧が正常でも、収縮期血圧が高いこと自体が脳卒中や心臓病の独立した強力なリスクであるという点です。したがって、「上だけ高いから大丈夫」ということはなく、医師の診断のもとで適切な管理が必要です3

Q2: 薬を一度飲み始めたら、一生やめられないの?

必ずしもそうとは限りません。特に、肥満や塩分の過剰摂取などが原因で高血圧になっていた方が、徹底した生活習慣の改善(大幅な減量や厳格な減塩など)に成功した場合、医師の判断で薬を減らしたり、中止したりできる可能性はあります。しかし、多くの場合、高血圧の背景には加齢や遺伝的体質など、完全には取り除けない要因も関わっているため、良好な血圧を維持するためには継続的な服薬が必要となることが一般的です。自己判断での中止は、血圧の急激なリバウンドを招き非常に危険ですので、絶対にやめてください3

Q3: 降圧薬の副作用が心配です。どうすればいい?

どのような薬にも副作用の可能性はありますが、近年の降圧薬は安全性が高く、重篤な副作用は稀です25。起こりうる副作用としては、カルシウム拮抗薬による頭痛やむくみ、ACE阻害薬による空咳などが知られていますが、頻度は高くありません。もし気になる症状が現れた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。薬の種類を変更したり、量を調整したりすることで、ほとんどの場合は解決できます。副作用を恐れて薬を飲まないことの方が、将来の健康リスクをはるかに高めてしまいます。

Q4: 健康診断で高血圧と指摘されたけど、自覚症状がないので放置してもいい?

絶対に放置してはいけません。高血圧が「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれる最大の理由がここにあります。自覚症状が全くないまま、水面下で動脈硬化が進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞といった致命的な病気を引き起こすのです。症状がないからこそ、健康診断での指摘は体からの重要な警告サインと受け止め、速やかに医療機関を受診し、医師の指示に従うことが何よりも大切です3

Q5: サプリメントで血圧は下がりますか?

GABAや特定のペプチドなど、一部の成分を含む特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品には、血圧を穏やかに下げる効果を示唆する研究が存在します。しかし、その効果は医薬品に比べて限定的であり、個人差も大きいのが実情です。高血圧の治療の根幹は、あくまで医師の指導のもとでの生活習慣の修正と、必要に応じた薬物療法です。サプリメントは補助的な位置づけと考え、使用を希望する場合は、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してからにしてください3

Q6: どのくらいの頻度で通院が必要ですか?

通院の頻度は、血圧のコントロール状態、治療内容、合併症の有無などによって一人ひとり異なります。一般的に、治療を開始した当初や薬を変更した直後は、効果や副作用を確認するために2週間~1ヶ月に1回程度、血圧が安定すれば1~3ヶ月に1回程度の通院となることが多いです。定期的な通院は、血圧のチェックだけでなく、合併症の早期発見のためにも重要ですので、必ず医師の指示に従ってください3

結論

収縮期高血圧は、自覚症状がないまま進行し、私たちの健康寿命を脅かす深刻な病気の引き金となります。しかし、それは決して抗うことのできない運命ではありません。血圧が上昇するメカニズムを正しく理解し、家庭での血圧測定を通じてご自身の状態を把握すること。そして、減塩や運動といった日々の生活習慣を見直し、必要であれば医師の指導のもとで適切な薬物療法を粘り強く続けること。これらの着実な一歩一歩が、将来の脳卒中や心臓病のリスクを確実に低減させます。ご自身の血圧に関心を持ち、この記事で得た知識を行動に移すことが、健やかな未来を守るための最も確かな投資です。少しでも不安や疑問があれば、決して一人で抱え込まず、かかりつけの専門家にご相談ください。

免責事項この記事は医学的アドバイスに代わるものではなく、症状がある場合は専門家にご相談ください。

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